霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二四章 冷氷(れいひよう)〔九一五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第32巻 海洋万里 未の巻 篇:第4篇 天祥地瑞 よみ(新仮名遣い):てんしょうちずい
章:第24章 冷氷 よみ(新仮名遣い):れいひょう 通し章番号:915
口述日:1922(大正11)年08月24日(旧07月02日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年10月15日
概要: 舞台:ウヅの館 あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
高姫は、縁談を壊す算段をしようと、今度は鷹依姫と竜国別のところへやってきた。鷹依姫と竜国別は高姫を歓迎し、このたびの縁談の祝いの品について、高姫に相談をもちかけた。
しかし高姫が縁談を壊そうとしていると知った竜国別は、高姫に食って掛かり非難した。高姫と竜国別がやりあっているところへカールがやってきて、高姫が縁談を壊そうとあちこちへ出張っているので気をつけろ、と注進にやってきて高姫に出くわした。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-06-13 18:21:21 文字数:2704 OBC :rm3224
愛善世界社版:286頁 八幡書店版:第6輯 246頁 修補版: 校定版:291頁 普及版:108頁 初版: ページ備考:
001 高姫(たかひめ)は国依別(くによりわけ)の室(しつ)を立出(たちい)で、002応援(おうゑん)を求(もと)めて此(この)目的(もくてき)を達(たつ)せむと、003鷹依姫(たかよりひめ)、004竜国別(たつくにわけ)の一室(いつしつ)を訪問(はうもん)した。
005高姫『御免(ごめん)なさいませ……鷹依姫(たかよりひめ)さま、006竜国別(たつくにわけ)さま、007何(なん)とマア親子(おやこ)仲(なか)のよいこと、008あなたも孝行(かうかう)な息子(むすこ)を持(も)つて幸福(かうふく)ですなア。009私(わたし)の様(やう)な独身者(どくしんもの)は親子(おやこ)睦(むつ)まじう、010さうして御座(ござ)る所(ところ)を拝見(はいけん)致(いた)しますと、011実(じつ)に羨(うらや)ましうなつて来(き)ました。012本当(ほんたう)に親子(おやこ)の円満(ゑんまん)なのは見(み)よいものですワイ……時(とき)にお二人(ふたり)さまに至急(しきふ)御(ご)相談(さうだん)したい事(こと)があつて参(まゐ)りました。013どうぞ暫(しばら)くの間(あひだ)御(お)邪魔(じやま)をさして下(くだ)さいませ』
014鷹依姫『それはマア能(よ)う来(き)て下(くだ)さいました。015伜(せがれ)の竜国別(たつくにわけ)が孝行(かうかう)にして呉(く)れますので、016私(わたし)も全(まつた)く神(かみ)様(さま)のお蔭(かげ)だと思(おも)ひ、017朝(あさ)な夕(ゆふ)なに感謝(かんしや)を致(いた)して居(を)ります。018若(わか)い時(とき)には随分(ずゐぶん)極道(ごくだう)で、019何(なん)べんも親(おや)を泣(な)かせたもので御座(ござ)いますが、020年(とし)の薬(くすり)で此(この)様(やう)な孝行(かうかう)な息子(むすこ)になつてくれました。021子(こ)が無(な)うて泣(な)く親(おや)は無(な)いが、022子(こ)がある為(ため)に泣(な)く親(おや)は、023世界(せかい)に沢山(たくさん)御座(ござ)いますでなア。024私(わたし)は神(かみ)様(さま)のおかげで、025子(こ)がある為(ため)に日々(にちにち)勇(いさ)んで暮(くら)して居(を)ります』
026高姫『それは何(なに)より結構(けつこう)で御座(ござ)います。027併(しか)しお二人(ふたり)さま、028一(ひと)つ聞(き)いて貰(もら)はねばならぬことが突発(とつぱつ)して来(き)ました』
029竜国(たつくに)『高姫(たかひめ)さま、030ソリヤ大方(おほかた)国依別(くによりわけ)さまのお目出度(めでた)い話(はなし)でせう。031本当(ほんたう)に結構(けつこう)ですなア。032不断(ふだん)から一寸(ちよつと)変(かは)つた偉(えら)い男(をとこ)だと感服(かんぷく)してゐましたが、033ヤツパリ栴檀(せんだん)は二葉(ふたば)より馨(かんば)し、034蛇(じや)は寸(すん)にして人(ひと)を呑(の)むとやら、035ヤツパリ身魂(みたま)の性来(しやうらい)は争(あらそ)はれぬものですワイ。036私(わたし)は今迄(いままで)心易(こころやす)い友(とも)だちとして、037ワレかオレかでつき合(あ)つて来(き)ましたが、038モウ是(これ)からは態度(たいど)を改(あらた)めねばならなくなつて来(き)ました。039本当(ほんたう)に人(ひと)の出世(しゆつせ)は分(わか)らぬものですな……高姫(たかひめ)さま、040あなたは国依別(くによりわけ)さまの結婚(けつこん)について御(お)祝(いはひ)をしたいから、041どんな物(もの)を送(おく)つたらよからうと云(い)ふ同情(どうじやう)ある御(ご)相談(さうだん)でせう……なアお母(か)アさま』
042鷹依姫『何(なに)から何(なに)まで、043耳(みみ)から鼻(はな)まで、044目(め)から口(くち)までつきぬけるやうな高姫(たかひめ)さまが御座(ござ)るのだから、045メツタに仰有(おつしや)る事(こと)に抜目(ぬけめ)はありませぬ。046高姫(たかひめ)さまの御(ご)意見(いけん)に御(お)任(まか)せしなさい』
047竜国別『ハイ』
048高姫『コレ竜国別(たつくにわけ)さま、049お前(まへ)さまのお母(か)アさまの仰有(おつしや)つた通(とほ)り、050何事(なにごと)も私(わたくし)の意見(いけん)に従(したが)ふのだよ』
051竜国別『ハイ、052従(したが)ひますよ。053何(なに)を祝(いは)うたら宜(よろ)しいでせうなア』
054高姫『エヽ辛気臭(しんきくさ)い、055お祝(いは)ひ所(どころ)の騒(さわ)ぎですか。056国家(こくか)の興亡(こうばう)危機(きき)一髪(いつぱつ)の間(あひだ)に在(あ)り、057地異(ちい)天変(てんぺん)の大騒動(おほさうどう)、058何(なに)を気楽(きらく)な、059悠然(いうぜん)として控(ひか)へて御座(ござ)るのだい。060マア能(よ)う考(かんが)へて御覧(ごらん)、061女(をんな)たらしの御家(ごけ)倒(たふ)し、062家潰(いへつぶ)しの国依別(くによりわけ)のやうなガラクタ身魂(みたま)と、063誠水晶(まことすゐしやう)の生粋(きつすゐ)の大和(やまと)魂(だましひ)の末子姫(すゑこひめ)様(さま)と夫婦(ふうふ)にでもしようものなら、064それこそ白米(はくまい)の中(なか)へ砂(すな)を混(ま)ぜたやうなものだ。065どうにもかうにもママになりませぬぞや。066何(なん)とかして此(この)縁談(えんだん)を冷(ひや)す工夫(くふう)をせなくては、067国家(こくか)の一大事(いちだいじ)だから御(ご)相談(さうだん)に来(き)ましたのぢや』
068竜国別『冷(ひや)す相談(さうだん)ですか? 此(この)暑(あつ)いのに俄(にはか)に方法(はうはふ)もありませぬワ。069何(なに)しろ百度(ひやくど)以上(いじやう)に逆上(のぼ)せ上(あが)つてゐるのですからなア。070併(しか)し冷(ひや)さぬと腐敗(ふはい)の虞(おそれ)がありませう。071あなた御(ご)苦労(くらう)だが、072一(ひと)つ竜紋(りうもん)氷室(ひようしつ)へ走(はし)つて行(い)つて、073百貫目(ひやくくわんめ)程(ほど)氷(こほり)を買(か)つて来(き)て下(くだ)さいな』
074高姫『コレ竜(たつ)どの、075氷(こほり)の話(はなし)ぢやありませぬぞや。076お前(まへ)さまは此(この)暑(あつ)さで氷(こほり)の事(こと)計(ばか)り思(おも)つてゐるものだから、077何(なに)を云(い)つても皆(みな)氷(こほり)に聞(きこ)えるのだよ』
078竜国別『チツとカチワリにして、079細(こま)かう云(い)つて下(くだ)さらぬと、080氷解(ひようかい)することが出来(でき)ませぬワイ』
081高姫『コレコレお前(まへ)さまは私(わたくし)がこれ程(ほど)熱心(ねつしん)に話(はなし)をしよるのに、082頭(あたま)から冷(ひや)かすのかいなア』
083竜国別『高姫(たかひめ)さま、084今(いま)冷(ひや)さうと云(い)つて来(き)たぢやないか。085さうだからお前(まへ)さまの意見(いけん)に従(したが)つて、086冷(ひや)かしにかかつて居(ゐ)るのだよ。087冷笑(れいせう)冷罵(れいば)の言霊(ことたま)を一(ひと)つ進上(しんじやう)致(いた)しませうか。088今朝(けさ)から井戸(ゐど)の中(なか)へ吊(つ)り下(おろ)しておいたのだから……』
089高姫『エヽ訳(わけ)の分(わか)らぬ男(をとこ)だなア。090西瓜(すゐくわ)の事(こと)を誰(たれ)が云(い)つていますか!』
091鷹依姫『コレコレ竜国別(たつくにわけ)……勿体(もつたい)ない、092高姫(たかひめ)さまに向(むか)つて、093さうツベコベと口答(くちごたへ)するものぢやありませぬぞえ……なア高姫(たかひめ)さま、094若(わか)い者(もの)と云(い)ふものは、095実(じつ)に側(そば)に聞(き)いて居(を)つても、096氷(こほり)の側(そば)に居(ゐ)るやうに、097ヒヤヒヤするやうな事(こと)計(ばか)り申(まを)します。098どうぞ冷静(れいせい)にお聞(き)き下(くだ)さいませ』
099竜国別『高姫(たかひめ)さま、100お前(まへ)さまは善言(ぜんげん)美詞(びし)の言霊(ことたま)を忘(わす)れましたか? 国依別(くによりわけ)さまがモウ一息(ひといき)で成功(せいこう)すると云(い)ふ間際(まぎは)になつて、101昔(むかし)のアラをさらけ出(だ)したり、102反対(はんたい)運動(うんどう)をすると云(い)ふ様(やう)な非人道(ひじんだう)的(てき)な事(こと)が御座(ござ)いますか。103私(わたくし)は左様(さやう)な相談(さうだん)には真平(まつぴら)御免(ごめん)ですよ』
104高姫『私(わたくし)だとて国依別(くによりわけ)のアラをさらけ出(だ)すのは実(じつ)に辛(つら)い、105熱鉄(ねつてつ)を呑(の)むやうな心持(こころもち)がするけれど、106多勢(おほぜい)の人民(じんみん)と一人(ひとり)とには替(か)へられませぬから、107止(や)むを得(え)ずイヤな事(こと)を云(い)はねばならぬ因果(いんぐわ)な身(み)の上(うへ)……コレ鷹依姫(たかよりひめ)さま、108高姫(たかひめ)の心(こころ)の中(なか)を推量(すゐりやう)して下(くだ)さいませなア』
109鷹依姫『御尤(ごもつと)もで御座(ござ)います。110併(しか)し乍(なが)ら神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)様(さま)の御(ご)所望(しよまう)に依(よ)り、111言依別(ことよりわけの)神(かみ)さま、112松若彦(まつわかひこ)の神司(かむつかさ)のおきめ遊(あそ)ばしたこと、113吾々(われわれ)がどうかう申(まを)す権利(けんり)もなければ場合(ばあひ)でも御座(ござ)いませぬ。114どうなるのも皆(みな)神(かみ)様(さま)の御(お)仕組(しぐみ)で御座(ござ)いませうから、115吾々(われわれ)としては只(ただ)お目出度(めでた)いと御(お)祝(いは)ひ申(まを)すより外(ほか)に道(みち)はなからうかと存(ぞん)じます』
116高姫『エーエ、117親子(おやこ)共(とも)、118揃(そろ)ひも揃(そろ)うて分(わか)らぬ人(ひと)だなア。119是(これ)では何程(なにほど)変性(へんじやう)男子(なんし)の系統(ひつぽう)……オツトドツコイ、120是(これ)は云(い)ふのぢやなかつた……高姫(たかひめ)が、121シヤチになつてきばつても、122此(この)濁流(だくりう)はせきとめる事(こと)は出来(でき)ないかなア……アヽ惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)。123どうぞ神(かみ)様(さま)、124早(はや)く善(ぜん)と悪(あく)とを立別(たてわ)け下(くだ)さいまして、125神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)様(さま)の貴(うづ)の御子(みこ)の結構(けつこう)な身魂(みたま)を、126国依別(くによりわけ)の泥身魂(どろみたま)が汚(けが)しませぬ様(やう)に、127夜(よ)の守(まも)り日(ひ)の守(まも)りに守(まも)り幸(さち)はひ下(くだ)さいませ。128偏(ひとへ)に御(お)願(ねがひ)申上(まをしあ)げ奉(たてまつ)ります』
129竜国別『高姫(たかひめ)さま、130今(いま)となつて、131何程(なにほど)ジリジリ悶(もだ)えをしたつて駄目(だめ)ですよ。132私(わたくし)も余(あま)り国依別(くによりわけ)さまの悪口(わるくち)をきかされて、133腹(はら)が竜国別(たつくにわけ)となつて了(しま)つた。134サアサア一(いち)時(じ)も早(はや)く此処(ここ)を竜国別(たつくにわけ)として下(くだ)さい。135是(これ)から国依別(くによりわけ)さまの所(ところ)へ御(お)祝(いは)ひに行(ゆ)かねばなりませぬ……お母(か)アさま、136高姫(たかひめ)さまに失礼(しつれい)して、137親子(おやこ)揃(そろ)うて、138このお目出度(めでた)い結婚(けつこん)の前祝(まへいはひ)に行(い)つて来(こ)ようぢやありませぬか』
139高姫『どうなつと、140御(ご)勝手(かつて)になさりませ。141後(あと)で後悔(こうくわい)せぬ様(やう)に一寸(ちよつと)気(き)を付(つ)けて置(お)きますぞえ』
142竜国別『後(あと)で後悔(こうくわい)どころか、143最早(もはや)此(この)結婚(けつこん)の話(はなし)は前以(まへもつ)て公開(こうかい)された筈(はず)だ。144アハヽヽヽ』
145 斯(か)かる所(ところ)へカールは勢(いきほ)ひよく走(はし)り来(きた)り、
146カール『今(いま)言依別(ことよりわけ)様(さま)の御(お)居間(ゐま)へ招(まね)かれて行(い)つて来(き)ました所(ところ)、147タカとか鳶(とび)とかの雌鳥(めんどり)がやつて来(き)て、148畏(おそ)れ多(おほ)い大神(おほかみ)様(さま)の思召(おぼしめし)に依(よ)つて成立(なりた)つた結構(けつこう)な結婚(けつこん)問題(もんだい)を冷(ひや)かさうとして、149百万(ひやくまん)陀羅(だら)泡(あわ)を吹(ふ)いて帰(かへ)つたと云(い)ふことで御座(ござ)いましたよ。150何(いづ)れ鷹依姫(たかよりひめ)様(さま)や竜国別(たつくにわけ)様(さま)の御(お)宅(たく)へもタカがケチをつけに行(ゆ)くだらうから、151お前(まへ)一(ひと)つタカや鳶(とび)が出(で)て来(き)ても相手(あひて)にならず、152ぼつ返(かへ)せと仰有(おつしや)いましたからお使(つかひ)に出(で)て参(まゐ)りました。153グヅグヅしてると、154タカや鳶(とび)に油揚(あぶらあげ)をさらはれ、155アフンとしても後(あと)の祭(まつ)りだから、156一寸(ちよつと)言依別(ことよりわけ)様(さま)の御(ご)命令(めいれい)に依(よ)つて御(お)知(し)らせに参(まゐ)りました……オツトドツコイ、157此処(ここ)にタカとか高姫(たかひめ)さまとか云(い)ふ御(ご)本尊(ほんぞん)が御座(ござ)つたのかなア……大神(おほかみ)様(さま)、158何卒(どうぞ)神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)に見直(みなほ)し聞直(ききなほ)し下(くだ)さいませ。159アヽ惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)』
160(大正一一・八・二四 旧七・二 松村真澄録)
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