霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 兎(うさぎ)の言霊(ことたま)〔八九四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第32巻 海洋万里 未の巻 篇:第1篇 森林の都 よみ(新仮名遣い):しんりんのみやこ
章:第3章 兎の言霊 よみ(新仮名遣い):うさぎのことたま 通し章番号:894
口述日:1922(大正11)年08月22日(旧06月30日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年10月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
兎の王は、モールバンドやエルバンドら八岐大蛇の眷属に悩まされていた自分たちの一族を救うために、宣伝使をお迎えすることができたことを感謝する歌を歌い、舞った。
鷹依姫は面白い仕草で歌い舞い、自分もかつては曲がった道を歩いていたが、神の御光に照らされて身魂が開いたように、大神の大慈大悲によって悪神たちもまつろわせることができる世も来るだろう、と諭した。
そして禽獣虫魚に至るまで、神の恵みがあまねく降り注ぐようにという祈願をこめて歌を終わり、座に就いた。兎をはじめ、この言霊歌を聞いて喜び勇んで集まってきた鰐たちも、ただ感謝するのみであった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-04-25 18:45:04 文字数:2834 OBC :rm3203
愛善世界社版:29頁 八幡書店版:第6輯 161頁 修補版: 校定版:30頁 普及版:13頁 初版: ページ備考:
001 兎(うさぎ)の都(みやこ)にては、002一族(いちぞく)此処(ここ)に集(あつ)まり来(きた)り、003形(かたち)ばかりの月(つき)の大神(おほかみ)の宮(みや)の前(まへ)に、004芭蕉(ばせう)の葉(は)を数多(あまた)敷(し)き並(なら)べて筵(むしろ)となし、005バナナ、006林檎(りんご)、007梨(なし)、008山桃(やまもも)、009苺(いちご)などの果物(くだもの)を数多(あまた)並(なら)べ立(た)て、010鷹依姫(たかよりひめ)の一行(いつかう)を神(かみ)の如(ごと)くに敬(うやま)ひつ、011茲(ここ)に歓迎(くわんげい)の宴会(えんくわい)を開(ひら)きたり。
012 兎(うさぎ)の王(わう)は立上(たちあ)がり、013恰(あたか)も天上(てんじやう)より天津(あまつ)神(かみ)の降臨(かうりん)せし如(ごと)く打喜(うちよろこ)び、014吾(われ)等(ら)を救(すく)ふ王者(わうじや)は現(あらは)れたりと、015歌(うた)をうたつて祝意(しゆくい)を表(へう)しぬ。016もとより兎(うさぎ)の言語(げんご)なれば、017其(その)真意(しんい)は判然(はんぜん)と分(わか)り兼(か)ぬれども、018其(その)動作(どうさ)形容(けいよう)表情(へうじやう)と言葉(ことば)の抑揚(よくやう)頓挫(とんざ)に依(よ)つて、019大体(だいたい)の意味(いみ)は解(かい)さる。
020 其(その)歌(うた)を訳(やく)すれば左(さ)の如(ごと)し。
021(兎の王)『昔(むかし)の昔(むかし)の其(その)昔(むかし)
022天(てん)に輝(かがや)く月(つき)の大神(おほかみ)様(さま)の
023恵(めぐみ)の露(つゆ)に霑(うるほ)ひて
024アマゾン河(がは)の北南(きたみなみ)
025広袤(くわうぼう)千里(せんり)の森林(しんりん)を
026吾(われ)等(ら)が千代(ちよ)の棲処(すみか)ぞと
027依(よ)さし給(たま)ひて永久(とこしへ)に
028与(あた)へ給(たま)ひし楽園地(らくゑんち)
029天津(あまつ)御空(みそら)の星(ほし)の如(ごと)
030浜(はま)の真砂(まさご)の数(かず)の如(ごと)
031吾(われ)等(ら)が種族(しゆぞく)は日(ひ)に月(つき)に
032生(う)めよ栄(さか)えよ育(そだ)てよと
033神(かみ)の恵(めぐみ)の言(こと)の葉(は)は
034弥益々(いやますます)に幸(さち)はひて
035時雨(しぐれ)の森(もり)を吾々(われわれ)が
036玉(たま)の命(いのち)の繋(つな)ぎ所(しよ)と
037喜(よろこ)び暮(くら)す折柄(をりから)に
038天足(あだる)の彦(ひこ)や胞場姫(えばひめ)の
039醜(しこ)の魂(たま)より現(あらは)れし
040八岐(やまた)大蛇(をろち)の成(な)れの果(は)て
041アダムの霊(みたま)を受(う)けつぎし
042大蛇(をろち)の魂(たま)はモールバンド
043エバの霊(みたま)を受(う)けつぎし
044悪狐(あくこ)の霊(みたま)はエルバンド
045さも恐(おそ)ろしき悪神(わるがみ)と
046生(う)まれ変(かは)りてアマゾンの
047河(かは)の上下(かみしも)隈(くま)もなく
048数多(あまた)の子孫(しそん)を生(う)み生(う)みて
049蟠(わだか)まりつつ吾々(われわれ)が
050種族(しゆぞく)を彼(かれ)等(ら)が餌食(ゑじき)とし
051旦(あした)に五百(ごひやく)夕(ゆふ)べに五百(ごひやく)
052日々(ひび)に千兎(せんと)を捕(と)り喰(くら)ひ
053吾(われ)等(ら)は悲(かな)しき今(いま)の身(み)よ
054千代(ちよ)の棲処(すみか)を失(うしな)ひし
055兎族(とぞく)一同(いちどう)止(や)むを得(え)ず
056仁慈(じんじ)の深(ふか)き鰐族(わにぞく)に
057固(かた)く守(まも)られ青垣山(あをがきやま)を
058四方(よも)に繞(めぐ)らす此(この)島(しま)に
059清(きよ)けき湖(うみ)を隔(へだ)てつつ
060僅(わづか)に生(せい)を保(たも)ちけり。
061さはさりながら吾々(われわれ)は
062此(この)湖(みづうみ)をうち渡(わた)り
063鰐(わに)の子供(こども)に守(まも)られて
064青垣山(あをがきやま)を打越(うちこ)えて
065さも香(かんば)しき餌食(ゑじき)をば
066探(たづ)ね求(もと)めつ行(ゆ)く度(たび)に
067モールバンドは来(きた)らねど
068さも恐(おそ)ろしき獅子(しし)熊(くま)や
069虎(とら)狼(おほかみ)は云(い)ふも更(さら)
070醜(しこ)の大蛇(をろち)や禿鷲(はげわし)に
071貴(たつと)き命(いのち)を奪(うば)はれて
072日々(ひび)に減(へ)り行(ゆ)く吾(わが)種族(うから)
073心淋(こころさび)しき折柄(をりから)に
074天津(あまつ)御空(みそら)の雲(くも)わけて
075神(かみ)の使(つかひ)の神人(しんじん)が
076天(あま)の河原(かはら)に船(ふね)浮(うか)べ
077アマゾン河(がは)の河口(かはぐち)に
078降(くだ)り給(たま)ひて悠々(いういう)と
079貴(たつと)き歌(うた)をうたはせつ
080上(のぼ)り来(き)ませる嬉(うれ)しさよ
081吾(われ)等(ら)が救(すく)ひの神(かみ)とます
082天津(あまつ)御空(みそら)の月(つき)の神(かみ)
083汝(なれ)が命(みこと)を遣(つか)はして
084此(この)苦(くるし)みを救(すく)はむと
085降(くだ)させ給(たま)ひしものならむ
086思(おも)へば思(おも)へば有難(ありがた)し
087恵(めぐみ)の露(つゆ)は草(くさ)の葉(は)に
088浮(うか)びて月(つき)の御(おん)姿(すがた)
089宿(やど)らせ給(たま)ふたふとさよ
090あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
091神(かみ)の御霊(みたま)の幸(さち)はひて
092此(この)月島(つきしま)は永久(とこしへ)に
093神(かみ)の守(まも)りの弥深(いやふか)く
094栄(さか)え栄(さか)えて瑞御霊(みづみたま)
095神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)の
096恵(めぐみ)も開(ひら)く教(のり)の花(はな)
097紅(くれなゐ)緑(みどり)こき交(ま)ぜて
098吾(われ)等(ら)が赤(あか)き心根(こころね)を
099神(かみ)の御前(みまへ)に表白(へうはく)し
100救(すく)はせ給(たま)へ神司(かむつかさ)
101鷹依姫(たかよりひめ)よ竜国別(たつくにわけ)よ
102御供(みとも)の神(かみ)と仕(つか)へます
103テーリスタンやカーリンス
104此(この)四柱(よはしら)の御(おん)前(まへ)に
105兎(うさぎ)一同(いちどう)代表(だいへう)し
106謹(つつし)み敬(ゐやま)ひ願(ね)ぎまつる
107旭(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
108月(つき)は盈(み)つとも虧(か)くるとも
109仮令(たとへ)大地(だいち)は沈(しづ)むとも
110モールバンドは猛(たけ)くとも
111虎(とら)狼(おほかみ)や獅子(しし)熊(くま)の
112醜(しこ)の猛(たけ)びは烈(はげ)しとも
113なぞや恐(おそ)れむ吾々(われわれ)は
114救(すく)ひの神(かみ)を得(え)たりけり
115守(まも)りの王(わう)を得(え)たりけり
116喜(よろこ)び勇(いさ)めわが子供(こども)
117これより後(のち)は永久(とこしへ)に
118月(つき)の社(やしろ)と諸共(もろとも)に
119尽(つ)きせぬ千代(ちよ)の喜(よろこ)びを
120味(あぢ)はひまつり神国(かみくに)の
121其(その)楽(たの)しみを味(あぢ)はひて
122此(この)世(よ)を造(つく)り給(たま)ひたる
123国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)は
124すべての罪(つみ)を赦(ゆる)しまし
125百(もも)の災(わざはひ)打払(うちはら)ひ
126此(この)世(よ)を洗(あら)ひ清(きよ)めます
127神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)の
128御稜威(みいづ)を尊(たふと)み敬(うやま)ひて
129此(この)世(よ)のあらむ極(きはみ)まで
130朝(あさ)な夕(ゆふ)なに神恩(しんおん)を
131称(たた)へ奉(まつ)らむ惟神(かむながら)
132御霊(みたま)幸(さち)はひましませよ』
133と歌(うた)ひ了(をは)り、134兎(うさぎ)の王(わう)は四(よ)人(にん)の前(まへ)に平伏(へいふく)し、
135兎の王『誠(まこと)に不調法(ぶてうほふ)な不完全(ふくわんぜん)な歌(うた)をうたひ、136舞曲(ぶきよく)を演(えん)じまして、137さぞお困(こま)り遊(あそ)ばしたで御座(ござ)いませう』
138と耳(みみ)を打振(うちふ)り打振(うちふ)り、139さも慇懃(いんぎん)に挨拶(あいさつ)をする。140鷹依姫(たかよりひめ)は立上(たちあが)り、141兎(うさぎ)の群(むれ)に向(むか)つて、142手(て)を拍(う)ち体(からだ)を揺(ゆす)り、143面白(おもしろ)可笑(をか)しき身振(みぶ)りしながら、144うたひ始(はじ)めた。
145鷹依姫『豊葦原(とよあしはら)の瑞穂国(みづほくに)
146波(なみ)に浮(うか)べる五大洲(ごだいしう)
147何(いづ)れの山(やま)も海河(うみかは)も
148皆(みな)大神(おほかみ)の御水火(みいき)より
149生(うま)れ出(い)でたるものぞかし
150神(かみ)の宮(みや)なる人(ひと)の身(み)は
151云(い)ふも更(さら)なり鳥(とり)獣(けもの)
152魚虫(うをむし)草木(くさき)に至(いた)るまで
153国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)や
154金勝要(きんかつかねの)大神(おほかみ)の
155御水火(みいき)に依(よ)りて世(よ)の中(なか)に
156現(あらは)れ出(い)でしものなれば
157神(かみ)の御目(みめ)より見給(みたま)へば
158何(いづ)れも尊(たふと)き貴(うづ)の御子(みこ)
159恵(めぐみ)に隔(へだ)てあるべきや
160天津(あまつ)日光(ひかげ)は人(ひと)の身(み)も
161木草(きぐさ)の上(うへ)も鳥(とり)獣(けもの)
162虫族(むしけら)までもおし並(な)べて
163光(ひか)り輝(かがや)き給(たま)ふなり
164天地(てんち)の間(あひだ)に人(ひと)となり
165獣(けもの)となりて生(うま)るるも
166皆(みな)大神(おほかみ)の御心(みこころ)ぞ
167神(かみ)の慈眼(じがん)に見給(みたま)へば
168尊(たか)き卑(ひく)きの区別(くべつ)なし
169吾(われ)も神(かみ)の子(こ)汝(なれ)も又(また)
170神(かみ)の尊(たふと)き貴(うづ)の御子(みこ)
171御子(みこ)と御子(みこ)とは睦(むつ)び合(あ)ひ
172弱(よわ)きを助(たす)け強(つよ)きをば
173なだめすかして睦(むつ)まじく
174此(この)世(よ)を渡(わた)り祖神(おやがみ)の
175大(だい)慈悲心(じひしん)に酬(むく)ゆべし
176モールバンドは云(い)ふも更(さら)
177虎(とら)狼(おほかみ)や獅子(しし)熊(くま)の
178猛(たけ)き獣(けもの)に至(いた)るまで
179神(かみ)の授(さづ)けし言霊(ことたま)の
180恵(めぐみ)の水火(いき)の幸(さち)はひば
181服従(まつろ)ひ来(きた)らむ事(こと)あらむ
182あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
183神(かみ)の御(おん)子(こ)と生(うま)れたる
184汝(なれ)の一族(いちぞく)兎(うさぎ)ども
185天津(あまつ)神(かみ)たち国津(くにつ)神(かみ)
186国魂神(くにたまがみ)の御恵(みめぐみ)を
187朝(あさ)な夕(ゆふ)なに嬉(うれ)しみて
188清(きよ)き此(この)世(よ)を送(おく)りつつ
189凡(すべ)ての曲(まが)に打勝(うちか)ちて
190月(つき)の御神(みかみ)の依(よ)さします
191汝(な)が天職(てんしよく)を尽(つく)すべし
192われも一度(いちど)は村肝(むらきも)の
193心(こころ)曇(くも)りて豹狼(さいらう)の
194獣(けもの)に劣(おと)らぬ醜(しこ)の道(みち)
195朝(あさ)な夕(ゆふ)なに辿(たど)りたる
196人(ひと)の衣(ころも)を被(かぶ)りたる
197モールバンドとなりたれど
198尊(たふと)き神(かみ)の御光(みひか)りに
199照(て)らされ今(いま)は執着(しふちやく)の
200雲霧(くもきり)晴(は)れて惟神(かむながら)
201神(かみ)の身魂(みたま)となりにけり
202三千(さんぜん)世界(せかい)の梅(うめ)の花(はな)
203一度(いちど)に開(ひら)く時(とき)来(きた)り
204神(かみ)の仕組(しぐみ)か白波(しらなみ)の
205上(うへ)漕(こ)ぎ渡(わた)り漸(やうや)うに
206高砂島(たかさごじま)の土(つち)を踏(ふ)み
207アリナの滝(たき)に身(み)を浄(きよ)め
208再(ふたた)び玉(たま)の執着(しふちやく)に
209心(こころ)を濁(にご)り曇(くも)らせつ
210慈愛(じあい)の笞(しもと)に叩(たた)かれて
211漸(やうや)く神(かみ)に立帰(たちかへ)り
212大海原(おほうなばら)を乗(の)り切(き)りて
213やつと此処(ここ)まで着(つ)きにけり
214広袤(くわうぼう)千里(せんり)果(は)てしなき
215時雨(しぐれ)の森(もり)の此(この)霊地(れいち)
216いや永久(とこしへ)に鎮(しづ)まりて
217汝(なれ)が一族(いちぞく)云(い)ふも更(さら)
218虎(とら)狼(おほかみ)や獅子(しし)熊(くま)の
219猛(たけ)き獣(けもの)を始(はじ)めとし
220大蛇(をろち)猩々(しやうじやう)禿鷲(はげわし)の
221醜(しこ)の魔神(まがみ)を言霊(ことたま)の
222清(きよ)き御水火(みいき)に服従(まつろ)はせ
223モールバンドに至(いた)る迄(まで)
224悪虐(あくぎやく)無道(むだう)の行(おこな)ひを
225改(あらた)めしめて神国(かみくに)の
226五六七(みろく)の神世(みよ)を建設(けんせつ)し
227所在(あらゆる)生物(いきもの)親(した)しみて
228常世(とこよ)の春(はる)を楽(たのし)まむ
229あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
230御霊(みたま)幸(さち)はひましまして
231鷹依姫(たかよりひめ)を始(はじ)めとし
232竜国別(たつくにわけ)やテー、カーの
233神(かみ)の司(つかさ)を悉(ことごと)く
234皇(すめ)大神(おほかみ)の御心(みこころ)に
235叶(かな)はせ給(たま)へ天津(あまつ)神(かみ)
236百千万(ももちよろづ)の神(かみ)等(たち)の
237御前(みまへ)に祈(いの)り奉(たてまつ)る
238旭(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
239月(つき)は盈(み)つとも虧(か)くるとも
240高砂島(たかさごじま)は亡(ほろ)ぶとも
241アマゾン河(がは)は涸(かわ)くとも
242時雨(しぐれ)の森(もり)は焼(や)けるとも
243神(かみ)に従(したが)ふ真心(まごころ)は
244幾千代(いくちよ)迄(まで)も変(かは)らまじ
245あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
246神(かみ)の御霊(みたま)の幸(さち)はひて
247これの兎(うさぎ)のおとなしく
248服従(まつろ)ひまつりし其(その)如(ごと)く
249猛獣(まうじう)毒蛇(どくじや)を始(はじ)めとし
250モールバンドやエルバンド
251其(その)外(ほか)百(もも)の獣(けもの)をば
252尊(たふと)き神(かみ)の言霊(ことたま)に
253言向(ことむ)け和(やは)せ給(たま)へかし
254黄金(こがね)の玉(たま)は見(み)えずとも
255神(かみ)に受(う)けたる吾(わが)魂(たま)は
256金剛(こんがう)不壊(ふゑ)の如意(によい)宝珠(ほつしゆ)
257紫玉(むらさきだま)か黄金(わうごん)の
258玉(たま)の如(ごと)くに照(て)り渡(わた)る
259此(この)御(ご)威徳(ゐとく)をどこ迄(まで)も
260発揮(はつき)し奉(まつ)りて御恵(みめぐみ)の
261露(つゆ)おく間(ま)なく禽獣(きんじう)の
262上(うへ)に注(そそ)がせ給(たま)へかし
263神(かみ)の恵(めぐみ)に目醒(めざ)めたる
264鷹依姫(たかよりひめ)の此(この)願(ねが)ひ
265完美(うまら)に委曲(つばら)に聞(きこ)し召(め)せ
266あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
267御霊(みたま)幸(さち)はひましませよ』
268と歌(うた)ひ終(をは)りて座(ざ)に着(つ)けば、269兎(うさぎ)の王(わう)を始(はじ)めとし、270湖(みづうみ)より此(この)言霊歌(ことたまうた)を聞(き)いて喜(よろこ)び勇(いさ)み集(あつ)まり来(きた)れる鰐(わに)の群(むれ)は、271嬉(うれ)しげに耳(みみ)を澄(す)ませて聞(き)き終(をは)り感謝(かんしや)するのみ。
272(大正一一・八・二二 旧六・三〇 松村真澄録)
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