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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第35巻(戌の巻)
序文
総説歌
第1篇 向日山嵐
第1章 言の架橋
第2章 出陣
第3章 進隊詩
第4章 村の入口
第5章 案外
第6章 歌の徳
第7章 乱舞
第8章 心の綱
第9章 分担
第2篇 ナイルの水源
第10章 夢の誡
第11章 野宿
第12章 自称神司
第13章 山颪
第14章 空気焔
第15章 救の玉
第16章 浮島の花
第3篇 火の国都
第17章 霧の海
第18章 山下り
第19章 狐の出産
第20章 疑心暗狐
第21章 暗闘
第22章 当違
第23章 清交
第24章 歓喜の涙
余白歌
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霊界物語
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海洋万里(第25~36巻)
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第35巻(戌の巻)
> 第2篇 ナイルの水源 > 第12章 自称神司
<<< 野宿
(B)
(N)
山颪 >>>
第一二章
自称
(
じしよう
)
神司
(
かむづかさ
)
〔九七六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第35巻 海洋万里 戌の巻
篇:
第2篇 ナイルの水源
よみ(新仮名遣い):
ないるのすいげん
章:
第12章 自称神司
よみ(新仮名遣い):
じしょうかむづかさ
通し章番号:
976
口述日:
1922(大正11)年09月16日(旧07月25日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年12月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
四人は白山峠の山頂に到着した。そこからはスッポンの湖の一部が小さく見えた。三公はそれを見て両親への思いを述懐する。
孫公はふと、一行の中に宣伝使がいないことを不安に言い始めた。孫公と虎公は、宣伝使を選挙で決めようと掛け合いを始める。滑稽なやり取りをした後、虎公は孫公が臨時宣伝使となるべきだと告げる。
孫公は意気が上がり、仮にも宣伝使と認められたからには、神力を発現して大蛇退治の言霊戦に功を現さねばならないと、得意になって勇ましい宣伝歌を歌う。
しかしどこからともなく、中空より玉治別の宣伝歌が聞こえてきた。宣伝歌は、一行が神聖な宣伝使を冗談でも選挙で任命したことを厳しく戒めた。そして、孫公を宣伝使として前に立てようなどという心持を起こした虎公、お愛、三公にも厳しい注意を与えた。
四人は声の出所を求めてあたりの谷底を覗き込んでみたが、人の影も見当たらなかった。一行は白山峠の急坂を降って行く。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-09-27 11:23:07
OBC :
rm3512
愛善世界社版:
133頁
八幡書店版:
第6輯 520頁
修補版:
校定版:
141頁
普及版:
53頁
初版:
ページ備考:
001
白山峠
(
しらやまたうげ
)
の
山頂
(
さんちやう
)
に
漸
(
やうや
)
くにして
辿
(
たど
)
りついた
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
は、
002
峰
(
みね
)
の
嵐
(
あらし
)
に
吹
(
ふ
)
かれつつ
汗
(
あせ
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ひ
四方
(
よも
)
の
山野
(
さんや
)
を
心地
(
ここち
)
よげに
観望
(
くわんばう
)
しながら
小憩
(
せうけい
)
を
試
(
こころ
)
みてゐる。
003
遥
(
はる
)
かの
東北
(
とうほく
)
に
当
(
あた
)
つて、
004
白
(
しろ
)
く
光
(
ひか
)
つたものが
見
(
み
)
えてゐる。
005
それは
春公
(
はるこう
)
、
006
お
常
(
つね
)
が
大蛇
(
をろち
)
に
呑
(
の
)
まれた
思
(
おも
)
ひ
出
(
で
)
深
(
ふか
)
きスツポンの
湖
(
みづうみ
)
の
一部
(
いちぶ
)
である。
007
三公
(
さんこう
)
はその
湖
(
みづうみ
)
がフツと
目
(
め
)
につき
慨歎
(
がいたん
)
措
(
お
)
かざるものの
如
(
ごと
)
く、
008
三公
『
皆
(
みな
)
さま、
009
ズツと
向
(
むか
)
ふの
方
(
はう
)
に
幽
(
かす
)
かに
白
(
しろ
)
く
光
(
ひか
)
つてる
所
(
ところ
)
がありませう。
010
あれが
私
(
わたし
)
に
取
(
と
)
つては、
011
寝
(
ね
)
ても
起
(
お
)
きても
忘
(
わす
)
れ
難
(
がた
)
き、
012
両親
(
りやうしん
)
の
古戦場
(
こせんじやう
)
で
御座
(
ござ
)
います……』
013
と
言
(
い
)
つた
限
(
き
)
り、
014
差俯
(
さしうつ
)
むいて
落涙
(
らくるゐ
)
する。
015
孫公
(
まごこう
)
『なアんだ、
016
あんな
小
(
ち
)
つぽけな
湖
(
みづうみ
)
か。
017
仮令
(
たとへ
)
一杯
(
いつぱい
)
になつてゐた
所
(
ところ
)
で
知
(
し
)
れたものだ。
018
今度
(
こんど
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
と
一緒
(
いつしよ
)
だから
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だ。
019
メツタに
呑
(
の
)
まれるやうなこたアありますまい』
020
三公
(
さんこう
)
『イエイエ、
021
今
(
いま
)
見
(
み
)
る
様
(
やう
)
な
小
(
ちひ
)
さい
湖水
(
こすゐ
)
ぢやありませぬ。
022
山
(
やま
)
に
包
(
つつ
)
まれて
僅
(
わづか
)
に
其
(
その
)
一部
(
いちぶ
)
が
見
(
み
)
えてゐる
計
(
ばか
)
りです。
023
目
(
め
)
も
届
(
とど
)
かぬ
許
(
ばかり
)
の
大湖水
(
だいこすゐ
)
ですよ。
024
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても、
025
ナイル
河
(
がは
)
の
水源地
(
すゐげんち
)
ですから、
026
大変
(
たいへん
)
なものです。
027
皆
(
みな
)
さま、
028
是
(
これ
)
からシツカリ
腹帯
(
はらおび
)
をしめて
行
(
ゆ
)
きませう』
029
孫公
(
まごこう
)
『かう
云
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
に
本当
(
ほんたう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
が
一人
(
ひとり
)
あると、
030
大変
(
たいへん
)
都合
(
つがふ
)
が
好
(
よ
)
いのだけれどなア』
031
虎公
(
とらこう
)
『
孫公
(
まごこう
)
さま、
032
宣伝使
(
せんでんし
)
ぢやなかつたのか』
033
孫公
『
宣伝使
(
せんでんし
)
のお
供
(
とも
)
ですから
根
(
ね
)
つから
気
(
き
)
が
利
(
き
)
きませぬワイ。
034
併
(
しか
)
しながら
其
(
その
)
様
(
やう
)
な
名前
(
なまへ
)
がなくても
心
(
こころ
)
に
誠
(
まこと
)
さへあれば、
035
大蛇
(
をろち
)
は
十分
(
じふぶん
)
言向和
(
ことむけやは
)
す
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ませう。
036
名
(
な
)
は
実
(
じつ
)
の
賓
(
ひん
)
だから、
037
宣伝使
(
せんでんし
)
の
雅号
(
ががう
)
のみでは、
038
決
(
けつ
)
して
仕事
(
しごと
)
は
出来
(
でき
)
ませぬよ。
039
先
(
ま
)
づ
心細
(
こころぼそ
)
ければ、
040
あなた
方
(
がた
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
此
(
この
)
孫公
(
まごこう
)
を
何
(
なん
)
とかして
宣伝使
(
せんでんし
)
に
選挙
(
せんきよ
)
して
下
(
くだ
)
さい。
041
さうすれば
名実
(
めいじつ
)
相叶
(
あひかな
)
ふ
所
(
ところ
)
の
大活動
(
だいくわつどう
)
をやりますから……』
042
虎公
(
とらこう
)
『
名
(
な
)
は
実
(
じつ
)
の
主
(
ぬし
)
だから、
043
如何
(
どう
)
しても
名
(
な
)
がなくては
行
(
ゆ
)
くまい。
044
無名
(
むめい
)
の
戦
(
いくさ
)
になつて
了
(
しま
)
つちやつまらないからなア』
045
孫公
(
まごこう
)
『
有難
(
ありがた
)
い、
046
サア
普通
(
ふつう
)
選挙
(
せんきよ
)
だ。
047
誰
(
たれ
)
も
彼
(
かれ
)
も
選挙権
(
せんきよけん
)
があるのだから、
048
早
(
はや
)
く
投票
(
とうへう
)
をして
下
(
くだ
)
さい。
049
併
(
しか
)
しながら
無記名
(
むきめい
)
投票
(
とうへう
)
ですから、
050
其
(
その
)
御
(
お
)
考
(
かんが
)
へで
願
(
ねが
)
ひます』
051
虎公
(
とらこう
)
『
生憎
(
あひにく
)
用紙
(
ようし
)
もなければ、
052
投票函
(
とうへうばこ
)
もありませぬが、
053
如何
(
どう
)
したら
宜
(
よろ
)
しからう』
054
孫公
(
まごこう
)
『
先
(
ま
)
づ
選挙区
(
せんきよく
)
を
第一区
(
だいいつく
)
、
055
第二区
(
だいにく
)
、
056
第三区
(
だいさんく
)
と
分
(
わ
)
け、
057
私
(
わたし
)
が
候補者
(
こうほしや
)
に
立
(
た
)
ちますから、
058
どうぞ
口頭
(
こうとう
)
でも
宜
(
よろ
)
しい、
059
早
(
はや
)
く
選挙
(
せんきよ
)
の
開始
(
かいし
)
を
願
(
ねが
)
ひます』
060
虎公
(
とらこう
)
『
一票
(
いつぺう
)
に
幾
(
いく
)
ら
出
(
だ
)
しますか。
061
百
(
ひやく
)
円
(
ゑん
)
位
(
ぐらゐ
)
は
安
(
やす
)
いものでせう。
062
今
(
いま
)
一寸
(
ちよつと
)
衆議院
(
しうぎゐん
)
に
出
(
で
)
ようと
思
(
おも
)
へば、
063
少
(
すくな
)
くて
五万
(
ごまん
)
円
(
ゑん
)
、
064
多
(
おほ
)
くて
十万
(
じふまん
)
円
(
ゑん
)
は
要
(
い
)
りますからなア』
065
孫公
(
まごこう
)
『
代物
(
だいもつ
)
は
見
(
み
)
ての
御
(
お
)
帰
(
かへ
)
り、
066
選挙
(
せんきよ
)
して
見
(
み
)
て
値打
(
ねうち
)
がないと
見
(
み
)
たら、
067
御
(
お
)
取消
(
とりけし
)
になつても
差支
(
さしつかへ
)
ありませぬ。
068
そんなら
一層
(
いつそう
)
の
事
(
こと
)
投票
(
とうへう
)
なしに
口
(
くち
)
で
言
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さいな。
069
簡単
(
かんたん
)
で
物事
(
ものごと
)
が
埒
(
らち
)
よう
運
(
はこ
)
びますから……』
070
虎公
(
とらこう
)
『
投票
(
とうへう
)
を
省
(
はぶ
)
くなんて、
071
トヘウ
もない
事
(
こと
)
を
仰有
(
おつしや
)
いますなア。
072
そんなら
虎公
(
とらこう
)
が
宣伝使
(
せんでんし
)
の
立候補
(
りつこうほ
)
の
宣言
(
せんげん
)
致
(
いた
)
しますから、
073
どうぞ
皆
(
みな
)
さま、
074
貴重
(
きちよう
)
の
一票
(
いつぺう
)
をお
恵
(
めぐ
)
み
下
(
くだ
)
さいませ。
075
候補者
(
こうほしや
)
一人
(
ひとり
)
では
競争者
(
きやうさうしや
)
がなくて、
076
選挙
(
せんきよ
)
もサツパリ
張合
(
はりあひ
)
がない。
077
皆
(
みな
)
さま
何卒
(
どうぞ
)
私
(
わたし
)
に
選挙
(
せんきよ
)
を
願
(
ねが
)
ひます。
078
一票
(
いつぺう
)
は
私
(
わたし
)
の
縁故
(
えんこ
)
たるお
愛
(
あい
)
さまに
願
(
ねが
)
ひませう。
079
さうすればあと
一票
(
いつぺう
)
、
080
三
(
さん
)
対
(
たい
)
一
(
いち
)
によつて、
081
大勝利
(
だいしようり
)
ですから……』
082
孫公
(
まごこう
)
『
困
(
こま
)
つたなア、
083
三公
(
さんこう
)
が
投票
(
とうへう
)
して
呉
(
く
)
れた
所
(
ところ
)
で、
084
どちらも
同点数
(
どうてんすう
)
だ。
085
若
(
も
)
しさうなつた
時
(
とき
)
にはどうするのですか』
086
虎公
(
とらこう
)
『
年長者
(
ねんちやうしや
)
を
当選者
(
たうせんしや
)
ときめませうかい』
087
孫公
(
まごこう
)
『さうすると、
088
虎公
(
とらこう
)
さまは
幾
(
いく
)
つですか』
089
虎公
(
とらこう
)
『あなたよりも
二三
(
にさん
)
年
(
ねん
)
古
(
ふる
)
いやうです』
090
孫公
(
まごこう
)
『
困
(
こま
)
つたなア、
091
さうすると
戦
(
たたか
)
はずして
敗北
(
はいぼく
)
かなア。
092
エヽ
残念
(
ざんねん
)
な、
093
又
(
また
)
次期
(
じき
)
の
総選挙
(
そうせんきよ
)
か
解散
(
かいさん
)
があつた
時
(
とき
)
に
華々
(
はなばな
)
しく
名乗
(
なの
)
つて
出
(
で
)
る
事
(
こと
)
にしよう。
094
今度
(
こんど
)
は
断念
(
だんねん
)
致
(
いた
)
しませう。
095
さうすると
虎公
(
とらこう
)
さまの
一人
(
ひとり
)
舞台
(
ぶたい
)
だ、
096
仮令
(
たとへ
)
三公
(
さんこう
)
さまが
棄権
(
きけん
)
しようが、
097
私
(
わたし
)
が
棄権
(
きけん
)
しようが、
098
当選
(
たうせん
)
疑
(
うたがひ
)
なしといふものだ』
099
三公
(
さんこう
)
『コレ
孫公
(
まごこう
)
さま、
100
飽
(
あ
)
くまでも
選挙
(
せんきよ
)
場裡
(
ぢやうり
)
に
立
(
た
)
つて
戦
(
たたか
)
ひなさい。
101
三五教
(
あななひけう
)
には
退却
(
たいきやく
)
の
二字
(
にじ
)
はないぢやありませぬか。
102
及
(
およ
)
ばずながら
私
(
わたし
)
があなたを
選挙
(
せんきよ
)
します。
103
さうすれば
大多数
(
だいたすう
)
を
以
(
もつ
)
て
当選
(
たうせん
)
疑
(
うたがひ
)
なしです。
104
一人
(
ひとり
)
でも
三公
(
さんこう
)
だから
三票
(
さんぺう
)
は
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
ですよ、
105
アハヽヽヽ』
106
虎公
(
とらこう
)
『
全部
(
ぜんぶ
)
取消
(
とりけし
)
だ。
107
孫公
(
まごこう
)
さま、
108
臨時
(
りんじ
)
宣伝使
(
せんでんし
)
となつて
吾々
(
われわれ
)
を
導
(
みちび
)
いて
下
(
くだ
)
さい。
109
私
(
わたし
)
は
辞退
(
じたい
)
しておきますから……』
110
孫公
(
まごこう
)
『ヤア
有難
(
ありがた
)
い、
111
そんなら
只今
(
ただいま
)
より
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
孫公別
(
まごこうわけの
)
命
(
みこと
)
だからそのお
心組
(
つもり
)
で
願
(
ねが
)
ひます。
112
宣伝使
(
せんでんし
)
になつた
祝
(
いは
)
ひに、
113
一
(
ひと
)
つ
此
(
この
)
山上
(
さんじやう
)
で
言霊戦
(
ことたません
)
をやりませう。
114
政見
(
せいけん
)
発表
(
はつぺう
)
の
代
(
かは
)
りに
戦見
(
せんけん
)
発表
(
はつぺう
)
宣伝歌
(
せんでんか
)
をやりますから
謹聴
(
きんちやう
)
を
願
(
ねが
)
ひます………。
115
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
116
賢者
(
けんしや
)
と
愚者
(
ぐしや
)
を
立別
(
たてわ
)
ける
117
人
(
ひと
)
は
見
(
み
)
かけによらぬもの
118
黒姫司
(
くろひめつかさ
)
にケンケンと
119
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なにボヤかれて
120
馬鹿
(
ばか
)
な
男
(
をとこ
)
と
言
(
い
)
はれたる
121
孫公司
(
まごこうつかさ
)
も
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
も
122
まごまごしてはゐられない
123
心
(
こころ
)
の
奥
(
おく
)
のドン
底
(
ぞこ
)
に
124
人
(
ひと
)
にみえない
智慧
(
ちゑ
)
がある
125
智慧
(
ちゑ
)
の
光
(
ひかり
)
はいつまでも
126
隠
(
かく
)
れて
消
(
き
)
ゆるものでない
127
袋
(
ふくろ
)
の
中
(
なか
)
に
鋭利
(
えいり
)
なる
128
錐
(
きり
)
ある
時
(
とき
)
は
鋭脱
(
えいだつ
)
し
129
其
(
その
)
鋒鋩
(
ほうばう
)
は
現
(
あら
)
はれる
130
何
(
なん
)
にも
白山峠
(
しらやまたうげ
)
かと
131
思
(
おも
)
うて
来
(
き
)
たのにこれは
又
(
また
)
132
どうした
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
き
廻
(
まは
)
し
133
月
(
つき
)
にスツポン
湖
(
みづうみ
)
の
134
大蛇
(
をろち
)
の
奴
(
やつ
)
が
現
(
あら
)
はれて
135
三公
(
さんこう
)
の
親
(
おや
)
を
食
(
く
)
たおかげ
136
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
から
従
(
つ
)
いて
来
(
き
)
た
137
孫公司
(
まごこうつかさ
)
は
選
(
えら
)
まれて
138
思
(
おも
)
ひもよらぬ
宣伝使
(
せんでんし
)
139
こんな
嬉
(
うれ
)
しい
事
(
こと
)
はない
140
三公
(
さんこう
)
さまや
虎
(
とら
)
さまよ
141
お
前
(
まへ
)
は
神
(
かみ
)
か
竜神
(
りうじん
)
か
142
木
(
こ
)
の
花姫
(
はなひめ
)
か
知
(
し
)
らねども
143
余程
(
よつぽど
)
身魂
(
みたま
)
の
光
(
ひか
)
る
奴
(
やつ
)
144
三五教
(
あななひけう
)
の
黒姫
(
くろひめ
)
が
145
看破
(
かんぱ
)
し
得
(
え
)
ざりし
孫公
(
まごこう
)
の
146
此
(
この
)
神力
(
しんりき
)
を
認識
(
にんしき
)
し
147
全会
(
ぜんくわい
)
一致
(
いつち
)
の
勢
(
いきほ
)
ひで
148
選挙
(
せんきよ
)
したのは
偉
(
えら
)
い
奴
(
やつ
)
149
お
前
(
まへ
)
の
様
(
やう
)
な
選挙人
(
せんきよにん
)
150
世界
(
せかい
)
に
沢山
(
たくさん
)
あるなれば
151
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
の
悪政
(
あくせい
)
は
152
全
(
まつた
)
く
根絶
(
こんぜつ
)
するだらう
153
聖人
(
せいじん
)
賢人
(
けんじん
)
哲人
(
てつじん
)
は
154
野
(
の
)
に
埋
(
うづ
)
もれて
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
も
155
頭
(
あたま
)
あがらぬ
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
に
156
こりや
又
(
また
)
如何
(
どう
)
した
幸
(
さいは
)
ひか
157
孫公別
(
まごこうわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
158
神力
(
しんりき
)
示
(
しめ
)
すはこれからだ
159
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
160
神
(
かみ
)
は
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
と
倶
(
とも
)
にあり
161
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
162
三公
(
さんこう
)
さまが
両親
(
りやうしん
)
の
163
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
つて
鼈
(
すつぽん
)
の
164
湖
(
うみ
)
にひそめる
大蛇
(
をろち
)
奴
(
め
)
を
165
広大
(
くわうだい
)
無辺
(
むへん
)
の
神力
(
しんりき
)
の
166
備
(
そな
)
はりきつた
宣伝使
(
せんでんし
)
167
孫公別
(
まごこうわけ
)
が
現
(
あら
)
はれて
168
三公
(
さんこう
)
虎公
(
とらこう
)
お
愛
(
あい
)
をば
169
御
(
お
)
供
(
とも
)
の
神
(
かみ
)
と
定
(
さだ
)
めつつ
170
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くこそ
勇
(
いさ
)
ましき
171
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
172
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
173
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
174
辞職
(
じしよく
)
の
出来
(
でき
)
ない
宣伝使
(
せんでんし
)
175
握
(
にぎ
)
つた
上
(
うへ
)
は
放
(
はな
)
さない
176
其
(
その
)
執着
(
しふちやく
)
はスツポンが
177
かぶりついたる
如
(
ごと
)
くにて
178
如何
(
どう
)
しても
斯
(
か
)
うしても
放
(
はな
)
しやせぬ
179
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
180
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
常磐木
(
ときはぎ
)
の
181
松
(
まつ
)
の
神代
(
かみよ
)
がめぐり
来
(
き
)
て
182
世
(
よ
)
におちぶれた
孫公
(
まごこう
)
も
183
雲井
(
くもゐ
)
にぬき
出
(
で
)
た
白山
(
しらやま
)
の
184
此
(
この
)
絶頂
(
ぜつちやう
)
で
勇
(
いさ
)
ましく
185
神
(
かみ
)
の
使
(
つかひ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
186
任命
(
にんめい
)
されたる
上
(
うへ
)
からは
187
仮令
(
たとへ
)
野
(
の
)
の
末
(
すゑ
)
山
(
やま
)
の
奥
(
おく
)
188
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
や
獅子
(
しし
)
熊
(
くま
)
の
189
狂
(
くる
)
へる
野辺
(
のべ
)
も
厭
(
いと
)
ひなく
190
心
(
こころ
)
を
尽
(
つく
)
し
身
(
み
)
を
尽
(
つく
)
し
191
筑紫
(
つくし
)
の
島
(
しま
)
は
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
192
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
や
高砂
(
たかさご
)
の
193
島
(
しま
)
の
奥
(
おく
)
まで
乗込
(
のりこ
)
むで
194
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御光
(
みひかり
)
を
195
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
すは
目
(
ま
)
のあたり
196
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
197
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
198
何処
(
どこ
)
ともなく
中空
(
ちうくう
)
より
宣伝歌
(
せんでんか
)
の
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
え
来
(
きた
)
る。
199
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
不審
(
ふしん
)
の
眉
(
まゆ
)
をひそめながら、
200
耳
(
みみ
)
をすまして
聞
(
き
)
いてゐる。
201
(玉治別)
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
202
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
203
善
(
ぜん
)
に
見
(
み
)
えても
悪霊
(
あくみたま
)
204
悪
(
あく
)
に
見
(
み
)
えても
善
(
ぜん
)
の
魂
(
たま
)
205
心
(
こころ
)
は
捩
(
ね
)
ぢけ
智慧
(
ちゑ
)
曇
(
くも
)
り
206
一寸先
(
いつすんさき
)
の
分
(
わか
)
らない
207
凡夫
(
ぼんぶ
)
の
身魂
(
みたま
)
が
寄
(
よ
)
り
合
(
あ
)
うて
208
神
(
かみ
)
の
尊
(
たふと
)
き
宣伝使
(
せんでんし
)
209
選挙
(
せんきよ
)
するとは
何事
(
なにごと
)
ぞ
210
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
と
空蝉
(
うつせみ
)
の
211
人
(
ひと
)
の
心
(
こころ
)
は
裏表
(
うらおもて
)
212
如何
(
いか
)
に
選挙
(
せんきよ
)
に
当選
(
たうせん
)
し
213
月桂冠
(
げつけいくわん
)
を
得
(
え
)
たとても
214
神
(
かみ
)
が
許
(
ゆる
)
さにや
真実
(
しんじつ
)
の
215
誠
(
まこと
)
の
力
(
ちから
)
は
出
(
で
)
よまいぞ
216
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
217
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
も
白山
(
しらやま
)
の
218
此
(
この
)
絶頂
(
ぜつちやう
)
でいろいろと
219
心
(
こころ
)
を
砕
(
くだ
)
き
胸
(
むね
)
痛
(
いた
)
め
220
湖水
(
こすゐ
)
にひそむ
曲神
(
まがかみ
)
の
221
其
(
その
)
猛勢
(
まうせい
)
に
戦
(
をのの
)
いて
222
無道
(
むだう
)
の
選挙
(
せんきよ
)
をしたとても
223
微塵
(
みじん
)
も
効力
(
かうりよく
)
ない
程
(
ほど
)
に
224
何
(
いづ
)
れも
心
(
こころ
)
を
取直
(
とりなほ
)
し
225
早
(
はや
)
く
誠
(
まこと
)
に
立
(
たち
)
かへれ
226
屋方
(
やかた
)
の
村
(
むら
)
の
親分
(
おやぶん
)
と
227
羽振
(
はぶ
)
り
利
(
き
)
かした
三公
(
さんこう
)
も
228
武野
(
たけの
)
の
村
(
むら
)
の
虎公
(
とらこう
)
も
229
貴族
(
きぞく
)
生
(
うま
)
れのお
愛
(
あい
)
まで
230
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
酔
(
よ
)
つぱらひ
231
今
(
いま
)
は
全
(
まつた
)
く
山上
(
さんじやう
)
に
232
身魂
(
みたま
)
は
堕落
(
だらく
)
して
了
(
しま
)
うた
233
此
(
この
)
為体
(
ていたらく
)
でありながら
234
大蛇
(
をろち
)
の
潜
(
ひそ
)
むスツポンの
235
湖
(
うみ
)
に
向
(
むか
)
つて
言霊
(
ことたま
)
の
236
戦
(
たたか
)
ひせむとは
身知
(
みし
)
らずだ
237
命
(
いのち
)
知
(
し
)
らずの
侠客
(
けふかく
)
も
238
今
(
いま
)
は
命
(
いのち
)
が
惜
(
を
)
しうなつて
239
そんな
弱音
(
よわね
)
を
吹
(
ふ
)
くのだろ
240
弱音
(
よわね
)
ばかりか
臆病風
(
おくびやうかぜ
)
241
此
(
この
)
山頂
(
さんちやう
)
に
吹
(
ふ
)
いてゐる
242
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
偉
(
えら
)
さうに
243
肩肱
(
かたひぢ
)
いからし
大手
(
おほで
)
ふり
244
法螺
(
ほら
)
吹
(
ふ
)
き
廻
(
まは
)
つた
男達
(
をとこだて
)
245
何
(
なに
)
を
血迷
(
ちまよ
)
ひ
黒姫
(
くろひめ
)
の
246
愛想
(
あいさう
)
を
尽
(
つ
)
かした
孫公
(
まごこう
)
に
247
卑怯
(
ひけふ
)
未練
(
みれん
)
に
頼
(
たの
)
むぞや
248
少
(
すこ
)
しは
胸
(
むね
)
に
手
(
て
)
を
当
(
あ
)
てて
249
考
(
かんが
)
へ
直
(
なほ
)
してみるがよい
250
吾
(
われ
)
は
玉治別
(
たまはるわけ
)
司
(
つかさ
)
251
神
(
かみ
)
に
代
(
かは
)
つて
一同
(
いちどう
)
に
252
誠心
(
まことごころ
)
で
気
(
き
)
を
付
(
つ
)
ける
253
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
254
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
255
と
言
(
い
)
つたきり、
256
其
(
その
)
声
(
こゑ
)
はピタリと
止
(
と
)
まる。
257
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
声
(
こゑ
)
の
出所
(
でどころ
)
を
求
(
もと
)
めて、
258
彼方
(
あちら
)
此方
(
こちら
)
と
谷底
(
たにそこ
)
を
覗
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
んで
見
(
み
)
たが、
259
そこらに
人
(
ひと
)
らしき
者
(
もの
)
の
影
(
かげ
)
も
見
(
み
)
えなかつた。
260
ここに
一行
(
いつかう
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
白山峠
(
しらやまたうげ
)
の
急坂
(
きふはん
)
を
東北
(
とうほく
)
指
(
さ
)
して
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
261
(
大正一一・九・一六
旧七・二五
松村真澄
録)
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