霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第35巻(戌の巻)
序文
総説歌
第1篇 向日山嵐
第1章 言の架橋
第2章 出陣
第3章 進隊詩
第4章 村の入口
第5章 案外
第6章 歌の徳
第7章 乱舞
第8章 心の綱
第9章 分担
第2篇 ナイルの水源
第10章 夢の誡
第11章 野宿
第12章 自称神司
第13章 山颪
第14章 空気焔
第15章 救の玉
第16章 浮島の花
第3篇 火の国都
第17章 霧の海
第18章 山下り
第19章 狐の出産
第20章 疑心暗狐
第21章 暗闘
第22章 当違
第23章 清交
第24章 歓喜の涙
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
サイトをリニューアルしました(
従来バージョンはこちら
)【新着情報】
(
サブスク
のお知らせ)
霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
>
第35巻(戌の巻)
> 第1篇 向日山嵐 > 第5章 案外
<<< 村の入口
(B)
(N)
歌の徳 >>>
第五章
案外
(
あんぐわい
)
〔九六九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第35巻 海洋万里 戌の巻
篇:
第1篇 向日山嵐
よみ(新仮名遣い):
むこうやまあらし
章:
第5章 案外
よみ(新仮名遣い):
あんがい
通し章番号:
969
口述日:
1922(大正11)年09月15日(旧07月24日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年12月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
黒姫たちの一行は大蛇の三公の館の表門に現れた。門番をしていた者たちは、生き埋めにしたはずの三人の男女が、敵対する虎公と一緒に子分たちや宣伝使も引き連れてやってきたのに肝をつぶし、真っ青な顔をしてぽかんとしている。
兼公は幽霊の真似をして親分の三公や幹部連に知らせるようにとおどかした。門番をしていた子分たちは驚いて、座敷に慌ただしく注進しに行った。兼公は遠慮もなく一同を導いて酒宴の場に乗り込んできた。
与三公、徳公は弱腰を抜かしてうろたえている。兼公は噴き出しそうになるのをこらえて作り声をし、幽霊気取りで恨みを述べて与三公をおどした。与三公は腰が抜けて真っ青な顔で両手を合わせて命乞いをしている。
虎公は吹きだして、幽霊ではないことを明かし、談判に来たことを告げた。徳公のふるえるさまやおかしな応対に、一同は笑い出してしまった。与三公と徳公は、虎公の気合を入れてもらってようやく腰が立つようになった。
そこへ大蛇の三公が、子分たちに酒肴を運ばせてやってきて、一同の前にきちんと座ると歓迎の口上を述べた。三公は、一行の姿が表門に見えただけで自分の身体から蛇が二三匹這い出し、逃げて行ったことを明かした。
三公が蛇を追って行くと、蛇はたちまち三匹の大蛇と変じ、向日峠の方面を指して逃げて行ったという。三公は、自分に憑依していた大蛇がお愛とお梅に悪を致したのだと言い、心から一同に許しを乞うた。
虎公をはじめ黒姫一行は、三五教の教えを普段から奉じているため、三公の詫びを入れて今までの恨みを流し、和気あいあいとして三公の客となった。三公の子分たちも酒宴のやり直しとなり、館はお祭り騒ぎとなってしまった。
三公は賓客のもてなしに全力を尽くしつつ宣伝歌を歌った。これまでに魔神に憑依されて体主霊従の限りを尽くしてきたことを恥じ、お愛に懸想して捕え、生き埋めにしようとしたことを懺悔した。
帰ってきてからは実は心の鬼に責められており、神前に罪を詫びていたところ、木花姫神の化身が現れ、生き埋めにした者たちは神の使いに救い出されてこの館にやってくることを告げられたという。
そして、三五の道に立ち返り今までの行いを改め、彼らを恭しく迎え出て共に手を取り合い、世人のために尽くすように、という託宣を受けたことを明かした。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-09-23 17:27:03
OBC :
rm3505
愛善世界社版:
48頁
八幡書店版:
第6輯 490頁
修補版:
校定版:
52頁
普及版:
17頁
初版:
ページ備考:
001
黒姫
(
くろひめ
)
の
一行
(
いつかう
)
九
(
く
)
人
(
にん
)
は、
002
漸
(
やうや
)
くにして
大蛇
(
をろち
)
の
三公
(
さんこう
)
が
表門
(
おもてもん
)
に
立
(
た
)
ち
現
(
あらは
)
れた。
003
門番
(
もんばん
)
をして
居
(
ゐ
)
た
二三
(
にさん
)
人
(
にん
)
の
若
(
わか
)
い
奴
(
やつ
)
、
004
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
に
埋
(
う
)
めて
置
(
お
)
いた
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
を
初
(
はじ
)
め、
005
名
(
な
)
を
聞
(
き
)
いても
恐
(
おそ
)
れて
居
(
ゐ
)
た
虎公
(
とらこう
)
が、
006
乾児
(
こぶん
)
を
引
(
ひ
)
きつれ
宣伝使
(
せんでんし
)
までも
伴
(
ともな
)
うてやつて
来
(
き
)
たのに
肝
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
し、
007
蒼白
(
まつさを
)
な
顔
(
かほ
)
をして
ポカン
と
眺
(
なが
)
めて
居
(
ゐ
)
る。
008
兼公
(
かねこう
)
は
妙
(
めう
)
な
手
(
て
)
つきをして
故意
(
わざ
)
とに
細
(
ほそ
)
い
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
し、
009
兼公
『ホーイホーイ、
010
源公
(
げんこう
)
の
奴
(
やつ
)
、
011
兼公
(
かねこう
)
さまが
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
たぞよ。
012
お
愛
(
あい
)
さまもお
梅
(
うめ
)
さまも
[
※
愛世版では「お愛さまもお梅さまも」だが、校定版では「お梅さま」が削除されている。ストーリー上は、お梅は生き埋めにされておらず、生き返ったというのはおかしいので「お梅さまも」を削除したか?
]
生還
(
いきかへ
)
り、
013
墓
(
はか
)
から
現
(
あら
)
はれて、
014
お
前
(
まへ
)
等
(
たち
)
の
素首
(
そつくび
)
を
貰
(
もら
)
ひに
来
(
き
)
たから
用意
(
ようい
)
をして
呉
(
く
)
れ。
015
余
(
あま
)
り
怨
(
うら
)
めしいので
肉体
(
にくたい
)
は
死
(
し
)
んだけれど
霊魂
(
みたま
)
が
生還
(
いきかへ
)
り、
016
言葉
(
ことば
)
のお
礼
(
れい
)
に
来
(
き
)
たのだから、
017
三公
(
さんこう
)
の
親分
(
おやぶん
)
を
初
(
はじ
)
め
与三公
(
よさこう
)
、
018
徳公
(
とくこう
)
、
019
高
(
たか
)
、
020
勘
(
かん
)
の
兄弟分
(
きやうだいぶん
)
にも
早
(
はや
)
く
知
(
し
)
らして
下
(
くだ
)
せえよ。
021
ヒユードロドロドロ……』
022
と
未
(
ま
)
だ
七
(
なな
)
つ
下
(
さが
)
りの
太陽
(
たいやう
)
がカンカンとして
居
(
ゐ
)
るのに、
023
亡者
(
まうじや
)
の
真似
(
まね
)
をして
門
(
もん
)
の
前
(
まへ
)
で
二三遍
(
にさんぺん
)
両
(
りやう
)
の
手
(
て
)
をシユウと
前
(
まへ
)
に
出
(
だ
)
し、
024
右
(
みぎ
)
に
左
(
ひだり
)
に
二三間
(
にさんげん
)
計
(
ばか
)
り
進退
(
しんたい
)
しながら
顰
(
しか
)
めた
顔
(
かほ
)
をして
見
(
み
)
せる。
025
源公
(
げんこう
)
外
(
ほか
)
二人
(
ふたり
)
の
乾児
(
こぶん
)
は
驚
(
おどろ
)
いて、
026
与三公
(
よさこう
)
、
027
徳公
(
とくこう
)
等
(
ら
)
が
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
ひ
喰
(
くら
)
うて
管
(
くだ
)
を
捲
(
ま
)
いて
居
(
ゐ
)
る
座敷
(
ざしき
)
に
慌
(
あわただ
)
しく
注進
(
ちゆうしん
)
する。
028
兼公
(
かねこう
)
は
勝手
(
かつて
)
知
(
し
)
つたる
館
(
やかた
)
の
内
(
うち
)
、
029
一同
(
いちどう
)
を
導
(
みちび
)
いて
遠慮
(
ゑんりよ
)
会釈
(
ゑしやく
)
もなく
酒宴
(
しゆえん
)
の
場
(
ば
)
に
乗込
(
のりこ
)
み
来
(
きた
)
る。
030
与三公
(
よさこう
)
、
031
徳公
(
とくこう
)
は
弱腰
(
よわごし
)
を
抜
(
ぬ
)
かし
狼狽
(
うろた
)
へ
廻
(
まは
)
る
可笑
(
をか
)
しさ、
032
吹
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
すばかり
思
(
おも
)
はるるをジツと
耐
(
こら
)
へ、
033
兼公
(
かねこう
)
は
尚
(
なほ
)
も
作
(
つく
)
り
声
(
ごゑ
)
、
034
兼公
『ホーイホーイ
与三
(
よさ
)
の
野郎
(
やらう
)
。
035
兄弟分
(
きやうだいぶん
)
の
交誼
(
よしみ
)
を
忘
(
わす
)
れ、
036
俺
(
おれ
)
の
首
(
くび
)
へ
不意
(
ふい
)
に
縄
(
なは
)
を
引
(
ひ
)
つかけ、
037
手足
(
てあし
)
を
縛
(
しば
)
り、
038
ようまあ
無残
(
むざん
)
にも
生埋
(
いきう
)
めにしよつたな。
039
これ
見
(
み
)
よ、
040
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
首
(
くび
)
が
長
(
なが
)
うなつたぞよー』
041
と
云
(
い
)
ひながら
無理
(
むり
)
に
首
(
くび
)
を
伸
(
の
)
ばして
見
(
み
)
せ、
042
眼
(
め
)
をクリクリさせ、
043
舌
(
した
)
を
思
(
おも
)
ひ
限
(
き
)
り
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
し、
044
両
(
りやう
)
の
手
(
て
)
を
怪
(
あや
)
しく
前
(
まへ
)
の
方
(
はう
)
へぶらさげ、
045
ビリビリ
慄
(
ふる
)
はせながら、
046
兼公
『ヒユードロドロドロ……』
047
与三公
(
よさこう
)
は
腰
(
こし
)
のぬけた
儘
(
まま
)
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せ、
048
与三公
『ヤア
兄貴
(
あにき
)
許
(
ゆる
)
して
呉
(
く
)
れ。
049
決
(
けつ
)
して
俺
(
おれ
)
が
殺
(
ころ
)
したのぢやない。
050
親分
(
おやぶん
)
の
云
(
い
)
ひつけだ。
051
俺
(
おれ
)
は
親分
(
おやぶん
)
にお
前
(
まへ
)
の
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
る
通
(
とほ
)
り、
052
助
(
たす
)
けてやつて
呉
(
く
)
れと
頼
(
たの
)
んだのだが、
053
如何
(
どう
)
しても
聞
(
き
)
いて
呉
(
く
)
れぬものだから、
054
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず
可憐
(
かはい
)
さうな
事
(
こと
)
をしたのだ。
055
何卒
(
どうぞ
)
堪忍
(
かんにん
)
して
呉
(
く
)
れ。
056
その
代
(
かは
)
りきつとお
前
(
まへ
)
の
冥福
(
めいふく
)
を
祈
(
いの
)
つてやる』
057
と
蒼白
(
まつさを
)
の
顔
(
かほ
)
をし、
058
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せて
慄
(
ふる
)
つて
居
(
ゐ
)
る
可笑
(
をか
)
しさ。
059
虎公
(
とらこう
)
は
吹
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
し、
060
虎公
『アハヽヽヽ、
061
オイ
与三
(
よさ
)
、
062
徳
(
とく
)
の
両人
(
りやうにん
)
、
063
些
(
ち
)
と
確
(
しつか
)
りせぬか。
064
幽霊
(
いうれい
)
でも
何
(
なん
)
でもないのだ。
065
正真
(
しやうしん
)
正銘
(
しやうめい
)
のピチピチした
男
(
をとこ
)
の
中
(
なか
)
の
男
(
をとこ
)
一匹
(
いつぴき
)
、
066
武野村
(
たけのむら
)
の
虎
(
とら
)
だ。
067
随分
(
ずゐぶん
)
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
にお
愛
(
あい
)
をしてやつて
呉
(
く
)
れて、
068
余
(
あま
)
り
有難
(
ありがた
)
いからお
礼
(
れい
)
に
来
(
き
)
たのだよ。
069
妹
(
いもうと
)
のお
梅
(
うめ
)
まで
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
に
預
(
あづか
)
つてほんとに
かつちけねえ
。
070
まあ
悠
(
ゆつく
)
りと
気
(
き
)
を
落
(
お
)
ちつけて、
071
虎公
(
とらこう
)
の
仰
(
おつ
)
しやる
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
かつしやい』
072
与三公
『これはこれは、
073
武野村
(
たけのむら
)
の
親分
(
おやぶん
)
で
御座
(
ござ
)
いましたか。
074
何卒
(
どうぞ
)
今
(
いま
)
までの
不都合
(
ふつがふ
)
は
水
(
みづ
)
に
流
(
なが
)
し、
075
命
(
いのち
)
だけは
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
せえませ』
076
虎公
『オイ、
077
与三
(
よさ
)
に
徳
(
とく
)
の
両人
(
りやうにん
)
、
078
手前
(
てまへ
)
は
睾丸
(
きんたま
)
をどうしたのか
一遍
(
いつぺん
)
見
(
み
)
せて
貰
(
もら
)
ひてえものだ』
079
徳公
『ハイハイ、
080
お
見
(
み
)
せ
申
(
まを
)
すは
易
(
やす
)
い
事
(
こと
)
でげすが、
081
余
(
あんま
)
りの
吃驚
(
びつくり
)
で
何処
(
どこ
)
かへ
転宅
(
てんたく
)
してしまひました。
082
……
睾丸
(
きんたま
)
の
奴
(
やつ
)
、
083
気
(
き
)
が
利
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
らあ。
084
虎公
(
とらこう
)
さまに
引張
(
ひつぱ
)
られては、
085
同
(
おな
)
じ
年
(
とし
)
に
生
(
うま
)
れた
親
(
おや
)
までが
苦
(
くる
)
しむと
思
(
おも
)
つて、
086
体
(
てい
)
好
(
よ
)
く
姿
(
すがた
)
をかくしよつた。
087
貴様
(
きさま
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
は
余程
(
よほど
)
気
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
奴
(
やつ
)
だ。
088
若
(
わか
)
い
時
(
とき
)
から
皺
(
しわ
)
だらけの
面
(
つら
)
しよつて
気
(
き
)
の
喰
(
く
)
はぬ
奴
(
やつ
)
だと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
たが、
089
こんな
時
(
とき
)
には
都合
(
つがふ
)
がよい。
090
何時
(
いつ
)
もしんなまくらな、
091
ブラブラとしやがつて
力
(
ちから
)
も
出
(
だ
)
しやがらぬが、
092
まさかの
時
(
とき
)
には
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
ふと
見
(
み
)
えるわい。
093
金剛
(
こんがう
)
不壊
(
ふゑ
)
の
宝珠
(
ほつしゆ
)
迄
(
まで
)
何処
(
どこ
)
かへいつた。
094
どつかへ
持
(
も
)
つて
逃
(
に
)
げよつたのかなア』
095
お
愛
(
あい
)
『ホヽヽヽヽ』
096
お
梅
(
うめ
)
『アー
可笑
(
をか
)
しい、
097
徳
(
とく
)
のをぢさま、
098
見
(
み
)
つともない。
099
そんな
処
(
ところ
)
早
(
はや
)
う
匿
(
かく
)
してお
呉
(
く
)
れ』
100
徳公
『ヘイ、
101
匿
(
かく
)
すれば、
102
かくれるものと
知
(
し
)
りながら、
103
出
(
で
)
るに
出
(
で
)
られぬ
狸
(
たぬき
)
の
睾丸
(
きんたま
)
、
104
アハヽヽヽ』
105
虎公
『どうだ、
106
与三
(
よさ
)
に
徳
(
とく
)
、
107
些
(
ち
)
つと
安心
(
あんしん
)
したか』
108
与三公
『
些
(
ち
)
つと
許
(
ばか
)
り
安心
(
あんしん
)
したやうです。
109
親分
(
おやぶん
)
、
110
誠
(
まこと
)
に
済
(
す
)
まねえが、
111
さつぱり
弱腰
(
よわごし
)
が
抜
(
ぬ
)
けて
仕舞
(
しま
)
つたのだから、
112
一
(
ひと
)
つ
腰
(
こし
)
を
揉
(
も
)
んで
下
(
くだ
)
せえな』
113
虎公
『エイ
厄介
(
やくかい
)
な
奴
(
やつ
)
だなア』
114
と
云
(
い
)
ひながら
後
(
うしろ
)
へ
廻
(
まは
)
り、
115
腰
(
こし
)
をグツと
抱
(
かか
)
へウンと
気合
(
きあひ
)
をかけると、
116
与三公
『アイタヽヽ、
117
アヽ、
118
これでどうやら
元
(
もと
)
の
鞘
(
さや
)
に
納
(
をさ
)
まつたらしい。
119
遉
(
さすが
)
は
親分
(
おやぶん
)
だ、
120
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
いやす』
121
徳公
『もしもし
親方
(
おやかた
)
、
122
徳公
(
とくこう
)
もどうか
一
(
ひと
)
つ
願
(
ねが
)
ひます。
123
如何
(
どう
)
にも
斯
(
か
)
うにもなりませぬわ』
124
虎公
『エヽ
幽霊
(
いうれい
)
を
按摩
(
あんま
)
と
間違
(
まちが
)
へやがつたな』
125
徳公
『
滅相
(
めつさう
)
な、
126
幽霊
(
いうれい
)
に
礼
(
れい
)
云
(
い
)
ふなんて、
127
そんな
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
はいりませぬ。
128
きつと
礼
(
れい
)
云
(
い
)
ふ
積
(
つも
)
りで
御座
(
ござ
)
いますから……アヽ
知
(
し
)
らぬ
間
(
ま
)
にちやんと
腰
(
こし
)
が
直
(
なほ
)
つて
居
(
ゐ
)
やがらア。
129
もう
斯
(
か
)
うなつちや
幽霊
(
いうれい
)
のやり
場
(
ば
)
がなくなつて
仕舞
(
しま
)
つた、
130
アハヽヽヽ』
131
斯
(
か
)
かる
処
(
ところ
)
へ
大蛇
(
をろち
)
の
三公
(
さんこう
)
は、
132
衣紋
(
えもん
)
を
整
(
ととの
)
へ
恭
(
うやうや
)
しく
四五
(
しご
)
人
(
にん
)
の
乾児
(
こぶん
)
に
酒肴
(
しゆかう
)
を
運
(
はこ
)
ばせ、
133
白扇
(
はくせん
)
をすぼめたまま
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
を
膝
(
ひざ
)
のあたりに
斜
(
ななめ
)
に
置
(
お
)
き、
134
静々
(
しづしづ
)
と
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
135
一同
(
いちどう
)
の
前
(
まへ
)
に
行儀
(
ぎやうぎ
)
よく
きちん
と
坐
(
すわ
)
り、
136
三公
『これはこれは
皆様
(
みなさま
)
、
137
よくこそ
入
(
い
)
らせられました。
138
三公
(
さんこう
)
誠
(
まこと
)
に
恐悦
(
きようえつ
)
至極
(
しごく
)
に
存
(
ぞん
)
じます。
139
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
御
(
ご
)
一行
(
いつかう
)
のお
姿
(
すがた
)
が
門前
(
もんぜん
)
にチラリと
見
(
み
)
えますや
否
(
いな
)
や、
140
この
三公
(
さんこう
)
の
体
(
からだ
)
より
小
(
ちひ
)
さき
蛇
(
へび
)
二三匹
(
にさんびき
)
這
(
は
)
ひ
出
(
だ
)
しました。
141
ハテ
不思議
(
ふしぎ
)
やと
眺
(
なが
)
めている
中
(
うち
)
、
142
その
小蛇
(
こへび
)
は
表門
(
おもてもん
)
さして
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
逃
(
に
)
げだす。
143
不思議
(
ふしぎ
)
の
事
(
こと
)
だと
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
つかけ
眺
(
なが
)
むれば、
144
忽
(
たちま
)
ち
変
(
かは
)
る
三匹
(
さんびき
)
の
大蛇
(
をろち
)
、
145
鎌首
(
かまくび
)
を
立
(
た
)
て
向日峠
(
むかふたうげ
)
の
方面
(
はうめん
)
さして
一目散
(
いちもくさん
)
にかけ
去
(
さ
)
りました。
146
昨日
(
きのふ
)
はお
愛
(
あい
)
様
(
さま
)
お
梅
(
うめ
)
様
(
さま
)
其
(
その
)
他
(
た
)
の
方々
(
かたがた
)
に
対
(
たい
)
し、
147
くだらぬ
意恨
(
ゐこん
)
より
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
の
事
(
こと
)
を
致
(
いた
)
しましたが
決
(
けつ
)
してこの
三公
(
さんこう
)
が
左様
(
さやう
)
の
悪事
(
あくじ
)
を
働
(
はたら
)
いたのではありませぬ。
148
私
(
わたくし
)
に
憑依
(
ひようい
)
して
居
(
ゐ
)
た
大蛇
(
をろち
)
の
奴
(
やつ
)
、
149
吾
(
わ
)
が
肉体
(
にくたい
)
を
使
(
つか
)
ひ、
150
あのやうな
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
むだう
)
を
致
(
いた
)
したので
御座
(
ござ
)
いますから、
151
何卒
(
なにとぞ
)
三五教
(
あななひけう
)
の
信者
(
しんじや
)
たる
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
、
152
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
此
(
こ
)
の
肉体
(
にくたい
)
の
罪
(
つみ
)
を
許
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さいませ。
153
屹度
(
きつと
)
お
許
(
ゆる
)
し
下
(
くだ
)
さるに
間違
(
まちが
)
ひないと
確信
(
かくしん
)
致
(
いた
)
してお
目通
(
めどほ
)
り
致
(
いた
)
しました。
154
サア
何卒
(
なにとぞ
)
一献
(
いつこん
)
召
(
め
)
し
上
(
あが
)
り
下
(
くだ
)
さいませ』
155
虎公
『これはこれは
痛
(
いた
)
み
入
(
い
)
つたる
御
(
ご
)
挨拶
(
あいさつ
)
、
156
仰
(
あふ
)
せの
通
(
とほ
)
りで
御座
(
ござ
)
らう。
157
虎公
(
とらこう
)
は
大蛇
(
をろち
)
を
憎
(
にく
)
んで
三公
(
さんこう
)
を
憎
(
にく
)
まず、
158
マアマア
御
(
ご
)
安心
(
あんしん
)
なさいませ』
159
三公
『
皆様
(
みなさま
)
ようこそお
越
(
こ
)
し
下
(
くだ
)
さいました。
160
サア
何卒
(
どうぞ
)
、
161
汚穢
(
むさくる
)
しい
所
(
ところ
)
では
御座
(
ござ
)
いますが、
162
御緩
(
ごゆる
)
りとお
寛
(
くつろ
)
ぎ
下
(
くだ
)
さいまして、
163
三公
(
さんこう
)
が
寸志
(
すんし
)
の
御酒
(
ごしゆ
)
をお
上
(
あが
)
り
下
(
くだ
)
さるやうにお
願
(
ねが
)
ひ
致
(
いた
)
します』
164
黒姫
『ハイ
有難
(
ありがた
)
う。
165
サアサアお
愛
(
あい
)
さま。
166
お
梅
(
うめ
)
さま、
167
孫公
(
まごこう
)
、
168
何
(
なに
)
をまごまごして
居
(
を
)
るのだ。
169
サア
早
(
はや
)
く
上
(
あが
)
りなさい。
170
虎公
(
とらこう
)
さまの
乾児
(
こぶん
)
共
(
ども
)
、
171
お
前
(
まへ
)
も
一緒
(
いつしよ
)
に
上
(
あが
)
るんだよ……ヘイ
御免
(
ごめん
)
下
(
くだ
)
さいませ』
172
と
云
(
い
)
ひながら
黒姫
(
くろひめ
)
はズツと
奥
(
おく
)
に
通
(
とほ
)
る。
173
虎公
(
とらこう
)
外
(
ほか
)
一同
(
いちどう
)
も
黒姫
(
くろひめ
)
の
後
(
あと
)
に
従
(
したが
)
ひ、
174
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
に
蹄鉄形
(
ていてつがた
)
に
ずらり
と
座
(
ざ
)
を
占
(
し
)
めた。
175
大蛇
(
をろち
)
の
三公
(
さんこう
)
は
黒姫
(
くろひめ
)
以下
(
いか
)
一同
(
いちどう
)
に
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
障壁
(
しやうへき
)
を
除
(
と
)
つて、
176
誠意
(
せいい
)
を
籠
(
こ
)
め
酒肴
(
しゆかう
)
を
勧
(
すす
)
める。
177
黒姫
(
くろひめ
)
の
一行
(
いつかう
)
も
三五教
(
あななひけう
)
の
教
(
をしへ
)
を
遵奉
(
じゆんぽう
)
して
居
(
ゐ
)
るお
蔭
(
かげ
)
で、
178
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
恨
(
うら
)
みを
流
(
なが
)
れ
河
(
がは
)
で
尻
(
しり
)
を
洗
(
あら
)
つたやうに
ケロリ
と
忘
(
わす
)
れて
仕舞
(
しま
)
ひ、
179
和気
(
わき
)
靄々
(
あいあい
)
として
盃
(
さかづき
)
を
酌
(
く
)
み
交
(
かは
)
し、
180
他愛
(
たあい
)
もなく
吾
(
わが
)
家
(
や
)
に
帰
(
かへ
)
つたやうな
気分
(
きぶん
)
になつて、
181
或
(
あるひ
)
は
歌
(
うた
)
ひ
或
(
あるひ
)
は
舞
(
ま
)
ひ、
182
三公
(
さんこう
)
の
数百
(
すうひやく
)
人
(
にん
)
の
乾児
(
こぶん
)
も
座敷
(
ざしき
)
の
外
(
そと
)
の
庭
(
には
)
に
蓆
(
むしろ
)
を
敷
(
し
)
き、
183
再
(
ふたた
)
び
酒
(
さけ
)
の
飲
(
の
)
み
直
(
なほ
)
しをやり、
184
三公館
(
さんこうやかた
)
は
全
(
まつた
)
くのお
祭
(
まつ
)
り
騒
(
さわ
)
ぎと
一変
(
いつぺん
)
して
了
(
しま
)
つた。
185
三公
(
さんこう
)
は
珍客
(
ちんきやく
)
の
待遇
(
もてなし
)
に
全力
(
ぜんりよく
)
を
尽
(
つく
)
し、
186
打
(
う
)
ち
解
(
と
)
けて
色々
(
いろいろ
)
と
痒
(
かゆ
)
い
所
(
ところ
)
へ
手
(
て
)
の
届
(
とど
)
くやうな
接待
(
あしらひ
)
振
(
ぶ
)
りをやつて
居
(
ゐ
)
る。
187
三公
(
さんこう
)
の
歌
(
うた
)
、
188
三公
『
熊襲
(
くまそ
)
の
国
(
くに
)
に
隠
(
かく
)
れなき
189
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
の
容器
(
いれもの
)
と
190
もてはやされた
無頼漢
(
ならずもの
)
191
大蛇
(
をろち
)
の
三公
(
さんこう
)
と
名
(
な
)
を
呼
(
よ
)
ばれ
192
調子
(
てうし
)
に
乗
(
の
)
つてドシドシと
193
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
のありたけを
194
尽
(
つく
)
して
来
(
き
)
たのが
恥
(
はづ
)
かしい
195
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
の
分霊
(
わけみたま
)
196
醜
(
しこ
)
の
魔神
(
まがみ
)
に
憑依
(
ひようい
)
され
197
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
は
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
198
人
(
ひと
)
の
踏
(
ふ
)
むべき
道
(
みち
)
さへも
199
取
(
と
)
り
違
(
ちが
)
へたる
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
200
執着心
(
しふちやくしん
)
に
囚
(
とら
)
へられ
201
お
愛
(
あい
)
の
方
(
かた
)
に
懸想
(
けさう
)
して
202
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
村肝
(
むらきも
)
の
203
心
(
こころ
)
を
悩
(
なや
)
ませ
居
(
ゐ
)
たりしが
204
思
(
おも
)
ひは
募
(
つの
)
る
恋
(
こひ
)
の
暗
(
やみ
)
205
黒白
(
あやめ
)
も
分
(
わ
)
かずなり
果
(
は
)
てて
206
虎公
(
とらこう
)
さまの
留守宅
(
るすたく
)
を
207
狙
(
ねら
)
ひすまして
押
(
お
)
し
囲
(
かこ
)
み
208
お
愛
(
あい
)
の
方
(
かた
)
やお
梅
(
うめ
)
さま
209
繊弱
(
かよわ
)
き
女
(
をんな
)
を
引
(
ひ
)
つ
捕
(
とら
)
へ
210
人跡
(
じんせき
)
絶
(
た
)
えし
向日山
(
むかふやま
)
211
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
に
連
(
つ
)
れ
行
(
ゆ
)
きて
212
人
(
ひと
)
のなすべき
業
(
わざ
)
でない
213
悪虐
(
あくぎやく
)
無道
(
むだう
)
を
敢行
(
かんかう
)
し
214
勝鬨
(
かちどき
)
あげて
吾
(
わが
)
家
(
いへ
)
に
215
帰
(
かへ
)
りて
見
(
み
)
れば
村肝
(
むらきも
)
の
216
心
(
こころ
)
の
鬼
(
おに
)
に
責
(
せ
)
められて
217
夜
(
よ
)
も
碌々
(
ろくろく
)
に
寝
(
やす
)
まれず
218
その
苦
(
くる
)
しさに
三五
(
あななひ
)
の
219
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
220
体
(
からだ
)
を
清
(
きよ
)
め
口
(
くち
)
嗽
(
すす
)
ぎ
221
自
(
おの
)
が
犯
(
おか
)
せし
罪科
(
つみとが
)
を
222
詫
(
わ
)
ぶる
折
(
をり
)
しも
神殿
(
しんでん
)
に
223
現
(
あら
)
はれ
給
(
たま
)
ひし
神姿
(
かみすがた
)
224
木花姫
(
このはなひめ
)
の
御
(
おん
)
化身
(
けしん
)
225
言葉
(
ことば
)
静
(
しづか
)
に
宣
(
の
)
らすやう
226
お
愛
(
あい
)
お
梅
(
うめ
)
を
初
(
はじ
)
めとし
227
二人
(
ふたり
)
の
男
(
をとこ
)
は
三五
(
あななひ
)
の
228
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
黒姫
(
くろひめ
)
に
229
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
されて
明日
(
あす
)
の
日
(
ひ
)
は
230
必
(
かなら
)
ず
此処
(
ここ
)
に
来
(
きた
)
るべし
231
汝
(
なんぢ
)
は
今
(
いま
)
より
身
(
み
)
を
清
(
きよ
)
め
232
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
立
(
た
)
て
直
(
なほ
)
し
233
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
三五
(
あななひ
)
の
234
道
(
みち
)
にかへりて
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
235
悪
(
あ
)
しき
行
(
おこな
)
ひ
立
(
た
)
て
直
(
なほ
)
し
236
世人
(
よびと
)
の
鑑
(
かがみ
)
となれよかし
237
虎公
(
とらこう
)
お
愛
(
あい
)
を
初
(
はじ
)
めとし
238
黒姫司
(
くろひめつかさ
)
や
孫公
(
まごこう
)
を
239
御
(
おん
)
身
(
み
)
其
(
その
)
外
(
ほか
)
一同
(
いちどう
)
が
240
恭
(
うやうや
)
しくも
出
(
い
)
で
迎
(
むか
)
へ
241
互
(
たがひ
)
に
胸
(
むね
)
を
打
(
う
)
ちあけて
242
神
(
かみ
)
に
供
(
そな
)
へた
大神酒
(
おほみき
)
に
243
心
(
こころ
)
の
垢
(
あか
)
を
洗
(
あら
)
ひ
去
(
さ
)
り
244
互
(
たがひ
)
に
手
(
て
)
に
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
き
合
(
あ
)
うて
245
世人
(
よびと
)
のために
尽
(
つく
)
せよと
246
宣
(
の
)
らせたまひし
御
(
おん
)
言葉
(
ことば
)
247
夢
(
ゆめ
)
か
現
(
うつつ
)
か
夢
(
ゆめ
)
ならず
248
現
(
うつつ
)
にあらぬ
大神勅
(
おほみのり
)
249
悪虐
(
あくぎやく
)
無道
(
むだう
)
の
三公
(
さんこう
)
も
250
胸
(
むね
)
の
雲霧
(
くもきり
)
吹
(
ふ
)
き
散
(
ち
)
りて
251
今
(
いま
)
は
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
252
清
(
きよ
)
き
身魂
(
みたま
)
となりにけり
253
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
254
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちは
)
ひましまして
255
黒姫司
(
くろひめつかさ
)
は
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
256
虎公
(
とらこう
)
さまやお
愛
(
あい
)
さま
257
其
(
その
)
他
(
た
)
一同
(
いちどう
)
の
信徒
(
まめひと
)
と
258
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
道
(
みち
)
に
259
進
(
すす
)
みて
行
(
ゆ
)
かむ
吾
(
わ
)
が
心
(
こころ
)
260
完全
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
せ
261
国魂神
(
くにたまがみ
)
の
純世姫
(
すみよひめ
)
262
月照彦
(
つきてるひこ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
263
誠心
(
まごころ
)
籠
(
こ
)
めて
三公
(
さんこう
)
が
264
慎
(
つつし
)
み
誓
(
ちか
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る
265
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
266
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちは
)
ひましませよ』
267
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
268
一同
(
いちどう
)
に
恭
(
うやうや
)
しく
一礼
(
いちれい
)
して
下座
(
しもざ
)
につき
敬意
(
けいい
)
を
表
(
へう
)
せり。
269
(
大正一一・九・一五
旧七・二四
加藤明子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 村の入口
(B)
(N)
歌の徳 >>>
霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
>
第35巻(戌の巻)
> 第1篇 向日山嵐 > 第5章 案外
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第5章 案外|第35巻|海洋万里|霊界物語|/rm3505】
合言葉「みろく」を入力して下さい→