霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第六章 瑞(みづ)の宝座(はうざ)〔六一七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第17巻 如意宝珠 辰の巻 篇:第1篇 雪山幽谷 よみ(新仮名遣い):せつざんゆうこく
章:第6章 瑞の宝座 よみ(新仮名遣い):みずのほうざ 通し章番号:617
口述日:1922(大正11)年04月21日(旧03月25日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年1月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
樹木が鬱蒼として四方を山に囲まれた清浄の境域に、水晶のような水が流れ、所々に青い清泉が散在している。中空には微妙の音楽と共に天津乙女が舞い、霊鳥が飛び交っている。
苔むす麗しい巌の上に、悦子姫が立って日の丸扇を両手に持って、豊国姫命と三五教を讃える歌を歌い舞っている。
音彦はこれまでの宣伝の経緯を歌に歌った。そして真名井ケ原の霊場を讃え、ここに禊して瑞霊と成り代わって曲津神を言向け和す決意を表した。
一同は音彦の歌に勇み立った。そして、豊国姫命が神姿を現すという中央の石の宝座に向かって天津祝詞を奏上し、宣伝歌を歌い終わった。
そこへ加米彦が息せき切って報告にやってきた。黒姫が、フサの国からやってきた高山彦という将軍と結婚し、共に軍勢を引き連れて真名井ケ原に攻め寄せてきたのであった。
音彦は青彦と加米彦に、ウラナイ教軍を言向け和すように命じ、自らは悦子姫とともに豊国姫命の神勅を乞うた。
加米彦、青彦が言霊を射照らすと、魔軍はばたばたと倒れ、高山彦は黒姫とともに馬に乗って遁走した。
二人が戻ってくると、悦子姫に豊国姫命が降臨して、神勅を降しつつあった。
ご神名は、豊雲野尊またの御名を豊国姫神という。
国治立大神と共にいったん地底の国に身を潜めていた。
再び地教山に現れた。
そして国土を修理固成しつつ時の至るのを待っていた。
天運循環し、天津神よりこの聖地を鎮座所と定められた。
この地に霊魂を止めて自転倒島はもとより、大八洲の国々に霊魂を配って世を永遠に守る。
鬼雲彦を使役していた八岐大蛇の片割れが、鬼ケ城に姿を隠して、聖地を窺っている。悦子姫、音彦、加米彦、青彦は進撃して敵を言向け和せ。
悦子姫らは豊国姫命の神勅により、鬼ケ城へ向かった。
音彦は、平助親子に祝詞と宣伝歌の力を説いて聞かせた。平助らは家路についた。(第9章へ続く)
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2026-10-01 17:02:57 文字数:4695 OBC :rm1706
愛善世界社版:79頁 八幡書店版:第3輯 553頁 修補版: 校定版:82頁 普及版:35頁 初版: ページ備考:
001 樹木(じゆもく)鬱蒼(うつさう)として生茂(おひしげ)れる四方(しはう)山(やま)に包(つつ)まれたる清浄(せいじやう)の境域(きやうゐき)に、002水晶(すゐしやう)の如(ごと)き水(みづ)は潺々(せんせん)として流(なが)れ、003処々(ところどころ)に青(あを)み立(た)ちたる清泉(せいせん)幾(いく)つとなく散在(さんざい)して居(ゐ)る。004中空(ちうくう)には容色(ようしよく)麗(うるは)しき天津(あまつ)乙女(おとめ)の七八(しちはち)人(にん)、005微妙(びめう)の音楽(おんがく)につれて右往(うわう)左往(さわう)に舞(ま)ひ狂(くる)ひ、006迦陵(がりよう)頻伽(びんか)、007鳳凰(ほうわう)、008孔雀(くじやく)の瑞鳥(ずゐちやう)相交(あひまじ)はりて前後(ぜんご)左右(さいう)に飛(と)び交(か)ふ様(さま)は、009天国(てんごく)浄土(じやうど)の大祭日(だいさいじつ)も斯(か)くやと思(おも)はるる許(ばか)りの壮観(さうくわん)なりき。010苔(こけ)生(む)す美(うる)はしき巌(いはほ)の上(うへ)に容色(ようしよく)端麗(たんれい)にして威儀(ゐぎ)儼然(げんぜん)たる一人(ひとり)の女性(ぢよせい)、011日(ひ)の丸(まる)の扇(あふぎ)を両手(りやうて)に持(も)ちて唄(うた)ひ居(を)れり。
012女性(悦子姫)『自転倒(おのころ)島(じま)は松(まつ)の国(くに)
013堅磐(かきは)常磐(ときは)に揺(ゆる)ぎなく
014御代(みよ)は平(たひ)らに安(やす)らかに
015国(くに)も豊(ゆたか)に治(をさ)まりて
016天下(てんか)泰平(たいへい)国土(こくど)成就(じやうじゆ)
017五穀(ごこく)成熟(せいじゆく)山(やま)青(あを)く
018水(みづ)清(きよ)く実(げ)に豊国姫(とよくにひめ)の
019神(かみ)の命(みこと)の知(し)らす世(よ)は
020天津(あまつ)御空(みそら)の神国(かみくに)か
021常世(とこよ)の春(はる)の永久(とこしへ)に
022栄(さか)え久(ひさ)しき松(まつ)の御代(みよ)
023天津(あまつ)神(かみ)たち国津(くにつ)神(かみ)
024万(よろづ)の神(かみ)等(たち)始(はじ)めとし
025百(もも)の民草(たみぐさ)押(お)し並(な)べて
026歓(えら)ぎ賑(にぎは)ふミロクの世(よ)
027天津(あまつ)乙女(おとめ)は天上(てんじやう)に
028錦(にしき)の袖(そで)を翻(ひるがへ)し
029鳥(とり)は万代(よろづよ)囀(うた)ひ舞(ま)ふ
030天(あめ)と地(つち)との水鏡(みづかがみ)
031真如(しんによ)の月(つき)を浮(うか)べつつ
032神(かむ)素盞嗚(すさのを)の大神(おほかみ)の
033此(この)世(よ)を清(きよ)め洗(あら)ひます
034瑞(みづ)の霊(みたま)は弥赫耀(いやちこ)に
035輝(かがや)き渡(わた)る大御代(おほみよ)の
036誉(ほまれ)目出度(めでた)き三五(あななひ)の
037神(かみ)の教(をしへ)の遠近(をちこち)に
038真名井(まなゐ)ケ原(はら)と鳴(な)り響(ひび)く
039豊国姫(とよくにひめ)の神霊(かむみたま)
040神(かむ)素盞嗚(すさのを)の瑞霊(みづみたま)
041野立(のだち)の彦(ひこ)や野立姫(のだちひめ)
042暗夜(やみよ)を照(て)らす日(ひ)の出別(でわけ)
043一度(いちど)に開(ひら)く木(こ)の花(はな)の
044咲耶(さくや)の姫(ひめ)の御(おん)神姿(すがた)
045青雲(あをくも)高(たか)き富士(ふじ)の山(やま)
046轟(とどろ)き鳴戸(なると)瀬戸(せと)の海(うみ)
047深(ふか)き恵(めぐ)みの神(かみ)の露(つゆ)
048潤(うるほ)ふ世(よ)こそ楽(たの)しけれ
049潤(うるほ)ふ世(よ)こそ楽(たの)しけれ
050春(はる)とは言(い)へど尚(まだ)寒(さむ)き
051四方(よも)の山々(やまやま)樹々(きぎ)の雪(ゆき)
052纒(まと)ひて謳(うた)ふ君(きみ)が御代(みよ)
053君(きみ)と臣(おみ)とは睦(むつ)び合(あ)ひ
054青人草(おほみたから)も服(まつろ)ひて
055世(よ)は永久(とこしへ)に栄(さか)え行(ゆ)く
056国治立(くにはるたち)の大神(おほかみ)の
057表(おもて)に現(あら)はれ知(し)らす世(よ)を
058松竹梅(まつたけうめ)の永久(とこしへ)に
059待(ま)つ間(ま)の長(なが)き鶴(つる)の首(くび)
060万代(よろづよ)祝(ことほ)ぐ緑毛(りよくまう)の
061亀(かめ)の齢(よはひ)の限(かぎ)りなく
062三五教(あななひけう)の神(かみ)の教(のり)
063千代(ちよ)に栄(さか)えよ永久(とことは)に
064幾億(いくおく)年(ねん)の末(すゑ)迄(まで)も
065動(うご)かぬ御代(みよ)と進(すす)み行(ゆ)け
066変(か)はらぬ御代(みよ)と開(ひら)け行(ゆ)け
067教(をしへ)の道(みち)は開(ひら)け行(ゆ)く
068御代(みよ)の扇(あふぎ)の末(すゑ)広(ひろ)く
069神(かみ)の御風(みかぜ)に靡(なび)く世(よ)を
070来(き)たさせ給(たま)へ惟神(かむながら)
071霊(みたま)幸倍(さちはへ)坐(ま)し坐世(ませ)よ
072アヽ惟神(かむながら)惟神(かむながら)
073霊(みたま)の幸(さち)を永久(とこしへ)に
074世人(よびと)の上(うへ)に悉(ことごと)く
075蒙(かむ)らせ給(たま)へ大御神(おほみかみ)
076豊国姫(とよくにひめ)の神霊(かむみたま)
077千代(ちよ)に八千代(やちよ)に祈(ね)ぎ奉(まつ)る』
078と自(みづか)ら謡(うた)ひ自(みづか)ら舞(ま)ひつつあるのは三五教(あななひけう)の宣伝使(せんでんし)悦子姫(よしこひめ)なりき。079音彦(おとひこ)は立(た)ち上(あが)り、
080音彦『高天原(たかあまはら)を追(やら)はれて
081地教(ちけう)の山(やま)に伊邪那美(いざなみ)の
082尊(みこと)に会(あ)はせ給(たま)ひつつ
083名(な)も高国別(たかくにわけ)と現(あら)はれし
084活津彦根(いくつひこね)と諸共(もろとも)に
085山河(やまかは)渡(わた)り野路(のぢ)を越(こ)え
086高山(たかやま)四方(よも)に廻(めぐ)らせる
087西蔵国(チベツトくに)を言向(ことむ)けて
088フサの国(くに)をば横断(わうだん)し
089ウブスナ山(やま)の頂(いただき)に
090斎苑(いそ)の宮居(みやゐ)を建(た)て給(たま)ひ
091熊野(くまの)樟日(くすび)の命(みこと)をば
092守護(まもり)の神(かみ)と定(さだ)めつつ
093神(かむ)素盞嗚(すさのを)の大神(おほかみ)は
094八洲(やしま)の国(くに)を悉(ことごと)く
095廻(めぐ)り給(たま)ひて今(いま)此処(ここ)に
096自転倒(おのころ)島(じま)に渡(わた)りまし
097由良(ゆら)の港(みなと)の国司(くにつかさ)
098秋山彦(あきやまひこ)の神館(かむやかた)に
099暫時(しばし)息(いき)をば休(やす)ませつ
100聖地(せいち)を指(さ)して出(い)で給(たま)ひ
101国武彦(くにたけひこ)の大神(おほかみ)に
102神政(しんせい)成就(じやうじゆ)の経綸(けいりん)を
103神(かむみ)議(はか)りに議(はか)らせつ
104東(あづま)を指(さ)して出(い)で給(たま)ふ
105後(あと)に残(のこ)りし英子姫(ひでこひめ)
106万代(よろづよ)祝(いは)ふ亀彦(かめひこ)の
107神(かみ)の命(みこと)は大江山(おほえやま)
108曲(まが)の猛(たけ)びを鎮(しづ)めむと
109悦子(よしこ)の姫(ひめ)を伴(ともな)ひて
110剣尖山(けんさきやま)の谷(たに)の底(そこ)
111由緒(ゆいしよ)も深(ふか)き霊泉(れいせん)に
112魂(たま)を清(きよ)めて皇神(すめかみ)の
113珍(うづ)の御舎(みあらか)仕(つか)へまし
114悦子(よしこ)の姫(ひめ)は青彦(あをひこ)を
115伴(とも)なひ再(ふたた)び大江山(おほえやま)の
116魔窟(まくつ)ケ原(はら)に来(き)て見(み)れば
117心(こころ)汚(きたな)き黒姫(くろひめ)の
118辻褄(つじつま)合(あ)はぬ繰言(くりごと)に
119言向(ことむ)け兼(か)ねて進(すす)み来(く)る
120心(こころ)も清(きよ)き雪(ゆき)の道(みち)
121天(あま)の橋立(はしだて)後(あと)に見(み)て
122駒(こま)に鞭(むちう)つ膝栗毛(ひざくりげ)
123此(この)音彦(おとひこ)も諸共(もろとも)に
124悦子(よしこ)の姫(ひめ)の後(あと)を追(お)ひ
125真名井(まなゐ)ケ原(はら)に来(き)て見(み)れば
126聞(き)きしに勝(まさ)る神(かみ)の園(その)
127天(あめ)の真名井(まなゐ)と名(な)にし負(お)ふ
128清(きよ)き流(なが)れに身禊(みそぎ)して
129瑞(みづ)の霊(みたま)となり代(かは)り
130四方(よも)の国々(くにぐに)島々(しまじま)に
131羽振(はぶ)りを利(き)かす曲神(まがかみ)を
132言(こと)むけ向和(やは)し神国(かみくに)の
133守護(まもり)の神(かみ)と現(あら)はれて
134瑞(みづ)の霊(みたま)に神習(かむなら)ひ
135御代(みよ)永久(とこしへ)に守(まも)るべし
136アヽ勇(いさ)ましし吾(わが)心(こころ)
137アヽ美(うる)はしき神(かみ)の庭(には)
138神(かみ)より生(あ)れし神(かみ)の子(こ)の
139務(つと)めを尽(つく)すは此(この)時(とき)ぞ
140神(かみ)の力(ちから)を世(よ)に広(ひろ)く
141輝(かがや)き照(て)らすは此(この)時(とき)ぞ
142アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
143霊(みたま)幸倍(さちはへ)坐世(ましませ)よ
144朝日(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
145月(つき)は盈(み)つとも虧(か)くるとも
146仮令(たとへ)大地(だいち)は沈(しづ)むとも
147神(かみ)の大道(おほぢ)は変(か)へざらめ
148誠(まこと)の道(みち)は外(はづ)さざれ
149容(みめ)も貌(かたち)も悦子姫(よしこひめ)
150聖(ひじり)の御代(みよ)に青彦(あをひこ)や
151万代(よろづよ)祝(いは)ふ加米彦(かめひこ)の
152身魂(みたま)照(て)らすは今(いま)なるぞ
153勇(いさ)み進(すす)みて皇神(すめかみ)の
154珍(うづ)の御業(みわざ)に仕(つか)へなむ
155珍(うづ)の御業(みわざ)に仕(つか)へなむ
156アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
157御霊(みたま)幸倍(さちはへ)坐世(ましませ)よ』
158 音彦(おとひこ)の此(この)歌(うた)に悦子姫(よしこひめ)を始(はじ)め一同(いちどう)は勇(いさ)み立(た)ち、159豊国姫(とよくにひめ)の時々(ときどき)神姿(しんし)を現(あら)はし給(たま)うてふ、160中央(ちうあう)の石(いし)の宝座(ほうざ)に向(むか)つて天津(あまつ)祝詞(のりと)を奏上(そうじやう)し、161宣伝歌(せんでんか)を謡(うた)ひ終(をは)る。162折(をり)しも息(いき)せききつて走(はし)り来(きた)る加米彦(かめひこ)は、
163加米彦『ハー悦子姫(よしこひめ)様(さま)、164音彦(おとひこ)さま、165青彦(あをひこ)さま、166その他(た)の御(ご)連中(れんちう)様(さま)、167御(ご)用心(ようじん)なされませ、168只今(ただいま)ウラナイ教(けう)の魔神(まがみ)の大将株(たいしやうかぶ)なる黒姫(くろひめ)は、169何時(いつ)の間(ま)にやら数多(あまた)の眷族(けんぞく)を駆(か)り集(あつ)め、170此(この)地(ち)に向(むか)つて攻(せ)め寄(よ)せ、171貴方(あなた)等(がた)を十重(とへ)二十重(はたへ)に取捲(とりま)き、172霊肉(れいにく)ともに殲滅(せんめつ)せしめむとの計略(けいりやく)整(ととの)へ、173時(とき)ならず此(この)場(ば)に向(むか)つて進撃(しんげき)し来(きた)る形勢(けいせい)歴然(れきぜん)たるもので御座(ござ)いますれば、174別条(べつでう)はありますまいが其(その)お考(かんがへ)えで居(ゐ)て下(くだ)さい。175仮令(たとへ)黒姫(くろひめ)幾千万(いくせんまん)の曲神(まがかみ)を引率(ひきつ)れ押寄(おしよ)せ来(きた)るとも、176此(この)加米彦(かめひこ)が円満(ゑんまん)清朗(せいろう)なる言霊(ことたま)の発射(はつしや)に依(よ)つて、177一人(ひとり)も残(のこ)らず言向(ことむ)け和(やは)すは案(あん)の内(うち)、178必(かなら)ず共(とも)に御(ご)油断(ゆだん)あるな』
179と息(いき)を喘(はづ)ませ物語(ものがた)る。
180音彦(おとひこ)『アハヽヽヽ、181黒姫(くろひめ)の奴(やつ)、182百計(ひやくけい)尽(つ)きて今度(こんど)は死物狂(しにものぐる)ひになりよつたな、183小人(せうじん)窮(きう)すれば乱(らん)すとかや。184ヤア之(これ)は面白(おもしろ)い面白(おもしろ)い、185それに就(つ)いても俄(にはか)に偉(えら)い元気(げんき)になつたものだナア』
186加米彦(かめひこ)『承(うけたま)はれば高姫(たかひめ)の肝煎(きもい)りにて、187フサの国(くに)より高山彦(たかやまひこ)と云(い)ふ勇将(ゆうしやう)、188数多(あまた)の軍勢(ぐんぜい)を引(ひ)き率(つ)れ来(きた)り、189黒姫(くろひめ)と結婚(けつこん)の式(しき)を挙(あ)げ勢力(せいりよく)を合(あは)して大団体(だいだんたい)を作(つく)り、190一挙(いつきよ)に素盞嗚(すさのをの)尊(みこと)の根拠地(こんきよち)たる、191真名井(まなゐ)ケ原(はら)を攻略(こうりやく)せむとの彼(かれ)等(ら)が計画(けいくわく)と承(うけたま)はる、192必(かなら)ず必(かなら)ず御(ご)油断(ゆだん)あるな』
193音彦(おとひこ)『アハヽヽヽ、194又(また)しても又(また)しても、195飛(と)んで火(ひ)に入(い)る夏(なつ)の虫(むし)か、196憐(あは)れな者(もの)だな。197青彦(あをひこ)、198汝(なんぢ)は加米彦(かめひこ)と共(とも)に、199言霊(ことたま)を以(もつ)て寄(よ)せ来(く)る敵(てき)を言向(ことむ)け和(やは)せ、200吾(われ)は悦子姫(よしこひめ)様(さま)と共(とも)に豊国姫(とよくにひめ)の降臨(かうりん)を仰(あふ)ぎ神勅(しんちよく)を乞(こ)はむ』
201青彦『委細(ゐさい)承知(しようち)仕(つかまつ)りました。202吾々(われわれ)二人(ふたり)ある限(かぎ)り仮令(たとへ)雲霞(うんか)の如(ごと)き大軍(たいぐん)一(いち)時(じ)に攻(せ)め寄(よ)せ来(きた)るとも、203言霊(ことたま)の速射砲(そくしやはう)を以(もつ)て鏖殺(みなごろ)しに仕(つかまつ)らむ、204アヽ面白(おもしろ)し面白(おもしろ)し』
205と勇(いさ)み喜(よろこ)ぶその健気(けなげ)さ。206悦子姫(よしこひめ)は声(こゑ)を掛(か)け、
207悦子姫『ヤア加米彦(かめひこ)殿(どの)、208青彦(あをひこ)殿(どの)、209妾(わらは)は皇(すめ)大神(おほかみ)の深(ふか)き御(ご)威霊(ゐれい)を賜(たまは)り、210最早(もはや)神変(しんぺん)自由(じいう)の神業(かむわざ)を修得(しうとく)したれば、211天下(てんか)に恐(おそ)るるものは何物(なにもの)もなし。212汝(なんぢ)等(ら)妾(わらは)に心(こころ)惹(ひ)かれず力(ちから)限(かぎ)り言霊(ことたま)を以(もつ)て奮戦(ふんせん)せよ』
213 加米彦(かめひこ)、214青彦(あをひこ)一度(いちど)に頭(かうべ)を下(さ)げ地上(ちじやう)に両手(りやうて)をつき、
215加米彦、青彦『委細(ゐさい)承知(しようち)仕(つかまつ)りました、216何分(なにぶん)宜敷(よろしく)御(お)願(ねが)ひ申(まを)す』
217と勇(いさ)み進(すす)みて此(この)場(ば)を立退(たちの)かむとする。218時(とき)しもあれ、219加米彦(かめひこ)の急報(きふはう)に違(たが)はず近(ちか)づき来(き)たる黒姫(くろひめ)が軍勢(ぐんぜい)、220高山彦(たかやまひこ)を先頭(せんとう)に旗鼓(きこ)堂々(だうだう)と此方(こなた)に向(むか)つて進(すす)み来(きた)る物々(ものもの)しさ。
221 加米彦(かめひこ)、222青彦(あをひこ)は寄(よ)せ来(く)る高山彦(たかやまひこ)の軍勢(ぐんぜい)に向(むか)ひ、
223加米彦、青彦『ヤア高山彦(たかやまひこ)、224御参(ござん)なれ、225身(み)の程(ほど)知(し)らぬ馬鹿者(ばかもの)共(ども)、226某(それがし)が言霊(ことたま)の速射砲(そくしやはう)にかかつて斃(くたば)るな』
227 高山彦(たかやまひこ)は馬背(ばはい)に跨(またが)り乍(なが)ら、
228高山彦『ヤア汝(なんぢ)は噂(うはさ)に聞(き)く木端(こつぱ)武者(むしや)の加米彦(かめひこ)とやら、229その広言(くわうげん)は後(あと)に致(いた)せ、230ヤアヤア者共(ものども)、231加米彦(かめひこ)、232青彦(あをひこ)に向(むか)つて進撃(しんげき)せよ』
233 常彦(つねひこ)、234菊若(きくわか)、235夏彦(なつひこ)、236富彦(とみひこ)、237岩高(いはたか)の大将株(たいしやうかぶ)は高山彦(たかやまひこ)の指図(さしづ)の許(もと)に、238各々(おのおの)数多(あまた)の部下(てした)を引率(ひきつ)れ、239二人(ふたり)の周囲(しうゐ)をバラバラと取(と)り囲(かこ)み、
240常彦ら『サア加米彦(かめひこ)、241青彦(あをひこ)、242其(その)他(た)の奴輩(やつばら)、243もう斯(か)うなつては叶(かな)ふまい、244此方(こなた)が刃(やいば)の錆(さび)とならむよりは、245一(いち)時(じ)も早(はや)く心(こころ)を改(あらた)め素盞嗚(すさのをの)尊(みこと)の邪教(じやけう)を捨(す)ててウラナイ教(けう)の誠(まこと)の道(みち)に帰順(きじゆん)致(いた)すか、246神(かみ)は汝(なんぢ)等(ら)を憐(あは)れみ給(たま)ふぞ、247我(が)を折(を)り降参(かうさん)致(いた)せば、248如何(いか)に反対(はんたい)せし悪(あく)の身魂(みたま)も赦(ゆる)して遣(つか)はす、249サア返答(へんたふ)は如何(どう)じや、250如何(いか)に汝(なんぢ)勇猛(ゆうまう)なりとて多勢(たぜい)に無勢(ぶぜい)、251最早(もはや)汝(なんぢ)が運(うん)の尽(つき)、252返答(へんたふ)如何(いか)に覚悟(かくご)は如何(どう)ぢや』
253と四方(しはう)八方(はつぱう)より抜刀(ぬきみ)を揃(そろ)へ攻(せ)めかかる、254加米彦(かめひこ)、255青彦(あをひこ)は一度(いちど)に高笑(たかわら)ひ、
256加米彦、青彦『アハヽヽヽ、257心(こころ)も黒(くろ)い色(いろ)も真黒々(まつくろくろ)の黒助(くろすけ)の黒姫(くろひめ)に加担(かたん)致(いた)す馬鹿者(ばかもの)共(ども)、258仮令(たとへ)幾万(いくまん)人(にん)攻(せ)め来(きた)る共(とも)蟷螂(たうらう)の斧(をの)を揮(ふる)つて竜車(りうしや)に向(むか)ふにも等(ひと)しき奴輩(やつばら)、259吾(わが)言霊(ことたま)の神力(しんりき)を見(み)よ』
260と云(い)ふより早(はや)く双手(もろて)を組(く)み一生(いつしやう)懸命(けんめい)に神霊(しんれい)の注射(ちうしや)をサーチライトの如(ごと)く指頭(しとう)より発射(はつしや)し、261右(みぎ)に左(ひだり)に向(むか)つて振(ふ)り廻(まは)せば、262数多(あまた)の寄(よ)せ手(て)は俄(にはか)に頭(かしら)痛(いた)み、263眩暈(めま)ひ、264舌(した)つり、265身体(しんたい)或(あるひ)は強直(きやうちよく)し或(あるひ)は痳痺(まひ)し、266ウンウンと呻声(うめきごゑ)を立(た)てて此(この)場(ば)にバタリと倒(たふ)れたり。267黒姫(くろひめ)は此(この)体(てい)を見(み)て高山彦(たかやまひこ)の馬(うま)に跨(またが)り、268馬上(ばじやう)に二人(ふたり)抱(いだ)き合(あ)ひ乍(なが)ら雲(くも)を霞(かすみ)と逃(に)げ行(ゆ)く可笑(をか)しさ。269加米彦(かめひこ)は打笑(うちわら)ひ、
270加米彦『アハヽヽヽ、271青彦(あをひこ)殿(どの)、272扨(さ)ても扨(さ)ても愉快(ゆくわい)な事(こと)では御座(ござ)らぬか、273吾々(われわれ)誠(まこと)の神(かみ)の教(をしへ)を伝(つた)ふる宣伝使(せんでんし)に向(むか)ひ、274傍若(ばうじやく)無人(ぶじん)にも凶器(きやうき)を携(たづさ)へ攻(せ)め来(きた)り、275脆(もろ)くも吾(わが)言霊(ことたま)の発射(はつしや)にザツクバラン、276身体(しんたい)竦(すく)み忽(たちま)ち地上(ちじやう)に倒(たふ)れて藻掻(もが)く可笑(をか)しさ、277それに付(つ)けても一層(いつそう)面白(おもしろ)きは黒姫(くろひめ)、278高山彦(たかやまひこ)の両人(りやうにん)、279味方(みかた)を見捨(みすて)て逃(に)げ行(ゆ)く狼狽(うろた)へさ加減(かげん)、280何(なん)と愉快(ゆくわい)では御座(ござ)らぬか』
281青彦(あをひこ)『アハヽヽヽ、282実(じつ)に愉快(ゆくわい)ですな、283矢張(やつぱり)三五教(あななひけう)は違(ちが)ひますよ』
284加米彦(かめひこ)『貴方(あなた)も、285もう高姫(たかひめ)のウラナイ教(けう)には、286よもや後戻(あともど)りは成(な)されますまいなア』
287青彦(あをひこ)『仮令(たとへ)大地(だいち)が覆(か)へるとも変(かは)つてなりませうか』
288加米彦(かめひこ)『サア、289何(なん)とも分(わか)らぬ、290まだお前(まへ)さまの言霊(ことたま)には少(すこ)し許(ばか)り濁(にご)りがある、291その濁(にご)りの分(ぶん)がまだウラナイ教(けう)に執着心(しふちやくしん)があるのだ』
292青彦(あをひこ)『殺生(せつしやう)な事(こと)を言(い)つて下(くだ)さるな、293其(その)濁(にご)りはウラナイ教(けう)の信仰(しんかう)の惰力(だりよく)でせう。294もう暫(しば)らくお待(ま)ち下(くだ)さらば本当(ほんたう)の言霊(ことたま)が出(で)る様(やう)になりませう』
295加米彦(かめひこ)『それは兎(と)も角(かく)、296悦子姫(よしこひめ)様(さま)、297音彦(おとひこ)さまがお待(ま)ち兼(か)ねでせう、298サアサア早(はや)く霊場(れいぢやう)へ引(ひ)き返(かへ)しませう』
299と先(さき)に立(た)つて行(ゆ)く。300悦子姫(よしこひめ)は音彦(おとひこ)の審神(さには)の許(もと)に豊国姫(とよくにひめ)の神(かみ)の御(ご)降臨(かうりん)の最中(さいちう)なりける。
301音彦(おとひこ)『只今(ただいま)悦子姫(よしこひめ)の肉(にく)の宮(みや)に懸(かか)らせ給(たま)ふ大神(おほかみ)は何(いづ)れの神(かみ)に坐(ま)しますぞ、302仰(あふ)ぎ願(ねが)はくば御名(みな)を名乗(なの)らせ給(たま)へ、303某(それがし)は三五教(あななひけう)の宣伝使(せんでんし)音彦(おとひこ)の審神者(さには)に御座(ござ)います、304神界(しんかい)の思召(おぼしめし)、305何卒(なにとぞ)委細(つぶさ)に吾(われ)等(ら)に仰(あふ)せ聞(き)けられ下(くだ)されますれば有難(ありがた)う御座(ござ)います』
306神懸者(しんけんしや)(悦子姫)『我(われ)は豊雲野(とよくもぬの)尊(みこと)、307又(また)の御名(みな)豊国姫(とよくにひめ)の神(かみ)なるぞ、308国治立(くにはるたち)の大神(おほかみ)と共(とも)に一旦(いつたん)地底(ちてい)の国(くに)に身(み)を潜(ひそ)め、309再(ふたた)び地教(ちけう)の山(やま)に現(あら)はれて、310大海原(おほうなばら)に漂(ただよ)へる国土(くぬち)を修理(つくり)固成(かため)なしつつ時(とき)の至(いた)るを待(ま)ち居(ゐ)たりしに、311天運(てんうん)循環(じゆんかん)して天津(あまつ)神(かみ)より此(この)聖地(せいち)を我(わが)鎮座所(すみか)と神定(かむさだ)め給(たま)ひたり。312我(われ)は此(この)地(ち)に霊魂(みたま)を止(とど)め自転倒(おのころ)島(じま)はいふも更(さら)なり、313大八洲(おほやしま)の国々(くにぐに)島々(しまじま)に我(わが)霊魂(みたま)を配(くば)り置(お)きて世(よ)を永久(とこしへ)に守(まも)らむ。314汝(なんぢ)は之(これ)より鬼雲彦(おにくもひこ)を使役(しえき)しつつありし八岐(やまた)大蛇(をろち)の片割(かたわ)れ鬼(おに)ケ城(じやう)山(ざん)に姿(すがた)を隠(かく)し時(とき)を窺(うかが)ひ、315聖地(せいち)を蹂躙(じうりん)せむとしつつあれば一日(ひとひ)も早(はや)く此(この)場(ば)を立(た)ち去(さ)り、316加米彦(かめひこ)、317青彦(あをひこ)を引率(ひきつ)れ此(この)比治山(ひぢやま)の峰伝(みねづた)ひに鬼(おに)ケ城(じやう)山(ざん)に向(むか)へよ、318我(われ)は汝(なんぢ)が影身(かげみ)に添(そ)ひ、319太(ふと)しき功勲(いさを)を永久(とこしへ)に立(た)てさせむ、320必(かなら)ず必(かなら)ず案(あん)じ煩(わづら)ふな、321仮令(たとへ)幾千万(いくせんまん)の曲神(まがかみ)攻(せ)め来(きた)るとも屈(くつ)するな、322恐(おそ)るるな、323神(かみ)を力(ちから)に誠(まこと)を杖(つゑ)に善(よ)く戦(たたか)へ、324誠(まこと)の鉾(ほこ)を執(と)つて敵(てき)を言向(ことむ)け和(やは)せよ、325又(また)此(この)聖地(せいち)は我(わが)霊魂(みたま)永久(とことは)に守(まも)りあれば後(あと)に心(こころ)を残(のこ)す事(こと)なく一刻(いつこく)も早(はや)く此処(ここ)を立(た)ち出(い)でよ。326加米彦(かめひこ)、327青彦(あをひこ)、328汝(なんぢ)等(ら)も音彦(おとひこ)と共(とも)に鬼(おに)ケ城(じやう)に向(むか)つて進撃(しんげき)せよ』
329音彦(おとひこ)『委細(ゐさい)承知(しようち)仕(つかまつ)りました、330いざ之(これ)よりは悦子姫(よしこひめ)様(さま)を先頭(せんとう)に吾々(われわれ)一同(いちどう)時(とき)を移(うつ)さず、331八岐(やまた)大蛇(をろち)の退治(たいぢ)に立(た)ち向(むか)ひませう、332何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)御(ご)守護(しゆご)を仰(あふ)ぎ奉(たてまつ)る』
333豊国姫(とよくにひめ)『何事(なにごと)も神(かみ)に任(まか)せ汝(なんぢ)等(ら)が力(ちから)のあらむ限(かぎ)り誠(まこと)を尽(つく)せよ』
334と云(い)ひ残(のこ)し神(かむ)あがり給(たま)ひければ、335悦子姫(よしこひめ)は初(はじ)めて正気(しやうき)に復(かへ)り、
336悦子姫『アヽ有難(ありがた)し有難(ありがた)し、337大神(おほかみ)の御(ご)降臨(かうりん)、338サア音彦(おとひこ)殿(どの)、339その他(た)御(ご)一同(いちどう)様(さま)、340鬼(おに)ケ城(じやう)に時(とき)を移(うつ)さず神勅(しんちよく)のまにまに向(むか)ひませう』
341音彦、青彦『委細(ゐさい)承知(しようち)仕(つかまつ)りました、342左様(さやう)ならば之(これ)より参(まゐ)りませう』
343加米彦(かめひこ)『サア平助(へいすけ)、344お楢(なら)、345お節(せつ)どの、346御(ご)苦労(くらう)でありました、347之(これ)でお別(わか)れ致(いた)しませう』
348平助(へいすけ)『私(わたくし)達(たち)は之(これ)から貴方(あなた)等(がた)に別(わか)れて後(あと)は如何(どう)致(いた)しませう、349只今(ただいま)の如(ごと)く数多(あまた)の軍勢(ぐんぜい)押(お)し寄(よ)せ来(きた)らば、350吾々(われわれ)は如何(いかん)とも防(ふせ)ぎ戦(たたか)ふ事(こと)は出来(でき)ませぬ、351何卒(なにとぞ)吾々(われわれ)も一緒(いつしよ)に連(つ)れて行(い)つて下(くだ)さいませぬかナア』
352音彦(おとひこ)『ヤ、353それはなりませぬ、354然(しか)し乍(なが)ら如何(いか)なる敵(てき)も御(ご)心配(しんぱい)遊(あそ)ばすな、355叶(かな)はぬ時(とき)は三五教(あななひけう)の祝詞(のりと)を奏上(そうじやう)し宣伝歌(せんでんか)をお謡(うた)ひなさい。356さすれば如何(いか)なる強敵(きやうてき)も雲(くも)を霞(かすみ)と逃(に)げ去(さ)つて仕舞(しま)ひます、357之(これ)が神歌(しんか)の功力(くりき)であります。358左様(さやう)なら、359親爺(おやぢ)どの、360婆(ば)アさま娘子(むすめご)、361御縁(ごえん)があらば又(また)御(お)目(め)に懸(かか)らう』
362と左右(さいう)に分(わか)れ比治山(ひぢやま)の嶺伝(みねづた)ひに南(みなみ)を指(さ)して宣伝歌(せんでんか)を謡(うた)ひつつ一行(いつかう)四(よ)人(にん)は進(すす)み行(ゆ)く。363平助(へいすけ)親子(おやこ)三(さん)人(にん)は名残(なごり)を惜(をし)みつつ、364トボトボと家路(いへぢ)を指(さ)して帰(かへ)り行(ゆ)く。
365(大正一一・四・二一 旧三・二五 北村隆光録)
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