霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一五章 (なさけ)(むち)〔七〇七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第22巻 如意宝珠 酉の巻 篇:第4篇 改心の幕 よみ:かいしんのまく
章:第15章 情の鞭 よみ:なさけのむち 通し章番号:707
口述日:1922(大正11)年05月27日(旧05月01日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年7月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
鷹鳥姫と若彦は、この不思議を語り合っている。若彦と金・銀の三人は、とりもなおさず杢助にお礼を言いにいくことになって出立した。
三人が山麓の道にさしかかると、昼寝をしていた数十人の男たちに見咎められた。これはスマートボールらバラモン教徒の手勢だった。若彦は木の上に難をのがれ、金助と銀公はスマートボールに改心を促す。
スマートボールは怒って金・銀に襲い掛かるが、樹上から若彦が改心を促す宣伝歌を歌った。バラモン教徒たちは散り散りに逃げてしまった。
三人は生田の森の杢助の庵にたどり着いた。杢助は知らぬ態にて三人を迎える。若彦が玉能姫がここにいないか尋ねると、杢助は何事も神様に任せて執着を去れ、と若彦を諭す。
玉能姫は杢助親子に助けられてここにかくまわれていた。しかし杢助は女房を訪ねて教えの館を捨ててくる若彦の態度を、宣伝使として厳しく咎めたてた。また玉能姫は素盞嗚大神の御楯となって功名を表すまで夫に面会できないとのお示しを明かした。
若彦は杢助の言葉に胸を打たれ、伏し拝むと金・銀と共に去って行った。一方杢助は、神界の命とはいえ、若彦と玉能姫の間の生木を裂くような仕打ちをした苦しい胸の内をひとり明かして懺悔の涙に暮れている。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm2215
愛善世界社版:190頁 八幡書店版:第4輯 450頁 修補版: 校定版:197頁 普及版:88頁 初版: ページ備考:
001 時置師神(ときおかしのかみ)002初稚姫(はつわかひめ)003玉能姫(たまのひめ)は、004忽然(こつぜん)として()()姿(すがた)(かく)した。005何時(いつ)()にか押寄(おしよ)(きた)りしバラモン(けう)のスマートボール以下(いか)数拾人(すうじふにん)人影(ひとかげ)も、006(けむり)(ごと)()えて(しま)つた。007鷹鳥姫(たかとりひめ)008若彦(わかひこ)(たがひ)(かほ)見合(みあは)せ、009不審(ふしん)(ねん)()られながら、
010鷹鳥姫(たかとりひめ)『これ若彦(わかひこ)さま、011なんと不思議(ふしぎ)ぢやありませぬか。012(わたくし)貴方(あなた)御留守(おるす)(たの)み、013(この)(やま)(いただき)玉能姫(たまのひめ)さまと(のぼ)つて()れば、014黄金(わうごん)立像(りつざう)四辺(あたり)(まば)ゆき(ばか)りに(かがや)(たま)ひ、015荘厳(さうごん)無比(むひ)にして(ちか)づくべからざるやうでしたが、016勇気(ゆうき)()して御側(おそば)(ちか)立寄(たちよ)つたと(おも)へば、017左右(さいう)御手(みて)()ばして吾等(われら)二人(ふたり)中空(ちうくう)()()(たま)ひ、018(あと)夢心地(ゆめごこち)019()めて()れば(わが)(いほり)庭先(にはさき)(たふ)れてゐました。020さうして(てん)より(かみ)さまの(こゑ)(きこ)え、021いろいろの教訓(けうくん)(たま)はりし(とき)は、022(じつ)(おそ)()つて自分(じぶん)(いま)までの(つみ)(やま)(ごと)(まへ)(あら)はれ(きた)り、023(なん)とも()へぬ(こころ)(くる)しさ。024今迄(いままで)取違(とりちが)ひを(まつた)(さと)り、025(かみ)さまに(つみ)(ゆる)されたと(おも)へば、026バラモン(けう)(ひと)竹槍(たけやり)(もつ)て、027(わたし)(たち)二人(ふたり)()(ほろ)ぼさむと()()(きた)危機一髪(ききいつぱつ)(さい)028杢助(もくすけ)さまは初稚姫(はつわかひめ)(さま)(せな)()ひ、029玉能姫(たまのひめ)さまを(ともな)ひ、030宣伝歌(せんでんか)(うた)ひながら(この)()(あら)はれ、031初稚姫(はつわかひめ)(さま)(せな)より(おろ)(たま)うたと(おも)へば、032初稚姫(はつわかひめ)(さま)神懸(かみがかり)状態(じやうたい)御成(おな)(あそ)ばし、033娑婆即寂光浄土(しやばそくじやくくわうじやうど)因縁(いんねん)細々(こまごま)御説(おと)(くだ)され、034ヤレ有難(ありがた)やと()(をが)むと()れば、035三人(さんにん)御姿(おすがた)(けむり)()えて(しま)はれた。036不思議(ふしぎ)(こと)があればあるものだなア』
037若彦(わかひこ)(わたくし)()(とほ)りで御座(ござ)います。038(てん)から女神(めがみ)(こゑ)(きこ)え、039いろいろの(たふと)教訓(けうくん)(たま)はり、040杢助(もくすけ)(さま)一行(いつかう)(げん)此処(ここ)御出(おい)でになつたのは、041(けつ)して(ゆめ)でも(うつつ)でもありますまい。042(また)蜈蚣姫(むかでひめ)部下(ぶか)人々(ひとびと)()()せて()たのも事実(じじつ)です。043吾々(われわれ)両人(りやうにん)杢助(もくすけ)(さま)親子(おやこ)(すく)はれたも同様(どうやう)ですから、044(だま)つて()(わけ)には()きますまい。045(これ)から杢助(もくすけ)(さま)御宿(おやど)(たづ)ね、046御礼(おれい)(まゐ)らねばなりますまい』
047『さうですかなア、048貴方(あなた)御苦労(ごくらう)だが(わたし)此処(ここ)(かみ)(さま)御給仕(おきふじ)をしながら、049留守(るす)をしてゐます。050一度(いちど)御礼(おれい)()つて()(くだ)さい。051(きん)さま、052(ぎん)さま、053貴方(あなた)(とも)(たす)けて(いただ)いたのだ。054若彦(わかひこ)さまと一緒(いつしよ)杢助(もくすけ)さまの(たく)(まで)055御礼(おれい)()つてお()でなさい』
056 (きん)057(ぎん)一度(いちど)に、
058『ハイ、059有難(ありがた)う、060御伴(おとも)(いた)します』
061感謝(かんしや)(なみだ)(むせ)ぶ。062(ここ)若彦(わかひこ)(くち)(そそ)()(あら)ひ、063高姫(たかひめ)064(きん)065(ぎん)二人(ふたり)(とも)に、066神前(しんぜん)(むか)(うやうや)しく天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)し、067神言(かみごと)()り、068(いほり)(あと)崎嶇(きく)たる山坂(やまさか)(つた)(つた)ひて(くだ)()く。
069 山麓(さんろく)(やや)平坦(へいたん)なる大木(たいぼく)(しげ)みに差掛(さしかか)(とき)しも、070午睡(ひるね)をしてゐた拾数人(じふすうにん)(をとこ)071三人(さんにん)姿(すがた)()るよりスツクと()(あが)り、072前途(ゆくて)大手(おほて)(ひろ)げ、
073『ヤー、074(その)(はう)三五教(あななひけう)若彦(わかひこ)であらう。075(なんぢ)玉能姫(たまのひめ)()魔神(ましん)使(つか)つて、076俺達(おれたち)清泉(きよいづみ)()()んだ悪神(あくがみ)張本(ちやうほん)077手足(てあし)(かほ)(きず)だらけに(いた)しやがつた。078サア、079これからは返報(へんぱう)がやしして()れむ、080覚悟(かくご)をせよ』
081四方(しはう)八方(はつぱう)より棍棒(こんぼう)打振(うちふ)()(きた)る。
082 若彦(わかひこ)()(まで)無抵抗主義(むていかうしゆぎ)支持(しぢ)すれども、083(てき)(いきほひ)(あま)猛烈(まうれつ)にして(あやふ)くなりければ、084四辺(あたり)(えだ)()りよき(まつ)目蒐(めが)けて(ましら)(ごと)()(のぼ)つた。085金助(きんすけ)086銀公(ぎんこう)二人(ふたり)(まつ)小株(こかぶ)(たて)()り、
087金助(きんすけ)『オイ、088スマートボール、089カナンボールの阿兄(あにい)090その腹立(はらだち)(もつと)もだが、091()宣伝使(せんでんし)()つたことぢやない。092貴様等(きさまら)(つく)つた(こころ)(おとしあな)()()んだのだ。093(てき)(なんぢ)(こころ)(ひそ)んでゐるぞ。094マア()落着(おちつ)けよ。095貴様(きさま)(いま)杢助(もくすけ)(むすめ)初稚姫(はつわかひめ)危急(ききふ)(すく)はれて、096(くも)(かすみ)()()りながら、097()御恩(ごおん)(わす)れ、098()三五教(あななひけう)敵意(てきい)(ふく)むのか。099貴様(きさま)冷静(れいせい)(かんが)へて()よ』
100スマート『(かんが)へるも(かんが)へぬもあつたものかい。101(おれ)何時(いつ)杢助(もくすけ)(むすめ)(たす)けられたか。102莫迦(ばか)()ふない、103テンで鷹鳥姫(たかとりひめ)(いほり)()つたこともない。104なア、105カナン、106(めう)なことを金助(きんすけ)(やつ)(ぬか)すぢやないか』
107(ぬか)すも(ぬか)さぬもあつたものかい、108白々(しらじら)しい。109(わづ)一人(ひとり)二人(ふたり)宣伝使(せんでんし)(むか)つて、110竹槍隊(たけやりたい)引率(いんそつ)し、111芋刺(いもざ)しにして()れむと、112大人気(おとなげ)なくも襲撃(しふげき)して()よつたぢやないか。113(あま)(そら)(とぼ)けない』
114貴様(きさま)はちつと逆上(のぼ)せてゐよるなア。115これから(おれ)谷水(たにみづ)でも(すく)つて()ましてやらう』
116逆上(のぼ)せて()るのは貴様等(きさまら)ぢや。117(みな)(かみ)(さま)貴様等(きさまら)のやうな(わか)らん()には相手(あひて)になるなと()つて、118若彦(わかひこ)さまを()(まつ)()頂上(てつぺん)まで(のぼ)らせてござるのだ。119ちつと(のぼ)(やう)(ちが)ふぞ。120(みづ)()ましてやると()ひよつたが、121(おれ)(ほつ)する(みづ)は、122()めば直様(すぐさま)123(あせ)小便(せうべん)になるやうな(みづ)ではない。124(かわ)くことなく、125()くることなき身魂(みたま)(あら)生命(いのち)(みづ)だ。126(みづ)身魂(みたま)(すく)ひの清水(せいすゐ)だ。127サア、128これから(おれ)()ましてやらう。129(しつか)()けよ』
130カナン『金助(きんすけ)(やつ)131貴様(きさま)筒井順慶式(つついじゆんけいしき)だな。132(はら)(くろ)裏返(うらがへ)(もの)133サア、134(ひと)()()ましてやらう。135覚悟(かくご)(いた)せ』
136(せま)(きた)る。
137金助(きんすけ)『アハヽヽヽ、138(おれ)(はら)(くろ)いと(ぬか)すが、139貴様(きさま)大将(たいしやう)(あふ)蜈蚣姫(むかでひめ)()うだい。140身体(からだ)一面(いちめん)真黒(まつくろ)ぢやないか。141()股肱(ここう)(つか)へてゐる貴様(きさま)(かほ)野山(のやま)炭焼(すみや)きか、142炭団玉(たどんだま)か、143(ただし)屋根葺爺(やねふきおやぢ)か、144アフリカの(くろ)(ばう)か、145(からす)のお()けか、146紺屋(こんや)丁稚(でつち)か、147岩戸(いはと)()めた曲神(まがかみ)か、148得体(えたい)(わか)らぬ真黒黒助(まつくろくろすけ)149アハヽヽヽ』
150(かた)(おほ)きく(ゆす)り、151二三度(にさんど)(あし)大地(だいち)(もち)()きながら(わら)つて()せた。152スマート、153カナンは烈火(れつくわ)(ごと)(いきどほ)り、
154腹黒(はらぐろ)二枚舌(にまいじた)155腰抜(こしぬ)野郎(やらう)()156()はして()けば際限(さいげん)もなき雑言(ざふごん)無礼(ぶれい)157最早(もはや)勘忍(かんにん)相成(あひな)らぬ、158覚悟(かくご)(いた)せ』
159武者振(むしやぶ)りつく。160(きん)161(ぎん)二人(ふたり)拾数人(じふすうにん)相手(あひて)にコロンツ、162コロンツと格闘(かくとう)(はじ)めた。
163 (まつ)大木(たいぼく)(うへ)より若彦(わかひこ)(こゑ)()()げて(うた)()した。
164(かみ)(つく)りし(かみ)(くに)
165(めぐ)みの(つゆ)(うるほ)ひて
166大神宝(おほみたから)(うま)れたる
167世界(せかい)(ひと)(かみ)御子(みこ)
168(ひと)のみならず(とり)(けもの)
169魚貝(ぎよかひ)(はし)(いた)るまで
170(かみ)(つく)りし(うづ)御子(みこ)
171(たがひ)(にく)(あらそ)ふは
172吾等(われら)(つく)りし祖神(おやがみ)
173(ふか)(こころ)(そむ)くなり
174スマートボール(その)(ほか)
175バラモン(けう)人々(ひとびと)
176吾等(われら)(おな)天地(あめつち)
177(かみ)のみ(いき)(うま)れたる
178()つても()れぬ同胞(はらから)
179(あい)(あい)され(たす)()
180(きよ)(たふと)()()をば
181一日(ひとひ)(なが)(なが)らへて
182皇大神(すめおほかみ)()らします
183(めぐみ)(あめ)(よく)()
184(たがひ)(こころ)()()けて
185四海同胞(しかいどうはう)標本(へうほん)
186世界(せかい)(しめ)(かみ)()
187(うま)れし(じつ)をめいめいに
188()げよぢやないか人々(ひとびと)
189三五教(あななひけう)やバラモンと
190()(かは)れども()(すく)
191(まこと)(こころ)(みな)(ひと)
192(ひと)(こころ)(むつ)()
193(くだ)らぬ(あらそ)打切(うちき)りて
194()引合(ひきあ)うて(かみ)(みち)
195(はな)()(はる)をやすやすと
196(こころ)(たの)しきパラダイス
197(すす)()()(まつ)(うへ)
198(まつ)(みどり)若彦(わかひこ)
199皇大神(すめおほかみ)()らされし
200(こころ)(たま)打開(うちあ)けて
201(かみ)より()でし同胞(はらから)
202真心(まごころ)()めて()(さと)
203あゝ諸人(もろびと)諸人(もろびと)
204三五教(あななひけう)やバラモンと
205(ちひ)さき(へだ)てを打破(うちやぶ)
206(たふと)(かみ)御子(みこ)として
207(きよ)(この)()永遠(とこしへ)
208千代(ちよ)八千代(やちよ)(くら)さうか
209返答(へんたふ)()かせ(はや)()かせ
210(なれ)(こころ)仇波(あだなみ)
211(なれ)(こころ)()(さわ)
212(なみ)(しづ)まる()(あひだ)
213この若彦(わかひこ)何時(いつ)(まで)
214(まつ)(こずゑ)安坐(あんざ)して
215改心(かいしん)するを()(くら)
216あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
217御霊(みたま)(さち)はひましませよ
218朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
219(つき)()つとも()くるとも
220仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
221(かみ)吾等(われら)御親(みおや)ぞや
222(ひと)(のこ)らず(かみ)御子(みこ)
223(ひと)(ひと)とは同胞(はらから)
224親子(おやこ)兄弟(きやうだい)(むつ)()
225五六七(みろく)神代(みよ)永遠(とこしへ)
226()引合(ひきあ)うて(たのし)まむ
227(かみ)(おもて)()れまして
228(ぜん)(あく)とを()(たま)
229(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
230(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
231(ただ)何事(なにごと)吾々(われわれ)
232(たがひ)(むね)()かし()
233(あやま)ちあらば御互(おたがひ)
234(いさ)(かは)して天地(あめつち)
235(かみ)(こころ)(かな)ひつつ
236(ふた)つの(をしへ)()(あは)
237(まこと)(ひと)つの神界(しんかい)
238(みち)(かへ)ろぢやないかいな
239(みち)(すす)もぢやないかいな
240これ若彦(わかひこ)一生(いつしやう)
241バラモン(けう)人々(ひとびと)
242(たい)して(ねが)真心(まごころ)
243あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
244御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
245(うた)(をは)つた。
246 (にはか)()()春風(はるかぜ)に、247松葉(まつば)(そよ)そよそよと、248(こずゑ)(つた)(くだ)(きた)る。249()言霊(ことたま)辟易(へきえき)し、250スマートボールを(はじ)めとし、251数多(あまた)人々(ひとびと)一散(いつさん)に、252(くも)(かすみ)(はし)()く。253(きん)254(ぎん)一度(いちど)に、
255若彦(わかひこ)さま、256貴方(あなた)宣伝歌(せんでんか)()つて一同(いちどう)(もの)は、257(あたま)(かか)(しり)(ひつ)からげ、258(はじ)めの(いきほひ)にも()ず、259(くも)(かすみ)()()つて(しま)ひました。260(しか)(なが)彼等(かれら)とても良心(りやうしん)(ひらめ)きはありませうが、261さうぢやと()つて(けつ)して油断(ゆだん)はなりませぬ。262()をつけて(まゐ)りませうか』
263若彦(わかひこ)『マア(いそ)ぐに(およ)ばぬ。264バラモン(けう)人々(ひとびと)(たい)し、265(わたくし)宣伝歌(せんでんか)(こう)(そう)したか、266(そう)しなかつたかは()りませぬが、267()(かく)吾々(われわれ)進路(しんろ)(ひら)いて()れただけでも結構(けつこう)だ。268()(まつ)()(ふもと)(おい)大神(おほかみ)さまに感謝(かんしや)祝詞(のりと)(ささ)げませう』
269()(をは)(はや)くも拍手(はくしゆ)再拝(さいはい)270鷹鳥山(たかとりやま)絶頂(ぜつちやう)目標(めあて)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)(はじ)めた。271若彦(わかひこ)(ほか)二人(ふたり)(あせ)(なが)して奏上(そうじやう)する英気(えいき)()ちた(かほ)を、272遠慮(ゑんりよ)えしやくもなく(やま)春風(はるかぜ)()いて(とほ)る。
273 再度山(ふたたびやま)山麓(さんろく)274生田(いくた)(もり)(なか)(いほり)(むす)杢助(もくすけ)仮住居(かりずまゐ)275(かたち)ばかりの門戸(もんこ)(ひら)いて()(きた)三人(さんにん)(をとこ)があつた。276その(なか)一人(ひとり)若彦(わかひこ)である。277若彦(わかひこ)は、
278(たの)みます (たの)みます』
279(もん)()(たた)いて(おとな)へば、
280『オー』
281(こた)へて()(きた)以前(いぜん)杢助(もくすけ)282素知(そし)らぬ(かほ)にて、
283『ヤーお(まへ)さまは若彦(わかひこ)宣伝使(せんでんし)さま、284鷹鳥山(たかとりやま)(いほり)(おい)身魂(みたま)(みが)き、285(かたがた)御教(みをしへ)鷹鳥姫(たかとりひめ)(とも)四方(よも)宣伝(せんでん)して御座(ござ)ると()いて()たが、286今日(けふ)(また)如何(いか)なる(かぜ)()(まは)しか、287()杢助(もくすけ)隠家(かくれが)(たづ)ねて御越(おこ)(あそ)ばしたのは、288如何(いか)なる御用(ごよう)でございますか』
289最前(さいぜん)鷹鳥姫(たかとりひめ)(さま)(はじ)吾々(われわれ)一同(いちどう)290いかい御世話(おせわ)になりました。291御礼(おれい)(まを)さむかと(おも)()もなく、292貴方(あなた)初稚姫(はつわかひめ)さま、293玉能姫(たまのひめ)(とも)御帰(おかへ)(あそ)ばしたので、294鷹鳥姫(たかとりひめ)さまも(ひと)つ、295言葉(ことば)御礼(おれい)()つて()ねば()まないから「若彦(わかひこ)296(まへ)御礼(おれい)()つて()い」との(あふ)せ、297(おく)れながら只今(ただいま)(まゐ)りました』
298()()(くれ)(まぎ)れに三人連(さんにんづ)れで、299此処(ここ)へやつて()るとは合点(がてん)()かぬ。300()杢助(もくすけ)二三日前(にさんにちまへ)から(しきゐ)(ひと)(また)げた(こと)はござらぬ。301(したが)つて貴方(あなた)最前(さいぜん)とやら御助(おたす)(まを)した(おぼ)えはござらねば、302()うぞ(この)(まま)御帰(おかへ)(くだ)さいませ』
303(にべ)杓子(しやくし)もなく、304(えのき)(はな)(こす)つたやうな挨拶(あいさつ)()り、305(やや)(つら)(ふく)らし、306()凝視(みつ)めて不機嫌顔(ふきげんがほ)307若彦(わかひこ)合点(がてん)()かず、308(しば)(こた)ふる言葉(ことば)()らなかつたが、309(おも)()つたやうに、
310玉能姫(たまのひめ)貴方(あなた)(うち)御世話(おせわ)になつて()りませぬか』
311『それを(たず)ねて(なん)となさる。312三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)たるものは、313一切(いつさい)神様(かみさま)(まか)せ、314(すべ)ての執着(しふちやく)()り、315師匠(ししやう)(つゑ)につかず、316(ひと)相手(あひて)とせず、317親子(おやこ)女房(にようばう)血類(けつるい)(ちから)にすなとの(をしへ)ではござらぬか。318(なに)血迷(ちまよ)うて鷹鳥山(たかとりやま)霊場(れいぢやう)玉能姫(たまのひめ)()()み、319(けが)らはしくも()杢助(もくすけ)(たく)玉能姫(たまのひめ)()ないかなぞと(もつ)ての(ほか)御心得(おこころえ)(ちが)ひ、320左様(さやう)(くさ)つた(たましひ)宣伝使(せんでんし)には今日(けふ)(かぎ)絶縁(ぜつえん)(いた)します。321()(しきゐ)322一歩(いつぽ)でも(また)げるなら、323サア、324(また)げて()なさい』
325 (おく)には玉能姫(たまのひめ)(せき)(ばら)ひ、326若彦(わかひこ)(みみ)には殊更(ことさら)刺激(しげき)(あた)へた。327玉能姫(たまのひめ)杢助(もくすけ)(すく)はれ、328此処(ここ)病気(いたづき)()(よこた)へながら、329若彦(わかひこ)との問答(もんだふ)(こころ)(いた)めて()いて()る。330()()つばかり()ひたさ()たさに、331玉能姫(たまのひめ)(こころ)矢竹(やたけ)(あせ)れども、332人目(ひとめ)(せき)や、333()きさしならぬ杢助(もくすけ)(かた)言葉(ことば)(さへぎ)られ、334(なん)返答(いらへ)もないじやくり、335夜具(やぐ)()ひつきハラハラと(なみだ)(たもと)(ぬぐ)ひつつあつた。
336 杢助(もくすけ)二人(ふたり)(こころ)(さつ)()ない(ほど)木石漢(ぼくせきかん)にはあらねども、337二人(ふたり)(おも)慈悲心(じひしん)(なみ)にせかれて(なみだ)(かく)し、338(わざ)呶鳴声(どなりごゑ)
339『ヤイ、340黄昏(たそがれ)のこととて(かほ)(たし)かに(わか)らねど、341()(こゑ)若彦(わかひこ)によく()たり。342(おそ)らくは若彦(わかひこ)間違(まちが)ひなからうかも()れぬ。343(しか)(なが)三五教(あななひけう)には不惜身命的(ふじやくしんみやうてき)宣伝使(せんでんし)数多(あまた)綺羅星(きらぼし)(ごと)く、344(こころ)(たま)(かがや)かし(かみ)(をしへ)(みち)猛進(まうしん)し、345世人(せじん)(みちび)身分(みぶん)として女房(にようばう)(こころ)(うば)はれ、346(をしへ)(やかた)()てて遥々(はるばる)(たづ)()(ごと)腰抜(こしぬ)けは一人(ひとり)御座(ござ)らぬ。347(なんぢ)(かみ)()(いな)宣伝使(せんでんし)雅号(ががう)をサツクとなし、348(この)()(たば)かる泥坊(どろばう)(たぐひ)ならむ。349(なんぢ)(ごと)偽物(にせもの)350諸方(しよはう)徘徊(はいくわい)(いた)すに()つて、351第一(だいいち)三五教(あななひけう)(つら)(よご)し、352獅子身中(しししんちう)(いな)志士集団(しししふだん)団体(だんたい)をして腰抜教(こしぬけけう)天下(てんか)誤解(ごかい)せしめ、353(かみ)神聖(しんせい)冒涜(ばうとく)するもの、354(なんぢ)(これ)より(おの)住家(すみか)(かへ)り、355一意専念(いちいせんねん)身魂(みたま)(みが)き、356名実相合(めいじつあひがつ)する神人(しんじん)となつて、357(しか)(のち)宣伝使(せんでんし)希望(きばう)ならば宣伝使(せんでんし)となれ。358それが(いや)なら只今(ただいま)(まま)流浪人(さすらひびと)となつて(ひと)門戸(もんこ)(たた)き、359乞食(こじき)(はぢ)(さら)すがよからう。360()(まを)杢助(もくすけ)(こころ)千万無量(せんばんむりやう)361推量(すゐりやう)(いた)して名誉(めいよ)泥坊(どろばう)二人(ふたり)(とも)()(この)()立去(たちさ)れ。362(また)玉能姫(たまのひめ)とやらの宣伝使(せんでんし)は、363神界(しんかい)のため(をつと)(しばら)(はな)れて素盞嗚大神(すさのをのおほかみ)御楯(みたて)となり、364華々(はなばな)しき功名(こうみやう)(いた)(まで)365(をつと)面会(めんくわい)(いた)すまいぞ』
366(こゑ)()()げて夫婦(ふうふ)()かす杢助(もくすけ)(なさけ)言葉(ことば)367若彦(わかひこ)(むね)(かすがひ)()たるる心地(ここち)368両手(りやうて)(あは)杢助(もくすけ)(いほり)()(をが)み、369名残(なごり)()しげに振返(ふりかへ)振返(ふりかへ)り、370二人(ふたり)(をとこ)(とも)に、371(やみ)(とばり)(つつ)まれてしまつた。
372 (あと)杢助(もくすけ)(こゑ)湿(しめ)らせながら独言(ひとりごと)
373大神(おほかみ)のため、374世人(よびと)のためとは()ひながら、375生木(なまき)()くやうな杢助(もくすけ)仕打(しうち)ち、376若彦(わかひこ)(かなら)(うら)んで()れな。377それに(つい)ても玉能姫(たまのひめ)378せめて一目(ひとめ)なりと()はして()れたら()ささうなものだのに、379気強(きづよ)杢助(もくすけ)であると(さぞ)(うら)んで()るであらう。380最前(さいぜん)初稚姫(はつわかひめ)(さま)御知(おし)らせに()つて鷹鳥山(たかとりやま)救援(きうゑん)(むか)()りしも玉能姫(たまのひめ)御伴(おとも)をしようと()つた。381(その)(とき)無下(むげ)(しか)りつけ初稚姫(はつわかひめ)(さま)(せな)()ひ、382(あと)(こころ)(のこ)しつつ宣伝歌(せんでんか)(うた)ひながら鷹鳥姫(たかとりひめ)(やかた)()つて()れば、383(かみ)御告(おつげ)寸分(すんぶん)(たが)はず、384悲惨(ひさん)(まく)()りて()た。385玉能姫(たまのひめ)幽体(いうたい)(また)()えつ(かく)れつ()()つたやうだ。386嗚呼(ああ)無理(むり)もない。387(しか)(なが)(いま)()はせるは(やす)けれど、388言依別命(ことよりわけのみこと)(さま)御内命(ごないめい)もあり、389(かつ)(また)至仁至愛(みろく)大神様(おほかみさま)(きび)しき御示(おしめ)し、390何程(なにほど)玉能姫(たまのひめ)心情(しんじやう)(さつ)すればとて、391(かみ)さまの(おほせ)には(そむ)かれず、392(かみ)(をしへ)人情(にんじやう)締木(しめき)にかかつた()杢助(もくすけ)(むね)(くる)しさよ。393アヽ両人(りやうにん)394(いま)(つら)(わか)れは勝利(しようり)(みやこ)(たつ)する首途(かどで)395杢助(もくすけ)(こころ)(なか)(ちつと)推量(すゐりやう)して(くだ)され』
396流石(さすが)剛毅(がうき)杢助(もくすけ)(なさけ)(から)まれ、397潜々(さめざめ)落涙(らくるい)(むせ)んでゐる。398(おく)には初稚姫(はつわかひめ)399玉能姫(たまのひめ)(かな)づる一絃琴(いちげんきん)()400しとやかに鼓膜(こまく)をそそる。
401大正一一・五・二七 旧五・一 外山豊二録)
   
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