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第二一章 暗闘(あんとう)〔九八五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第35巻 海洋万里 戌の巻 篇:第3篇 火の国都 よみ(新仮名遣い):ひのくにみやこ
章:第21章 暗闘 よみ(新仮名遣い):あんとう 通し章番号:985
口述日:1922(大正11)年09月17日(旧07月26日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年12月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
(第34巻第16章の続き)一方、房公と芳公は建日の館を出て黒姫の後を追い、険しい山道を登って火の国峠の登り口までやってきた。二人は火の国峠の山頂にたどり着いたが、黒姫の姿は見えなかった。
日が暮れて、二人は峠山頂の木の下で一夜を明かすことにした。二人が横になると、西の方から登ってきた白髪の老人があった。老人は二人が休んでいるそばにやってきて、杖の先でかわるがわる額のあたりをぐいぐいと突いた。
二人は暗がりの中に跳ね起きて、悪態をついている。老人は笑ってとぼけている。二人は怒りを覚えたが、黒姫の行方を知らないかと老人に尋ねた。老人は答えをはぐらかした。
二人がまた、老人がこんな夜中にどこに行くのだと尋ねると、老人は二人の極道息子を迎えに行くのだと答えた。そして芳公と房公の特徴を挙げて極道息子だと言い、二人を雷のような声で怒鳴りたてた。
二人は老人の声におどろいて飛び上がり、闇の中で衝突して火花を散らした。老人は暗闇にぼっと姿を表して、二人の過去の所業を数え上げて責め立てる歌を歌った。歌い終わると老人の姿は煙となって消え失せてしまった。
房公と芳公はこの出来事に恐れおののきながらも、天津祝詞を奏上してここで一夜を明かすことになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-10-01 12:13:57 OBC :rm3521
愛善世界社版:248頁 八幡書店版:第6輯 559頁 修補版: 校定版:263頁 普及版:96頁 初版: ページ備考:
001房公(ふさこう)芳公(よしこう)両人(りやうにん)
002建日(たけひ)(やかた)()()でて
003黒姫(くろひめ)さまの(あと)()
004(けは)しき山坂(やまさか)トントンと
005捩鉢巻(ねぢはちまき)(しり)からげ
006薬鑵頭(やくわんあたま)湯気(ゆげ)()
007(あと)()ひかけて()()れば
008()国峠(くにたうげ)(のぼ)(ぐち)
009黒姫(くろひめ)さまのお姿(すがた)
010(くも)(かすみ)()(かみ)
011ドロンと()えて(かげ)もなし
012「ウントコドツコイ」このやうな
013はげしい(さか)をば「ウントコシヨ」
014黒姫(くろひめ)さまの老年(としより)
015どうして(のぼ)つて()つたろか
016(かげ)(かたち)()えないと
017二人(ふたり)(あし)(はや)めつつ
018老樹(らうじゆ)(しげ)れる坂道(さかみち)
019「エンヤラヤー エンヤラヤ」
020ハーハースースー()ひながら
021(あし)をヅルヅル(すべ)らせつ
022(いた)()てたる「ドツコイシヨ」
023やうな(けは)しき坂道(さかみち)
024(うさぎ)(ごと)()うて()
025(たう)主人(あるじ)黒姫(くろひめ)
026(みち)()(まよ)丸木橋(まるきばし)
027(むか)ふへ(わた)つて森中(もりなか)
028(あい)(その)()(をとこ)をば
029(たす)けて()るとは()らずして
030(すす)()くこそ(あは)れなり。
031 二人(ふたり)()のヅツプリ()れた(ころ)032(やうや)くにして()国峠(くにたうげ)絶頂(ぜつちやう)辿(たど)りつく。033そこには(えだ)ぶりの面白(おもしろ)山桃(やまもも)()七八本(しちはちほん)034無遠慮(ぶゑんりよ)(そら)(とざ)して()つて()る。
035房公『オイ芳公(よしこう)036これだけ(おれ)(たち)一生(いつしやう)懸命(けんめい)(はし)つて()たけれど、037黒姫(くろひめ)さまに(おつ)つかないのだ、038大方(おほかた)(みち)(ちが)つたのぢやあるまいかなア』
039芳公『さうだなア、040どうも(あや)しいものだ。041(なん)でも(さか)(のぼ)(ぐち)(みぎ)()(ほそ)(みち)があつたが、042大方(おほかた)其方(そつち)へでも(まよ)()んで()かれたのぢやあるまいか。043どう(かんが)へてもそれより(ほか)(みち)がないぢやないか。044まア()(かく)今晩(こんばん)(この)()(した)でお宿(やど)()ることとしよう。045(また)(ひと)でも(とほ)つたら(たづ)ねようとままだから(よる)(みち)(いそ)いだ(ところ)仕方(しかた)がない。046(おれ)大分(だいぶん)(つか)れて()たからのう』
047房公『そんなら仕方(しかた)がない。048芳公(よしこう)一泊(いつぱく)して()かうかい』
049と、050両人(りやうにん)(みの)をしきグレン(よこ)になる。
051 そこへ西(にし)(はう)から、052コチンコチンと(つゑ)(さき)(みち)小石(こいし)(たた)きながら、053(のぼ)つて()一人(ひとり)白髪(はくはつ)老人(らうじん)あり。054老人(らうじん)二人(ふたり)(やす)(そば)()()り、055(つゑ)(さき)にて二人(ふたり)(ひたひ)あたりを(かは)(がは)るグイグイと()いてゐる。056二人(ふたり)は「アイタヽ」と()ひながら、057ガバツと()()き、058薄暗(うすくら)がりにすかし()て、
059房公、芳公『ダダ(たれ)だい、060(おれ)(あたま)(つゑ)でこづきよつた(やつ)は、061ふざけた(こと)をしよると承知(しようち)しないぞ』
062老人『アハヽヽヽ、063(あま)(くら)いものだから……(なん)だか(いびき)がするので近寄(ちかよ)つて()れば、064(くら)がりに(ひか)つたものが(ひと)つ、065(その)(よこ)(くろ)いものが(また)(ひと)(たふ)れて()るので、066こりや(また)(たぬき)睾丸(きんたま)ではあるまいかと(おも)つて、067(つゑ)(さき)一寸(ちよつと)いぢつて()たのだよ。068(なに)()うても(くら)がりと()ひ、069老人(らうじん)()(うと)いのだから、070(あたま)(ひと)つやそこら()れたつて辛抱(しんばう)して(くだ)さい。071何程(なにほど)(はら)()つても老人(としより)大切(だいじ)にせねばならぬ規則(きそく)だからのう……』
072房公何処(どこ)老人(らうじん)()らぬが、073()らぬとやつた(こと)仕方(しかた)がないとしても、074(ただ)一言(ひとこと)(ことわ)りも()はず、075反対(あべこべ)老人(らうじん)尊敬論(そんけいろん)(まく)()てよつて(ふと)(やつ)だ。076大方(おほかた)(まへ)化州(ばけしう)だらう。077さア、078正体(しやうたい)(あら)はせ!』
079老人『オホヽヽヽ、080どうせ化州(ばけしう)(ちが)ひないが、081(おれ)でさへも(きも)(つぶ)すやうな(やみ)(なか)に、082よう(ひか)薬鑵頭(やくわんあたま)があつたものだから、083ヒネ(たぬき)睾丸(きんたま)ではあるまいかと、084一寸(ちよつと)(どろ)のついた(つゑ)(さき)でいぢつて()たのだから、085了見(りやうけん)さつしやい。086()らぬ(かみ)(たた)りなしと()ふから、087さう老人(らうじん)(どく)つくものぢやありませぬぞや』
088芳公『もしお(ぢい)さま、089()らずにした(こと)仕方(しかた)がありませぬ。090こちらも両人(ふたり)(もの)が、091この()(した)逗留(とうりう)して()ると()広告(くわうこく)()して()かないものだから、092間違(まちが)へられても(なん)とも()(こと)出来(でき)ませぬ。093(しか)しながら黒姫(くろひめ)()五十(ごじふ)(ばか)りのお(ばあ)さまに、094出会(であ)ひでは御座(ござ)いませなんだか』
095老人(なん)だか(くろ)いものにチヨコチヨコ出遇(であ)うたが、096(むか)ふが(だま)つて(とほ)りよつたものだから、097どれが黒姫(くろひめ)だか黒狐(くろぎつね)だか、098(くま)だか(からす)だか区別(くべつ)()きませぬわい』
099芳公『お(ぢい)さま、100この(くら)いのにお(まへ)(いつ)たい何処(どこ)()(つも)りだえ』
101老人(わし)仕方(しかた)がない極道(ごくだう)息子(むすこ)二人(ふたり)あつて(この)(さか)(いま)(のぼ)つて()(はず)だから(むか)へに()たのだよ』
102芳公『ヘエ、103そのまた二人(ふたり)息子(むすこ)とはどんな(ひと)ですか』
104老人『さうだなア、105一人(ひとり)(やみ)(ばん)でも薬鑵(やくわん)のやうに(あたま)(ひか)つて、106一寸(ちよつと)(こし)(まが)()(ひく)(をとこ)だ。107そして一人(ひとり)(すこ)図体(づうたい)(おほ)きい三十(さんじふ)(をとこ)だが、108そいつは(また)(くせ)(わる)くて(よわ)相撲取(すまうと)り、109()けて()けて()(とほ)し、110(ひと)から鍋蓋(なべぶた)(まで)()()つた(こま)つた(せがれ)だよ。111黒姫(くろひめ)()宣伝使(せんでんし)のお(とも)()ながら、112アタいやらしい振舞酒(ふるまひざけ)()うて肝腎(かんじん)主人(しゆじん)見失(みうしな)ひ、113こんな(ところ)へやつて()て、114安閑(あんかん)()()ると()ふ、115(はなし)にも(くひ)にもかからぬ……極道(ごくだう)息子(むすこ)だよ』
116(らい)のやうな(こゑ)呶鳴(どな)()てられ、117二人(ふたり)はこの(こゑ)(おどろ)いて()(あが)り、118(やみ)(なか)三四間(さんしけん)無暗(むやみ)矢鱈(やたら)(かけ)まはり、119房公(ふさこう)芳公(よしこう)急速力(きふそくりよく)をもつて正面(しやうめん)衝突(しようとつ)をなし、120(ふた)()からピカピカと()()し、
121房公、芳公『アイタヽヽヽ』
122()(おさ)へて(たがひ)(しやが)んで仕舞(しま)ふ。
123老人『アハヽヽヽヽ、124房野丸(ふさのまる)芳野丸(よしのまる)とが衝突(しようとつ)(いた)しましたなア。125(たい)した破産(はさん)はなかつたかなア。126機関庫(きくわんこ)爆発(ばくはつ)したと()えてずゐぶん(えら)(ひかり)だつたよ、127ワハヽヽヽ』
128芳公『コリヤ化爺(ばけおやぢ)129(ひと)難儀(なんぎ)()面白(おもしろ)さうに(わら)ふと()ふやうな、130不道徳(ふだうとく)不人情(ふにんじやう)(やつ)がどこにあるか、131まるで(おに)のやうな糞爺(くそおやぢ)だなア』
132老人『お(まへ)()(とほ)り、133(おれ)()(かげ)もない糞爺(くそぢい)だ。134目糞(めくそ)歯糞(はくそ)135耳糞(みみくそ)鼻糞(はなくそ)136(まへ)のやうに尻糞(しりくそ)はつけて()ないが、137随分(ずゐぶん)(きたな)糞爺(くそぢい)だよ』
138芳公『オイ糞爺(くそぢい)139(おれ)尻糞(しりくそ)をつけて()るなんて、140失敬(しつけい)(こと)()ふない。141この(くら)がりで()()(にく)いと(ぬか)した(くせ)に、142尻糞(しりくそ)(まで)どうして(わか)るのだ。143(くそ)があきれて雪隠(せんち)(をど)るわい』
144老人(なん)とまア(くそ)やかましい(をとこ)だなア。145(おれ)()(くに)(ひじり)()つて、146どんな(こと)でもしりてしりてしりぬいて()(うし)(しり)だよ。147(まへ)(しり)()何本(なんぼん)あると()(ところ)まで()りて()るのだからのう……』
148芳公『こりや化爺(ばけぢい)149そんなら(おれ)(しり)()何本(なんぼん)あるか()てて()い!』
150老人『オホヽヽヽ、151かう()(ところ)(ただ)一本(いつぽん)()いぢやないか。152(たき)素片多(すべた)(をんな)(のろ)けよつて、153(しり)()一本(いつぽん)もない(ところ)(まで)()かれたと()えるわい。154まるきり牛蒡(ごばう)切口(きりくち)椢炭(よりすみ)切口(きりくち)のやうな(くろ)(しり)だのう』
155芳公(なに)(ぬか)してけつかるのだい。156もうよい加減(かげん)にすつ()まぬか、157(しり)(あな)()が!』
158老人『すつ()めと()つたつて、159(じふ)(ねん)(ばか)(くる)しんで()脱肛(だつこう)だから、160容易(ようい)にすつ()みはせないぞや。161これと()ふのも房公(ふさこう)芳公(よしこう)()極道(ごくだう)息子(むすこ)があるために、162それが()になつてこんな病気(びやうき)(おこ)つたのだよ。163親不孝(おやふかう)息子(むすこ)もあつたものだ。164こんな(やつ)(いま)天罰(てんばつ)(あた)つて()国峠(くにたうげ)大蛇(をろち)()まれて仕舞(しま)ふと、165娑婆(しやば)ふさぎの厄介者(やつかいもの)がなくなつてよいのだがなア。166(かみ)(おもて)(あら)はれて、167(ぜん)(あく)とを()てかへる()(なか)だから、168どうせ二人(ふたり)極道(ごくだう)息子(むすこ)寿命(じゆみやう)(なが)(こと)はあるまい。169あゝ可愛(かあい)さうなやうな気味(きみ)のよい(こと)だわい、170オホヽヽヽ』
171遠慮(ゑんりよ)会釈(ゑしやく)もなく、172(くら)がりにボツ姿(すがた)(あら)はして嘲笑(あざわら)ふ。173房公(ふさこう)最前(さいぜん)正面(しやうめん)衝突(しようとつ)鼻血(はなぢ)()(いた)さにものをも()()はず、174()にかぶり()いて()いて()る。175老爺(ぢいや)(しわ)がれた(こゑ)(うた)()した。
176老人黒姫(くろひめ)()さまの(とも)をして
177(こころ)(くら)両人(りやうにん)
178(くら)(たうげ)(のぼ)()
179後前(あとさき)()ずの暗雲(やみくも)
180(こころ)(かぢ)()(はづ)
181(かほ)(かほ)とが衝突(しようとつ)
182薬鑵頭(やくわんあたま)(はな)()つて
183(あか)鼻血(はなぢ)をタラタラと
184(なが)して(しやが)むいぢらしさ
185黒姫司(くろひめつかさ)にそそられて
186遥々(はるばる)つらつて()(とも)
187難儀(なんぎ)見捨(みす)ててスタスタと
188高山峠(たかやまたうげ)一散(いつさん)
189(のぼ)つて()()不人情(ふにんじやう)
190(ひと)(かは)()代物(しろもの)
191平気(へいき)出来(でき)(わざ)ぢやない
192貴様(きさま)二人(ふたり)(こころ)には
193黒姫(くろひめ)よりもまだ(わる)
194(くろ)(かほ)した(おに)()
195(その)(おに)(ども)()()して
196(うま)赤児(あかご)になりかはり
197(けつ)掃除(さうぢ)をよつくして
198(たふと)(かみ)御使(みつかひ)
199(はや)くなれなれ いつ(まで)
200黒姫(くろひめ)(ごと)きの(とも)をして
201(をとこ)()つと(おも)てるか
202前代(ぜんだい)未聞(みもん)馬鹿者(ばかもの)
203(われ)国治立(くにはるたちの)(かみ)
204(まへ)御魂(みたま)(みが)()
205(まこと)(かみ)生宮(いきみや)
206(つく)(なほ)して神界(しんかい)
207御用(ごよう)をさせてやり()いと
208此処(ここ)姿(すがた)(あら)はして
209(まへ)()二人(ふたり)()()まし
210無限(むげん)(ちから)をそれぞれに
211(くば)(あた)ふる(かむ)ながら
212(かみ)御息(みいき)(うま)れたる
213(なんぢ)はこれから(つつし)みて
214(まこと)(ひと)つを()(とほ)
215一日(ひとひ)(はや)()(くに)
216(はな)(みやこ)()(むか)
217黒姫司(くろひめつかさ)(まよ)()
218(こひ)(やみ)をば()らせかし
219(かみ)大道(おほぢ)()みながら
220(をつと)のために(たましひ)
221()かれて(きた)黒姫(くろひめ)
222(その)(おろか)さは(かぎ)りなし
223(まよ)ひきつたる黒姫(くろひめ)
224(あと)(したが)遥々(はるばる)
225ここ(まで)(きた)二人(ふたり)()
226猶更(なほさら)馬鹿(ばか)代物(しろもの)
227国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)
228()うたは真赤(まつか)(いつは)りで
229(われ)月照彦(つきてるひこの)(かみ)
230(はや)御魂(みたま)()(なほ)
231清明(せいめい)無垢(むく)()となつて
232(いづ)御魂(みたま)瑞御魂(みづみたま)
233(ひら)(たま)ひし三五(あななひ)
234(をしへ)(はしら)となれよかし
235(かみ)(なんぢ)()(まも)
236(たま)(まも)つて何時(いつ)(まで)
237(ふと)しき(いさを)()てさせむ
238あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
239御霊(みたま)(さち)はへましませよ』
240(うた)(をは)るや、241(あや)しき老人(らうじん)姿(すがた)(けむり)となつて()()せ、242(あと)には尾上(をのへ)(わた)松風(まつかぜ)(おと)243ザワザワザワと(きこ)(きた)る。
244芳公『オイ房公(ふさこう)245どうだ、246鼻柱(はなばしら)(すこ)しよくなつたかなア。247あんまり(つね)から(はな)(たか)いものだから、248(いま)(あら)はれた(かみ)(さま)(はな)()()つて改心(かいしん)させてやらうとなさつたのだよ。249何時(いつ)とても貴様(きさま)高慢(かうまん)(つよ)うて(はな)(たか)うするから、250こんな()()うたのだ。251途中(とちう)鼻高(はなだか)()ふのはお(まへ)(こと)だよ』
252房公(なん)でもいいわ。253(おれ)はもう(おそ)ろしくつて(なん)どころぢやない。254大方(おほかた)あれは、255(この)(やま)大天狗(だいてんぐ)間違(まちが)ひなからうぞ。256(なん)でも()でも(おれ)(たち)(こと)(みな)()つてござつたぢやないか』
257芳公天狗(てんぐ)(はなし)はもう()めて()れ。258天狗(てんぐ)()くと、259(なん)だか首筋(くびすぢ)がゾクゾクして()るからなア。260あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
261房公『こんな(ところ)長居(ながゐ)(おそ)れだ。262さア()かう。263黒姫(くろひめ)さまが()(くに)()つて()られるだらうからなア』
264芳公()かうと()つた(ところ)(これ)だけ(きつ)坂道(さかみち)265(その)(うへ)(やみ)()()るのだから、266どうする(こと)出来(でき)はせないぞ。267まア此処(ここ)天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、268(かみ)(さま)(いの)つて()()かすこととしようかい』
269大正一一・九・一七 旧七・二六 加藤明子録)

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