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霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第39巻(寅の巻)
序歌
総説
第1篇 伊祖の神風
第1章 大黒主
第2章 評定
第3章 出師
第2篇 黄金清照
第4章 河鹿越
第5章 人の心
第6章 妖霧
第7章 都率天
第8章 母と娘
第3篇 宿世の山道
第9章 九死一生
第10章 八の字
第11章 鼻摘
第12章 種明志
第4篇 浮木の岩窟
第13章 浮木の森
第14章 清春山
第15章 焼糞
第16章 親子対面
第5篇 馬蹄の反影
第17章 テームス峠
第18章 関所守
第19章 玉山嵐
附録 大祓祝詞解
余白歌
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霊界物語
>
舎身活躍(第37~48巻)
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第39巻(寅の巻)
> 第1篇 伊祖の神風 > 第3章 出師
<<< 評定
(B)
(N)
河鹿越 >>>
第三章
出師
(
すゐし
)
〔一〇六八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第39巻 舎身活躍 寅の巻
篇:
第1篇 伊祖の神風
よみ(新仮名遣い):
いそのかみかぜ
章:
第3章 出師
よみ(新仮名遣い):
すいし
通し章番号:
1068
口述日:
1922(大正11)年10月21日(旧09月2日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年5月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
照国別は日の出神からハルナの都への出立を許され、意気揚々と座に就いた。そして妻の幾代姫に後事を託し、神軍として出立の抱負を歌った。
黄竜姫、蜈蚣姫の母子二人連れは、旅人に身を変えてフサの国を横断し、フサの海から舟に乗ってハルナの都に進んでいくことになった。
一方照国別は宣伝使の服装を整え、照公、国公、梅公を従者として河鹿峠を越えてフサの国の東南から月の国へ進むこととなった。
玉国別は立ち上がり、自分とても多くのバラモン教徒を言向け和してきた勇者であり、広い月の国の大敵に照国別一人では前途を案じられるとして、自分も派遣してほしいと願い出た。
日の出神はその心をよしとして、玉国別にも出立の許可を出した。玉国別は一同に別れを告げて後を託し、三人の従者を従えて河鹿峠を越え、フサの国の原野を越えて印度を指して進んでいった。
また治国別も印度への出陣を願い出て、これもまた日の出神の許可を得て出立していった。初稚姫は五人の神司の出陣を祝して、金扇を開いて歌い舞った。
そして初稚姫自身も、単身大黒主の館に忍び込んで曲神を帰順させるために出陣を願い出た。日の出神は躊躇したが、初稚姫と時置師神の強い言葉を受けて、ハルナ行きを許可した。初稚姫は単身、共も連れずに出立して行った。
こうしていよいよ、月の国の大黒主に対する言霊戦の準備はまったく整ったのであった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-11-15 09:20:18
OBC :
rm3903
愛善世界社版:
33頁
八幡書店版:
第7輯 291頁
修補版:
校定版:
35頁
普及版:
13頁
初版:
ページ備考:
001
照国別
(
てるくにわけ
)
の
梅彦
(
うめひこ
)
は
日出別
(
ひのでわけ
)
の
教主
(
けうしゆ
)
より
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
のハルナの
都
(
みやこ
)
へ
向
(
むか
)
ふ
事
(
こと
)
を
許
(
ゆる
)
され、
002
意気
(
いき
)
揚々
(
やうやう
)
として
座
(
ざ
)
につき、
003
照国別
『
有難
(
ありがた
)
し
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
に
叶
(
かな
)
ひしか
004
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
をば
照国別
(
てるくにわけ
)
と
行
(
ゆ
)
く。
005
いざさらばこれより
吾
(
われ
)
は
幾代姫
(
いくよひめ
)
006
やかたを
清
(
きよ
)
く
後
(
あと
)
に
守
(
まも
)
れよ』
007
幾代姫
(
いくよひめ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
008
幾代姫
『
照国別
(
てるくにわけ
)
の
吾
(
わが
)
夫
(
つま
)
は
009
日出別
(
ひのでのわけ
)
の
教主
(
けうしゆ
)
より
010
月
(
つき
)
の
御国
(
みくに
)
に
潜
(
ひそ
)
みたる
011
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
神司
(
かむつかさ
)
012
其
(
その
)
外
(
ほか
)
百
(
もも
)
の
醜神
(
しこがみ
)
を
013
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御教
(
みをしへ
)
に
014
言向和
(
ことむけやは
)
し
救
(
すく
)
ふべく
015
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
を
立出
(
たちい
)
でて
016
出
(
い
)
でます
今日
(
けふ
)
の
雄々
(
をを
)
しさよ
017
妾
(
わらは
)
は
後
(
あと
)
に
止
(
とど
)
まりて
018
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
守
(
まも
)
りつつ
019
力限
(
ちからかぎ
)
りに
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
を
020
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
大道
(
おほみち
)
に
021
導
(
みちび
)
き
救
(
すく
)
ひまつるべし
022
わが
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
よ
一時
(
ひととき
)
も
023
早
(
はや
)
く
館
(
やかた
)
を
立出
(
たちい
)
でて
024
天地
(
あめつち
)
百
(
もも
)
の
神人
(
しんじん
)
の
025
苦
(
くるし
)
み
悩
(
なや
)
む
災
(
わざはひ
)
を
026
払
(
はら
)
はせ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
027
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
願
(
ね
)
ぎまつる』
028
と
歌
(
うた
)
ひ
了
(
をは
)
るや、
029
照国別
(
てるくにわけ
)
は、
030
照国別
『いざさらば
曲津
(
まがつ
)
の
運
(
うん
)
も
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
031
頭
(
あたま
)
ハルナの
都
(
みやこ
)
に
進
(
すす
)
まむ。
032
大黒主
(
おほくろぬし
)
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
の
神軍
(
しんぐん
)
に
033
驚
(
おどろ
)
くならむ
今日
(
けふ
)
の
出立
(
いでた
)
ち。
034
八尋殿
(
やひろどの
)
並
(
なら
)
びいませる
司
(
つかさ
)
たちよ
035
吾
(
われ
)
はハルナの
都
(
みやこ
)
に
立
(
た
)
たむ』
036
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
は
立
(
た
)
つて
歌
(
うた
)
ふ。
037
時置師
『
照国別
(
てるくにわけ
)
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
はとく
行
(
ゆ
)
かせ
038
われは
館
(
やかた
)
に
止
(
とど
)
まり
守
(
まも
)
らむ』
039
これより
黄竜姫
(
わうりようひめ
)
、
040
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
は、
041
日出別
(
ひのでわけの
)
命
(
みこと
)
の
承諾
(
しようだく
)
を
得
(
え
)
、
042
数多
(
あまた
)
の
司
(
つかさ
)
に
讃嘆
(
さんたん
)
され
乍
(
なが
)
ら、
043
母娘
(
おやこ
)
は
普通
(
ふつう
)
の
旅人
(
たびびと
)
に
身
(
み
)
を
変
(
へん
)
じ、
044
フサの
国
(
くに
)
を
横断
(
わうだん
)
し、
045
フサの
海
(
うみ
)
より
舟
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
りて、
046
ハルナの
都
(
みやこ
)
へ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くこととなつた。
047
又
(
また
)
梅彦
(
うめひこ
)
は
直
(
ただ
)
ちに
宣伝使
(
せんでんし
)
の
服装
(
ふくさう
)
を
整
(
ととの
)
へ、
048
照公
(
てるこう
)
、
049
国公
(
くにこう
)
、
050
梅公
(
うめこう
)
の
従者
(
じゆうしや
)
と
共
(
とも
)
に
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
をこえ、
051
フサの
国
(
くに
)
を
東南
(
とうなん
)
さして
進
(
すす
)
み、
052
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
へ
進
(
すす
)
むこととなつた。
053
此
(
この
)
時
(
とき
)
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
音彦
(
おとひこ
)
は
立上
(
たちあが
)
つて
歌
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
した。
054
玉国別
『
三五教
(
あななひけう
)
に
仕
(
つか
)
へたる
055
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
056
音
(
おと
)
に
聞
(
きこ
)
えし
音彦
(
おとひこ
)
は
057
ペルシヤの
国
(
くに
)
を
宣伝
(
せんでん
)
し
058
海
(
うみ
)
に
泛
(
うか
)
びて
自転倒
(
おのころ
)
の
059
島
(
しま
)
に
渡
(
わた
)
りて
遠近
(
おちこち
)
と
060
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
宣
(
の
)
べ
乍
(
なが
)
ら
061
大江
(
おほえ
)
の
山
(
やま
)
に
立
(
たて
)
こもる
062
バラモン
教
(
けう
)
の
大棟梁
(
だいとうりやう
)
063
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
や
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
064
魔神
(
まがみ
)
に
向
(
むか
)
つて
言霊
(
ことたま
)
の
065
戦
(
いくさ
)
を
開
(
ひら
)
き
曲神
(
まがかみ
)
を
066
追
(
お
)
ひ
散
(
ち
)
らしたる
強者
(
つはもの
)
ぞ
067
梅彦
(
うめひこ
)
いかに
勇
(
ゆう
)
あるも
068
音彦司
(
おとひこつかさ
)
に
及
(
およ
)
ばむや
069
日出別
(
ひのでのわけ
)
の
大教主
(
だいけうしゆ
)
070
照国別
(
てるくにわけ
)
を
遣
(
つか
)
はして
071
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
曲神
(
まがかみ
)
を
072
言向和
(
ことむけやは
)
し
玉
(
たま
)
はむと
073
計
(
はか
)
り
玉
(
たま
)
ふはいぶかしも
074
いかに
神徳
(
しんとく
)
充実
(
じうじつ
)
し
075
天地
(
てんち
)
をゆるがす
言霊
(
ことたま
)
を
076
身
(
み
)
に
受
(
う
)
けゐるとは
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
077
敵
(
てき
)
にも
鋭
(
するど
)
き
刃
(
やいば
)
あり
078
いかでかこれの
大敵
(
たいてき
)
を
079
一人
(
ひとり
)
や
二人
(
ふたり
)
の
力
(
ちから
)
にて
080
言向和
(
ことむけやは
)
し
了
(
おう
)
せむや
081
此
(
この
)
音彦
(
おとひこ
)
の
心中
(
しんちう
)
は
082
実
(
じつ
)
に
不安
(
ふあん
)
の
雲
(
くも
)
掩
(
おほ
)
ひ
083
前途
(
ぜんと
)
を
案
(
あん
)
じやられけり
084
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
085
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
に
見直
(
みなほ
)
して
086
玉国別
(
たまくにわけ
)
を
今
(
いま
)
一人
(
ひとり
)
087
遣
(
つか
)
はし
給
(
たま
)
へ
真心
(
まごころ
)
を
088
こめてぞ
祈
(
いの
)
り
奉
(
たてまつ
)
る
089
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
090
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
091
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
092
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
093
決
(
けつ
)
して
汚
(
けが
)
す
事
(
こと
)
あらじ
094
月日
(
つきひ
)
の
如
(
ごと
)
く
明
(
あきら
)
けく
095
道
(
みち
)
の
光
(
ひかり
)
を
現
(
あら
)
はして
096
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
復言
(
かへりごと
)
097
申
(
まを
)
しまつらむ
惟神
(
かむながら
)
098
早
(
はや
)
く
許
(
ゆる
)
させ
玉
(
たま
)
へかし』
099
と
歌
(
うた
)
を
以
(
もつ
)
て
希望
(
きばう
)
を
述
(
の
)
べた。
100
日出別
(
ひのでわけの
)
神
(
かみ
)
は、
101
歌
(
うた
)
を
以
(
もつ
)
てこれに
答
(
こた
)
ふ。
102
日出別
『
玉国別
(
たまくにわけ
)
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
は
言霊
(
ことたま
)
の
103
清
(
きよ
)
くいませば
悩
(
なや
)
むことなし。
104
さり
乍
(
なが
)
ら
数
(
かず
)
限
(
かぎ
)
りなき
八十
(
やそ
)
の
国
(
くに
)
105
只
(
ただ
)
一柱
(
ひとはしら
)
にてせむ
術
(
すべ
)
もなけむ。
106
玉国別
(
たまくにわけ
)
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
よ
心
(
こころ
)
して
107
曲津
(
まがつ
)
の
荒
(
すさ
)
ぶ
月
(
つき
)
へ
出
(
い
)
でませ。
108
月照彦
(
つきてるひこ
)
神
(
かみの
)
命
(
みこと
)
をあがめつつ
109
夜
(
よ
)
を
日
(
ひ
)
についで
進
(
すす
)
みませ
君
(
きみ
)
』
110
玉国別
(
たまくにわけ
)
は
欣然
(
きんぜん
)
として
立上
(
たちあが
)
り、
111
又
(
また
)
も
歌
(
うた
)
にて
答
(
こた
)
ふ。
112
玉国別
『
千早
(
ちはや
)
ふる
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
の
現
(
あら
)
はれて
113
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
玉
(
たま
)
を
照
(
て
)
らさむ。
114
月照彦
(
つきてるひこ
)
神
(
かみの
)
命
(
みこと
)
の
御光
(
みひかり
)
に
115
暗路
(
やみぢ
)
を
安
(
やす
)
く
渡
(
わた
)
らむと
思
(
おも
)
ふ。
116
イソイソと
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
を
立出
(
たちい
)
でて
117
進
(
すす
)
む
吾
(
われ
)
こそ
楽
(
たの
)
し
嬉
(
うれ
)
しき。
118
東野別
(
あづまのわけ
)
司
(
つかさ
)
の
前
(
まへ
)
に
物申
(
ものまを
)
す
119
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
へ
妻
(
つま
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
』
120
東野別
(
あづまのわけ
)
はこれに
答
(
こた
)
へて、
121
東野別
『
五十子
(
いそこ
)
姫
(
ひめ
)
清
(
きよ
)
く
雄々
(
をを
)
しくましまさば
122
音
(
おと
)
づれなくも
安
(
やす
)
く
行
(
ゆ
)
きませ。
123
素盞嗚
(
すさのを
)
の
神
(
かみの
)
尊
(
みこと
)
の
愛娘
(
まなむすめ
)
124
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
とあれし
君
(
きみ
)
はも。
125
此
(
この
)
君
(
きみ
)
のこれの
館
(
やかた
)
にゐます
限
(
かぎ
)
り
126
安
(
やす
)
く
楽
(
たの
)
しく
道
(
みち
)
は
栄
(
さか
)
えむ。
127
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
残
(
のこ
)
さず
印度
(
ツキ
)
の
国
(
くに
)
128
ハルナの
都
(
みやこ
)
にとく
進
(
すす
)
みませ』
129
音彦
(
おとひこ
)
は
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ふ。
130
玉国別(音彦)
『
有難
(
ありがた
)
し
心
(
こころ
)
にかかる
雲
(
くも
)
もなく
131
道
(
みち
)
伝
(
つた
)
へ
行
(
ゆ
)
かむ
印度
(
ツキ
)
の
御国
(
みくに
)
へ。
132
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみの
)
命
(
みこと
)
よ
昼夜
(
ひるよる
)
を
133
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
へこれの
館
(
やかた
)
を。
134
いざさらば
並
(
なみ
)
ゐる
司
(
つかさ
)
を
後
(
あと
)
にして
135
神
(
かみ
)
の
随々
(
まにまに
)
別
(
わか
)
れて
行
(
ゆ
)
かむ。
136
五十子
(
いそこ
)
姫
(
ひめ
)
玉国別
(
たまくにわけ
)
が
勇
(
いさ
)
ましく
137
復言
(
かへりごと
)
する
日
(
ひ
)
をこそまてよ』
138
五十子
(
いそこ
)
姫
(
ひめ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
139
五十子姫
『
勇
(
いさ
)
ましき
吾
(
わが
)
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
の
御姿
(
みすがた
)
を
140
隠
(
かく
)
るるまでに
眺
(
なが
)
め
守
(
まも
)
らな。
141
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
を
残
(
のこ
)
し
玉
(
たま
)
はずに
142
神
(
かみ
)
のまにまに
進
(
すす
)
みませ
君
(
きみ
)
』
143
玉国別
(
たまくにわけ
)
は
一同
(
いちどう
)
に
向
(
むか
)
ひ
会釈
(
ゑしやく
)
し
乍
(
なが
)
ら
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひつつ、
144
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
随行
(
ずゐかう
)
と
共
(
とも
)
に、
145
これ
又
(
また
)
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
を
踏
(
ふ
)
み
越
(
こ
)
え、
146
フサの
国
(
くに
)
の
原野
(
げんや
)
を
渉
(
わた
)
りて、
147
印度
(
いんど
)
を
指
(
さ
)
して
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
かむとする。
148
治国別
(
はるくにわけ
)
の
亀彦
(
かめひこ
)
は
立上
(
たちあが
)
つて
歌
(
うた
)
もて
自分
(
じぶん
)
の
希望
(
きばう
)
を
述
(
の
)
べた。
149
治国別
『
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
150
隠
(
かく
)
れ
玉
(
たま
)
ひし
斎苑
(
いそ
)
館
(
やかた
)
151
教司
(
をしへつかさ
)
と
現
(
あ
)
れませる
152
日出別
(
ひのでのわけ
)
に
物申
(
ものまを
)
す
153
ウラルの
道
(
みち
)
を
奉
(
ほう
)
じたる
154
醜
(
しこ
)
の
司
(
つかさ
)
の
吾
(
われ
)
なれど
155
フサの
海
(
うみ
)
にて
巡
(
めぐ
)
り
会
(
あ
)
ひ
156
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
の
薫陶
(
くんたう
)
を
157
受
(
う
)
けて
誠
(
まこと
)
の
人
(
ひと
)
となり
158
名
(
な
)
さへめでたき
宣伝使
(
せんでんし
)
159
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
んで
四方
(
よも
)
の
国
(
くに
)
160
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
まで
打渡
(
うちわた
)
り
161
醜
(
しこ
)
の
魔神
(
まがみ
)
を
言向
(
ことむけ
)
けて
162
再
(
ふたた
)
びこれの
斎苑
(
いそ
)
館
(
やかた
)
163
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
に
従
(
したが
)
ひて
164
功績
(
いさを
)
を
立
(
た
)
てしわが
身魂
(
みたま
)
165
見向
(
みむ
)
きもやらず
梅彦
(
うめひこ
)
や
166
音彦
(
おとひこ
)
二人
(
ふたり
)
を
抜擢
(
ばつてき
)
し
167
大黒主
(
おほくろぬし
)
をいましめの
168
任務
(
にんむ
)
を
依
(
よ
)
さし
玉
(
たま
)
ひたり
169
あゝ
恨
(
うら
)
めしし
恨
(
うら
)
めしし
170
われも
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
171
いかでか
彼
(
かれ
)
に
劣
(
おと
)
らむや
172
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
173
宣直
(
のりなほ
)
しまし
亀彦
(
かめひこ
)
を
174
印度
(
ツキ
)
の
御国
(
みくに
)
へ
遣
(
つか
)
はして
175
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
のかかりたる
176
醜
(
しこ
)
の
司
(
つかさ
)
を
悉
(
ことごと
)
く
177
三五教
(
あななひけう
)
の
大道
(
おほみち
)
に
178
救
(
すく
)
ひ
助
(
たす
)
くる
神使
(
かみつかひ
)
179
任
(
ま
)
けさせ
玉
(
たま
)
へ
逸早
(
いちはや
)
く
180
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
伺
(
うかが
)
ひて
181
わが
言霊
(
ことたま
)
の
神力
(
しんりき
)
を
182
照
(
て
)
らさせ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
183
菊子
(
きくこ
)
の
姫
(
ひめ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
184
謹
(
つつし
)
み
敬
(
うやま
)
ひ
祈
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る』
185
と
歌
(
うた
)
ひ
了
(
をは
)
つた。
186
日出別
(
ひのでわけの
)
命
(
みこと
)
は、
187
これに
答
(
こた
)
へて、
188
日出別
『
勇
(
いさ
)
ましき
治国別
(
はるくにわけ
)
の
言
(
こと
)
あげを
189
心
(
こころ
)
涼
(
すず
)
しく
頼
(
たの
)
もしく
思
(
おも
)
ふ。
190
いざさらば
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
は
印度
(
ツキ
)
の
国
(
くに
)
191
すみずみ
迄
(
まで
)
も
巡
(
めぐ
)
り
救
(
すく
)
へよ。
192
言霊
(
ことたま
)
の
幸
(
さち
)
はふ
国
(
くに
)
の
神司
(
かむつかさ
)
193
勝鬨
(
かちどき
)
あげて
早帰
(
はやかへ
)
りませ』
194
と
歌
(
うた
)
もて
印度
(
ツキ
)
の
国
(
くに
)
への
出陣
(
しゆつぢん
)
を
許
(
ゆる
)
した。
195
治国別
(
はるくにわけ
)
は
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち、
196
治国別
『かけ
巻
(
まく
)
も
綾
(
あや
)
に
畏
(
かしこ
)
き
皇神
(
すめかみ
)
の
197
御言
(
みこと
)
のままに
進
(
すす
)
みて
行
(
ゆ
)
かむ。
198
日出別
(
ひのでわけ
)
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
よ
今
(
いま
)
しばし
199
わが
復言
(
かへりごと
)
待
(
ま
)
たせ
玉
(
たま
)
はれ。
200
東野別
(
あづまのわけ
)
司
(
つかさ
)
の
前
(
まへ
)
に
物申
(
ものまを
)
す
201
百
(
もも
)
の
司
(
つかさ
)
を
恵
(
めぐ
)
ませ
玉
(
たま
)
へよ。
202
われは
今
(
いま
)
印度
(
ツキ
)
の
国
(
くに
)
へと
進
(
すす
)
みゆく
203
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
へ
菊子
(
きくこ
)
の
姫
(
ひめ
)
を。
204
残
(
のこ
)
しおく
妻
(
つま
)
の
命
(
みこと
)
もつつしみて
205
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
宣
(
の
)
べ
伝
(
つた
)
へせよ』
206
東野別
(
あづまのわけ
)
は
之
(
これ
)
に
答
(
こた
)
へて、
207
東野別
『みづみづし
益良
(
ますら
)
武夫
(
たけを
)
の
亀彦
(
かめひこ
)
は
208
名
(
な
)
を
万世
(
よろづよ
)
に
伝
(
つた
)
へますらむ。
209
千代
(
ちよ
)
八千代
(
やちよ
)
万代
(
よろづよ
)
までも
亀彦
(
かめひこ
)
が
210
治国別
(
はるくにわけ
)
の
名
(
な
)
をや
照
(
て
)
らさむ。
211
治国別
(
はるくにわけ
)
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
のいさをしを
212
仰
(
あふ
)
ぎて
待
(
ま
)
たむ
唐土
(
もろこし
)
の
空
(
そら
)
』
213
菊子姫
(
きくこひめ
)
は
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ふ。
214
菊子姫
『けなげなる
尊
(
たふと
)
き
便
(
たよ
)
りを
菊子姫
(
きくこひめ
)
215
待
(
ま
)
つ
間
(
ま
)
の
永
(
なが
)
き
真鶴
(
まなづる
)
の
首
(
くび
)
。
216
一足
(
ひとあし
)
の
歩
(
あゆ
)
みも
心
(
こころ
)
配
(
くば
)
らせつ
217
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
きませ
吾
(
わが
)
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
は。
218
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
え
荒野
(
あらの
)
をわたり
雨
(
あめ
)
にぬれ
219
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
君
(
きみ
)
見
(
み
)
れば
雄々
(
をを
)
しも』
220
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
立上
(
たちあが
)
り、
221
金扇
(
きんせん
)
を
開
(
ひら
)
いて、
222
自
(
みづか
)
ら
歌
(
うた
)
ひ
自
(
みづか
)
ら
舞
(
ま
)
ひ、
223
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
神司
(
かむづかさ
)
が
出陣
(
しゆつぢん
)
を
祝
(
しゆく
)
した。
224
初稚姫
『
久方
(
ひさかた
)
の
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
の
限
(
かぎ
)
りなく
225
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
るなる
三五
(
あななひ
)
の
226
月
(
つき
)
の
教
(
をしへ
)
に
四方
(
よも
)
の
国
(
くに
)
227
青人草
(
あをひとぐさ
)
や
鳥
(
とり
)
獣
(
けもの
)
228
草
(
くさ
)
の
片葉
(
かきは
)
に
至
(
いた
)
るまで
229
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
に
霑
(
うるほ
)
ひて
230
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御光
(
みひかり
)
を
231
仰
(
あふ
)
ぎ
楽
(
たの
)
しむ
葦原
(
あしはら
)
の
232
八洲
(
やしま
)
の
国
(
くに
)
の
其
(
その
)
中
(
なか
)
に
233
如何
(
いか
)
なる
神
(
かみ
)
の
仕組
(
しぐみ
)
にや
234
取残
(
とりのこ
)
されし
印度
(
ツキ
)
の
国
(
くに
)
235
七千
(
しちせん
)
余
(
あま
)
りの
国々
(
くにぐに
)
に
236
王
(
きみ
)
と
現
(
あ
)
れます
刹帝利
(
せつていり
)
237
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
の
醜霊
(
しこたま
)
に
238
惑
(
まど
)
はされつつ
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
に
239
よからぬ
事
(
こと
)
のみ
行
(
おこな
)
ひつ
240
世
(
よ
)
の
常暗
(
とこやみ
)
となりて
行
(
ゆ
)
く
241
時
(
とき
)
しもあれやバラモンの
242
道
(
みち
)
に
仕
(
つか
)
ふる
神司
(
かむづかさ
)
243
大黒主
(
おほくろぬし
)
が
現
(
あら
)
はれて
244
ハルナの
都
(
みやこ
)
を
根拠
(
こんきよ
)
とし
245
バラモン
族
(
ぞく
)
を
庇護
(
ひご
)
しつつ
246
刹帝利
(
せつていり
)
族
(
ぞく
)
を
押込
(
おしこ
)
めて
247
暴威
(
ばうゐ
)
を
揮
(
ふる
)
ふぞうたてけれ
248
それに
付
(
つ
)
いては
毘舎
(
びしや
)
首陀
(
しゆだ
)
の
249
三種
(
さんしゆ
)
階級
(
かいきふ
)
の
民族
(
みんぞく
)
も
250
バラモン
族
(
ぞく
)
の
暴虐
(
ばうぎやく
)
に
251
苦
(
くるし
)
み
悶
(
もだ
)
へ
国原
(
くにはら
)
は
252
怨嗟
(
ゑんさ
)
の
声
(
こゑ
)
にみちみちぬ
253
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
254
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
はひて
255
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
は
256
時
(
とき
)
を
計
(
はか
)
らひ
瑞御霊
(
みづみたま
)
257
発揮
(
はつき
)
し
玉
(
たま
)
ひて
印度
(
ツキ
)
の
国
(
くに
)
258
ハルナの
都
(
みやこ
)
へ
三五
(
あななひ
)
の
259
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
を
遣
(
つか
)
はして
260
世人
(
よびと
)
を
救
(
すく
)
ひ
玉
(
たま
)
はむと
261
御計
(
みはか
)
り
在
(
あ
)
りし
尊
(
たふと
)
さよ
262
日出別
(
ひのでのわけ
)
の
教主
(
つかさ
)
より
263
此
(
この
)
大業
(
たいげふ
)
を
命
(
めい
)
ぜられ
264
黄竜姫
(
わうりようひめ
)
や
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
265
尊
(
たふと
)
き
司
(
つかさ
)
を
初
(
はじ
)
めとし
266
心
(
こころ
)
も
明
(
あか
)
き
照国別
(
てるくにわけ
)
267
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
や
玉国別
(
たまくにわけ
)
268
治国別
(
はるくにわけ
)
の
三柱
(
みはしら
)
を
269
おのもおのもにこと
任
(
ま
)
けて
270
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に
271
遣
(
つか
)
はし
玉
(
たま
)
ふぞ
有難
(
ありがた
)
き
272
われも
初稚姫
(
はつわかひめの
)
神
(
かみ
)
273
年端
(
としは
)
も
行
(
ゆ
)
かぬ
身
(
み
)
なれ
共
(
ども
)
274
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
275
遣
(
つか
)
はし
玉
(
たま
)
ひし
八乙女
(
やおとめ
)
が
276
清
(
きよ
)
き
御業
(
みわざ
)
に
神
(
かむ
)
傚
(
なら
)
ひ
277
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
館
(
やかた
)
まで
278
忍
(
しの
)
び
参
(
まゐ
)
りて
三五
(
あななひ
)
の
279
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
曲神
(
まがかみ
)
を
280
言向和
(
ことむけやは
)
させ
玉
(
たま
)
へかし
281
日出別
(
ひのでのわけ
)
や
東野別
(
あづまのわけ
)
282
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
283
謹
(
つつし
)
み
敬
(
うやま
)
ひ
祈
(
ね
)
ぎまつる
284
父
(
ちち
)
とあれます
時置師
(
ときおかし
)
285
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
は
初稚
(
はつわか
)
が
286
願
(
ねがひ
)
を
必
(
かなら
)
ず
許
(
ゆる
)
すべし
287
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
の
幸
(
さち
)
はひて
288
われを
遣
(
つか
)
はし
玉
(
たま
)
ひなば
289
如何
(
いか
)
なる
悩
(
なや
)
みも
堪
(
た
)
へ
忍
(
しの
)
び
290
わが
大神
(
おほかみ
)
の
御心
(
みこころ
)
を
291
うまらにつばらに
説
(
と
)
きさとし
292
時節
(
じせつ
)
を
待
(
ま
)
つて
大黒主
(
おほくろぬし
)
を
293
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
帰順
(
きじゆん
)
させ
294
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
復言
(
かへりごと
)
295
申
(
まを
)
し
奉
(
まつ
)
らむいざ
早
(
はや
)
く
296
許
(
ゆる
)
させ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
297
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
祈
(
ね
)
ぎまつる』
298
と
歌
(
うた
)
つて、
299
自分
(
じぶん
)
も
単独
(
たんどく
)
にて、
300
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
館
(
やかた
)
に
忍
(
しの
)
び
込
(
こ
)
み、
301
曲神
(
まがかみ
)
を
帰順
(
きじゆん
)
せしむべく、
302
出陣
(
しゆつぢん
)
を
許
(
ゆる
)
されむ
事
(
こと
)
を
請願
(
せいぐわん
)
した。
303
日出別
(
ひのでわけ
)
は
歌
(
うた
)
を
以
(
もつ
)
てこれに
答
(
こた
)
ふ。
304
日出別
『
勇
(
いさ
)
ましき
初稚姫
(
はつわかひめ
)
の
言霊
(
ことたま
)
よ
305
聞
(
き
)
く
度
(
たび
)
毎
(
ごと
)
に
涙
(
なみだ
)
こぼるる。
306
さり
乍
(
なが
)
ら
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
独
(
ひと
)
り
御子
(
みこ
)
307
いかでか
印度
(
ツキ
)
に
遣
(
つか
)
はすを
得
(
え
)
む』
308
初稚姫
(
はつわかひめ
)
はこれに
答
(
こた
)
へて、
309
初稚姫
『いぶかしき
日出別
(
ひのでのわけ
)
の
言霊
(
ことたま
)
よ
310
神
(
かみ
)
に
捧
(
ささ
)
げし
吾
(
わが
)
身
(
み
)
ならずや。
311
時置師
(
ときおかし
)
父
(
ちち
)
の
命
(
みこと
)
も
初稚
(
はつわか
)
が
312
誠
(
まこと
)
の
言葉
(
ことば
)
を
愛
(
め
)
で
許
(
ゆる
)
しませ』
313
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
は
歌
(
うた
)
もて
答
(
こた
)
ふ。
314
時置師
『
天地
(
あめつち
)
の
御霊
(
みたま
)
にあれし
吾
(
わが
)
娘
(
むすめ
)
315
神
(
かみ
)
のまにまに
仕
(
つか
)
へまつれよ。
316
時置師
(
ときおかし
)
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
は
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
317
いでゆく
汝
(
なれ
)
を
雄々
(
をを
)
しくぞ
思
(
おも
)
ふ』
318
日出別
(
ひのでわけの
)
命
(
みこと
)
は
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ふ。
319
日出別
『
勇
(
いさ
)
ましき
親子
(
おやこ
)
二人
(
ふたり
)
の
心根
(
こころね
)
を
320
神
(
かみ
)
は
喜
(
よろこ
)
び
玉
(
たま
)
ふなるらむ。
321
いざさらば
初稚姫
(
はつわかひめ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
322
神
(
かみ
)
のまにまに
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
きませ』
323
東野別
(
あづまのわけ
)
は
立上
(
たちあが
)
りて
歌
(
うた
)
ふ。
324
東野別
『
年若
(
としわか
)
き
初稚姫
(
はつわかひめ
)
の
御姿
(
みすがた
)
を
325
見
(
み
)
るにつけても
涙
(
なみだ
)
ぐまれつ。
326
さり
乍
(
なが
)
ら
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
ります
327
司
(
つかさ
)
にませば
心
(
こころ
)
痛
(
いた
)
めず。
328
いざ
早
(
はや
)
く
御言
(
みこと
)
のままに
出
(
い
)
でまして
329
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
復言
(
かへりごと
)
せよ』
330
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
嬉
(
うれ
)
しげに
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ふ。
331
初稚姫
『
日出別
(
ひのでわけ
)
東野別
(
あづまのわけ
)
や
垂乳根
(
たらちね
)
の
332
父
(
ちち
)
の
言葉
(
ことば
)
は
妾
(
われ
)
を
生
(
い
)
かせり。
333
有難
(
ありがた
)
き
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
受
(
う
)
け
乍
(
なが
)
ら
334
印度
(
ツキ
)
の
御国
(
みくに
)
へ
吾
(
わ
)
が
進
(
すす
)
みゆかむ』
335
かく
歌
(
うた
)
ひて、
336
一同
(
いちどう
)
に
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げ、
337
瓢然
(
へうぜん
)
として
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
供人
(
ともびと
)
をもつれず、
338
万里
(
ばんり
)
の
山河
(
さんか
)
を
越
(
こ
)
えて、
339
印度
(
ツキ
)
の
国
(
くに
)
へ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
340
神界
(
しんかい
)
の
御
(
ご
)
経綸
(
けいりん
)
にて
最初
(
さいしよ
)
より
印度
(
ツキ
)
の
国
(
くに
)
のハルナの
都
(
みやこ
)
に
現
(
あら
)
はれたる
大黒主
(
おほくろぬし
)
を
言向和
(
ことむけやは
)
す
為
(
ため
)
出張
(
しゆつちやう
)
を
命
(
めい
)
ぜらるべき
神司
(
かむつかさ
)
は、
341
略
(
ほぼ
)
決定
(
けつてい
)
されてゐたのである。
342
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
は
吾
(
わが
)
娘
(
むすめ
)
の
夫
(
をつと
)
が
三柱
(
みはしら
)
迄
(
まで
)
も
加
(
くは
)
はり
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
とて、
343
明
(
あから
)
さまに
言
(
い
)
ひ
出
(
い
)
でかね
玉
(
たま
)
ひ、
344
日出別
(
ひのでわけの
)
神
(
かみ
)
に
命
(
めい
)
じて、
345
相談会
(
さうだんくわい
)
を
開
(
ひら
)
かせ、
346
随意
(
ずゐい
)
に
此
(
この
)
使
(
つかひ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
する
事
(
こと
)
の
手続
(
てつづき
)
をとられたのであつた。
347
又
(
また
)
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
が
八人
(
やたり
)
の
乙女
(
おとめ
)
を
一柱
(
ひとはしら
)
も
残
(
のこ
)
さず、
348
敵
(
てき
)
の
牙城
(
がじやう
)
に
使
(
つか
)
はし
玉
(
たま
)
ひし
尊
(
たふと
)
き
清
(
きよ
)
き
大御心
(
おほみこころ
)
に
感激
(
かんげき
)
し、
349
如何
(
いか
)
にもして、
350
八人
(
やたり
)
乙女
(
おとめ
)
の
尽
(
つく
)
し
玉
(
たま
)
ひたる
如
(
ごと
)
き
神務
(
しんむ
)
に
従事
(
じゆうじ
)
せばやと、
351
時
(
とき
)
の
至
(
いた
)
るを
待
(
ま
)
ちつつあつたのである。
352
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
の
杢助
(
もくすけ
)
も、
353
初稚姫
(
はつわかひめ
)
の
健気
(
けなげ
)
なる
心
(
こころ
)
に
感
(
かん
)
じ、
354
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
乍
(
なが
)
らも
天晴
(
あつぱ
)
れなる
者
(
もの
)
よと、
355
ひそかに
感涙
(
かんるい
)
に
咽
(
むせ
)
んでゐた。
356
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
くにして、
357
愈
(
いよいよ
)
印度
(
ツキ
)
の
国
(
くに
)
の
大黒主
(
おほくろぬし
)
に
対
(
たい
)
する
言霊戦
(
ことたません
)
の
準備
(
じゆんび
)
は
全
(
まつた
)
く
整
(
ととの
)
うたのである。
358
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
359
(
大正一一・一〇・二一
旧九・二
松村真澄
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 評定
(B)
(N)
河鹿越 >>>
霊界物語
>
舎身活躍(第37~48巻)
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第39巻(寅の巻)
> 第1篇 伊祖の神風 > 第3章 出師
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【第3章 出師|第39巻|舎身活躍|霊界物語|/rm3903】
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