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霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第39巻(寅の巻)
序歌
総説
第1篇 伊祖の神風
第1章 大黒主
第2章 評定
第3章 出師
第2篇 黄金清照
第4章 河鹿越
第5章 人の心
第6章 妖霧
第7章 都率天
第8章 母と娘
第3篇 宿世の山道
第9章 九死一生
第10章 八の字
第11章 鼻摘
第12章 種明志
第4篇 浮木の岩窟
第13章 浮木の森
第14章 清春山
第15章 焼糞
第16章 親子対面
第5篇 馬蹄の反影
第17章 テームス峠
第18章 関所守
第19章 玉山嵐
附録 大祓祝詞解
余白歌
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第39巻(寅の巻)
> 第1篇 伊祖の神風 > 第1章 大黒主
<<< 総説
(B)
(N)
評定 >>>
第一章
大黒主
(
おほくろぬし
)
〔一〇六六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第39巻 舎身活躍 寅の巻
篇:
第1篇 伊祖の神風
よみ(新仮名遣い):
いそのかみかぜ
章:
第1章 大黒主
よみ(新仮名遣い):
おおくろぬし
通し章番号:
1066
口述日:
1922(大正11)年10月21日(旧09月2日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年5月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
常世の国の常世城にて三葉葵の旗を立てて常世神王と称し、羽振りをきかせていた大国彦は、黄泉比良坂の戦いで大敗北を喫し、ついにはロッキー山の鬼となってバラモン教を開設することになった。
大国彦命の長子・大国別はバラモン教の教主となり、海を渡ってエジプトのイホの都に現れ、その教えは四方に広がり人心を惑乱した。
正道が滅びようとしたまさにその時、三五教の夏山彦、祝姫、行平別ほか三光の神司のために勢力を失い、次にメソポタミヤの顕恩郷に本拠を構えて小アジア、ペルシャ、インドなどに神司を遣わし、教えを広めていた。
神素盞嗚尊は八人の御子を顕恩城に忍ばせてバラモン教を帰順させようとした。バラモン教側では大国別命が帰幽した後、左守だった鬼雲彦が正嫡の国別彦を放逐し、大教主となって暴威をふるっていた。
天の太玉神は鬼雲彦に帰順を迫ったが、鬼雲彦は黒雲を起こして部下を連れて逃げ去ってしまった。フサの国、月の国を横断して自転倒島の大江山に立て籠もって、画策を続けていたのである。
しかしまたもや三五教の神司の言霊によって自転倒島から逃げ出し、月の国のハルナの都に潜んで勢力を盛り返し、月の国を根拠として再び天下を掌握しようとしていた。ハルナの都は月の国の西岸にあり、現今ではボンベーと呼ばれている。
鬼雲彦は大国彦命の名を奪って、自ら大国彦または大黒主神と称し、あまたの妾を蓄えてバラモン教の大教主となり、ハルナの都に近い兀山(大雲山)に大岩窟を穿って住処となし、外教徒の侵入を許さなかった。
神素盞嗚大神が主管し給うコーカス山、ウブスナ山の神館の神司たちも、月の国にはあまり手を染めなかったため、大黒主は月の国で力を蓄え、三五教を蹂躙しようと準備を整えつつあった。
神素盞嗚大神は自転倒島をはじめフサの国、竜宮島、高砂島、筑紫島などが大略三五教の御教えに信従したが、思うところあってか月の国のみは後廻しにされたのである。
ここに、斎苑の館の八尋殿に大神はあまたの神司を集めて、大黒主調伏の相談会を開始された。その結果、梅彦の照国別、音彦の玉国別、亀彦の治国別ならびに黄竜姫、蜈蚣姫が立ち向かうことになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm3901
愛善世界社版:
9頁
八幡書店版:
第7輯 283頁
修補版:
校定版:
9頁
普及版:
4頁
初版:
ページ備考:
001
遠
(
とほ
)
き
神代
(
かみよ
)
の
昔
(
むかし
)
より
002
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほみち
)
を
003
説
(
と
)
きさとしゆく
諸々
(
もろもろ
)
の
004
教
(
をしへ
)
は
千
(
ち
)
ぐさ
万種
(
よろづぐさ
)
005
数
(
かず
)
限
(
かぎ
)
りなき
其
(
その
)
中
(
なか
)
に
006
天地
(
てんち
)
を
造
(
つく
)
り
固
(
かた
)
めたる
007
元
(
もと
)
つ
御祖
(
みおや
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
008
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
現
(
あら
)
はれて
009
説
(
と
)
きさとすなる
三五教
(
あななひけう
)
010
天教山
(
てんけうざん
)
や
地教山
(
ちけうざん
)
011
貴
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
のエルサルム
012
黄金山
(
わうごんさん
)
下
(
か
)
を
初
(
はじ
)
めとし
013
霊鷲山
(
りやうしうざん
)
や
万寿山
(
まんじゆざん
)
014
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
に
渡
(
わた
)
りては
015
綾
(
あや
)
の
聖地
(
せいち
)
の
四尾山
(
よつをやま
)
016
其
(
その
)
外
(
ほか
)
百
(
もも
)
の
国々
(
くにぐに
)
に
017
教司
(
をしへつかさ
)
を
間配
(
まくば
)
りて
018
安
(
やす
)
く
楽
(
たの
)
しき
神
(
かみ
)
の
世
(
よ
)
を
019
立
(
た
)
てて
五六七
(
みろく
)
の
御教
(
みをしへ
)
に
020
世人
(
よびと
)
を
助
(
たす
)
け
守
(
まも
)
らむと
021
百
(
もも
)
の
司
(
つかさ
)
を
任
(
ま
)
け
玉
(
たま
)
ひ
022
千々
(
ちぢ
)
に
心
(
こころ
)
を
配
(
くば
)
ります
023
三大教
(
さんだいけう
)
や
五大教
(
ごだいけう
)
024
経
(
たて
)
と
緯
(
よこ
)
との
水火
(
いき
)
合
(
あは
)
せ
025
固
(
かた
)
め
玉
(
たま
)
ひし
三五
(
あななひ
)
の
026
教
(
をしへ
)
を
損
(
そこな
)
ひ
破
(
やぶ
)
らむと
027
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
や
醜狐
(
しこぎつね
)
028
曲鬼
(
まがおに
)
共
(
ども
)
の
醜霊
(
しこみたま
)
029
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
をば
蹂躙
(
じうりん
)
し
030
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
曇
(
くも
)
らせ
汚
(
けが
)
さむと
031
醜女
(
しこめ
)
探女
(
さぐめ
)
を
数多
(
かずおほ
)
く
032
四方
(
よも
)
に
遣
(
つか
)
はし
闇雲
(
やみくも
)
に
033
猛
(
たけ
)
びめぐるぞうたてけり
034
天足彦
(
あだるひこ
)
や
胞場姫
(
えばひめ
)
の
035
汚
(
けが
)
れし
魂
(
たま
)
になり
出
(
い
)
でし
036
曲神
(
まがかみ
)
共
(
ども
)
は
村肝
(
むらきも
)
の
037
心
(
こころ
)
も
清
(
きよ
)
き
神司
(
かむづかさ
)
038
塩長彦
(
しほながひこ
)
の
体
(
たい
)
を
藉
(
か
)
り
039
或
(
あるひ
)
は
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
神
(
かみ
)
040
其
(
その
)
外
(
ほか
)
百
(
もも
)
の
神人
(
かみびと
)
と
041
世
(
よ
)
に
現
(
あら
)
はれてウラル
教
(
けう
)
042
バラモン
教
(
けう
)
を
開設
(
かいせつ
)
し
043
三五教
(
あななひけう
)
に
対抗
(
たいかう
)
し
044
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
てら
)
されて
045
メソポタミヤを
遁走
(
とんそう
)
し
046
或
(
あるひ
)
はコーカス
山
(
ざん
)
館
(
やかた
)
047
見棄
(
みす
)
てて
逃
(
に
)
げ
行
(
ゆ
)
くウラル
姫
(
ひめ
)
048
性懲
(
しやうこ
)
りもなくどこ
迄
(
まで
)
も
049
千変
(
せんぺん
)
万化
(
ばんくわ
)
の
妖術
(
えうじゆつ
)
を
050
使
(
つか
)
ひて
正道
(
せいだう
)
を
紊
(
みだ
)
さむと
051
狂
(
くる
)
ひ
廻
(
まは
)
りし
醜神
(
しこがみ
)
の
052
常住
(
じやうぢう
)
不断
(
ふだん
)
の
物語
(
ものがたり
)
053
いよいよここに
述
(
の
)
べ
初
(
そ
)
むる
054
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
055
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましませよ。
056
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
の
常世城
(
とこよじやう
)
にあつて
三葉葵
(
みつばあふひ
)
の
旗
(
はた
)
を
押立
(
おした
)
て、
057
自
(
みづか
)
ら
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
と
称
(
しよう
)
して
羽振
(
はぶり
)
を
利
(
き
)
かし
居
(
ゐ
)
たる
大国彦
(
おほくにひこ
)
は、
058
三五教
(
あななひけう
)
の
為
(
ため
)
に
其
(
その
)
悪虐
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
を
警
(
いまし
)
められ、
059
部下
(
ぶか
)
の
広国別
(
ひろくにわけ
)
をして
常世城
(
とこよじやう
)
を
守
(
まも
)
らしめ、
060
ロツキー
山
(
ざん
)
に
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
と
偽称
(
ぎしよう
)
して
大国姫
(
おほくにひめ
)
をば
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
と
偽称
(
ぎしよう
)
せしめ、
061
黄泉
(
よもつ
)
比良坂
(
ひらさか
)
の
戦
(
たたか
)
ひに、
062
部下
(
ぶか
)
の
軍卒
(
ぐんそつ
)
は
大敗北
(
たいはいぼく
)
し、
063
遂
(
つひ
)
にはロツキー
山
(
ざん
)
の
鬼
(
おに
)
となり、
064
茲
(
ここ
)
にバラモン
教
(
けう
)
を
開設
(
かいせつ
)
することとなつた。
065
大国彦
(
おほくにひこの
)
命
(
みこと
)
の
長子
(
ちやうし
)
大国別
(
おほくにわけ
)
はバラモン
教
(
けう
)
の
教主
(
けうしゆ
)
となり
遠
(
とほ
)
く
海
(
うみ
)
を
渡
(
わた
)
つて、
066
埃及
(
エヂプト
)
のイホの
都
(
みやこ
)
に
現
(
あら
)
はれ、
067
其
(
その
)
教
(
をしへ
)
は
四方
(
よも
)
に
旭
(
あさひ
)
の
豊栄昇
(
とよさかのぼ
)
るが
如
(
ごと
)
く
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
り、
068
人心
(
じんしん
)
を
惑乱
(
わくらん
)
して、
069
正道
(
せいだう
)
将
(
まさ
)
に
亡
(
ほろ
)
びむとせし
時
(
とき
)
、
070
三五教
(
あななひけう
)
の
夏山彦
(
なつやまひこ
)
、
071
祝姫
(
はふりひめ
)
、
072
行平別
(
ゆきひらわけ
)
外
(
ほか
)
三光
(
さんくわう
)
の
神司
(
かむつかさ
)
の
為
(
ため
)
に、
073
其
(
その
)
勢力
(
せいりよく
)
を
失墜
(
しつつゐ
)
し、
074
遂
(
つひ
)
に
葦原
(
あしはら
)
の
中津国
(
なかつくに
)
と
称
(
しよう
)
するメソポタミヤの
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
に
本拠
(
ほんきよ
)
を
構
(
かま
)
へ、
075
小
(
せう
)
亜細亜
(
アジア
)
、
076
波斯
(
ペルシヤ
)
、
077
印度
(
インド
)
等
(
など
)
に
神司
(
かむづかさ
)
を
数多
(
あまた
)
遣
(
つか
)
はして、
078
バラモンの
教
(
をしへ
)
を
拡充
(
くわくじゆう
)
しつつあつた。
079
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
は
天下
(
てんか
)
の
人心
(
じんしん
)
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
に
悪化
(
あくくわ
)
し、
080
世
(
よ
)
は
益々
(
ますます
)
暗黒
(
あんこく
)
ならむとするを
憂
(
うれ
)
ひ
玉
(
たま
)
ひて、
081
八
(
はち
)
人
(
にん
)
の
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
を
犠牲
(
ぎせい
)
的
(
てき
)
に
顕恩城
(
けんおんじやう
)
に
忍
(
しの
)
び
入
(
い
)
らしめ、
082
バラモン
教
(
けう
)
を
帰順
(
きじゆん
)
せしめむとし
玉
(
たま
)
ひたれ
共
(
ども
)
、
083
大国別
(
おほくにわけの
)
命
(
みこと
)
帰幽
(
きいう
)
せしより、
084
左守
(
さもり
)
と
仕
(
つか
)
へたる
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
は、
085
忽
(
たちま
)
ち
野心
(
やしん
)
を
起
(
おこ
)
し、
086
自
(
みづか
)
ら
大棟梁
(
だいとうりやう
)
と
称
(
しよう
)
して、
087
バラモン
教
(
けう
)
の
大教主
(
だいけうしゆ
)
となり、
088
大国別
(
おほくにわけ
)
の
正統
(
せいとう
)
なる
国別彦
(
くにわけひこ
)
を
放逐
(
はうちく
)
し、
089
暴威
(
ばうゐ
)
を
揮
(
ふる
)
ひ
居
(
ゐ
)
たりしが、
090
天
(
あめ
)
の
太玉
(
ふとだま
)
の
神
(
かみ
)
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
りて、
091
神力
(
しんりき
)
無辺
(
むへん
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
発射
(
はつしや
)
し
帰順
(
きじゆん
)
を
迫
(
せま
)
りたれども、
092
素
(
もと
)
より
暴悪
(
ばうあく
)
無道
(
ぶだう
)
の
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
は、
093
一
(
いち
)
時
(
じ
)
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
を
脱
(
ぬ
)
け
出
(
いだ
)
し、
094
再
(
ふたた
)
び
時機
(
じき
)
を
待
(
ま
)
つて、
095
捲土
(
けんど
)
重来
(
ぢうらい
)
、
096
三五
(
あななひ
)
の
道
(
みち
)
を
顛覆
(
てんぷく
)
せしめむと、
097
鬼雲姫
(
おにくもひめ
)
、
098
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
、
099
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
其
(
その
)
他
(
た
)
百
(
もも
)
の
司
(
つかさ
)
と
共
(
とも
)
に
黒雲
(
こくうん
)
を
起
(
おこ
)
し、
100
邪神
(
じやしん
)
の
本体
(
ほんたい
)
を
現
(
あら
)
はしつつ、
101
顕恩城
(
けんおんじやう
)
を
立出
(
たちい
)
で、
102
それよりフサの
国
(
くに
)
、
103
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
を
横断
(
わうだん
)
し、
104
磯輪垣
(
しわがき
)
の
秀妻
(
ほづま
)
の
国
(
くに
)
と
名
(
な
)
に
負
(
お
)
ひし
安全
(
あんぜん
)
地帯
(
ちたい
)
、
105
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
の
中心
(
ちうしん
)
大江山
(
おほえやま
)
に
立籠
(
たてこも
)
り、
106
徐
(
おもむろ
)
に
天下
(
てんか
)
を
席巻
(
せきけん
)
すべく
劃策
(
くわくさく
)
をめぐらしつつあつた。
107
然
(
しか
)
るに
又
(
また
)
もや
三五教
(
あななひけう
)
の
神司
(
かむつかさ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
辟易
(
へきえき
)
し、
108
再
(
ふたた
)
び
海
(
うみ
)
を
渡
(
わた
)
りてフサの
国
(
くに
)
に
向
(
むか
)
ひ、
109
残党
(
ざんたう
)
を
集
(
あつ
)
めて、
110
バラモンの
再興
(
さいこう
)
を
謀
(
はか
)
りつつ、
111
私
(
ひそ
)
かに
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
、
112
ハルナの
都
(
みやこ
)
にひそみ、
113
逐次
(
ちくじ
)
勢力
(
せいりよく
)
をもり
返
(
かへ
)
し、
114
今
(
いま
)
は
容易
(
ようい
)
に
対抗
(
たいかう
)
す
可
(
べか
)
らざる
大勢力
(
だいせいりよく
)
となり、
115
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
を
胞衣
(
えな
)
として、
116
再
(
ふたた
)
び
天下
(
てんか
)
を
掌握
(
しやうあく
)
せむとし、
117
最早
(
もはや
)
三五教
(
あななひけう
)
もウラル
教
(
けう
)
も
眼中
(
がんちう
)
になきものの
如
(
ごと
)
くであつた。
118
此
(
この
)
ハルナの
都
(
みやこ
)
は
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
の
西海岸
(
せいかいがん
)
に
位
(
くらゐ
)
し、
119
現今
(
げんこん
)
にてはボンベーと
称
(
とな
)
へられてゐる。
120
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
は
大国彦
(
おほくにひこの
)
命
(
みこと
)
の
名
(
な
)
を
奪
(
うば
)
ひて、
121
自
(
みづか
)
ら
大国彦
(
おほくにひこ
)
又
(
また
)
は
大黒主
(
おほくろぬしの
)
神
(
かみ
)
と
称
(
しよう
)
しつつ、
122
本妻
(
ほんさい
)
の
鬼雲姫
(
おにくもひめ
)
を
退隠
(
たいいん
)
せしめ、
123
妙齢
(
めうれい
)
の
女
(
をんな
)
石生能
(
いその
)
姫
(
ひめ
)
といふ
美人
(
びじん
)
を
妻
(
つま
)
とし、
124
数多
(
あまた
)
の
妾
(
めかけ
)
を
蓄
(
たくは
)
へて、
125
バラモン
教
(
けう
)
の
大教主
(
だいけうしゆ
)
となり、
126
ハルナの
都
(
みやこ
)
に
側近
(
そばちか
)
き
兀山
(
こつざん
)
の
中腹
(
ちうふく
)
に
大岩窟
(
だいがんくつ
)
を
穿
(
うが
)
ち、
127
千代
(
ちよ
)
の
住家
(
すみか
)
となし、
128
門口
(
かどぐち
)
には
厳重
(
げんぢう
)
なる
番人
(
ばんにん
)
をおき、
129
外教徒
(
ぐわいけうと
)
の
侵入
(
しんにふ
)
を
許
(
ゆる
)
さなかつた。
130
ハルナの
都
(
みやこ
)
には
公然
(
こうぜん
)
と
大殿堂
(
だいでんだう
)
を
建
(
た
)
て、
131
時々
(
ときどき
)
大教主
(
だいけうしゆ
)
として
出場
(
しゆつぢやう
)
し
数多
(
あまた
)
の
神司
(
かむづかさ
)
を
支配
(
しはい
)
しつつあつた。
132
夜
(
よ
)
は
身辺
(
しんぺん
)
の
安全
(
あんぜん
)
を
守
(
まも
)
る
為
(
ため
)
、
133
兀山
(
こつざん
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
に
隠
(
かく
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
134
此
(
この
)
兀山
(
こつざん
)
は
大雲山
(
たいうんざん
)
と
名
(
な
)
づけられた。
135
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
大黒主
(
おほくろぬしの
)
命
(
みこと
)
は
自
(
みづか
)
ら
刹帝利
(
せつていり
)
の
本種
(
ほんしゆ
)
と
称
(
しよう
)
し、
136
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
の
大元首
(
だいげんしゆ
)
たるべき
者
(
もの
)
と
揚言
(
やうげん
)
しつつあつた。
137
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
の
七千
(
しちせん
)
余
(
よ
)
ケ
国
(
こく
)
の
国王
(
こくわう
)
は、
138
風
(
ふう
)
を
望
(
のぞ
)
むで
大黒主
(
おほくろぬし
)
に
帰順
(
きじゆん
)
し、
139
媚
(
こび
)
を
呈
(
てい
)
する
状態
(
じやうたい
)
となつて
来
(
き
)
た。
140
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
主管
(
しゆくわん
)
し
玉
(
たま
)
ふコーカス
山
(
ざん
)
、
141
ウブスナ
山
(
やま
)
の
神館
(
かむやかた
)
に
集
(
あつ
)
まる
神司
(
かむづかさ
)
も、
142
此
(
この
)
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
のみは
何故
(
なにゆゑ
)
か
余
(
あま
)
り
手
(
て
)
を
染
(
そ
)
めなかつたのである。
143
それ
故
(
ゆゑ
)
大黒主
(
おほくろぬし
)
は
無鳥郷
(
むてうきやう
)
の
蝙蝠
(
へんぷく
)
気取
(
きどり
)
になつて、
144
驕心
(
けうしん
)
益々
(
ますます
)
増長
(
ぞうちよう
)
し、
145
今
(
いま
)
や
全力
(
ぜんりよく
)
を
挙
(
あ
)
げて、
146
三五教
(
あななひけう
)
の
本拠
(
ほんきよ
)
たる
黄金山
(
わうごんざん
)
は
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
コーカス
山
(
ざん
)
、
147
ウブスナ
山
(
やま
)
の
神館
(
かむやかた
)
をも
蹂躙
(
じうりん
)
せむと
準備
(
じゆんび
)
を
整
(
ととの
)
へつつあつた。
148
而
(
しか
)
して
西蔵
(
チベツト
)
と
印度
(
インド
)
の
境
(
さかひ
)
なる
霊鷲山
(
りやうしうざん
)
も
其
(
その
)
山
(
やま
)
続
(
つづ
)
きなる
万寿山
(
まんじゆざん
)
も、
149
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
部下
(
ぶか
)
に
襲撃
(
しふげき
)
さるること
屡々
(
しばしば
)
であつた。
150
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
は
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
を
初
(
はじ
)
め、
151
フサの
国
(
くに
)
、
152
竜宮島
(
りうぐうじま
)
、
153
高砂島
(
たかさごじま
)
、
154
筑紫島
(
つくしじま
)
等
(
とう
)
は
最早
(
もはや
)
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
に
大略
(
たいりやく
)
信従
(
しんじゆう
)
したれ
共
(
ども
)
、
155
まだ
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
のみは
思
(
おも
)
ふ
所
(
ところ
)
ありましてか、
156
後廻
(
あとまは
)
しになしおかれたのである。
157
それ
故
(
ゆゑ
)
大黒主
(
おほくろぬし
)
は
思
(
おも
)
ふが
儘
(
まま
)
に
跋扈
(
ばつこ
)
跳梁
(
てうれう
)
して、
158
勢力
(
せいりよく
)
を
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
に
増殖
(
ぞうしよく
)
し、
159
遂
(
つひ
)
に
進
(
すす
)
んで
三五教
(
あななひけう
)
の
本拠
(
ほんきよ
)
を
突
(
つ
)
かむとするに
立至
(
たちいた
)
つたのである。
160
茲
(
ここ
)
に
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
の
八尋殿
(
やひろどの
)
に
大神
(
おほかみ
)
は
数多
(
あまた
)
の
神司
(
かむづかさ
)
を
集
(
あつ
)
めて、
161
大黒主
(
おほくろぬし
)
調伏
(
てうふく
)
の
相談会
(
さうだんくわい
)
を
開始
(
かいし
)
さるる
事
(
こと
)
となつた。
162
日出別
(
ひのでわけの
)
神
(
かみ
)
(
吾勝
(
あかつの
)
命
(
みこと
)
)、
163
八島主
(
やしまぬしの
)
神
(
かみ
)
(
熊野
(
くまの
)
樟日
(
くすびの
)
命
(
みこと
)
)、
164
東野別
(
あづまのわけの
)
命
(
みこと
)
(
東助
(
とうすけ
)
)、
165
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
(
杢助
(
もくすけ
)
)、
166
玉治別
(
たまはるわけ
)
、
167
初稚姫
(
はつわかひめ
)
、
168
五十子
(
いそこ
)
姫
(
ひめ
)
、
169
玉国別
(
たまくにわけ
)
(
音彦
(
おとひこ
)
)、
170
幾代姫
(
いくよひめ
)
、
171
照国別
(
てるくにわけ
)
(
梅彦
(
うめひこ
)
)、
172
菊子姫
(
きくこひめ
)
、
173
治国別
(
はるくにわけ
)
(
亀彦
(
かめひこ
)
)、
174
浅子姫
(
あさこひめ
)
、
175
岩子姫
(
いはこひめ
)
、
176
今子姫
(
いまこひめ
)
、
177
悦子姫
(
よしこひめ
)
、
178
黄竜姫
(
わうりようひめ
)
、
179
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
、
180
コーカス
山
(
ざん
)
よりは
梅子姫
(
うめこひめ
)
、
181
東彦
(
あづまひこ
)
、
182
高彦
(
たかひこ
)
、
183
北光
(
きたてるの
)
神
(
かみ
)
、
184
高光彦
(
たかてるひこ
)
、
185
玉光彦
(
たまてるひこ
)
、
186
国光彦
(
くにてるひこ
)
、
187
鷹彦
(
たかひこ
)
、
188
秋彦
(
あきひこ
)
等
(
ら
)
を
初
(
はじ
)
め
数多
(
あまた
)
の
神司
(
かむつかさ
)
が
集
(
あつ
)
まつて
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
大黒主
(
おほくろぬしの
)
神
(
かみ
)
を
言向和
(
ことむけやは
)
すべく
協議
(
けふぎ
)
をこらされた
結果
(
けつくわ
)
、
189
梅彦
(
うめひこ
)
の
照国別
(
てるくにわけ
)
、
190
音彦
(
おとひこ
)
の
玉国別
(
たまくにわけ
)
、
191
亀彦
(
かめひこ
)
の
治国別
(
はるくにわけ
)
並
(
ならび
)
に
黄竜姫
(
わうりようひめ
)
、
192
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
が
直接
(
ちよくせつ
)
に、
193
ハルナの
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
館
(
やかた
)
に
立向
(
たちむか
)
ふ
事
(
こと
)
となつたのである。
194
(
大正一一・一〇・二一
旧九・二
松村真澄
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(N)
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