霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 進隊詩(しんたいし)〔九六七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第35巻 海洋万里 戌の巻 篇:第1篇 向日山嵐 よみ(新仮名遣い):むこうやまあらし
章:第3章 進隊詩 よみ(新仮名遣い):しんたいし 通し章番号:967
口述日:1922(大正11)年09月15日(旧07月24日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年12月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
虎公は、建国別命の館で祝いの祭祀によばれた帰り道に、大蛇の三公の子分たちの一団に襲われ、それを勢いで蹴散らした有様を歌った。そして妻のお愛や妹分のお梅に無事に再会できたことを神と黒姫に感謝した。そして、大蛇の三公一家の面々に神の誠の道を説き明かして救ってやる決意を表明した。
黒姫はこれまでの経緯を歌い、また大蛇の三公を言向け和すこの出立を寿ぎ、言霊戦に向けて一致協力を誓うことを表明した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-09-22 13:07:58 OBC :rm3503
愛善世界社版:26頁 八幡書店版:第6輯 483頁 修補版: 校定版:28頁 普及版:9頁 初版: ページ備考:
001 虎公(とらこう)谷道(たにみち)辿(たど)(なが)足拍子(あしびやうし)をとり、002チヨコチヨコ(ばし)りのまま(うた)()したり。
003虎公『「ウントコドツコイ」()()けた
004向日(むかふ)(もり)()れて()
005(とら)(おほかみ)獅子(しし)(くま)
006(たけ)びの(こゑ)(しづ)まりて
007彼方(あちら)此方(こちら)(とり)()
008(あづま)(そら)(あかね)さし
009豊坂昇(とよさかのぼ)()(かみ)
010山道(やまみち)辿(たど)吾々(われわれ)
011一行(いつかう)()をば(てら)します
012「ウントコドツコイ」足許(あしもと)
013(いづ)れも()をつけなされませ
014黒姫(くろひめ)さまは老年(としより)
015(べつ)してお(みあ)(おも)からう
016(たか)(いし)()がゴロゴロと
017(この)坂道(さかみち)(ころ)げてる
018ウツカリして()りや石車(いしぐるま)
019ガラガラガラリと()(すべ)
020(おも)はぬ怪我(けが)をせにやならぬ
021(かみ)(ちから)三五(あななひ)
022(まこと)(みち)(つゑ)として
023波布(はぶ)蜈蚣(むかで)毒虫(どくむし)
024右往(うわう)左往(さわう)()ひまはる
025草道(くさみち)()けて(すす)()
026あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
027(たふと)(かみ)御守(みまも)りに
028(われ)()一行(いつかう)九人(くにん)()
029(つつが)もなしに屋方村(やかたむら)
030大蛇(をろち)三公(さんこう)(かま)へたる
031(やかた)無事(ぶじ)()かしめよ
032(わが)()留守(るす)三公(さんこう)
033数多(あまた)乾児(こぶん)引率(ひきつ)れて
034押寄(おしよ)(きた)女房(にようばう)
035(いもと)のお(うめ)(しひた)げて
036深山(みやま)(おく)森林(しんりん)
037()()無体(むたい)掛合(かけあひ)
038やつて()るとは()らずして
039「ウントコドツコイ ドツコイシヨ」
040建日(たけひ)(やかた)にいでませし
041黒姫(くろひめ)さまの(あと)()うて
042(けは)しき坂道(さかみち)()(のぼ)
043建国別(たけくにわけ)(かみ)(さま)
044(いはひ)(せき)(せう)ぜられ
045生命(いのち)(みづ)甘酒(うまざけ)
046「ドツコイ」()くまで振舞(ふるま)はれ
047(よひ)がまはつてユラユラと
048(しん)(きう)(はち)()きつれて
049坂道(さかみち)(くだ)()(くに)
050深谷(ふかたに)街道(かいだう)()()れば
051大蛇(をろち)乾児(こぶん)六公(ろくこう)
052数多(あまた)乾児(こぶん)()きつれて
053棍棒(こんぼう)(かたな)(たづさ)へつ
054捩鉢巻(ねぢはちまき)をリンと()
055(すそ)をからげて「ドツコイシヨ」
056仰々(ぎやうぎやう)しくも()つてゐる
057流石(さすが)虎公(とらこう)面喰(めんくら)
058(こころ)(かみ)(いの)りつつ
059悪胴(わるどう)()ゑて呶鳴(どな)(ごゑ)
060あり()木片(きぎれ)(ひろ)ひあげ
061(むら)がる(てき)中心(ちうしん)
062目蒐(めが)けて「ドツコイ」()()れば
063「ヤツトコドツコイ」(あぶな)いぞ
064(はじ)めの(いきほひ)何処(どこ)へやら
065(ねこ)()はれた「ドツコイシヨ」
066(ねずみ)(ごと)く「ウントコシヨ」
067(ちぢ)(あが)つて六公(ろくこう)
068一目散(いちもくさん)()()せば
069手下(てした)(やつ)は「ヤツトコシヨ」
070()(うしな)うて散乱(さんらん)
071「ウントコドツコイ」蜘蛛(くも)()
072()らすが(ごと)()()せぬ
073あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
074(かみ)(めぐみ)(ふか)くして
075(あやふ)(ところ)(たす)けられ
076(あと)()(かへ)玉公(たまこう)
077(しん)(きう)(はち)()()べば
078木蔭(こかげ)(ひそ)みし四人(よにん)()
079蜘蛛(くも)()だらけの(かほ)をして
080(あし)もワナワナ(こは)さうに
081(あら)はれ(きた)るぞ可笑(をか)しけれ
082(なに)()もあれ一時(いつとき)
083(はや)(わが)()()(かへ)
084(あい)安否(あんぴ)(さぐ)らむと
085韋駄天(ゐだてん)(ばし)りに()()せば
086(いきほひ)(あま)つて「ウントコシヨ」
087向日峠(むかふたうげ)山道(やまみち)
088(おも)はず()らず突進(とつしん)
089引返(ひきかへ)さむかと(おも)へども
090あゝ()(しば)三五(あななひ)
091(かみ)(をしへ)にや退却(たいきやく)
092「ウントコドツコイ」二字無(にじな)しと
093(をし)へられたる(こと)()
094(おも)(うか)べて進行(しんかう)
095()るも(あやふ)丸木橋(まるきばし)
096飛鳥(ひてう)(ごと)()()えて
097坂道(さかみち)(のぼ)折柄(をりから)
098(おも)ひも()けぬ黒姫(くろひめ)
099(あい)やお(うめ)(いたは)りて
100孫公(まごこう)兼公(かねこう)諸共(もろとも)
101(この)()(きた)不思議(ふしぎ)さよ
102あゝ(とら)さまか黒姫(くろひめ)
103(あい)かお(うめ)(まご)さまか
104大蛇(をろち)乾児(こぶん)兼公(かねこう)
105虎公(とらこう)身内(みうち)新公(しんこう)
106さては久公(きうこう)八公(はちこう)
107不思議(ふしぎ)(ところ)()うたもの
108これも矢張(やつぱり)(かみ)(さま)
109(みづ)()らさぬ(おん)仕組(しぐみ)
110こんな目出度(めでた)(こと)はない
111()ひつつ一同(いちどう)(みち)()
112両手(りやうて)(あは)せて天地(あめつち)
113(かみ)御名(みな)をば(とな)へつつ
114感謝(かんしや)祈願(きぐわん)太祝詞(ふとのりと)
115(とな)ふる(こゑ)中天(ちうてん)
116(きよ)(ひび)きて()()けた
117あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
118(かみ)御蔭(みかげ)(かうむ)りて
119三人(みたり)男女(なんによ)黒姫(くろひめ)
120(あやふ)(ところ)(たす)けられ
121無事(ぶじ)(かへ)つた(うれ)しさに
122虎公(とらこう)さまも雀躍(こをどり)
123(たふと)(きよ)三五(あななひ)
124(かみ)(ひかり)()(をが)
125(とき)しもあれや樹々(きぎ)(そら)
126吾物顔(わがものがほ)諸鳥(もろどり)
127常世(とこよ)(はる)(うた)(こゑ)
128直日(なほひ)々々(なほひ)(きこ)()
129(われ)()(かみ)(すく)はれて
130(この)神徳(しんとく)()りもぎに
131してはならぬと「ドツコイシヨ」
132(こころ)(さだ)めて「ウントコシヨ」
133大蛇(をろち)(やかた)()(むか)
134(たふと)(かみ)御光(みひかり)
135三公(さんこう)(かしら)(てら)さむと
136一行(いつかう)()(にん)(いさぎよ)
137露道(つゆみち)()けて(すす)()
138(かみ)(おもて)(あら)はれて
139(ぜん)(あく)とを()()ける
140(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
141(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
142(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
143直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
144()(あやま)ちは()(なほ)
145三五教(あななひけう)(かみ)(みち)
146(あゆ)(われ)()逸早(いちはや)
147「ウントコドツコイ ドツコイシヨ」
148大蛇(をろち)(みたま)(きこ)えたる
149三公(さんこう)(はじ)与三公(よさこう)
150(その)()人々(ひとびと)(ことごと)
151(まこと)(みち)()()かし
152高天原(たかあまはら)神国(かみくに)
153「ウントコドツコイ」住人(ぢゆうにん)
154(すく)うてやらねばなるまいと
155(うま)れついての侠客(をとこだて)
156(こころ)(こま)(いさ)むまに
157(むち)うち(すす)膝栗毛(ひざくりげ)
158(すす)(われ)こそ(いさ)ましき
159あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
160御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
161(うた)(なが)(すす)()く。
162 黒姫(くろひめ)道々(みちみち)(うた)()す、163その(うた)
164黒姫(あや)聖地(せいち)(あと)にして
165(おい)年波(としなみ)()()する
166大海原(おほうなばら)()(わた)
167波太平(なみたいへい)(うみ)()
168大小(だいせう)無数(むすう)島蔭(しまかげ)
169(みぎ)(ひだり)(くぐ)りつつ
170(まご)(ふさ)(よし)(さん)(にん)
171(たな)なし(ぶね)(あやつ)らせ
172(やうや)筑紫(つくし)(かみ)(しま)
173熊襲(くまそ)(くに)()(たか)
174建日(たけひ)(みなと)安着(あんちやく)
175高山峠(たかやまたうげ)()()えて
176岩石(がんせき)起伏(きふく)坂道(さかみち)
177(あし)(いた)めて(すす)()
178(とき)しもあれや虎公(とらこう)
179建日(たけひ)(みや)神司(かむづかさ)
180建国別(たけくにわけ)捨児(すてご)ぞと
181()言霊(ことたま)(みみ)すませ
182高山彦(たかやまひこ)のハズバンド
183(たづ)ぬる途中(とちう)(まは)(みち)
184建日(たけひ)(やかた)()()れば
185(たの)みの(つな)()()てて
186(なん)詮術(せんすべ)なくばかり
187(やかた)夫婦(ふうふ)慇懃(いんぎん)
188表門(おもてもん)(まで)見送(みおく)られ
189()つて(かへ)した(さか)(みち)
190()(くに)街道(かいだう)山口(やまぐち)
191(かず)(かぎ)りなき手長猿(てながざる)
192(ましら)(やつ)揶揄(からか)はれ
193早速(さそく)神智(しんち)(しぼ)()
194(やうや)(さる)をば()()らし
195()国都(くにみやこ)(いそ)がむと
196(すす)(をり)しも惟神(かむながら)
197(かみ)仕組(しぐみ)(あやつ)られ
198(まよ)()んだる丸木橋(まるきばし)
199(かみ)化身(けしん)(みちび)かれ
200向日峠(むかふたうげ)山麓(さんろく)
201(きた)(をり)しも乙女子(をとめご)
202(あし)もヒヨロヒヨロ(すす)()
203(にはか)(あは)れを(もよほ)して
204(せな)()(さす)(いたは)りつ
205様子(やうす)如何(いか)にと(たづ)ぬれば
206(あい)(かた)()遭難(さうなん)
207高山彦(たかやまひこ)諸共(もろとも)
208土中(どちう)(ふか)(うづ)められ
209()てさせ(たま)ふと()くよりも
210(こころ)(たちま)顛倒(てんたう)
211(むね)早鐘(はやがね)()(わた)
212()さへ(たて)さへ(たま)らなく
213(こころ)いらちて乙女子(をとめご)
214(せな)()ひつつ樟樹(くすのき)
215(もり)(やうや)辿(たど)()
216三人(みたり)男女(なんによ)(すく)()
217此処迄(ここまで)(すす)(きた)りたる
218黒姫司(くろひめつかさ)(うれ)しさよ
219天ケ下(あめがした)なる人草(ひとぐさ)
220(たがひ)(むつ)(した)しみて
221(たす)(みちび)(かみ)()
222御国(みくに)()めに真心(まごころ)
223(つく)さにやならぬ(かみ)(みや)
224(あい)(かた)(とら)さまの
225二人(ふたり)無事(ぶじ)(かほ)()
226(こころ)(いさ)()(いさ)
227大蛇(をろち)(みたま)三公(さんこう)
228(かみ)(をしへ)言霊(ことたま)
229言向(ことむ)(やは)(この)首途(かどで)
230()にも(たふと)(かぎ)りなり
231あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
232御霊(みたま)(さち)はひましまして
233(われ)()一行(いつかう)九人(くにん)()
234協心(けふしん)尽力(じんりよく)相結(あひむす)
235(まが)(とりで)進撃(しんげき)
236仁慈(じんじ)無限(むげん)大神(おほかみ)
237(たふと)御稜威(みいづ)(あら)はさむ
238あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
239御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
240(うた)(なが)(こころ)イソイソとして(すす)()く。
241大正一一・九・一五 旧七・二四 北村隆光録)
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