霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 評定(ひようぢやう)〔一〇六七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第39巻 舎身活躍 寅の巻 篇:第1篇 伊祖の神風 よみ(新仮名遣い):いそのかみかぜ
章:第2章 評定 よみ(新仮名遣い):ひょうじょう 通し章番号:1067
口述日:1922(大正11)年10月21日(旧09月2日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年5月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
神素盞嗚大神の命によって、斎苑の館の八尋殿では厳格な相談会が開かれた。大神は高座に現れ、一同に歌をもって相談会の意図を宣旨された。ハルナの都に進み、大黒主を言向け和す神司を選定せよ、との思し召しであった。
大神は神軍の成功を祈り、奥殿に姿を隠された。日の出神が議長となって詮議は開始された。時置師神は、元バラモン教との蜈蚣姫と黄竜姫親子を遣わしたらどうかと推薦した。
黄竜姫、蜈蚣姫はそれぞれ立って自ら敵城に向かう決意を述べ、ハルナの都行きを承認された。一方、照国別は立って自らを自薦した。日の出神は承諾し、照国別は一人で月の国へ出張することとなった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-11-15 09:17:30 文字数:2876 OBC :rm3902
愛善世界社版:16頁 八幡書店版:第7輯 285頁 修補版: 校定版:16頁 普及版:7頁 初版: ページ備考:
001 バラモン教(けう)の教主(けうしゆ)大黒主(おほくろぬし)の暴状(ばうじやう)を懲(こ)らし、002言向和(ことむけやは)して天下(てんか)の害(がい)を除(のぞ)き、003八岐(やまた)大蛇(をろち)や醜神(しこがみ)の身魂(みたま)を清(きよ)むべく、004ここにウブスナ山脈(さんみやく)の頂上(ちやうじやう)斎苑(いそ)の館(やかた)の八尋殿(やひろどの)にて神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)の命(めい)により厳格(げんかく)なる相談会(さうだんくわい)が開(ひら)かれた。005素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)は高座(かうざ)に現(あら)はれ一同(いちどう)に向(むか)つて歌(うた)を以(もつ)て宣示(せんじ)された。006其(その)御(おん)歌(うた)、
007神素盞嗚大神『天(あめ)と地(つち)との神々(かみがみ)の
008水火(いき)を合(あは)してなりませる
009三五教(あななひけう)の御教(みをしへ)は
010島(しま)の八十島(やそしま)八十(やそ)の国(くに)
011隈(くま)なく光(ひか)り渡(わた)れども
012八岐(やまた)大蛇(をろち)の醜神(しこがみ)は
013未(いま)だ全(まつた)く服(まつろ)はで
014山(やま)の尾(を)の上(へ)や河(かは)の瀬(せ)に
015潜(ひそ)みて枉(まが)を朝夕(あさゆふ)に
016拓(ひら)き行(ゆ)くこそうたてけれ
017三五教(あななひけう)の神司(かむつかさ)
018清(きよ)けき明(あか)き真心(まごころ)を
019力限(ちからかぎ)りに振(ふ)り起(おこ)し
020天地(あめつち)四方(よも)の神人(しんじん)を
021救(すく)はむ為(た)めに現身(うつそみ)の
022身(み)を粉(こ)になして遠近(をちこち)と
023荒野(あれの)を渡(わた)り海(うみ)を越(こ)え
024雪(ゆき)を踏(ふ)みしめ暑(あつ)さを耐(こら)へ
025雨(あめ)にはそぼち荒風(あらかぜ)に
026煽(あふ)られ乍(なが)ら進(すす)み行(ゆ)く
027其(その)神業(かむわざ)ぞ雄々(をを)しけれ。
028時(とき)しもあれや顕恩(けんおん)の
029郷(さと)に現(あら)はれ蟠(わだ)かまる
030バラモン教(けう)の大棟梁(だいとうりやう)
031鬼雲彦(おにくもひこ)は三五(あななひ)の
032誠(まこと)の道(みち)に怯(を)ぢ恐(おそ)れ
033自転倒(おのころ)島(じま)に立籠(たてこも)り
034悪(あ)しき教(をしへ)を四方(よも)の国(くに)
035伝(つた)へむとする其(その)時(とき)に
036わが遣(つか)はせし神司(かむつかさ)
037正(ただ)しき人(ひと)の言霊(ことたま)に
038恐(おそ)れをなして逃(に)げ帰(かへ)り
039再(ふたた)びフサの国(くに)に入(い)り
040彼方(かなた)此方(こなた)と徜徉(さまよ)ひて
041今(いま)しも印度(ツキ)の国(くに)の都(みやこ)
042ハルナに現(あら)はれ岩窟(がんくつ)を
043穿(うが)ちて魔神(まがみ)を呼(よ)び集(つど)へ
044其(その)勢(いきほひ)は日(ひ)に月(つき)に
045侮(あなど)り難(がた)くなりにけり
046八岐(やまた)大蛇(をろち)は悉(ことごと)く
047これの都(みやこ)に集(あつま)りて
048我(わが)三五(あななひ)の大道(おほみち)を
049覆(くつ)がへさむと図(はか)りつつ
050早(はや)くも斎苑(いそ)の館(やかた)まで
051攻(せ)め来(きた)らむず勢(いきほ)ひに
052四方(よも)の曲神(まがかみ)勇(いさ)み立(た)ち
053振(ふる)ひ居(を)るこそ健気(けなげ)なれ
054野立(のだち)の彦(ひこ)や野立姫(のだちひめ)
055埴安彦(はにやすひこ)や埴安姫(はにやすひめ)の
056神(かみ)の命(みこと)とあれまして
057開(ひら)き給(たま)ひし此(この)道(みち)は
058天(あめ)と地(つち)との神々(かみがみ)の
059堅磐(かきは)常磐(ときは)に動(うご)きなき
060珍(うづ)の御楯(みたて)となりつれば
061如何(いか)に魔神(まがみ)の騒(さや)るとも
062いかで倒(たふ)るる事(こと)やあらむ
063さはさりながら曲神(まがかみ)の
064伊猛(いたけ)り狂(くる)ふ世(よ)の中(なか)は
065心(こころ)を許(ゆる)すこと勿(なか)れ
066いざこれよりは神司(かむつかさ)
067神(かみ)の光(ひか)りを身(み)に浴(あ)びて
068大黒主(おほくろぬし)が潜(ひそ)みたる
069ハルナの都(みやこ)に立向(たちむか)ひ
070仁慈(じんじ)無限(むげん)の大神(おほかみ)の
071清(きよ)き正(ただ)しき大道(おほみち)に
072言向和(ことむけやは)し来(きた)るべし
073これに就(つ)いては諸々(もろもろ)の
074神(かみ)の司(つかさ)は真心(まごころ)の
075限(かぎ)りを尽(つく)して相図(あひはか)り
076大黒主(おほくろぬし)を懲戒(こらしめ)の
077神(かみ)の司(つかさ)を選(えら)めかし
078われはこれより奥殿(おくでん)に
079進(すす)みて天地(てんち)の大神(おほかみ)に
080厳(いづ)の言霊(ことたま)宣(の)り上(あ)げて
081我(わが)神軍(しんぐん)の成功(せいこう)を
082祈(いの)り奉(まつ)らむいざさらば
083百(もも)の司(つかさ)よ神人(かみびと)よ
084謹(つつし)み畏(かしこ)み此(この)度(たび)の
085言向戦(ことむけいくさ)を各自(めいめい)に
086心(こころ)の底(そこ)より打(う)ち明(あ)かし
087選(えら)みて神(かみ)の御心(みこころ)に
088仕(つか)へまつれよ惟神(かむながら)
089神(かみ)の御前(みまへ)に瑞霊(みづみたま)
090心(こころ)を清(きよ)めて宣(の)りまつる』
091と宣示(せんじ)し終(をは)つて奥殿(おくでん)に姿(すがた)を隠(かく)し給(たま)ふた。
092 思兼(おもひかねの)神(かみ)(議長(ぎちやう))の格(かく)に控(ひか)へたる日出別(ひのでわけの)神(かみ)は一同(いちどう)に向(むか)ひ、
093日出別『惟神(かむながら)斎苑(いそ)の館(やかた)に集(あつ)まりて
094魔神(まがみ)討伐(きため)の神議(かむはか)りせむ。
095大神(おほかみ)の珍(うづ)の御言(みこと)を畏(かしこ)みて
096並(な)み居(ゐ)る司(つかさ)言議(ことはか)りせよ。
097バラモンの大黒主(おほくろぬし)の神司(かむづかさ)
098ハルナの都(みやこ)に事謀(ことはか)ゆらし。
099はかゆとも何(なに)かあらむや曲神(まがかみ)の
100醜(しこ)の企(たく)みは神(かみ)許(ゆる)すまじ。
101素盞嗚(すさのを)の神(かみ)の尊(みこと)の御教(みをしへ)は
102月日(つきひ)の如(ごと)く冴(さ)え渡(わた)るなり。
103冴(さ)え渡(わた)る三五(さんご)の月(つき)の御教(みをしへ)に
104言向和(ことむけやは)せ大黒主(おほくろぬし)を』
105 東野別(あづまのわけの)命(みこと)は立(た)つて之(これ)に答(こた)へた。
106東野別『言霊(ことたま)の斎苑(いそ)の館(やかた)の神司(かむづかさ)
107東(あづま)の別(わけ)は言問(ことと)ひまつる。
108大黒主(おほくろぬし)曲(まが)の司(つかさ)を言向(ことむ)くる
109神(かみ)の司(つかさ)は何人(なにびと)とせむ。
110聞(き)かまほし日出(ひので)の別(わけ)の御心(みこころ)を
111重(おも)き使(つかひ)を定(さだ)めかねつつ。
112この使(つかひ)あまり多(おほ)くは要(い)るまじと
113東野別(あづまのわけ)は思(おも)ひ居(ゐ)るなり』
114 日出別(ひのでわけの)命(みこと)はこれに答(こた)へて、
115日出別『日出別(ひのでわけ)東(あづま)の空(そら)を分(わ)け昇(のぼ)る
116三五(さんご)の月(つき)の照(て)らすまにまに。
117何人(なにびと)もわれと思(おも)はむ人(ひと)達(たち)は
118心(こころ)のたけを宣(の)り伝(つた)へませ』
119 東野別(あづまのわけ)はこれに答(こた)へて、
120東野別『日出別(ひのでわけ)神(かみ)の仰(あふ)せぞ尊(たふと)けれ
121神言(みこと)のままに選(えら)み合(あ)ひせむ』
122 時置師(ときおかしの)神(かみ)は起(た)ち上(あが)り、
123時置師『この使(つかひ)黄竜姫(わうりようひめ)や蜈蚣姫(むかでひめ)
124先(ま)づ遣(つか)はして瀬踏(せぶ)みせしめよ。
125二柱(ふたはしら)神(かみ)の命(みこと)はバラモンの
126教(をしへ)にゆかり居(ゐ)ます身(み)なれば。
127顕恩(けんおん)の郷(さと)を立(た)ち出(い)で給(たま)ひてゆ
128久(ひさ)しく会(あ)はせ給(たま)はぬ身(み)故(ゆゑ)に。
129三五(あななひ)の神(かみ)の司(つかさ)の行(ゆ)くよりも
130蜈蚣姫(むかでひめ)には心許(こころゆる)さむ。
131蜈蚣姫(むかでひめ)黄竜姫(わうりようひめ)は雄々(をを)しくも
132大黒主(おほくろぬし)を言向和(ことむけやは)さむ』
133 黄竜姫(わうりようひめ)は、134立(た)つて歌(うた)ふ。
135黄竜姫『黄竜姫(わうりようひめ)神(かみ)の命(みこと)は三五(あななひ)の
136道(みち)に入(い)りしと彼(かれ)は知(し)るらむ。
137足乳根(たらちね)の母(はは)の命(みこと)は今(いま)暫(しば)し
138斎苑(いそ)の館(やかた)に仕(つか)へますべし。
139年(とし)老(お)いし身(み)をもちながら敵城(てきじやう)に
140進(すす)まむ事(こと)の危(あやふ)く思(おも)へば』
141 蜈蚣姫(むかでひめ)はこれに答(こた)へて、
142蜈蚣姫『天地(あめつち)の神(かみ)に捧(ささ)げし此(この)命(いのち)
143いかで恐(おそ)れむ水火(すゐくわ)の中(なか)も。
144大黒主(おほくろぬし)たとへ如何(いか)なる力(ちから)あるも
145わが言霊(ことたま)に言向(ことむ)けて見(み)む。
146黄竜姫(わうりようひめ)弱(よわ)き言霊(ことたま)吹(ふ)き放(はな)ち
147母(はは)の名(な)までも汚(けが)すまじきぞ。
148吾(われ)こそはハルナの都(みやこ)に立(た)ち向(むか)ひ
149鬼熊別(おにくまわけ)の夫(つま)を諭(さと)さむ。
150大黒主(おほくろぬし)神(かみ)の司(つかさ)を始(はじ)めとし
151吾(わが)背(せ)の君(きみ)を救(すく)はむとぞ思(おも)ふ。
152勇(いさ)ましき此(この)御使(みつかひ)に仕(つか)へなば
153吾(われ)は死(し)すとも悔(くい)ざらましを』
154 黄竜姫(わうりようひめ)はこれに答(こた)へて、
155黄竜姫『健気(けなげ)なる母(はは)の命(みこと)の御言葉(みことば)よ
156神(かみ)の尊(たふと)さ今更(いまさら)ぞ知(し)らるる。
157吾(わが)母(はは)は如何(いか)に雄々(をを)しき神(かみ)ならむ
158冴(さ)え渡(わた)りたる今(いま)の言霊(ことたま)。
159いざさらば母(はは)の命(みこと)と諸共(もろとも)に
160ハルナの都(みやこ)に向(むか)はむとぞ思(おも)ふ』
161 蜈蚣姫(むかでひめ)はこれに答(こた)へて
162蜈蚣姫『健気(けなげ)なる黄竜姫(わうりようひめ)の言葉(ことば)かな
163吾(われ)は勇(いさ)みて敵城(てきじやう)に行(ゆ)かむ』
164 素盞嗚(すさのをの)尊(みこと)の第二(だいに)の娘(むすめ)幾代姫(いくよひめ)の夫(をつと)となりし照国別(てるくにわけ)(元(もと)の名(な)は梅彦(うめひこ))は起(た)ち上(あが)り、165歌(うた)を以(もつ)て所感(しよかん)を述(の)べた。
166照国別『神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)の
167いと厳(おごそ)かな御宣言(みことのり)
168其(その)御心(みこころ)を細(まつぶ)さに
169受(う)け入(い)れ給(たま)ひし神司(かむづかさ)
170日出別(ひのでのわけ)や八島主(やしまぬし)
171東野別(あづまのわけ)や時置師(ときおかし)
172尊(たふと)き神(かみ)が在(ま)しながら
173神(かみ)の力(ちから)を身(み)に魂(たま)に
174満(み)ち足(た)らはせし梅彦(うめひこ)を
175他所(よそ)に皆(みな)して黄竜姫(わうりようひめ)
176蜈蚣(むかで)の姫(ひめ)を推薦(すゐせん)し
177給(たま)ひし事(こと)の恨(うら)めしさ
178吾(われ)は照国別(てるくにわけ)の神(かみ)
179尊(たふと)き神名(みな)を賜(たま)はりて
180勇気(ゆうき)は日頃(ひごろ)に百倍(ひやくばい)し
181心(こころ)は勇(いさ)み腕(うで)はなり
182はや堪(た)へ難(がた)くなりにけり
183並(なら)び給(たま)へる神司(かむづかさ)
184吾(われ)を選(えら)ませ給(たま)ひなば
185大黒主(おほくろぬし)の立(た)て籠(こも)る
186ハルナの都(みやこ)に立向(たちむか)ひ
187千変(せんぺん)万化(ばんくわ)の言霊(ことたま)を
188縦横(じうわう)無尽(むじん)に発射(はつしや)して
189魔神(まがみ)を一人(ひとり)も残(のこ)さずに
190言向和(ことむけやは)し神徳(しんとく)を
191月日(つきひ)の如(ごと)く天地(あめつち)に
192輝(かがや)かさむは目(ま)のあたり
193三千(さんぜん)世界(せかい)の梅(うめ)の花(はな)
194一度(いちど)に開(ひら)く梅彦(うめひこ)を
195これの使(つかひ)に選(えら)まずば
196如何(いか)に尊(たふと)き黄竜姫(わうりようひめ)
197蜈蚣(むかで)の姫(ひめ)の両人(りやうにん)が
198何程(なにほど)秘術(ひじゆつ)を尽(つく)すとも
199いかで思(おも)ひを達(たつ)せむや
200直日(なほひ)に見直(みなほ)し聞(き)き直(なほ)し
201宣(の)り直(なほ)しつつ梅彦(うめひこ)を
202加(くは)へて三人(みたり)月(つき)の国(くに)
203ハルナの都(みやこ)へ大神(おほかみ)の
204使(つかひ)とよさし給(たま)へかし
205吾(わが)胸中(きようちう)は早(はや)已(すで)に
206大黒主(おほくろぬし)の神司(かむづかさ)
207服(まつろ)へ和(やは)す心算(しんさん)の
208数(かず)限(かぎ)りなく確立(かくりつ)し
209命令(めいれい)一下(いつか)忽(たちま)ちに
210此(この)神業(しんげふ)を完成(くわんせい)し
211八岐(やまた)大蛇(をろち)や醜神(しこがみ)を
212言向和(ことむけやは)すかさもなくば
213根底(ねそこ)の国(くに)へ追(お)ひ落(おと)す
214神算(しんさん)鬼謀(きぼう)は胸(むね)にあり
215只(ただ)願(ねが)はくは梅彦(うめひこ)の
216照国別(てるくにわけ)を正使(せいし)とし
217二人(ふたり)の女神(めがみ)と諸共(もろとも)に
218進(すす)ませ給(たま)へ惟神(かむながら)
219神(かみ)に誓(ちか)ひて乞(こ)ひまつる』
220 幾代姫(いくよひめ)は起(た)ち上(あ)がり、
221幾代姫『雄々(をを)しくも吾(わ)が背(せ)の君(きみ)の宣(の)らすこと
222許(ゆる)させ給(たま)へ百(もも)の司(つかさ)等(ら)。
223願(ねが)はくは幾代(いくよ)の姫(ひめ)も諸共(もろとも)に
224ハルナの都(みやこ)へ行(ゆ)かまほしさよ。
225照国別(てるくにわけ)神(かみ)の命(みこと)と名(な)を負(お)ひし
226吾(わが)背(せ)の君(きみ)の勇(いさ)ましきかも。
227日出別(ひのでわけ)神(かみ)の命(みこと)に物申(ものまを)す
228吾(われ)等(ら)夫婦(めをと)を印度(ツキ)に遣(つか)はせ。
229東野別(あづまのわけ)神(かみ)の教(をしへ)の司(つかさ)たち
230吾(われ)等(ら)夫婦(めをと)の乞(こ)ひを許(ゆる)せよ。
231時置師(ときおかし)神(かみ)の命(みこと)も梅彦(うめひこ)や
232吾(わが)願言(ねぎごと)を聞(きこ)し召(め)しませ』
233 時置師(ときおかしの)神(かみ)は又(また)歌(うた)もて、
234時置師『汝(な)が君(きみ)のその言(こと)の葉(は)は清(きよ)けれど
235見合(みあは)せ給(たま)へ夫婦(めをと)の出立(いでたち)。
236三五(あななひ)の神(かみ)の使(つかひ)の夫婦(めをと)連(づ)れ
237神世(かみよ)も聞(き)かぬ例(ためし)なりせば』
238幾代姫(いくよひめ)『神国(かみくに)を思(おも)ふ誠(まこと)のあふれてぞ
239吾(わが)言霊(ことたま)のいとも恥(はづ)かし。
240いざさらば吾(わが)背(せ)の君(きみ)を只(ただ)一人(ひとり)
241使(つか)はせ給(たま)へ印度(ツキ)の御国(みくに)へ』
242 日出別(ひのでわけ)は答(こた)へて、
243日出別『照国別(てるくにわけ)神(かみ)の命(みこと)は印度(ツキ)の国(くに)
244いと雄々(をを)しくも進(すす)み行(ゆ)きませ』
245 日出別(ひのでわけの)命(みこと)の宣示(せんじ)によつて茲(ここ)に照国別(てるくにわけ)は愈(いよいよ)印度(ツキ)の国(くに)へ出張(しゆつちやう)することとなつた。
246(大正一一・一〇・二一 旧九・二 北村隆光録)
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