霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第35巻(戌の巻)
序文
総説歌
第1篇 向日山嵐
第1章 言の架橋
第2章 出陣
第3章 進隊詩
第4章 村の入口
第5章 案外
第6章 歌の徳
第7章 乱舞
第8章 心の綱
第9章 分担
第2篇 ナイルの水源
第10章 夢の誡
第11章 野宿
第12章 自称神司
第13章 山颪
第14章 空気焔
第15章 救の玉
第16章 浮島の花
第3篇 火の国都
第17章 霧の海
第18章 山下り
第19章 狐の出産
第20章 疑心暗狐
第21章 暗闘
第22章 当違
第23章 清交
第24章 歓喜の涙
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい|
サブスク
のお知らせ
霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
>
第35巻(戌の巻)
> 第1篇 向日山嵐 > 第2章 出陣
<<< 言の架橋
(B)
(N)
進隊詩 >>>
第二章
出陣
(
しゆつじん
)
〔九六六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第35巻 海洋万里 戌の巻
篇:
第1篇 向日山嵐
よみ(新仮名遣い):
むこうやまあらし
章:
第2章 出陣
よみ(新仮名遣い):
しゅつじん
通し章番号:
966
口述日:
1922(大正11)年09月15日(旧07月24日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年12月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
向日峠の山麓で、侠客・大蛇の三公のために生き埋めにされていたお愛、兼公、孫公は、通りかかった黒姫によって救い出された。そこへお愛の夫である侠客・虎公が子分をともなってやってきて、一同に合流した。
一同は互いの無事を祝し、屋方の村の大蛇の三公の家に向かって進んで行った。お愛は道々、大蛇の三公に捕われ、生き埋めにされたが黒姫に救われた経緯を、宣伝歌にして歌った。
一行は、大蛇の三公を言向け和すべく、言霊戦を挑みに進んで行く。一同はお愛の雄々しさに心勇んで後についていく。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-09-22 13:00:56
OBC :
rm3502
愛善世界社版:
15頁
八幡書店版:
第6輯 480頁
修補版:
校定版:
16頁
普及版:
6頁
初版:
ページ備考:
001
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
002
黒姫司
(
くろひめつかさ
)
はしとしとと
003
建日
(
たけひ
)
の
館
(
やかた
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
004
岩石
(
がんせき
)
起伏
(
きふく
)
の
急坂
(
きふはん
)
を
005
火
(
ひ
)
の
国
(
くに
)
街道
(
かいだう
)
さして
行
(
ゆ
)
く
006
神
(
かみ
)
の
経綸
(
しぐみ
)
か
偶然
(
ぐうぜん
)
か
007
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずに
踏
(
ふ
)
み
迷
(
まよ
)
ひ
008
左
(
ひだり
)
へ
行
(
ゆ
)
くべき
谷道
(
たにみち
)
を
009
いつの
間
(
ま
)
にかは
右
(
みぎ
)
に
取
(
と
)
り
010
向日峠
(
むかふたうげ
)
の
山麓
(
さんろく
)
に
011
いと
淋
(
さび
)
し
気
(
げ
)
にさしかかる
012
深谷川
(
ふかたにがは
)
の
丸木橋
(
まるきばし
)
013
半
(
なかば
)
朽
(
く
)
ちたる
其
(
その
)
上
(
うへ
)
を
014
薄氷
(
はくひよう
)
を
踏
(
ふ
)
む
心地
(
ここち
)
して
015
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
助
(
たす
)
けられ
016
向
(
むか
)
ふへ
渡
(
わた
)
りすたすたと
017
樟樹
(
しやうじゆ
)
の
空
(
そら
)
を
封
(
ふう
)
じたる
018
細谷道
(
ほそたにみち
)
を
辿
(
たど
)
る
折
(
をり
)
019
面
(
おも
)
窶
(
やつ
)
れたるいたいけの
020
娘
(
むすめ
)
のお
梅
(
うめ
)
に
出会
(
しゆつくわい
)
し
021
事情
(
じじやう
)
を
聞
(
き
)
けば
武野村
(
たけのむら
)
022
義侠
(
ぎけふ
)
をもつて
聞
(
きこ
)
えたる
023
白波
(
しらなみ
)
男
(
をとこ
)
の
虎公
(
とらこう
)
が
024
妹
(
いもと
)
と
聞
(
き
)
いて
立
(
た
)
ち
留
(
ど
)
まり
025
お
梅
(
うめ
)
を
労
(
いたは
)
り
何故
(
なにゆゑ
)
に
026
汝
(
そなた
)
は
少女
(
おとめ
)
の
身
(
み
)
をもつて
027
此
(
この
)
山道
(
やまみち
)
を
辿
(
たど
)
るやと
028
聞
(
き
)
くよりお
梅
(
うめ
)
は
涙
(
なみだ
)
ぐみ
029
私
(
わたし
)
の
義姉
(
あね
)
のお
愛
(
あい
)
さま
030
大蛇
(
をろち
)
の
三公
(
さんこう
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
が
031
兄
(
あに
)
の
命
(
みこと
)
の
不在宅
(
るすたく
)
に
032
数多
(
あまた
)
の
乾児
(
こぶん
)
を
引
(
ひき
)
つれて
033
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り
義姉上
(
あねうへ
)
を
034
高手
(
たかて
)
や
小手
(
こて
)
に
縛
(
いまし
)
めて
035
向日峠
(
むかふたうげ
)
の
山麓
(
さんろく
)
の
036
樟
(
くす
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に
連
(
つ
)
れ
来
(
きた
)
り
037
義姉妹
(
おとどい
)
二人
(
ふたり
)
は
三公
(
さんこう
)
の
038
手下
(
てした
)
の
奴
(
やつ
)
にさいなまれ
039
遂
(
つひ
)
には
義姉
(
あね
)
の
息
(
いき
)
絶
(
た
)
えて
040
土中
(
どちう
)
に
深
(
ふか
)
く
埋
(
うづ
)
められ
041
二人
(
ふたり
)
の
男
(
をとこ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
042
あへない
最後
(
さいご
)
を
遂
(
と
)
げしぞと
043
聞
(
き
)
くより
黒姫
(
くろひめ
)
仰天
(
ぎやうてん
)
し
044
お
梅
(
うめ
)
を
背
(
せな
)
に
負
(
お
)
ひながら
045
樟
(
くす
)
の
根下
(
ねもと
)
に
駆
(
か
)
けよつて
046
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
墓
(
はか
)
の
石
(
いし
)
047
取
(
と
)
りのぞかむと
思
(
おも
)
へども
048
女
(
をんな
)
の
非力
(
ひりき
)
如何
(
いかん
)
とも
049
救
(
すく
)
はむよしも
泣
(
な
)
く
許
(
ばか
)
り
050
途方
(
とはう
)
に
暮
(
く
)
るる
折
(
をり
)
もあれ
051
三尺
(
さんじやく
)
ばかりの
小童児
(
せうどうじ
)
052
八柱
(
やはしら
)
此処
(
ここ
)
に
現
(
あら
)
はれて
053
さしもに
重
(
おも
)
き
岩石
(
がんせき
)
を
054
毬
(
まり
)
の
如
(
ごと
)
くにひつ
掴
(
つか
)
み
055
彼方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
に
投
(
な
)
げ
散
(
ち
)
らし
056
其
(
その
)
儘
(
まま
)
姿
(
すがた
)
をかくしける
057
黒姫
(
くろひめ
)
ハツ
と
驚
(
おどろ
)
いて
058
八人
(
やたり
)
の
童児
(
どうじ
)
に
打
(
う
)
ち
向
(
むか
)
ひ
059
感謝
(
かんしや
)
する
間
(
ま
)
も
泣
(
な
)
く
計
(
ばか
)
り
060
童児
(
どうじ
)
の
姿
(
すがた
)
は
白雲
(
しらくも
)
と
061
なつて
其
(
その
)
場
(
ば
)
に
消
(
き
)
えにける
062
黒姫
(
くろひめ
)
汗
(
あせ
)
を
流
(
なが
)
しつつ
063
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
土
(
つち
)
を
掘
(
ほ
)
り
064
三人
(
みたり
)
の
男女
(
だんぢよ
)
を
抱上
(
だきあ
)
げて
065
芝生
(
しばふ
)
の
上
(
うへ
)
に
横臥
(
わうぐわ
)
させ
066
固
(
かた
)
く
縛
(
しば
)
りしいましめの
067
縄
(
なは
)
解
(
と
)
き
放
(
はな
)
ち
一
(
ひ
)
二
(
ふ
)
三
(
みい
)
と
068
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
のりつれば
069
お
愛
(
あい
)
は
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
きかへし
070
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
に
暮
(
く
)
れにける
071
黒姫
(
くろひめ
)
お
愛
(
あい
)
に
目
(
め
)
も
呉
(
く
)
れず
072
二人
(
ふたり
)
の
男
(
をとこ
)
を
熟視
(
じゆくし
)
して
073
高山彦
(
たかやまひこ
)
には
非
(
あら
)
ずやと
074
眺
(
なが
)
むる
折
(
をり
)
しも
孫公
(
まごこう
)
の
075
姿
(
すがた
)
に
驚
(
おどろ
)
き
胸
(
むね
)
を
撫
(
な
)
で
076
ほんにお
前
(
まへ
)
は
孫公
(
まごこう
)
か
077
嬉
(
うれ
)
しい
事
(
こと
)
だと
云
(
い
)
ひながら
078
お
梅
(
うめ
)
が
谷
(
たに
)
におり
立
(
た
)
ちて
079
掬
(
すく
)
ひ
来
(
きた
)
れる
水筒
(
すゐとう
)
の
080
水
(
みづ
)
を
含
(
ふく
)
ませ
労
(
いたは
)
りつ
081
兼公
(
かねこう
)
迄
(
まで
)
をも
救
(
すく
)
ひ
上
(
あ
)
げ
082
此処
(
ここ
)
に
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
皇神
(
すめかみ
)
の
083
尊
(
たふと
)
き
恵
(
めぐみ
)
を
感謝
(
かんしや
)
して
084
此
(
この
)
場
(
ば
)
を
後
(
あと
)
に
谷道
(
たにみち
)
の
085
草
(
くさ
)
踏
(
ふ
)
みわけてかへり
来
(
く
)
る
086
時
(
とき
)
しもあれや
虎公
(
とらこう
)
は
087
新
(
しん
)
、
久
(
きう
)
、
八
(
はち
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
088
伴
(
ともな
)
ひ
此処
(
ここ
)
に
来
(
き
)
かかつて
089
互
(
たがひ
)
の
無事
(
ぶじ
)
を
祝
(
しゆく
)
しつつ
090
屋方
(
やかた
)
の
村
(
むら
)
の
三公
(
さんこう
)
が
091
家路
(
いへぢ
)
をさして
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
092
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
093
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましませよ。
094
お
愛
(
あい
)
は
途々
(
みちみち
)
謡
(
うた
)
ひ
初
(
はじ
)
めた。
095
其
(
その
)
歌
(
うた
)
。
096
お愛
『
熊襲
(
くまそ
)
の
国
(
くに
)
にかくれなき
097
大曲津見
(
おほまがつみ
)
と
聞
(
きこ
)
えたる
098
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
の
分霊
(
わけみたま
)
099
憑
(
うつ
)
りて
醜
(
しこ
)
のわざをなす
100
大蛇
(
をろち
)
の
三公
(
さんこう
)
が
夕間暮
(
ゆふまぐれ
)
101
数多
(
あまた
)
の
乾児
(
こぶん
)
を
引
(
ひ
)
きつれて
102
夫
(
つま
)
の
命
(
みこと
)
の
不在宅
(
るすたく
)
へ
103
どやどや
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り
104
妾
(
わらは
)
が
隙
(
すき
)
を
窺
(
うかが
)
ひつ
105
首
(
くび
)
に
細縄
(
ほそなは
)
引
(
ひ
)
きかけて
106
グイと
後
(
うしろ
)
へ
引
(
ひ
)
き
倒
(
たふ
)
し
107
有無
(
うむ
)
を
云
(
い
)
はせず
三公
(
さんこう
)
が
108
乾児
(
こぶん
)
の
奴
(
やつ
)
等
(
ら
)
は
蟻
(
あり
)
のごと
109
群
(
むら
)
がり
来
(
きた
)
つて
吾
(
わが
)
身
(
み
)
をば
110
縦横
(
じうわう
)
無尽
(
むじん
)
に
引
(
ひ
)
き
縛
(
しば
)
り
111
口
(
くち
)
には
箝
(
は
)
ます
猿轡
(
さるぐつわ
)
112
妾
(
わらは
)
は
無念
(
むねん
)
の
息
(
いき
)
を
詰
(
つ
)
め
113
涙
(
なみだ
)
かくして
傍
(
かたはら
)
を
114
ふと
眺
(
なが
)
むればこは
如何
(
いか
)
に
115
妹
(
いもと
)
のお
梅
(
うめ
)
も
猿轡
(
さるぐつわ
)
116
口
(
くち
)
に
箝
(
は
)
められ
慄
(
ふる
)
ひ
居
(
ゐ
)
る
117
ハツと
驚
(
おどろ
)
き
顔
(
かほ
)
と
顔
(
かほ
)
118
見合
(
みあは
)
すばかり
音
(
おと
)
なしの
119
口
(
くち
)
さへ
利
(
き
)
けぬ
苦
(
くる
)
しさに
120
三五教
(
あななひけう
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
121
尊
(
たふと
)
き
救
(
すく
)
ひを
祈
(
いの
)
りつつ
122
大蛇
(
をろち
)
の
三公
(
さんこう
)
がなすままに
123
身
(
み
)
を
任
(
まか
)
せたる
腑甲斐
(
ふがひ
)
なさ
124
大蛇
(
をろち
)
の
三公
(
さんこう
)
初
(
はじ
)
めとし
125
兼公
(
かねこう
)
与三公
(
よさこう
)
両人
(
りやうにん
)
の
126
兄弟分
(
きやうだいぶん
)
の
両腕
(
りやううで
)
は
127
妾
(
わらは
)
二人
(
ふたり
)
をひつかたげ
128
西
(
にし
)
へ
西
(
にし
)
へと
向日山
(
むかふやま
)
129
峠
(
たうげ
)
の
麓
(
ふもと
)
の
森林
(
しんりん
)
に
130
担
(
かつ
)
ぎ
来
(
きた
)
りて
三公
(
さんこう
)
が
131
夫
(
をつと
)
ある
身
(
み
)
の
妾
(
わらは
)
等
(
ら
)
に
132
非道
(
ひだう
)
極
(
きは
)
まる
横恋慕
(
よこれんぼ
)
133
嚇
(
おど
)
しつ
賺
(
すか
)
しつ
詰
(
つ
)
めかくる
134
其
(
その
)
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
の
嫌
(
いや
)
らしく
135
汚
(
けが
)
らはしさに
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
て
136
命
(
いのち
)
かまはぬ
捨
(
す
)
て
台詞
(
ぜりふ
)
137
手痛
(
ていた
)
き
言霊
(
ことたま
)
打
(
う
)
ち
出
(
だ
)
せば
138
兼公
(
かねこう
)
与三公
(
よさこう
)
両人
(
りやうにん
)
は
139
交
(
かは
)
る
交
(
がは
)
るに
傍
(
そば
)
により
140
煩
(
うるさ
)
き
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ひかける
141
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
142
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せし
此
(
この
)
体
(
からだ
)
143
夫
(
をつと
)
ある
身
(
み
)
の
如何
(
いか
)
にして
144
力
(
ちから
)
に
怖
(
おそ
)
れて
三公
(
さんこう
)
が
145
いかで
望
(
のぞ
)
みを
許
(
ゆる
)
さむや
146
口
(
くち
)
を
極
(
きは
)
めて
罵
(
ののし
)
れば
147
三公
(
さんこう
)
忽
(
たちま
)
ち
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
て
148
妾
(
わらは
)
が
前
(
まへ
)
に
詰
(
つ
)
め
寄
(
よ
)
つて
149
黒
(
くろ
)
い
顔
(
かほ
)
にて
覗
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
む
150
嫌
(
いや
)
な
臭
(
にほ
)
ひのする
男
(
をとこ
)
151
逆
(
むか
)
づくやうに
思
(
おも
)
はれて
152
胸
(
むね
)
も
塞
(
ふさ
)
がるばかりなり
153
大蛇
(
をろち
)
の
乾児
(
こぶん
)
はむらむらと
154
妾
(
わらは
)
に
向
(
むか
)
つて
攻
(
せ
)
めて
来
(
く
)
る
155
此
(
この
)
時
(
とき
)
兼公
(
かねこう
)
の
返
(
かへ
)
り
忠
(
ちう
)
156
太
(
ふと
)
い
度胸
(
どきよう
)
のお
愛
(
あい
)
どの
157
こんな
姐貴
(
あねき
)
を
親方
(
おやかた
)
に
158
持
(
も
)
つた
乾児
(
こぶん
)
は
幸
(
さいはひ
)
だ
159
面白
(
おもしろ
)
からうと
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
160
秋波
(
しうは
)
を
送
(
おく
)
る
可笑
(
をか
)
しさよ
161
大蛇
(
をろち
)
は
胸
(
むね
)
に
据
(
す
)
ゑ
兼
(
か
)
ねて
162
与三公
(
よさこう
)
に
向
(
むか
)
つて
縛
(
しば
)
れよと
163
めくばせ
すれば
兼公
(
かねこう
)
の
164
不意
(
ふい
)
を
狙
(
ねら
)
つて
綱
(
つな
)
をかけ
165
首
(
くび
)
引
(
ひ
)
き
締
(
し
)
めて
走
(
はし
)
り
出
(
だ
)
す
166
遉
(
さすが
)
の
兼公
(
かねこう
)
も
弱
(
よわ
)
り
果
(
は
)
て
167
高手
(
たかて
)
や
小手
(
こて
)
に
縛
(
しば
)
られて
168
泣
(
な
)
き
声
(
ごゑ
)
上
(
あ
)
ぐるをかしさよ
169
大空
(
おほぞら
)
つたふ
日
(
ひ
)
の
影
(
かげ
)
は
170
地平線
(
ちへいせん
)
下
(
か
)
にかくれまし
171
夕暮
(
ゆふぐれ
)
告
(
つ
)
ぐる
鳥
(
とり
)
の
声
(
こゑ
)
172
時々
(
じじ
)
刻々
(
こくこく
)
と
寂寥
(
せきれう
)
の
173
気分
(
きぶん
)
漂
(
ただよ
)
ふ
折
(
をり
)
からに
174
間近
(
まぢか
)
く
聞
(
きこ
)
ゆる
宣伝歌
(
せんでんか
)
175
三五教
(
あななひけう
)
の
孫公
(
まごこう
)
が
176
忽
(
たちま
)
ち
此処
(
ここ
)
に
現
(
あら
)
はれて
177
吾
(
われ
)
は
尊
(
たふと
)
き
宣伝使
(
せんでんし
)
178
火
(
ひ
)
の
国都
(
くにみやこ
)
に
名
(
な
)
も
高
(
たか
)
き
179
高山彦
(
たかやまひこ
)
と
空威張
(
からゐば
)
り
180
一同
(
いちどう
)
の
者
(
もの
)
の
荒肝
(
あらぎも
)
を
181
挫
(
ひし
)
ぎやらむと
思
(
おも
)
ひつつ
182
早速
(
さそく
)
の
頓智
(
とんち
)
も
水
(
みづ
)
の
泡
(
あわ
)
183
二
(
ふた
)
つの
眼
(
まなこ
)
に
目潰
(
めつぶ
)
しの
184
砂
(
すな
)
なげ
込
(
こ
)
まれ
憐
(
あは
)
れにも
185
孫公
(
まごこう
)
は
其処
(
そこ
)
に
踞
(
しやが
)
みける
186
時
(
とき
)
を
移
(
うつ
)
さず
与三公
(
よさこう
)
は
187
孫公
(
まごこう
)
の
首
(
くび
)
に
綱
(
つな
)
をかけ
188
肩
(
かた
)
にひつかけ
二三間
(
にさんげん
)
189
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
引
(
ひ
)
きずれば
190
何条
(
なんでう
)
もつて
耐
(
たま
)
るべき
191
信仰
(
しんかう
)
強
(
つよ
)
き
孫公
(
まごこう
)
も
192
瞬
(
またた
)
く
間
(
うち
)
に
身体
(
しんたい
)
を
193
雁字搦
(
がんじがら
)
みに
縛
(
しば
)
られて
194
苦
(
くる
)
しみもだゆる
憐
(
あは
)
れさよ
195
大蛇
(
をろち
)
の
三公
(
さんこう
)
は
冷
(
ひや
)
やかに
196
三人
(
みたり
)
を
眺
(
なが
)
めて
嘲笑
(
あざわら
)
ひ
197
乾児
(
こぶん
)
の
奴
(
やつ
)
に
下知
(
げち
)
なして
198
忽
(
たちま
)
ち
大地
(
だいち
)
に
穴
(
あな
)
を
掘
(
ほ
)
り
199
男女
(
だんぢよ
)
三人
(
みたり
)
を
荒縄
(
あらなは
)
に
200
縛
(
しば
)
りたるまま
放
(
はう
)
り
込
(
こ
)
んで
201
見
(
み
)
るも
無残
(
むざん
)
な
生埋
(
いきう
)
めの
202
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
を
敢
(
あへ
)
てなし
203
土
(
つち
)
をかぶせて
墓
(
はか
)
となし
204
重
(
おも
)
き
石
(
いし
)
をば
運
(
はこ
)
び
来
(
き
)
て
205
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
上
(
うへ
)
に
積
(
つ
)
み
重
(
かさ
)
ね
206
凱歌
(
がいか
)
を
揚
(
あ
)
げて
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く
207
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
208
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りの
深
(
ふか
)
くして
209
妹
(
いもと
)
のお
梅
(
うめ
)
は
恙
(
つつが
)
なく
210
九死
(
きうし
)
一生
(
いつしやう
)
の
難関
(
なんくわん
)
を
211
苦
(
く
)
もなく
越
(
こ
)
えて
木下暗
(
こしたやみ
)
212
姿
(
すがた
)
をかくす
賢
(
かしこ
)
さよ
213
妾
(
わらは
)
三人
(
みたり
)
は
荒鉄
(
あらがね
)
の
214
冷
(
つめ
)
たき
土
(
つち
)
に
埋
(
うづ
)
められ
215
身動
(
みうご
)
きならぬ
苦
(
くる
)
しさに
216
前途
(
ぜんと
)
を
案
(
あん
)
じ
煩
(
わづら
)
ひて
217
天地
(
てんち
)
を
祈
(
いの
)
り
吾
(
わが
)
夫
(
つま
)
の
218
御
(
ご
)
無事
(
ぶじ
)
を
祈
(
いの
)
る
折柄
(
をりから
)
に
219
黒姫司
(
くろひめつかさ
)
が
現
(
あら
)
はれて
220
妹
(
いもと
)
お
梅
(
うめ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
221
力
(
ちから
)
を
合
(
あは
)
せて
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
222
苦
(
く
)
もなく
救
(
すく
)
ひたまひたる
223
其
(
その
)
御恵
(
みめぐみ
)
の
有難
(
ありがた
)
さ
224
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
泣
(
な
)
く
泣
(
な
)
くも
225
黒姫司
(
くろひめつかさ
)
に
従
(
したが
)
ひて
226
妹
(
いもと
)
のお
梅
(
うめ
)
に
手
(
て
)
を
曳
(
ひ
)
かれ
227
草
(
くさ
)
生
(
お
)
ひ
茂
(
しげ
)
る
木下道
(
こしたみち
)
228
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
れる
折
(
をり
)
もあれ
229
吾
(
わが
)
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
の
虎
(
とら
)
さまが
230
玉公
(
たまこう
)
さまを
初
(
はじ
)
めとし
231
新
(
しん
)
、
久
(
きう
)
、
八
(
はち
)
の
乾児
(
こぶん
)
連
(
つ
)
れ
232
来
(
きた
)
りたまひし
嬉
(
うれ
)
しさよ
233
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
234
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
幸
(
さち
)
はひて
235
此処
(
ここ
)
に
一行
(
いつかう
)
九人
(
くにん
)
連
(
づ
)
れ
236
屋方
(
やかた
)
の
村
(
むら
)
に
立
(
た
)
ち
向
(
むか
)
ひ
237
大蛇
(
をろち
)
の
三公
(
さんこう
)
訪
(
おとづ
)
れて
238
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
の
教
(
のり
)
239
善悪
(
ぜんあく
)
正邪
(
せいじや
)
の
大道
(
だいだう
)
を
240
誡
(
いまし
)
めさとし
村肝
(
むらきも
)
の
241
かれが
心
(
こころ
)
に
潜
(
ひそ
)
むなる
242
曲
(
まが
)
の
御魂
(
みたま
)
を
言向
(
ことむ
)
けて
243
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
に
尽
(
つく
)
すべき
244
清
(
きよ
)
きみたまとなさしめむ
245
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
246
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
247
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
248
誠
(
まこと
)
の
力
(
ちから
)
は
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
249
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
言霊
(
ことたま
)
の
250
剣
(
つるぎ
)
に
刃向
(
はむか
)
ふ
敵
(
てき
)
はなし
251
黒姫司
(
くろひめつかさ
)
に
従
(
したが
)
ひて
252
夫
(
つま
)
の
命
(
みこと
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
253
言霊戦
(
ことたません
)
を
開
(
ひら
)
くべく
254
岩石
(
がんせき
)
起伏
(
きふく
)
の
谷道
(
たにみち
)
を
255
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くこそ
楽
(
たの
)
しけれ
256
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
257
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましませよ』
258
と
謡
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
一行
(
いつかう
)
の
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
ち、
259
猿田彦
(
さるだひこ
)
気取
(
きど
)
りになつて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くお
愛
(
あい
)
の
姿
(
すがた
)
の
雄々
(
をを
)
しさ。
260
黒姫
(
くろひめ
)
を
初
(
はじ
)
め
虎公
(
とらこう
)
、
261
孫公
(
まごこう
)
、
262
お
梅
(
うめ
)
は
何
(
なん
)
となく
心
(
こころ
)
勇
(
いさ
)
みて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
263
(
大正一一・九・一五
旧七・二四
加藤明子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 言の架橋
(B)
(N)
進隊詩 >>>
霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
>
第35巻(戌の巻)
> 第1篇 向日山嵐 > 第2章 出陣
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第2章 出陣|第35巻|海洋万里|霊界物語|/rm3502】
合言葉「みろく」を入力して下さい→