霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第35巻(戌の巻)
序文
総説歌
第1篇 向日山嵐
第1章 言の架橋
第2章 出陣
第3章 進隊詩
第4章 村の入口
第5章 案外
第6章 歌の徳
第7章 乱舞
第8章 心の綱
第9章 分担
第2篇 ナイルの水源
第10章 夢の誡
第11章 野宿
第12章 自称神司
第13章 山颪
第14章 空気焔
第15章 救の玉
第16章 浮島の花
第3篇 火の国都
第17章 霧の海
第18章 山下り
第19章 狐の出産
第20章 疑心暗狐
第21章 暗闘
第22章 当違
第23章 清交
第24章 歓喜の涙
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
サイトをリニューアルしました(
従来バージョンはこちら
)【新着情報】
(
サブスク
のお知らせ)
霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
>
第35巻(戌の巻)
> 第3篇 火の国都 > 第22章 当違
<<< 暗闘
(B)
(N)
清交 >>>
第二二章
当違
(
あてちがひ
)
〔九八六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第35巻 海洋万里 戌の巻
篇:
第3篇 火の国都
よみ(新仮名遣い):
ひのくにみやこ
章:
第22章 当違
よみ(新仮名遣い):
あてちがい
通し章番号:
986
口述日:
1922(大正11)年09月17日(旧07月26日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年12月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
火の国の都の高山彦の門前に、房公と芳公はたどり着いて門番に取次を頼んだ。門番の軽公は、神の大道を明らかにした人のみがこの門を通ることができると歌で返した。おかしな歌のやり取りの末、二人は門を開けてもらい中に進み入った。
房公は早速館の受付に、自分たちが三五教の黒姫の共の者であることを告げると、館の主人の高山彦に取り次ぐようにと依頼した。受付の玉公は、当然見ず知らずの二人を奥へ通そうとしない。
二人は、黒姫が高山彦の妻であることから、どうしても会いたいと談判し始めた。玉公は、主人の高山彦はまだ若い年であり、三五教の黒姫と夫婦であるはずがないと笑って取り合わない。
そこへ奥から一弦琴の音色と共に、この家の女主人である高山彦の妻・愛子姫の歌が聞こえてきた。その歌には、自分が神素盞嗚大神の娘であり、夫である高国別は高山彦と名を変えて今に至ることを伝えていた。
房公と芳公はこの歌を聞いて、火の国の神司・高山彦とは本名・高国別であり、黒姫の夫の高山彦とは別人であることに気が付いてきた。
玉公によると、火の国の神館は天教山の八島別夫婦が守っていたが、神命によって天教山に戻り、後には素盞嗚尊が連れてきた、天照大御神の厳の御霊である活津彦根命が就き、素盞嗚尊の娘・愛子姫を妻として治めているのだ、と説明した。
房公と芳公は、黒姫の夫探しの旅がまったくの人違いであることを悟った。二人は玉公にお礼を述べると、このことを黒姫に報せようと一目散に館を飛び出して行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-10-02 12:20:40
OBC :
rm3522
愛善世界社版:
259頁
八幡書店版:
第6輯 563頁
修補版:
校定版:
274頁
普及版:
100頁
初版:
ページ備考:
001
火
(
ひ
)
の
国都
(
くにみやこ
)
の
高山彦
(
たかやまひこ
)
の
門前
(
もんぜん
)
に
現
(
あら
)
はれた
二人
(
ふたり
)
の
男
(
をとこ
)
、
002
こは
云
(
い
)
はずと
知
(
し
)
れた
房公
(
ふさこう
)
、
003
芳公
(
よしこう
)
の
両人
(
りやうにん
)
であつた。
004
房公
『もしもし
門番
(
もんばん
)
様
(
さま
)
、
005
何卒
(
どうぞ
)
通
(
とほ
)
して
下
(
くだ
)
さいませ』
006
門番
(
もんばん
)
の
軽公
(
かるこう
)
は
門内
(
もんない
)
より、
007
軽公
『
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
の
岩戸
(
いはと
)
の
締
(
しま
)
りたる
008
曲津
(
まがつ
)
の
通
(
とほ
)
る
門口
(
もんぐち
)
でなし。
009
心
(
こころ
)
より
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
を
明
(
あき
)
らめよ
010
天ケ下
(
あめがした
)
には
妨
(
さまた
)
げもなし。
011
此
(
この
)
門
(
もん
)
は
心
(
こころ
)
正
(
ただ
)
しき
人々
(
ひとびと
)
の
012
大手
(
おほて
)
拡
(
ひろ
)
げて
通
(
とほ
)
る
門口
(
もんぐち
)
。
013
わが
胸
(
むね
)
の
門
(
もん
)
を
開
(
ひら
)
けば
忽
(
たちま
)
ちに
014
これの
鉄門
(
かなど
)
は
自
(
おのづか
)
ら
開
(
あ
)
く』
015
房公
(
ふさこう
)
は
外
(
そと
)
より、
016
房公
『
洒落
(
しやれ
)
た
事
(
こと
)
言
(
い
)
ふ
門番
(
もんばん
)
が
守
(
まも
)
り
居
(
を
)
る
017
困
(
こま
)
つた
もん
に
突
(
つ
)
き
当
(
あた
)
りける』
018
芳公
(
よしこう
)
は
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ふ。
019
芳公
『
よし
吾
(
われ
)
を
卑
(
いや
)
しきものと
見
(
み
)
るとても
020
かる
く
開
(
ひら
)
けよ
神
(
かみ
)
の
鉄門
(
かなど
)
を。
021
よし
もなき
事
(
こと
)
に
暇
(
いとま
)
を
潰
(
つぶ
)
すより
022
心
(
こころ
)
の
門
(
もん
)
を
開
(
ひら
)
き
通
(
とほ
)
せよ。
023
吾
(
われ
)
こそは
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
の
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
よ
024
神
(
かみ
)
の
通
(
かよ
)
はぬ
門口
(
もんぐち
)
なき
筈
(
はず
)
。
025
皇神
(
すめかみ
)
の
任
(
よさ
)
しの
儘
(
まま
)
に
渡
(
わた
)
り
来
(
く
)
る
026
疎略
(
おろそか
)
にすな
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御子
(
みこ
)
を』
027
軽公
(
かるこう
)
は
門内
(
もんない
)
より、
028
軽公
『
軽々
(
かるがる
)
しくどうして
鉄門
(
かなど
)
が
開
(
ひら
)
かりよか
029
曲
(
まが
)
の
猛
(
たけ
)
びの
強
(
つよ
)
き
世
(
よ
)
なれば。
030
曲神
(
まがかみ
)
が
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
となりすまし
031
人
(
ひと
)
を
誑
(
たば
)
かる
闇
(
やみ
)
の
世
(
よ
)
なれば』
032
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
より
房公
(
ふさこう
)
の
声
(
こゑ
)
、
033
房公
『
躊躇
(
ためら
)
ふな
吾
(
われ
)
は
頭
(
あたま
)
てらす
大御神
(
おほみかみ
)
034
栄
(
さか
)
えの
門
(
もん
)
を
開
(
ひら
)
く
神
(
かみ
)
なり』
035
軽公
(
かるこう
)
門内
(
もんない
)
より、
036
軽公
『いざさらば
頭
(
あたま
)
てらします
大御神
(
おほみかみ
)
037
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
へこれの
鉄門
(
かなど
)
を』
038
と
詠
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
039
閂
(
かんぬき
)
をガタリと
外
(
はづ
)
し、
040
門
(
もん
)
を
左右
(
さいう
)
にパツと
開
(
ひら
)
けば、
041
房公
(
ふさこう
)
、
042
芳公
(
よしこう
)
は
軽
(
かる
)
く
目礼
(
もくれい
)
し、
043
足
(
あし
)
も
軽
(
かる
)
げに
奥
(
おく
)
へ
奥
(
おく
)
へと
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
044
玄関
(
げんくわん
)
の
受付
(
うけつけ
)
には、
045
五十
(
ごじふ
)
恰好
(
かつかう
)
の、
046
顔
(
かほ
)
の
少
(
すこ
)
し
細長
(
ほそなが
)
い
男
(
をとこ
)
が
控
(
ひか
)
へて
居
(
ゐ
)
る。
047
房公
(
ふさこう
)
『
私
(
わたし
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
黒姫
(
くろひめ
)
のお
供
(
とも
)
をして
此処迄
(
ここまで
)
参
(
まゐ
)
つた
房公
(
ふさこう
)
と
申
(
まを
)
すもので
御座
(
ござ
)
いますが、
048
黒姫
(
くろひめ
)
さまは
此方
(
こちら
)
へお
世話
(
せわ
)
になつて
居
(
を
)
られますかな』
049
受付(玉公)
『
三五教
(
あななひけう
)
の
黒姫
(
くろひめ
)
様
(
さま
)
と
云
(
い
)
へば、
050
随分
(
ずゐぶん
)
黄金
(
わうごん
)
の
玉
(
たま
)
で
名
(
な
)
の
知
(
し
)
れた
宣伝使
(
せんでんし
)
だが、
051
未
(
ま
)
だ
此方
(
こちら
)
へはお
見
(
み
)
えになつて
居
(
を
)
りませぬよ』
052
房公
『
当館
(
たうやかた
)
の
主人
(
しゆじん
)
は、
053
矢張
(
やはり
)
高山彦
(
たかやまひこ
)
と
申
(
まを
)
すお
方
(
かた
)
で
御座
(
ござ
)
いますか』
054
受付(玉公)
『
左様
(
さやう
)
で
御座
(
ござ
)
います。
055
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
は
高山彦
(
たかやまひこ
)
、
056
奥様
(
おくさま
)
は
愛子姫
(
あいこひめ
)
と
申
(
まを
)
す
立派
(
りつぱ
)
な
神司
(
かむつかさ
)
で
御座
(
ござ
)
います』
057
房公
『
高山彦
(
たかやまひこ
)
様
(
さま
)
は
御
(
ご
)
在宅
(
ざいたく
)
ですか。
058
一寸
(
ちよつと
)
お
伺
(
うかが
)
ひ
致
(
いた
)
し
度
(
た
)
う
御座
(
ござ
)
いますが……』
059
と
意味
(
いみ
)
ありげに
云
(
い
)
ふ。
060
受付(玉公)
『
私
(
わたし
)
は
受付
(
うけつけ
)
の
玉公
(
たまこう
)
と
申
(
まを
)
しますが、
061
何
(
なん
)
でも
高山彦
(
たかやまひこ
)
の
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
は、
062
今朝
(
けさ
)
早々
(
さうさう
)
何処
(
どこ
)
かへ
修行
(
しうげふ
)
にお
越
(
こ
)
しになつたと
聞
(
き
)
いて
居
(
を
)
ります。
063
乍併
(
しかしながら
)
受付
(
うけつけ
)
の
吾々
(
われわれ
)
は
詳
(
くは
)
しい
事
(
こと
)
は
存
(
ぞん
)
じませぬ』
064
房公
『
何卒
(
どうぞ
)
すみませぬが、
065
高山彦
(
たかやまひこ
)
様
(
さま
)
がお
留守
(
るす
)
ならば、
066
一寸
(
ちよつと
)
奥様
(
おくさま
)
に
会
(
あ
)
はして
下
(
くだ
)
さる
訳
(
わけ
)
にはいけますまいか。
067
いづれ
後
(
あと
)
から
高山彦
(
たかやまひこ
)
様
(
さま
)
の
前
(
まへ
)
の
奥
(
おく
)
さまが
見
(
み
)
えますから、
068
それ
以前
(
いぜん
)
に
一寸
(
ちよつと
)
お
目
(
め
)
に
掛
(
かか
)
つて
御
(
お
)
伺
(
うかが
)
ひして
置
(
お
)
けば、
069
前
(
まへ
)
以
(
もつ
)
て
円満
(
ゑんまん
)
解決
(
かいけつ
)
の
曙光
(
しよくわう
)
を
認
(
みと
)
め
得
(
う
)
るものと
存
(
ぞん
)
じますから、
070
何
(
なん
)
とか
一
(
ひと
)
つ
取
(
と
)
りもつて
下
(
くだ
)
さいな』
071
玉公
『
滅相
(
めつさう
)
もない。
072
主人
(
しゆじん
)
の
御
(
ご
)
不在中
(
ふざいちゆう
)
に
奥様
(
おくさま
)
が
男
(
をとこ
)
の
方
(
かた
)
に
御
(
ご
)
対面
(
たいめん
)
は
遊
(
あそ
)
ばしませぬ。
073
残念
(
ざんねん
)
ながら
何卒
(
どうぞ
)
諦
(
あきら
)
めて
下
(
くだ
)
さいませ。
074
さうして
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
様
(
さま
)
の
前
(
まへ
)
の
奥様
(
おくさま
)
とは、
075
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふお
方
(
かた
)
で
御座
(
ござ
)
いますか』
076
房公
(
ふさこう
)
は
少
(
すこ
)
しく
胸
(
むね
)
を
張
(
は
)
り、
077
切
(
き
)
り
口上
(
こうじやう
)
にて、
078
房公
『
勿体
(
もつたい
)
なくも
三五教
(
あななひけう
)
の
大
(
だい
)
宣伝使
(
せんでんし
)
黒姫
(
くろひめ
)
様
(
さま
)
で
御座
(
ござ
)
る。
079
吾々
(
われわれ
)
は
其
(
その
)
黒姫
(
くろひめ
)
様
(
さま
)
の
股肱
(
ここう
)
の
臣
(
しん
)
で
御座
(
ござ
)
るから
鄭重
(
ていちよう
)
にお
待遇
(
もてなし
)
なさるが
宜
(
よ
)
からう。
080
如何
(
いか
)
に
愛子姫
(
あいこひめ
)
様
(
さま
)
だとて
此
(
この
)
事
(
こと
)
をお
聞
(
き
)
きになれば、
081
お
会
(
あ
)
ひにならぬと
云
(
い
)
ふ
訳
(
わけ
)
には
参
(
まゐ
)
りますまい』
082
と
肩肱
(
かたひぢ
)
怒
(
いか
)
らし
禿頭
(
はげあたま
)
に
湯気
(
ゆげ
)
を
立
(
た
)
て、
083
章魚
(
たこ
)
が
裃
(
かみしも
)
着
(
き
)
た
様
(
やう
)
な
恰好
(
かつかう
)
で、
084
肩
(
かた
)
を
四角
(
しかく
)
に
固
(
かた
)
くなつて
居
(
ゐ
)
る。
085
玉公
『ハヽヽヽヽ、
086
そりや
大変
(
たいへん
)
な
大間違
(
おほまちが
)
ひぢやありませぬか。
087
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
の
高山彦
(
たかやまひこ
)
様
(
さま
)
はまだお
年
(
とし
)
がお
若
(
わか
)
い
屈強盛
(
くつきやうざか
)
りです。
088
さうして
愛子姫
(
あいこひめ
)
様
(
さま
)
をお
迎
(
むか
)
へ
遊
(
あそ
)
ばしたのが、
089
女
(
をんな
)
をお
持
(
も
)
ちになつた
最初
(
さいしよ
)
だと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
ですから、
090
そんな
年
(
とし
)
をとつたお
婆
(
ば
)
アさまを
女房
(
にようばう
)
に
持
(
も
)
つて
居
(
を
)
られる
筈
(
はず
)
はありませぬ。
091
何
(
なに
)
かのお
間違
(
まちが
)
ひでせう』
092
房公
『アハヽヽヽ、
093
何
(
なん
)
とまア
上
(
うへ
)
から
下
(
した
)
までよう
腹
(
はら
)
を
合
(
あは
)
したものだなア。
094
万里
(
ばんり
)
の
波濤
(
はたう
)
を
越
(
こ
)
えて、
095
遥々
(
はるばる
)
と
夫
(
をつと
)
の
後
(
あと
)
を
慕
(
した
)
ひ
探
(
たづ
)
ねて
御座
(
ござ
)
つた
貞淑
(
ていしゆく
)
な
黒姫
(
くろひめ
)
さまを
袖
(
そで
)
にして、
096
若
(
わか
)
い
女
(
をんな
)
を
女房
(
にようばう
)
に
持
(
も
)
ち、
097
面白
(
おもしろ
)
可笑
(
をか
)
しく
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
渡
(
わた
)
らうとは
狡
(
ずる
)
い
量見
(
りやうけん
)
だ。
098
高山彦
(
たかやまひこ
)
さまも
余程
(
よほど
)
堕落
(
だらく
)
をしたものだなア。
099
六十
(
ろくじふ
)
の
尻
(
しり
)
を
作
(
つく
)
り
乍
(
なが
)
らチツと
心得
(
こころえ
)
たら
好
(
よ
)
ささうなものだ。
100
若
(
わか
)
い
奥
(
おく
)
さまを
貰
(
もら
)
つて
若返
(
わかがへ
)
り
屈強盛
(
くつきやうざか
)
りの
壮年
(
さうねん
)
の
様
(
やう
)
になつたのかなア。
101
人間
(
にんげん
)
と
云
(
い
)
ふものは
心
(
こころ
)
の
持
(
も
)
ち
様
(
やう
)
が
肝腎
(
かんじん
)
だ。
102
然
(
しか
)
し
黒姫
(
くろひめ
)
さまは
何処
(
どこ
)
に
迷
(
まよ
)
うて
御座
(
ござ
)
るだらうか。
103
もしもこんな
処
(
ところ
)
へ
御
(
お
)
入来
(
いで
)
になつたらそれこそ
大変
(
たいへん
)
だがなア』
104
此
(
この
)
時
(
とき
)
一間
(
ひとま
)
を
隔
(
へだ
)
てて
聞
(
きこ
)
え
来
(
きた
)
る
一絃琴
(
いちげんきん
)
の
声
(
こゑ
)
、
105
歌
(
うた
)
の
主人
(
あるじ
)
は
此
(
この
)
家
(
や
)
の
女主人
(
をんなしゆじん
)
愛子姫
(
あいこひめ
)
である。
106
愛子姫
『
千早
(
ちはや
)
振
(
ふ
)
る
遠
(
とほ
)
き
神世
(
かみよ
)
の
昔
(
むかし
)
より
107
国治立
(
くにはるたちの
)
大神
(
おほかみ
)
は
108
天地
(
あめつち
)
四方
(
よも
)
の
神人
(
しんじん
)
を
109
いと
平
(
たひ
)
らけく
安
(
やす
)
らけく
110
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
に
救
(
すく
)
はむと
111
心
(
こころ
)
を
千々
(
ちぢ
)
に
配
(
くば
)
らせつ
112
夜
(
よる
)
と
昼
(
ひる
)
との
別
(
わか
)
ちなく
113
遠
(
とほ
)
き
近
(
ちか
)
きの
隔
(
へだ
)
てなく
114
高
(
たか
)
き
卑
(
いや
)
しき
押
(
おし
)
なべて
115
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
をたれ
給
(
たま
)
ひ
116
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
117
島
(
しま
)
の
八十島
(
やそしま
)
八十
(
やそ
)
の
国
(
くに
)
118
諸越山
(
もろこしやま
)
の
奥
(
おく
)
までも
119
開
(
ひら
)
かせ
給
(
たま
)
ふ
有難
(
ありがた
)
さ
120
吾
(
わが
)
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
は
天照
(
あまてらす
)
121
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御任
(
みまか
)
せる
122
五百津
(
いほつ
)
美須麻琉
(
みすまる
)
々々々々
(
みすまる
)
の
123
玉
(
たま
)
の
威徳
(
ゐとく
)
に
現
(
あ
)
れまして
124
活津彦根
(
いくつひこね
)
の
神
(
かみ
)
となり
125
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
126
御子
(
みこ
)
と
仕
(
つか
)
へて
天ケ下
(
あめがした
)
127
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
隈
(
くま
)
もなく
128
厳
(
いづ
)
の
教
(
をしへ
)
を
宣
(
の
)
べ
給
(
たま
)
ふ
129
高国別
(
たかくにわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
130
天教山
(
てんけうざん
)
より
降
(
くだ
)
ります
131
八島
(
やしま
)
の
別
(
わけ
)
や
敷妙姫
(
しきたへひめ
)
の
132
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
後
(
あと
)
襲
(
おそ
)
ひ
133
高山彦
(
たかやまひこ
)
と
名
(
な
)
を
変
(
か
)
へて
134
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
忍
(
しの
)
び
給
(
たま
)
ひつつ
135
五六七
(
みろく
)
の
御代
(
みよ
)
を
待
(
ま
)
ち
給
(
たま
)
ふ
136
神
(
かみ
)
の
御裔
(
みすゑ
)
ぞ
尊
(
たふと
)
けれ
137
妾
(
わらは
)
も
同
(
おな
)
じ
瑞御霊
(
みづみたま
)
138
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
139
生
(
うま
)
せ
給
(
たま
)
へる
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
140
愛子
(
あいこ
)
の
姫
(
ひめ
)
と
名乗
(
なの
)
りつつ
141
父
(
ちち
)
大神
(
おほかみ
)
の
御言
(
みこと
)
もて
142
メソポタミヤの
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
に
143
バラモン
教
(
けう
)
の
館
(
やかた
)
をば
144
建
(
た
)
てて
教
(
をしへ
)
を
開
(
ひら
)
くなる
145
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
曲神
(
まがかみ
)
が
146
御許
(
みもと
)
に
永
(
なが
)
く
隠
(
かく
)
れつつ
147
心
(
こころ
)
用
(
もち
)
ふる
折柄
(
をりから
)
に
148
太玉彦
(
ふとたまひこ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
149
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
りて
太玉
(
ふとたま
)
の
150
御稜威
(
みいづ
)
を
現
(
あら
)
はし
給
(
たま
)
ひしゆ
151
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
は
驚
(
おどろ
)
きて
152
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
逃
(
に
)
げ
去
(
さ
)
りぬ
153
妾
(
わらは
)
姉妹
(
おとどい
)
八
(
はち
)
人
(
にん
)
は
154
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
155
おのもおのもに
身
(
み
)
を
窶
(
やつ
)
し
156
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
157
四方
(
よも
)
に
伝
(
つた
)
ふる
折柄
(
をりから
)
に
158
魔神
(
まがみ
)
の
為
(
た
)
めに
妹
(
いもうと
)
は
159
なやまされつつ
波
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
160
遠
(
とほ
)
く
流
(
なが
)
れる
千万
(
ちよろづ
)
の
161
艱
(
なや
)
みを
凌
(
しの
)
ぎ
大神
(
おほかみ
)
の
162
大道
(
おほぢ
)
を
伝
(
つた
)
へ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
163
あゝ
健気
(
けなげ
)
なる
姉妹
(
おとどい
)
よ
164
今
(
いま
)
や
何処
(
いづく
)
の
野
(
の
)
に
山
(
やま
)
に
165
いとしき
妹
(
いも
)
は
逍遥
(
さまよ
)
ふか
166
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
167
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
はひて
168
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
姉妹
(
おとどい
)
が
169
無事
(
ぶじ
)
なる
顔
(
かほ
)
を
寄
(
よ
)
り
合
(
あは
)
せ
170
楽
(
たの
)
しむ
時
(
とき
)
を
松
(
まつ
)
の
世
(
よ
)
を
171
五六七
(
みろく
)
の
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
172
偏
(
ひとへ
)
に
願
(
ねが
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る
173
吾
(
わが
)
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
は
皇神
(
すめかみ
)
の
174
大御詔
(
おほみことのり
)
を
蒙
(
かかぶ
)
りて
175
桂
(
かつら
)
の
滝
(
たき
)
に
出
(
い
)
でましぬ
176
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
177
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
に
178
吾
(
わが
)
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
が
百日日
(
ももかひ
)
の
179
禊身
(
みそぎ
)
をやすく
済
(
す
)
ませかし
180
愛子
(
あいこ
)
の
姫
(
ひめ
)
は
謹
(
つつし
)
みて
181
清
(
きよ
)
き
玉琴
(
たまこと
)
かき
鳴
(
な
)
らし
182
すがすがしくも
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
183
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
184
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
185
と
歌
(
うた
)
ふ
声
(
こゑ
)
、
186
二人
(
ふたり
)
の
耳
(
みみ
)
に
透
(
す
)
き
通
(
とほ
)
る
様
(
やう
)
に
聞
(
きこ
)
え
来
(
きた
)
る。
187
芳公
『もしもし
玉公
(
たまこう
)
さま、
188
今
(
いま
)
のお
声
(
こゑ
)
は
愛子姫
(
あいこひめ
)
様
(
さま
)
ぢや
御座
(
ござ
)
いませぬか。
189
あのお
歌
(
うた
)
の
様子
(
やうす
)
では、
190
吾々
(
われわれ
)
の
御
(
ご
)
先生
(
せんせい
)
黒姫
(
くろひめ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
探
(
たづ
)
ね
遊
(
あそ
)
ばす、
191
高山彦
(
たかやまひこ
)
さまではない
様
(
やう
)
な
気
(
き
)
が
致
(
いた
)
しました。
192
一体
(
いつたい
)
此方
(
こちら
)
の
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
は
何処
(
どこ
)
から
御
(
お
)
入来
(
いで
)
になりましたか』
193
玉公
『
此
(
この
)
神館
(
かむやかた
)
は
二三
(
にさん
)
年前
(
ねんぜん
)
まで、
194
天教山
(
てんけうざん
)
より
降
(
くだ
)
りましたる
天使
(
てんし
)
八島別
(
やしまわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
御
(
ご
)
夫婦
(
ふうふ
)
がお
守
(
まも
)
りになつて
居
(
を
)
りましたが、
195
天教山
(
てんけうざん
)
より
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
お
越
(
こ
)
し
遊
(
あそ
)
ばし、
196
木花姫
(
このはなひめの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
の
御用
(
ごよう
)
が
忙
(
いそが
)
しいから、
197
元
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
く
天教山
(
てんけうざん
)
に
帰
(
かへ
)
つて
呉
(
く
)
れよとの
御
(
ご
)
神勅
(
しんちよく
)
で、
198
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
と
共
(
とも
)
に、
199
此
(
この
)
都
(
みやこ
)
をお
立
(
た
)
ち
退
(
の
)
き
遊
(
あそ
)
ばされ、
200
其
(
その
)
後
(
あと
)
へ
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
が
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
様
(
さま
)
の
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
と
生
(
あ
)
れませる
活津
(
いくつ
)
彦根
(
ひこねの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
を、
201
お
連
(
つ
)
れ
遊
(
あそ
)
ばして
御
(
お
)
入来
(
いで
)
になり、
202
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
様
(
さま
)
の
総領
(
そうりやう
)
息女
(
むすめ
)
の
愛子姫
(
あいこひめ
)
様
(
さま
)
を
妻
(
つま
)
となし、
203
お
帰
(
かへ
)
り
遊
(
あそ
)
ばしたので
御座
(
ござ
)
います。
204
他
(
ほか
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
とは
事変
(
ことか
)
はり、
205
随分
(
ずゐぶん
)
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
の
高
(
たか
)
い
神司
(
かむづかさ
)
で、
206
畢竟
(
つまり
)
生神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
で
御座
(
ござ
)
いますよ』
207
房公
『ハテナア、
208
何
(
なに
)
が
何
(
なん
)
だかサツパリ
訳
(
わけ
)
が
分
(
わか
)
らなくなつて
来
(
き
)
ました。
209
オイ
芳公
(
よしこう
)
、
210
コリヤ
一
(
ひと
)
つ
考
(
かんが
)
へねばなるまいぞ』
211
芳公
『まるで
火
(
ひ
)
の
国峠
(
くにたうげ
)
の
天狗
(
てんぐ
)
に
魅
(
つま
)
まれた
様
(
やう
)
な
話
(
はなし
)
だなア。
212
こりや
斯
(
か
)
うしては
居
(
を
)
られない、
213
黒姫
(
くろひめ
)
さまの
所在
(
ありか
)
を
探
(
さが
)
した
上
(
うへ
)
で
何
(
なん
)
とか
思案
(
しあん
)
をせにやなるまい……
玉公
(
たまこう
)
さま、
214
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
いました。
215
又
(
また
)
お
邪魔
(
じやま
)
を
致
(
いた
)
します。
216
奥様
(
おくさま
)
にも
宜
(
よろ
)
しく……』
217
と
云
(
い
)
ひ
捨
(
す
)
て
慌
(
あわただ
)
しく
蓑笠
(
みのかさ
)
をつけ
金剛杖
(
こんがうづゑ
)
をつき
乍
(
なが
)
ら
表門
(
おもてもん
)
指
(
さ
)
して
出
(
い
)
でて
行
(
ゆ
)
く。
218
(
大正一一・九・一七
旧七・二六
北村隆光
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 暗闘
(B)
(N)
清交 >>>
霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
>
第35巻(戌の巻)
> 第3篇 火の国都 > 第22章 当違
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第22章 当違|第35巻|海洋万里|霊界物語|/rm3522】
合言葉「みろく」を入力して下さい→