霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第七章 囈語(うはごと)〔六九九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第22巻 如意宝珠 酉の巻 篇:第2篇 心猿意馬 よみ(新仮名遣い):しんえんいば
章:第7章 囈語 よみ(新仮名遣い):うわごと 通し章番号:699
口述日:1922(大正11)年05月25日(旧04月29日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年7月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫は精神錯乱状態になって、その咆哮は館の外にまでびりびりと響いてきた。遠州と武州はうろたえてしまっている。
そこへ杢助がやってきた。杢助とお初は高姫の床に来ると、天の数歌を唱えて鎮魂した。荒れ狂っていた高姫は鎮静し、ばたりと床の上に倒れて唸っている。
杢助は高姫に心配しないようにと声をかけるが、高姫はやにわに杢助の胸倉をつかんで、杢助とお初が如意宝珠の玉を吐き出させたからこうなったのだ、と八つ当たりをはじめた。
杢助は強力に任せて高姫を引き剥がした。お初は高姫に、有形の玉三個を失くした代わりに、もっと立派な無形の玉をみなそれぞれ神様からいただいたのだ、と高姫を諭す。
しかし高姫は、お初に飛びかかろうとする。お初は身軽に高姫をかわしている。そこへテルヂーと雲州が高姫の見舞いにやってきた。遠州が出迎えて、高姫の病気が昂じて危険な状態になっているから、今は帰った方がよい、と忠告する。しかしテルヂーと雲州は忠告を聞かずに中へ入っていく。
中では高姫がお初に飛び掛りお初がよける、というのを繰り返している。杢助は煙草を吸いながらそれを悠々と見物している。高姫はテルヂーと雲州の姿を見るや否や、二人が玉を盗んだのだろうと飛び掛って玉を吐かせようとする。
杢助は強力を発揮して高姫を引き剥がし、蒲団の上につまみ降ろした。高姫はうわごとを言い始めた。
そのうわごとは、素盞嗚尊の立派な身魂に感心して三五教へ来てみたが、ハイカラ教主の言依別命に愛想をつかしたので、自分が三つの玉を飲み込んでふたたびウラナイ教を立てようと考えていたのに、黒姫は玉を邪神に取られ、自分の如意宝珠も取られてしまった、と自分の心のうちを白状するものであった。
一同は高姫が恐ろしい考えでいたことを知り、肝をつぶしている。そのうちに高姫の館の門前には、見舞い客がごった返してきた。杢助は高姫のうわごとが漏れては大変なことになると、面会謝絶にしてしまった。
しかし国依別は遠州が止めるのも聞かずに奥に入ってきた。高姫は杢助に介抱されて寝ていた。杢助は、高姫は取りとめのないことを口走り精神錯乱に陥っているから、もう駄目かもしれない、と悲観する。
お初はにっこり笑って、これには深い仔細があることでしょう、と一同を元気付ける。言依別命は教団の幹部を連れて枕頭に訪れ、天津祝詞と天の数歌を歌って回復を祈った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-02-26 23:28:42 OBC :rm2207
愛善世界社版:87頁 八幡書店版:第4輯 412頁 修補版: 校定版:90頁 普及版:40頁 初版: ページ備考:
001 高姫(たかひめ)一生(いつしやう)懸命(けんめい)精神(せいしん)錯乱(さくらん)状態(じやうたい)になつて、002(ねつ)()かされ猛虎(まうこ)(ごと)く、003咆哮(はうかう)怒号(どがう)(こゑ)屋外(をくぐわい)にビリビリと(ひび)いて()た。004遠州(ゑんしう)005武州(ぶしう)(おどろ)いて(おく)()()つたり(おもて)()たり、006()(ほどこ)(ところ)()らず、
007武州(ぶしう)『オイ遠州(ゑんしう)008()うしよう。009大変(たいへん)ぢやないか。010大変(たいへん)々々(たいへん)
011狼狽(うろた)(まは)つて()る。
012 杢助(もくすけ)はお(はつ)()()きながら(もん)()をがらりと()け、013悠々(いういう)()(きた)り、
014杢助『オイ、015遠州(ゑんしう)016武州(ぶしう)017(なに)(さわ)いでゐるのだ』
018遠州(ゑんしう)『あの(こゑ)()()きなさいませ、019刻々(こくこく)鳴動(めいどう)きつくなります。020浅間山(あさまやま)爆発(ばくはつ)するのか、021高姫山(たかひめやま)破裂(はれつ)するのか()りませぬが、022大変(たいへん)騒動(さうだう)(はじ)まりかけて()ます。023何処(どこ)避難(ひなん)したらいいかと(おも)つて、024周章(しうしやう)狼狽(らうばい)(てい)御座(ござ)います』
025杢助『アハヽヽヽ、026如何(いか)にも(えら)鳴動(めいどう)ですな』
027遠州(なん)()つても三十八(さんじふはち)()四十度(よんじふど)(あひだ)昇降(しやうかう)してゐる(ねつ)ですから、028随分(ずゐぶん)(えら)(けむり)()()します。029(そば)()られた(ざま)ぢやありませぬ。030何卒(どうぞ)貴方(あなた)031(しづ)めて(くだ)さいな』
032杢助『この鳴動(めいどう)大森(おほもり)博士(はかせ)「大森博士」とは当時の有名な地震学者・大森房吉(1868~1923年)のことだと思われる。だつて、033如何(どう)することも出来(でき)はしない。034(しか)杢助(もくすけ)(ひと)鎮魂(ちんこん)をして(しづ)めて()ませう』
035とお(はつ)(とも)高姫(たかひめ)病床(びやうしやう)(すす)()つた。
036 高姫(たかひめ)金盥(かなだらひ)(そこ)をガンガン(たた)きながら、037()ちつ(すわ)りつ捩鉢巻(ねぢはちまき)になつて(あば)(くる)うてゐる。038杢助(もくすけ)両手(りやうて)()み、039(ひと)040(ふた)041()042()043……………と(あま)数歌(かずうた)(しづ)かに(とな)へ、044ウンと一声(いつせい)指頭(しとう)より霊光(れいくわう)発射(はつしや)し、045高姫(たかひめ)(おもて)(てら)した。046高姫(たかひめ)(やうや)鎮静(ちんせい)状態(じやうたい)(ふく)し、047バタリと(とこ)(うへ)(たふ)れ、048(かた)(いき)をしながらウンウンと(うな)つてゐる。049杢助(もくすけ)高姫(たかひめ)(かた)()(さす)りながら声低(こゑびく)に、
050杢助『モシモシ高姫(たかひめ)さま、051大層(たいそう)()(くる)しみと()えますが、052何事(なにごと)(かみ)(さま)のなさることでせうから、053(けつ)して(けつ)して()心配(しんぱい)のなきやうに、054()(たしか)()つて(くだ)さい。055言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)(さま)至極(しごく)平気(へいき)()られますから』
056 高姫(たかひめ)(この)(こゑ)にムツクと立上(たちあが)り、057杢助(もくすけ)胸倉(むなぐら)矢庭(やには)にグツと引掴(ひつつか)み、058(かた)をいからし(こゑ)(ふる)はし、059()ぎしりをキリキリと()はせながら()釣上(つりあ)げ、
060高姫『お(まへ)杢助(もくすけ)ぢやないか、061仮令(たとへ)言依別(ことよりわけ)(なん)()つても、062大事(だいじ)大事(だいじ)結構(けつこう)(たま)紛失(ふんしつ)(いた)したのは、063神政(しんせい)成就(じやうじゆ)(ため)には大変(たいへん)大失策(だいしつさく)だ。064これと()ふのも貴様(きさま)がお(はつ)()れて()て、065高姫(たかひめ)生宮(いきみや)から無理(むり)引張(ひつぱ)()さしたその(ため)に、066()んな()()うたのだ。067(わし)もそれから(なん)となく(へん)になり、068()んな病気(びやうき)になつたのも、069みんな杢助(もくすけ)070(まへ)(ため)だ。071神政(しんせい)成就(じやうじゆ)妨害(ばうがい)(いた)大曲津(おほまがつ)()が。072大方(おほかた)八岐(やまた)大蛇(をろち)()けて()るのだらう。073サア白状(はくじやう)(いた)して(たま)在処(ありか)()らせよ。074さうでなければ何処(どこ)までも(はな)しは(いた)さぬぞや』
075杢助高姫(たかひめ)さま、076それは(えら)迷惑(めいわく)077マア(ゆつ)くりと()落着(おちつ)けて冷静(れいせい)になつて(くだ)さい』
078高姫(なに)ツ、079迷惑(めいわく)(まを)すか。080(まへ)迷惑(めいわく)(ちひ)さいことだ。081大神(おほかみ)(さま)(はじ)世界(せかい)万民(ばんみん)迷惑(めいわく)ぢや。082第一(だいいち)この高姫(たかひめ)()つても()ても()られぬ迷惑(めいわく)()()うてゐる。083サア、084キリキリと白状(はくじやう)(いた)せ』
085 杢助(もくすけ)高姫(たかひめ)()強力(がうりき)(まか)せグツと(はな)した途端(とたん)に、086高姫(たかひめ)はどんと仰向(あふむ)けに(たふ)れ、087(くち)から(かに)のやうに(あわ)()()ばし、088前歯(まへば)()けた(くち)斜交(はすかひ)(ひら)いて、089(しき)りに何事(なにごと)()はむと上下(うへした)(くちびる)をたたいている。
090(はつ)小母(をば)さま、091(けつ)して()心配(しんぱい)なさいますな。092その(たま)(かみ)(さま)(おん)()()(あづか)(あそ)ばして御座(ござ)るから、093神政(しんせい)成就(じやうじゆ)妨害(さまたげ)にはなりませぬ。094三個(さんこ)(たま)有形(いうけい)です、095そのために皆様(みなさま)はモツト立派(りつぱ)無形(むけい)(たま)一個(いつこ)(づつ)(いただ)きましたから、096()安心(あんしん)なさいませ』
097 (この)(こゑ)高姫(たかひめ)()がつき、
098高姫『ヤア、099(まへ)はお(はつ)ぢやな。100小豆(こまめ)のやうな(ざま)をして、101ようツベコベ(さへづ)(やつ)ぢや。102(わし)(たま)(たた)()した曲者(くせもの)103サア、104もう()うなる(うへ)(この)高姫(たかひめ)承知(しようち)(いた)さぬ』
105()びかからうとする。106(はつ)(たい)をヒラリと(かは)し、
107お初小母(をば)さま、108()落着(おちつ)けなさい』
109高姫(なに)ツ、110猪口才(ちよこざい)な、111ゴテゴテ()はずにすつこんで()れ。112大方(おほかた)貴様(きさま)(たま)(ぬす)んだのであらう。113サア、114()出神(でのかみ)生宮(いきみや)承知(しようち)(いた)さぬ』
115(また)もや()びかかる。116(はつ)(みぎ)(ひだり)胡蝶(こてふ)()()(ごと)く、117ヒラリヒラリと高姫(たかひめ)鋭鋒(えいほう)()けて()る。118門口(かどぐち)にはテルヂー、119雲州(うんしう)二人(ふたり)120高姫(たかひめ)病気(びやうき)危篤(きとく)()いて見舞(みまひ)にやつて()たと()え、
121テルヂー『これ遠州(ゑんしう)さま、122一寸(ちよつと)()けて(くだ)さい。123テルヂー、124雲州(うんしう)両人(りやうにん)だ』
125 遠州(ゑんしう)(この)(こゑ)にガラリと()()()け、
126遠州『ヤア、127よく()(くだ)さつた。128大変(たいへん)大将(たいしやう)病気(びやうき)が、129(へん)になつて()たので(こま)つてゐるのだ』
130雲州(うんしう)(へん)になつたとは()うだい。131危篤(きとく)()ふのか』
132遠州時々(ときどき)高姫山(たかひめやま)鳴動(めいどう)をするので危険(きけん)でたまらないのだよ。133人事(じんじ)不省(ふせい)高姫山(たかひめやま)134うつかり踏査(たふさ)でもしようものなら、135(やま)(とも)奈落(ならく)(そこ)まで陥落(かんらく)するか(わか)つたものぢやない。136(いま)玉治別(たまはるわけ)さまがカーンとやられて、137()(かへ)らしやつたとこだ。138()がついたら(また)(おれ)から(とつく)りと()うて()くから、139(かへ)つたがよからうぞ』
140テル『折角(せつかく)此処(ここ)まで()たのだから、141()(かほ)だけでも拝見(はいけん)して(かへ)らうか。142なア、143雲州(うんしう)
144雲州(うんしう)危険(きけん)区域(くゐき)だと()つて退却(たいきやく)するのは男子(だんし)本分(ほんぶん)ではない。145これも修行(しうぎやう)のためだ、146(ひと)踏査(たふさ)することにしようかい』
147遠州(ゑんしう)(とど)むるをも()かず、148無理(むり)(おく)()(すす)()つた。
149 高姫(たかひめ)()(ごと)顔色(がんしよく)()()り、150(こぶし)(かた)めて(ろく)(さい)のお(はつ)目蒐(めが)けて()ひかけてゐる。151杢助(もくすけ)()(さわ)ぎを他所事(よそごと)のやうに煙草(たばこ)をくすべながら、152師団(しだん)演習(えんしふ)観戦(くわんせん)でもしてゐるやうな調子(てうし)泰然(たいぜん)(かま)へてゐる。153二人(ふたり)姿(すがた)()るより、154高姫(たかひめ)は、
155高姫『ヤー、156(まへ)はテルヂーに雲州(うんしう)ぢやないか。157貴様(きさま)(もと)小盗人(こぬすと)だから、158大方(おほかた)あの(たま)(ぬす)みよつたのだらう。159サア、160了簡(りやうけん)せぬ。161(はや)此処(ここ)(たま)()()せ』
162雲州(うんしう)素首(そつくび)をグツと()ぢ、163(たたみ)(すり)つけ、
164高姫『サア、165()()け』
166高春山(たかはるやま)でお(はつ)(たま)()せを()てゐた高姫(たかひめ)は、167(おな)流儀(りうぎ)(なら)つて(こし)滅多(めつた)矢鱈(やたら)(たた)きつける。
168雲州(うんしう)『アイタヽ、169ウンウン。170モシモシさう(たた)いて(もら)ひますと、171(しり)からプン(しう)や、172ウン(しう)()ますワイなア。173オイ、174テルヂー、175(はや)(おれ)(たす)けて()れぬかい』
176高姫貴様(きさま)身魂(みたま)(わる)いから(しり)から()くのだらう。177コラ、178(いま)デルジリと()かしただらう。179(はや)(しり)()せ』
180 杢助(もくすけ)強力(がうりき)(まか)せ、181高姫(たかひめ)素首(そつくび)をグツと(にぎ)つて、182(ねこ)(つま)んだやうに引提(ひつさ)げ、183ポイと蒲団(ふとん)(うへ)(つま)(おろ)した。
184 (また)もや高姫(たかひめ)発熱(はつねつ)(はなは)だしく、185ウンウンと苦悶(くもん)(こゑ)()げながら、186床上(しやうじやう)(ちから)なくグタリと(たふ)れて囈語(うはごと)(はじ)めた。
187高姫三五教(あななひけう)変性(へんじやう)男子(なんし)(さま)結構(けつこう)(をしへ)を、188変性(へんじやう)女子(によし)がワヤに(いた)して()つて(しま)はうとするので、189これは(なん)でも系統(ひつぱう)高姫(たかひめ)が、190(ひと)(こし)()れねばなるまいと黒姫(くろひめ)()(さと)し、191青彦(あをひこ)魔我彦(まがひこ)()()かして、192到頭(たうとう)ウラナイ(けう)()てて、193神政(しんせい)成就(じやうじゆ)御用(ごよう)(いた)さうと(おも)ひ、194()出神(でのかみ)生宮(いきみや)(あら)はれ、195黒姫(くろひめ)には竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(さま)引添(ひつそ)うて、196()守護(しゆご)(あそ)ばすなり、197(ちから)一杯(いつぱい)変性(へんじやう)女子(によし)(あく)守護神(しゆごじん)敵対(てきた)うて()たところが、198(おも)うたよりは立派(りつぱ)身魂(みたま)で、199ミロクさまのやうな素盞嗚(すさのをの)(みこと)ぢやと感心(かんしん)して、200それから(こころ)(あらた)三五教(あななひけう)(かへ)つて、201()引合(ひきあ)うてやらうと(おも)へば、202奴灰殻(どはひから)(がく)智慧(ちゑ)とで(かた)まつた言依別(ことよりわけの)(みこと)教主(けうしゆ)となり、203(また)もや(がく)智慧(ちゑ)とで(この)()をワヤに(いた)さうと(いた)すに()つて、204アヽ三五教(あななひけう)駄目(だめ)だ、205(わし)()つの(たま)()()んで、206(ふたた)びウラナイ(けう)()てて()ようと、207(こころ)(そこ)(おも)つて()つた。208それ(ゆゑ)黒姫(くろひめ)黄金(わうごん)(たま)()(もり)をさして()いたのに、209彼奴(あいつ)莫迦(ばか)だから到頭(たうとう)八岐(やまた)大蛇(をろち)眷属(けんぞく)()られて(しま)ひよつた。210アヽ残念(ざんねん)ぢや。211()つの御玉(みたま)(ひと)()けた、212()うしよう、213()うしようと()()でならず、214到頭(たうとう)黒姫(くろひめ)鞭撻(むちう)つて(たま)(さが)しに()したが、215これでは(くも)(つか)むやうな(たよ)りのない(はなし)216(しか)しながら()高姫(たかひめ)保管(ほくわん)して()(ふた)つの(たま)さへあれば、217()うなり、218()うなりと、219(かみ)(さま)(たい)して高姫(たかひめ)変性(へんじやう)男子(なんし)()用継(ようつ)ぎを(いた)せると(おも)うて()つたら、220()(ふた)つの(たま)大蛇(をろち)乾児(こぶん)に、221何時(いつ)()にか()られて(しま)ひ、222(いま)(かに)手足(てあし)ぼがれたやうな悲惨(みじめ)(こと)になつて(しま)つた。
223 これと()ふのも言依別(ことよりわけの)(みこと)が、224(あま)物喰(ものく)ひがよいので、225(なん)でも(かん)でも塵芥(ごもくた)を、226()(きよ)らかな(かみ)(さま)()屋敷(やしき)引張(ひつぱ)()むものだから、227()んな縮尻(しくじり)出来(でき)たのだ。228エーもう仕方(しかた)()い。229(しか)()(たま)(とほ)くは()くまい。230(いづ)()(ちか)くに(かく)してあるに(ちが)ひない。231さうでなければ(たれ)かが()()んでゐるのかも()れぬ。232仮令(たとへ)()んでも、233()になつても(じや)になつても、234()()つの(たま)取返(とりかへ)さねば()くものか。235エーエー残念(ざんねん)や、236口惜(くや)しや、237ウンウンウン』
238千切(ちぎ)千切(ちぎ)れに自分(じぶん)(はら)(そこ)まで白状(はくじやう)して(しま)つた。
239 (これ)()いた杢助(もくすけ)240(はつ)241テルヂー、242遠州(ゑんしう)243雲州(うんしう)244武州(ぶしう)()()見合(みあ)はし、245高姫(たかひめ)(はら)(なか)(きよ)からざりしに(きも)(つぶ)してゐる。
246 高姫(たかひめ)大病(たいびやう)()きつけて、247(つぎ)から(つぎ)へと見舞客(みまひきやく)(きびす)(せつ)し、248門口(かどぐち)非常(ひじやう)雑沓(ざつたふ)(きは)めた。249されど杢助(もくすけ)(ふか)(おもんぱか)るところあり、250高姫(たかひめ)囈語(うはごと)大勢(おほぜい)()かせては大変(たいへん)と、251遠州(ゑんしう)252雲州(うんしう)(かた)()ひつけ面会(めんくわい)謝絶(しやぜつ)せしめつつあつた。253此処(ここ)国依別(くによりわけ)駿州(すんしう)254三州(さんしう)(ともな)ひやつて()た。
255国依別(くによりわけ)『コレコレ遠州(ゑんしう)さま、256高姫(たかひめ)さまの()病気(びやうき)如何(どう)です。257(ちつ)とよい(はう)ですか』
258遠州(ゑんしう)(ぜん)とも(あく)とも、259テンと見当(けんたう)がつきませぬ。260()いと(おも)へば(わる)い、261(わる)いと(おも)へば()い、262到底(たうてい)凡夫(ぼんぶ)吾々(われわれ)263見当(けんたう)()れぬ仕組(しぐみ)()えますワイ』
264国依別『コレコレ遠州(ゑんしう)さま、265今日(けふ)教理(けうり)のことをたづねに()たのぢやない。266()病気(びやうき)如何(いかが)()ふのだよ』
267遠州病気(びやうき)ですかい。268()病気(びやうき)矢張(やつぱり)身体(からだ)機械(きかい)が、269どつか破損(はそん)したのですなア。270随分(ずゐぶん)奇怪(きつくわい)千万(せんばん)病気(びやうき)ですよ。271(なん)でも()りや()いてますなア』
272国依別(たれ)つい()るのだ。273看護婦(かんごふ)何人(なんにん)(くらゐ)()るか』
274遠州何分(なにぶん)()出神(でのかみ)さまの生宮(いきみや)ですから、275神主(かむぬし)もそれはそれは沢山(たくさん)()るでせう。276人間(にんげん)()には()つから()えませぬなア。277死虱(しじらみ)とか()つて、278随分(ずゐぶん)観音(くわんのん)さまが沢山(たくさん)279()守護(しゆご)してゐらつしやいますワ』
280国依別莫迦(ばか)()ふない。281オイ、282駿州(すんしう)283三州(さんしう)284()んな(やつ)相手(あひて)になつて()つても、285とんと要領(えうりやう)()ない。286サア、287(おく)強行(きやうかう)(てき)進軍(しんぐん)だ』
288()かむとする。289遠州(ゑんしう)両手(りやうて)(ひろ)げ、
290遠州『アヽ(くに)さま、291駿(すん)292(さん)293マア()つて(くだ)さい。294杢助(もくすけ)さまが(やか)ましいから』
295国依別『なに、296杢助(もくすけ)さまが()てゐるのか。297そんなら(なほ)(こと)298這入(はい)らねばなるまい』
299遠州(いま)(まへ)(たち)這入(はい)ると病気(びやうき)益々(ますます)危篤(きとく)になると()つて、300杢助(もくすけ)さまが心配(しんぱい)して御座(ござ)つたので、301(やが)()臨終(りんじう)近寄(ちかよ)つただらう』
302国依別『それほど危篤(きとく)(おちい)つて御座(ござ)るのなら尚更(なほさら)(こと)だ。303()うしても()()にかからねばなるまい。304其処(そこ)()け、305邪魔(じやま)ひろぐな』
306()()()()(すす)()る。307()れば高姫(たかひめ)は、308杢助(もくすけ)()かれて、309スヤスヤと(ねむ)つてゐる。
310国依別(くによりわけ)『アヽお(はつ)さま、311杢助(もくすけ)さま、312(みな)さま、313大変(たいへん)()苦労(くらう)でした。314()様子(やうす)()うですな』
315杢助(もくすけ)『ハイ、316(あん)じられた容態(ようだい)(こま)つてゐます。317精神(せいしん)錯乱(さくらん)()えて取止(とりと)めもないことを口走(くちばし)るので、318(じつ)のところは面会(めんくわい)謝絶(しやぜつ)をしてゐたのです。319(しか)しよう()(くだ)さつた。320到底(たうてい)もう駄目(だめ)でせう』
321絶望(ぜつばう)(てき)悲調(ひてう)()びたカスリ(こゑ)で、322(ちから)なげに(こた)へる。
323 お(はつ)はニコニコしながら、
324お初(いづ)れも(がた)325()心配(しんぱい)(くだ)さいますな。326これには(ふか)様子(やうす)のあることでせう』
327 (かか)(ところ)言依別(ことよりわけの)(みこと)は、328言依姫(ことよりひめ)329(たま)(かた)330言照姫(ことてるひめ)331紫姫(むらさきひめ)332若彦(わかひこ)(ともな)ひ、333病気(びやうき)見舞(みまひ)のために此処(ここ)(あら)はれ、334枕頭(まくらもと)()()め、335天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、336(あま)数歌(かずうた)(とな)へて恢復(くわいふく)(いの)つた。
337大正一一・五・二五 旧四・二九 外山豊二録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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