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霊界物語
如意宝珠(第13~24巻)
第22巻(酉の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 暗雲低迷
第1章 玉騒疑
第2章 探り合ひ
第3章 不知火
第4章 玉探志
第2篇 心猿意馬
第5章 壇の浦
第6章 見舞客
第7章 囈語
第8章 鬼の解脱
第3篇 黄金化神
第9章 清泉
第10章 美と醜
第11章 黄金像
第12章 銀公着瀑
第4篇 改心の幕
第13章 寂光土
第14章 初稚姫
第15章 情の鞭
第16章 千万無量
第5篇 神界経綸
第17章 生田の森
第18章 布引の滝
第19章 山と海
第20章 三の魂
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<<< 情の鞭
(B)
(N)
生田の森 >>>
第一六章
千万
(
せんまん
)
無量
(
むりよう
)
〔七〇八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第22巻 如意宝珠 酉の巻
篇:
第4篇 改心の幕
よみ(新仮名遣い):
かいしんのまく
章:
第16章 千万無量
よみ(新仮名遣い):
せんまんむりょう
通し章番号:
708
口述日:
1922(大正11)年05月27日(旧05月01日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年7月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
玉能姫は、神業のために夫と一時別れて活動をしなければならないお役目を思い、宣伝への決意を一弦琴に託して歌っていた。
杢助がそこへやってきて、玉能姫に慰めの言葉をかける。初稚姫は神の道に安く艱難を乗り越える祈りを籠めた宣伝歌を歌った。
杢助の庵の外では、にわかに騒がしい声が聞こえてきた。耳を傾けると、若彦がバラモン教徒たちに捕らえられて、打ち据えられている。
玉能姫はいたたまれない気持ちになったが、自分と夫のそれぞれに与えられた役目に対するご神命を破るわけにもいかず、苦しい胸のうちをこらえて平静を装っている。
玉能姫杢助に促されて天津祝詞を静かに奏上した。すると不思議にも庵の窓の外の人影は消えてしまい、後にはただ白狐が森の彼方に進んで行くのが見えたのみであった。
玉能姫は自分の心の迷いを糺してくれたことに対して、神への感謝の祈りを捧げた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-06-13 17:37:56
OBC :
rm2216
愛善世界社版:
205頁
八幡書店版:
第4輯 456頁
修補版:
校定版:
212頁
普及版:
94頁
初版:
ページ備考:
001
玉能姫
(
たまのひめ
)
『
水
(
みづ
)
の
流
(
なが
)
れと
人
(
ひと
)
の
行末
(
ゆくすゑ
)
002
昨日
(
きのふ
)
や
今日
(
けふ
)
の
飛鳥川
(
あすかがは
)
003
淵瀬
(
ふちせ
)
と
変
(
かは
)
る
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
004
神
(
かみ
)
の
御水火
(
みいき
)
に
生
(
うま
)
れ
来
(
き
)
て
005
夫
(
をつと
)
ともなり
妻
(
つま
)
となり
006
親子
(
おやこ
)
となるも
神
(
かみ
)
の
世
(
よ
)
の
007
縁
(
えにし
)
の
糸
(
いと
)
に
結
(
むす
)
ばれて
008
解
(
と
)
くる
由
(
よし
)
なき
空蝉
(
うつせみ
)
の
009
うつつの
世
(
よ
)
ぞと
知
(
し
)
りながら
010
輪廻
(
りんね
)
の
雲
(
くも
)
に
包
(
つつ
)
まれて
011
進
(
すす
)
みかねたる
恋
(
こひ
)
の
途
(
みち
)
012
暗路
(
やみぢ
)
に
迷
(
まよ
)
ふ
浅間
(
あさま
)
しさ
013
日
(
ひ
)
は
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
り
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
ち
014
或
(
あるひ
)
は
虧
(
か
)
くる
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
015
変
(
かは
)
らぬものは
親
(
おや
)
と
子
(
こ
)
の
016
尽
(
つ
)
きせぬ
名残
(
なごり
)
妹
(
いも
)
と
背
(
せ
)
の
017
深
(
ふか
)
き
契
(
ちぎり
)
と
白雲
(
しらくも
)
の
018
汝
(
なれ
)
は
東
(
ひがし
)
へ
吾
(
あ
)
は
西
(
にし
)
へ
019
南
(
みなみ
)
や
北
(
きた
)
と
彷徨
(
さまよ
)
ひて
020
いつかは
廻
(
めぐ
)
り
近江路
(
あふみぢ
)
や
021
美濃
(
みの
)
尾張
(
をはり
)
さへ
定
(
さだ
)
めなく
022
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
遠江
(
とほとほみ
)
023
祈
(
いの
)
り
駿河
(
するが
)
の
富士
(
ふじ
)
の
山
(
やま
)
024
木花姫
(
このはなひめ
)
の
御
(
おん
)
神
(
かみ
)
に
025
願
(
ねが
)
ひ
掛巻
(
かけま
)
く
甲斐
(
かひ
)
ありて
026
嬉
(
うれ
)
しき
逢瀬
(
あふせ
)
を
三保
(
みほ
)
の
浜
(
はま
)
027
浦凪
(
うらな
)
ぎ
渡
(
わた
)
る
羽衣
(
はごろも
)
の
028
松
(
まつ
)
の
響
(
ひびき
)
も
爽
(
さはや
)
かに
029
風
(
かぜ
)
のまにまに
流
(
なが
)
れ
行
(
ゆ
)
く
030
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
生神
(
いきがみ
)
の
031
貴
(
うづ
)
の
御楯
(
みたて
)
と
選
(
えら
)
まれし
032
神
(
かみ
)
の
任
(
よさ
)
しの
宣伝使
(
せんでんし
)
033
千変
(
せんぺん
)
万化
(
ばんくわ
)
に
身
(
み
)
を
窶
(
やつ
)
し
034
百
(
もも
)
の
艱難
(
なやみ
)
を
身
(
み
)
に
受
(
う
)
けて
035
世人
(
よびと
)
を
救
(
すく
)
ふ
真心
(
まごころ
)
の
036
凝
(
こ
)
り
固
(
かた
)
まりし
夫婦仲
(
めをとなか
)
037
鷹鳥山
(
たかとりやま
)
の
頂
(
いただき
)
に
038
黄金
(
こがね
)
の
光
(
ひかり
)
を
放
(
はな
)
ちつつ
039
衆生
(
しゆじやう
)
済度
(
さいど
)
の
御
(
おん
)
誓
(
ちか
)
ひ
040
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
の
基礎
(
いしずゑ
)
を
041
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
に
固
(
かた
)
めむと
042
治
(
をさ
)
まる
御代
(
みよ
)
をみろくの
世
(
よ
)
043
国治立
(
くにはるたちの
)
大神
(
おほかみ
)
や
044
豊国姫
(
とよくにひめの
)
大御神
(
おほみかみ
)
045
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
046
三
(
み
)
つの
御霊
(
みたま
)
の
神勅
(
みことのり
)
047
項
(
うなじ
)
にうけて
世
(
よ
)
を
開
(
ひら
)
く
048
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
も
若彦
(
わかひこ
)
の
049
夫
(
つま
)
の
命
(
みこと
)
は
今
(
いま
)
何処
(
いづこ
)
050
折角
(
せつかく
)
会
(
あ
)
ひは
会
(
あ
)
ひながら
051
人目
(
ひとめ
)
の
関
(
せき
)
に
隔
(
へだ
)
てられ
052
其
(
その
)
声
(
こゑ
)
さへも
碌々
(
ろくろく
)
に
053
聞
(
き
)
きも
得
(
え
)
ざりし
玉能姫
(
たまのひめ
)
054
果敢
(
はか
)
なき
夢路
(
ゆめぢ
)
を
辿
(
たど
)
りつつ
055
生田
(
いくた
)
の
森
(
もり
)
の
吾
(
わが
)
思
(
おも
)
ひ
056
稚姫君
(
わかひめぎみ
)
の
御
(
おん
)
霊
(
みたま
)
057
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
に
鎮
(
しづ
)
まりて
058
再
(
ふたた
)
び
神代
(
かみよ
)
を
立直
(
たてなほ
)
し
059
四方
(
よも
)
の
天地
(
あめつち
)
神人
(
かみびと
)
を
060
救
(
すく
)
はせ
給
(
たま
)
ふ
経綸地
(
けいりんち
)
061
守
(
まも
)
るも
嬉
(
うれ
)
しき
吾
(
わが
)
身魂
(
みたま
)
062
行末
(
ゆくすゑ
)
こそは
楽
(
たの
)
しけれ
063
あゝ
吾
(
わが
)
夫
(
つま
)
よ
若彦
(
わかひこ
)
よ
064
妾
(
わらは
)
がひそむ
此
(
この
)
庵
(
いほり
)
065
遥々
(
はるばる
)
訪
(
たづ
)
ね
来
(
きた
)
ります
066
清
(
きよ
)
き
尊
(
たふと
)
き
御
(
おん
)
心
(
こころ
)
067
仇
(
あだ
)
に
帰
(
かへ
)
せし
胸
(
むね
)
の
裡
(
うち
)
068
うまらに
細
(
つぶ
)
さに
酌
(
く
)
み
取
(
と
)
りて
069
必
(
かなら
)
ず
恨
(
うら
)
ませ
給
(
たま
)
ふまじ
070
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
生神
(
いきがみ
)
の
071
在
(
あ
)
れます
限
(
かぎ
)
り
汝
(
な
)
と
吾
(
われ
)
は
072
又
(
また
)
もや
何時
(
いつ
)
か
相生
(
あひおひ
)
の
073
松
(
まつ
)
の
緑
(
みどり
)
の
常久
(
とこしへ
)
に
074
霜
(
しも
)
を
戴
(
いただ
)
く
世
(
よ
)
ありとも
075
相互
(
たがひ
)
に
昔
(
むかし
)
を
語
(
かた
)
りつつ
076
歓
(
ゑら
)
ぎ
楽
(
たの
)
しむ
事
(
こと
)
あらむ
077
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
078
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
079
夫
(
つま
)
と
在
(
あ
)
れます
若彦
(
わかひこ
)
が
080
行末
(
ゆくすゑ
)
厚
(
あつ
)
く
守
(
まも
)
りませ
081
吾
(
われ
)
は
女
(
をんな
)
の
身
(
み
)
なれども
082
神
(
かみ
)
を
敬
(
うやま
)
ひ
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
083
四方
(
よも
)
の
身魂
(
みたま
)
を
慈
(
いつく
)
しむ
084
清
(
きよ
)
き
心
(
こころ
)
は
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
も
085
胸
(
むね
)
に
放
(
はな
)
さず
天地
(
あめつち
)
の
086
神
(
かみ
)
に
祈
(
いの
)
りて
身
(
み
)
の
限
(
かぎ
)
り
087
心
(
こころ
)
の
限
(
かぎ
)
り
三五
(
あななひ
)
の
088
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つを
筑紫潟
(
つくしがた
)
089
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
も
不知火
(
しらぬひ
)
の
090
世人
(
よびと
)
は
如何
(
いか
)
に
騒
(
さわ
)
ぐとも
091
只
(
ただ
)
皇神
(
すめかみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
に
092
夫婦
(
めをと
)
心
(
こころ
)
を
協
(
あは
)
せつつ
093
身
(
み
)
は
東西
(
とうざい
)
に
生
(
い
)
き
別
(
わか
)
れ
094
如何
(
いか
)
なる
艱難
(
なやみ
)
の
来
(
きた
)
るとも
095
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せし
汝
(
な
)
が
命
(
みこと
)
096
妾
(
わらは
)
も
後
(
あと
)
より
大神
(
おほかみ
)
の
097
御言
(
みこと
)
のままに
白雲
(
しらくも
)
の
098
遠
(
とほ
)
き
国
(
くに
)
をば
踏
(
ふ
)
み
分
(
わ
)
けて
099
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
100
山野
(
やまの
)
を
渉
(
わた
)
り
河
(
かは
)
を
越
(
こ
)
え
101
海
(
うみ
)
に
浮
(
うか
)
びつ
常世国
(
とこよくに
)
102
高砂島
(
たかさごじま
)
の
果
(
はて
)
までも
103
進
(
すす
)
みて
行
(
ゆ
)
かむ
惟神
(
かむながら
)
104
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
105
と
一絃琴
(
いちげんきん
)
に
連
(
つ
)
れて
歌
(
うた
)
の
声
(
こゑ
)
諸共
(
もろとも
)
に、
106
幽邃
(
かすか
)
に
庵
(
いほり
)
の
外
(
そと
)
に
響
(
ひび
)
き
渡
(
わた
)
りつつあつた。
107
杢助
(
もくすけ
)
は
慨歎
(
がいたん
)
稍
(
やや
)
久
(
ひさ
)
しうして、
108
力
(
ちから
)
なげに
二女
(
にぢよ
)
が
琴
(
こと
)
を
弾
(
だん
)
ずる
其
(
その
)
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ、
109
杢助
『
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
、
110
大変
(
たいへん
)
に
音色
(
ねいろ
)
が
良
(
よ
)
くなりましたよ。
111
玉能姫
(
たまのひめ
)
様
(
さま
)
、
112
貴女
(
あなた
)
の
音色
(
ねいろ
)
も
余程
(
よほど
)
宜
(
よろ
)
しいな、
113
稍
(
やや
)
悲調
(
ひてう
)
を
帯
(
お
)
びて
居
(
ゐ
)
る
様
(
やう
)
です。
114
何
(
なに
)
かお
心
(
こころ
)
に
懸
(
かか
)
つた
事
(
こと
)
はありませぬか、
115
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
は
直
(
す
)
ぐに
言霊
(
ことたま
)
の
上
(
うへ
)
に
現
(
あら
)
はれるものですから』
116
玉能姫
(
たまのひめ
)
『ハイ、
117
余
(
あんま
)
り
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
思召
(
おぼしめし
)
が
有難
(
ありがた
)
くて
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
み
渡
(
わた
)
り、
118
又
(
また
)
他人
(
ひと
)
様
(
さま
)
のお
情
(
なさけ
)
が
胸
(
むね
)
に
応
(
こた
)
へまして、
119
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
に
咽
(
むせ
)
んで
居
(
ゐ
)
ました』
120
杢助
『
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
喜
(
よろこび
)
があれば
悲
(
かなしみ
)
がある、
121
悲
(
かなしみ
)
の
後
(
あと
)
には
屹度
(
きつと
)
喜
(
よろこ
)
ばしい
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
くものです。
122
桜
(
さくら
)
の
花
(
はな
)
は
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
夜
(
よる
)
の
嵐
(
あらし
)
に
無残
(
むざん
)
に
散
(
ち
)
りましたが、
123
梢
(
こずゑ
)
に
眺
(
なが
)
めた
花
(
はな
)
よりも
斯
(
か
)
う
一面
(
いちめん
)
庭
(
には
)
の
面
(
おも
)
に
散
(
ち
)
り
敷
(
し
)
く
美
(
うつく
)
しさは
又
(
また
)
一入
(
ひとしほ
)
ですな。
124
人間
(
にんげん
)
は
何事
(
なにごと
)
も
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御心
(
みこころ
)
に
任
(
まか
)
すより
外
(
ほか
)
に
途
(
みち
)
はありませぬ。
125
如何
(
いか
)
なる
艱難
(
かんなん
)
辛苦
(
しんく
)
に
遭遇
(
さうぐう
)
するとも
悔
(
くや
)
むものでは
決
(
けつ
)
してありませぬ。
126
私
(
わたし
)
も
一人
(
ひとり
)
の
妻
(
つま
)
に
死別
(
しにわか
)
れ、
127
一度
(
いちど
)
は
悲
(
かな
)
しき
鰥鳥
(
やもめどり
)
の
幼児
(
をさなご
)
を
抱
(
かか
)
へて
浮世
(
うきよ
)
の
無常
(
むじやう
)
を
感
(
かん
)
じましたが「イヤ
待
(
ま
)
て
暫時
(
しばし
)
、
128
斯
(
か
)
くなり
行
(
ゆ
)
くも
人間業
(
にんげんわざ
)
ではない、
129
何
(
なに
)
か
深
(
ふか
)
き
思召
(
おぼしめし
)
のある
事
(
こと
)
であらう。
130
死別
(
しにわか
)
れた
女房
(
にようばう
)
は
不愍
(
ふびん
)
な
様
(
やう
)
だが、
131
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
屹度
(
きつと
)
今
(
いま
)
より
以上
(
いじやう
)
、
132
結構
(
けつこう
)
な
処
(
ところ
)
へお
助
(
たす
)
け
下
(
くだ
)
さるであらう。
133
あゝ
私
(
わし
)
が
悔
(
くや
)
めば
可愛
(
かあい
)
い
女房
(
にようばう
)
が
神
(
かみ
)
の
御国
(
みくに
)
へも
能
(
よ
)
う
行
(
ゆ
)
かず
輪廻
(
りんね
)
に
迷
(
まよ
)
ひ
苦
(
くるし
)
み
悶
(
もだ
)
えるであらう。
134
忘
(
わす
)
れるが
何
(
なに
)
よりだ」と
一念
(
いちねん
)
発起
(
ほつき
)
した
上
(
うへ
)
は
却
(
かへつ
)
て
独身
(
ひとりみ
)
の
方
(
はう
)
が
結句
(
けつく
)
気楽
(
きらく
)
で
宜
(
よろ
)
しい。
135
斯
(
こ
)
んな
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふと「お
前
(
まへ
)
さまは
無情
(
むじやう
)
な
夫
(
をつと
)
だ」と
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
で
蔑
(
さげす
)
みも
笑
(
わら
)
ひもなさらうが、
136
さてさて
何程
(
なにほど
)
悔
(
くや
)
んで
見
(
み
)
た
所
(
ところ
)
で
仕方
(
しかた
)
がない。
137
お
前
(
まへ
)
さまも
人間
(
にんげん
)
の
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
生
(
うま
)
れ、
138
況
(
ま
)
して
尊
(
たふと
)
き
宣伝使
(
せんでんし
)
に
使
(
つか
)
はれた
以上
(
いじやう
)
は、
139
世間
(
せけん
)
の
凡夫
(
ぼんぶ
)
とは
事変
(
ことかは
)
り、
140
楽
(
たの
)
しみも
一層
(
いつそう
)
深
(
ふか
)
い
代
(
かは
)
りに
苦
(
くる
)
しみも
亦
(
また
)
一層
(
いつそう
)
深
(
ふか
)
いでせう。
141
其
(
その
)
苦
(
くる
)
しみが
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
鞭
(
むち
)
だ。
142
何事
(
なにごと
)
があつても
決
(
けつ
)
して
心配
(
しんぱい
)
はなされますなや』
143
と
口
(
くち
)
には
元気
(
げんき
)
に
言
(
い
)
へど、
144
何
(
なん
)
となく
玉能姫
(
たまのひめ
)
が
心
(
こころ
)
も
推量
(
おしはか
)
り、
145
同情
(
どうじやう
)
の
涙
(
なみだ
)
の
色
(
いろ
)
が
声
(
こゑ
)
に
現
(
あら
)
はれて
居
(
ゐ
)
た。
146
玉能姫
(
たまのひめ
)
『
何
(
なに
)
から
何
(
なに
)
まで、
147
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
に
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います。
148
我々
(
われわれ
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
者
(
もの
)
を
立派
(
りつぱ
)
な
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
にしたててやらうと
思召
(
おぼしめ
)
し
下
(
くだ
)
さいまして、
149
重
(
かさ
)
ね
重
(
がさ
)
ねの
御
(
お
)
心遣
(
こころづか
)
ひ、
150
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
様
(
やう
)
に
存
(
ぞん
)
じます』
151
と
琴
(
こと
)
の
手
(
て
)
をやめて、
152
両手
(
りやうて
)
を
膝
(
ひざ
)
に
置
(
お
)
き、
153
俯向
(
うつむ
)
きて
涙
(
なみだ
)
を
隠
(
かく
)
す
愛憐
(
いぢら
)
しさ。
154
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
愛
(
あい
)
らしき
唇
(
くちびる
)
を
開
(
ひら
)
き、
155
初稚姫
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
156
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
157
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
158
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
159
只
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
160
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
161
魂
(
たま
)
の
限
(
かぎ
)
りを
捧
(
ささ
)
げつつ
162
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
言霊
(
ことたま
)
を
163
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
怠
(
をこた
)
らず
164
讃
(
たた
)
へまつれよ
惟神
(
かむながら
)
165
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
166
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
なる
悉
(
ことごと
)
は
167
余
(
あま
)
さず
残
(
のこ
)
さず
皇神
(
すめかみ
)
の
168
心
(
こころ
)
のままに
幸
(
さち
)
はひて
169
安
(
やす
)
きに
救
(
すく
)
ひ
給
(
たま
)
ふべし
170
神
(
かみ
)
は
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
と
倶
(
とも
)
にあり
171
神
(
かみ
)
は
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
と
倶
(
とも
)
にあり
172
神
(
かみ
)
の
御水火
(
みいき
)
を
杖
(
つゑ
)
となし
173
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
力
(
ちから
)
とし
174
荒浪
(
あらなみ
)
猛
(
たけ
)
る
海原
(
うなばら
)
も
175
虎伏
(
とらふ
)
す
野辺
(
のべ
)
も
矗々
(
すくすく
)
と
176
何
(
なん
)
の
艱
(
なやみ
)
もあら
尊
(
たふ
)
と
177
勝利
(
しようり
)
の
都
(
みやこ
)
へ
達
(
たつ
)
すべし
178
賞
(
ほ
)
めよ
讃
(
たた
)
へよ
神
(
かみ
)
の
恩
(
おん
)
179
尽
(
つく
)
せよ
竭
(
つく
)
せ
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
180
尽
(
つく
)
せよ
竭
(
つく
)
せ
人
(
ひと
)
の
道
(
みち
)
181
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
182
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
』
183
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
つて
又
(
また
)
もや
一絃琴
(
いちげんきん
)
を
手
(
て
)
にし、
184
心地好
(
ここちよ
)
げに
微笑
(
びせう
)
を
浮
(
うか
)
べて
居
(
ゐ
)
る。
185
俄
(
にはか
)
に
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
騒
(
さわ
)
がしく
十数
(
じふすう
)
人
(
にん
)
の
足音
(
あしおと
)
、
186
バタバタと
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
187
折柄
(
をりから
)
昇
(
のぼ
)
る
月影
(
つきかげ
)
に
顔
(
かほ
)
は
確
(
しか
)
と
分
(
わか
)
らねど
人影
(
ひとかげ
)
の
蠢
(
うご
)
めく
姿
(
すがた
)
、
188
手
(
て
)
にとる
如
(
ごと
)
く
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
目
(
め
)
に
入
(
い
)
つた。
189
見
(
み
)
れば
大喧嘩
(
おほげんくわ
)
である。
190
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
を
引縛
(
ひつくく
)
り、
191
杢助
(
もくすけ
)
が
庵
(
いほり
)
の
窓前
(
まどさき
)
に
運
(
はこ
)
び
来
(
きた
)
り、
192
寄
(
よ
)
つて
集
(
たか
)
つて
拳骨
(
げんこつ
)
の
雨
(
あめ
)
を
降
(
ふ
)
らして
居
(
ゐ
)
る。
193
甲
(
かふ
)
『ヤイ、
194
往生
(
わうじやう
)
いたしたか、
195
吾々
(
われわれ
)
バラモン
教
(
けう
)
の
信徒
(
しんと
)
を
悪神
(
あくがみ
)
扱
(
あつか
)
ひしやがつて、
196
鷹鳥山
(
たかとりやま
)
に
巣
(
す
)
を
構
(
かま
)
へ、
197
貴様
(
きさま
)
の
女房
(
にようばう
)
の
玉能姫
(
たまのひめ
)
に
魔術
(
まじゆつ
)
を
使
(
つか
)
はせ
此
(
この
)
方
(
はう
)
を
清泉
(
きよいづみ
)
の
真中
(
まんなか
)
へ
放
(
ほ
)
り
込
(
こ
)
み、
198
身体
(
からだ
)
に
沢山
(
たくさん
)
の
手疵
(
てきず
)
を
負
(
お
)
はせやがつた、
199
其
(
その
)
返報
(
へんぱう
)
がへしだ。
200
サア、
201
もう
斯
(
か
)
うなつては
此方
(
こつち
)
のもの、
202
息
(
いき
)
の
根
(
ね
)
を
止
(
と
)
めて
十万
(
じふまん
)
億土
(
おくど
)
の
旅立
(
たびだち
)
さしてやらう。
203
こりや
若彦
(
わかひこ
)
、
204
能
(
よ
)
う
のめ
のめと
生田
(
いくた
)
の
森
(
もり
)
まで
彷徨
(
さまよ
)
うて
来
(
き
)
よつたなア』
205
と
又
(
また
)
もや
鉄拳
(
てつけん
)
の
雨
(
あめ
)
を
所
(
ところ
)
構
(
かま
)
はず
降
(
ふ
)
らして
居
(
ゐ
)
る。
206
現在
(
げんざい
)
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
夫
(
をつと
)
が
打擲
(
ちやうちやく
)
されて
居
(
ゐ
)
る
実況
(
じつきやう
)
を
見
(
み
)
たる
玉能姫
(
たまのひめ
)
の
心
(
こころ
)
は
張
(
は
)
り
裂
(
さ
)
ける
如
(
ごと
)
く、
207
仮令
(
たとへ
)
天地
(
てんち
)
の
法則
(
はふそく
)
を
破
(
やぶ
)
るとも、
208
飛
(
と
)
びかかつて
悪者
(
わるもの
)
に
一太刀
(
ひとたち
)
なりと
酬
(
むく
)
いたきは
山々
(
やまやま
)
なれど、
209
泰然
(
たいぜん
)
自若
(
じじやく
)
たる
杢助
(
もくすけ
)
に
心
(
こころ
)
惹
(
ひ
)
かれ、
210
苦
(
くる
)
しき
胸
(
むね
)
を
抱
(
いだ
)
き
平気
(
へいき
)
を
装
(
よそほ
)
うて
居
(
ゐ
)
る。
211
杢助
(
もくすけ
)
『
玉能姫
(
たまのひめ
)
さま、
212
何
(
なん
)
と
面白
(
おもしろ
)
い
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ましたな。
213
坐
(
ゐ
)
ながらにして
窓
(
まど
)
の
内
(
うち
)
から
活劇
(
くわつげき
)
を
見
(
み
)
せて
貰
(
もら
)
ひました。
214
これも
有難
(
ありがた
)
き
思召
(
おぼしめし
)
でせう。
215
サア
早
(
はや
)
く
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
感謝
(
かんしや
)
の
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
なさいませ。
216
私
(
わたくし
)
はゆつくりと
此
(
この
)
活劇
(
くわつげき
)
を
見物
(
けんぶつ
)
致
(
いた
)
しませう。
217
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
如何
(
どう
)
しても
使
(
つか
)
はねばならぬ
必要
(
ひつえう
)
の
人物
(
じんぶつ
)
と
思召
(
おぼしめ
)
したならば、
218
仮令
(
たとへ
)
百万
(
ひやくまん
)
の
敵
(
てき
)
が
攻
(
せ
)
め
来
(
きた
)
るとも、
219
如何
(
いか
)
に
鉄拳
(
てつけん
)
の
雨
(
あめ
)
を
蒙
(
かうむ
)
るとも、
220
鵜
(
う
)
の
毛
(
け
)
で
突
(
つ
)
いた
程
(
ほど
)
の
怪我
(
けが
)
も
致
(
いた
)
しますまい。
221
何処
(
いづこ
)
の
人
(
ひと
)
かは
知
(
し
)
らねども、
222
貴女
(
あなた
)
の
夫
(
をつと
)
の
名
(
な
)
によく
似
(
に
)
た
若彦
(
わかひこ
)
と
言
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
らしう
御座
(
ござ
)
います。
223
さてもさても
腑甲斐
(
ふがひ
)
ない
男
(
をとこ
)
もあつたものだなア。
224
アハヽヽヽヽ』
225
と
作
(
つく
)
り
笑
(
わら
)
ひに
紛
(
まぎ
)
らす。
226
玉能姫
(
たまのひめ
)
は
心
(
こころ
)
も
心
(
こころ
)
ならず、
227
轟
(
とどろ
)
く
胸
(
むね
)
を
抑
(
おさ
)
へながら
静
(
しづか
)
に
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
始
(
はじ
)
めた。
228
何
(
なん
)
となく
声
(
こゑ
)
は
震
(
ふる
)
うて
居
(
ゐ
)
た。
229
地上
(
ちじやう
)
に
投
(
な
)
げられ
数多
(
あまた
)
の
悪者
(
わるもの
)
に
苛責
(
さいな
)
まれ
居
(
ゐ
)
た
若彦
(
わかひこ
)
の
身体
(
しんたい
)
より、
230
忽
(
たちま
)
ち
五色
(
ごしき
)
の
霊光
(
れいくわう
)
発射
(
はつしや
)
し、
231
ドンと
一声
(
ひとこゑ
)
、
232
不思議
(
ふしぎ
)
の
物音
(
ものおと
)
に
杢助
(
もくすけ
)
、
233
玉能姫
(
たまのひめ
)
は
窓外
(
そうぐわい
)
を
眺
(
なが
)
むれば、
234
人影
(
ひとかげ
)
は
何処
(
いづこ
)
へ
消
(
き
)
えしか
跡形
(
あとかた
)
もなく、
235
窓
(
まど
)
近
(
ちか
)
く
一
(
ひと
)
つの
白狐
(
びやくこ
)
ノソリノソリと
太
(
ふと
)
き
尾
(
を
)
を
下
(
さ
)
げて
森
(
もり
)
の
彼方
(
かなた
)
に
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
236
杢助
(
もくすけ
)
『アハヽヽヽ、
237
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
何処迄
(
どこまで
)
も
吾々
(
われわれ
)
の
気
(
き
)
をお
惹
(
ひ
)
き
遊
(
あそ
)
ばすワイ』
238
玉能姫
(
たまのひめ
)
は
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せ、
239
玉能姫
『
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
240
初稚姫
(
はつわかひめ
)
『
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
守
(
まも
)
り
給
(
たま
)
へ
幸
(
さちは
)
へ
給
(
たま
)
へ』
241
(
大正一一・五・二七
旧五・一
北村隆光
録)
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