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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第32巻(未の巻)
序文
総説
第1篇 森林の都
第1章 万物同言
第2章 猛獣会議
第3章 兎の言霊
第4章 鰐の言霊
第5章 琉球の光
第6章 獅子粉塵
第2篇 北の森林
第7章 試金玉
第8章 三人娘
第9章 岩窟女
第10章 暗黒殿
第11章 人の裘
第12章 鰐の橋
第13章 平等愛
第14章 山上の祝
第3篇 瑞雲靉靆
第15章 万歳楽
第16章 回顧の歌
第17章 悔悟の歌
第18章 竜国別
第19章 軽石車
第20章 瑞の言霊
第21章 奉答歌
第4篇 天祥地瑞
第22章 橋架
第23章 老婆心切
第24章 冷氷
余白歌
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<<< 総説
(B)
(N)
猛獣会議 >>>
第一章
万物
(
ばんぶつ
)
同言
(
どうげん
)
〔八九二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第32巻 海洋万里 未の巻
篇:
第1篇 森林の都
よみ(新仮名遣い):
しんりんのみやこ
章:
第1章 万物同言
よみ(新仮名遣い):
ばんぶつどうげん
通し章番号:
892
口述日:
1922(大正11)年08月22日(旧06月30日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年10月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
ウヅの国の荒野ケ原で神の戒めにあって改心し、アマゾン河の大森林の魔神を言向け和すべく、鷹依姫、竜国別、テーリスタン、カーリンスの一行四人は河口にやってきた。
アマゾン河で猛獣の王として君臨しているのは、水陸両棲のモールバンドという怪物である。図体は象の体を十四五集めたような太く長く、四本の足の先には水かきのついた指と剣のように光る七八尺の爪がついている。頭部は鰐のごとく、四五十間も伸ばすことができる尻尾には、鋭利な諸刃の剣のような凶器を持っていた。
大蛇も森林や水底に潜んで、獣や人々を狙っている。しかし猛獣も大蛇も、モールバンドには恐れをなして姿を隠している。
モールバンドに次ぐ恐ろしい生き物として、エルバンドという動物もいた。四本の足を持ち、鱗は鉄のように固い。丸い玉のような頭には、小さな目がついている。この丸い頭部を細長く伸ばし、獲物の血を吸って生きる怪物である。
鷹依姫一行は怪物たちが住む河を遡るのを避け、船を捨てて上陸し、河の南岸を時雨の森を指して進んで行った。そして森林に住む動植物の声を聞いて状況を理解し、モールバンドやエルバンドの征服に従事することになった。
ところで、宇宙の森羅万象はすべて陰陽の水火(いき)によって形成されている。すべてのものは言霊の水火を有し、言語を発しているのである。また禽獣も人語を解するとともに、人にも禽獣草木の言葉を解する能力が備わっている。
世が下って人々の心が曲がってしまい、言語を理解できない人間に堕落してしまっているのである。言霊学を体得するときは、禽獣虫魚山川草木の言葉も容易に解することができるのである。
国魂の優れた日本人は、本来、円満晴朗なる七十五声を完全に使用することができるのだが、今はまったく心の耳・心の眼が閉じてしまっていることは、実に嘆かわしいことである。
今日の世界の言語は、言霊学上の原則を乱しているために、お互いに諒解しがたい点が多々あることになってしまっているのである。言霊の原則を誤らなければ、世界共通的に通用することができる。これが言霊の妙用であり宇宙の真理なのである。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-04-22 17:34:50
OBC :
rm3201
愛善世界社版:
7頁
八幡書店版:
第6輯 153頁
修補版:
校定版:
7頁
普及版:
2頁
初版:
ページ備考:
001
国治立
(
くにはるたちの
)
大神
(
おほかみ
)
が
002
再
(
ふたた
)
び
地上
(
ちじやう
)
に
現
(
あら
)
はれて
003
至仁
(
しじん
)
至愛
(
しあい
)
の
五六七
(
みろく
)
神
(
しん
)
004
真善美
(
しんぜんび
)
なる
神
(
かみ
)
の
世
(
よ
)
を
005
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
に
樹
(
た
)
て
給
(
たま
)
ふ
006
其
(
その
)
経綸
(
けいりん
)
の
神宝
(
しんぱう
)
と
007
尊重
(
そんちよう
)
されし
珍宝
(
うづだから
)
008
金剛
(
こんがう
)
不壊
(
ふゑ
)
の
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
009
紫色
(
むらさきいろ
)
の
霊玉
(
れいぎよく
)
や
010
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
を
三五
(
あななひ
)
の
011
神
(
かみ
)
の
聖地
(
せいち
)
に
納
(
をさ
)
めつつ
012
時
(
とき
)
待
(
ま
)
ちたまふ
折柄
(
をりから
)
に
013
錦
(
にしき
)
の
宮
(
みや
)
の
黒姫
(
くろひめ
)
が
014
保管
(
ほくわん
)
なしたる
黄金
(
わうごん
)
の
015
珍
(
うづ
)
の
宝
(
たから
)
を
紛失
(
ふんしつ
)
し
016
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
と
自称
(
じしよう
)
する
017
系統
(
ひつぽう
)
の
身魂
(
みたま
)
高姫
(
たかひめ
)
に
018
追放
(
つゐはう
)
されて
黒姫
(
くろひめ
)
は
019
竜宮洲
(
りうぐうじま
)
なるオセアニア
020
一
(
ひと
)
つの
洲
(
しま
)
に
打渡
(
うちわた
)
り
021
玉
(
たま
)
の
所在
(
ありか
)
を
探
(
たづ
)
ねむと
022
進
(
すす
)
み
行
(
い
)
くこそ
憐
(
あは
)
れなれ
023
アルプス
教
(
けう
)
を
開
(
ひら
)
きたる
024
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
も
高姫
(
たかひめ
)
の
025
嫌疑
(
けんぎ
)
を
受
(
う
)
けて
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず
026
竜国別
(
たつくにわけ
)
を
伴
(
ともな
)
ひて
027
浪路
(
なみぢ
)
を
遥
(
はるか
)
に
浮
(
うか
)
びつつ
028
数多
(
あまた
)
の
島
(
しま
)
を
捜索
(
そうさく
)
し
029
心筑紫
(
こころつくし
)
の
果
(
は
)
て
迄
(
まで
)
も
030
駆
(
か
)
け
巡
(
めぐ
)
りつつ
探
(
さが
)
せども
031
行方
(
ゆくへ
)
は
更
(
さら
)
に
白波
(
しらなみ
)
の
032
舟
(
ふね
)
漕
(
こ
)
ぎ
渡
(
わた
)
りやうやうに
033
そば
立
(
だ
)
つ
波
(
なみ
)
も
高砂
(
たかさご
)
の
034
旭
(
あさひ
)
もテルの
港
(
みなと
)
まで
035
テーリスタンやカーリンス
036
二人
(
ふたり
)
を
加
(
くは
)
へて
四人
(
よにん
)
連
(
づ
)
れ
037
漸々
(
やうやう
)
此処
(
ここ
)
に
安着
(
あんちやく
)
し
038
テル
国
(
くに
)
街道
(
かいだう
)
をスタスタと
039
南
(
みなみ
)
に
向
(
むか
)
つて
行進
(
かうしん
)
し
040
蛸取村
(
たことりむら
)
を
乗越
(
のりこ
)
えて
041
アリナの
滝
(
たき
)
の
其
(
その
)
ほとり
042
鏡
(
かがみ
)
の
池
(
いけ
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
に
043
一行
(
いつかう
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
居
(
きよ
)
を
構
(
かま
)
へ
044
あらぬ
知識
(
ちしき
)
を
搾
(
しぼ
)
り
出
(
だ
)
し
045
テルの
国
(
くに
)
をば
振出
(
ふりだ
)
しに
046
夜昼
(
よるひる
)
なしにヒルの
国
(
くに
)
047
足許
(
あしもと
)
さへもカルの
国
(
くに
)
048
ブラジル
国
(
こく
)
の
果
(
は
)
て
迄
(
まで
)
も
049
鏡
(
かがみ
)
の
池
(
いけ
)
の
神霊
(
しんれい
)
に
050
玉
(
たま
)
と
名
(
な
)
のつく
物
(
もの
)
あらば
051
惜
(
を
)
しまず
隠
(
かく
)
さず
献
(
たてまつ
)
り
052
宏大
(
くわうだい
)
無辺
(
むへん
)
の
神徳
(
しんとく
)
を
053
早
(
はや
)
く
受
(
う
)
けよと
宣伝
(
せんでん
)
の
054
其
(
その
)
効
(
かう
)
空
(
むな
)
しからずして
055
鏡
(
かがみ
)
の
池
(
いけ
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
は
056
種々
(
しゆじゆ
)
様々
(
さまざま
)
の
厄雑玉
(
やくざだま
)
057
山
(
やま
)
の
如
(
ごと
)
くに
積
(
つ
)
まれける
058
さはさりながら
一
(
いつ
)
として
059
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
求
(
もと
)
め
居
(
ゐ
)
る
060
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
の
神宝
(
しんぱう
)
は
061
容易
(
ようい
)
に
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
らずて
062
テー、カー
二人
(
ふたり
)
は
張詰
(
はりつ
)
めし
063
心
(
こころ
)
の
箍
(
たが
)
もいつしかに
064
緩
(
ゆる
)
みて
厭気
(
いやけ
)
はさしにけり
065
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
066
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
に
叶
(
かな
)
はぬか
067
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
此
(
この
)
国
(
くに
)
を
068
後
(
あと
)
に
見捨
(
みす
)
ててハルの
国
(
くに
)
069
清
(
きよ
)
き
霊地
(
れいち
)
を
選択
(
せんたく
)
し
070
ふたたび
玉
(
たま
)
の
収集
(
しうしふ
)
に
071
着手
(
ちやくしゆ
)
せばやと
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
072
教司
(
をしへつかさ
)
に
献策
(
けんさく
)
し
073
いろいろ
雑多
(
ざつた
)
と
村肝
(
むらきも
)
の
074
心
(
こころ
)
を
悩
(
なや
)
ます
折柄
(
をりから
)
に
075
テーナの
里
(
さと
)
の
酋長
(
しうちやう
)
が
076
家
(
いへ
)
の
秘蔵
(
ひざう
)
の
金玉
(
きんぎよく
)
を
077
御輿
(
みこし
)
に
乗
(
の
)
せて
献
(
たてまつ
)
り
078
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
三五
(
あななひ
)
の
079
心
(
こころ
)
の
誠
(
まこと
)
を
捧
(
ささ
)
げける
080
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
一行
(
いつかう
)
は
081
忽
(
たちま
)
ち
玉
(
たま
)
を
取出
(
とりいだ
)
し
082
夜
(
よる
)
に
紛
(
まぎ
)
れてアリナ
山
(
やま
)
083
駆登
(
かけのぼ
)
りつつウヅの
国
(
くに
)
084
荒野
(
あらの
)
ケ
原
(
はら
)
に
遁走
(
とんさう
)
し
085
神
(
かみ
)
の
化身
(
けしん
)
に
散々
(
さんざん
)
と
086
不言
(
ふげん
)
実行
(
じつかう
)
の
懲戒
(
いましめ
)
を
087
受
(
う
)
けていよいよ
改心
(
かいしん
)
し
088
一行
(
いつかう
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
荒野原
(
あらのはら
)
089
東
(
ひがし
)
へ
指
(
さ
)
して
進
(
すす
)
み
行
(
い
)
く
090
アルの
港
(
みなと
)
を
船出
(
ふなで
)
して
091
百
(
もも
)
の
艱
(
なや
)
みに
遇
(
あ
)
ひながら
092
ゼムの
港
(
みなと
)
に
漂着
(
へうちやく
)
し
093
天祥山
(
てんしやうざん
)
に
立向
(
たちむか
)
ひ
094
モールバンドの
危害
(
きがい
)
をば
095
救
(
すく
)
ひてチンの
港
(
みなと
)
より
096
岩樟船
(
いはくすふね
)
を
造
(
つく
)
りあげ
097
アマゾン
河
(
がは
)
を
溯
(
さかのぼ
)
り
098
時雨
(
しぐれ
)
の
森
(
もり
)
に
潜
(
ひそ
)
みたる
099
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
や
醜鬼
(
しこおに
)
を
100
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
し
三五
(
あななひ
)
の
101
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
照
(
て
)
らさむと
102
心
(
こころ
)
をきはめて
進
(
すす
)
み
行
(
い
)
く。
103
目
(
め
)
の
届
(
とど
)
かぬ
許
(
ばか
)
り
川幅
(
かははば
)
広
(
ひろ
)
く、
104
うす
濁
(
にご
)
りのした
水底
(
みなそこ
)
の
深
(
ふか
)
き
大激流
(
だいげきりう
)
、
105
飛沫
(
ひまつ
)
を
飛
(
と
)
ばし、
106
何物
(
なにもの
)
の
制圧
(
せいあつ
)
をも
恐
(
おそ
)
れざる
勢
(
いきほひ
)
を
以
(
もつ
)
て、
107
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
奔流
(
ほんりう
)
するアマゾン
河
(
がは
)
の
河口
(
かはぐち
)
に、
108
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
一行
(
いつかう
)
は、
109
帆
(
ほ
)
に
風
(
かぜ
)
を
孕
(
はら
)
ませ
漸
(
やうや
)
くに
安着
(
あんちやく
)
しぬ。
110
此処
(
ここ
)
には
水陸
(
すゐりく
)
両棲
(
りやうせい
)
動物
(
どうぶつ
)
のモールバンドと
云
(
い
)
ふ
怪獣
(
くわいじう
)
がすべての
猛獣
(
まうじう
)
の
王
(
わう
)
として
覇
(
は
)
を
利
(
き
)
かして
居
(
ゐ
)
る。
111
象
(
ざう
)
の
体
(
からだ
)
を
十四五
(
じふしご
)
許
(
ばか
)
り
集
(
あつ
)
めた
様
(
やう
)
な
太
(
ふと
)
さの
長
(
なが
)
き
図体
(
づうたい
)
をなし、
112
爬虫族
(
はちうぞく
)
の
様
(
やう
)
に
四本
(
しほん
)
の
足
(
あし
)
の
先
(
さき
)
に
水掻
(
みづか
)
きあり、
113
爪
(
つめ
)
の
長
(
なが
)
さ
七八
(
しちはつ
)
尺
(
しやく
)
にして、
114
剣
(
つるぎ
)
の
如
(
ごと
)
く
光
(
ひか
)
り
且
(
か
)
つ
尖
(
とが
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
115
頭部
(
とうぶ
)
は
鰐
(
わに
)
の
如
(
ごと
)
く、
116
口
(
くち
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
大
(
おほ
)
きく、
117
鹿
(
しか
)
のやうな
角
(
つの
)
を
生
(
はや
)
し、
118
角
(
つの
)
の
尖
(
さき
)
より
何時
(
いつ
)
も
煙
(
けむり
)
のやうなものを
噴出
(
ふんしゆつ
)
してゐる。
119
目
(
め
)
は
常
(
つね
)
に
血走
(
ちばし
)
り、
120
尻
(
しり
)
は
蜥蜴
(
とかげ
)
の
尾
(
を
)
の
如
(
ごと
)
く、
121
必要
(
ひつえう
)
に
応
(
おう
)
じ
四五十
(
しごじつ
)
間
(
けん
)
迄
(
まで
)
伸
(
の
)
ばす
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
る。
122
さうして
尾
(
を
)
の
先
(
さき
)
には
鋭利
(
えいり
)
な
両刃
(
もろは
)
の
剣
(
つるぎ
)
の
如
(
ごと
)
き
凶器
(
きやうき
)
を
持
(
も
)
つてゐる。
123
此
(
この
)
モールバンドに
対
(
たい
)
しては、
124
如何
(
いか
)
なる
大蛇
(
をろち
)
も
猛獣
(
まうじう
)
も
恐
(
おそ
)
れ
戦
(
をのの
)
き、
125
森林
(
しんりん
)
深
(
ふか
)
く
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
して、
126
モールバンドの
害
(
がい
)
を
免
(
まぬが
)
れむとして
居
(
ゐ
)
る。
127
又
(
また
)
此
(
この
)
アマゾン
河
(
がは
)
には
長大
(
ちやうだい
)
なる
蛇
(
へび
)
数多
(
あまた
)
棲息
(
せいそく
)
し、
128
或時
(
あるとき
)
は
森林
(
しんりん
)
に
或時
(
あるとき
)
は
水底
(
みなそこ
)
に
潜
(
ひそ
)
んで
獣
(
けもの
)
を
呑
(
の
)
み
且
(
か
)
つ
人々
(
ひとびと
)
の
此
(
この
)
地点
(
ちてん
)
に
迷
(
まよ
)
ひ
来
(
きた
)
る
者
(
もの
)
あらば、
129
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
うて
出
(
い
)
で
来
(
きた
)
り
呑
(
の
)
み
喰
(
くら
)
はむと
待
(
ま
)
ち
構
(
かま
)
へ
居
(
ゐ
)
るなり。
130
又
(
また
)
外
(
ほか
)
にエルバンドと
云
(
い
)
ふ、
131
鰐
(
わに
)
でもなく
大蛇
(
をろち
)
でもなく、
132
鱗
(
うろこ
)
は
鉄
(
かね
)
の
如
(
ごと
)
く
固
(
かた
)
く、
133
竜
(
りう
)
の
如
(
ごと
)
き
髯
(
ひげ
)
を
生
(
しやう
)
じ、
134
四本
(
しほん
)
の
足
(
あし
)
ある
動物
(
どうぶつ
)
あり。
135
エルバンドの
頭
(
あたま
)
は
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
く
丸
(
まる
)
く、
136
其
(
その
)
目
(
め
)
は
比較
(
ひかく
)
的
(
てき
)
小
(
ちひ
)
さい。
137
エルバンドは
其
(
その
)
丸
(
まる
)
い
頭部
(
とうぶ
)
を
必要
(
ひつえう
)
に
応
(
おう
)
じ、
138
細
(
ほそ
)
く
長
(
なが
)
く
伸
(
の
)
ばし、
139
動物
(
どうぶつ
)
の
血
(
ち
)
を
吸
(
す
)
ひ
生
(
い
)
き
居
(
ゐ
)
る
怪物
(
くわいぶつ
)
なり。
140
モールバンドは
猛獣
(
まうじう
)
を
取
(
と
)
り
喰
(
くら
)
ふにも、
141
男性
(
だんせい
)
的
(
てき
)
に
敵
(
てき
)
をグツと
睨
(
ね
)
めつけ、
142
尻尾
(
しつぽ
)
を
打振
(
うちふ
)
り、
143
尾端
(
びたん
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
以
(
もつ
)
て
敵
(
てき
)
を
叩
(
たた
)
きつけ、
144
切
(
き
)
り
殺
(
ころ
)
し、
145
其
(
その
)
後
(
のち
)
に
自分
(
じぶん
)
の
腹
(
はら
)
に
入
(
い
)
れて
了
(
しま
)
ふ。
146
又
(
また
)
エルバンドは
之
(
これ
)
に
反
(
はん
)
し、
147
其
(
その
)
働
(
はたら
)
きは
極
(
きは
)
めて
女性
(
ぢよせい
)
的
(
てき
)
で、
148
動物
(
どうぶつ
)
の
寝
(
ね
)
てゐる
隙
(
すき
)
を
考
(
かんが
)
へ、
149
柔
(
やはら
)
かき
蛸
(
たこ
)
のやうな
頭
(
あたま
)
を、
150
どこ
迄
(
まで
)
も
細
(
ほそ
)
く
長
(
なが
)
く
延長
(
えんちやう
)
し、
151
動物
(
どうぶつ
)
の
肛門
(
こうもん
)
に
舌
(
した
)
の
先
(
さき
)
や
口
(
くち
)
の
先
(
さき
)
を
当
(
あ
)
てがひ、
152
生血
(
いきち
)
を
搾
(
しぼ
)
る
恐
(
おそ
)
ろしき
動物
(
どうぶつ
)
なり。
153
只
(
ただ
)
モールバンドにしてもエルバンドにしても、
154
彼
(
かれ
)
の
最
(
もつと
)
も
恐
(
おそ
)
るる
敵
(
てき
)
は、
155
アマゾン
河
(
がは
)
の
畔
(
ほとり
)
に
棲息
(
せいそく
)
してゐる
巨大
(
きよだい
)
なる
鰐
(
わに
)
の
群
(
むれ
)
ばかりなりといふ。
156
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
一行
(
いつかう
)
は、
157
かかる
怪物
(
くわいぶつ
)
の
棲息
(
せいそく
)
するアマゾン
河
(
がは
)
の
河口
(
かはぐち
)
に
辿
(
たど
)
り
着
(
つ
)
き、
158
危険
(
きけん
)
刻々
(
こくこく
)
に
身
(
み
)
に
迫
(
せま
)
り
来
(
きた
)
る
為
(
ため
)
に、
159
船
(
ふね
)
を
乗
(
の
)
り
捨
(
す
)
て、
160
アマゾン
河
(
がは
)
の
南岸
(
なんがん
)
に
上陸
(
じやうりく
)
し、
161
時雨
(
しぐれ
)
の
森
(
もり
)
に
向
(
むか
)
つて
宣伝歌
(
せんでんか
)
をうたひながら、
162
竜国別
(
たつくにわけ
)
、
163
テーリスタン、
164
カーリンスを
伴
(
ともな
)
ひ、
165
樹蔭
(
こかげ
)
を
縫
(
ぬ
)
ひて、
166
西
(
にし
)
へ
西
(
にし
)
へと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
167
宇宙
(
うちう
)
の
森羅
(
しんら
)
万象
(
ばんしやう
)
は
一
(
ひとつ
)
として、
168
陰陽
(
いんやう
)
の
水火
(
いき
)
によつて
形成
(
けいせい
)
されざる
物
(
もの
)
はない。
169
従
(
したが
)
つて
神人
(
しんじん
)
は
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
なり、
170
禽獣
(
きんじう
)
虫魚
(
ちうぎよ
)
、
171
山川
(
さんせん
)
草木
(
さうもく
)
に
至
(
いた
)
る
迄
(
まで
)
、
172
何
(
いづ
)
れも
言霊
(
ことたま
)
の
水火
(
いき
)
を
有
(
いう
)
し、
173
言語
(
げんご
)
を
発
(
はつ
)
せざるものはないのである。
174
中臣
(
なかとみ
)
の
祓
(
はらひ
)
にも『
草
(
くさ
)
の
片葉
(
かきは
)
をも
言止
(
ことや
)
めて
云々
(
うんぬん
)
』の
文句
(
もんく
)
あり、
175
古
(
いにしへ
)
の
人
(
ひと
)
は
凡
(
すべ
)
て
禽獣
(
きんじう
)
草木
(
さうもく
)
の
言語
(
げんご
)
迄
(
まで
)
も
能
(
よ
)
く
諒解
(
りやうかい
)
したるものなり。
176
又
(
また
)
禽獣
(
きんじう
)
は
人語
(
じんご
)
を
解
(
かい
)
し、
177
人
(
ひと
)
は
又
(
また
)
禽獣
(
きんじう
)
草木
(
さうもく
)
の
言葉
(
ことば
)
を
能
(
よ
)
く
解
(
かい
)
する
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
たり。
178
されど
世
(
よ
)
は
追々
(
おひおひ
)
と
降
(
くだ
)
り、
179
人
(
ひと
)
の
心
(
こころ
)
は
佞
(
ねぢ
)
け
曲
(
まが
)
り、
180
遂
(
つひ
)
に
罪悪
(
ざいあく
)
の
塊
(
かたまり
)
となり、
181
一切
(
いつさい
)
の
語
(
ご
)
を
解
(
かい
)
する
能
(
あた
)
はざる
迄
(
まで
)
、
182
不便
(
ふべん
)
極
(
きは
)
まる
人間
(
にんげん
)
と
堕落
(
だらく
)
し
了
(
おほ
)
せたるなり。
183
又
(
また
)
同
(
おな
)
じ
人間
(
にんげん
)
の
中
(
うち
)
に
於
(
おい
)
ても、
184
国々
(
くにぐに
)
所々
(
ところどころ
)
言語
(
げんご
)
の
相違
(
さうゐ
)
するは、
185
第一
(
だいいち
)
国魂神
(
くにたまがみ
)
の
霊魂
(
みたま
)
の
関係
(
くわんけい
)
及
(
および
)
風土
(
ふうど
)
寒暑
(
かんしよ
)
の
関係
(
くわんけい
)
に
依
(
よ
)
るものなるが、
186
之
(
これ
)
を
一々
(
いちいち
)
聞分
(
ききわ
)
け
其
(
その
)
意
(
い
)
を
悟
(
さと
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ぬまでに
人間
(
にんげん
)
の
耳
(
みみ
)
が
鈍
(
にぶ
)
り
来
(
きた
)
りぬ。
187
幸
(
さいはひ
)
に
言霊学
(
げんれいがく
)
を
体得
(
たいとく
)
する
時
(
とき
)
は、
188
別
(
べつ
)
に
英語
(
えいご
)
とか
仏蘭西
(
フランス
)
語
(
ご
)
、
189
露西亜
(
ロシア
)
語
(
ご
)
などと、
190
せせこましい
語学
(
ごがく
)
を
研究
(
けんきう
)
せなくとも、
191
其
(
その
)
声音
(
せいおん
)
の
色
(
いろ
)
並
(
ならび
)
に
抑揚
(
よくやう
)
頓挫
(
とんざ
)
等
(
とう
)
にて
悟
(
さと
)
り
得
(
え
)
らるる
筈
(
はず
)
なり。
192
従
(
したが
)
つて
禽獣
(
きんじう
)
虫魚
(
ちうぎよ
)
山川
(
さんせん
)
草木
(
さうもく
)
の
言葉
(
ことば
)
も、
193
容易
(
ようい
)
に
解
(
かい
)
し
得
(
う
)
べきものなり。
194
例
(
たと
)
へば
無生機物
(
むせいきぶつ
)
たる
三味線
(
しやみせん
)
を
引
(
ひ
)
き
鳴
(
な
)
らして、
195
いろいろの
音律
(
おんりつ
)
を
発
(
はつ
)
し、
196
浄瑠璃
(
じやうるり
)
、
197
唄
(
うた
)
などに
合
(
あ
)
はして
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
はしむるに、
198
聞
(
き
)
き
慣
(
な
)
れたる
耳
(
みみ
)
には、
199
其
(
その
)
音
(
ね
)
の
何
(
なに
)
を
語
(
かた
)
り
居
(
ゐ
)
るやを
弁別
(
べんべつ
)
し
得
(
う
)
るが
如
(
ごと
)
し。
200
其
(
その
)
他
(
た
)
縦笛
(
たてぶえ
)
、
201
横笛
(
よこぶえ
)
、
202
笙
(
しやう
)
、
203
ひちりき、
204
太鼓
(
たいこ
)
、
205
鼓
(
つづみ
)
に
至
(
いた
)
るまで、
206
僅
(
わづ
)
かに
五音
(
ごいん
)
、
207
或
(
あるひ
)
は
七八音
(
しちはちいん
)
を
以
(
もつ
)
て、
208
能
(
よ
)
く
其
(
その
)
用
(
よう
)
を
達
(
たつ
)
する
如
(
ごと
)
く、
209
禽獣
(
きんじう
)
虫魚
(
ちうぎよ
)
等
(
とう
)
の
声音
(
せいおん
)
は、
210
其
(
その
)
数
(
かず
)
少
(
すくな
)
しと
雖
(
いへど
)
も、
211
我
(
わが
)
耳
(
みみ
)
を
清
(
きよ
)
くして
聞
(
き
)
く
時
(
とき
)
は、
212
禽獣
(
きんじう
)
草木
(
さうもく
)
の
声
(
こゑ
)
を
明
(
あきら
)
かに
悟
(
さと
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
得
(
う
)
る。
213
例
(
たと
)
へば、
214
喇叭
(
ラツパ
)
は
僅
(
わづか
)
にタチツテトの
五音
(
ごいん
)
を
以
(
もつ
)
て
数多
(
あまた
)
の
軍隊
(
ぐんたい
)
を
動
(
うご
)
かし、
215
三味線
(
しやみせん
)
はパピプペポ、
216
タチツテトの
十音
(
じふいん
)
を
以
(
もつ
)
て
一切
(
いつさい
)
を
語
(
かた
)
り、
217
牛
(
うし
)
はマミムメモ、
218
馬
(
うま
)
はハヒフヘホ、
219
猫
(
ねこ
)
はナニヌネノ、
220
犬
(
いぬ
)
はワヰウヱヲと
云
(
い
)
ふやうに、
221
各
(
おのおの
)
特定
(
とくてい
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
使用
(
しよう
)
し、
222
自分
(
じぶん
)
の
意思
(
いし
)
を
完全
(
くわんぜん
)
に
表示
(
へうじ
)
し、
223
尚
(
なほ
)
及
(
およ
)
ばざる
所
(
ところ
)
は、
224
目
(
め
)
を
働
(
はたら
)
かせ
体
(
からだ
)
の
形容
(
けいよう
)
を
以
(
もつ
)
て
之
(
これ
)
を
補
(
おぎな
)
ひ、
225
且
(
か
)
つ
声
(
こゑ
)
の
抑揚
(
よくやう
)
頓挫
(
とんざ
)
にて、
226
其
(
その
)
意思
(
いし
)
を
明
(
あきら
)
かに
表示
(
へうじ
)
するものなり。
227
日本人
(
にほんじん
)
は
円満
(
ゑんまん
)
清朗
(
せいらう
)
なる
七十五
(
しちじふご
)
声
(
せい
)
を
完全
(
くわんぜん
)
に
使用
(
しよう
)
し
得
(
う
)
る
高等
(
かうとう
)
人種
(
じんしゆ
)
である。
228
之
(
こ
)
れ
全
(
まつた
)
く
国魂
(
くにたま
)
の
秀
(
すぐ
)
れたる
所以
(
ゆゑん
)
にして、
229
人種
(
じんしゆ
)
として
又
(
また
)
優等
(
いうとう
)
なる
所以
(
ゆゑん
)
である。
230
人種
(
じんしゆ
)
に
依
(
よ
)
つては
二十四五
(
にじふしご
)
声
(
せい
)
或
(
あるひ
)
は
三十声
(
さんじつせい
)
内外
(
ないぐわい
)
より
言語
(
ことば
)
を
使用
(
しよう
)
し
得
(
え
)
ざるものあり。
231
而
(
しか
)
して
其
(
その
)
声音
(
せいおん
)
は
拗音
(
えうおん
)
、
232
濁音
(
だくおん
)
、
233
鼻音
(
びおん
)
、
234
半濁音
(
はんだくおん
)
、
235
獣畜音
(
じうちくおん
)
等
(
とう
)
が
混入
(
こんにふ
)
してゐる。
236
されど
神
(
かみ
)
と
同
(
おな
)
じく
七十五
(
しちじふご
)
声
(
せい
)
を
使用
(
しよう
)
し
得
(
う
)
る
人種
(
じんしゆ
)
も
今
(
いま
)
は
全
(
まつた
)
く
心
(
こころ
)
の
耳
(
みみ
)
塞
(
ふさ
)
がり、
237
心
(
こころ
)
の
眼
(
まなこ
)
閉
(
と
)
ぢたれば、
238
到底
(
たうてい
)
神諭
(
しんゆ
)
にある
如
(
ごと
)
く、
239
一
(
いち
)
を
聞
(
き
)
いて
十
(
じふ
)
を
悟
(
さと
)
るが
如
(
ごと
)
き、
240
鋭敏
(
えいびん
)
なる
心
(
こころ
)
の
耳目
(
じもく
)
を
欠
(
か
)
き、
241
百言
(
ひやくげん
)
聞
(
き
)
いて
僅
(
わづか
)
に
一二言
(
いちにげん
)
を
悟
(
さと
)
り
得
(
う
)
る
位
(
くらゐ
)
の
程度
(
ていど
)
まで
耳目
(
じもく
)
活用
(
くわつよう
)
の
能率
(
のうりつ
)
が
低下
(
ていか
)
し、
242
他
(
た
)
の
動物
(
どうぶつ
)
と
殆
(
ほとん
)
ど
選
(
えら
)
ぶ
所
(
ところ
)
なき
迄
(
まで
)
に
到
(
いた
)
れるなり。
243
実
(
じつ
)
に
天地
(
てんち
)
経綸
(
けいりん
)
の
司宰者
(
しさいしや
)
たる
人
(
ひと
)
として
浩歎
(
かうたん
)
すべきの
至
(
いた
)
りならずや。
244
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
、
245
竜国別
(
たつくにわけ
)
、
246
テー、
247
カーの
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
此
(
この
)
森林
(
しんりん
)
に
進
(
すす
)
み
虎
(
とら
)
、
248
熊
(
くま
)
、
249
獅子
(
しし
)
、
250
狼
(
おほかみ
)
、
251
大蛇
(
をろち
)
、
252
鷲
(
わし
)
、
253
狐
(
きつね
)
、
254
兎
(
うさぎ
)
、
255
其
(
その
)
外
(
ほか
)
一切
(
いつさい
)
の
動物
(
どうぶつ
)
の
声音
(
せいおん
)
を
聞
(
き
)
き、
256
能
(
よ
)
く
其
(
その
)
意
(
い
)
を
諒解
(
りやうかい
)
し、
257
茲
(
ここ
)
に
猛獣
(
まうじう
)
を
使役
(
しえき
)
して
森
(
もり
)
の
王
(
わう
)
となり、
258
モールバンド、
259
エルバンドの
征服
(
せいふく
)
に
従事
(
じゆうじ
)
する
事
(
こと
)
となりぬ。
260
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
古
(
いにしへ
)
の
人
(
ひと
)
は
現代
(
げんだい
)
の
如
(
ごと
)
く、
261
余
(
あま
)
り
小
(
こ
)
ざかしき
円滑
(
ゑんくわつ
)
な
辞令
(
じれい
)
を
用
(
もち
)
ゐず、
262
又
(
また
)
数万言
(
すうまんげん
)
を
並
(
なら
)
べて
喋々
(
てふてふ
)
喃々
(
なんなん
)
する
必要
(
ひつえう
)
もなし。
263
それ
故
(
ゆゑ
)
アとウとの
息
(
いき
)
にて
禽獣
(
きんじう
)
草木
(
さうもく
)
と
能
(
よ
)
く
其
(
その
)
意思
(
いし
)
を
交換
(
かうくわん
)
する
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
たりしなり。
264
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
現代人
(
げんだいじん
)
は、
265
到底
(
たうてい
)
簡単
(
かんたん
)
なる
言語
(
げんご
)
にて
其
(
その
)
意思
(
いし
)
を
諒解
(
りやうかい
)
する
丈
(
だけ
)
の
能力
(
のうりよく
)
なし。
266
故
(
ゆゑ
)
に
此
(
この
)
口述
(
こうじゆつ
)
も
現代人
(
げんだいじん
)
の
耳
(
みみ
)
に
諒解
(
りやうかい
)
し
易
(
やす
)
からしむる
為
(
ため
)
、
267
大蛇
(
をろち
)
、
268
熊
(
くま
)
、
269
鹿
(
しか
)
、
270
虎
(
とら
)
、
271
狼
(
おほかみ
)
、
272
狐
(
きつね
)
、
273
兎
(
うさぎ
)
、
274
其
(
その
)
他
(
た
)
の
鳥類
(
てうるゐ
)
に
至
(
いた
)
るまで、
275
現代
(
げんだい
)
の
人間
(
にんげん
)
の
言語
(
げんご
)
を
以
(
もつ
)
て
話
(
はな
)
したる
如
(
ごと
)
く
訳
(
やく
)
して
口述
(
こうじゆつ
)
せむとす。
276
古事記
(
こじき
)
にも
大己貴
(
おほなむちの
)
命
(
みこと
)
、
277
気多
(
けた
)
の
岬
(
みさき
)
にて
因幡
(
ゐなば
)
の
白兎
(
しろうさぎ
)
に
出会
(
であ
)
ひ、
278
いろいろと
問答
(
もんだふ
)
し
給
(
たま
)
ふ
神文
(
しんもん
)
がある
如
(
ごと
)
く、
279
鳥獣
(
てうじう
)
草木
(
さうもく
)
の
声音
(
せいおん
)
と
雖
(
いへど
)
も、
280
真
(
しん
)
の
神国魂
(
みくにだましひ
)
に
返
(
かへ
)
りなば、
281
よく
諒解
(
りやうかい
)
し
得
(
え
)
らるるものなり。
282
禽獣
(
きんじう
)
草木
(
さうもく
)
は
今日
(
こんにち
)
に
至
(
いた
)
る
迄
(
まで
)
、
283
朧
(
おぼろ
)
げながら
人語
(
じんご
)
を
解
(
かい
)
するに、
284
人間
(
にんげん
)
として
禽獣
(
きんじう
)
草木
(
さうもく
)
の
声音
(
せいおん
)
を
聞
(
き
)
く
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
ざるは、
285
実
(
じつ
)
に
万物
(
ばんぶつ
)
の
霊長
(
れいちやう
)
たる
権威
(
けんゐ
)
はいづこにありや。
286
斯
(
か
)
かる
不完全
(
ふくわんぜん
)
なる
五感
(
ごかん
)
を
以
(
もつ
)
て、
287
いかでか、
288
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
として
万有
(
ばんいう
)
に
安息
(
あんそく
)
を
与
(
あた
)
へ、
289
天地
(
てんち
)
経綸
(
けいりん
)
の
司宰者
(
しさいしや
)
たる
其
(
その
)
職責
(
しよくせき
)
を
全
(
まつた
)
うする
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
む。
290
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
実
(
じつ
)
に
遺憾
(
ゐかん
)
の
極
(
きは
)
みなり。
291
口述者
(
こうじゆつしや
)
は
外国語
(
ぐわいこくご
)
を
学
(
まな
)
びし
事
(
こと
)
なく、
292
又
(
また
)
横文字
(
よこもじ
)
を
一字
(
いちじ
)
も
解
(
かい
)
し
得
(
え
)
ない。
293
されど
各国人
(
かくこくじん
)
の
談話
(
だんわ
)
を
傍
(
かたはら
)
に
在
(
あ
)
りて、
294
耳
(
みみ
)
をすませて
聞
(
き
)
く
時
(
とき
)
は、
295
其
(
その
)
意
(
い
)
の
何
(
なん
)
たるかを、
296
言霊
(
ことたま
)
の
原則
(
げんそく
)
上
(
じやう
)
、
297
諒解
(
りやうかい
)
し
得
(
え
)
らるるなり。
298
此
(
この
)
物語
(
ものがたり
)
も
亦
(
また
)
古代
(
こだい
)
の
土人
(
どじん
)
の
言語
(
げんご
)
を
所々
(
ところどころ
)
に
羅列
(
られつ
)
し、
299
或
(
あるひ
)
は
現代
(
げんだい
)
の
外国語
(
ぐわいこくご
)
を
使用
(
しよう
)
したる
所
(
ところ
)
もあり。
300
併
(
しか
)
し
今日
(
こんにち
)
の
世界
(
せかい
)
の
語学
(
ごがく
)
は、
301
言霊学
(
ことたまがく
)
上
(
じやう
)
其
(
その
)
原則
(
げんそく
)
を
乱
(
みだ
)
しゐる
為
(
ため
)
に、
302
現代人
(
げんだいじん
)
の
言語
(
げんご
)
は
諒解
(
りやうかい
)
し
難
(
がた
)
き
点
(
てん
)
多々
(
たた
)
あり。
303
如何
(
いか
)
なる
国
(
くに
)
の
言語
(
げんご
)
と
雖
(
いへど
)
も、
304
今
(
いま
)
の
禽獣
(
きんじう
)
草木
(
さうもく
)
の
如
(
ごと
)
く
言霊
(
ことたま
)
の
原則
(
げんそく
)
を
誤
(
あやま
)
らざるに
於
(
おい
)
ては、
305
世界
(
せかい
)
共通
(
きようつう
)
的
(
てき
)
に
通
(
つう
)
ずべきが
言霊
(
ことたま
)
の
妙用
(
めうよう
)
、
306
宇宙
(
うちう
)
の
真理
(
しんり
)
なり。
307
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
308
(
大正一一・八・二二
旧六・三〇
松村真澄
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
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