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開祖伝
はしがき
(歌)
01 誕生
02 幼女の頃
03 子守奉公
04 出口家へ入籍
05 夫政五郎さん
06 八人の子宝
07 浮かれ節
08 病床の夫
09 紙屑買い
10 身だしなみ
11 政五郎さんの帰幽
12 重なる災厄
13 霊夢
14 帰神の発端
15 開祖の自己審神
16 算盤師の占い
17 世人の誤解
18 お筆先の発端
19 お筆先の内容
20 出牢後の宣伝
21 贈られた土塊
22 聖師綾部へ
23 厳瑞二霊
24 冠島開き
25 沓島開き
26 鞍馬山参り
27 元伊勢お水の御用
28 出雲大社お火の御用
29 弥仙山お籠もり
30 沓島における平和祈願
31 二つの性格
32 水洗礼
33 恭倹
34 御日常
35 昇天
36 祈りとまこと
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一三 霊夢
インフォメーション
題名:
13 霊夢
著者:
愛善苑宣教部・編
ページ:
目次メモ:
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B100600c13
001
明治二十五年旧正月元旦
[
※
1892年新1月30日
]
の夜、
002
開祖様五十七才の時、
003
不思議な霊夢を見られたのです。
004
開祖様御自身のお体が突然、
005
神境へ入ったと思われますと、
006
荘厳というか、
007
美麗というか、
008
いまだかつて御覧になったことのない立派な宮殿楼閣が、
009
幾層とも知れず開祖様の目前に建ちならんで、
010
大小の間取りが整然として連なって見えました。
011
開祖様はまず表門からお入りになって中殿へ行かれますと、
012
そこには容貌とうとく麗しく、
013
八束に余るひげのある神様が端然と正坐しておられました。
014
開祖様は余りの神々しさに魂も身に添わず、
015
我を忘れてお進みになりますと、
016
神様は大兵肥満のお体をお起しになり、
017
やおら御座を立って開祖様のお手を取り、
018
奥殿深くお導きになりました。
019
やがて奥殿の階段の下に開祖様を残して御昇殿の上、
020
何事か御奏上になって、
021
また元の御座に正坐したもうのを見て、
022
開祖様は気もそぞろに、
023
我にもあらず門外にお出になり、
024
艮
(
うしとら
)
の方向とおぼしき方へお回りになりますと、
025
そこにはまた大きな門があり、
026
門内の殿堂の荘厳にして規模の壮大なることは、
027
前の殿堂よりも更に更に勝ったものでありまして、
028
その中央に端坐まします大神様のお姿の神々しさ、
029
御身に着けたもう宝玉は光輝いて、
030
打仰ぐ開祖様の胸の血を躍らせるのでした。
031
しばらくしますと、
032
その大神様は悠然と御座をお立ちになり、
033
開祖様の間近まで進まれ、
034
開祖様のお顔をシゲシゲとご覧になっておられましたが、
035
別にお言葉はなく、
036
元の御座にお帰りになられました。
037
開祖様はひたすら畏敬の念に打たれながら、
038
ひた走りに走って門外へ出られますと、
039
そこにまた一棟の立派な殿堂がありまして、
040
その中に先年亡くなられた夫政五郎さんがおられましたから、
041
開祖様は我を忘れて走り寄り、
042
互いに既往を語り将来を談じて、
043
時の移るのも覚えられぬほどでしたが、
044
この時忽然として夢よりさめたのです。
045
その翌日も翌々日も、
046
その後幾回となく同じような霊夢を御覧になり、
047
一回は一回よりますます畏敬の念つよまり、
048
開祖様御自身も何だか神様と御一緒におられるようなお心持ちになられ、
049
いわゆる神気来格の徴がこの時からみち満ちてまいりました。
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