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霊界物語
如意宝珠(第13~24巻)
第22巻(酉の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 暗雲低迷
第1章 玉騒疑
第2章 探り合ひ
第3章 不知火
第4章 玉探志
第2篇 心猿意馬
第5章 壇の浦
第6章 見舞客
第7章 囈語
第8章 鬼の解脱
第3篇 黄金化神
第9章 清泉
第10章 美と醜
第11章 黄金像
第12章 銀公着瀑
第4篇 改心の幕
第13章 寂光土
第14章 初稚姫
第15章 情の鞭
第16章 千万無量
第5篇 神界経綸
第17章 生田の森
第18章 布引の滝
第19章 山と海
第20章 三の魂
余白歌
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霊界物語
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> 第4篇 改心の幕 > 第13章 寂光土
<<< 銀公着瀑
(B)
(N)
初稚姫 >>>
第一三章
寂光土
(
じやくくわうど
)
〔七〇五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第22巻 如意宝珠 酉の巻
篇:
第4篇 改心の幕
よみ(新仮名遣い):
かいしんのまく
章:
第13章 寂光土
よみ(新仮名遣い):
じゃっこうど
通し章番号:
705
口述日:
1922(大正11)年05月27日(旧05月01日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年7月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
蜈蚣姫の部下と仕えて悪を行っていた金助も、娑婆即寂光浄土の真諦を悟ると、たちまち黄金の肌となって弥勒の霊体を現し、鷹鳥山の山頂から四方を照らした。
黄金仏を確かめに来た鷹鳥姫は、元の山腹の庵に投げ返された。一方玉能姫は、生田の森に投げ返された。
若彦が金・銀の両人に教えを説いていると、突然二人は人事不省に陥ってしまった。若彦はあわてて二人を蘇生させようとするが、突然鷹鳥姫が中空から落ちてきたため、狼狽してしまう。
その間にも、バラモン教のスマートボールらが竹槍をかざしながら庵を取り囲んだ。信徒たちはこの有様に驚いて散り散りになってしまった。
若彦はこの惨状の中に、一視同仁の心を思い起こし、神様に懺悔を捧げて自分の慢心の罪のお詫びを始めた。若彦は心中開き、梅香の匂うごとき境地となった。スマートボールたちは今が機会と攻め寄せてくるが、若彦はその場に端座して、感謝の祈りを捧げるばかりであった。
バラモン教徒が槍で突きかかろうとしたその刹那、中空から火弾が落下して爆発し、四面白煙に包まれ、白狐の声が当たりに響いた。鷹鳥姫、金・銀の三人ははっと目を覚ました。
中空に女神の声が響き、鷹鳥姫の執着がいまだ去らないために、我を通して自ら地獄を生み出して自らが苦しむ、その憐れさを去り、一刻も早く本心に立ち返れ、と諭した。
鷹鳥姫は夢が覚めたごとく心に肯き、神界のため天下万民のためとして行ってきたことは、自分の心のおごりであったことに気づいた。鷹鳥姫は一心不乱に感謝の涙に咽びながら、天地の神霊に祈願を籠めた。
白煙が晴れると、そこは鷹鳥山の庵の庭園であった。上枝姫、中枝姫、下枝姫の三人が現れて、鷹鳥姫、若彦、金助、銀公を幣で払うと、庵の中に導いた。スマートボールらは身体強直したままこの様子を眺めている。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-05-30 02:15:10
OBC :
rm2213
愛善世界社版:
167頁
八幡書店版:
第4輯 442頁
修補版:
校定版:
173頁
普及版:
78頁
初版:
ページ備考:
001
嵐
(
あらし
)
のたけぶ
魔谷
(
まや
)
ケ
岳
(
だけ
)
002
バラモン
教
(
けう
)
に
立籠
(
たてこも
)
る
003
蜈蚣
(
むかで
)
の
姫
(
ひめ
)
を
教主
(
けうしゆ
)
とし
004
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
真心
(
まごころ
)
を
005
捧
(
ささ
)
げて
尽
(
つく
)
す
金助
(
きんすけ
)
も
006
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
立直
(
たてなほ
)
し
007
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
も
鷹鳥
(
たかとり
)
の
008
山
(
やま
)
の
谷間
(
たにま
)
に
湧
(
わ
)
き
出
(
い
)
づる
009
流
(
なが
)
れも
清
(
きよ
)
き
清泉
(
きよいづみ
)
010
魂
(
たま
)
を
洗
(
あら
)
ひて
忽
(
たちま
)
ちに
011
心
(
こころ
)
の
園
(
その
)
に
一輪
(
いちりん
)
の
012
花
(
はな
)
の
薫
(
かを
)
りを
認
(
みと
)
めてゆ
013
直
(
ただち
)
に
開
(
ひら
)
く
大御空
(
おほみそら
)
014
高天原
(
たかあまはら
)
に
日月
(
じつげつ
)
の
015
光
(
ひかり
)
隈
(
くま
)
なく
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
り
016
娑婆
(
しやば
)
即
(
そく
)
寂光
(
じやくくわう
)
浄土
(
じやうど
)
の
真諦
(
しんたい
)
を
017
悟
(
さと
)
るや
忽
(
たちま
)
ち
黄金
(
わうごん
)
の
018
衣
(
きぬ
)
に
包
(
つつ
)
まれ
煌々
(
くわうくわう
)
と
019
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
る
神御霊
(
かむみたま
)
020
紫磨
(
しま
)
黄金
(
わうごん
)
の
膚
(
はだ
)
清
(
きよ
)
く
021
身
(
み
)
の
丈
(
たけ
)
三丈
(
さんぢやう
)
三尺
(
さんじやく
)
の
022
三十三魂
(
みづのみたま
)
と
成
(
な
)
り
変
(
かは
)
り
023
鷹鳥山
(
たかとりやま
)
の
山頂
(
さんちやう
)
に
024
宇宙
(
うちう
)
万有
(
ばんいう
)
睥睨
(
へいげい
)
し
025
茲
(
ここ
)
に
弥勒
(
みろく
)
の
霊体
(
れいたい
)
を
026
現
(
げん
)
じて
四方
(
よも
)
を
照
(
てら
)
しける
027
折
(
をり
)
しもあれや
玉能姫
(
たまのひめ
)
028
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
は
山上
(
さんじやう
)
の
029
光
(
ひかり
)
を
求
(
もと
)
めて
岩ケ根
(
いはがね
)
の
030
庵
(
いほり
)
を
後
(
あと
)
にエチエチと
031
近
(
ちか
)
づき
見
(
み
)
れば
金像
(
きんざう
)
は
032
五丈
(
ごぢやう
)
六
(
ろく
)
尺
(
しやく
)
七寸
(
ななすん
)
の
033
巨体
(
きよたい
)
と
変
(
へん
)
じ
給
(
たま
)
ひつつ
034
左右
(
さいう
)
の
御手
(
みて
)
に
鷹鳥
(
たかとり
)
の
035
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
や
玉能姫
(
たまのひめ
)
036
物
(
もの
)
をも
言
(
い
)
はず
鷲掴
(
わしづか
)
み
037
中天
(
ちうてん
)
高
(
たか
)
く
投
(
な
)
げやれば
038
翼
(
つばさ
)
なき
身
(
み
)
の
鷹鳥
(
たかとり
)
の
039
姫
(
ひめ
)
の
司
(
つかさ
)
は
忽
(
たちま
)
ちに
040
元
(
もと
)
の
庵
(
いほり
)
に
恙
(
つつが
)
なく
041
投
(
な
)
げ
返
(
かへ
)
されて
胸
(
むね
)
をつき
042
心
(
こころ
)
鎮
(
しづ
)
めて
三五
(
あななひ
)
の
043
道
(
みち
)
の
蘊奥
(
おくが
)
を
細々
(
こまごま
)
と
044
奥
(
おく
)
の
奥
(
おく
)
まで
探
(
さぐ
)
り
入
(
い
)
る
045
玉能
(
たまの
)
の
姫
(
ひめ
)
は
中天
(
ちうてん
)
に
046
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
くに
廻転
(
くわいてん
)
し
047
再度山
(
ふたたびやま
)
の
山麓
(
さんろく
)
に
048
落
(
お
)
ちて
生田
(
いくた
)
の
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
049
木々
(
きぎ
)
の
若芽
(
わかめ
)
も
春風
(
はるかぜ
)
に
050
薫
(
かを
)
る
稚姫君
(
わかひめぎみ
)
の
神
(
かみ
)
051
鎮
(
しづ
)
まりいます
聖場
(
せいぢやう
)
へ
052
端
(
はし
)
なく
下
(
くだ
)
り
着
(
つ
)
きにけり
053
遠
(
とほ
)
き
神代
(
かみよ
)
の
昔
(
むかし
)
より
054
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
定
(
さだ
)
めてし
055
五六七
(
みろく
)
神政
(
しんせい
)
の
経綸地
(
けいりんち
)
056
時節
(
じせつ
)
を
待
(
ま
)
つて
伊都能売
(
いづのめ
)
の
057
貴
(
うづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
姫神
(
ひめがみ
)
と
058
仕
(
つか
)
へて
茲
(
ここ
)
に
時置師
(
ときおかし
)
059
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
忍
(
しの
)
ぶ
杢助
(
もくすけ
)
が
060
妻
(
つま
)
のお
杉
(
すぎ
)
の
腹
(
はら
)
を
藉
(
か
)
り
061
生
(
あ
)
れ
出
(
い
)
でませし
初稚
(
はつわか
)
の
062
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
063
清
(
きよ
)
く
仕
(
つか
)
ふる
三
(
み
)
つ
御霊
(
みたま
)
064
三五
(
さんご
)
の
月
(
つき
)
の
皎々
(
かうかう
)
と
065
四海
(
しかい
)
を
照
(
て
)
らす
神徳
(
しんとく
)
を
066
暫
(
しば
)
し
隠
(
かく
)
して
岩躑躅
(
いはつつじ
)
067
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
春
(
はる
)
の
先駆
(
さきがけ
)
を
068
仕組
(
しぐ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ
尊
(
たふと
)
さよ
069
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
070
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
071
鷹鳥山
(
たかとりやま
)
の
頂
(
いただき
)
に
072
示現
(
じげん
)
し
給
(
たま
)
ひし
弥勒神
(
みろくしん
)
073
深
(
ふか
)
き
経綸
(
しぐみ
)
の
蓋
(
ふた
)
開
(
あ
)
けて
074
輝
(
かがや
)
き
給
(
たま
)
ふ
時
(
とき
)
待
(
ま
)
ちし
075
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
の
松
(
まつ
)
の
世
(
よ
)
の
076
栄
(
さか
)
え
目出度
(
めでた
)
き
神
(
かみ
)
の
苑
(
その
)
077
花
(
はな
)
は
紅
(
くれなゐ
)
葉
(
は
)
は
緑
(
みどり
)
078
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
とは
紫
(
むらさき
)
に
079
彩
(
いろど
)
る
神代
(
みよ
)
の
祥瑞
(
しやうずゐ
)
に
080
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
081
百
(
もも
)
の
神々
(
かみがみ
)
百人
(
ももびと
)
は
082
雄島
(
をしま
)
雌島
(
めしま
)
の
隔
(
へだ
)
てなく
083
老木
(
をいき
)
若木
(
わかぎ
)
の
差別
(
けぢめ
)
なく
084
栄
(
さか
)
ゆる
御代
(
みよ
)
に
大八洲
(
おほやしま
)
085
樹
(
た
)
てる
小松
(
こまつ
)
のすくすくと
086
天津
(
あまつ
)
御光
(
みひかり
)
月
(
つき
)
の
水
(
みづ
)
087
受
(
う
)
けて
日
(
ひ
)
に
夜
(
よ
)
に
伸
(
の
)
ぶる
如
(
ごと
)
088
進
(
すす
)
む
神代
(
かみよ
)
の
物語
(
ものがたり
)
089
黄金閣
(
わうごんかく
)
の
頂上
(
ちやうじやう
)
に
090
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
る
日地月
(
につちげつ
)
091
貴
(
うづ
)
の
瓢
(
ひさご
)
の
永久
(
とこしへ
)
に
092
開
(
ひら
)
くる
御代
(
みよ
)
の
魁
(
さきがけ
)
を
093
語
(
かた
)
るも
嬉
(
うれ
)
し
神館
(
かむやかた
)
094
月
(
つき
)
の
桂
(
かつら
)
を
手折
(
たを
)
りつつ
095
言葉
(
ことば
)
の
花
(
はな
)
を
翳
(
かざ
)
しゆく
096
醜
(
しこ
)
の
魔風
(
まかぜ
)
の
吹
(
ふ
)
き
荒
(
すさ
)
び
097
朽
(
く
)
ちよ
果
(
は
)
てよと
迫
(
せま
)
り
来
(
く
)
る
098
曲
(
まが
)
の
嵐
(
あらし
)
も
何
(
なん
)
のその
099
松
(
まつ
)
の
操
(
みさを
)
のどこまでも
100
神
(
かみ
)
の
御業
(
みわざ
)
に
仕
(
つか
)
へずば
101
固
(
かた
)
き
心
(
こころ
)
は
山桜
(
やまざくら
)
102
大和心
(
やまとごころ
)
のどこまでも
103
ひきて
返
(
かへ
)
さぬ
桑
(
くは
)
の
弓
(
ゆみ
)
104
言葉
(
ことば
)
のツルを
手繰
(
たぐ
)
りつつ
105
五六七
(
みろく
)
の
代
(
よ
)
まで
伝
(
つた
)
へ
行
(
ゆ
)
く
106
ミロ
九
(
ク
)
の
神代
(
みよ
)
を
松村
(
まつむら
)
が
107
心
(
こころ
)
真澄
(
ますみ
)
のいと
清
(
きよ
)
く
108
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
に
馥
郁
(
ふくいく
)
と
109
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ひたる
教
(
のり
)
の
花
(
はな
)
110
太
折
(
たを
)
りて
語
郎
(
かたる
)
善美世
(
うましよ
)
は
111
開
(
ひら
)
き
始
(
はじ
)
めて
北村
(
きたむら
)
氏
(
し
)
112
隆
(
たか
)
き
御稜威
(
みいづ
)
も
光
(
て
)
りわたり
113
海
(
うみ
)
の
内
外
(
うちと
)
の
山
川
(
やまかは
)
も
114
草木
(
くさき
)
もなべて
皇神
(
すめかみ
)
の
115
豊
(
とよ
)
の
恵
二
(
めぐみに
)
浴
(
よく
)
しつつ
116
神代
(
かみよ
)
を
祝
(
いは
)
ふ
神人
(
かみびと
)
の
117
稜威
(
いづ
)
の
身魂
(
みたま
)
を
照
(
て
)
らさむと
118
雪
(
ゆき
)
に
撓
(
たわ
)
める
糸柳
(
いとやぎ
)
の
119
いと
軟
(
やは
)
らかに
長々
(
ながなが
)
と
120
二十二
(
にじふに
)
巻
(
くわん
)
の
小田巻
(
をだまき
)
の
121
錦
(
にしき
)
の
糸
(
いと
)
を
繰返
(
くりかへ
)
し
122
心
(
こころ
)
も
加藤
(
かとう
)
説
(
と
)
き
明
(
あか
)
す
123
鷹鳥山
(
たかとりやま
)
の
高姫
(
たかひめ
)
が
124
娑婆
(
しやば
)
即
(
そく
)
寂光
(
じやくくわう
)
浄土
(
じやうど
)
をば
125
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
正覚
(
しやうかく
)
し
126
国治立
(
くにはるたち
)
の
神業
(
かむわざ
)
に
127
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
りて
素盞嗚
(
すさのを
)
の
128
神
(
かみ
)
の
尊
(
みこと
)
の
神力
(
しんりき
)
を
129
悟
(
さと
)
り
初
(
そ
)
めたる
物語
(
ものがたり
)
130
言
(
こと
)
の
葉車
(
はぐるま
)
欣々
(
いそいそ
)
と
131
風
(
かぜ
)
のまにまに
辷
(
すべ
)
り
行
(
ゆ
)
く
132
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
133
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ。
134
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
は
玉能姫
(
たまのひめ
)
を
伴
(
ともな
)
ひ、
135
山上
(
さんじやう
)
の
光
(
ひかり
)
を
目標
(
めあて
)
に
登
(
のぼ
)
り
行
(
い
)
つた
後
(
あと
)
に、
136
若彦
(
わかひこ
)
は
金助
(
きんすけ
)
、
137
銀公
(
ぎんこう
)
の
両人
(
りやうにん
)
に
対
(
たい
)
し、
138
三五教
(
あななひけう
)
の
教理
(
けうり
)
を
説
(
と
)
き
諭
(
さと
)
す
折
(
をり
)
しも、
139
如何
(
いかが
)
はしけむ、
140
金助
(
きんすけ
)
、
141
銀公
(
ぎんこう
)
の
二人
(
ふたり
)
はキヤツと
一声
(
ひとこゑ
)
叫
(
さけ
)
ぶと
共
(
とも
)
に
其
(
そ
)
の
場
(
ば
)
に
倒
(
たふ
)
れ、
142
人事
(
じんじ
)
不省
(
ふせい
)
に
陥
(
おちい
)
つて
了
(
しま
)
つた。
143
若彦
(
わかひこ
)
は
驚
(
おどろ
)
いて
谷水
(
たにみづ
)
を
汲
(
く
)
み
来
(
きた
)
り、
144
両人
(
りやうにん
)
の
面部
(
めんぶ
)
に
伊吹
(
いぶき
)
の
狭霧
(
さぎり
)
を
吹
(
ふ
)
き
掛
(
か
)
け、
145
甦
(
よみがへ
)
らさむと
焦
(
あせ
)
る
折
(
をり
)
しも、
146
風
(
かぜ
)
を
切
(
き
)
つて
頭上
(
づじやう
)
より
降
(
くだ
)
り
来
(
きた
)
る
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
の
姿
(
すがた
)
に
二度
(
にど
)
ビツクリ、
147
近寄
(
ちかよ
)
り
見
(
み
)
れば、
148
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
は
庭前
(
ていぜん
)
の
青苔
(
あをごけ
)
の
上
(
うへ
)
に
仰向
(
あふむ
)
けとなり
大
(
だい
)
の
字
(
じ
)
になつて、
149
鷹鳥姫
『ウン』
150
と
云
(
い
)
つたきり、
151
ピリピリと
手足
(
てあし
)
を
蠢動
(
しゆんどう
)
させて
居
(
ゐ
)
る。
152
若彦
(
わかひこ
)
は
周章
(
しうしやう
)
狼狽
(
らうばい
)
為
(
な
)
す
所
(
ところ
)
を
知
(
し
)
らず、
153
右
(
みぎ
)
へ
左
(
ひだり
)
へ
水桶
(
みづをけ
)
を
提
(
ひつさ
)
げた
儘
(
まま
)
駆
(
か
)
けまはる
途端
(
とたん
)
に、
154
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
の
足
(
あし
)
に
躓
(
つまづ
)
き、
155
スツテンドウと
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
に
手桶
(
てをけ
)
と
共
(
とも
)
に
打倒
(
ぶつたふ
)
れた。
156
手桶
(
てをけ
)
の
水
(
みづ
)
は
一滴
(
いつてき
)
も
残
(
のこ
)
らず
大地
(
だいち
)
に
吸収
(
きふしう
)
されて
了
(
しま
)
つた。
157
若彦
(
わかひこ
)
は
如何
(
どう
)
したものか、
158
挙措
(
きよそ
)
度
(
ど
)
を
失
(
うしな
)
ひし
結果
(
けつくわ
)
、
159
立上
(
たちあが
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
なくなつて
了
(
しま
)
つた。
160
庭前
(
ていぜん
)
の
苔
(
こけ
)
の
上
(
うへ
)
にやうやう
身
(
み
)
を
起
(
おこ
)
し、
161
坐禅
(
ざぜん
)
の
姿勢
(
しせい
)
を
取
(
と
)
り、
162
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
んで
溜息
(
ためいき
)
吐息
(
といき
)
、
163
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
164
若彦
『
嗟
(
ああ
)
、
165
金
(
きん
)
、
166
銀
(
ぎん
)
の
両人
(
りやうにん
)
と
云
(
い
)
ひ、
167
力
(
ちから
)
と
頼
(
たの
)
む
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
様
(
さま
)
は
此
(
こ
)
の
通
(
とほ
)
り、
168
介抱
(
かいほう
)
しようにも
腰
(
こし
)
は
立
(
た
)
たず、
169
加
(
くは
)
ふるに
妻
(
つま
)
の
玉能姫
(
たまのひめ
)
の
消息
(
せうそく
)
はどうなつたであらう。
170
神徳
(
しんとく
)
高
(
たか
)
き
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
様
(
さま
)
でさへ
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
悲惨
(
ひさん
)
な
目
(
め
)
に
遇
(
あ
)
ひ
給
(
たま
)
うた
位
(
くらゐ
)
だから、
171
吾
(
わが
)
妻
(
つま
)
も
亦
(
また
)
どつかの
谷間
(
たにま
)
に
投
(
な
)
げ
棄
(
す
)
てられ、
172
木端
(
こつぱ
)
微塵
(
みじん
)
になつたかも
知
(
し
)
れない。
173
あゝ、
174
神
(
かみ
)
も
仏
(
ほとけ
)
もないものか』
175
と
稍
(
やや
)
信仰
(
しんかう
)
の
箍
(
たが
)
が
緩
(
ゆる
)
まうとした。
176
時
(
とき
)
しもあれや、
177
バラモン
教
(
けう
)
のスマートボール、
178
カナンボールを
先頭
(
せんとう
)
に、
179
鉄
(
てつ
)
、
180
熊
(
くま
)
、
181
蜂
(
はち
)
其
(
その
)
他
(
た
)
数十
(
すうじふ
)
人
(
にん
)
の
荒男
(
あらをとこ
)
、
182
竹槍
(
たけやり
)
を
翳
(
かざ
)
しながら
此方
(
こなた
)
を
指
(
さ
)
して
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
り、
183
此
(
この
)
態
(
てい
)
を
見
(
み
)
て
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
つたか
近寄
(
ちかよ
)
りも
得
(
え
)
せず、
184
垣
(
かき
)
を
作
(
つく
)
つて
佇
(
たたず
)
み
居
(
ゐ
)
る。
185
神殿
(
しんでん
)
に
参拝
(
さんぱい
)
し
居
(
を
)
りし
七八
(
しちはち
)
人
(
にん
)
の
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
の
信徒
(
しんと
)
は、
186
此
(
この
)
惨状
(
さんじやう
)
と
寄
(
よ
)
せ
来
(
く
)
る
敵
(
てき
)
の
猛勢
(
まうせい
)
に
肝
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
し、
187
裏口
(
うらぐち
)
よりコソコソと
遁
(
のが
)
れ
出
(
い
)
で、
188
這々
(
はうばう
)
の
態
(
てい
)
にて
山
(
やま
)
を
駆登
(
かけのぼ
)
り、
189
何処
(
いづこ
)
ともなく
消散
(
せうさん
)
して
了
(
しま
)
つた。
190
山桜
(
やまざくら
)
は
折柄
(
をりから
)
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
山嵐
(
やまあらし
)
に
打叩
(
うちたた
)
かれて、
191
繽紛
(
ひんぷん
)
として
散
(
ち
)
り
乱
(
みだ
)
れ、
192
無常
(
むじやう
)
迅速
(
じんそく
)
の
味気
(
あぢき
)
なき
世
(
よ
)
の
有様
(
ありさま
)
を
遺憾
(
ゐかん
)
なく
暴露
(
ばくろ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
193
若彦
(
わかひこ
)
は
漸
(
やうや
)
く
吾
(
われ
)
に
返
(
かへ
)
り
独語
(
ひとりごと
)
。
194
若彦
『あゝ
兵
(
へい
)
は
強
(
つよ
)
ければ
亡
(
ほろ
)
び、
195
木
(
き
)
硬
(
かた
)
ければ
折
(
を
)
れ、
196
革
(
かは
)
固
(
かた
)
ければ
裂
(
さ
)
く。
197
歯
(
は
)
は
舌
(
した
)
よりも
堅
(
かた
)
くして
是
(
こ
)
れに
先立
(
さきだ
)
ちて
破
(
やぶ
)
るとかや。
198
吾々
(
われわれ
)
はミロクの
大神
(
おほかみ
)
の
大御心
(
おほみこころ
)
を
誤解
(
ごかい
)
し、
199
勝
(
かち
)
に
乗
(
じやう
)
じて
猛進
(
まうしん
)
を
続
(
つづ
)
け、
200
進
(
すす
)
むを
知
(
し
)
つて
退
(
しりぞ
)
き、
201
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し、
202
宣直
(
のりなほ
)
す
事
(
こと
)
を
怠
(
をこた
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
203
日夜
(
にちや
)
見直
(
みなほ
)
せ
宣直
(
のりなほ
)
せの
聖言
(
せいげん
)
も、
204
機械
(
きかい
)
的
(
てき
)
無意識
(
むいしき
)
に
口
(
くち
)
より
出
(
い
)
づる
様
(
やう
)
になつては、
205
モウ
駄目
(
だめ
)
だ。
206
あゝ
過
(
あやま
)
つたり
誤
(
あやま
)
つたり。
207
積
(
つ
)
む
雪
(
ゆき
)
に
撓
(
たわ
)
めど
折
(
を
)
れぬ
柳
(
やなぎ
)
こそ やはらかき
枝
(
えだ
)
の
力
(
ちから
)
なりけり
208
とは
言依別
(
ことよりのわけ
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
宣示
(
せんじ
)
であつた。
209
慈愛
(
じあい
)
深
(
ふか
)
き
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
は
吾々
(
われわれ
)
に
恵
(
めぐみ
)
の
鞭
(
むち
)
を
加
(
くは
)
へさせ
給
(
たま
)
うたのか、
210
殆
(
ほとん
)
ど
荒廃
(
くわうはい
)
せむとする
身魂
(
みたま
)
を、
211
再
(
ふたた
)
び
練
(
ね
)
り
直
(
なほ
)
し
給
(
たま
)
ひしか、
212
あゝ
有難
(
ありがた
)
し
辱
(
かたじけ
)
なし、
213
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
、
214
お
赦
(
ゆる
)
し
下
(
くだ
)
さいませ。
215
神
(
かみ
)
や
仏
(
ほとけ
)
は
無
(
な
)
きものかと、
216
今
(
いま
)
の
今
(
いま
)
まで
恨
(
うら
)
みの
言葉
(
ことば
)
を
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げました。
217
柔
(
じう
)
能
(
よ
)
く
剛
(
がう
)
を
制
(
せい
)
すの
真理
(
しんり
)
を、
218
何故
(
なぜ
)
今迄
(
いままで
)
悟
(
さと
)
らなかつたか。
219
口
(
くち
)
には
常
(
つね
)
に
称
(
とな
)
へながら
有言
(
いうげん
)
不実行
(
ふじつかう
)
の
罪
(
つみ
)
を
重
(
かさ
)
ねて
来
(
き
)
た
吾々
(
われわれ
)
、
220
実
(
じつ
)
に
天地
(
てんち
)
に
対
(
たい
)
し
恥
(
はづ
)
かしくなつて
来
(
き
)
ました。
221
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
様
(
さま
)
が
斯様
(
かやう
)
な
目
(
め
)
にお
遇
(
あ
)
ひなさつたのも、
222
玉能姫
(
たまのひめ
)
の
消息
(
せうそく
)
の
分
(
わか
)
らないのも、
223
吾
(
わが
)
脛腰
(
すねこし
)
の
立
(
た
)
たなくなつたのも
此
(
この
)
若彦
(
わかひこ
)
が
誤解
(
ごかい
)
の
罪
(
つみ
)
、
224
実
(
じつ
)
に
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
公平
(
こうへい
)
無私
(
むし
)
である。
225
敵味方
(
てきみかた
)
の
区別
(
くべつ
)
を
立
(
た
)
つるは
吾々
(
われわれ
)
人間
(
にんげん
)
の
煩悩
(
ぼんなう
)
の
鬼
(
おに
)
の
為
(
な
)
す
業
(
わざ
)
、
226
慈愛
(
じあい
)
深
(
ふか
)
き
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
目
(
め
)
より
見給
(
みたま
)
ふ
時
(
とき
)
は、
227
一視
(
いつし
)
同仁
(
どうじん
)
、
228
敵味方
(
てきみかた
)
などの
障壁
(
しやうへき
)
はない。
229
あゝ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
、
230
あゝ、
231
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
り
給
(
たま
)
ひし
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
、
232
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
厚
(
あつ
)
き
限
(
かぎ
)
りなき
神直日
(
かむなほひ
)
大直日
(
おほなほひ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
、
233
何卒
(
なにとぞ
)
々々
(
なにとぞ
)
、
234
至
(
いた
)
らぬ
愚者
(
おろかもの
)
の
吾々
(
われわれ
)
が
罪
(
つみ
)
、
235
神直日
(
かむなほひ
)
大直日
(
おほなほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
下
(
くだ
)
さいませ。
236
今迄
(
いままで
)
の
曲事
(
まがごと
)
は
唯今
(
ただいま
)
限
(
かぎ
)
り
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
します』
237
と
声
(
こゑ
)
を
曇
(
くも
)
らせ、
238
バラモン
教
(
けう
)
の
一味
(
いちみ
)
の
前
(
まへ
)
に
在
(
あ
)
る
事
(
こと
)
も
打忘
(
うちわす
)
れ、
239
浩歎
(
かうたん
)
の
声
(
こゑ
)
を
洩
(
も
)
らして
居
(
ゐ
)
る。
240
スマートボールは
声
(
こゑ
)
も
荒々
(
あらあら
)
しく、
241
スマートボール
『ヤイ
三五教
(
あななひけう
)
の
青瓢箪
(
あをべうたん
)
、
242
若彦
(
わかひこ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
243
態
(
ざま
)
ア
見
(
み
)
やがれ。
244
金助
(
きんすけ
)
、
245
銀公
(
ぎんこう
)
の
二人
(
ふたり
)
を
貴様
(
きさま
)
の
宅
(
うち
)
に
捕虜
(
ほりよ
)
にして
居
(
ゐ
)
やがるのだらう。
246
其
(
その
)
天罰
(
てんばつ
)
でバラモン
教
(
けう
)
の
御
(
ご
)
本尊
(
ほんぞん
)
大国別
(
おほくにわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
に
睨
(
にら
)
み
付
(
つ
)
けられ、
247
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
は
其
(
その
)
態
(
ざま
)
、
248
貴様
(
きさま
)
は
又
(
また
)
脛腰
(
すねこし
)
も
立
(
た
)
たず
何
(
なに
)
をベソベソと
吠面
(
ほえづら
)
かわくのだ。
249
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
はバラモンの
教
(
をしへ
)
の
為
(
ため
)
に
魔道
(
まだう
)
を
拡
(
ひろ
)
むる
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
一味
(
いちみ
)
を
征伐
(
せいばつ
)
せむが
為
(
ため
)
に
実行団
(
じつかうだん
)
を
組織
(
そしき
)
し
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
立向
(
たちむか
)
うたのだ。
250
これから
此
(
この
)
スマートボールが
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
一味
(
いちみ
)
の
奴輩
(
やつばら
)
を、
251
芋刺
(
いもざ
)
し、
252
串刺
(
くしざ
)
し、
253
田楽刺
(
でんがくざ
)
し、
254
山椒
(
さんせう
)
味噌
(
みそ
)
を
塗
(
ぬ
)
りつけて
炙
(
あぶ
)
つて
食
(
く
)
つて
了
(
しま
)
ふのだ。
255
オイ
泣
(
な
)
き
味噌
(
みそ
)
、
256
貴様
(
きさま
)
も
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
所
(
ところ
)
で、
257
大変
(
たいへん
)
な
味噌
(
みそ
)
を
付
(
つ
)
けたものだなア。
258
コリヤ
鬼味噌
(
おにみそ
)
、
259
何
(
なに
)
を
殊勝
(
しゆしよう
)
らしく
祈
(
いの
)
つて
居
(
ゐ
)
やがるのだ。
260
天道
(
てんたう
)
様
(
さま
)
もテント
御
(
お
)
聞
(
き
)
き
遊
(
あそ
)
ばす
道理
(
だうり
)
がないぞ。
261
サアこれから
顛覆
(
てんぷく
)
だ』
262
と
槍
(
やり
)
の
穂先
(
ほさき
)
を
揃
(
そろ
)
へて
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
よりバラバラと
攻
(
せ
)
め
掛
(
かか
)
る。
263
悔悟
(
くわいご
)
の
涙
(
なみだ
)
に
暮
(
く
)
れたる
若彦
(
わかひこ
)
は、
264
最早
(
もはや
)
心中
(
しんちう
)
豁然
(
かつぜん
)
として
梅花
(
ばいくわ
)
の
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふが
如
(
ごと
)
く、
265
既
(
すで
)
に
今迄
(
いままで
)
の
若彦
(
わかひこ
)
ではなかつた。
266
傲慢
(
がうまん
)
無礼
(
ぶれい
)
のスマートボールが
罵詈
(
ばり
)
雑言
(
ざふごん
)
も
侮辱
(
ぶじよく
)
も、
267
今
(
いま
)
は
妙音
(
めうおん
)
菩薩
(
ぼさつ
)
の
音楽
(
おんがく
)
か、
268
弥勒
(
みろく
)
如来
(
によらい
)
の
来迎
(
らいがう
)
かと
響
(
ひび
)
くばかりになつて
居
(
ゐ
)
る。
269
若彦
『アヽ
有難
(
ありがた
)
い。
270
われも
北光
(
きたてる
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
になるのかなア。
271
どうぞ
早
(
はや
)
く
目
(
め
)
を
突
(
つ
)
いて
欲
(
ほ
)
しい。
272
慗
(
なまじひ
)
に
肉眼
(
にくがん
)
を
所有
(
しよいう
)
して
居
(
ゐ
)
るために、
273
宇宙
(
うちう
)
の
光
(
ひかり
)
を
認
(
みと
)
むることが
出来
(
でき
)
ないのだ。
274
アヽ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
275
と
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
心中
(
しんちう
)
に
暗祈
(
あんき
)
黙祷
(
もくたう
)
を
続
(
つづ
)
けて
居
(
ゐ
)
る。
276
スマートボールは、
277
スマートボール
『オイ、
278
カナン、
279
どうだ。
280
これ
丈
(
だけ
)
勢込
(
いきほひこ
)
んでやつて
来
(
き
)
たのに、
281
一
(
ひと
)
つの
応答
(
おうたふ
)
もせず、
282
又
(
また
)
反抗
(
はんかう
)
的
(
てき
)
態度
(
たいど
)
も
行
(
や
)
らない
奴
(
やつ
)
に
向
(
むか
)
つて、
283
攻撃
(
こうげき
)
するも
馬鹿
(
ばか
)
らしいぢやないか。
284
如何
(
どう
)
したらよからう』
285
カナンボール
『
今
(
いま
)
こそ
三五教
(
あななひけう
)
を
顛覆
(
てんぷく
)
させるには
千載
(
せんざい
)
一遇
(
いちぐう
)
の
好機
(
かうき
)
だ、
286
何
(
なに
)
躊躇
(
ちうちよ
)
逡巡
(
しゆんじゆん
)
する
事
(
こと
)
があるか。
287
一思
(
ひとおも
)
ひにやつて
了
(
しま
)
へよ、
288
スマートボール』
289
スマートボール
『
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら、
290
お
前
(
まへ
)
は
屋内
(
をくない
)
に
駆入
(
かけい
)
り、
291
金
(
きん
)
、
292
銀
(
ぎん
)
の
在処
(
ありか
)
を
探
(
さが
)
して
呉
(
く
)
れよ。
293
俺
(
おれ
)
は
是
(
これ
)
から
此奴
(
こいつ
)
等
(
ら
)
に
引導
(
いんだう
)
をわたさねばならぬ。
294
……
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
の
婆
(
ばば
)
、
295
並
(
なら
)
びに
若彦
(
わかひこ
)
のヘボ
宣伝使
(
せんでんし
)
、
296
よつく
聞
(
き
)
け。
297
此
(
この
)
世
(
よ
)
は
大自在天
(
だいじざいてん
)
大国別
(
おほくにわけの
)
命
(
みこと
)
の
治
(
しろ
)
しめす
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だ。
298
然
(
しか
)
るに
何
(
なん
)
ぞ、
299
天則
(
てんそく
)
違反
(
ゐはん
)
の
罪
(
つみ
)
を
負
(
お
)
ひて、
300
永遠
(
ゑいゑん
)
無窮
(
むきう
)
の
根底
(
ねそこ
)
の
国
(
くに
)
に、
301
神退
(
かむやら
)
ひに
退
(
やら
)
はれた
国治立
(
くにはるたちの
)
命
(
みこと
)
や、
302
現在
(
げんざい
)
漂浪
(
さすらひ
)
の
旅
(
たび
)
を
続
(
つづ
)
けて
居
(
ゐ
)
る
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
の
悪神
(
わるがみ
)
を
頭
(
かしら
)
に
戴
(
いただ
)
き、
303
猫
(
ねこ
)
を
被
(
かぶ
)
つて、
304
天下
(
てんか
)
を
混乱
(
こんらん
)
させむとは
憎
(
にく
)
き
奴共
(
やつども
)
。
305
天
(
てん
)
はバラモン
教
(
けう
)
の
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
が
部下
(
ぶか
)
スマートボールの
手
(
て
)
を
借
(
か
)
りて
汝
(
なんぢ
)
を
誅戮
(
ちうりく
)
すべく
此処
(
ここ
)
に
向
(
むか
)
はせ
給
(
たま
)
うたのだ。
306
サア
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
置土産
(
おきみやげ
)
、
307
遺言
(
ゆゐごん
)
あらば
武士
(
ぶし
)
の
情
(
なさけ
)
だ、
308
聞
(
き
)
いてやらう。
309
娑婆
(
しやば
)
に
心
(
こころ
)
を
残
(
のこ
)
さず、
310
一時
(
いつとき
)
も
早
(
はや
)
く
幽界
(
いうかい
)
に
旅立
(
たびだち
)
到
(
いた
)
せ。
311
覚悟
(
かくご
)
はよいか』
312
と
部下
(
ぶか
)
に
目配
(
めくば
)
せしながら、
313
竹槍
(
たけやり
)
をすごいてアワヤ
一突
(
ひとつき
)
にせむとする
折
(
をり
)
しも、
314
中空
(
ちうくう
)
より
急速力
(
きふそくりよく
)
を
以
(
もつ
)
て
降
(
くだ
)
り
来
(
きた
)
れる
一塊
(
いつくわい
)
の
火弾
(
くわだん
)
、
315
忽
(
たちま
)
ち
庭
(
には
)
の
敷石
(
しきいし
)
に
衝突
(
しようとつ
)
して
爆発
(
ばくはつ
)
し、
316
大音響
(
だいおんきやう
)
と
共
(
とも
)
に
四面
(
しめん
)
白煙
(
はくえん
)
に
包
(
つつ
)
まれ、
317
咫尺
(
しせき
)
を
弁
(
べん
)
ぜざるに
立到
(
たちいた
)
つた。
318
中
(
なか
)
よりコンコンと
白狐
(
びやくこ
)
の
鳴
(
な
)
き
声
(
ごゑ
)
、
319
谷
(
たに
)
の
彼方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
に
警鐘
(
けいしよう
)
を
乱打
(
らんだ
)
せし
如
(
ごと
)
く、
320
頻
(
しき
)
りに
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
321
レコード
破
(
やぶ
)
りの
大音響
(
だいおんきやう
)
に、
322
失心
(
しつしん
)
して
居
(
ゐ
)
た
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
はハツと
気
(
き
)
が
付
(
つ
)
き、
323
頭
(
かしら
)
を
上
(
あ
)
げて
眺
(
なが
)
むれば、
324
四辺
(
しへん
)
白煙
(
はくえん
)
に
包
(
つつ
)
まれ、
325
身
(
み
)
は
空中
(
くうちう
)
にあるか
地底
(
ちてい
)
にあるか、
326
判別
(
はんべつ
)
に
苦
(
くる
)
しみつつ、
327
独
(
ひと
)
り
頭
(
かしら
)
を
傾
(
かたむ
)
けて
記憶
(
きおく
)
の
糸
(
いと
)
を
手繰
(
たぐ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
328
金助
(
きんすけ
)
、
329
銀公
(
ぎんこう
)
両人
(
りやうにん
)
もハツと
気
(
き
)
が
付
(
つ
)
き、
330
咫尺
(
しせき
)
も
弁
(
べん
)
ぜぬ
白煙
(
はくえん
)
の
中
(
なか
)
を
腹這
(
はらば
)
ひながら
表
(
おもて
)
に
出
(
い
)
で、
331
若彦
(
わかひこ
)
、
332
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
の
傍
(
かたはら
)
に
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずに
寄
(
よ
)
つて
来
(
き
)
た。
333
忽
(
たちま
)
ち
空中
(
くうちう
)
より
優美
(
いうび
)
にして
流暢
(
りうちよう
)
な
女神
(
めがみ
)
の
声
(
こゑ
)
にて、
334
女神
『
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
、
335
若彦
(
わかひこ
)
の
両人
(
りやうにん
)
、
336
よつく
聞
(
き
)
かれよ。
337
取別
(
とりわ
)
けて
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
は
執着
(
しふちやく
)
の
念
(
ねん
)
未
(
いま
)
だ
去
(
さ
)
らず、
338
教主
(
けうしゆ
)
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
の
示諭
(
じゆ
)
を
軽視
(
けいし
)
し、
339
執拗
(
しつえう
)
にも
汝
(
なんぢ
)
が
意地
(
いぢ
)
を
立
(
た
)
てむとし、
340
神業
(
しんげふ
)
繁多
(
はんた
)
の
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
聖地
(
せいち
)
を
離
(
はな
)
れ、
341
此
(
この
)
鷹鳥山
(
たかとりやま
)
に
居
(
きよ
)
を
構
(
かま
)
へ、
342
大神
(
おほかみ
)
を
斎
(
まつ
)
り、
343
汝
(
なんぢ
)
が
失
(
うしな
)
ひし
二個
(
にこ
)
の
宝玉
(
ほうぎよく
)
を
如何
(
いか
)
にもして
再
(
ふたた
)
び
取返
(
とりかへ
)
さむと、
344
千々
(
ちぢ
)
に
心
(
こころ
)
を
砕
(
くだ
)
く
汝
(
なんぢ
)
の
熱心
(
ねつしん
)
、
345
嘉
(
よみ
)
すべきには
似
(
に
)
たれども、
346
未
(
いま
)
だ
自負心
(
じふしん
)
の
暗雲
(
あんうん
)
汝
(
なんぢ
)
が
心天
(
しんてん
)
を
去
(
さ
)
らず、
347
常
(
つね
)
に
悶々
(
もんもん
)
として
至善
(
しぜん
)
至美
(
しび
)
なる
現天国
(
げんてんごく
)
を
悪魔
(
あくま
)
の
世界
(
せかい
)
と
観
(
くわん
)
じ、
348
飽
(
あ
)
くまでも
初心
(
しよしん
)
を
貫徹
(
くわんてつ
)
せむと、
349
迷
(
まよ
)
ひに
迷
(
まよ
)
ふ
其
(
その
)
果敢
(
はか
)
なさよ。
350
地上
(
ちじやう
)
に
天国
(
てんごく
)
を
建設
(
けんせつ
)
せむとせば、
351
先
(
ま
)
づ
汝
(
なんぢ
)
の
心
(
こころ
)
に
天国
(
てんごく
)
を
建
(
た
)
てよ。
352
迷
(
まよ
)
ひの
雲
(
くも
)
に
包
(
つつ
)
まれて、
353
今
(
いま
)
や
汝
(
なんぢ
)
は
地獄
(
ぢごく
)
、
354
餓鬼
(
がき
)
、
355
修羅
(
しゆら
)
、
356
畜生
(
ちくしやう
)
の
天地
(
てんち
)
を
生
(
う
)
み
出
(
だ
)
し、
357
汝
(
なんぢ
)
自
(
みづか
)
ら
苦
(
くるし
)
む
其
(
その
)
憐
(
あは
)
れさ。
358
片時
(
かたとき
)
も
早
(
はや
)
く
本心
(
ほんしん
)
に
立復
(
たちかへ
)
り、
359
自我心
(
じがしん
)
を
滅却
(
めつきやく
)
し、
360
我情
(
がじやう
)
の
雲
(
くも
)
を
払拭
(
ふつしき
)
し、
361
明皓々
(
めいかうかう
)
たる
真如
(
しんによ
)
の
日月
(
じつげつ
)
を
心天
(
しんてん
)
心海
(
しんかい
)
に
輝
(
かがや
)
かし
奉
(
まつ
)
れ』
362
と
厳
(
おごそ
)
かに
神示
(
しんじ
)
を
宣
(
の
)
らせ
給
(
たま
)
ひ、
363
御姿
(
みすがた
)
は
見
(
み
)
えねども、
364
空中
(
くうちう
)
を
帰
(
かへ
)
り
給
(
たま
)
ふ
其
(
その
)
気配
(
けはい
)
、
365
目
(
め
)
に
見
(
み
)
る
如
(
ごと
)
くに
感
(
かん
)
じられた。
366
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
は
夢
(
ゆめ
)
の
覚
(
さ
)
めたる
如
(
ごと
)
く
心
(
こころ
)
に
打諾
(
うちうなづ
)
き、
367
鷹鳥姫
『アヽ
謬
(
あやま
)
れり
謬
(
あやま
)
れり、
368
今迄
(
いままで
)
吾々
(
われわれ
)
は
神界
(
しんかい
)
の
為
(
ため
)
、
369
天下
(
てんか
)
万民
(
ばんみん
)
の
為
(
ため
)
に
最善
(
さいぜん
)
の
努力
(
どりよく
)
を
尽
(
つく
)
し、
370
不惜
(
ふじやく
)
身命
(
しんみやう
)
の
大活動
(
だいくわつどう
)
を
継続
(
けいぞく
)
し、
371
五六七
(
みろく
)
神政
(
しんせい
)
の
御用
(
ごよう
)
に
奉仕
(
ほうし
)
せしものと
思
(
おも
)
ひしは、
372
わが
心
(
こころ
)
の
驕
(
おごり
)
なりしか。
373
アヽわれ
如何
(
いか
)
に
心力
(
しんりよく
)
を
尽
(
つく
)
すと
雖
(
いへど
)
も、
374
無限
(
むげん
)
絶対
(
ぜつたい
)
、
375
無始
(
むし
)
無終
(
むしう
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
大御心
(
おほみこころ
)
に
比
(
くら
)
ぶれば、
376
九牛
(
きうぎう
)
の
一毛
(
いちまう
)
だにも
及
(
およ
)
び
難
(
がた
)
し。
377
慢心
(
まんしん
)
取違
(
とりちがひ
)
の………われは
標本人
(
へうほんにん
)
なりしか、
378
吁
(
あゝ
)
浅
(
あさ
)
ましや
浅
(
あさ
)
ましや。
379
慈愛
(
じあい
)
深
(
ふか
)
き
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
、
380
何卒
(
なにとぞ
)
々々
(
なにとぞ
)
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
が
不明
(
ふめい
)
を
憐
(
あは
)
れみ
給
(
たま
)
ひ、
381
神業
(
しんげふ
)
の
一端
(
いつたん
)
に
奉仕
(
ほうし
)
せしめられむことを
懇願
(
こんぐわん
)
致
(
いた
)
します。
382
唯今
(
ただいま
)
より
心
(
こころ
)
を
悔
(
く
)
い
改
(
あらた
)
め、
383
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
召使
(
めしつかひ
)
として
微力
(
びりよく
)
の
限
(
かぎ
)
りを
尽
(
つく
)
させ
下
(
くだ
)
さいませ。
384
神慮
(
しんりよ
)
宏遠
(
くわうゑん
)
にして、
385
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
凡夫
(
ぼんぶ
)
の
如何
(
いか
)
でか
窺知
(
きち
)
し
奉
(
たてまつ
)
るを
得
(
え
)
む。
386
今
(
いま
)
まで
犯
(
をか
)
せし
天津罪
(
あまつつみ
)
国津罪
(
くにつつみ
)
は
申
(
まを
)
すも
更
(
さら
)
なり、
387
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずに
作
(
つく
)
りし
許々多久
(
ここたく
)
の
罪
(
つみ
)
穢
(
けがれ
)
を
恵
(
めぐみ
)
の
風
(
かぜ
)
に
吹払
(
ふきはら
)
ひ、
388
助
(
たす
)
け
給
(
たま
)
へ。
389
アヽ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
390
と
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せ、
391
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
に
咽
(
むせ
)
びながら
一心
(
いつしん
)
不乱
(
ふらん
)
に
天地
(
てんち
)
の
神霊
(
しんれい
)
に
謝罪
(
しやざい
)
と
祈願
(
きぐわん
)
を
籠
(
こ
)
めて
居
(
ゐ
)
る。
392
四辺
(
しへん
)
を
包
(
つつ
)
みし
白煙
(
はくえん
)
は
忽
(
たちま
)
ち
晴
(
は
)
れて、
393
四辺
(
あたり
)
を
見
(
み
)
れば
此
(
こ
)
は
如何
(
いか
)
に、
394
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
が
庵
(
いほり
)
の
前
(
まへ
)
の
苔
(
こけ
)
蒸
(
む
)
す
花園
(
はなぞの
)
であつた。
395
何処
(
いづこ
)
よりともなく
三柱
(
みはしら
)
の
美人
(
びじん
)
、
396
上枝姫
(
ほづえひめ
)
、
397
中枝姫
(
なかえひめ
)
、
398
下枝姫
(
しづえひめ
)
は、
399
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
き
顔貌
(
かんばせ
)
に、
400
梅花
(
ばいくわ
)
の
笑
(
わら
)
ふが
如
(
ごと
)
き
装
(
よそほ
)
ひにて
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
401
鷹鳥姫
(
たかとりひめ
)
、
402
若彦
(
わかひこ
)
、
403
金助
(
きんすけ
)
、
404
銀公
(
ぎんこう
)
の
手
(
て
)
を
取
(
と
)
りて
引起
(
ひきおこ
)
し、
405
懐
(
ふところ
)
より
幣
(
ぬさ
)
を
取出
(
とりだ
)
して
四
(
よ
)
人
(
にん
)
が
塵
(
ちり
)
を
打払
(
うちはら
)
ひ、
406
労
(
いた
)
はり
助
(
たす
)
けて
庵
(
いほり
)
の
内
(
うち
)
に
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
407
スマートボール、
408
カナンボール
以下
(
いか
)
一同
(
いちどう
)
は
如何
(
いかが
)
はしけむ、
409
身体
(
しんたい
)
強直
(
きやうちよく
)
し、
410
立
(
たち
)
はだかつた
儘
(
まま
)
此
(
この
)
光景
(
くわうけい
)
を
不審
(
ふしん
)
げに
目送
(
もくそう
)
して
居
(
ゐ
)
る。
411
谷
(
たに
)
の
木霊
(
こだま
)
に
響
(
ひび
)
く
宣伝歌
(
せんでんか
)
の
声
(
こゑ
)
、
412
雷
(
いかづち
)
の
如
(
ごと
)
く
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
413
(
大正一一・五・二七
旧五・一
松村真澄
録)
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(B)
(N)
初稚姫 >>>
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