霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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附録 大祓(おほはらひ)祝詞(のりと)解(かい)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第39巻 舎身活躍 寅の巻 篇:後付 よみ(新仮名遣い):
章:附録 大祓祝詞解 よみ(新仮名遣い):おおはらいのりとかい 通し章番号:
口述日:1922(大正11)年10月21日(旧09月2日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年5月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
(一)
大祓祝詞は中臣の祓とも言い、毎年六月と十二月の晦日の大祓執行に際して、中臣が奏上する祭文であり、延喜式に載録されている。
従来この祝詞の解説は無数に出ているが、全部文章辞義の解釈のみにこだわり、その中にこもる真意義にはほとんど一端さえ触れていない。大祓祝詞の真義は大本言霊学の鍵で開かなければならない。
大祓祝詞の解釈は無尽蔵に近く、主要なものだけでも十二通りあるが、なるべく平易簡単に今の時に適切と感じられる解釈のひとつを試みる。時運はますます進展し、人としての資格の有無を問う大審判の日は目前に迫っているから、心ある読者諸氏はこれを読んで、真の理解と覚醒の途に就いていただきたい。
(二)
全大宇宙間には陰陽二系の御神霊が実相充塞している。それは一切万有の父でありまた母である。陰陽二神の神秘的産霊の結果はまず、一切の原動力ともいうべき言霊の発生となった。
いわゆる八百万の天津神の御出現であり、御完成である。天界の主宰は天照皇大神様である。次に地の世界の統治権の確定は、天照大神様の御霊統を受けられたお方が全世界の救済と大道の執行をするべく、天の使命を帯びられた。
人間の肉体は生死往来することを免れないが、霊魂は無限の寿命を保って活動するのである。
(三)
地の神界の統治者は確定したが、宇宙の間はなお未製品時代に属するので、自由行動をとって割拠争奪をこととする凶徒界が多い。これは大本開祖の御神諭に示されているところであり、過去のことのみではない。
小規模の救世主降臨は過去にあったが、大規模の真の救世主降臨は現在である。その結果悪鬼邪神の大審判、大掃除、大洗濯が開始されいわゆる世の大立替の大渦中に突入する。
そうなると批評も議論も疑義も反抗も全部中止となり、稜威赫々として宇内を統治し給う神の御子の世となるのである。
(四)
天祖の御委託によって救世主が御降臨されるについて、宇宙の中心、世界の中心である国土をもって宇内経綸、世界統一の中府と定め給い、天地相応の際から特別製に作り上げてある神定の霊域に、崇厳無比の神殿を御造営され、惟神の大道によって天下をしろしめされることになる。
それについては、直接天津神の手足となって活動しなければならない責任が重い。どのようなことをなし、どのようなことをなしてはならないか、明確な観念を持たなければならない。
次節に列挙するさまざまな罪ごととはことごとく、人として日夕服膺しなければならない重要事項のみである。
(五)
人間は神の容器として宇内経綸の天職がある。ことに日本人の使命は重大をきわめ、世界の安否、時運の興廃、ことごとくその責任は日本人に係っている。天賦の霊魂を磨き、霊智霊覚によって天然造化力の利用開発に努め、同時に国の徳と人の徳を発揮し、立派な模範を世界中に示されなければならない。
実際にはこれに反して、いたずらに物質文明の糟粕をなめ、罪の上に罪を重ねて現在みるごとき世界の大擾乱となってきた。
日本人はこの責任を免れることはできない。しかしこれは天地創造の際からの約束で、進化の道程として免れがたいことであることも事実である。
過去のことは今さら悔やむには及ばない。我々は現在および将来に向かっていかなる態度をとり、いかなる処置を講じればよいかを考究すべきである。次節にその要道を示している。
(六)
天津罪、国津罪が続発することは悲しむべき不祥事であるが、致し方ない。よくその理を明らかにして整理修祓の法を講じなければならない。
世界主宰の大君としては天津金木を運用して宇内の現勢を察知し、正しい言霊を活用して天津祝詞を天地の神々に宣り伝えてその活動を促すべきである。これが根本の祭事であると同時にまた根本の政事である。
天津神も国津神もこれに応じてよく威力を発揮せられるのである。
(七)
八百万の天津神と国津神の御活動が開始されると、罪という罪、穢れという穢れは一つも残らず根本から一掃されてしまう。大は宇宙の修祓、国土の修祓から小は一身一家の修祓に至るまで、神力の御発動がなければできるものではないのである。
大祓祝詞はいつの時代を通じても必要で、神人一致、罪と穢れの累積を祓い清めるように努力しなければならない。現代においては特に痛切に必要である。
自己の身体、家庭、国土、全地球、全宇宙から迅速に邪気妖気を掃蕩して神代にしなければ神に対して相済まない。
大修祓に際して、神の御活動は四方面に分かれる。祓戸四柱の神々の御働きである。正神界の神々が修祓を行うときには、この四方面に分かれて御活動があることを指す。
(八)
地球の表面の清潔法を施行するためには、大小の河川をつかさどる瀬織津姫が御出動になる。いよいよとなれば大雨を降らして大海へ一掃してしまう。
これに応じて速秋津姫の御活動が起こる。必要あれば陸地まで押し寄せてあらゆるものを鵜呑みにする。
邪気妖気の掃除のためには気吹戸主神が控えている。最後の仕上げには佐須良姫が待ち構えて揉み砕き、揺りつぶす。これでいかに山積していた罪穢もこの世から一掃される。
従来は大祓祝詞は世に存在していてもその意義さえ分からず、その実行が少しもできていなかった。その大実行着手が国祖国常立尊の御出動である。神国人の責務は重いが上にも重い。天地の神々の御奮発と御加勢とをもって首尾よくこの大経綸の衝にあたり神業に奉仕するというのが、大祓奏上者の覚悟であらねばならない。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ:熊野久須毘命(熊野樟日命) データ凡例: データ最終更新日:2025-10-25 09:59:04 文字数:15644 OBC :rm399901
愛善世界社版:287頁 八幡書店版:第7輯 385頁 修補版: 校定版:301頁 普及版: 初版: ページ備考:
001   (一)
 
002 大祓(おほはらひ)祝詞(のりと)は中臣(なかとみ)の祓(はらひ)とも称(とな)へ、003毎年(まいねん)六(ろく)月(ぐわつ)と十二(じふに)月(ぐわつ)の晦日(みそか)を以(もつ)て大祓(おほはらひ)執行(しつかう)に際(さい)し、004中臣(なかとみ)が奏上(そうじやう)する祭文(さいぶん)で延喜式(えんぎしき)に載録(さいろく)されてある。
005 従来(じうらい)此(この)祝詞(のりと)の解説(かいせつ)は無数(むすう)に出(で)て居(ゐ)るが、006全部(ぜんぶ)文章(ぶんしやう)辞義(じぎ)の解釈(かいしやく)のみに拘泥(こうでい)し、007其(その)中(なか)に籠(こも)れる深奥(しんあう)の真(しん)意義(いぎ)には殆(ほとん)ど一端(いつたん)にさへ触(ふ)れて居(ゐ)ない。008甚(はなは)だしきは本文(ほんぶん)の中(なか)から『己(おの)が母(はは)犯(をか)せる罪(つみ)、009己(おの)が子(こ)犯(をか)せる罪(つみ)、010母(はは)と子(こ)と犯(をか)せる罪(つみ)、011子(こ)と母(はは)と犯(をか)せる罪(つみ)、012畜(けもの)犯(をか)せる罪(つみ)』の件(くだり)を削除(さくぢよ)するなどの愚劣(ぐれつ)を演(えん)じて居(ゐ)る。013自己(じこ)の浅薄(せんぱく)卑近(ひきん)なる頭脳(づなう)を標準(へうじゆん)としての軽挙(けいきよ)妄動(もうどう)であるから、014神界(しんかい)でも笑(わら)つて黙許(もくきよ)に附(ふ)せられて居(ゐ)るのであらうが、015実(じつ)は言語(ごんご)道断(どうだん)の所為(しよゐ)と云(い)はねばならぬ。016大祓(おほはらひ)祝詞(のりと)の真(しん)意義(いぎ)は古事記(こじき)と同様(どうやう)に、017大本(おほもと)言霊学(げんれいがく)の鍵(かぎ)で開(ひら)かねば開(ひら)き得(え)られない。018さもなければ古事記(こじき)が一(いつ)の幼稚(えうち)なる神話(しんわ)としか見(み)えぬと同様(どうやう)に、019大祓(おほはらひ)祝詞(のりと)も下(くだ)らぬ罪悪(ざいあく)の列挙(れつきよ)、020形容詞(けいようし)沢山(たくさん)の長文句(ながもんく)位(くらゐ)にしか見(み)えない。021所(ところ)が一旦(いつたん)言霊(ことたま)の活用(くわつよう)を以(もつ)て其(その)秘奥(ひあう)を開(ひら)いて見(み)ると、022偉大(ゐだい)と云(い)はうか、023深遠(しんゑん)といはうか、024ただただ驚嘆(きやうたん)の外(ほか)はないのである。025我(わが)国体(こくたい)の精華(せいくわ)が之(これ)によりて発揮(はつき)せらるるは勿論(もちろん)のこと、026天地(てんち)の経綸(けいりん)、027宇宙(うちう)の神秘(しんぴ)は精(くは)しきが上(うへ)にも精(くは)しく説(と)かれ、028明(あきら)かなる上(うへ)にも明(あきら)かに教(をし)へられて居(ゐ)る。029之(これ)を要(えう)するに皇道(くわうだう)の真髄(しんずゐ)は大祓(おほはらひ)祝詞(のりと)一篇(いつぺん)の裡(うち)に結晶(けつしやう)して居(ゐ)るので、030長短(ちやうたん)粗密(そみつ)の差異(さい)こそあれ、031古事記(こじき)、032及(およ)び大本(おほもと)神諭(しんゆ)と其(その)内容(ないよう)は全然(ぜんぜん)符節(ふせつ)を合(がつ)するものである。
033 言霊(ことたま)の活用(くわつよう)が殆(ほとん)ど無尽蔵(むじんざう)である如(ごと)く、034大祓(おほはらひ)祝詞(のりと)の解釈法(かいしやくはふ)も無尽蔵(むじんざう)に近(ちか)く、035主要(しゆえう)なる解釈法(かいしやくはふ)丈(だけ)でも十二通(じふにとほ)りあるが、036成(な)るべく平易(へいい)簡単(かんたん)に、037現時(げんじ)に適切(てきせつ)と感(かん)ぜらるる解釈(かいしやく)の一個(ひとつ)をこれから試(こころ)みやうと思(おも)ふ。038時運(じうん)は益々(ますます)進展(しんてん)し、039人(ひと)としての資格(しかく)の有無(うむ)を問(と)はるべき大審判(だいしんぱん)の日(ひ)は目前(もくぜん)に迫(せま)つて居(ゐ)るから、040心(こころ)ある読者(どくしや)諸子(しよし)は、041これを読(よ)んで、042真(しん)の理解(りかい)と覚醒(かくせい)の途(と)に就(つ)いて戴(いただ)きたい。
 
043   (二)
 
044『高天原(たかあまはら)に神(かみ)つまります、045皇親(すめらがむつ)神漏岐(かむろぎ)、046神漏美(かむろみ)の命(みこと)もちて、047八百万(やほよろづ)の神(かみ)等(たち)を神集(かむつど)へに集(つど)へ賜(たま)ひ神議(かむはか)りに議(はか)り玉(たま)ひて、048我(あが)皇孫(すめみまの)命(みこと)は豊葦原(とよあしはら)の水穂(みづほ)の国(くに)を、049安国(やすくに)と平(たひら)けく所知食(しろしめせ)と事依(ことよさ)し奉(まつ)りき』
050△高天原に  『タカアマハラ』と読(よ)むべし、051従来(じうらい)『タカマガハラ』又(また)は『タカマノハラ』と読(よ)めるは誤(あやま)りである。052古事記(こじき)巻頭(くわんとう)の註(ちゆう)に『訓高下天云阿麻』[※高(たか)の下の天(てん)の訓(くん)は「あま」と云う]と明白(めいはく)に指示(しじ)されて居(を)り乍(なが)ら従来(じうらい)何(いづ)れの学者(がくしや)も之(これ)を無視(むし)して居(ゐ)たのは、053殆(ほとん)ど不思議(ふしぎ)な程(ほど)である。054一音(いちおん)づつの意義(いぎ)を調(しら)ぶれば、055タは対照力(たいせうりよく)也(なり)、056進(すす)む左(さ)也(なり)、057火(ひ)也(なり)、058東北(とうほく)より鳴(な)る声(こゑ)也(なり)、059父(ちち)也(なり)。060又(また)カは輝(かがや)く也(なり)、061退(しりぞ)く右(いう)也(なり)、062水(みづ)也(なり)、063西南(せいなん)より鳴(な)る声(こゑ)也(なり)、064母(はは)也(なり)。065父(ちち)を『タタ』といひ、066母(はは)を『カカ』と唱(とな)ふるのもこれから出(で)るのである。067又(また)アは現(あら)はれ出(いづ)る言霊(ことたま)、068マは球(たま)の言霊(ことたま)、069ハは開(ひら)く言霊(ことたま)、070ラは螺旋(らせん)の言霊(ことたま)。071即(すなは)ち『タカアマハラ』の全意義(ぜんいぎ)は全大(ぜんだい)宇宙(うちう)の事(こと)である。072尤(もつと)も場合(ばあひ)によりては全大(ぜんだい)宇宙(うちう)の大(だい)中心(ちうしん)地点(ちてん)をも高天原(たかあまはら)と云(い)ふ。073所謂(いはゆる)宇宙(うちう)に向(むか)つて号令(がうれい)する神界(しんかい)の中府(ちうふ)所在地(しよざいち)の意義(いぎ)で『地(ち)の高天原(たかあまはら)』と称(しよう)するなどがそれである。074この義(ぎ)を拡張(くわくちやう)して小(せう)高天原(たかあまはら)は沢山(たくさん)ある訳(わけ)である。075一家(いつか)の小(せう)高天原(たかあまはら)は神床(かむどこ)であり、076一身(いつしん)の小(せう)高天原(たかあまはら)は、077臍下(さいか)丹田(たんでん)であらねばならぬ。078ここでは後(あと)の意義(いぎ)ではなく、079全大(ぜんだい)宇宙(うちう)其(その)物(もの)の意義(いぎ)である。080之(これ)を従来(じうらい)は、081地名(ちめい)であるかの如(ごと)く想像(さうざう)して、082地理(ちり)的(てき)穿鑿(せんさく)を試(こころ)みて居(ゐ)たのである。
083△神つまります  かみは日月(じつげつ)、084陰陽(いんやう)、085水火(すゐくわ)、086霊体(れいたい)等(とう)の義(ぎ)也(なり)。087陰陽(いんやう)、088水火(すゐくわ)の二元(にげん)相合(あひがつ)して神(かみ)となる。089皇典(くわうてん)に所謂(いはゆる)産霊(むすび)とは此(この)正反対(せいはんたい)の二元(にげん)の結合(けつがふ)を指(さ)す。090日(じつ)月(げつ)地(ち)星(せい)辰(しん)、091神人(しんじん)其(その)他(た)宇宙(うちう)万有(ばんいう)一切(いつさい)の発生(はつせい)顕現(けんげん)は悉(ことごと)くこの神秘(しんぴ)なる産霊(むすび)の結果(けつくわ)でないものはない。092又(また)つまりとは充実(じうじつ)の義(ぎ)で、093鎮坐(ちんざ)の義(ぎ)ではない。094ますはましますと同(おな)じ。
095△皇親(すめらがむつ)  皇(スメラ)は澄(すま)すの義(ぎ)、096全世界(ぜんせかい)、097全宇宙(ぜんうちう)を清澄(せいちよう)することを指(さ)す。098親(ムツ)は『ムスビツラナル』の義(ぎ)で、099即(すなは)ち連綿(れんめん)として継承(けいしよう)さるべき万世(ばんせい)一系(いつけい)の御(ご)先祖(せんぞ)の事(こと)である。
100△神漏岐(かむろぎ)、神漏美(かむろみ)  神漏岐(かむろぎ)は霊系(れいけい)の祖神(そしん)にして天(てん)に属(ぞく)し、101神漏美(かむろみ)は体系(たいけい)の祖神(そしん)にして地(ち)に属(ぞく)す。102即(すなは)ち天地(てんち)、103陰陽(いんやう)二系(にけい)の神々(かみがみ)の義(ぎ)である。
104△命もちて  命(みこと)(ミコト)は神言(かみごと)也(なり)、105神命(しんめい)也(なり)。106即(すなは)ち水火(すゐくわ)の結合(けつがふ)より成(な)る所(ところ)の五十音(ごじふおん)を指(さ)す。107元来(ぐわんらい)声音(こゑ)は「心(こころ)の柄(え)」の義(ぎ)にて、108心(こころ)の活用(くわつよう)の生(しやう)ずる限(かぎ)り、109之(これ)を運用(うんよう)する声音(こゑ)が無(な)ければならぬ。110心(こころ)(即(すなは)ち霊魂(れいこん))の活用(くわつよう)を分類(ぶんるゐ)すれば、111奇魂(くしみたま)、112荒魂(あらみたま)、113和魂(にぎみたま)、114幸魂(さちみたま)の四魂(しこん)と之(これ)を統括(とうくわつ)する所(ところ)の全霊(ぜんれい)に分(わか)ち得(う)る。115所謂(いはゆる)一霊(いちれい)四魂(しこん)であるが、116此(この)根源(こんげん)の一霊(いちれい)四魂(しこん)を代表(だいへう)する声音(せいおん)はアオウエイの五大(ごだい)父音(ふおん)[※『神霊界』大正7年9月1日号(名義は「浅野和邇三郎」)では「アイウエオの五大母音」。初版では「アイウエオの五大父音」。校定版・愛世版では「アオウエイの五大父音」。霊界物語ネットでも「アオウエイの五大父音」に直した。次の箇所も同じ。]である。117宇宙(うちう)根本(こんぽん)の造化(ざうくわ)作用(さよう)は要(えう)するに至祖神(しそしん)の一霊(いちれい)四魂(しこん)の運用(うんよう)の結果(けつくわ)であるから、118至祖神(しそしん)の御(ご)活動(くわつどう)につれて必然(ひつぜん)的(てき)にアオウエイの五大(ごだい)父音(ふおん)が先(ま)づ全大(ぜんだい)宇宙間(うちうかん)に発生(はつせい)し、119そして其(その)声音(せいおん)は今日(こんにち)といへども依然(いぜん)として虚空(こくう)に充(み)ち満(み)ちて居(ゐ)るのだが、120余(あま)りに大(だい)なる声音(せいおん)なので、121余(あま)りに微細(びさい)なる声音(せいおん)と同様(どうやう)に、122普通(ふつう)人間(にんげん)の肉耳(にくじ)には感(かん)じないまでである。123併(しか)し余(あま)り大(だい)ならざる中間音(ちうかんおん)は間断(かんだん)なく吾人(ごじん)の耳朶(じだ)に触(ふ)れ、124天音(てんおん)地籟(ちらい)一(いつ)として五大(ごだい)父音(ふおん)に帰着(きちやく)せぬは無(な)い。125鎮魂(ちんこん)して吾人(ごじん)の霊耳(れいじ)を開(ひら)けば、126聴(き)こゆる範囲(はんゐ)は更(さら)に更(さら)に拡大(くわくだい)する。127扨(さて)前(まへ)にも述(の)ぶるが如(ごと)く、128声音(せいおん)は心(こころ)の柄(え)、129心(こころ)の運用(うんよう)機関(きくわん)であるから天神(てんしん)の一霊(いちれい)四魂(しこん)の活用(くわつよう)が複雑(ふくざつ)に赴(おもむ)けば赴(おもむ)く丈(だ)け、130声音(せいおん)の数(すう)も複雑(ふくざつ)に赴(おもむ)き停止(ていし)する所(ところ)はない。131其(その)中(なか)に在(あ)りて宇宙間(うちうかん)に発生(はつせい)した清音(せいおん)のみを拾(ひろ)ひ集(あつ)むれば四十五(しじふご)音(おん)(父母音(ふぼおん)を合(あは)せて)濁音(だくおん)、132半濁音(はんだくおん)を合(がつ)すれば七十五(しちじふご)音(おん)である。133これは声音(せいおん)研究者(けんきうしや)の熟知(じゆくち)する所(ところ)である。134拗音(えうおん)、135促音(そくおん)、136鼻音(びおん)等(とう)を合併(がつぺい)すれば更(さら)に多数(たすう)に上(のぼ)るが、137要(えう)するに皆(みな)七十五(しちじふご)音(おん)の変形(へんけい)で、138あらゆる音声(おんせい)、139あらゆる言語(げんご)は根本(こんぽん)の七十五(しちじふご)声音(せいおん)の運用(うんよう)と結合(けつがふ)との結果(けつくわ)に外(ほか)ならぬ。140されば宇宙(うちう)の森羅(しんら)万象(ばんしやう)一切(いつさい)は是(これ)等(ら)無量(むりやう)無辺(むへん)の音声(おんせい)即(すなは)ち言霊(ことたま)の活用(くわつよう)の結果(けつくわ)と見(み)て差支(さしつかへ)ない。141これは人間(にんげん)の上(うへ)に照(てら)して見(み)ても其(その)通(とほ)りである事(こと)がよく分(わか)る。142人間(にんげん)の心(こころ)の活用(くわつよう)のある限(かぎ)り、143之(これ)を表現(へうげん)する言霊(ことたま)がある。144『進(すす)め』と思(おも)ふ瞬間(しゆんかん)には其(その)言霊(ことたま)は吾人(ごじん)の身体(しんたい)の中府(ちうふ)から湧(わ)き、145『退(しりぞ)け』と思(おも)ふ瞬間(しゆんかん)にも、146『寝(ね)よう』と思(おも)ふ瞬間(しゆんかん)にも、147『行(や)らう』と思(おも)ふ瞬間(しゆんかん)にも、148其(その)他(た)如何(いか)なる場合(ばあひ)にも、149常(つね)に其(その)言霊(ことたま)は吾人(ごじん)の中心(ちうしん)から湧出(ゆうしゆつ)する。150即(すなは)ち人間(にんげん)の一挙(いつきよ)一動(いちどう)悉(ことごと)く言霊(ことたま)の力(ちから)で左右(さいう)されるというても宜(よろ)しい。151従(したが)つて言霊(ことたま)の活用(くわつよう)の清純(せいじゆん)で、152豊富(ほうふ)な人(ひと)程(ほど)其(そ)の使命(しめい)天職(てんしよく)も高潔(かうけつ)偉大(ゐだい)でなければならぬ。
153△八百万(やほよろづ)の神(かみ)等(たち)  八百(やほ)のヤは人(ひと)、154ホは選良(せんりやう)の義(ぎ)、155万(よろづ)は沢山(たくさん)、156多数(たすう)の義(ぎ)である。
157△神集(かむつど)へに云々(うんぬん)  神(かみ)の集会(しふくわい)で神廷(しんてい)会議(くわいぎ)を催(もよほ)すことである。
158△我(あが)皇御孫(すめみま)之(の)命(みこと)  五十音(ごじふおん)の中(なか)でアは天系(てんけい)に属(ぞく)し、159ワは地系(ちけい)に属(ぞく)す。160故(ゆゑ)に至上人(しじやうにん)に冠(くわん)する時(とき)に我はワガと言(い)はずしてアガといふ也(なり)。161皇(スメ)は澄(すま)し治(をさ)め、162一切(いつさい)を見通(みとほ)す事(こと)、163御(ミ)は充(み)つる、164円満(ゑんまん)具足(ぐそく)の義(ぎ)、165孫(マ)はマコトの子(こ)、166直系(ちよくけい)を受(う)けたる至貴(しき)の玉体(ぎよくたい)。167命(みこと)は体異(たいい)体別(たいべつ)の義(ぎ)、168即(すなは)ち独立(どくりつ)せる人格(じんかく)の義(ぎ)にして、169前(まへ)に出(い)でたる命(みこと)(神言)から発足(ほつそく)せる第二義(だいにぎ)である。170全体(ぜんたい)は単(たん)に『御子(みこ)』といふ事(こと)である。171元来(ぐわんらい)霊(れい)も体(たい)も其(その)根本(こんぽん)に溯(さかのぼ)れば、172皆(みな)祖神(そしん)の賜(たまもの)、173天地(てんち)の賜(たまもの)である。174故(ゆゑ)に皇典(くわうてん)では常(つね)に敬称(けいしやう)を附(ふ)するを以(もつ)て礼(れい)となし、175人間(にんげん)に自他(じた)の区別(くべつ)は設(まう)けられてないのである。
176△豊葦原(とよあしはら)の水穂国(みづほのくに)  全世界(ぜんせかい)即(すなは)ち五大洲(ごだいしう)の事(こと)である。177之(これ)を極東(きよくとう)の或(ある)国(くに)の事(こと)とせるが従来(じゆうらい)の学者(がくしや)の謬見(びうけん)であつた。178日本(にほん)を指(さ)す時(とき)には、179豊葦原(とよあしはら)の中津国(なかつくに)、180又(また)は根別国(ねわけのくに)などと立派(りつぱ)に古事記(こじき)にも区別(くべつ)して書(か)いてある。
181△所知食(しろしめせ)  は衣食住(いしよくぢう)の業(げふ)を安全(あんぜん)に示(しめ)し教(をし)ふる事(こと)を云(い)ふ。182地球(ちきう)は祖神(そしん)の御(おん)体(からだ)であるから、183人間(にんげん)としては土地(とち)の領有権(りやういうけん)は絶対(ぜつたい)に無(な)い。184例(たと)へば人体(じんたい)の表面(へうめん)に寄生(きせい)する極(ごく)微生物(びせいぶつ)に人体(じんたい)占領(せんりやう)の権能(けんのう)がないのと同様(どうやう)である。185人間(にんげん)は神(かみ)様(さま)から土地(とち)を預(あづか)り、186神(かみ)様(さま)に代(かは)りて之(これ)を公平(こうへい)無私(むし)に使用(しよう)する迄(まで)である。187うしはぐ(領有(りやういう))ものは天地(てんち)の神(かみ)で主治者(しゆぢしや)は飽迄(あくまで)知(し)ろしめすであらねばならぬ。188国土(こくど)の占領(せんりやう)地所(ぢしよ)の独占(どくせん)等(とう)は、189根本(こんぽん)から天則(てんそく)違反(ゐはん)行為(かうゐ)である。190神政(しんせい)成就(じやうじゆ)の暁(あかつき)には独占(どくせん)は無(な)くなつて了(しま)ふ。
191(大意(たいい))全大(ぜんだい)宇宙間(うちうかん)には陰陽(いんやう)二系(にけい)の御(ご)神霊(しんれい)が実相(じつさう)充塞(じうそく)しそれは即(すなは)ち一切(いつさい)万有(ばんいう)の父(ちち)であり又(また)母(はは)である。192陰陽(いんやう)二神(にしん)の神秘(しんぴ)的(てき)産霊(むすび)の結果(けつくわ)は先(ま)づ一切(いつさい)の原動力(げんどうりよく)とも云(い)ふべき言霊(ことたま)の発生(はつせい)となつた。193所謂(いはゆる)八百万(やほよろづ)の天津(あまつ)神(かみ)の御(ご)出現(しゆつげん)であり、194御(ご)完成(くわんせい)である。195天界(てんかい)主宰(しゆさい)の大神(おほかみ)は云(い)ふまでもなく天照皇(あまてらすすめ)大神(おほかみ)様(さま)であらせらるるが、196其(その)次(つ)ぎに起(おこ)る問題(もんだい)は地(ち)の世界(せかい)の統治権(とうぢけん)の確定(かくてい)である。197是(ここ)に於(おい)て神廷(しんてい)会議(くわいぎ)の開催(かいさい)となり其(その)結果(けつくわ)は天照(あまてらす)大神(おほかみ)様(さま)の御(ご)霊統(れいとう)を受(う)けさせられた御(お)方(かた)が全世界(ぜんせかい)の救治(きうぢ)に当(あた)らるる事(こと)に確定(かくてい)し、198治国(ちこく)平(へい)天下(てんか)の大道(だいだう)を執行(しつかう)監督(かんとく)さるべき天(てん)の使命(しめい)を帯(お)びさせらるる事(こと)になつたのである。199無論(むろん)人間(にんげん)の肉体(にくたい)は世(よ)に生死(せいし)往来(わうらい)するを免(まぬが)れないが、200其(その)霊魂(れいこん)は昔(むかし)も今(いま)も変(かは)ることなく千万世(せんばんせい)に亘(わた)りて無限(むげん)の寿(じゆ)を保(たも)ちて活動(くわつどう)さるるのである。
 
201   (三)
 
202かく依(よ)さし奉(まつ)りし国中(くぬち)に荒振(あらぶる)神等(かみども)をば、203神(かむ)問(と)はしに問(と)はし玉(たま)ひ、204神(かむ)掃(はら)ひに掃(はら)ひ給(たま)ひて、205語問(ことと)ひし磐根(いはね)樹根立(きねたち)草(くさ)の片葉(かきは)をも語止(ことや)めて、206天之(あめの)磐座(いはくら)放(はな)ち、207天之(あめの)八重雲(やへくも)を伊頭(いづ)の千別(ちわき)に千別(ちわき)て、208天降(あまくだ)し依(よ)さし奉(まつ)りき。
209△荒振(あらぶる)神(かみ)  天界(てんかい)の御(ご)命令(めいれい)にまつろはぬ神(かみ)、210反抗神(はんかうしん)の意(い)である。
211△神(かむ)問(と)はしに云々(うんぬん)  神(かみ)の御(ご)会議(くわいぎ)。212罪(つみ)あるものは神(かみ)に向(むか)ひて百万遍(ひやくまんぺん)祝詞(のりと)を奏上(そうじやう)すればとて、213叩頭(こうとう)を続(つづ)くればとてそれで何(なん)の効能(かうのう)があるのではない。214況(いは)ンや身欲(みよく)信心(しんじん)に至(いた)つては、215言語(ごんご)道断(どうだん)である。216神(かみ)様(さま)に御(ご)厄介(やくかい)を懸(か)けるばかり、217碌(ろく)な仕事(しごと)もせぬ癖(くせ)に、218いざ大審判(だいしんぱん)の開始(かいし)されむとする今日(こんにち)、219綾部(あやべ)を避難地(ひなんち)でもあるが如(ごと)くに考(かんが)ふるやうな穿(は)き違(ちが)ひの偽信仰(にせしんかう)は、220それ自身(じしん)に於(おい)て大罪悪(だいざいあく)である。221神(かみ)は先(ま)づ其様(そん)な手合(てあひ)から問(と)はせらるるに相違(さうゐ)ない。
222△神(かむ)掃(はら)ひに云々(うんぬん)  掃(はら)ひ清(きよ)むること、223神諭(しんゆ)の所謂(いはゆる)大掃除(おほさうぢ)大洗濯(おほせんだく)である。
224△語問(こととひ)し  諸々(もろもろ)の罪(つみ)の糾弾(きうだん)である。
225△磐根(いはね)樹立(きねたち)  草(くさ)の枕詞(まくらことば)、226即(すなは)ち磐(いは)の根(ね)に立(た)てる樹木(じゆもく)の、227その又(また)根(ね)に立(た)てる草(くさ)の義(ぎ)。
228△草(くさ)の片葉(かきは)  草(くさ)は青人草(あをひとぐさ)、229人(ひと)のこと、230又(また)片葉(かきは)は下賤(げせん)の人草(ひとくさ)の意(い)である。
231△語止(ことや)めて  議論(ぎろん)なしに改悟(かいご)せしむるの意(い)である。
232△天之(あめの)磐座(いはくら)放(はな)ち  磐座(いはくら)は高御座(たかみくら)也(なり)、233いはもくらも共(とも)に巌石(がんせき)の義(ぎ)。234放(はな)ちは離(はな)ち也(なり)。235古事記(こじき)には、236『離天之石位』とあり。
237△八重雲(やへくも)  弥(いや)が上(うへ)にも重(かさ)なりたる雲(くも)。
238△伊頭(いづ)の千別(ちわき)に云々(うんぬん)  伊頭(いづ)は稜威(みいづ)也(なり)。239即(すなは)ち鋭(するど)き勢(いきほひ)を以(もつ)て道(みち)を別(わ)けに別(わ)けの義(ぎ)。
240△天降(あまくだ)し依(よ)さし奉(まつ)りき  『天降(あまくだ)し……の件(けん)を依(よ)さし奉(まつ)りき』の義(ぎ)にて中間(ちうかん)に神秘(しんぴ)あり。241天降(あまくだ)しは天孫(てんそん)をして降臨(かうりん)せしむる事(こと)、242換言(くわんげん)すれば天祖(てんそ)の御(ご)分霊(ぶんれい)を地(ち)に降(くだ)し、243八百万(やほよろづ)の国津神(くにつかみ)達(たち)の主宰(しゆさい)として神胤(しんいん)が御(ご)発生(はつせい)ある事(こと)である。
244(大意(たいい))既(すで)に地(ち)の神界(しんかい)の統治者(とうぢしや)は確定(かくてい)したが、245何(なに)しろ宇宙(うちう)の間(あひだ)は尚(なほ)未製品(みせいひん)時代(じだい)に属(ぞく)するので、246自由(じいう)行動(かうどう)を執(と)り、247割拠(かつきよ)争奪(そうだつ)を事(こと)とする兇徒界(きやうとかい)が多(おほ)い。248これは最(もつと)も露骨(ろこつ)に大本(おほもと)開祖(かいそ)の御(ご)神諭(しんゆ)に示(しめ)されて居(ゐ)る所(ところ)で、249決(けつ)して過去(くわこ)の事(こと)のみではない。250小規模(せうきぼ)の救世主(きうせいしゆ)降臨(かうりん)は過去(くわこ)にあつたが、251大規模(だいきぼ)の真(しん)の救世主(きうせいしゆ)降臨(かうりん)は現在(げんざい)である。252『七王(ななわう)も八王(やわう)も王(わう)が世界(せかい)にあれば、253此(この)世(よ)に口舌(くぜつ)が絶(た)えぬから、254神(かみ)の王(わう)で治(をさ)める経綸(しぐみ)が致(いた)してあるぞよ』とあるなどは即(すなは)ち之(これ)を喝破(かつぱ)されたものである。255其(その)結果(けつくわ)是(これ)等(ら)悪鬼(あくき)邪神(じやしん)の大審判(だいしんぱん)、256大掃除(おほさうぢ)、257大洗濯(おほせんだく)が開始(かいし)され所謂(いはゆる)世(よ)の大立替(おほたてかへ)の大渦中(だいくわちう)に突入(とつにふ)する。258さうなると批評(ひひやう)も議論(ぎろん)も疑義(ぎぎ)も反抗(はんかう)も全部(ぜんぶ)中止(ちゆうし)となり稜威(みいづ)赫々(かくかく)として宇内(うだい)を統治(とうぢ)し玉(たま)ふ神(かみ)の御子(みこ)の世(よ)となるのである。
 
259   (四)
 
260如此(かく)依(よ)さし奉(まつ)りし四方(よも)の国中(くになか)と大日本(おほやまと)日高見(ひたかみ)之(の)国(くに)を安国(やすくに)と定(さだ)め奉(まつ)りて、261下津(したつ)磐根(いはね)に宮柱(みやはしら)太敷立(ふとしきたて)、262高天原(たかあまはら)に千木(ちぎ)多加知(たかし)りて、263皇御孫(すめみまの)命(みこと)の美頭(みづ)の御舎(みあらか)仕(つか)へ奉(まつ)りて、264天(あめ)の御蔭(みかげ)日(ひ)の御蔭(みかげ)と隠(かく)り坐(ま)して、265安国(やすくに)と平(たひら)けく所知食(しろしめさ)む国中(くぬち)に成出(なりい)でむ天(あめ)の益人(ますひと)等(ら)が過(あやま)ち犯(おか)しけむ雑々(くさぐさ)の罪事(つみこと)は。
266△四方(よも)の国中(くになか)  宇宙(うちう)の大中心(だいちうしん)。
267△大日本(おほやまと)日高見(ひたかみ)之(の)国(くに)  四方(よも)真秀(まほ)、268天津(あまつ)日(ひ)の隈(くま)なく照(て)り亘(わた)る国土(こくど)を称(とな)へていふ。269但(ただし)宇宙(うちう)の大修祓(だいしうばつ)が済(す)んでから初(はじ)めて理想(りさう)的(てき)になるのである。
270△下津(したつ)磐根(いはね)  地質(ちしつ)が一大(いちだい)磐石(ばんじやく)の地(ち)で即(すなは)ち神明(しんめい)の降臨(かうりん)ある霊域(れいゐき)を指(さ)す。
271『福知山(ふくちやま)、272舞鶴(まひづる)は外囲(そとがこ)ひ、273十里(じふり)四方(しはう)は宮(みや)の内(うち)』とあるも亦(また)下津(したつ)磐根(いはね)である。
274△宮柱(みやはしら)太敷(ふとしき)立(たて)  宮居(みやゐ)の柱(はしら)を立派(りつぱ)に建(た)てる事(こと)。
275△千木(ちぎ)多加知(たかしり)  屋根(やね)の千木(ちぎ)を虚空(こくう)(高天原(たかあまはら))に高(たか)く敷(し)きの義(ぎ)。276千木(ちぎ)は垂木(たるき)也(なり)。277タリを約(つ)めてチといふ。
278△美頭(みづ)  麗(うるは)しき瑞々(みづみづ)しき意(い)。
279△仕(つか)へ奉(まつ)り  御(ご)造営(ざうえい)の義(ぎ)。
280△天(あめ)の御蔭(みかげ)云々(うんぬん)  天津(あまつ)神(かみ)の御蔭(みかげ)、281日(ひ)の大神(おほかみ)様(さま)の御蔭(みかげ)と自分(じぶん)の徳(とく)を隠(かく)したまふ義(ぎ)。282神政(しんせい)成就(じやうじゆ)、283神人(しんじん)合一(がふいつ)の時代(じだい)に於(おい)ては人(ひと)は悉(ことごと)く神(かみ)の容器(いれもの)である。284世界(せかい)統一(とういつ)を実行(じつかう)すとて、285其(その)功績(こうせき)は之(これ)は天地(てんち)の御恩(ごおん)に帰(き)し奉(たてまつ)るが道(みち)の真随(しんずゐ)で、286忠孝(ちうかう)仁義(じんぎ)の大道(だいだう)は根源(こんげん)をここから発(はつ)する。287坐(ゐ)ながらにして其(その)御(ご)威徳(ゐとく)は宇内(うだい)に光被(くわうひ)し、288世(よ)は自然(しぜん)と平(たひら)けく安(やす)らけく治(をさ)まるのである。
289△天(あめ)の益人(ますひと)  天(あめ)は敬称(けいしやう)である。290益人(ますひと)は世界(せかい)の全人類(ぜんじんるゐ)を指(さ)す。291マスラヲといふ時(とき)は男子(だんし)のみを指(さ)す。292マは完全(くわんぜん)、293スは統治(とうぢ)の義(ぎ)。294又(また)ヒは霊(れい)、295トは留(とど)まる義(ぎ)。
296△罪事(つみこと)  ツミは積(つ)み也(なり)、297又(また)包(つつ)み也(なり)。298金銭(きんせん)、299財宝(ざいほう)、300糧食(りやうしよく)等(とう)を山積(さんせき)私有(しいう)するは個人(こじん)本位(ほんゐ)、301利己(りこ)本位(ほんゐ)の行為(かうゐ)で、302天則(てんそく)に背反(はいはん)して居(ゐ)る。303又(また)物品(ぶつぴん)を包(つつ)み隠(かく)したり、304邪心(じやしん)を包蔵(はうざう)したり、305利用(りよう)厚生(こうせい)の道(みち)の開発(かいはつ)を怠(おこた)つたりする事(こと)も堕落(だらく)腐敗(ふはい)の源泉(げんせん)である。306かく罪(つみ)の語源(ごげん)から調(しら)べてかかれば罪(つみ)の一語(いちご)に含(ふく)まるる範囲(はんゐ)のいかに広(ひろ)いかが分(わか)る。307法律(はふりつ)臭(くさ)い思想(しさう)では其(その)真(しん)意義(いぎ)はとても解(かい)し難(がた)い。
308(大意(たいい))天祖(てんそ)の御(ご)依託(いたく)によりて救世主(きうせいしゆ)が御(ご)降臨(かうりん)遊(あそ)ばさるるに就(つ)きては、309宇宙(うちう)の中心(ちうしん)、310世界(せかい)の中心(ちうしん)たる国土(こくど)を以(もつ)て宇内(うだい)経綸(けいりん)、311世界(せかい)統一(とういつ)の中府(ちうふ)と定(さだ)め給(たま)ひ、312天地(てんち)創造(さうざう)の際(さい)から特別製(とくべつせい)に造(つく)り上(あ)げてある神定(しんてい)の霊域(れいゐき)に、313崇厳(すうごん)無比(むひ)の神殿(しんでん)を御(ご)造営(ざうえい)遊(あそ)ばされ、314惟神(かむながら)の大道(だいだう)によりて天下(てんか)を知(し)ろしめされる事(こと)になる。315神諭(しんゆ)の所謂(いはゆる)『神国(しんこく)の行(おこな)ひを世界(せかい)へ手本(てほん)に出(だ)して万古(まんご)末代(まつだい)動(うご)かぬ神(かみ)の世(よ)で三千(さんぜん)世界(せかい)の陸地(おつち)の上(うへ)を守護(しゆご)』さるるのである。316それに就(つ)きては直接(ちよくせつ)天津(あまつ)神(かみ)の手足(てあし)となり、317股肱(ここう)となりて活動(くわつどう)せねばならぬ責任(せきにん)が重(おも)い。318いかなる事(こと)を為(せ)ねばならぬか、319又(また)如何(いか)なる事(こと)を為(し)てはならぬか、320明確(めいかく)なる観念(くわんねん)を所有(しよいう)せねばならぬ。321次節(じせつ)に列挙(れつきよ)せらるる雑々(くさぐさ)の罪事(つみごと)といふのは悉(ことごと)く人(ひと)として日夕(にちせき)服膺(ふくよう)せねばならぬ重要(ぢうえう)事項(じかう)のみである。
 
322   (五)
 
323天津罪(あまつつみ)とは、324畔放(あはな)ち溝埋(みぞう)め、325樋放(ひはな)ち頻蒔(しきま)き串差(くしさ)し、326生剥(いけはぎ)逆剥(さかはぎ)尿戸(くそへ)許々太久(ここたく)の罪(つみ)を、327天津罪(あまつつみ)と詔別(のりわ)けて、328国津罪(くにつつみ)とは、329生膚断(いきはだだち)、330死膚断(しにはだだち)、331白人(しらひと)胡久美(こくみ)、332己(おの)が母(はは)犯(をか)せる罪(つみ)、333己(おの)が子(こ)犯(をか)せる罪(つみ)、334母(はは)と子(こ)と犯(をか)せる罪(つみ)、335子(こ)と母(はは)と犯(をか)せる罪(つみ)、336畜(けもの)犯(をか)せる罪(つみ)、337昆虫(はふむし)の災(わざはひ)、338高津(たかつ)神(かみ)の災(わざはひ)、339高津鳥(たかつとり)の災(わざはひ)、340畜殪(けものたほ)し蠱物(まじもの)せる罪(つみ)、341許々太久(ここたく)の罪(つみ)出(いで)む。
342△天津罪(あまつつみ)  天然(てんねん)自然(しぜん)に賦与(ふよ)せられたる水力(すゐりよく)、343火力(くわりよく)、344電磁力(でんじりよく)、345地物(ちぶつ)、346砿物(くわうぶつ)、347山物(さんぶつ)、348動植物(どうしよくぶつ)等(とう)の利用(りよう)開発(かいはつ)を怠(おこた)る罪(つみ)をいふ。349前(まへ)にも言(い)へる如(ごと)く、350所謂(いはゆる)積(つ)んで置(お)く罪(つみ)、351包(つつ)んで置(お)く罪(つみ)也(なり)。352宝(たから)の持腐(もちぐさ)れをやる罪(つみ)也(なり)。353従来(じうらい)は文明(ぶんめい)だの進歩(しんぽ)だのと云(い)つた所(ところ)が、354全然(ぜんぜん)穿(は)き違(ちがひ)の文明(ぶんめい)進歩(しんぽ)で一(ひと)ツ調子(てうし)が狂(くる)へば忽(たちま)ち饑餓(きが)に苦(くる)しむやうなやり方(かた)、355現在(げんざい)世界(せかい)各国(かくこく)の四苦(しく)八苦(はつく)の有様(ありさま)を見(み)ても、356人間(にんげん)が如何(いか)に天津罪(あまつつみ)を犯(をか)して居(ゐ)るかが解(わか)る。357神諭(しんゆ)に『結構(けつこう)な田地(でんぢ)に木苗(きなへ)を植(うゑ)たり、358色々(いろいろ)の花(はな)の苗(なへ)を作(つく)りたり、359大切(たいせつ)な土地(とち)を要(い)らぬ事(こと)に使(つか)ふたり致(いた)し人民(じんみん)の肝腎(かんじん)の生命(いのち)の親(おや)の米(こめ)、360豆(まめ)、361粟(あは)を何(なん)とも思(おも)はず、362米(こめ)や豆(まめ)や麦(むぎ)は何程(いくら)でも外国(ぐわいこく)から買(か)へると申(まを)して居(を)るが、363何時(いつ)までもさう行(ゆ)かぬ事(こと)があるから猫(ねこ)の居(を)る場(ば)にも五穀(ごこく)を植付(うゑつ)けねばならぬやうになりて来(く)るぞよ。364皆(みな)物質(ぶつしつ)本位(ほんゐ)の教(をしへ)であるから、365神(かみ)の国(くに)には神国(しんこく)の世(よ)の行方(やりかた)に致(いた)さして、366モーぼつぼつと木苗(きなへ)も掘(ほ)り起(おこ)させるぞよ』とあるなどは実(じつ)に痛切(つうせつ)骨(ほね)に徹(てつ)する御(ご)訓戒(くんかい)である。367現在(げんざい)の神国人(しんこくじん)とても欧米人(おうべいじん)と同(おな)じく決(けつ)して天津(あまつ)罪人(つみびと)の数(かず)には漏(も)れぬ人間(にんげん)ばかりである。368採鉱(さいくわう)事業(じげふ)などになると今(いま)の人間(にんげん)は余程(よほど)進歩(しんぽ)して居(ゐ)る所存(つもり)で居(ゐ)るが、369試掘(しくつ)と分析(ぶんせき)位(くらゐ)で地底(ちてい)に埋没(まいぼつ)せる金銀(きんぎん)宝玉(ほうぎよく)等(とう)が出(で)るものではない。370之(これ)に比(くら)べると、371幾分(いくぶん)霊覚(れいかく)を加味(かみ)した佐藤(さとう)信淵(しんえん)[※佐藤(さとう)信淵(のぶひろ)は江戸後期の思想家、医師。]の金気(きんき)観測法(くわんそくはふ)などの方(はう)が何(ど)れ丈(だけ)か進歩(しんぽ)して居(ゐ)る。372神霊(しんれい)の御(ご)命令(めいれい)と御(ご)指示(しじ)がなくんば、373金銀(きんぎん)其(その)他(た)は決(けつ)して出(で)ない。374大本(おほもと)神諭(しんゆ)に『五六七(みろくの)大神(おほかみ)の御(お)出(で)ましにお成(なり)なさるるにつき、375国常立(くにとこたちの)尊(みこと)が現(あら)はれるなり、376国常立(くにとこたちの)尊(みこと)が現(あら)はれると、377乙姫(をとひめ)殿(どの)は次(つ)ぎに結構(けつこう)な大望(たいまう)な御用(ごよう)が出来(でき)て乙姫(をとひめ)殿(どの)の御(お)宝(たから)を上(あ)げて新規(さらつ)の金銀(きんぎん)を綾部(あやべ)の大本(おほもと)に………。378二度目(にどめ)の立替(たてかへ)を致(いた)して、379何(なに)も新規(さらつ)に成(な)るのであるから、380乙姫(をとひめ)殿(どの)の御(お)財宝(たから)を綾部(あやべ)の大本(おほもと)へ持運(もちはこ)びて、381新規(さらつ)の金銀(きんぎん)を吹(ふ)く準備(じゆんび)を致(いた)さな成(な)らぬから云々(うんぬん)』とあるなどは時節(じせつ)到来(たうらい)と共(とも)に実現(じつげん)して、382物質(ぶつしつ)万能(ばんのう)機械(きかい)一点張(いつてんば)りの連中(れんぢう)を瞠若(だうじやく)たらしむ事柄(ことがら)なのである。383又(また)現在(げんざい)人士(じんし)は電力(でんりよく)、384火力(くわりよく)、385水力(すゐりよく)、386其(その)他(た)の利用(りよう)にかけて余程(よほど)発達(はつたつ)進歩(しんぽ)を遂(と)げた心算(つもり)で居(ゐ)るが、387一歩(いつぽ)高所(かうしよ)から達観(たつくわん)すると、388利用(りよう)どころか悪用(あくよう)ばかり間接(かんせつ)又(また)は直接(ちよくせつ)に人類(じんるゐ)の破滅(はめつ)、389天然(てんねん)の破壊(はくわい)に使用(しよう)されぬものが幾何(いくばく)かある。390是(これ)等(ら)の点(てん)にかけて現在(げんざい)の人士(じんし)は、391所謂(いはゆる)知識(ちしき)階級(かいきふ)、392学者(がくしや)階級(かいきふ)ほど血迷(ちまよ)ひ切(き)つて居(ゐ)る、393天津罪(あまつつみ)の犯罪者(はんざいしや)である。
394△畔放(あはな)ち  天然力(てんねんりよく)、395自然力(しぜんりよく)の開発(かいはつ)利用(りよう)の事(こと)。396畔(ア)は当字(あてじ)にてアメを約(つづ)めたもの也(なり)。397田(た)の畔(あぜ)を開(はな)つなどは単(たん)に表面(へうめん)の字義(じぎ)に囚(とら)はれたる卑近(ひきん)の解釈(かいしやく)である。
398△溝埋(みぞう)め  水力(すゐりよく)の利用(りよう)を指(さ)す。399埋(う)めには補足(ほそく)の義(ぎ)と生育(せいいく)の義(ぎ)とを包(つつ)む。400湯(ゆ)に水(みづ)をうめる、401根(ね)を土中(どちう)にうめる、402種子(たね)を地(ち)にうめる、403孔(あな)をうめる、404鶏(にはとり)が卵(たまご)をうむなど参考(さんかう)すべし。
405△樋放(ひはな)ち  樋(ひ)は火(ひ)也(なり)。406電気(でんき)、407磁気(じき)、408蒸気(じやうき)、409光力(くわうりよく)等(とう)天然(てんねん)の火力(くわりよく)の開発(かいはつ)利用(りよう)を指(さ)す。
410△頻蒔(しきま)き  山(やま)の奥(おく)までも耕作(かうさく)し不毛(ふまう)の地所(ぢしよ)などを作(つく)らぬ事(こと)。411頻(しき)(シキ)は、412敷地(しきち)のシキ也(なり)、413地所(ぢしよ)也(なり)。414蒔(ま)きは捲(ま)き也(なり)、415捲(ま)き収(をさ)める也(なり)、416席巻(せきけん)也(なり)、417遊(あそ)ばせて置(お)かぬ也(なり)、418遊猟地(いうれふち)や、419クリケツト、420グラウンドなどに広大(くわうだい)なる地所(ぢしよ)を遊(あそ)ばせて、421貴族風(きぞくかぜ)を吹(ふ)かせて、422傲然(がうぜん)たりし某国(ぼうこく)の現状(げんじやう)は果(はた)して如何(いかん)。423彼(かれ)等(ら)が世界(せかい)の土地(とち)を横領(わうりやう)せる事(こと)の大(だい)なりし丈(だけ)、424彼(かれ)等(ら)が頻蒔(しきまき)の天則(てんそく)を無視(むし)せる罪悪(ざいあく)も蓋(けだ)し世界(せかい)随一(ずゐいつ)であらう。425併(しか)し其(その)覚醒(かくせい)の時(とき)もモー接近(せつきん)した、426これではならぬと衷心(ちうしん)から覚(さと)る時(とき)はモー目前(もくぜん)にある。427イヤ半分(はんぶん)はモー其(その)時期(じき)が到着(たうちやく)して居(ゐ)る。428併(しか)しこれは程度(ていど)の差違(さゐ)丈(だけ)で、429其(その)罪(つみ)は各国(かくこく)とも皆(みな)犯(をか)して居(ゐ)る。
430△串差(くしさ)し  カクシサガシの約(つまり)にて、431前人(ぜんじん)未発(みはつ)の秘奥(ひおう)を発見(はつけん)する事(こと)。
432△生剥(いけは)ぎ  一般(いつぱん)の生物(いきもの)の天職(てんしよく)を開発(かいはつ)利用(りよう)する事(こと)。433生物(いきもの)といふ生物(いきもの)は悉(ことごと)く相当(さうたう)の本務(ほんむ)のあるもので、434軽重(けいちよう)大小(だいせう)の差異(さい)こそあれそれぞれ役目(やくめ)がある。435鼠(ねずみ)でも天井(てんじやう)に棲(す)みて人間(にんげん)に害(がい)を与(あた)ふる恙虫(つつがむし)などを殺(ころ)すので、436絶対(ぜつたい)的(てき)有害(いうがい)無効(むかう)の動物(どうぶつ)ではない。437剥(は)ぎは開(ひら)く義(ぎ)、438発揮(はつき)せしむる義(ぎ)也(なり)。439蚕(かひこ)をはぐなどの語(ご)を参考(さんかう)すべし。
440△逆剥(さかはぎ)  逆(さか)(サカ)は、441栄(さか)えのサカ也(なり)。442酒(さけ)なども此(この)栄(さか)えの意義(いぎ)から発生(はつせい)した語(ご)である。443剥(はぎ)(ハギ)は生剥(いけはぎ)の剥(はぎ)と同(おな)じく開発(かいはつ)の義(ぎ)。444即(すなは)ち全体(ぜんたい)の義(ぎ)は栄(さか)え開(ひら)く事(こと)で、445廃物(はいぶつ)をも利用(りよう)し荒蕪(くわうぶ)の地(ち)を開墾(かいこん)し、446豊満(ほうまん)美麗(びれい)の楽天地(らくてんち)を現出(げんしゆつ)せしむる事(こと)を指(さ)す。
447△尿戸(くそへ)  宇宙(うちう)一切(いつさい)を整頓(せいとん)し、448開発(かいはつ)する義(ぎ)。449クは組織(そしき)経綸(けいりん)、450ソは揃(そろ)へる事(こと)、451整頓(せいとん)する事(こと)、452へは開発(かいはつ)する事(こと)。
453△許々太久(ここたく)  其(その)他(た)種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)の義(ぎ)。
454△天津罪(あまつつみ)と詔別(のりわけ)て  以上(いじやう)列挙(れつきよ)せる天然力(てんねんりよく)、455自然物(しぜんぶつ)の利用(りよう)開発(かいはつ)を怠(おこた)る事(こと)を、456天津罪(あまつつみ)と教(をし)へ給(たま)ふ義(ぎ)也(なり)。
457△国津罪(くにつつみ)  天賦(てんぷ)の国(くに)の徳(とく)、458人(ひと)の徳(とく)を傷(きず)つくる罪(つみ)を指(さ)す。
459△生膚断(いきはだだち)  天賦(てんぷ)の徳性(とくせい)を保(たも)ち居(ゐ)る活物(いきもの)の皮膚(ひふ)を切(き)ること也(なり)。460必要(ひつえう)も無(な)きに動物(どうぶつ)を害傷(がいしやう)し、461竹木(ちくぼく)を濫伐(らんばつ)する事(こと)等(とう)は矢張(やはり)罪悪(ざいあく)である。462霊気(れいき)充満(じゆうまん)せる肉体(にくたい)に外科(げくわ)手術(しゆじゆつ)を施(ほどこ)さずとも、463立派(りつぱ)に治癒(ちゆ)する天賦(てんぷ)の性能(せいのう)を有(いう)して居(ゐ)る。464人工(じんこう)的(てき)に切断(せつだん)したり切開(せつかい)したりするのは天則(てんそく)違反(ゐはん)で、465徒(いたづら)に人体(じんたい)毀損(きそん)の罪(つみ)を積(かさ)ぬる訳(わけ)になる。
466△死膚断(しにはだだち)  刃物(はもの)を以(もつ)て生物(せいぶつ)一切(いつさい)を殺(ころ)す罪(つみ)。
467△白人(しらひと)胡久美(こくみ)  白昼(はくちう)姦淫(かんいん)の事(こと)。468白日床組(しらひとこくみ)といふ醜穢(しうわい)文字(もじ)を避(さ)け、469態(わざ)と当字(あてじ)を用(もち)ひたのである。470淫欲(いんよく)は獣肉(じうにく)嗜好(しかう)人種(じんしゆ)に随伴(ずゐはん)せる特徴(とくちやう)で、471支那(しな)、472欧米(おうべい)の人士(じんし)は概(がい)して此(この)方面(はうめん)の弊害(へいがい)が多(おほ)い。473日本人(にほんじん)も明治(めいぢ)に入(い)つてから大分(だいぶ)其(その)影響(えいきやう)を受(う)けて居(ゐ)るが、474元来(ぐわんらい)は此(この)点(てん)に於(おい)ては世界中(せかいぢう)で最(もつと)も淡白(たんぱく)な人種(じんしゆ)である。475淫欲(いんよく)の結果(けつくわ)は肺病(はいびやう)となり、476又(また)癩病(らいびやう)となる故(ゆゑ)に白人(しらひと)胡久美(こくみ)を第二義(だいにぎ)に解釈(かいしやく)すれば白人(しらひと)は肺病(はいびやう)患者(くわんじや)、477又(また)は白(しろ)癩疾者(かつたい)を指(さ)し、478胡久美(こくみ)は黒癩疾者(くろかつたい)を指(さ)す。
479△己(おの)が母(はは)犯(をか)せる罪(つみ)  母(はは)の一字(いちじ)は、480父(ちち)、481祖先(そせん)、482祖神(そしん)等(とう)をも包含(はうがん)し、483極(きは)めて広義(くわうぎ)を有(いう)するのである。484大体(だいたい)に於(おい)て親(おや)といふ如(ごと)し。485犯(をか)すとは其(その)本来(ほんらい)の権能(けんのう)を無視(むし)する義(ぎ)也(なり)。486換言(くわんげん)すれば親(おや)、487祖先(そせん)、488祖神(そしん)に対(たい)して不孝(ふかう)の罪(つみ)を重(かさ)ぬる事(こと)である。
489△己(おの)が子(こ)犯(をか)せる罪(つみ)  自己(じこ)の子孫(しそん)の権能(けんのう)を無視(むし)し、490非道(ひだう)の虐待(ぎやくたい)酷使(こくし)を敢(あへ)てする事(こと)。491元来(ぐわんらい)自分(じぶん)の子(こ)も、492実(じつ)は神(かみ)からの預(あづ)かり物(もの)で、493人間(にんげん)が勝手(かつて)に之(これ)を取扱(とりあつか)ふ事(こと)は出来(でき)ない。494それに矢鱈(やたら)に親風(おやかぜ)を吹(ふ)かせ、495娘(むすめ)や伜(せがれ)などを自己(じこ)の食(く)ひ物(もの)にして顧(かへり)みぬなどは甚(はなは)だしき罪悪(ざいあく)といふべきである。
496△母(はは)と子(こ)と犯(をか)せる罪(つみ)、子(こ)と母(はは)と云々(うんぬん)  上(うへ)の二句(にく)『己(おの)が母(はは)犯(をか)せる罪(つみ)、497己(おの)が子(こ)犯(をか)せる罪(つみ)』を更(さら)に畳句(でふく)として繰返(くりかへ)せる迄(まで)で別(べつ)に意義(いぎ)はない。
498△畜(けもの)犯(をか)せる罪(つみ)  獣類(じうるゐ)の天賦(てんぷ)の徳性(とくせい)を無視(むし)し、499酷待(こくたい)したり、500殺生(せつしやう)したりする事(こと)。
501△昆虫(はふむし)の災(わざはひ)  天則(てんそく)違反(ゐはん)の罪(つみ)をいふ。502蝮(まむし)、503ムカデなどに刺(さ)されるのは皆(みな)偶然(ぐうぜん)にあらず、504犯(をか)せる罪(つみ)があるにより天罰(てんばつ)として刺(さ)されるのである。505故(ゆゑ)にかかる場合(ばあひ)には直(ただち)に反省(はんせい)し、506悔悟(くわいご)し、507謹慎(きんしん)して、508神(かみ)様(さま)にお詫(わび)を申(まを)し上(あ)ぐべきである。
509△高津(たかつ)神(かみ)の災(わざはひ)  天災(てんさい)、510地変(ちへん)、511気候(きこう)、512風力(ふうりよく)等(とう)の不順(ふじゆん)は皆(みな)これ高津(たかつ)神(かみ)の業(わざ)にして罪過(めぐり)の甚(ひど)い所(ところ)に起(おこ)るのである。513災(わざはひ)は業(わざ)はひ也(なり)、514所為(しよゐ)也(なり)。515鬼神(きしん)から主観(しゆくわん)的(てき)に観(み)れば一(ひとつ)の所為(わざ)であるが、516人間(にんげん)から客観(きやくくわん)的(てき)に観(み)れば災難(さいなん)である。517今度(こんど)の国祖(こくそ)の大立替(おほたてかへ)に、518雨(あめ)の神(かみ)、519風(かぜ)の神(かみ)、520岩(いは)の神(かみ)、521荒(あれ)の神(かみ)、522地震(ぢしん)の神(かみ)、523其(その)他(た)八百万(やほよろづ)の眷属(けんぞく)を使(つか)はるるのも祝詞(のりと)の所謂(いはゆる)高津(たかつ)神(かみ)の災(わざはひ)である。524皆(みな)世界(せかい)の守護神(しゆごじん)、525人民(じんみん)の堕落(だらく)が招(まね)ける神罰(しんばつ)である。
526△高津鳥(たかつとり)の災(わざはひ)  鳥(とり)が穀物(こくもつ)を荒(あら)す事(こと)などを指(さ)すので矢張(やは)り神罰(しんばつ)である。
527△畜殪(けものたふ)し  他家(たけ)の牛馬(ぎうば)鶏豚(けいとん)等(とう)を斃死(へいし)せしむる事(こと)。528一種(いつしゆ)のマジナヒ也(なり)。
529△蠱物(まじもの)  呪咀(じゆそ)也(なり)、530マジナヒ物(もの)也(なり)。531丑(うし)の時参(ときまゐ)りだの、532生木(なまき)に釘(くぎ)を打(う)つだのは皆(みな)罪悪(ざいあく)である。
533(大意(たいい))人間(にんげん)は神(かみ)の容器(いれもの)として宇内(うだい)経綸(けいりん)の天職(てんしよく)がある。534殊(こと)に日本人(にほんじん)の使命(しめい)は重大(ぢうだい)を極(きは)め世界(せかい)の安否(あんぴ)、535時運(じうん)の興廃(こうはい)、536悉(ことごと)く其(その)責任(せきにん)は日本人(にほんじん)に係(かか)るのである。537神諭(しんゆ)に『日本(にほん)は神(かみ)の初発(しよつぱつ)に修理(こしら)へた国(くに)、538元(もと)の祖国(おやぐに)であるから、539世界中(せかいぢう)を守護(しゆご)する役目(やくめ)であるぞよ。540日本(にほん)神国(しんこく)の人民(じんみん)なら、541チトは神(かみ)の心(こころ)も推量(すゐりやう)致(いた)して、542身魂(みたま)を磨(みが)いて世界(せかい)の御用(ごよう)に立(た)ちて下(くだ)されよ』とある通(とほ)り、543天賦(てんぷ)の霊魂(れいこん)を磨(みが)き、544天下(てんか)独特(どくとく)の霊智(れいち)霊覚(れいかく)によりて、545天然(てんねん)造化力(ざうくわりよく)の利用(りよう)開発(かいはつ)に努(つと)めると同時(どうじ)に、546他方(たはう)に於(おい)ては天賦(てんぷ)の国(くに)の徳(とく)、547人(ひと)の徳(とく)を発揮(はつき)することに努(つと)め、548そして立派(りつぱ)な模範(もはん)を世界中(せかいぢう)に示(しめ)さねばならぬのである。549然(しか)るに実際(じつさい)は大(おほい)に之(これ)に反(はん)し、550徒(いたづら)に物質(ぶつしつ)文明(ぶんめい)の糟粕(さうはく)を嘗(な)め、551罪(つみ)の上(うへ)に罪(つみ)を重(かさ)ねて現在(げんざい)見(み)るが如(ごと)き世界(せかい)の大擾乱(だいぜうらん)となつて来(き)た。552無論(むろん)日本人(にほんじん)は此(この)責任(せきにん)を免(まぬが)るる事(こと)は出来(でき)ない。553併(しか)しこれは天地(てんち)創造(さうざう)の際(さい)からの約束(やくそく)で、554進化(しんくわ)の道程(だうてい)として、555蓋(けだ)し免(まぬが)れ難(がた)き事柄(ことがら)には相違(さうゐ)ない。556されば此(この)祝詞(のりと)の中(なか)に『許々太久(ここたく)の罪(つみ)出(いで)む』とあり、557又(また)国祖(こくそ)の神諭(しんゆ)にも『斯(こ)うなるのは世(よ)の元(もと)から分(わか)つて居(ゐ)る』と仰(あふ)せられて居(ゐ)る。558要(えう)するに過去(くわこ)の事(こと)は今更(いまさら)悔(くや)むには及(およ)ばぬ。559吾々(われわれ)は現在(げんざい)及(およ)び将来(しやうらい)に向(むか)つて、560いかなる態度(たいど)を執(と)り、561いかなる処置(しよち)を講(かう)ずれば宜(よ)いかを考究(かうきう)すべきである。562次節(じせつ)に其(その)要道(えうだう)を示(しめ)されて居(を)る。
 
563   (六)
 
564如此(かく)出(い)でば、565天津(あまつ)宮言(みやこと)以(も)て、566天津(あまつ)金木(かなぎ)を本打切(もとうちきり)末打断(すゑうちたち)て、567千座(ちくら)の置座(おきくら)に置足(おきたら)はして、568天津(あまつ)菅曾(すがそ)を本苅絶(もとかりたち)末苅切(すゑかりきり)て、569八針(やはり)に取裂(とりさ)きて天津(あまつ)祝詞(のりと)の太祝詞言(ふとのりとごと)を宣(の)れ、570如此(かく)宣(の)らば、571天津(あまつ)神(かみ)は天(あま)の磐戸(いはと)を推披(おしひら)来(き)て、572天(あめ)の八重雲(やへくも)を伊頭(いづ)の千別(ちわき)に千別(ちわき)て所聞召(きこしめさ)む。573国津(くにつ)神(かみ)は高山(たかやま)の末(すゑ)短山(ひきやま)の末(すゑ)に登(のぼ)り坐(まし)て、574高山(たかやま)の伊保理(いほり)短山(ひきやま)の伊保理(いほり)を掻分(かきわ)けて所聞召(きこしめさ)む。
575△天津(あまつ)宮言(みやこと)  宮言(みやこと)は『ミヤビノコトバ』の義(ぎ)也(なり)。576正(ただ)しき言霊(ことたま)也(なり)。577宇宙(うちう)の経綸(けいりん)は言霊(ことたま)の力(ちから)によりて行(おこな)はるる事(こと)は、578前(まへ)にも述(の)べた。579我(わが)天孫(てんそん)民族(みんぞく)は世界(せかい)の経綸(けいりん)を行(おこな)ひ、580天下(てんか)を太平(たいへい)に治(をさ)むべき、581重大(ぢゆうだい)なる使命(しめい)を帯(お)びて居(ゐ)る。582然(しか)るに現在(げんざい)は肝腎(かんじん)の日本人(にほんじん)が、583霊主(れいしゆ)体従(たいじう)の天則(てんそく)を誤(あやま)り天津罪(あまつつみ)、584国津罪(くにつつみ)、585数々(かずかず)の罪(つみ)を重(かさ)ねて、586其(その)結果(けつくわ)世界(せかい)の大擾乱(だいぜうらん)を来(きた)して居(ゐ)る。587之(これ)を修祓(しうばつ)し、588整理(せいり)するの途(みち)は、589言霊(ことたま)を正(ただ)し、590大宇宙(だいうちう)と同化(どうくわ)するが根本(こんぽん)である。591換言(くわんげん)すれば、592肚(はら)の内部(なか)から芥塵(ごもく)を一掃(いつさう)し、593心身(しんしん)共(とも)に浄化(じやうくわ)して、594常(つね)に善言(ぜんげん)美詞(びし)のみを発(はつ)するやうにせねばならぬ。595悪声(あくせい)を放(はな)ち蔭口(かげぐち)をきき又(また)は追従(つゐしやう)軽薄(けいはく)を並(なら)べるやうな人間(にんげん)はそれ丈(だけ)で其(その)人格(じんかく)の下劣(げれつ)邪悪(じやあく)な事(こと)が分(わか)る。596世界(せかい)の経綸(けいりん)どころか人(ひと)として次(つ)ぎの新理想(しんりさう)時代(じだい)に生存(せいぞん)すべき資格(しかく)の有無(うむ)さへ疑問(ぎもん)である。597日夕(につせき)祝詞(のりと)を奏上(そうじやう)しても、598斯(こ)んな肝要(かんえう)至極(しごく)の点(てん)が、599さつぱり実行(じつかう)が出来(でき)ぬでは仕方(しかた)がない。600お互(たがひ)に反省(はんせい)の上(うへ)にも反省(はんせい)を加(くは)へねばならぬ事(こと)と思(おも)ふ。
601△天津(あまつ)金木(かなぎ)  則(すなはち)神算木(かなぎ)也(なり)。602周易(しうえき)の算木(さんぎ)に相当(さうたう)するものであるが、603より以上(いじやう)に神聖(しんせい)で正確(せいかく)である。604本来(ほんらい)は長(なが)さ二(に)尺(しやく)の四寸角(しすんかく)の檜材(ひのきざい)なのであるが、605運用(うんよう)の便宜(べんぎ)上(じやう)、606長(なが)さ二寸(にすん)の四分角(しぶかく)に縮製(しゆくせい)さる。607其(その)数(すう)三十二(さんじふに)本(ほん)を並(なら)べて、608十六結(じふろくけつ)を作製(さくせい)し、609其(その)象(しやう)を観(み)て、610天地(てんち)の経綸(けいりん)、611人道(じんだう)政事(せいじ)一切(いつさい)の得失(とくしつ)興廃(こうはい)等(とう)を察(さつ)するのである。612それは宇内(うだい)統治(とうぢ)の主(しゆ)が大事(だいじ)に際(さい)して運用(うんよう)すべきもので、613普通(ふつう)人民(じんみん)が矢鱈(やたら)に吉凶(きつきよう)禍福(くわふく)などを卜(ぼく)するに使用(しよう)すべきものではない。614無意(むい)無心(むしん)の器物(きぶつ)を用(もち)ゐて神勅(しんちよく)を受(う)くるのであるから、615ややもすれば肉体心(にくたいごころ)の加味(かみ)し勝(が)ちな普通(ふつう)の神憑(かむがか)りよりも、616一倍(いちばい)正確(せいかく)な事(こと)は云(い)ふ迄(まで)もない。
617△本打切(もとうちきり)末打断(すゑうちたち)  神算木(かなぎ)を直方形(ちよくはうけい)に作製(さくせい)する仕方(しかた)を述(の)べたまでである。
618△千座(ちくら)の置座(おきくら)云々(うんぬん)  無数(むすう)の神算木(かなぎ)台(だい)に後(あと)からズンズン置(お)き並(なら)べる事(こと)。
619△天津(あまつ)菅曾(すがそ)  周易(しうえき)の筮竹(ぜいちく)に相当(さうたう)するが其(その)数(すう)は七十五(しちじふご)本(ほん)である。620これは七十五(しちじふご)声(せい)を代表(だいへう)するのである。621長(なが)さは一(いつ)尺(しやく)乃至(ないし)一(いつ)尺(しやく)二寸(にすん)、622菅曾(すがそ)は俗称(ぞくしよう)『ミソハギ』と称(しよう)する灌木(くわんぼく)、623茎細長(くきほそなが)にして三四(さんし)尺(しやく)に達(たつ)す。624之(これ)を本(もと)と末(すゑ)とを切(き)り揃(そろ)へて使用(しよう)する也(なり)。
625△八針(やはり)に取裂(とりさき)て  天津(あまつ)菅曾(すがそ)の運用法(うんようはふ)は先(ま)づ総数(そうすう)七十五(しちじふご)本(ほん)を二分(にぶん)し、626それから八本(はちほん)づつ取(と)り減(へ)らし其(その)残数(ざんすう)によりて神算木(かなぎ)を配列(はいれつ)するのである。
627△天津(あまつ)祝詞(のりと)の太祝詞(ふとのりと)  即(すなは)ち御禊祓(みそぎはらひ)の祝詞(のりと)の事(こと)で、628正式(せいしき)に奏上(そうじやう)する場合(ばあひ)には爰(ここ)で天津(あまつ)祝詞(のりと)を奏上(そうじやう)するのである。629大体(だいたい)に於(おい)て述(の)べると、630あの祝詞(のりと)は天地間(てんちかん)一切(いつさい)の大修祓(だいしうばつ)を、631天神(てんしん)地祇(ちぎ)に向(むか)つて命(めい)ぜらるる重大(ぢうだい)な祝詞(のりと)である。632太(ふと)(フト)は美称(びしよう)で、633繰返(くりかへ)して、634天津(あまつ)祝詞(のりと)を称(とな)へた迄(まで)である。
635△宣(の)れ  神(かみ)に向(むか)つて願事(ねがひごと)を奏上(そうじやう)するの義(ぎ)也(なり)。
636△天(あま)の磐戸(いはと)  天津(あまつ)神(かみ)のまします宮門(きうもん)から御(ご)出動(しゆつどう)の義(ぎ)にて、637人格(じんかく)的(てき)に写(うつ)し出(だ)せるのである。
638△伊頭(いづ)の千別(ちわ)き云々(うんぬん)  前(まへ)に出(で)たから略(りやく)す。
639△国津(くにつ)神(かみ)  地(ち)の神界(しんかい)に属(ぞく)する神々(かみがみ)、640及(およ)び霊魂(みたま)の神(かみ)を以(もつ)て成立(せいりつ)し、641各自(かくじ)の霊的(れいてき)階級(かいきふ)に応(おう)じて大小(だいせう)高下(かうげ)、642それぞれの分担(ぶんたん)権限(けんげん)を有(いう)す。
643△高山(たかやま)の末(すゑ)云々(うんぬん)  末(すゑ)は頂上(ちやうじやう)の義(ぎ)。
644△伊保理(いほり)  隠棲(いんせい)也(なり)、645隠(かく)れたる也(なり)。646伊保理(いほり)の伊保(いほ)も、647いぶかしのいぶも、648烟(けむり)などのいぶるも、649皆(みな)通音(つうおん)で同意義(どういぎ)である。
650(大意(たいい))天津罪(あまつつみ)、651国津罪(くにつつみ)の続発(ぞくはつ)は悲(かな)しむべき不祥事(ふしやうじ)ではあるが、652出来(でき)た上(うへ)は致方(いたしかた)がない。653よく治乱(ちらん)興廃(こうはい)、654得失(とくしつ)存亡(そんばう)の理(り)を明(あきら)かにし、655そして整理(せいり)修祓(しうばつ)の法(はふ)を講(かう)ぜねばならぬ。656世界(せかい)主宰(しゆさい)の大君(おほきみ)としては、657天津(あまつ)金木(かなぎ)を運用(うんよう)して宇内(うだい)の現勢(げんせい)を察知(さつち)し、658そして正(ただ)しき言霊(ことたま)を活用(くわつよう)して天津(あまつ)祝詞(のりと)を天津(あまつ)神(かみ)と国津(くにつ)神(かみ)とに宣(の)り伝(つた)へて、659其(その)活動(くわつどう)を促(うなが)すべきである。660これが根本(こんぽん)の祭事(さいじ)であると同時(どうじ)に、661又(また)根本(こんぽん)の政事(せいじ)であつて、662祭(さい)と政(せい)とは決(けつ)して別途(べつと)に出(いづ)るものではない。663さうすると、664天津(あまつ)神(かみ)も国津(くにつ)神(かみ)もよく之(これ)に応(おう)じて威力(ゐりよく)を発揮(はつき)せられる。665神諭(しんゆ)の所謂(いはゆる)『罪穢(めぐり)の甚(ひど)い所(ところ)には、666それぞれの懲罰(みせしめ)がある』又(また)は『地震(ぢしん)、667雷(かみなり)、668火(ひ)の雨(あめ)降(ふ)らして体主(たいしゆ)霊従(れいじう)をつぶす』といふやうな神力(しんりき)の発動(はつどう)ともなるのである。
 
669   (七)
 
670如此(かく)所聞食(きこしめし)ては、671罪(つみ)といふ罪(つみ)は不在(あらじ)と、672科戸(しなど)の風(かぜ)の天(あめ)の八重雲(やへくも)を吹放(ふきはな)つ事(こと)の如(ごと)く、673朝(あした)の御霧(みきり)夕(ゆふべ)の御霧(みきり)を、674朝風(あさかぜ)夕風(ゆふかぜ)の吹掃(ふきはら)ふ事(こと)の如(ごと)く、675大津辺(おほつべ)に居(をる)大船(おほふね)を、676舳解(へとき)放(はな)ち艫解(ともとき)放(はな)ちて大海原(おほわだのはら)に押放(おしはな)つ事(こと)の如(ごと)く、677彼方(をちかた)の繁木(しげき)が本(もと)を、678焼鎌(やきかま)の敏鎌(とかま)以(も)て打掃(うちはら)ふ事(こと)の如(ごと)く、679遺(のこ)る罪(つみ)は不在(あらじ)と、680祓賜(はらひたま)ひ清(きよ)め玉(たま)ふ事(こと)を。
681△かく所食(きこしめし)ては  きこしめすの意義(いぎ)は、682単(たん)に耳(みみ)に聴(き)くといふよりも遥(はるか)に広(ひろ)く深(ふか)い。683きくは利(き)く也(なり)。684腕(うで)が利(き)く、685鼻(はな)がきく、686眼(め)がきく、687酒(さけ)をきく、688(酒(さけ)の品位(ひんゐ)を飲(の)み分(わ)けること)などのきくにて一般(いつぱん)に活用(くわつよう)を発揮(はつき)し、689威力(ゐりよく)を利用(りよう)する義(ぎ)である。690天津(あまつ)神(かみ)、691国津(くにつ)神(かみ)達(たち)が整理(せいり)修祓(しうばつ)の命(めい)に応(おう)じて活動(くわつどう)を開始(かいし)する事(こと)を指(さ)していふ。
692△罪(つみ)といふ罪(つみ)は不在(あらじ)と  罪(つみ)といふ限(かぎ)りの罪(つみ)は一(ひと)つも残(のこ)さずの意(い)。
693△科戸(しなど)の風(かぜ)の云々(うんぬん)  以下(いか)四聯句(しれんく)は修祓(しうばつ)の形容(けいよう)で、694要(えう)するに『遺(のこ)る罪(つみ)は不在(あらじ)と祓賜(はらひたま)ひ清(きよ)め賜(たま)ふ』事(こと)を麗(うるは)しき文字(もじ)で比喩(ひゆ)的(てき)に描(ゑが)いたものである。695科戸(しなど)は風(かぜ)の枕詞(まくらことば)、696古事記(こじき)に此(この)神(かみ)の名(な)は志那都(しなど)比古(ひこ)と出(で)て居(ゐ)る。697シは暴風(ばうふう)(アラシ)のシと同(おな)じく風(かぜ)の事(こと)である。698ナはノに同(おな)じく、699トは処(ところ)の義(ぎ)。
700△朝(あした)の御霧(みきり)云々(うんぬん)  御霧(みきり)は深(ふか)き霧(きり)の義(ぎ)。
701△朝風(あさかぜ)夕風(ゆふかぜ)云々(うんぬん)  朝風(あさかぜ)は前(まへ)の『朝(あした)の御霧(みきり)』に掛(かか)り、702夕風(ゆふかぜ)は『夕(ゆうべ)の御霧(みきり)』に掛(かか)る。
703△大津辺(おほつべ)に居(を)る云々(うんぬん)  地球(ちきう)に於(おい)て、704肉体(にくたい)を具備(ぐび)されたる神(かみ)の御(ご)出生(しゆつせい)ありしは、705琵琶湖(びはこ)の竹生島(ちくぶしま)からは、706多紀理(たぎり)毘売(ひめの)命(みこと)、707市寸島(いちきしま)比売(ひめの)命(みこと)、708狭依毘売(さよりひめの)命(みこと)の三姫神(さんひめがみ)、709又(また)蒲生(がまふ)からは天之(あまの)菩卑能(ほひの)命(みこと)、710天津彦根(あまつひこねの)命(みこと)、711天之(あめの)忍穂耳(おしほみみの)命(みこと)、712活津(いくつ)日子根(ひこねの)命(みこと)、713熊野(くまの)久須毘(くすびの)命(みこと)の五彦神(ごひこがみ)が御(ご)出生(しゆつせい)に成(な)つた。714これが世界(せかい)に於(お)ける人類(じんるゐ)の始祖(しそ)である。715かく琵琶湖(びはこ)は神代史(しんだいし)と密接(みつせつ)の関係(くわんけい)あるが故(ゆゑ)に、716沿岸(えんがん)附近(ふきん)の地名(ちめい)が大祓(おほはらひ)祝詞(のりと)中(ちう)に数箇所(すうかしよ)出(で)て居(ゐ)る。717大津(おほつ)の地名(ちめい)も斯(か)くして読(よ)み込(こ)まれたものである。
718△舳解放(へときはなち)云々(うんぬん)  泊(とまり)居(ゐ)る時(とき)に舳艪(ぢくろ)を繋(つな)いで置(お)くが、719それを解(と)き放(はな)つ意(い)。
720△大海原(おほうなばら)  海洋(かいやう)也(なり)。
721△繁木(しげき)が下(もと)  繁茂(はんも)せる木(き)の下(した)。
722△焼鎌(やきかま)の敏鎌(とかま)  焼鎌(やきかま)とは、723鎌(かま)で焼(や)きて造(つく)る故(ゆゑ)にいふ。724敏鎌(とかま)は利(と)き鎌(かま)の義(ぎ)。
725△遺(のこ)る罪(つみ)は不在(あらじ)と  前(まへ)に『罪(つみ)といふ罪(つみ)は不在(あらじ)』とあるのに、726更(さら)に重(かさ)ねてかく述(の)ぶるは、727徹底(てつてい)的(てき)に大修祓(だいしうばつ)を行(おこな)ふ事(こと)を力強(ちからづよ)く言(い)ひなしたのであらう。
728(大意(たいい))八百万(やほよろづ)の天津(あまつ)神(かみ)と国津(くにつ)神(かみ)との御(ご)活動(くわつどう)開始(かいし)となると、729罪(つみ)といふ罪(つみ)、730穢(けがれ)といふ穢(けがれ)は一(ひと)つも残(のこ)らず根本(こんぽん)から一掃(いつさう)されて仕舞(しま)ふ。731大(だい)は宇宙(うちう)の修祓(しうばつ)、732国土(こくど)の修祓(しうばつ)から、733小(せう)は一身(いつしん)一家(いつか)の修祓(しうばつ)に至(いた)るまで、734神力(しんりき)の御(ご)発動(はつどう)が無(な)ければ、735到底(たうてい)出来(でき)るものではない。736殊(こと)に現代(げんだい)の如(ごと)く堕落(だらく)し切(き)つた世(よ)の中(なか)が、737何(ど)うしても姑息(こそく)的(てき)人為(じんゐ)的(てき)の処分(しよぶん)位(ぐらゐ)で埒(らち)が附(つ)くものでない。738清潔法(せいけつはふ)執行(しつかう)の声(こゑ)は高(たか)くても、739益々(ますます)疾病(しつぺい)は流行(りうかう)蔓延(まんえん)し、740社会(しやくわい)改良(かいりやう)の工夫(くふう)は種々(しゆじゆ)に凝(こ)らされても、741動揺(どうえう)不穏(ふおん)の空気(くうき)はいよいよ瀰蔓(びまん)するではないか。742艮(うしとら)之(の)金神(こんじん)国常立(くにとこたちの)尊(みこと)が御(ご)出動(しゆつどう)に相成(あひな)り、743世(よ)の立替(たてかへ)立直(たてなほ)しを断行(だんかう)さるるのも誠(まこと)に万(ばん)止(や)むを得(え)ざる話(はなし)である。744されば大祓(おほはらひ)祝詞(のりと)は、745無論(むろん)何(いづ)れの時代(じだい)を通(つう)じても必要(ひつえう)で、746神人(しんじん)一致(いつち)、747罪(つみ)と穢(けがれ)の累積(るゐせき)を祓清(はらひきよ)むる様(やう)に努力(どりよく)せねばならぬのだが、748殊(こと)に現在(げんざい)に於(おい)ては、749それが痛切(つうせつ)に必要(ひつえう)である。750自己(じこ)の身体(からだ)からも、751家庭(かてい)からも、752国土(こくど)からも、753更(さら)に進(すす)んで全地球(ぜんちきう)、754全宇宙(ぜんうちう)から一(いち)時(じ)も迅速(じんそく)に邪気(じやき)妖気(えうき)を掃蕩(さうたう)してうれしうれしの神代(かみよ)に為(せ)ねば、755神(かみ)に対(たい)して実(じつ)に相済(あひす)まぬ儀(ぎ)ではないか。
756 大修祓(だいしうばつ)に際(さい)して、757神(かみ)の御(ご)活動(くわつどう)は大別(たいべつ)して四方面(しはうめん)に分(わか)れる。758所謂(いはゆる)祓戸(はらひど)四柱(よはしら)の神々(かみがみ)の御(お)働(はたら)きである。759祓戸(はらひど)の神(かみ)といふ修祓(しうばつ)専門(せんもん)の神(かみ)様(さま)が別(べつ)に存在(そんざい)するのではない、760正神界(せいしんかい)の神々(かみがみ)が修祓(しうばつ)を行(おこな)ふ時(とき)には、761此(この)四方面(しはうめん)に分(わか)れて御(ご)活動(くわつどう)ある事(こと)を指(さ)すのである。762以下(いか)末段(まつだん)迄(まで)は各方面(かくはうめん)の御(ご)分担(ぶんたん)を明記(めいき)してある。
 
763   (八)
 
764高山(たかやま)の末(すゑ)短山(ひきやま)の末(すゑ)より、765作久那太理(さくなだり)に落(おち)、766多岐(たき)つ速川(はやかは)の瀬(せ)に坐(ま)す瀬織津(せおりつ)比売(ひめ)と云(い)ふ神(かみ)、767大海原(おほわだのはら)に持出(もちいで)なむ、768如此(かく)持出往(もちいでいな)ば、769荒塩(あらしほ)の塩(しほ)の八百道(やほぢ)の八塩道(やしほぢ)の塩(しほ)の八百会(やほあひ)に坐(ま)す速(はや)秋津(あきつ)比売(ひめ)といふ神(かみ)、770持(もち)可々(かか)呑(のみ)てむ。771如此(かく)可々呑(かかのみ)ては、772気吹戸(いぶきど)に坐(ま)す気吹戸主(いぶきどぬし)といふ神(かみ)、773根(ね)の国(くに)底(そこ)の国(くに)に気吹(いぶき)放(はな)ちてむ。774如此(かく)気吹(いぶき)放(はな)ちては、775根(ね)の国(くに)底(そこ)の国(くに)に坐(ま)す速(はや)佐須良(さすら)比売(ひめ)といふ神(かみ)、776持(もち)佐須良比(さすらひ)失(うしな)ひてむ。777如此(かく)失(うしな)ひては、778現身(うつそみ)の身(み)にも心(こころ)にも罪(つみ)と云(い)ふ罪(つみ)は不在(あらじ)と、779祓給(はらひたま)へ、780清(きよ)め給(たま)へと申(まを)す事(こと)を所聞食(きこしめせ)と恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(まを)す。
781△高山(たかやま)の末(すゑ)云々(うんぬん)  高(たか)き山(やま)の頂(いただき)、782低(ひく)き山(やま)の頂(いただき)からの義(ぎ)。
783△作久那太理(さくなだり)に  佐久(さく)は谷(たに)也(なり)、784峡(けふ)也(なり)。785那太理(なだり)はなだれ落(お)つる義(ぎ)、786山(やま)から水(みづ)が急転(きふてん)直下(ちよくか)し来(きた)る事(こと)の形容(けいよう)。
787△落多岐(おちたき)つ  逆巻(さかま)き、788湧(わ)き上(あが)りつつ落(お)つる事(こと)。789滝(たき)(タキ)、790沸(ふつ)(タギル)等(とう)皆(みな)同一(どういつ)語源(ごげん)から出(い)づ。
791△速川(はやかは)  急流(きふりう)也(なり)。
792△瀬織津(せおりつ)比売(ひめ)云々(うんぬん)  古事記(こじき)の伊邪那岐(いざなぎの)命(みこと)御禊(みそぎ)の段(だん)に、793『於是(ここに)詔之上瀬(かみつせ)者(は)瀬(せ)速(はやし)。794下瀬(しもつせ)者(は)瀬(せ)弱(よわし)而(とのりごちたまひて)。795初於(はじめて)中瀬(なかつせに)降(おり)迦豆伎而(かづきて)。796滌時(すすぎたまふときに)。797所成坐(なりませる)神名(かみのみなは)八十禍津日神(やそまがつひのかみ)、798次(つぎに)大禍津日神(おほまがつひのかみ)。799此(この)二神(ふたはしら)者(は)所到其穢繁国(かのけがらはしきくににいたりましし)之時(ときの)因汚垢(けがれに)而(よりて)。800所成之神者(なりませるかみ)也(なり)』[※この漢文は御校正本ではフリガナはなく、返り点が付いている。霊界物語ネットでは戦後の版を参考にしてフリガナをつけた。また返り点は削除した。]と出(で)て居(ゐ)るが、801瀬織津(せおりつ)の織(おり)は借字(しやくじ)にて瀬下津(せおりつ)の義(ぎ)、802即(すなは)ち於中瀬降(なかつせにおり)迦豆伎(かつき)たまふとある意(い)の御名(みな)である。803此(この)神(かみ)は即(すなは)ち禍津(まがつ)日(ひの)神(かみ)である。804世人(せじん)は大概(たいがい)禍津(まがつ)日(ひの)神(かみ)と禍津神(まがつかみ)とを混同(こんどう)して居(ゐ)るが、805実(じつ)は大変(たいへん)な間違(まちがひ)である。806禍津神(まがつかみ)は邪神(じやしん)であるが、807禍津(まがつ)日(ひの)神(かみ)は正神界(せいしんかい)の刑罰係(けいばつかかり)である。808現界(げんかい)で言(い)へば判検事(はんけんじ)、809警察官(けいさつくわん)、810又(また)は軍人(ぐんじん)なぞの部類(ぶるい)に属(ぞく)す。811罪穢(ざいゑ)が発生(はつせい)した場合(ばあひ)には、812常(つね)に此(この)修祓係(しうばつかかり)、813刑罰係(けいばつかかり)たる禍津(まがつ)日(ひの)神(かみ)の活動(くわつどう)を必要(ひつえう)とする。814修祓(しうばつ)には大中小(だいちうせう)の区別(くべつ)がある。815大(だい)は天上(てんじやう)地上(ちじやう)の潔斎(けつさい)、816中(ちう)は人道(じんだう)政事(せいじ)の潔斎(けつさい)、817小(せう)は一身(いつしん)一家(いつか)の潔斎(けつさい)である。818若(も)し地球(ちきう)に瀬織津(せおりつ)比売(ひめ)の働(はたら)きが無(な)くんば、819万(よろづ)の汚穢(をゑ)は地上(ちじやう)に堆積(たいせき)して新陳(しんちん)代謝(たいしや)の働(はたら)きが閉塞(へいそく)する。820所(ところ)が地(ち)の水分(すゐぶん)が間断(かんだん)なく蒸発(じようはつ)して、821それが雲(くも)となり、822雨(あめ)となり、823其(その)結果(けつくわ)谷々(たにだに)の小川(をがは)の水(みづ)が流(なが)れ出(で)て末(すゑ)は一(ひと)つに成(な)りて大海原(おほうなばら)に持出(もちだ)して呉(く)れるから、824天然(てんねん)自然(しぜん)に地(ち)の清潔(せいけつ)が保(たも)たれるのである。825現在(げんざい)は地(ち)の表面(へうめん)が極度(きよくど)に腐敗(ふはい)し切(き)り、826汚染(をせん)し切(き)り、827邪霊(じやれい)小人(せうじん)時(とき)を得顔(えがほ)に跋扈(ばつこ)して居(を)る。828神諭(しんゆ)に『今(いま)の世界(せかい)は服装(みなり)ばかり立派(りつぱ)に飾(かざ)りて上(うへ)から見(み)れば結構(けつこう)な人民(じんみん)で、829神(かみ)も叶(かな)はぬやうに見(み)えるなれど誠(まこと)の神(かみ)の眼(め)から見(み)れば、830全部(さつぱり)四(よ)つ足(あし)の守護(しゆご)に成(な)りて居(を)るから、831頭(あたま)に角(つの)が生(は)えたり、832尻(しり)に尾(を)が出来(でき)たり、833無暗(むやみ)に鼻(はな)計(ばか)り高(たか)い化物(ばけもの)の覇張(はば)る、834闇雲(やみくも)の世(よ)に成(な)りて居(を)るぞよ』『余(あま)り穢(きたな)うて眼(め)を開(あ)けて見(み)られぬぞよ』『能(よ)うも爰(ここ)まで汚(けが)したものぢや。835足(あし)片足(かたあし)踏(ふ)み込(こ)む所(ところ)もない』等(など)と戒(いまし)められて居(ゐ)る通(とほ)りである。836此(この)際(さい)是非(ぜひ)とも必要(ひつえう)なるは、837世界(せかい)の大洗濯(おほせんだく)、838大(だい)清潔法(せいけつはふ)の施行(しかう)であらねばならぬ。839爰(ここ)に於(おい)てか先(ま)づ瀬織津(せおりつ)姫(ひめ)の大活動(だいくわつどう)と成(な)りて現(あら)はれる。840七十五(しちじふご)日(にち)も降(ふ)りつづく大猛雨(だいまうう)なぞは此(この)神(かみ)の分担(ぶんたん)に属(ぞく)する。841到底(たうてい)お手柔(てやはらか)な事(こと)では現世界(げんせかい)の大汚穢(だいをゑ)の洗濯(せんたく)は出来(でき)さうも無(な)いやうだ。842神諭(しんゆ)にも『罪穢(めぐり)の甚大(ひど)い所(ところ)には何(なに)があるやら知(し)れぬぞよ』と繰返(くりかへ)し繰返(くりかへ)し警告(けいこく)されて居(ゐ)る。843世界(せかい)の表面(へうめん)を見(み)れば、844そろそろ瀬織津(せおりつ)比売(ひめ)の御(ご)活動(くわつどう)は始(はじ)まりつつあるやうだ。845足下(あしもと)に始(はじ)まらなくては気(き)が附(つ)かぬやうでは困(こま)つたものだ。
846△荒塩(あらしほ)の塩(しほ)の八百道(やほぢ)の云々(うんぬん)  全体(ぜんたい)は荒(あら)き潮(しほ)の弥(いや)が上(うへ)に数多(あまた)寄(よ)り合(あ)ふ所(ところ)の義(ぎ)。847八(や)は弥(いや)の意(い)、848八百道(やほぢ)は多(おほ)くの潮道(しほぢ)の事(こと)、849八塩道(やしほぢ)は上(うへ)の塩(しほ)の八百道(やほぢ)を受(う)け重(かさ)ねていへる丈(だけ)である。850八百会(やほあひ)は沢山(たくさん)の塩道(しほぢ)の集(あつ)まり合(あ)ふ所(ところ)。
851△速(はや)秋津(あきつ)比売(ひめ)  古事記(こじき)に『水戸(みなとの)神(かみ)、852名(なは)速(はや)秋津(あきつ)日子(ひこの)神(かみ)。853次(つぎに)妹(いも)秋津比売(あきつひめの)命(みこと)』とあるが如(ごと)く河海(かかい)の要所(えうしよ)を受持(うけも)ちて働(はたら)く神(かみ)也(なり)。
854△持(もち)可々(かか)呑(のみ)てむ  声(こゑ)立(た)ててガブガブ呑(の)むの義(ぎ)也(なり)。855汚(けが)れたる世界(せかい)の表面(へうめん)を洗滌(せんでう)する為(ため)には既(すで)に瀬織津(せおりつ)比売(ひめ)の働(はたら)きが起(おこ)りて大雨(たいう)などが降(ふ)りしきるが、856河海(かかい)の水門(みなと)々々(みなと)に本拠(ほんきよ)を有(いう)する秋津(あきつ)比売(ひめ)が、857次(つ)ぎに相呼応(あひこおう)して活動(くわつどう)を開始(かいし)する。858大洪水(だいこうずゐ)、859大海嘯(おほつなみ)、860大怒濤(だいどたう)、861此(この)神(かみ)にガブ呑(の)みされては田園(でんえん)も山野(さんや)も、862町村(ちやうそん)も耐(たま)つたものではない。863所謂(いはゆる)桑田(さうでん)変(へん)じて碧海(へきかい)と成(な)るのである。
864△気吹戸(いぶきど)  近江(あふみ)の伊吹山(いぶきやま)は気象学(きしやうがく)上(じやう)極(きは)めて重要(ぢうえう)な場所(ばしよ)である。865伊吹(いぶき)は息(いき)を吹(ふ)く所(ところ)の義(ぎ)で、866地球(ちきう)上(じやう)に伊吹戸(いぶきど)は無数(むすう)あるが、867伊吹戸(いぶきど)中(ちう)の伊吹戸(いぶきど)とも云(い)ふべきは近江(あふみ)の伊吹山(いぶきやま)である。868最近(さいきん)伊吹山(いぶきやま)に気象(きしやう)観測所(くわんそくしよ)が公設(こうせつ)されたのは、869新聞紙(しんぶんし)の伝(つた)ふる所(ところ)であるが、870大本(おほもと)では十(じふ)年(ねん)も二十(にじふ)年(ねん)も以前(いぜん)から予知(よち)の事実(じじつ)である。
871△気吹戸主(いぶきどぬし)  大雨(たいう)、872洪水(こうずゐ)、873海嘯(つなみ)等(とう)の活動(くわつどう)に続(つづ)いては、874気象(きしやう)上(じやう)の大活動(だいくわつどう)が伴(ともな)うて妖気(えうき)邪気(じやき)の掃蕩(さうたう)を行(おこな)はねばならぬ。875元寇(げんこう)の役(えき)に吹(ふ)き起(おこ)つた神風(かみかぜ)の如(ごと)きも、876無論(むろん)この伊吹戸主(いぶきどぬし)の神(かみ)の御(ご)活動(くわつどう)の一端(いつたん)である。
877△根(ね)の国(くに)底(そこ)の国(くに)  地球(ちきう)表面(へうめん)に於(おい)ては北極(ほくきよく)である。878神諭(しんゆ)に『今迄(いままで)は世(よ)の元(もと)の神(かみ)を、879北(きた)へ北(きた)へ押籠(おしこ)めて置(お)いて、880北(きた)を悪(わる)いと世界(せかい)の人民(じんみん)が申(まをし)て居(を)りたが、881北(きた)は根(ね)の根(ね)、882元(もと)の国(くに)であるから、883北(きた)が一番(いちばん)善(よ)く成(な)るぞよ………。884人民(じんみん)は北(きた)が光(ひか)ると申(まを)して不思議(ふしぎ)がりて、885いろいろと学(がく)や智慧(ちゑ)で考(かんが)へて居(を)りたが、886誠(まこと)の神(かみ)が一処(ひとところ)に集(よ)りて、887神力(しんりき)の光(ひかり)を現(あら)はして居(を)る事(こと)を知(し)らなんだぞよ』とあるが、888真(まこと)に人間(にんげん)の智慧(ちゑ)や学問(がくもん)では解釈(かいしやく)の出来(でき)ない神秘(しんぴ)は北(きた)に隠(かく)されて居(ゐ)る。889北光(ほくくわう)、890磁力(じりよく)は申(まを)すに及(およ)ばず、891気流(きりう)や、892気象(きしやう)なども北極(ほくきよく)とは密接(みつせつ)の関係(くわんけい)がある。893即(すなは)ち地球(ちきう)の罪穢(ざいゑ)邪気(じやき)は、894悉(ことごと)く一旦(いつたん)北極(ほくきよく)に吹(ふ)き放(はな)たれ、895爰(ここ)で遠大(ゑんだい)なる神力(しんりき)により処分(しよぶん)されるのである。896序(ついで)に一言(いちげん)して置(お)くが、897罪(つみ)を犯(をか)した者(もの)が根(ね)の国(くに)、898底(そこ)の国(くに)に落(お)ちるのは、899詰(つ)まり神罰(しんばつ)で、900これも一(ひと)つの修祓法(しうばつはう)執行(しつかう)の意義(いぎ)である。901別(べつ)に根(ね)の国(くに)底(そこ)の国(くに)といふ地獄(ぢごく)めきたる国土(こくど)が存在(そんざい)するのではない。902何処(どこ)に居(ゐ)ても神罰(しんばつ)執行中(しつかうちう)は其処(そこ)が根(ね)の国(くに)底(そこ)の国(くに)である。
903△速(はや)佐須良(さすら)比売(ひめ)  佐須良(さすら)は摩擦(まさつ)(サスル)也(なり)、904揉(も)むこと也(なり)、905空(そら)にありては雷(かみなり)、906地(ち)にありては地震(ぢしん)、907皆(みな)これ佐須良(さすら)比売(ひめ)の活動(くわつどう)である。908要(えう)するに全世界(ぜんせかい)の大(だい)修祓法(しうばつはう)は、909大雨(おほあめ)で流(なが)し、910洪水(こうずゐ)海嘯(つなみ)等(とう)で掃(はら)ひ、911大風(おほかぜ)で吹(ふ)き飛(と)ばし、912最後(さいご)に地震(ぢしん)雷(かみなり)で揺(ゆ)つて揺(ゆ)つて揺(ゆ)り滅(ほろぼ)すのである。913それが即(すなは)ち神諭(しんゆ)の世界(せかい)の大洗濯(おほせんだく)、914大掃除(おほさうぢ)、915第二次(だいにじ)の大立替(おほたてかへ)である。916『天(てん)の大神(おほかみ)様(さま)がいよいよ諸国(しよこく)の神(かみ)に、917命令(めいれい)を降(くだ)しなされたら、918艮(うしとらの)金神(こんじん)国常立(くにとこたちの)尊(みこと)が総大将(そうだいしやう)となりて雨(あめ)の神(かみ)、919風(かぜ)の神(かみ)、920岩(いは)の神(かみ)、921荒(あれ)の神(かみ)、922地震(ぢしん)の神(かみ)、923八百万(やほよろづ)の眷族(けんぞく)を使(つか)ふと一旦(いつたん)は激(はげ)しい』とあるのは、924祓戸(はらひど)四柱(よはしら)の神々(かみがみ)の活動(くわつどう)を指(さ)すのである。925詳(くは)しく言(い)へば雨(あめ)、926荒(あれ)、927風(かぜ)、928地震(ぢしん)の神々(かみがみ)がそれぞれ瀬織津(せおりつ)比売(ひめ)、929秋津(あきつ)比売(ひめ)、930気吹戸主(いぶきどぬし)、931佐須良(さすら)比売(ひめ)の神々(かみがみ)の働(はたら)きをされるので、932岩(いは)の神(かみ)が統治(とうぢ)の位置(ゐち)に立(た)つのである。933学問(がくもん)の末(すゑ)に囚(とら)はれた現代(げんだい)人士(じんし)は、934是(これ)等(ら)の自然力(しぜんりよく)を科学(くわがく)の領分内(りやうぶんない)に入(い)れて解釈(かいしやく)しようと試(こころ)みて居(ゐ)るがそれは駄目(だめ)だ。935実(じつ)は皆(みな)一定(いつてい)の規律(きりつ)と方針(はうしん)の下(もと)に行(おこな)はるる所(ところ)の神力(しんりき)の大発動(だいはつどう)である。936その事(こと)は、937今年(こんねん)よりは来年(らいねん)、938来年(らいねん)よりは来々年(らいらいねん)といふ具合(ぐあひ)に、939段々(だんだん)世界(せかい)の人士(じんし)が承服(しようふく)する事(こと)に成(な)るであらう。
940△所聞食(きこしめせ)と  八百万(やほよろづ)の神(かみ)達(たち)に宣(の)り上(あ)ぐる言葉(ことば)である。941神々(かみがみ)に向(むか)つて活動(くわつどう)開始(かいし)、942威力(ゐりよく)発揮(はつき)を祈願(きぐわん)する言葉(ことば)である。943即(すなは)ち天地(てんち)の神々(かみがみ)様(さま)も、944此(この)宣詞(のりと)をしつかり腹(はら)に入(い)れ、945四方面(しはうめん)に分(わか)れて、946大修祓(だいしうばつ)の為(ため)に活力(くわつりよく)を発揮(はつき)し玉(たま)へと云(い)ふ事(こと)である。947我(わが)惟神(かむながら)の大道(だいだう)がいかに拝(をが)み信心(しんじん)、948縋(すが)り信心(しんじん)と天地(てんち)の相違(さうゐ)あるかは、949此(この)辺(へん)の呼吸(こきふ)を観(み)ても分(わか)るであらう。950末段(まつだん)祓戸(はらひど)四柱神(よはしらがみ)の解釈(かいしやく)説明(せつめい)を下(くだ)すに当(あた)り、951自分(じぶん)は全体(ぜんたい)の統一(とういつ)を慮(おもんばか)り、952又(また)大本(おほもと)神諭(しんゆ)との一致(いつち)を失(うしな)はぬやう、953主(しゆ)として地球(ちきう)全体(ぜんたい)世界(せかい)全体(ぜんたい)経綸(けいりん)の見地(けんち)から筆(ふで)を下(くだ)した。954併(しか)しこれは、955より大(おほ)きくも、956又(また)より小(ちひ)さくも解釈(かいしやく)が出来(でき)る事(こと)は前(まへ)にも述(の)べた通(とほ)りである。957宇宙(うちう)の神人(しんじん)、958万有(ばんいう)一切(いつさい)の事(こと)は皆(みな)同一(どういつ)理法(りほふ)に支配(しはい)せられ、959宇宙(うちう)に真(しん)なる事(こと)は地球(ちきう)にも真(しん)、960地球(ちきう)に真(しん)なる事(こと)は一身(いつしん)一家(いつか)にも又(また)真(しん)である。961参考(さんかう)の為(た)めに爰(ここ)に簡単(かんたん)に他(た)の一二(いちに)の解釈法(かいしやくはふ)を附記(ふき)して置(お)かう。962個人(こじん)潔斎(けつさい)の上(うへ)から述(の)べると瀬織津(せおりつ)比売(ひめ)の働(はたら)きは行水(ぎやうずゐ)、963沐浴(もくよく)等(とう)の事(こと)、964秋津(あきつ)比売(ひめ)は合嗽(うがひ)の事(こと)、965伊吹戸主(いぶきどぬし)は深呼吸(しんこきふ)などの事(こと)、966佐須良(さすら)比売(ひめ)は冷水(れいすゐ)摩擦(まさつ)、967按摩(あんま)等(とう)の事(こと)である。968人身(じんしん)生理(せいり)の上(うへ)から述(の)べると、969瀬織津(せおりつ)比売(ひめ)は口中(こうちう)にて食物(しよくもつ)咀嚼(そしやく)の機能(きのう)、970秋津(あきつ)比売(ひめ)は食道(しよくだう)から胃腸(ゐちやう)に食物(しよくもつ)を運(はこ)ぶ機能(きのう)、971気吹戸主(いぶきどぬし)は咀嚼(そしやく)して出(で)た乳汁(にうじふ)を肺臓(はいざう)に持(も)ち出(だ)す機能(きのう)、972佐須良(さすら)比売(ひめ)は肺臓(はいざう)にて空気(くうき)に触(ふ)れ、973それから心臓(しんざう)に帰(かへ)り、974そして全身(ぜんしん)へ脈管(みやくくわん)で分布(ぶんぷ)せらるる機能(きのう)を指(さ)すのである。975かくの如(ごと)く大祓(おほはらひ)祝詞(のりと)は大小(だいせう)に拘(かか)はらず、976ありとあらゆる有機(いうき)組織(そしき)全部(ぜんぶ)に必要(ひつえう)なる新陳(しんちん)代謝(たいしや)の自然法(しぜんはふ)を述(の)べたものである。
977(大意(たいい))さて地球(ちきう)の表面(へうめん)の清潔法(せいけつはふ)施行(しかう)のためには、978先(ま)づ大小(だいせう)の河川(かせん)を司(つかさ)どる瀬織津(せおりつ)姫(ひめ)が御(ご)出動(しゆつどう)になり、979いよいよとなれば、980大雨(おほあめ)を降(ふ)らして苛(いやし)くも汚(けが)れたものは家庫(いへくら)たると、981人畜(じんちく)たるの区別(くべつ)なく大海(たいかい)へ一掃(いつさう)して了(しま)ふ。982之(これ)に応(おう)じて速(はや)秋津姫(あきつひめ)の活動(くわつどう)が起(おこ)り、983必要(ひつえう)あれば逆(ぎやく)に陸地(りくち)までも押(お)し寄(よ)せ、984あらゆる物(もの)を鵜呑(うの)みにする。985邪気(じやき)妖気(えうき)掃除(さうぢ)の目的(もくてき)には気吹戸主(いぶきどぬしの)神(かみ)が控(ひか)へて居(を)り、986最後(さいご)の大仕上(おほしあ)げには佐須良(さすら)姫(ひめ)が待(ま)ち構(かま)へて、987揉(も)みに揉(も)み砕(くだ)き、988揺(ゆ)りに揺(ゆ)り潰(つぶ)す。989これでは如何(いか)に山積(さんせき)せる罪穢(ざいゑ)も此(こ)の世(よ)から一掃(いつさう)されて品切(しなぎ)れになる。990従来(じゆうらい)は大祓(おほはらひ)の祝詞(のりと)は世(よ)に存在(そんざい)しても其(その)意義(いぎ)すら分(わか)らず、991従(したが)つて其(その)実行(じつかう)が少(すこ)しも出来(でき)て居(ゐ)なかつた。992其(その)大実行(だいじつかう)着手(ちやくしゆ)が国祖(こくそ)国常立(くにとこたちの)尊(みこと)の御(ご)出動(しゆつどう)である。993神国人(しんこくじん)の責務(せきむ)は重(おも)いが上(うへ)にも重(おも)い。994天地(てんち)の神々(かみがみ)の御(ご)奮発(ふんぱつ)と御(ご)加勢(かせい)とを以(もつ)て首尾(しゆび)克(よ)く此(この)大経綸(だいけいりん)の衝(しよう)に当(あた)り神業(しんげふ)に奉仕(ほうし)するといふのが、995これが大祓(おほはらひ)奏上者(そうじやうしや)の覚悟(かくご)であらねばならぬ。996(完)
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