開くべき時世に逢ふて開かむと雪に埋もれまつ梅の花〈総説歌〉
世のさまを見る度ごとに聞くごとに涙の光かがやかむとすも〈総説歌〉
吹かば吹け醜の木枯強くともわれには春の備へこそあれ〈総説歌〉
三五の月の雲間を出でしより曲津の影は消え失せにける〈第2章(三版)〉
悪人も誠の道に向日山晴れて跡なき仇雲の幕〈第3章(三版)〉
只一人われ知る人の世にあらば神の御業もたやすく成らむを〈第4章〉
壊たれし宮居の跡にひれ伏して鳴く郭公声もかなしき〈第5章〉
心なき人と邪神の多くして伊都の御舎毀たれにける〈第5章〉
吾を知る人こそ数多ありぬれどわが魂を知る人は世になし〈第6章〉
宮原に若し三五の宮あらば醜の荒びもあらざらましを〈第8章〉
世の人の嵐に吹かれ舞ふさまは実にあやつり人形踊りかも〈第9章〉
生人形あまた並べてあし原の醜草村に蚯蚓なくなり〈第9章〉
曲津神神の教の子に怖ぢていのち限りに刃向ひ来たるも〈第9章〉
夜な夜なに詣でて熱き涙しぬ神座山の荒らされし跡に〈第11章〉
わが涙凝りては霖雨雪となり泉となりて御代を清めむ〈第11章〉
去り行きし人は怪しく思ふらむ神の御国のありしを知りて〈第12章〉
仇し野の千草八千草さやぐ世に月の影のみ独りさやけし〈第12章〉
あちこちと暇なき身も神のため世のため道のしるべするなり〈第12章〉
官能の微妙なるをののきは 吾が全身の生血を泡立たし
暗黒の中に輝く 静思の光明は
三五の月の空高し 暗黒の輝きは消え失せ
氷のやうな幻が 印象帯をかけまはる。〈第24章〉
[この余白歌は八幡書店版霊界物語収録の余白歌を参考に他の資料と付き合わせて作成しました]