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開祖伝
はしがき
(歌)
01 誕生
02 幼女の頃
03 子守奉公
04 出口家へ入籍
05 夫政五郎さん
06 八人の子宝
07 浮かれ節
08 病床の夫
09 紙屑買い
10 身だしなみ
11 政五郎さんの帰幽
12 重なる災厄
13 霊夢
14 帰神の発端
15 開祖の自己審神
16 算盤師の占い
17 世人の誤解
18 お筆先の発端
19 お筆先の内容
20 出牢後の宣伝
21 贈られた土塊
22 聖師綾部へ
23 厳瑞二霊
24 冠島開き
25 沓島開き
26 鞍馬山参り
27 元伊勢お水の御用
28 出雲大社お火の御用
29 弥仙山お籠もり
30 沓島における平和祈願
31 二つの性格
32 水洗礼
33 恭倹
34 御日常
35 昇天
36 祈りとまこと
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二七 元伊勢お水の御用
インフォメーション
題名:
27 元伊勢お水の御用
著者:
愛善苑宣教部・編
ページ:
目次メモ:
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2017-11-25 15:48:12
OBC :
B100600c27
001
明治三十四年開祖様六十六才の旧三月八日
[
※
新4月26日
]
、
002
京都府加佐郡内宮の神境・五十鈴川の水上・
元
(
もと
)
伊勢
(
いせ
)
にお水の御用がありました。
003
「世界広しといえども、
004
生粋
(
きっすい
)
の水晶のお水というのは、
005
元伊勢の天の岩戸の
産盥
(
うぶがま
)
、
006
産釜
(
うぶだらい
)
のお水より外にはないので、
007
その水晶のお水を汲んで来ねばならぬ」
008
と云う意味のお筆先が旧三月一日に出たのです。
009
「艮の金神の指図でないと、
010
この水は滅多に汲みには行けんのであるぞよ。
011
この神が許しを出したらどこからも指一本さえるものもないぞよ」
012
と云う意味のお筆先もありました。
013
極めて大切な御用なので、
014
六日前に木下慶太郎氏が下調べに行き、
015
016
「この水は昔から汲取禁制のお水であって、
017
万一禁を犯した場合は必ず大風になり、
018
大洪水が出ると伝えられ、
019
何人
(
なんぴと
)
も触れることのできぬように、
020
特に神官が見張りをして居るばかりでなく、
021
上の方から見下したところでは小さい流れがあって二間ばかりの板を渡さねば行かれない」
022
ということまで確かめて帰って来ました。
023
いよいよ当日になって、
024
開祖様のほか聖師様、
025
二代様を初めとして一行四十二名、
026
菅笠、
027
蓑、
028
ござの扮装で、
029
お水を汲み取るために青竹の一節の筒二本を携帯して出発されました。
030
内宮の松代屋に着いて一行は打ち寛ぎ、
031
まず森津由松氏に命じて様子を見にやられましたところ、
032
日が暮れかけて、
033
見張りの神官が家へ引き上げるのを見届けて、
034
森津氏は早速報告に引き返して来ましたので、
035
木下氏は用意の竹の筒二本を携えて大急ぎで岩戸へ駆けつけました。
036
行って見ると六日前に調べに来たとき見て置いた小さな流れには、
037
大きな朽木が流れ寄って横たわっておったので、
038
これ幸いと渡って行きました。
039
そして
産盥
(
うぶがま
)
と
産釜
(
うぶだらい
)
の水を青竹の筒の中へ満たして首尾よく松代屋へ引き揚げました。
040
開祖様は非常にお喜びになり、
041
そして木下氏が大きな朽木の橋の出来ていたことを申し上げますと
042
「それは正しく竜神様である」
043
と云われました。
044
翌日はお礼詣りに行かれ夕方五時内宮を出発して、
045
夜通し徒歩にて帰られましたが、
046
綾部へ帰るまで何の御用をして来たか知らぬ者さえ多かったそうです。
047
汲んで来られた
生粋
(
きっすい
)
の水晶のお水は一旦神様にお供えした後、
048
そのお下がりを皆で少しづつ頂き、
049
当時の大本の井戸と出口家
元屋敷
(
もとやしき
)
の
角蔵
(
かくぞう
)
氏の井戸と、
050
四方源之助氏宅の井戸とへ五勺
[
※
約九〇ミリリットル
]
ほどを入れ、
051
残りは丹後の
沓島
(
めしま
)
冠島
(
おしま
)
の真中、
052
すなわち竜宮海へ差せとの開祖様の云いつけでありました。
053
このお水の御用ができた頃、
054
大本で三つの火の不思議がありました。
055
即ちお広前のランプが落ちて大事になるところをようやく消し止めたが、
056
それから二、
057
三分も経たぬ間に風呂場から火が出てこれもまた大事になるところを聖師様が見付けて大騒ぎになりようやく消し止めました。
058
するとまたある役員の背中へランプが落ちて危ういところを消し止めました。
059
わずか二三分の間に三つも火事沙汰が起こりましたので、
060
聖師様は何かの御神慮のあることだろうとお考えになって居られますと、
061
神がかりとなられまして深い御神慮を洩らされたということです。
062
尚お水はその後出雲大社より迎えた清水を合せて、
063
六月八日開祖様は三十五名の教え子を引き連れ、
064
沓島にお渡りになって、
065
釣鐘岩
(
つりがねいわ
)
の絶頂に登り立たれ、
066
眼下の海原目がけて注がれ、
067
068
「あゝ艮金神国常立尊よ、
069
仰ぎ願わくば太平洋のごとく広く、
070
日本海のごとく深き御庇護を下したまいて、
071
この清けき産水と美わしき真清水の、
072
海洋を一周し雲となり雨となり、
073
あるいは雪となり
霰
(
あられ
)
となって、
074
あまねく五大州を潤し、
075
天下の
曲霊
(
まがひ
)
を掃蕩し、
076
汚穢を洗滌し、
077
天国を地上に建設し、
078
黄金世界を現出せしめたまえ」
079
という意味の御祈願を、
080
満腔の熱誠をこめてせられました。
081
そして、
082
083
「この水が三年経てば世界中へ回るから、
084
そしたら世界が動き出す。
085
そして大本へだんだん神のお役に立つ因縁のある人が集って来る」
086
と云われました。
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