霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一六章 回顧(くわいこ)の歌(うた)〔九〇七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第32巻 海洋万里 未の巻 篇:第3篇 瑞雲靉靆 よみ(新仮名遣い):ずいうんあいたい
章:第16章 回顧の歌 よみ(新仮名遣い):かいこのうた 通し章番号:907
口述日:1922(大正11)年08月23日(旧07月01日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年10月15日
概要: 舞台:ウヅの館 あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
ウヅの神館の八尋殿に、末子姫の発起として大歓迎会が開かれた。言依別命は立って簡単な祝歌を歌った。太古の昔の大神のご神業の経緯から、自転倒島の霊場に三五教が開かれ、教主に自分が任命されてここにあることを歌った。
そして、厳と瑞の大神の御言によって自分が聖地を離れて高砂島に来たところ、神素盞嗚大神の娘・末子姫がはからずもウヅの神館に迎えられたところを目の当たりにしたことを歌った。
末子姫の侍女・捨子姫に懸った神素盞嗚大神の命により、アマゾン河の魔神征服に赴いた経緯を歌い、一同見事に神業を成し遂げ凱旋してみると、この館に神素盞嗚大神がご来臨されていることを祝した。
尊い神の御恵みを称え、祝歌を結んだ。言依別命は歌い終わると、末子姫に続いて奥殿に進み入った。
続いて国依別は金扇を開いて祝歌を歌いかつ舞った。言依別命にしたがって船に乗り、途中高姫一行を救いつつ高砂島にやってきた経緯を歌った。言依別命と別れてヒルの国で楓別命の館に立ち寄り、地震の危難から人々を助けたこと、ウラル教のブールを三五教に改心させたこと、その後シーズン川を越えて帽子ケ岳に登り、再び言依別命にまみえた冒険の愉快さを歌った。
そしてアマゾン河から凱旋し、ウヅの神館に末子姫がおさまり、松若彦と捨子姫の補佐、そして神素盞嗚大神のご来臨というめでたさを寿ぎ、歌い終わると欣然として奥殿に続いた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-10-15 03:04:16 文字数:2824 OBC :rm3216
愛善世界社版:176頁 八幡書店版:第6輯 212頁 修補版: 校定版:183頁 普及版:73頁 初版: ページ備考:
001 ウヅの神館(かむやかた)の八尋殿(やひろどの)に、002末子姫(すゑこひめ)の発起(ほつき)として大(だい)歓迎会(くわんげいくわい)は開(ひら)かれ、003言依別(ことよりわけの)命(みこと)は立(た)つて、004簡単(かんたん)なる祝歌(しゆくか)を歌(うた)ひ給(たま)ふ。
 
005言依別命『此(この)世(よ)を造(つく)り固(かた)めたる
006 厳(いづ)の御霊(みたま)とあれませる
007 国治立(くにはるたち)の大神(おほかみ)は
008 百八十(ももやそ)国(くに)の神人(しんじん)を
009 おいずまからず永久(とこしへ)に
010 五六七(みろく)の神世(みよ)に救(すく)はむと
011 天地(てんち)の律法(りつぽふ)制定(せいてい)し
012 清(きよ)き教(をしへ)を立(た)て給(たま)ひ
013 豊国姫(とよくにひめ)の大神(おほかみ)は
014 瑞(みづ)の御霊(みたま)と現(あら)はれて
015 錦(にしき)の機(はた)を織(お)らせつつ
016 天教(てんけう)地教(ちけう)の神(かみ)の山(やま)
017 堅磐(かきは)常磐(ときは)に鎮(しづ)まりて
018 貴(うづ)の聖地(せいち)と諸共(もろとも)に
019 教(をしへ)を開(ひら)き給(たま)ひける
020 時(とき)しもあれや天足彦(あだるひこ)
021 胞場姫(えばひめ)二人(ふたり)の霊(みたま)より
022 生(うま)れ出(い)でたる曲津(まがつ)神(かみ)
023 八岐(やまた)大蛇(をろち)や醜狐(しこぎつね)
024 曲鬼(まがおに)共(ども)の現(あら)はれて
025 豊葦原(とよあしはら)の瑞穂国(みづほくに)
026 隈(くま)なく荒(すさ)び猛(たけ)りつつ
027 神(かみ)の依(よ)さしの八王神(やつわうがみ)
028 八頭神(やつがしらがみ)まで籠絡(ろうらく)し
029 追々(おひおひ)勢力(せいりよく)扶植(ふしよく)して
030 塩長彦(しほながひこ)を謀主(ぼうしゆ)とし
031 国治立(くにはるたち)の大神(おほかみ)が
032 此(この)世(よ)を遂(つひ)に退隠(たいいん)の
033 余儀(よぎ)なきまでに至(いた)らしめ
034 世(よ)は刈菰(かりごも)の乱(みだ)れ行(ゆ)く
035 あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
036 神(かみ)の主(ぬし)なる厳御霊(いづみたま)
037 国治立(くにはるたち)の大神(おほかみ)は
038 天教山(てんけうざん)の火口(くわこう)より
039 身(み)を跳(をど)らして根(ね)の国(くに)に
040 一度(いちど)は落(お)ちさせ給(たま)へども
041 此(この)世(よ)を思(おも)ふ真心(まごころ)の
042 凝(こ)り固(かた)まりて身(み)を下(くだ)し
043 野立(のだち)の彦(ひこ)と現(あら)はれて
044 豊国姫(とよくにひめ)の化身(けしん)なる
045 野立(のだち)の姫(ひめ)と諸共(もろとも)に
046 天教(てんけう)地教(ちけう)の両山(りやうざん)に
047 現(あら)はれ給(たま)ひて三五(あななひ)の
048 教(をしへ)を開(ひら)き給(たま)ひけり
049 再(ふたた)び厳(いづ)の御(おん)霊(たま)を
050 分(わ)けさせ給(たま)ひて埴安彦(はにやすひこ)の
051 厳(いづ)の御霊(みたま)や姫(ひめ)命(みこと)
052 時節(じせつ)をまちてヱルサレム
053 黄金山(わうごんさん)下(か)に現(あら)はれて
054 救(すく)ひの道(みち)を宣(の)べ給(たま)ふ
055 其(その)御心(みこころ)を畏(かしこ)みて
056 国大立(くにひろたち)の大神(おほかみ)の
057 四魂(しこん)の神(かみ)とあれませる
058 御稜威(みいづ)も殊(こと)に大八洲(おほやしま)彦(ひこ)
059 神(かみ)の命(みこと)や大足彦(おほだるひこ)の
060 神(かみ)の命(みこと)の神司(かむつかさ)
061 神国別(かみくにわけ)や言霊別(ことたまわけ)の
062 瑞(みづ)の御魂(みたま)と現(あら)はれて
063 茲(ここ)に再(ふたた)び三五(あななひ)の
064 清(きよ)き教(をしへ)を四方(よも)の国(くに)
065 開(ひら)き給(たま)ひし尊(たふと)さよ
066 国大立(くにひろたち)の大神(おほかみ)は
067 神(かむ)素盞嗚(すさのを)の大神(おほかみ)と
068 現(あら)はれまして許々多久(ここたく)の
069 罪(つみ)や汚穢(けがれ)を一身(いつしん)に
070 負(お)はせ給(たま)ひて天地(あめつち)の
071 百神(ももがみ)等(たち)の罪科(つみとが)を
072 我身(わがみ)一(ひと)つに引(ひ)き受(う)けて
073 八洲(やしま)の国(くに)に蟠(わだか)まる
074 八岐(やまた)大蛇(をろち)や醜神(しこがみ)を
075 天津誠(あまつまこと)の大道(おほみち)に
076 言向(ことむ)け和(やは)して助(たす)けむと
077 いそしみ給(たま)ふぞ尊(たふと)けれ
078 ウブスナ山(やま)の斎苑(いそ)館(やかた)
079 此処(ここ)に暫(しばら)く現(あ)れまして
080 日(ひ)の出別(でのわけ)の命(みこと)をば
081 後(あと)に残(のこ)して皇神(すめかみ)は
082 いろいろ雑多(ざつた)に身(み)をやつし
083 島(しま)の八十島(やそしま)八十(やそ)の国(くに)
084 大海原(おほうなばら)を打(う)ちわたり
085 自転倒(おのころ)島(じま)に出(い)でまして
086 貴(うづ)の霊場(れいぢやう)と聞(きこ)えたる
087 綾(あや)の聖地(せいち)に上(のぼ)りまし
088 四尾(よつを)の山(やま)に潜(ひそ)みます
089 国治立(くにはるたち)の御(おん)化身(けしん)
090 国武彦(くにたけひこ)の大神(おほかみ)と
091 互(たがひ)に心(こころ)を合(あは)せつつ
092 経(たて)と緯(よこ)との糸筋(いとすぢ)を
093 整(ととの)へ給(たま)ひて世(よ)を救(すく)ふ
094 錦(にしき)の機(はた)を織(お)り給(たま)ふ
095 錦(にしき)の宮(みや)の神司(かむつかさ)
096 玉照彦(たまてるひこ)や玉照姫(たまてるひめ)の
097 貴(うづ)の命(みこと)にかしづきて
098 八尋(やひろ)の殿(との)に三五(あななひ)の
099 神(かみ)の教(をしへ)を開(ひら)きつつ
100 教主(けうしゆ)の役(やく)を任(ま)けられて
101 教(をしへ)を開(ひら)きゐたりしが
102 厳(いづ)の御霊(みたま)や瑞御霊(みづみたま)
103 経(たて)と緯(よこ)との大神(おほかみ)の
104 御言(みこと)畏(かしこ)み聖地(せいち)をば
105 後(あと)に眺(なが)めて和田(わだ)の原(はら)
106 渉(わた)りてここに来(き)て見(み)れば
107 思(おも)ひがけなき瑞御霊(みづみたま)
108 神(かむ)素盞嗚(すさのを)の珍(うづ)の子(こ)と
109 生(うま)れ給(たま)ひし末子姫(すゑこひめ)
110 桃上彦(ももがみひこ)の鎮(しづ)まりし
111 教(をしへ)の館(やかた)に現(あら)はれて
112 神(かみ)の教(をしへ)を楯(たて)となし
113 恵(めぐみ)の露(つゆ)を民草(たみぐさ)の
114 頭(かしら)に下(くだ)し給(たま)ひつつ
115 五六七(みろく)の神世(みよ)の有様(ありさま)を
116 今(いま)目(ま)のあたり開(ひら)きます
117 斯(か)かる尊(たふと)き霊場(れいぢやう)に
118 参(まゐ)り来(きた)りし楽(たの)しさよ
119 時(とき)しもあれや素盞嗚(すさのを)の
120 神(かみ)の尊(みこと)ははるばると
121 これの館(やかた)に出(い)でまして
122 捨子(すてこ)の姫(ひめ)に神懸(かむがか)り[※初版・愛世版は「神懸り」、校定版は「帰神(かむがか)り」。]
123 アマゾン河(がは)の曲神(まがかみ)を
124 言向(ことむ)け和(やは)し救(すく)へよと
125 宣(の)らせ給(たま)ひし言(こと)の葉(は)を
126 謹(つつし)み畏(かしこ)み屏風山(びやうぶやま)
127 帽子(ぼうし)ケ岳(だけ)に立向(たちむか)ひ
128 国依別(くによりわけ)に巡(めぐ)り会(あ)ひ
129 琉(りう)と球(きう)との霊光(れいくわう)に
130 数多(あまた)の魔神(まがみ)を言向(ことむ)けて
131 目出度(めでた)く凱歌(がいか)を奏(そう)しつつ
132 十八柱(じふはちはしら)の神(かみ)の子(こ)は
133 ウヅの館(やかた)に安々(やすやす)と
134 帰(かへ)りて見(み)れば有難(ありがた)や
135 神(かむ)素盞嗚(すさのを)の大御神(おほみかみ)
136 はるばる此処(ここ)に出(い)でまして
137 憩(いこ)はせ給(たま)ふ嬉(うれ)しさよ
138 あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
139 御霊(みたま)幸(さち)はひましまして
140 高砂島(たかさごじま)は云(い)ふも更(さら)
141 豊葦原(とよあしはら)の瑞穂国(みづほくに)
142 百八十(ももやそ)島(しま)の果(は)て迄(まで)も
143 恵(めぐみ)の露(つゆ)に潤(うるほ)ひて
144 世(よ)は泰平(たいへい)の花(はな)開(ひら)き
145 梅(うめ)の香(かほ)りの五六七(みろく)の世(よ)
146 松(まつ)の操(みさを)のいつ迄(まで)も
147 色(いろ)も変(かは)らず永久(とこしへ)に
148 栄(さか)えましませ惟神(かむながら)
149 神(かみ)の御前(みまへ)に願(ね)ぎまつる
150 朝日(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
151 月(つき)は盈(み)つとも虧(か)くるとも
152 仮令(たとへ)大地(だいち)は沈(しづ)むとも
153 誠(まこと)の力(ちから)は世(よ)を救(すく)ふ
154 誠(まこと)の神(かみ)は今(いま)ここに
155 現(あら)はれ給(たま)ひし上(うへ)からは
156 天地(てんち)と共(とも)に永久(とこしへ)に
157 神(かみ)の言葉(ことば)は失(う)せざらむ
158 厳(いづ)の御霊(みたま)や瑞御霊(みづみたま)
159 金勝要(きんかつかね)の大御神(おほみかみ)
160 日(ひ)の出神(でのかみ)や木(こ)の花(はな)の
161 咲耶(さくや)の姫(ひめ)の神力(しんりき)は
162 竜宮海(りうぐうかい)の底(そこ)深(ふか)く
163 天教山(てんけうざん)の空高(そらたか)く
164 千代(ちよ)に八千代(やちよ)に揺(ゆる)ぎなく
165 輝(かがや)き渡(わた)り天地(あめつち)の
166 光(ひかり)となりて輝(かがや)かむ
167 あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
168 神(かみ)の尊(たふと)き御恵(みめぐみ)を
169 謹(つつし)み感謝(かんしや)し奉(たてまつ)り
170 神(かみ)の司(つかさ)を始(はじ)めとし
171 四方(よも)の民草(たみぐさ)悉(ことごと)く
172 神(かみ)の恵(めぐみ)を嬉(うれ)しみて
173 常磐(ときは)の松(まつ)のいつ迄(まで)も
174 変(かは)らざらまし高砂(たかさご)の
175 島根(しまね)に生(お)ふる青松(せいしよう)の
176 梢(こずゑ)に鶴(つる)のすごもりて
177 名(な)さへ目出度(めでた)き尉(じやう)と姥(うば)
178 亀(かめ)の齢(よはひ)のどこ迄(まで)も
179 大海原(おほうなばら)の波(なみ)清(きよ)く
180 吹(ふ)く風(かぜ)さへも朗(ほがら)かに
181 静(しづ)まりませと祝(ほ)ぎまつる
182 あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
183 御霊(みたま)幸(さち)はひましませよ』
 
184と歌(うた)ひ了(をは)り、185末子姫(すゑこひめ)の後(あと)を逐(お)ひて、186神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)の休(やす)ませ給(たま)ふ奥殿(おくでん)指(さ)して進(すす)み入(い)る。
187 国依別(くによりわけ)は立上(たちあが)り、188金扇(きんせん)を開(ひら)いて祝歌(しゆくか)を歌(うた)ひ且(か)つ舞(ま)ひ始(はじ)めた。189其(その)歌(うた)、
190国依別『錦(にしき)の宮(みや)を立出(たちい)でて
191言依別(ことよりわけ)の大教主(だいけうしゆ)
192高砂島(たかさごじま)に出(い)でませる
193御供(みとも)に仕(つか)へまつりつつ
194波間(なみま)に浮(うか)ぶ琉球(りうきう)の
195宝(たから)の島(しま)に上陸(じやうりく)し
196琉(りう)と球(きう)との玉(たま)を得(え)て
197棚無(たなな)し船(ぶね)に身(み)を任(まか)せ
198伊猛(いたけ)り狂(くる)ふ荒浪(あらなみ)を
199乗(の)り切(き)り乗(の)り切(き)り高砂(たかさご)の
200島(しま)の手前(てまへ)に来(き)て見(み)れば
201高姫(たかひめ)一行(いつかう)暗礁(あんせう)に
202船(ふね)を乗上(のりあ)げ浪(なみ)の上(うへ)
203渡(わた)りて進(すす)む時(とき)もあれ
204山(やま)なす浪(なみ)に襲(おそ)はれて
205命(いのち)危(あやふ)く見(み)えければ
206高島丸(たかしままる)の船長(せんちやう)に
207命(めい)じて船(ふね)に救(すく)はしめ
208テルの港(みなと)に来(き)て見(み)れば
209先頭一(せんとういち)に高姫(たかひめ)は
210常彦(つねひこ)、春彦(はるひこ)伴(ともな)ひて
211姿(すがた)を早(はや)く隠(かく)しける
212言依別(ことよりわけ)の神司(かむつかさ)
213われを伴(ともな)ひ三座山(みくらやま)[※御倉山のこと]
214国魂神(くにたまがみ)を祀(まつ)りたる
215竜世(たつよ)の姫(ひめ)の神霊地(しんれいち)
216集(あつ)まり来(きた)る国人(くにびと)の
217霊(みたま)と肉(にく)とを救(すく)ひつつ
218暫(しばら)く此処(ここ)に止(とどま)りて
219誠(まこと)の道(みち)を宣(の)り伝(つた)へ
220それより進(すす)んでヒルの国(くに)
221楓(かへで)の別(わけ)の永久(とこしへ)に
222鎮(しづ)まりいます神館(みやかた)に
223出(い)で行(ゆ)く折(をり)しも天地(あめつち)は
224震(ふる)ひ動(うご)きて山(やま)は裂(さ)け
225河(かは)は溢(あふ)れて人々(ひとびと)の
226住家(すみか)は砕(くだ)け諸人(もろびと)は
227水(みづ)と炎(ほのほ)に包(つつ)まれて
228苦(くるし)み悶(もだ)ゆる憐(あは)れさよ
229楓(かへで)の別(わけ)の妹(いもうと)なる
230紅井姫(くれなゐひめ)の命(いのち)をば
231艱(なや)みの中(なか)より救(すく)ひ出(だ)し
232ヒルの館(やかた)に立向(たちむか)ひ
233稜威(いづ)の言霊(ことたま)宣(の)り上(あ)げて
234天変(てんぺん)地妖(ちえう)を鎮定(ちんてい)し
235館(やかた)を立(た)ちてアラシカの
236峠(たうげ)を越(こ)えて日暮(ひぐら)しの
237館(やかた)に教(をしへ)を開(ひら)きたる
238ウラルの道(みち)の神司(かむつかさ)
239ブール其(その)他(た)の人々(ひとびと)に
240神(かみ)の教(をしへ)を宣(の)り伝(つた)へ
241紅井姫(くれなゐひめ)やエリナ姫(ひめ)
242二人(ふたり)の女性(ぢよせい)を預(あづ)けおき
243又(また)もやここを立出(たちい)でて
244安彦(やすひこ)、宗彦(むねひこ)従(したが)へつ
245ブラジル峠(たうげ)に差(さ)しかかり
246丸木(まるき)の橋(はし)を危(あやふ)くも
247生命(いのち)カラガラ打(う)ちわたり
248シーズン川(がは)を乗越(のりこ)えて
249帽子(ぼうし)ケ岳(だけ)に立向(たちむか)ひ
250別(わか)れて程経(ほどへ)し神司(かむつかさ)
251言依別(ことよりわけ)に巡(めぐ)り会(あ)ひ
252手(て)を握(にぎ)りたる楽(たの)しさよ
253琉(りう)と球(きう)との霊光(れいくわう)に
254アマゾン河(がは)や森林(しんりん)の
255数多(あまた)の魔神(まがみ)を言霊(ことたま)の
256御水火(みいき)に助(たす)けしづめつつ
257凱歌(がいか)をあげて十八(じふはち)の
258神(かみ)の柱(はしら)は潔(いさぎよ)く
259ウヅの館(やかた)に来(き)て見(み)れば
260思(おも)ひ掛(がけ)なき末子姫(すゑこひめ)
261捨子(すてこ)の姫(ひめ)と諸共(もろとも)に
262貴(うづ)の教(をしへ)をひらきまし
263松(まつ)の神代(かみよ)と栄(さか)えゆく
264其(その)目出度(めでた)さは言(こと)の葉(は)の
265尽(つく)す限(かぎ)りにあらじかし
266心(こころ)静(しづ)かな国彦(くにひこ)が
267御子(みこ)の松若彦(まつわかひこ)の神(かみ)
268主(あるじ)の君(きみ)に能(よ)く仕(つか)へ
269治(をさ)まるこれの神館(かむやかた)
270来(きた)りて見(み)れば瑞御霊(みづみたま)
271神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)は
272はるばるここに出(い)でまして
273我(われ)等(ら)が言霊軍(ことたまいくさ)をば
274遥(はるか)に守(まも)り給(たま)ひつつ
275光(ひか)り輝(かがや)き給(たま)ふこそ
276実(げ)に尊(たふと)さの限(かぎ)りなれ
277あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
278国依別(くによりわけ)の神司(かむつかさ)
279厳(いづ)の御霊(みたま)や瑞御霊(みづみたま)
280日(ひ)の出神(でのかみ)や木(こ)の花姫(はなひめ)の
281貴(うづ)の命(みこと)の御(おん)前(まへ)に
282国魂神(くにたまがみ)を通(とほ)しつつ
283嬉(うれ)しみ尊(たふと)み祝(ほ)ぎまつる
284畏(かしこ)み尊(たふと)み祝(ほ)ぎまつる』
285と歌(うた)ひ終(をは)り、286欣然(きんぜん)として奥殿(おくでん)に進(すす)み入(い)る。
287(大正一一・八・二三 旧七・一 松村真澄録)
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