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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第32巻(未の巻)
序文
総説
第1篇 森林の都
第1章 万物同言
第2章 猛獣会議
第3章 兎の言霊
第4章 鰐の言霊
第5章 琉球の光
第6章 獅子粉塵
第2篇 北の森林
第7章 試金玉
第8章 三人娘
第9章 岩窟女
第10章 暗黒殿
第11章 人の裘
第12章 鰐の橋
第13章 平等愛
第14章 山上の祝
第3篇 瑞雲靉靆
第15章 万歳楽
第16章 回顧の歌
第17章 悔悟の歌
第18章 竜国別
第19章 軽石車
第20章 瑞の言霊
第21章 奉答歌
第4篇 天祥地瑞
第22章 橋架
第23章 老婆心切
第24章 冷氷
余白歌
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<<< 三人娘
(B)
(N)
暗黒殿 >>>
第九章
岩窟女
(
がんくつをんな
)
〔九〇〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第32巻 海洋万里 未の巻
篇:
第2篇 北の森林
よみ(新仮名遣い):
きたのしんりん
章:
第9章 岩窟女
よみ(新仮名遣い):
がんくつおんな
通し章番号:
900
口述日:
1922(大正11)年08月22日(旧06月30日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年10月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
三人の女の後から意気揚々として付いていく高姫の様子に、春彦は宣伝歌を歌いだした。その歌は、またしても玉への執着にとらわれて、怪しい女に付いていく高姫をからかいたしなめていた。
また春彦は歌の中で、如意宝珠の玉のありかは自転倒島にあると錦の宮の杢助から聞かされていたことを明かした。そして、高姫に玉を献上しようとにわかに表れた三人の怪しい女は、白狐の化身であり、高姫を改心させようという神の御心から遣わされていることを見抜いていた。
高子姫は一行を、森林の中に大岩石が屹立している場所に案内した。立派な岩戸が立てられており、高子姫はここが自分たちの住処であると伝えた。
春彦は高姫に岩窟に入らないように強く注意を促すが、にわかに足が引きつって歩けなくなってしまった。高姫は神罰があたったのだと、かまわず高子姫に付いて岩窟に入って行ってしまった。常彦とヨブも高姫に続いた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-05-09 17:31:50
OBC :
rm3209
愛善世界社版:
102頁
八幡書店版:
第6輯 185頁
修補版:
校定版:
107頁
普及版:
41頁
初版:
ページ備考:
001
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
の
後
(
あと
)
から
高姫
(
たかひめ
)
は
期
(
き
)
する
所
(
ところ
)
あるものの
如
(
ごと
)
く、
002
体
(
からだ
)
をゆすり、
003
どことなく
春駒
(
はるこま
)
の
勇
(
いさ
)
んだやうに、
004
シヤンシヤンとして
従
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
く。
005
常彦
(
つねひこ
)
、
006
ヨブの
二人
(
ふたり
)
はせう
事
(
こと
)
なさに
従
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
くといふ
様
(
やう
)
な
足元
(
あしもと
)
で、
007
莽々
(
ばうばう
)
と
草
(
くさ
)
の
生
(
は
)
え
茂
(
しげ
)
つた
中
(
なか
)
を、
008
一歩
(
ひとあし
)
々々
(
ひとあし
)
探
(
さぐ
)
る
様
(
やう
)
にしてゐる。
009
春彦
(
はるひこ
)
は
殿
(
しんがり
)
をつとめながら、
010
何
(
なん
)
となく
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
可笑
(
をか
)
しくなり、
011
春彦
『
時雨
(
しぐれ
)
の
森
(
もり
)
に
現
(
あら
)
はれた
012
魔性
(
ましやう
)
の
女
(
をんな
)
にだまされて
013
欲
(
よく
)
の
熊高姫
(
くまたかひめ
)
さまが
014
又
(
また
)
も
持病
(
ぢびやう
)
を
再発
(
さいはつ
)
し
015
金剛
(
こんがう
)
不壊
(
ふゑ
)
の
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
016
数
(
かず
)
限
(
かぎ
)
りなく
吾宿
(
わがやど
)
に
017
隠
(
かく
)
してあるから
出
(
で
)
ておいで
018
お
気
(
き
)
に
入
(
い
)
るのがあつたなら
019
いくらなりとも
上
(
あ
)
げませうと
020
茨
(
いばら
)
に
餅
(
もち
)
のなるやうな
021
甘
(
うま
)
い
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
かされて
022
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
はうはの
空
(
そら
)
023
我欲
(
がよく
)
の
雲
(
くも
)
にとざされて
024
一寸先
(
いつすんさき
)
は
真
(
しん
)
の
暗
(
やみ
)
025
旭
(
あさひ
)
が
出
(
で
)
てるが
分
(
わか
)
らない
026
月日
(
つきひ
)
の
姿
(
すがた
)
も
目
(
め
)
につかぬ
027
高倉
(
たかくら
)
暗
(
やみ
)
の
高姫
(
たかひめ
)
が
028
ドツコイ
一杯
(
いつぱい
)
喰
(
く
)
はされて
029
又
(
また
)
も
吠
(
ほ
)
え
面
(
づら
)
かわくだらう
030
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
031
なぜにこれ
程
(
ほど
)
高姫
(
たかひめ
)
の
032
心
(
こころ
)
がグラグラするのだらう
033
勢込
(
いきほひこ
)
んであの
通
(
とほ
)
り
034
玉
(
たま
)
ぢや
玉
(
たま
)
ぢやと
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
035
狐
(
きつね
)
の
穴
(
あな
)
につれ
込
(
こ
)
まれ
036
コレコレまうし
高姫
(
たかひめ
)
さま
037
如意
(
によい
)
の
宝珠
(
ほつしゆ
)
はこれですと
038
さらけ
出
(
だ
)
したる
玉手箱
(
たまてばこ
)
039
開
(
ひら
)
いて
見
(
み
)
ればこはいかに
040
如意
(
によい
)
の
宝珠
(
ほつしゆ
)
と
思
(
おも
)
ひきや
041
狸
(
たぬき
)
の
睾丸
(
きんたま
)
八畳敷
(
はちでふじき
)
042
オツ
たま
げたよ
たま
げたよ
043
コリヤ
たま
らぬと
尻
(
しり
)
からげ
044
一目散
(
いちもくさん
)
にかけ
出
(
だ
)
して
045
底
(
そこ
)
ひも
知
(
し
)
れぬ
谷川
(
たにがは
)
へ
046
ドンブリコンと
墜落
(
つゐらく
)
し
047
水
(
みづ
)
の
泡
(
あわ
)
程
(
ほど
)
泡
(
あわ
)
をふき
048
アフンとするに
違
(
ちが
)
ひない
049
それを
見
(
み
)
るのが
春彦
(
はるひこ
)
は
050
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
さまでたまらない
051
あれほど
意見
(
いけん
)
をしたけれど
052
玉
(
たま
)
にかけたら
魂
(
たましひ
)
を
053
奪
(
うば
)
はれ
切
(
き
)
つた
高姫
(
たかひめ
)
は
054
口角泡
(
こうかくあわ
)
をば
飛
(
と
)
ばしつつ
055
神
(
かみ
)
の
仕組
(
しぐみ
)
は
人民
(
じんみん
)
の
056
容喙
(
ようかい
)
致
(
いた
)
す
事
(
こと
)
でない
057
神
(
かみ
)
の
仕組
(
しぐみ
)
は
神
(
かみ
)
が
知
(
し
)
る
058
お
前
(
まへ
)
の
様
(
やう
)
な
人民
(
じんみん
)
が
059
神
(
かみ
)
の
仕組
(
しぐみ
)
をゴテゴテと
060
横槍
(
よこやり
)
入
(
い
)
れるこたならぬ
061
だまつて
厶
(
ござ
)
れとはねつけて
062
ありもせないに
宝玉
(
ほうぎよく
)
を
063
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
らむと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
064
猿猴
(
ゑんこう
)
が
水
(
みづ
)
に
映
(
うつ
)
つたる
065
月
(
つき
)
の
影
(
かげ
)
をば
掴
(
つか
)
むやうに
066
水
(
みづ
)
に
溺
(
おぼ
)
れてブルブルと
067
泡
(
あわ
)
を
吹
(
ふ
)
いては
八当
(
やつあた
)
り
068
二百十
(
にひやくとを
)
日
(
か
)
に
吹
(
ふ
)
きまくる
069
風
(
かぜ
)
ぢやなけれど
吾々
(
われわれ
)
は
070
蕎麦
(
そば
)
の
迷惑
(
めいわく
)
思
(
おも
)
ひやる
071
そばに
見
(
み
)
てゐる
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
も
072
高姫
(
たかひめ
)
さまの
吹
(
ふ
)
く
粟
(
あは
)
を
073
黍
(
きび
)
がよいとは
思
(
おも
)
やせぬ
074
狐
(
きつね
)
の
七化
(
ななば
)
け、ド
狸
(
たぬき
)
、
豆狸
(
まめだぬき
)
075
八化
(
やば
)
けと
更
(
さら
)
に
知
(
し
)
らずして
076
玉
(
たま
)
を
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れ
其
(
その
)
上
(
うへ
)
に
077
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
在処
(
ありか
)
をば
078
知
(
し
)
らして
貰
(
もら
)
ふと
暗雲
(
やみくも
)
に
079
糠
(
ぬか
)
よろこびの
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
さ
080
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
081
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
082
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
083
如意
(
によい
)
の
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
宝玉
(
ほうぎよく
)
は
084
高砂島
(
たかさごじま
)
にあるものか
085
言依別
(
ことよりわけ
)
の
大教主
(
だいけうしゆ
)
086
初稚姫
(
はつわかひめ
)
や
玉能姫
(
たまのひめ
)
087
二人
(
ふたり
)
の
身魂
(
みたま
)
にコツソリと
088
離
(
はな
)
れの
島
(
しま
)
にかくさせて
089
誰
(
たれ
)
も
在処
(
ありか
)
は
分
(
わか
)
らない
090
とは
云
(
い
)
ふものの
自転倒
(
おのころ
)
の
091
どつかの
島
(
しま
)
に
隠
(
かく
)
しある
092
其
(
その
)
事
(
こと
)
だけは
確
(
たしか
)
ぢやと
093
錦
(
にしき
)
の
宮
(
みや
)
の
杢助
(
もくすけ
)
が
094
私
(
わたし
)
に
話
(
はな
)
してをつたぞや
095
お
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なは
高姫
(
たかひめ
)
ぢや
096
モウよい
加減
(
かげん
)
に
諦
(
あきら
)
めて
097
玉
(
たま
)
の
執着
(
しふちやく
)
捨
(
す
)
てなさい
098
お
前
(
まへ
)
が
玉
(
たま
)
に
執着
(
しふちやく
)
し
099
心
(
こころ
)
を
曇
(
くも
)
らすものだから
100
こんな
苦労
(
くらう
)
をせにやならぬ
101
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
か
102
系統
(
ひつぽう
)
の
身魂
(
みたま
)
か
知
(
し
)
らねども
103
俺
(
おれ
)
は
愛想
(
あいそ
)
がつきて
来
(
き
)
た
104
改心
(
かいしん
)
したかと
思
(
おも
)
や
又
(
また
)
105
又
(
また
)
もや
慢心
(
まんしん
)
あと
戻
(
もど
)
り
106
改慢心
(
かいまんしん
)
をくり
返
(
かへ
)
し
107
神
(
かみ
)
さまだとて
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ぢや
108
こんな
身魂
(
みたま
)
を
元
(
もと
)
のやうに
109
研
(
みが
)
き
直
(
なほ
)
すは
大変
(
たいへん
)
だ
110
俺
(
おれ
)
が
神
(
かみ
)
さまであつたなら
111
遠
(
とほ
)
くの
昔
(
むかし
)
に
棄
(
す
)
ててをる
112
ホントにホントに
気
(
き
)
が
長
(
なが
)
い
113
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
思召
(
おぼしめ
)
し
114
誠
(
まこと
)
に
感
(
かん
)
じ
入
(
い
)
りました
115
先
(
さき
)
へ
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
く
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
116
高倉
(
たかくら
)
稲荷
(
いなり
)
を
始
(
はじ
)
めとし
117
月日
(
つきひ
)
、
旭
(
あさひ
)
の
明神
(
みやうじん
)
だ
118
神
(
かみ
)
が
姿
(
すがた
)
を
現
(
あら
)
はして
119
高姫
(
たかひめ
)
さまの
改心
(
かいしん
)
を
120
試
(
ため
)
してござるも
知
(
し
)
らずして
121
従
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
くのか
情
(
なさけ
)
ない
122
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
123
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
124
高姫
(
たかひめ
)
さまの
執着
(
しふちやく
)
を
125
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
晴
(
は
)
らしませ
126
私
(
わたし
)
も
真
(
まこと
)
に
困
(
こま
)
ります
127
あんな
御
(
お
)
方
(
かた
)
の
供
(
とも
)
をして
128
居
(
ゐ
)
るものならば
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
も
129
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
へは
帰
(
かへ
)
れない
130
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
一行
(
いつかう
)
は
131
アマゾン
河
(
がは
)
の
南岸
(
みなみぎし
)
132
兎
(
うさぎ
)
の
王
(
わう
)
にかしづかれ
133
尊
(
たふと
)
き
霊地
(
れいち
)
を
守
(
まも
)
りつつ
134
高姫
(
たかひめ
)
さまの
到
(
いた
)
るのを
135
待
(
ま
)
つてゐるのに
違
(
ちが
)
ひない
136
早
(
はや
)
く
改心
(
かいしん
)
させてたべ
137
高姫
(
たかひめ
)
一人
(
ひとり
)
の
為
(
ため
)
ならず
138
常彦
(
つねひこ
)
、
春彦
(
はるひこ
)
、ヨブの
為
(
ため
)
139
神
(
かみ
)
かけ
念
(
ねん
)
じ
奉
(
たてまつ
)
る
140
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
141
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
142
と
歌
(
うた
)
ひながら、
143
後
(
あと
)
より
厭々
(
いやいや
)
ついて
行
(
ゆ
)
く。
144
高子姫
(
たかこひめ
)
は
草路
(
くさみち
)
を
分
(
わ
)
けつつ、
145
此
(
この
)
森林
(
しんりん
)
に
見
(
み
)
た
事
(
こと
)
もない
大岩石
(
だいがんせき
)
十町
(
じつちやう
)
四面
(
しめん
)
許
(
ばか
)
り、
146
洋館
(
やうくわん
)
の
如
(
ごと
)
くに
屹立
(
きつりつ
)
し、
147
岩
(
いは
)
の
面
(
おもて
)
には
白苔
(
しらこけ
)
が
所斑
(
ところまんだら
)
に
生
(
は
)
えてゐる。
148
そして
岩
(
いは
)
の
凹所
(
くぼど
)
には
小
(
ちひ
)
さき
樹木
(
じゆもく
)
の
割
(
わり
)
には
年
(
とし
)
を
寄
(
と
)
つて、
149
植木
(
うゑき
)
のやうな
面白
(
おもしろ
)
き
枝振
(
えだぶり
)
りで、
150
彼方
(
あちら
)
此方
(
こちら
)
に
点々
(
てんてん
)
として
生
(
は
)
えてゐる。
151
其
(
その
)
下
(
した
)
の
方
(
はう
)
に
縦
(
たて
)
一丈
(
いちぢやう
)
横
(
よこ
)
八
(
はつ
)
尺
(
しやく
)
許
(
ばか
)
りの
真四角
(
ましかく
)
な
穴
(
あな
)
が
穿
(
うが
)
たれ、
152
入口
(
いりぐち
)
には
頑丈
(
ぐわんぢやう
)
な
岩
(
いは
)
の
戸
(
と
)
が
閉
(
た
)
てられてあつた。
153
高子姫
(
たかこひめ
)
は
高姫
(
たかひめ
)
に
向
(
むか
)
ひ、
154
高子姫
『これが
妾
(
わらは
)
の
住家
(
すみか
)
で
御座
(
ござ
)
います。
155
どうぞ
皆
(
みな
)
さま、
156
御
(
ご
)
遠慮
(
ゑんりよ
)
なしに
御
(
お
)
這入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
157
お
茶
(
ちや
)
なつと
差上
(
さしあ
)
げますから、
158
ゆるゆる
御
(
ご
)
休息
(
きうそく
)
下
(
くだ
)
され。
159
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
様
(
さま
)
にも
御
(
ご
)
面会
(
めんくわい
)
下
(
くだ
)
さらば、
160
真
(
まこと
)
に
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます』
161
高姫
(
たかひめ
)
は
余
(
あま
)
り
立派
(
りつぱ
)
なる
岩窟
(
いはや
)
の
入口
(
いりぐち
)
に
肝
(
きも
)
をつぶし
舌
(
した
)
を
巻
(
ま
)
きながら、
162
高姫
『これはこれは
思
(
おも
)
ひがけなき
立派
(
りつぱ
)
な
御
(
お
)
住居
(
すまゐ
)
、
163
此
(
この
)
岩窟
(
がんくつ
)
は
何時
(
いつ
)
築造
(
ちくざう
)
になりましたか。
164
斯様
(
かやう
)
な
森林内
(
しんりんない
)
に
立派
(
りつぱ
)
な
館
(
やかた
)
が
立
(
た
)
つて
居
(
を
)
らうとは
夢
(
ゆめ
)
にも
知
(
し
)
りませなんだ』
165
高子
(
たかこ
)
『
何分
(
なにぶん
)
此
(
この
)
辺
(
へん
)
は
大蛇
(
をろち
)
や
悪獣
(
あくじう
)
の
跋扈
(
ばつこ
)
甚
(
はなは
)
だしく、
166
夜分
(
やぶん
)
は
斯様
(
かやう
)
な
処
(
とこ
)
でなければ、
167
到底
(
たうてい
)
安眠
(
あんみん
)
する
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ませぬので、
168
天然
(
てんねん
)
の
岩山
(
いはやま
)
を
幸
(
さいは
)
ひ、
169
掘
(
ほ
)
り
付
(
つ
)
けまして、
170
漸
(
やうや
)
く
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
仕上
(
しあが
)
つたばかりで
御座
(
ござ
)
います。
171
貴女
(
あなた
)
が
始
(
はじ
)
めてお
客
(
きやく
)
さまとして、
172
御
(
お
)
這入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さるかと
思
(
おも
)
へば、
173
実
(
じつ
)
に
光栄
(
くわうえい
)
に
存
(
ぞん
)
じます』
174
春彦
(
はるひこ
)
『モシモシ
高姫
(
たかひめ
)
さま、
175
確
(
しつか
)
りせぬと
出
(
で
)
られぬやうな
目
(
め
)
に
会
(
あ
)
はされますよ。
176
決
(
けつ
)
して
這入
(
はい
)
つちや
可
(
い
)
けませぬ。
177
ここは
立派
(
りつぱ
)
な
岩窟
(
いはや
)
の
様
(
やう
)
に
見
(
み
)
えて
居
(
を
)
つても、
178
シクシク
原
(
ばら
)
の
泥田圃
(
どろたんぼ
)
で
御座
(
ござ
)
いますよ。
179
チト
確
(
しつか
)
りなさらぬか』
180
高子
(
たかこ
)
『ホヽヽヽヽ』
181
高姫
(
たかひめ
)
『コレ
春
(
はる
)
! お
前
(
まへ
)
はどうかしてゐるぢやないか。
182
曲津
(
まがつ
)
に
憑依
(
ひようい
)
されて
結構
(
けつこう
)
な
御用
(
ごよう
)
をゴテゴテと
邪魔
(
じやま
)
する
事
(
こと
)
計
(
ばか
)
り
考
(
かんが
)
へてゐるのだなア』
183
春彦
(
はるひこ
)
『アイタヽヽヽ、
184
俄
(
にはか
)
に
足
(
あし
)
が
引
(
ひ
)
きつつて
来
(
き
)
ました。
185
どうやら
化石
(
くわせき
)
しさうになつて
来
(
き
)
たぞ。
186
モシ
高姫
(
たかひめ
)
さま、
187
鎮魂
(
ちんこん
)
をして
下
(
くだ
)
さいな。
188
こんな
所
(
ところ
)
で
石仏
(
いしぼとけ
)
になつちや
堪
(
たま
)
りませぬからなア』
189
高姫
『それ
見
(
み
)
なさい。
190
余
(
あま
)
り
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
の
邪魔
(
じやま
)
計
(
ばか
)
りするものだから、
191
神罰
(
しんばつ
)
が
立所
(
たちどころ
)
に
当
(
あた
)
つて
其
(
その
)
通
(
とほ
)
り
固
(
かた
)
められて
了
(
しま
)
つたのだ。
192
マア
暫
(
しばら
)
くそこに
門番
(
もんばん
)
を
勤
(
つと
)
めて
居
(
ゐ
)
なさい。
193
此
(
この
)
高姫
(
たかひめ
)
は
常彦
(
つねひこ
)
、
194
ヨブの
二人
(
ふたり
)
と
共
(
とも
)
に
奥殿
(
おくでん
)
に
案内
(
あんない
)
され
結構
(
けつこう
)
な
玉
(
たま
)
を
拝見
(
はいけん
)
し、
195
其
(
その
)
都合
(
つがふ
)
に
依
(
よ
)
つて
頂戴
(
ちやうだい
)
して
来
(
く
)
る
考
(
かんが
)
へだから、
196
それ
迄
(
まで
)
お
前
(
まへ
)
はそこに
立番
(
たちばん
)
してゐる
方
(
はう
)
がよからうぞ。
197
又
(
また
)
してもゴテゴテ
差出
(
さしで
)
られると、
198
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
の
御
(
ご
)
機嫌
(
きげん
)
を
損
(
そこ
)
ね、
199
折角
(
せつかく
)
見
(
み
)
せて
貰
(
もら
)
へる
玉
(
たま
)
まで
拝
(
をが
)
む
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ない
様
(
やう
)
になつちや
困
(
こま
)
るから……あゝ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
といふ
御
(
お
)
方
(
かた
)
は
何
(
なん
)
とした
気
(
き
)
の
利
(
き
)
いたお
方
(
かた
)
だらう。
200
実
(
じつ
)
はお
前
(
まへ
)
を
連
(
つ
)
れて、
201
此
(
この
)
館
(
やかた
)
へ
這入
(
はい
)
るのは
真平
(
まつぴら
)
だと
思
(
おも
)
うてゐた
所
(
ところ
)
、
202
都合
(
つがふ
)
よく
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
御
(
お
)
繰合
(
くりあは
)
せをして
下
(
くだ
)
さつた。
203
慢心
(
まんしん
)
致
(
いた
)
すと、
204
にじりとも
出来
(
でき
)
ぬやうになるぞよと、
205
お
筆先
(
ふでさき
)
に
出
(
で
)
て
居
(
を
)
りませうがな。
206
チト
改心
(
かいしん
)
なされ。
207
左様
(
さやう
)
なら、
208
春
(
はる
)
さま
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
……』
209
と
云
(
い
)
ひ
捨
(
す
)
て、
210
高子姫
(
たかこひめ
)
に
手
(
て
)
をひかれ
岩窟内
(
がんくつない
)
に
潜
(
くぐ
)
り
入
(
い
)
らうとする。
211
春彦
(
はるひこ
)
は
声
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りに、
212
春彦
『
高姫
(
たかひめ
)
さま、
213
シツカリしなさい、
214
違
(
ちが
)
ひますよ。
215
オイ
常彦
(
つねひこ
)
、
216
ヨブの
両人
(
りやうにん
)
、
217
俺
(
おれ
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
いて
高姫
(
たかひめ
)
さまを
引止
(
ひきと
)
めて
呉
(
く
)
れ。
218
大変
(
たいへん
)
な
目
(
め
)
に
遭
(
あ
)
はねばならないぞ。
219
俺
(
おれ
)
はかう
見
(
み
)
えても、
220
天眼通
(
てんがんつう
)
が
利
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
るのだから……』
221
高姫
(
たかひめ
)
『エヽ
喧
(
やかま
)
しい、
222
体
(
からだ
)
も
動
(
うご
)
かぬ
癖
(
くせ
)
に、
223
天眼通
(
てんがんつう
)
もあつたものかい……サア
常彦
(
つねひこ
)
、
224
ヨブ
参
(
まゐ
)
りませう』
225
と
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
女
(
をんな
)
に
手
(
て
)
を
曳
(
ひ
)
かれ、
226
奥深
(
おくふか
)
く
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
227
後
(
あと
)
に
春彦
(
はるひこ
)
は
呆然
(
ばうぜん
)
として
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
後姿
(
うしろすがた
)
を
眺
(
なが
)
め、
228
春彦
『ハテ
困
(
こま
)
つた
明盲
(
あきめくら
)
ばかりだなア。
229
高姫
(
たかひめ
)
さまも
是
(
これ
)
ではサツパリ
駄目
(
だめ
)
だワイ』
230
(
大正一一・八・二二
旧六・三〇
松村真澄
録)
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