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霊界物語
如意宝珠(第13~24巻)
第17巻(辰の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 雪山幽谷
第1章 黄金の衣
第2章 魔の窟
第3章 生死不明
第4章 羽化登仙
第5章 誘惑婆
第6章 瑞の宝座
第2篇 千態万様
第7章 枯尾花
第8章 蚯蚓の囁
第9章 大逆転
第10章 四百種病
第11章 顕幽交通
第3篇 鬼ケ城山
第12章 花と花
第13章 紫姫
第14章 空谷の足音
第15章 敵味方
第16章 城攻
第17章 有終の美
霊の礎(三)
暁山雲(謡曲)
余白歌
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霊界物語
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第17巻(辰の巻)
> 第3篇 鬼ケ城山 > 第17章 有終の美
<<< 城攻
(B)
(N)
霊の礎(三) >>>
第一七章
有終
(
いうしう
)
の
美
(
び
)
〔六二八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第17巻 如意宝珠 辰の巻
篇:
第3篇 鬼ケ城山
よみ(新仮名遣い):
おにがじょうざん
章:
第17章 有終の美
よみ(新仮名遣い):
ゆうしゅうのび
通し章番号:
628
口述日:
1922(大正11)年04月23日(旧03月27日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年1月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
常彦は、随所に滑稽をちりばめつつ、鬼熊別に降伏を促す宣伝歌を歌う。防戦の馬彦は、どっちの味方かわからない歌を歌い、攻撃側の加米彦に冷やかされる。
青彦が改心を促す宣伝歌を歌うと、それに応じて荒鷹が歌を返すが、その歌は、今まで自分が使えた鬼熊別・蜈蚣姫に改心を促す歌になっていた。
続いて音彦が宣伝歌を歌い、鬼鷹がそれに応じた。鬼鷹はこれまでの悪行を悔いて、瑞霊の恵みに立ち返るよう促す歌を歌い、天地に向かって合掌しつつ、嬉し涙を流しながらその場に倒れた。
鬼熊別の部下たちも、鬼鷹の歌に感激して大地にひれ伏した。続いて紫姫、悦子姫が宣伝歌を歌った。すると鬼ケ城の高殿から火煙が上がった。見ると、鬼熊別と蜈蚣姫は天の岩船に乗り込んで東方の天に逃げて行った。
敵味方の士卒たちは三五教万歳の声を張り上げた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-02-14 01:04:22
OBC :
rm1717
愛善世界社版:
267頁
八幡書店版:
第3輯 622頁
修補版:
校定版:
275頁
普及版:
119頁
初版:
ページ備考:
001
常彦
(
つねひこ
)
『
世
(
よ
)
は
常暗
(
とこやみ
)
と
成
(
な
)
り
果
(
は
)
てて
002
鬼
(
おに
)
や
大蛇
(
をろち
)
や
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
003
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
をば
横行
(
わうかう
)
し
004
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
風
(
かぜ
)
は
腥
(
なまぐさ
)
く
005
歎
(
なげ
)
き
悲
(
かな
)
しむ
人
(
ひと
)
の
声
(
こゑ
)
006
鬼
(
おに
)
の
棲
(
す
)
むてふ
大江山
(
おほえやま
)
007
憂
(
うき
)
を
三嶽
(
みたけ
)
の
岩窟
(
いはやど
)
に
008
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
片腕
(
かたうで
)
と
009
誇
(
ほこ
)
り
顔
(
がほ
)
なる
鬼鷹
(
おにたか
)
や
010
情
(
なさけ
)
容赦
(
ようしや
)
も
荒鷹
(
あらたか
)
の
011
爪
(
つめ
)
研
(
と
)
ぎすまし
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
を
012
見付
(
みつ
)
け
次第
(
しだい
)
に
引攫
(
ひつつか
)
み
013
岩窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
へと
連
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
り
014
人
(
ひと
)
を
悩
(
なや
)
ます
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
015
それさへあるに
鬼
(
おに
)
ケ
城
(
じやう
)
の
016
数多
(
あまた
)
の
部下
(
てした
)
を
従
(
したが
)
へて
017
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
をば
吾儘
(
わがまま
)
に
018
振
(
ふ
)
る
舞
(
ま
)
ひ
暮
(
くら
)
す
曲霊
(
まがみたま
)
019
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
020
それに
連
(
つ
)
れ
添
(
そ
)
ふ
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
021
数多
(
あまた
)
の
魔神
(
まがみ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
022
バラモン
教
(
けう
)
の
教理
(
けうり
)
をば
023
世人
(
よびと
)
欺
(
あざむ
)
く
種
(
たね
)
となし
024
男
(
をとこ
)
、
女
(
をんな
)
の
嫌
(
きら
)
ひなく
025
暇
(
ひま
)
さへあれば
引捕
(
ひつとら
)
へ
026
己
(
おの
)
が
棲処
(
すみか
)
へ
連
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
り
027
無理
(
むり
)
往生
(
わうじやう
)
に
部下
(
ぶか
)
となし
028
日
(
ひ
)
に
日
(
ひ
)
にまさる
頭数
(
あたまかず
)
029
烏合
(
うがふ
)
の
衆
(
しう
)
を
駆
(
か
)
り
集
(
あつ
)
め
030
世
(
よ
)
を
驚
(
おどろ
)
かす
空威張
(
からゐば
)
り
031
山砦
(
とりで
)
は
立派
(
りつぱ
)
に
見
(
み
)
ゆれども
032
その
内実
(
ないじつ
)
は
反比例
(
はんぴれい
)
033
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いてもガタガタと
034
障子
(
しやうじ
)
は
踊
(
をど
)
る
戸
(
と
)
は
叫
(
さけ
)
ぶ
035
柱
(
はしら
)
はグキグキ
泣
(
な
)
き
出
(
いだ
)
す
036
一寸
(
ちよつと
)
の
風
(
かぜ
)
にも
屋根
(
やね
)
の
皮
(
かは
)
037
剥
(
む
)
けて
忽
(
たちま
)
ち
雨
(
あめ
)
が
漏
(
も
)
る
038
コンナ
山砦
(
とりで
)
を
偉相
(
えらさう
)
に
039
難攻
(
なんこう
)
不落
(
ふらく
)
の
鉄城
(
てつじやう
)
と
040
誇
(
ほこ
)
る
奴
(
やつ
)
等
(
ら
)
の
気
(
き
)
が
知
(
し
)
れぬ
041
鼻
(
はな
)
の
糞
(
くそ
)
にて
的
(
まと
)
貼
(
は
)
つた
042
様
(
やう
)
な
要害
(
えうがい
)
何
(
なん
)
になる
043
三五教
(
あななひけう
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
044
忽
(
たちま
)
ち
城
(
しろ
)
は
滅茶
(
めちや
)
々々
(
めちや
)
に
045
砕
(
くだ
)
けて
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
す
曲津
(
まがつ
)
共
(
ども
)
046
蜘蛛
(
くも
)
の
子
(
こ
)
ちらす
其
(
そ
)
の
如
(
ごと
)
く
047
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
に
散乱
(
さんらん
)
し
048
這
(
は
)
うて
逃行
(
にげゆ
)
く
可笑
(
をか
)
しさは
049
他所
(
よそ
)
の
見
(
み
)
る
目
(
め
)
も
哀
(
あは
)
れなり
050
ドツコイ
待
(
ま
)
つたそれや
先
(
さき
)
ぢや
051
今
(
いま
)
は
鬼鷹
(
おにたか
)
荒鷹
(
あらたか
)
が
052
死力
(
しりよく
)
を
竭
(
つく
)
して
防戦
(
ばうせん
)
の
053
真最中
(
まつさいちう
)
のお
気苦労
(
きぐらう
)
054
遥
(
はるか
)
に
察
(
さつ
)
し
奉
(
たてまつ
)
る
055
もう
良
(
よ
)
い
加減
(
かげん
)
に
我
(
が
)
を
折
(
お
)
つて
056
運
(
うん
)
の
尽
(
つ
)
きたる
此
(
この
)
城
(
しろ
)
を
057
綺麗
(
きれい
)
薩張
(
さつぱり
)
引
(
ひ
)
き
渡
(
わた
)
せ
058
花
(
はな
)
も
実
(
み
)
もある
其
(
その
)
間
(
うち
)
に
059
渡
(
わた
)
すが
利巧
(
りかう
)
なやり
方
(
かた
)
ぞ
060
人
(
ひと
)
を
助
(
たす
)
ける
宣伝使
(
せんでんし
)
061
相互
(
たがひ
)
の
為
(
ため
)
にならぬ
様
(
やう
)
な
062
下手
(
へた
)
な
事
(
こと
)
をば
申
(
まを
)
さない
063
サアサア
如何
(
どう
)
ぢや、さア
如何
(
どう
)
ぢや
064
返答
(
へんたふ
)
聞
(
き
)
かせ
早
(
はや
)
う
聞
(
き
)
かせ
065
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
066
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
067
仮令
(
たとへ
)
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
かかるとも
068
三五教
(
あななひけう
)
の
言霊
(
ことたま
)
の
069
続
(
つづ
)
く
限
(
かぎ
)
りは
攻
(
せ
)
めかける
070
水攻
(
みづぜ
)
め
火攻
(
ひぜ
)
めはまだ
愚
(
おろか
)
071
地震
(
ぢしん
)
雷
(
かみなり
)
火
(
ひ
)
の
車
(
くるま
)
072
大洪水
(
だいこうずゐ
)
は
宵
(
よひ
)
の
口
(
くち
)
073
それより
怖
(
こは
)
ひ
俺
(
おれ
)
の
口
(
くち
)
074
口
(
くち
)
惜
(
を
)
しからうが
我
(
が
)
を
折
(
お
)
つて
075
素直
(
すなほ
)
に
降参
(
かうさん
)
するが
良
(
よ
)
い
076
宵
(
よひ
)
に
企
(
たく
)
みた
梟鳥
(
ふくろどり
)
077
夜食
(
やしよく
)
に
外
(
はづ
)
れてつまらない
078
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
るのが
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ぢや
079
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
080
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
081
只
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
三五
(
あななひ
)
の
082
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
吾々
(
われわれ
)
は
083
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
す
084
深
(
ふか
)
き
恵
(
めぐみ
)
に
省
(
かへり
)
みて
085
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
家来
(
けらい
)
ども
086
胸
(
むね
)
の
戸
(
と
)
開
(
ひら
)
いてさらさらと
087
醜
(
しこ
)
の
岩窟
(
いはや
)
を
明
(
あ
)
け
渡
(
わた
)
せ
088
渡
(
わた
)
る
浮世
(
うきよ
)
に
鬼
(
おに
)
は
無
(
な
)
い
089
泣
(
な
)
いて
暮
(
くら
)
すも
一生
(
いつしやう
)
ぢや
090
怒
(
おこ
)
つて
暮
(
くら
)
すも
一生
(
いつしやう
)
ぢや
091
笑
(
わら
)
うて
暮
(
くら
)
せ
鬼
(
おに
)
ケ
城
(
じやう
)
092
笑
(
わら
)
ふ
門
(
かど
)
には
福
(
ふく
)
が
来
(
く
)
る
093
鬼
(
おに
)
は
仏
(
ほとけ
)
と
早変
(
はやがは
)
り
094
仏
(
ほとけ
)
は
神
(
かみ
)
と
出世
(
しゆつせ
)
する
095
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
096
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立
(
た
)
て
別
(
わ
)
ける
097
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
立替
(
たてかへ
)
立別
(
たてわけ
)
の
098
出
(
で
)
て
来
(
く
)
る
迄
(
まで
)
に
逸早
(
いちはや
)
く
099
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
子
(
こ
)
と
生
(
うま
)
れたる
100
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
家来
(
けらい
)
共
(
ども
)
101
叶
(
かな
)
はぬ
時
(
とき
)
の
神頼
(
かみだの
)
み
102
もう
斯
(
か
)
うなつては
百年目
(
ひやくねんめ
)
103
早
(
はや
)
く
山砦
(
とりで
)
を
明
(
あ
)
け
渡
(
わた
)
せ
104
此
(
この
)
常彦
(
つねひこ
)
が
気
(
き
)
をつける
105
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
106
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
坐世
(
ましませ
)
よ』
107
夏彦
(
なつひこ
)
『
何
(
なん
)
だ、
108
常彦
(
つねひこ
)
、
109
俺
(
おれ
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
随分
(
ずゐぶん
)
冷
(
ひや
)
かしたが
貴様
(
きさま
)
の
言霊
(
ことたま
)
は
何
(
なん
)
だ、
110
長
(
なが
)
い
長
(
なが
)
い
大蛇
(
だいじや
)
の
様
(
やう
)
なぬるぬるとした、
111
蜒
(
くね
)
り
さがした
骨無
(
ほねな
)
し
歌
(
うた
)
ぢやないか』
112
常彦
(
つねひこ
)
『きまつた
事
(
こと
)
だ、
113
先方
(
むかふ
)
が
大蛇
(
をろち
)
の
身魂
(
みたま
)
だから
此方
(
こちら
)
もぬるぬると
長
(
なが
)
く
攻
(
せめ
)
かけたのだよ』
114
加米彦
(
かめひこ
)
『
何
(
なん
)
だか
根
(
ね
)
つから
能
(
よ
)
う
分
(
わか
)
る
言霊
(
ことたま
)
だつた、
115
之
(
これ
)
には
流石
(
さすが
)
の
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
も
胆
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
して
腹
(
はら
)
を
抱
(
かか
)
へて
笑
(
わら
)
ひ
転
(
こ
)
けるであらう、
116
アハヽヽヽ』
117
馬公
(
うまこう
)
は
岩窟
(
いはや
)
の
高欄
(
かうらん
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
ち、
118
怪
(
あや
)
しき
身振
(
みぶ
)
りをし
乍
(
なが
)
ら
謡
(
うた
)
ひ
初
(
はじ
)
めた。
119
馬公
『
花
(
はな
)
の
都
(
みやこ
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
120
馬
(
うま
)
と
鹿
(
しか
)
との
二人
(
ふたり
)
連
(
づ
)
れ
121
紫姫
(
むらさきひめ
)
のお
伴
(
とも
)
して
122
比沼
(
ひぬ
)
の
真名井
(
まなゐ
)
に
詣
(
まう
)
でむと
123
遥々
(
はるばる
)
やつて
来
(
き
)
た
折
(
をり
)
に
124
バラモン
教
(
けう
)
の
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
と
125
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でたる
鬼鷹
(
おにたか
)
や
126
心
(
こころ
)
の
荒
(
あら
)
き
荒鷹
(
あらたか
)
の
127
二人
(
ふたり
)
の
奴
(
やつ
)
にうまうまと
128
口
(
くち
)
の
車
(
くるま
)
に
乗
(
の
)
せられて
129
馬
(
うま
)
と
鹿
(
しか
)
との
両人
(
りやうにん
)
は
130
馬鹿
(
ばか
)
にしられて
三嶽山
(
みたけやま
)
131
岩窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
に
放
(
ほ
)
りこまれ
132
泣
(
な
)
いて
怒
(
おこ
)
つて
暮
(
くら
)
す
中
(
うち
)
133
折
(
をり
)
も
悦子
(
よしこ
)
のお
姫
(
ひめ
)
さま
134
音彦
(
おとひこ
)
さまや
加米彦
(
かめひこ
)
の
135
二人
(
ふたり
)
の
取次
(
とりつぎ
)
従
(
したが
)
へて
136
岩窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
に
御
(
ご
)
入来
(
じうらい
)
137
折
(
をり
)
よく
私
(
わたし
)
は
助
(
たす
)
けられ
138
忽
(
たちま
)
ち
変
(
かは
)
る
三五
(
あななひ
)
の
139
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
信徒
(
まめひと
)
と
140
なつて
嬉
(
うれ
)
しき
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
は
141
鬼
(
おに
)
の
棲
(
す
)
まへる
鬼
(
おに
)
ケ
城
(
じやう
)
142
言霊戦
(
ことたません
)
に
加
(
くは
)
はりて
143
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
土手
(
どて
)
つ
腹
(
ぱら
)
144
突
(
つ
)
いて
突
(
つ
)
いて
突
(
つ
)
き
捲
(
まく
)
り
145
オツトドツコイこら
違
(
ちご
)
うた
146
心
(
こころ
)
の
裡
(
うち
)
は
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
147
表
(
おもて
)
は
矢張
(
やつぱり
)
鬼
(
おに
)
ケ
城
(
じやう
)
148
鬼
(
おに
)
の
味方
(
みかた
)
になり
居
(
を
)
れと
149
悦子
(
よしこ
)
の
姫
(
ひめ
)
が
仰有
(
おつしや
)
つた
150
かねて
定
(
さだ
)
めた
八百長
(
やほちやう
)
の
151
此
(
この
)
言霊
(
ことたま
)
の
戦
(
たたか
)
ひに
152
敵
(
てき
)
と
味方
(
みかた
)
の
区別
(
くべつ
)
なく
153
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
し
三五
(
あななひ
)
の
154
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
敷島
(
しきしま
)
の
155
大和
(
やまと
)
島根
(
しまね
)
はまだ
愚
(
おろか
)
156
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
瑞穂国
(
みづほくに
)
157
国
(
くに
)
の
八十国
(
やそくに
)
八十
(
やそ
)
の
島
(
しま
)
158
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
159
開
(
ひら
)
いてちりて
実
(
み
)
を
結
(
むす
)
ぶ
160
結
(
むす
)
ぶ
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
縁
(
えん
)
161
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
大頭
(
おほあたま
)
162
お
色
(
いろ
)
の
黒
(
くろ
)
い
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
163
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
村肝
(
むらきも
)
の
164
心
(
こころ
)
の
鬼
(
おに
)
を
追
(
お
)
ひ
出
(
いだ
)
し
165
神
(
かみ
)
に
貰
(
もら
)
うた
真心
(
まごころ
)
に
166
早
(
はや
)
く
復
(
かへ
)
つて
下
(
くだ
)
されや
167
馬公
(
うまこう
)
が
一生
(
いつしやう
)
のお
頼
(
たの
)
みぢや
168
荒鷹
(
あらたか
)
改心
(
かいしん
)
するならば
169
敵
(
てき
)
も
味方
(
みかた
)
もありはせぬ
170
天下
(
てんか
)
泰平
(
たいへい
)
無事
(
ぶじ
)
安穏
(
あんをん
)
171
千秋
(
せんしう
)
万歳
(
ばんざい
)
万々歳
(
ばんばんざい
)
172
散
(
ち
)
らぬ
萎
(
しほ
)
れぬ
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
く
173
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
174
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
175
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
176
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
177
神
(
かみ
)
のお
道
(
みち
)
は
変
(
かは
)
らない
178
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
は
二
(
ふた
)
つない
179
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つに
立
(
た
)
ち
復
(
かへ
)
り
180
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
てら
)
されて
181
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
に
潤
(
うるほ
)
へよ
182
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
や
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
183
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
184
音彦
(
おとひこ
)
加米彦
(
かめひこ
)
青彦
(
あをひこ
)
よ
185
お
前
(
まへ
)
も
一寸
(
ちよつと
)
我
(
が
)
が
強
(
つよ
)
い
186
序
(
ついで
)
に
言霊
(
ことたま
)
放
(
はな
)
し
置
(
お
)
く
187
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
188
霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
坐世
(
ましませ
)
よ』
189
鹿公
(
しかこう
)
『アハヽヽヽ、
190
オイ
馬
(
うま
)
、
191
貴様
(
きさま
)
は
何方
(
どちら
)
に
向
(
むか
)
つて
言霊戦
(
ことたません
)
をやつたのだ、
192
貴様
(
きさま
)
余程
(
よつぽど
)
筒井
(
つつゐ
)
式
(
しき
)
だな』
193
馬公
(
うまこう
)
『きまつた
事
(
こと
)
だ、
194
味方
(
みかた
)
をつついたり、
195
敵
(
てき
)
をつついたりするから
つつい
式
(
しき
)
だよ、
196
旗色
(
はたいろ
)
の
良
(
よ
)
い
方
(
はう
)
へつくのが
当世
(
たうせい
)
の
処世法
(
しよせいほふ
)
だ、
197
オツトドツコイ
戦略
(
せんりやく
)
だよ、
198
ハヽヽヽ』
199
攻撃軍
(
こうげきぐん
)
の
青彦
(
あをひこ
)
は
敵城
(
てきじやう
)
に
向
(
むか
)
ひ、
200
又
(
また
)
もや
立
(
た
)
つて
言霊
(
ことたま
)
の
発射
(
はつしや
)
を
開始
(
かいし
)
する。
201
青彦
『
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
202
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
宣
(
の
)
べ
伝
(
つた
)
ふ
203
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
たる
青彦
(
あをひこ
)
が
204
之
(
これ
)
の
山砦
(
とりで
)
の
司神
(
つかさがみ
)
205
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
や
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
206
二人
(
ふたり
)
の
君
(
きみ
)
に
物申
(
ものまを
)
す
207
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
との
其
(
その
)
中
(
なか
)
に
208
生
(
いき
)
とし
生
(
い
)
ける
者
(
もの
)
皆
(
みな
)
は
209
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
210
青人草
(
おほみたから
)
と
称
(
たた
)
へられ
211
神
(
かみ
)
の
御業
(
みわざ
)
をそれぞれに
212
御仕
(
みつか
)
へまつる
者
(
もの
)
ぞかし
213
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
も
天地
(
あめつち
)
の
214
神
(
かみ
)
の
霊魂
(
みたま
)
を
受
(
う
)
け
給
(
たま
)
ひ
215
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
生
(
あ
)
れし
者
(
もの
)
なれば
216
人
(
ひと
)
の
憫
(
あは
)
れを
顧
(
かへり
)
みて
217
善
(
よし
)
と
悪
(
あし
)
とを
推
(
お
)
し
量
(
はか
)
り
218
世人
(
よびと
)
を
救
(
すく
)
ふ
其
(
その
)
為
(
た
)
めに
219
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
立
(
た
)
ち
復
(
かへ
)
れ
220
それに
従
(
したが
)
ふ
人々
(
ひとびと
)
よ
221
バラモン
教
(
けう
)
の
神
(
かみ
)
の
教
(
のり
)
222
心
(
こころ
)
一
(
ひと
)
つに
励
(
いそ
)
しみて
223
仕
(
つか
)
へ
給
(
たま
)
ふは
良
(
よ
)
けれども
224
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
を
取違
(
とりちが
)
へ
225
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずの
其
(
その
)
中
(
うち
)
に
226
曲津
(
まがつ
)
の
神
(
かみ
)
の
容器
(
いれもの
)
と
227
成
(
な
)
らせ
給
(
たま
)
ひて
天地
(
あめつち
)
の
228
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
許々多久
(
ここたく
)
の
229
罪
(
つみ
)
をば
重
(
かさ
)
ね
世
(
よ
)
を
穢
(
けが
)
し
230
根底
(
ねそこ
)
の
国
(
くに
)
の
苦
(
くるし
)
みを
231
受
(
う
)
けさせ
給
(
たま
)
ふ
事
(
こと
)
あらば
232
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
はいかでか
忍
(
しの
)
びむや
233
天
(
てん
)
を
父
(
ちち
)
とし
地
(
ち
)
を
母
(
はは
)
と
234
仰
(
あふ
)
ぎ
生
(
うま
)
れし
人
(
ひと
)
の
子
(
こ
)
は
235
皆
(
みな
)
兄弟
(
はらから
)
よ
姉妹
(
おとどひ
)
よ
236
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
神直日
(
かむなほひ
)
237
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
238
神
(
かみ
)
の
真道
(
まみち
)
に
立復
(
たちかへ
)
り
239
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
にのりかへて
240
今迄
(
いままで
)
尽
(
つく
)
せし
曲業
(
まがわざ
)
を
241
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
悔
(
く
)
い
給
(
たま
)
へ
242
三五教
(
あななひけう
)
は
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
243
神
(
かみ
)
の
誠
(
まこと
)
の
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
を
244
四方
(
よも
)
に
伝
(
つた
)
ふる
天使
(
あまつかい
)
245
心
(
こころ
)
の
耳
(
みみ
)
に
安
(
やす
)
らかに
246
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
を
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
せ
247
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
248
霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
坐世
(
ましませ
)
よ』
249
と
声
(
こゑ
)
淑
(
しと
)
やかに
謡
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
つた。
250
荒鷹
(
あらたか
)
は
又
(
また
)
もや
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
り
青彦
(
あをひこ
)
に
向
(
むか
)
つて、
251
言霊
(
ことたま
)
の
砲弾
(
はうだん
)
を
発射
(
はつしや
)
し
始
(
はじ
)
めた。
252
荒鷹
『
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
のあら
尊
(
たふと
)
253
心
(
こころ
)
の
荒
(
あら
)
き
荒鷹
(
あらたか
)
も
254
心
(
こころ
)
新
(
あらた
)
に
立直
(
たてなほ
)
し
255
世
(
よ
)
の
荒浪
(
あらなみ
)
に
掉
(
さをさ
)
して
256
神
(
かみ
)
の
助
(
たす
)
けの
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
り
257
心
(
こころ
)
改
(
あらた
)
め
行
(
おこな
)
ひを
258
改
(
あらた
)
め
直
(
なほ
)
し
世
(
よ
)
を
広
(
ひろ
)
く
259
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
服
(
まつろ
)
ひて
260
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
立
(
た
)
て
徹
(
とほ
)
し
261
バラモン
教
(
けう
)
やウラナイの
262
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
長
(
ちやう
)
を
採
(
と
)
り
263
短
(
たん
)
をば
捨
(
す
)
てて
新玉
(
あらたま
)
の
264
春
(
はる
)
立
(
た
)
ち
返
(
かへ
)
る
初
(
はじめ
)
より
265
あな
有難
(
ありがた
)
や
三五
(
あななひ
)
の
266
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
身
(
み
)
を
任
(
まか
)
せ
267
心
(
こころ
)
の
花
(
はな
)
も
一時
(
ひととき
)
に
268
開
(
ひら
)
いて
薫
(
かほ
)
る
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
269
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
や
木
(
こ
)
の
花姫
(
はなひめ
)
の
270
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
に
神習
(
かむなら
)
ひ
271
野立
(
のだち
)
の
彦
(
ひこ
)
や
野立姫
(
のだちひめ
)
272
埴安彦
(
はにやすひこ
)
や
埴安姫
(
はにやすひめ
)
の
273
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
御心
(
みこころ
)
を
274
うまらにつばらに
推量
(
くみと
)
りて
275
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
276
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
洗
(
あら
)
ふ
瑞霊
(
みづみたま
)
277
厳
(
いづ
)
の
霊
(
みたま
)
の
御
(
おん
)
教
(
をしへ
)
278
身
(
み
)
もたなしらに
励
(
いそ
)
しみて
279
仕
(
つか
)
へ
守
(
まも
)
るぞ
嬉
(
うれ
)
しけれ
280
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
や
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
281
今迄
(
いままで
)
仕
(
つか
)
へし
荒鷹
(
あらたか
)
が
282
今
(
いま
)
改
(
あらた
)
めて
願
(
ね
)
ぎ
申
(
まを
)
す
283
汝
(
なんぢ
)
が
尽
(
つく
)
せし
許々多久
(
ここたく
)
の
284
邪悪
(
よこさ
)
の
道
(
みち
)
を
今
(
いま
)
よりは
285
改
(
あらた
)
めまして
天地
(
あめつち
)
の
286
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
を
謹
(
つつし
)
みて
287
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
村肝
(
むらきも
)
の
288
心
(
こころ
)
にかけて
守
(
まも
)
りませ
289
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
に
真心
(
まごころ
)
を
290
尽
(
つく
)
しまつるは
荒鷹
(
あらたか
)
が
291
清
(
きよ
)
き
心
(
こころ
)
の
表現
(
あらわれ
)
ぞ
292
必
(
かなら
)
ず
怒
(
いか
)
らせ
給
(
たま
)
ふまじ
293
回顧
(
かへりみ
)
すれば
荒鷹
(
あらたか
)
が
294
バラモン
教
(
けう
)
に
仕
(
つか
)
へてゆ
295
早
(
は
)
や
二十年
(
はたとせ
)
になりたれど
296
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
との
神々
(
かみがみ
)
や
297
世
(
よ
)
の
人々
(
ひとびと
)
の
身
(
み
)
に
対
(
たい
)
し
298
一
(
ひと
)
つの
功績
(
いさを
)
立
(
た
)
てしこと
299
まだ
荒鷹
(
あらたか
)
の
身
(
み
)
の
因果
(
いんぐわ
)
300
赦
(
ゆる
)
し
給
(
たま
)
はれ
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
301
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
百
(
もも
)
の
神
(
かみ
)
302
偏
(
ひとへ
)
に
願
(
ねが
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る
303
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
304
霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
坐世
(
ましませ
)
よ』
305
荒鷹
(
あらたか
)
は
斯
(
か
)
く
謡
(
うた
)
ひ
涙
(
なみだ
)
をはらはらと
降
(
ふ
)
らし
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
、
306
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
の
端坐
(
たんざ
)
せる
高楼
(
たかどの
)
の
前
(
まへ
)
に
向
(
むか
)
つて
合掌
(
がつしやう
)
したり。
307
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
音彦
(
おとひこ
)
はすつくと
立
(
た
)
ち
敵城
(
てきじやう
)
に
向
(
むか
)
ひ、
308
又
(
また
)
もや
言霊
(
ことたま
)
の
速射砲
(
そくしやはう
)
を
差
(
さ
)
し
向
(
む
)
けたり。
309
その
歌
(
うた
)
、
310
音彦
『
日本
(
にほん
)
の
国
(
くに
)
は
松
(
まつ
)
の
国
(
くに
)
311
松
(
まつ
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
の
音彦
(
おとひこ
)
が
312
音
(
おと
)
に
名高
(
なだか
)
き
鬼
(
おに
)
ケ
城
(
じやう
)
313
司
(
つかさ
)
の
神
(
かみ
)
と
現
(
あ
)
れませる
314
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
315
稜威
(
いづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
宣
(
の
)
り
上
(
あ
)
げて
316
清
(
きよ
)
き
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
宣
(
の
)
り
伝
(
つた
)
ふ
317
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
中津国
(
なかつくに
)
318
メソポタミヤの
楽園
(
らくゑん
)
に
319
教
(
をしへ
)
開
(
ひら
)
きしバラモンの
320
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
が
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
は
321
霊主
(
れいしゆ
)
体従
(
たいじう
)
の
御
(
おん
)
教
(
をしへ
)
322
三五教
(
あななひけう
)
も
其
(
その
)
通
(
とほ
)
り
323
之
(
これ
)
亦
(
また
)
霊主
(
れいしゆ
)
体従
(
たいじう
)
を
324
珍
(
うづ
)
の
御旗
(
みはた
)
と
押
(
お
)
し
立
(
た
)
てて
325
四方
(
よも
)
の
草木
(
くさき
)
を
靡
(
なび
)
かしつ
326
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
をば
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ふ
327
科戸
(
しなど
)
の
風
(
かぜ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
328
松
(
まつ
)
に
声
(
こゑ
)
あり
立
(
た
)
つ
波
(
なみ
)
の
329
音彦
(
おとひこ
)
此処
(
ここ
)
に
現
(
あら
)
はれて
330
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
宣
(
の
)
べ
伝
(
つた
)
ふ
331
霊主
(
れいしゆ
)
体従
(
たいじう
)
と
称
(
とな
)
へたる
332
その
名目
(
めいもく
)
は
一
(
いつ
)
なれど
333
内容
(
なかみ
)
は
変
(
かは
)
る
雪
(
ゆき
)
と
墨
(
すみ
)
334
白
(
しろ
)
き
黒
(
くろ
)
きも
弁
(
わきま
)
へて
335
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
は
逸早
(
いちはや
)
く
336
お
伴
(
とも
)
の
者
(
もの
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
337
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
開
(
ひら
)
きたる
338
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
に
339
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
片時
(
かたとき
)
も
340
疾
(
と
)
く
速
(
すむや
)
けくかへりませ
341
元
(
もと
)
は
天地
(
てんち
)
の
分霊
(
わけみたま
)
342
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
には
敵
(
てき
)
も
無
(
な
)
し
343
相互
(
たがひ
)
に
扶
(
たす
)
け
助
(
たす
)
けられ
344
睦
(
むつ
)
び
親
(
した
)
しみ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
345
茂
(
しげ
)
り
栄
(
さか
)
ゆる
人
(
ひと
)
の
道
(
みち
)
346
省
(
かへり
)
み
給
(
たま
)
へ
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
347
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
司神
(
つかさがみ
)
348
三五教
(
あななひけう
)
の
音彦
(
おとひこ
)
が
349
真心
(
まごころ
)
籠
(
こ
)
めて
宣
(
の
)
り
申
(
まを
)
す
350
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
の
一
(
ひと
)
つだに
351
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
の
御
(
おん
)
耳
(
みみ
)
に
352
響
(
ひび
)
き
渡
(
わた
)
りて
行
(
おこな
)
ひを
353
直
(
なほ
)
させ
給
(
たま
)
へば
我
(
われ
)
として
354
之
(
これ
)
に
越
(
こ
)
えたる
喜
(
よろこ
)
びは
355
又
(
また
)
と
世界
(
せかい
)
にあらざらめ
356
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
357
霊
(
たま
)
の
復
(
かへ
)
しを
待
(
ま
)
ち
奉
(
まつ
)
る』
358
と
謡
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
つて
岩石
(
がんせき
)
の
上
(
うへ
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
お
)
ろしたり。
359
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
片腕
(
かたうで
)
と
聞
(
きこ
)
えたる
鬼鷹
(
おにたか
)
は
白扇
(
はくせん
)
を
開
(
ひら
)
いて
衝
(
つ
)
つ
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
り、
360
攻撃軍
(
こうげきぐん
)
に
向
(
むか
)
ひ
言霊
(
ことたま
)
の
応戦
(
おうせん
)
を
開始
(
かいし
)
したりけり。
361
鬼鷹
『
神
(
かみ
)
の
身魂
(
みたま
)
と
生
(
あ
)
れ
乍
(
なが
)
ら
362
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
踏
(
ふ
)
み
外
(
はづ
)
し
363
心
(
こころ
)
汚
(
きたな
)
き
鬼神
(
おにがみ
)
の
364
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
の
群
(
むれ
)
に
入
(
い
)
り
365
日
(
ひ
)
に
夜
(
よ
)
に
募
(
つの
)
る
許々多久
(
ここたく
)
の
366
罪
(
つみ
)
や
穢
(
けがれ
)
に
包
(
つつ
)
まれて
367
此
(
この
)
世
(
よ
)
からなる
生地獄
(
いきぢごく
)
368
心
(
こころ
)
に
鬼
(
おに
)
が
棲
(
す
)
むのみか
369
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
370
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
や
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
371
醜
(
しこ
)
の
従僕
(
しもべ
)
となり
果
(
は
)
てて
372
名
(
な
)
も
恐
(
おそ
)
ろしき
鬼鷹
(
おにたか
)
と
373
天地
(
てんち
)
の
御子
(
みこ
)
と
生
(
うま
)
れきて
374
万
(
よろづ
)
の
長
(
をさ
)
と
名
(
な
)
を
負
(
お
)
ひつ
375
鬼
(
おに
)
畜生
(
ちくしやう
)
や
鳥翼
(
とりつばさ
)
376
虫
(
むし
)
にも
劣
(
おと
)
る
醜魂
(
しこたま
)
の
377
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
乱
(
みだ
)
す
曲業
(
まがわざ
)
に
378
心
(
こころ
)
砕
(
くだ
)
きし
浅猿
(
あさま
)
しさ
379
かかる
汚
(
きた
)
なき
吾
(
わが
)
身
(
み
)
にも
380
慈愛
(
じあい
)
の
深
(
ふか
)
き
皇神
(
すめかみ
)
は
381
恵
(
めぐみ
)
の
鞭
(
むち
)
を
鞭
(
う
)
たせつつ
382
今日
(
けふ
)
は
嬉
(
うれ
)
しき
三五
(
あななひ
)
の
383
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
照
(
てら
)
されて
384
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
く
蓮花
(
はちすばな
)
385
薫
(
かほ
)
り
床
(
ゆか
)
しき
木
(
こ
)
の
花
(
はな
)
の
386
咲耶
(
さくや
)
の
姫
(
ひめ
)
の
御
(
おん
)
仰
(
あふ
)
せ
387
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
御
(
ご
)
神力
(
しんりき
)
388
千座
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
負
(
お
)
ひ
給
(
たま
)
ひ
389
普
(
あまね
)
く
世人
(
よびと
)
を
救
(
すく
)
ひます
390
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
391
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
と
現
(
あら
)
はれて
392
身魂
(
みたま
)
も
清
(
きよ
)
き
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
393
神
(
かみ
)
も
仏
(
ほとけ
)
もなき
世
(
よ
)
かと
394
日
(
ひ
)
に
夜
(
よ
)
に
胸
(
むね
)
を
痛
(
いた
)
めしが
395
時節
(
じせつ
)
待
(
ま
)
ちつる
甲斐
(
かひ
)
ありて
396
悪
(
あく
)
を
斥
(
しりぞ
)
け
善道
(
ぜんだう
)
に
397
忽
(
たちま
)
ち
復
(
かへ
)
る
今日
(
けふ
)
の
空
(
そら
)
398
霽
(
は
)
れゆく
雪
(
ゆき
)
の
跡
(
あと
)
見
(
み
)
れば
399
三五
(
さんご
)
の
月
(
つき
)
は
皎々
(
かうかう
)
と
400
己
(
おの
)
が
頭
(
かうべ
)
を
照
(
て
)
らしつつ
401
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
をたれ
給
(
たま
)
ふ
402
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
403
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
坐世
(
ましませ
)
よ
404
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
405
月日
(
げつじつ
)
西
(
にし
)
より
昇
(
のぼ
)
るとも
406
神
(
かみ
)
に
誓
(
ちか
)
ひし
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
407
幾世
(
いくよ
)
経
(
へ
)
ぬとも
変
(
かは
)
らまじ
408
変
(
かは
)
る
浮世
(
うきよ
)
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
409
遠
(
とほ
)
き
神代
(
かみよ
)
の
昔
(
むかし
)
より
410
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
変
(
かは
)
りなし
411
アヽ
尊
(
たふと
)
しや
有難
(
ありがた
)
や
412
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
の
教
(
のり
)
413
喜
(
よろこ
)
び
仰
(
あふ
)
ぎ
奉
(
たてまつ
)
る
414
曲津
(
まがつ
)
の
集
(
あつ
)
まる
鬼
(
おに
)
ケ
城
(
じやう
)
415
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
の
醜魂
(
しこみたま
)
416
八握
(
やつか
)
の
剣
(
つるぎ
)
抜
(
ぬ
)
き
持
(
も
)
たせ
417
五百
(
いほ
)
美須麻琉
(
みすまる
)
の
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
に
418
神
(
かみ
)
の
御水火
(
みいき
)
を
結
(
むす
)
びつつ
419
心
(
こころ
)
の
鏡
(
かがみ
)
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
る
420
月照彦
(
つきてるひこ
)
の
大神
(
おほかみ
)
や
421
足真
(
だるま
)
の
彦
(
ひこ
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
422
伝
(
つた
)
へ
給
(
たま
)
ひし
御
(
おん
)
教
(
をしへ
)
423
埴安彦
(
はにやすひこ
)
や
埴安姫
(
はにやすひめ
)
の
424
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
現
(
あら
)
はれて
425
織
(
お
)
り
出
(
い
)
でませる
経緯
(
たてよこ
)
の
426
綾
(
あや
)
と
錦
(
にしき
)
の
神機
(
かみはた
)
を
427
天津
(
あまつ
)
御風
(
みかぜ
)
に
飜
(
ひるがへ
)
し
428
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
や
河
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
に
429
荒
(
あら
)
ぶる
百
(
もも
)
の
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
を
430
草木
(
くさき
)
の
風
(
かぜ
)
に
靡
(
なび
)
く
如
(
ごと
)
431
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
し
皇神
(
すめかみ
)
の
432
御水火
(
みいき
)
も
清
(
きよ
)
く
九
(
ここの
)
十
(
たり
)
433
十曜
(
とえう
)
の
神紋
(
しんもん
)
中空
(
ちうくう
)
に
434
靡
(
なび
)
かせ
奉
(
まつ
)
り
皇神
(
すめかみ
)
の
435
御稜威
(
みいづ
)
を
四方
(
よも
)
に
輝
(
かがや
)
かし
436
醜
(
しこ
)
の
山砦
(
とりで
)
に
進撃
(
しんげき
)
し
437
太
(
ふと
)
き
功績
(
いさを
)
を
永久
(
とことは
)
に
438
立
(
た
)
てて
心
(
こころ
)
の
真木柱
(
まきばしら
)
439
高天原
(
たかあまはら
)
に
千木
(
ちぎ
)
高
(
たか
)
く
440
仕
(
つか
)
へまつらむ
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
441
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
442
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
坐世
(
ましませ
)
よ』
443
と
謡
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
444
天地
(
てんち
)
に
向
(
むか
)
つて
合掌
(
がつしやう
)
し
嬉
(
うれ
)
し
涙
(
なみだ
)
に
咽
(
むせ
)
びつつ
地上
(
ちじやう
)
にドツと
打
(
う
)
ち
倒
(
たふ
)
れたり。
445
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
が
幕下
(
ばくか
)
の
者共
(
ものども
)
、
446
感激
(
かんげき
)
の
涙
(
なみだ
)
にうたれ、
447
ものをも
言
(
い
)
はず
大地
(
だいち
)
に
平伏
(
ひれふ
)
し、
448
落
(
お
)
つる
涙
(
なみだ
)
に
大地
(
だいち
)
を
潤
(
うるほ
)
しける。
449
紫姫
(
むらさきひめ
)
は
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
り
声
(
こゑ
)
淑
(
しと
)
やかに
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
謡
(
うた
)
ひ
初
(
はじ
)
めたり。
450
紫姫
『
救
(
すく
)
ひの
神
(
かみ
)
と
現
(
あ
)
れませる
451
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
や
瑞御霊
(
みづみたま
)
452
天教山
(
てんけうざん
)
や
地教山
(
ちけうざん
)
453
名
(
な
)
さへ
目出度
(
めでた
)
き
万寿山
(
まんじゆざん
)
454
霊鷲山
(
りやうしうざん
)
の
三葉彦
(
みつばひこ
)
455
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
御教
(
みをしへ
)
は
456
天地
(
あめつち
)
四方
(
よも
)
に
拡
(
ひろ
)
ごりて
457
世
(
よ
)
は
永久
(
とこしへ
)
に
開
(
ひら
)
け
行
(
ゆ
)
く
458
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
459
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひ
坐
(
ま
)
しまして
460
醜
(
しこ
)
の
魔風
(
まかぜ
)
も
凪
(
な
)
ぎ
渡
(
わた
)
り
461
荒
(
あら
)
き
波風
(
なみかぜ
)
鎮
(
をさ
)
まりて
462
御代
(
みよ
)
は
平
(
たひ
)
らに
安
(
やす
)
らかに
463
常磐
(
ときは
)
堅磐
(
かきは
)
の
松
(
まつ
)
の
世
(
よ
)
と
464
治
(
をさ
)
め
給
(
たま
)
ふぞ
尊
(
たふと
)
けれ
465
妾
(
われ
)
は
都
(
みやこ
)
に
現
(
あら
)
はれて
466
紫姫
(
むらさきひめ
)
と
名乗
(
なの
)
りつつ
467
恋
(
こひ
)
しき
父
(
ちち
)
に
生
(
い
)
き
別
(
わか
)
れ
468
悲
(
かな
)
しき
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
る
内
(
うち
)
469
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
も
悦子姫
(
よしこひめ
)
470
嬉
(
うれ
)
しき
便
(
たよ
)
りの
音彦
(
おとひこ
)
や
471
名
(
な
)
さへ
目出度
(
めでた
)
き
加米彦
(
かめひこ
)
の
472
教
(
をしへ
)
の
御子
(
みこ
)
に
助
(
たす
)
けられ
473
三五教
(
あななひけう
)
の
御柱
(
みはしら
)
と
474
仕
(
つか
)
へまつりし
今日
(
けふ
)
こそは
475
千代
(
ちよ
)
も
八千代
(
やちよ
)
も
忘
(
わす
)
られぬ
476
生日
(
いくひ
)
足日
(
たるひ
)
と
祝
(
いは
)
ひつつ
477
心
(
こころ
)
に
住
(
す
)
める
曲津見
(
まがつみ
)
を
478
禊
(
みそ
)
ぎ
祓
(
はら
)
ひて
真澄空
(
ますみぞら
)
479
三五
(
さんご
)
の
月
(
つき
)
のいと
円
(
まる
)
く
480
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
を
力
(
ちから
)
とし
481
円
(
まる
)
く
治
(
をさ
)
めむ
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
482
アヽ
有
(
あ
)
りがたや
尊
(
たふと
)
しや
483
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
の
恩
(
おん
)
484
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
永久
(
とこしへ
)
に
485
仕
(
つか
)
へまつりて
忘
(
わす
)
れまじ
486
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
487
御霊
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
を
賜
(
たま
)
へかし
488
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
489
御霊
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
を
賜
(
たま
)
へかし』
490
と
謡
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り
天地
(
てんち
)
に
向
(
むか
)
つて
恭
(
うやうや
)
しく
拝礼
(
はいれい
)
したり。
491
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
長
(
ちやう
)
悦子姫
(
よしこひめ
)
は
立上
(
たちあが
)
り、
492
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
館
(
やかた
)
に
向
(
むか
)
つて
声
(
こゑ
)
を
張上
(
はりあ
)
げ
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
送
(
おく
)
りたり。
493
悦子姫
『
天
(
あめ
)
の
八重雲
(
やへくも
)
掻
(
か
)
き
別
(
わ
)
けて
494
天降
(
あも
)
りましたる
皇神
(
すめかみ
)
の
495
珍
(
うづ
)
の
御
(
おん
)
子
(
こ
)
と
現
(
あら
)
はれし
496
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
瑞霊
(
みづみたま
)
497
木花姫
(
このはなひめ
)
の
生御霊
(
いくみたま
)
498
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
厳霊
(
いづみたま
)
499
三五
(
さんご
)
の
月
(
つき
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
500
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
隈
(
くま
)
もなく
501
月照彦
(
つきてるひこ
)
の
大神
(
おほかみ
)
や
502
金勝要
(
きんかつかね
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
503
従
(
したが
)
ひ
給
(
たま
)
ふ
八百万
(
やほよろづ
)
504
神
(
かみ
)
の
使
(
つかい
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
505
教
(
をしへ
)
を
開
(
ひら
)
く
八洲国
(
やしまぐに
)
506
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
にさやりたる
507
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
や
醜
(
しこ
)
の
鬼
(
おに
)
508
醜
(
しこ
)
の
狐
(
きつね
)
や
曲神
(
まがかみ
)
の
509
曇
(
くも
)
りし
御魂
(
みたま
)
を
照
(
てら
)
さむと
510
心
(
こころ
)
を
千々
(
ちぢ
)
に
配
(
くば
)
りつつ
511
霜
(
しも
)
の
剣
(
つるぎ
)
や
雪
(
ゆき
)
の
空
(
そら
)
512
雨
(
あめ
)
の
襖
(
ふすま
)
に
包
(
つつ
)
まれて
513
尾羽
(
をは
)
打
(
う
)
ち
枯
(
か
)
らしシトシトと
514
あてども
無
(
な
)
しに
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
515
教
(
をしへ
)
伝
(
つた
)
ふる
宣伝使
(
せんでんし
)
516
夜
(
よ
)
な
夜
(
よ
)
な
変
(
かは
)
る
石枕
(
いしまくら
)
517
草
(
くさ
)
の
褥
(
しとね
)
に
雪
(
ゆき
)
の
夜着
(
よぎ
)
518
世人
(
よびと
)
の
為
(
ため
)
に
身
(
み
)
も
窶
(
やつ
)
れ
519
心
(
こころ
)
も
疲
(
つか
)
れ
山河
(
やまかは
)
を
520
数
(
かず
)
限
(
かぎ
)
りなく
渡
(
わた
)
り
来
(
き
)
て
521
曲津
(
まがつ
)
の
神
(
かみ
)
にさいなまれ
522
寒
(
さむ
)
さを
凌
(
しの
)
ぎ
飢
(
うゑ
)
、
渇
(
かはき
)
523
心
(
こころ
)
を
千々
(
ちぢ
)
に
尽
(
つく
)
しつつ
524
救
(
すく
)
ひの
綱
(
つな
)
に
操
(
あやつ
)
られ
525
愈
(
いよいよ
)
此処
(
ここ
)
に
鬼城山
(
きじやうざん
)
526
司
(
つかさ
)
の
神
(
かみ
)
と
現
(
あら
)
はれし
527
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
や
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
528
永久
(
とは
)
の
棲処
(
すみか
)
と
聞
(
きこ
)
えたる
529
魔窟
(
まくつ
)
の
山
(
やま
)
に
登
(
のぼ
)
り
来
(
き
)
て
530
宣
(
の
)
り
足
(
た
)
らはれし
言霊
(
ことたま
)
の
531
稜威
(
いづ
)
の
力
(
ちから
)
に
許々多久
(
ここたく
)
の
532
罪
(
つみ
)
や
穢
(
けがれ
)
を
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ひ
533
祓
(
はら
)
ひ
清
(
きよ
)
むる
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
534
世
(
よ
)
は
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
変
(
かは
)
るとも
535
色香
(
いろか
)
褪
(
あ
)
せざる
兄
(
こ
)
の
花
(
はな
)
の
536
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
神
(
かみ
)
の
教
(
のり
)
537
宣
(
の
)
り
伝
(
つた
)
へ
行
(
ゆ
)
く
楽
(
たの
)
しさよ
538
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
539
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
坐世
(
ましませ
)
よ』
540
と
言葉
(
ことば
)
短
(
みじか
)
に
謡
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
れる
折
(
をり
)
しも
高殿
(
たかどの
)
より、
541
火煙
(
くわえん
)
濛々
(
もうもう
)
と
立
(
た
)
ち
昇
(
のぼ
)
り
阿鼻
(
あび
)
叫喚
(
けうくわん
)
の
声
(
こゑ
)
、
542
耳朶
(
じだ
)
を
打
(
う
)
つ。
543
一同
(
いちどう
)
はハツと
驚
(
おどろ
)
き
見上
(
みあ
)
ぐる
途端
(
とたん
)
に
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
、
544
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
の
二人
(
ふたり
)
は
高閣
(
かうかく
)
に
納
(
をさ
)
めたりし
天
(
あま
)
の
岩船
(
いはふね
)
にひらりと
飛
(
と
)
び
乗
(
の
)
り、
545
プロペラの
音
(
おと
)
轟々
(
ぐわうぐわう
)
と
中空
(
ちうくう
)
を
轟
(
とどろ
)
かせ
乍
(
なが
)
ら
東方
(
とうはう
)
の
天
(
てん
)
を
目蒐
(
めが
)
けて
一目散
(
いちもくさん
)
に
翔
(
かけ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
546
敵
(
てき
)
も
味方
(
みかた
)
も
一度
(
いちど
)
に
声
(
こゑ
)
張上
(
はりあ
)
げて、
547
一同
『
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
548
万歳
(
ばんざい
)
々々
(
ばんざい
)
』
549
と
三唱
(
さんしやう
)
したりける。
550
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
に
驚
(
おどろ
)
き
目覚
(
めざ
)
むれば
瑞月
(
ずゐげつ
)
の
身
(
み
)
は
宮垣内
(
みやがいち
)
の
賤
(
しづ
)
の
伏屋
(
ふせや
)
に
横
(
よこ
)
たわり、
551
枕許
(
まくらもと
)
には
里鬼
(
さとおに
)
と
綽名
(
あだな
)
を
取
(
と
)
つた
丸松
(
まるまつ
)
が、
552
真赤
(
まつか
)
な
顔
(
かほ
)
をして
二三
(
にさん
)
人
(
にん
)
の
隣人
(
りんじん
)
と
共
(
とも
)
に
酒
(
さけ
)
をグビリグビリと
傾
(
かたむ
)
け
居
(
ゐ
)
たりける。
553
(
大正一一・四・二三
旧三・二七
北村隆光
録)
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【第17章 有終の美|第17巻|如意宝珠|霊界物語|/rm1717】
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