霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第八章 曲輪城(まがわじやう)〔一三二三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第51巻 真善美愛 寅の巻 篇:第2篇 夢幻楼閣 よみ(新仮名遣い):むげんろうかく
章:第8章 曲輪城 よみ(新仮名遣い):まがわじょう 通し章番号:1323
口述日:1923(大正12)年01月26日(旧12月10日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年12月29日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫は妖幻坊を促し、浮木の里の入り口にある水音高い玉滝に立ち寄った。そこで曲輪の玉を漱ぎ洗ってみれば、玉はこうこうと輝きだした。高姫は眼を射られて目まいを起こし、その場にどっと倒れてしまった。
妖幻坊は高姫が失神した隙を伺い、妖術を使ってここに蜃気楼を現した。エルサレムの壮観に比べてもいく十倍とも知れないような驚くばかりの建築を、数多の魔神を使役して現出した。
いかに魔法を仕えても、神の形に造られた人間を使わなければ自分の計画は遂行できないとほくそ笑み、滝の清水をすくって高姫の口に含ませ、正気を取り戻させた。
妖幻坊は、杢助神司たる自分が瑞の御魂の宝を手に入れたからには、神の力を現してたちまち城郭を現すこともできると高姫に語りかけた。
高姫は感激し、これからは杢助と力を合わせて活動し、瑞の御霊や東野別らを驚かせ、アフンとさせてやろうとにわかに元気を盛り返し、楼閣の表門をくぐって奥殿指して進んで行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-08-09 18:56:52 OBC :rm5108
愛善世界社版:123頁 八幡書店版:第9輯 311頁 修補版: 校定版:125頁 普及版:59頁 初版: ページ備考:
001常世(とこよ)(くに)(うま)れたる
002常世(とこよ)(ひめ)再来(さいらい)
003(みづか)名乗(なの)高姫(たかひめ)
004地獄(ぢごく)中有(ちうう)娑婆(しやば)世界(せかい)
005ならぬ第二(だいに)地獄道(ぢごくだう)
006兇党界(きようたうかい)(わだか)まる
007金毛(きんまう)九尾(きうび)悪霊(あくれい)
008(その)(ほか)(もも)曲神(まがかみ)
009(みい)られ(ここ)両親(りやうしん)
010(すき)(うかが)ひアーメニヤ
011ソツとぬけ()でエルサレム
012(みやこ)()して(すす)()
013高宮姫(たかみやひめ)若盛(わかざか)
014東野別(あづまのわけ)とゆくりなく
015(あや)しき(なか)となり()てて
016()まで()したる恋仲(こひなか)
017北光神(きたてるがみ)(さへぎ)られ
018ここに生木(なまき)のさき(わか)
019高宮姫(たかみやひめ)()むを()
020彼方(あなた)此方(こなた)漂浪(さすらひ)
021(その)成果(なりはて)はバラモンの
022(かみ)(をしへ)やウラル(けう)
023三五教(あななひけう)()きかじり
024小才(こさい)()きし(ところ)より
025肉体界(にくたいかい)精霊(せいれい)
026(その)全身(ぜんしん)左右(さいう)され
027(なが)(なが)れてフサの(くに)
028北山村(きたやまむら)にウラナイの
029(をしへ)射場(いば)建設(けんせつ)
030股肱(ここう)(たの)黒姫(くろひめ)
031魔我彦(まがひこ)(その)()弟子(でし)(たち)
032()(つど)へつつ()(つき)
033変性(へんじやう)男子(なんし)系統(ひつぽう)
034()出神(でのかみ)生宮(いきみや)
035名乗(なの)りて世人(よびと)(あざむ)きつ
036(つひ)(すす)んで自転倒(おのころ)
037(しま)(わた)りていろいろと
038艱難(かんなん)辛苦(しんく)(その)結果(けつくわ)
039(かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)
040仁慈(じんじ)無限(むげん)御心(みこころ)
041感喜(かんき)(なみだ)(しぼ)りつつ
042(ここ)(こころ)(ひるがへ)
043三五教(あななひけう)(すく)はれて
044(かみ)(つかさ)()りけるが
045(また)もや兇霊(きようれい)(あざむ)かれ
046金剛(こんがう)不壊(ふゑ)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)
047黄金(こがね)(たま)(にぎ)らむと
048心猿(しんえん)意馬(いば)()()なく
049(くる)()したる果敢(はか)なさよ
050高砂島(たかさごじま)竜宮島(りうぐうじま)
051(しま)八十島(やそしま)八十(やそ)(くに)
052(めぐ)(めぐ)りて(すゑ)(つひ)
053我情(がじやう)我慢(がまん)後悔(こうくわい)
054(また)もや(ねこ)(ごと)くなり
055(あや)聖地(せいち)奉職(ほうしよく)
056(しばら)(みち)()きけるが
057淡路(あはぢ)酋長(しうちやう)東助(とうすけ)
058幼馴染(おさななじみ)恋人(こひびと)
059(わか)りし(のち)高姫(たかひめ)
060(こころ)(やみ)彷徨(さまよ)ひて
061(わが)()(たま)念頭(ねんとう)
062悉皆(しつかい)(はな)恋人(こひびと)
063(あと)(した)ひてはるばると
064山海(やまうみ)河野(かはの)打渡(うちわた)
065()()についでウブスナの
066大高原(だいかうげん)斎苑(いそ)(やかた)
067(かむ)素盞嗚(すさのを)(かく)れます
068高天原(たかあまはら)参上(まゐのぼ)
069東野別(あづまのわけ)懇々(こんこん)
070天地(てんち)道理(だうり)(さと)されて
071一度(いちど)悔悟(くわいご)せしものの
072(また)もや意馬(いば)(くる)()
073(この)失恋(しつれん)如何(いか)にして
074回復(くわいふく)せむかといらちつつ
075(こひ)(なみだ)にくれながら
076五十(ごじふ)()えた()(もつ)
077執念深(しふねんぶか)婆々(ばば)(いさ)
078(かぜ)()きすさび獅子(しし)(くま)
079(とら)(おほかみ)()えたける
080河鹿(かじか)(たうげ)をドンドンと
081(のぼ)りつ(くだ)りつ(やうや)くに
082(ほこら)(もり)()()れば
083こはそも如何(いか)()如何(いか)
084(した)磐根(いはね)宮柱(みやばしら)
085(ふと)しき()てて千木(ちぎ)(たか)
086(しづ)まりゐます皇神(すめかみ)
087(みづ)御舎(みあらか)拝観(はいくわん)
088ひそかに、うなづくほくそ(ゑみ)
089此処(ここ)()()河鹿山(かじかやま)
090斎苑(いそ)(やかた)喉首(のどくび)
091われは此所(ここ)にて一旗(ひとはた)
092()神風(かみかぜ)(なび)かせて
093数多(あまた)役員(やくゐん)信徒(しんと)()
094将棋倒(しやうぎだふ)しに()()せつ
095高姫(たかひめ)王国(わうごく)建設(けんせつ)
096三五教(あななひけう)(むか)()
097()()げくれむと(おも)()
098()出神(でのかみ)義理(ぎり)天上(てんじやう)
099変性(へんじやう)男子(なんし)系統(ひつぽう)
100(あら)はれ()でし高姫(たかひめ)
101天地(てんち)(ひら)けし(はじ)めより
102幾万劫(いくまんごふ)(すゑ)までも
103(もと)(つか)んだ因縁(いんねん)
104身魂(みたま)はわれよと頑張(ぐわんば)つて
105(ほこら)(もり)珍彦(うづひこ)
106(その)(ほか)(もも)(つかさ)()
107言葉(ことば)(たくみ)()()せて
108暴威(ばうゐ)(ふる)(にく)らしさ
109()かる(ところ)兇党界(きようたうかい)
110八岐(やまた)大蛇(をろち)片腕(かたうで)
111(あら)はれ()でし妖幻坊(えうげんぼう)
112高姫司(たかひめつかさ)悪心(あくしん)
113目敏(めざと)(さぐ)()(へん)
114斎苑(いそ)(やかた)杢助(もくすけ)
115(あら)はれ(きた)りウマウマと
116高姫司(たかひめつかさ)誑惑(きやうわく)
117(ここ)夫婦(ふうふ)(やく)(むす)
118(ほこら)(もり)()すわりて
119五六七(みろく)神政(しんせい)妨害(ばうがい)
120(ちから)(かぎ)りに遂行(すゐかう)
121大黒主(おほくろぬし)大望(たいまう)
122(たす)けむものと全力(ぜんりよく)
123(つく)してゐたる(をり)もあれ
124(おも)ひに(まか)せぬ珍彦(うづひこ)
125(つま)諸共(もろとも)毒殺(どくさつ)
126(たれ)(はばか)らぬ()となりて
127初心(しよしん)貫徹(くわんてつ)せむものと
128(たく)(をり)しも三五(あななひ)
129(をしへ)(みち)宣伝使(せんでんし)
130初稚姫(はつわかひめ)(あら)はれて
131(まが)(たく)みを洞察(どうさつ)
132()(へりくだ)両兇(りやうきよう)
133非望(ひばう)(さまた)善心(ぜんしん)
134(かへ)して(すく)(たす)けむと
135真心(まごころ)(つく)(たま)へども
136いかがはしけむ曲津見(まがつみ)
137(あか)(よご)れし醜魂(しこだま)
138(その)正体(しやうたい)暴露(ばくろ)をば
139(おそ)れて(いぬ)()はれつつ
140河鹿(かじか)(たうげ)をトントンと
141(ちから)(かぎ)りに()(いだ)
142(また)もや曲津(まがつ)妖幻坊(えうげんばう)
143高姫司(たかひめつかさ)(たぶら)かし
144小北(こぎた)(やま)聖場(せいぢやう)
145(のぼ)りてここに一仕組(ひとしぐみ)
146なさむと(おも)ひいろいろと
147よからぬ(こと)(たく)らみつ
148(つき)大神(おほかみ)霊光(れいくわう)
149()らされ(たちま)仰天(ぎやうてん)
150崎嶇(きく)たる岩上(がんじやう)顛落(てんらく)
151負傷(ふしやう)をなしてスゴスゴと
152此処(ここ)逃出(にげだ)(その)途端(とたん)
153曲輪(まがわ)(たから)紛失(ふんしつ)
154小北(こぎた)(やま)(あと)にして
155春草(はるくさ)()ゆる野路(のぢ)()
156怪志(あやし)(もり)此方(こなた)(まで)
157(きた)(をり)しも(みち)()
158(いし)(つまづ)きバツタリと
159(たふ)れて(ふところ)(しら)ぶれば
160妖幻坊(えうげんばう)変身(へんしん)
161魔法(まはふ)使(つか)品玉(しなだま)
162いつしか藻脱(もぬけ)(から)となり
163姿(すがた)()れぬ(かな)しさに
164大地(だいち)にドツカと胡床(あぐら)かき
165(うで)くみ思案(しあん)にくれゐたる
166かかる(ところ)(あと)()うて
167()つつき(きた)高姫(たかひめ)
168初公(はつこう)徳公(とくこう)両人(りやうにん)
169しばし(いき)をば(やす)めつつ
170肝腎要(かんじんかなめ)(たから)をば
171小北(こぎた)(やま)(おと)せしと
172妖幻坊(えうげんばう)のかこち(ごと)
173()くより高姫(たかひめ)いらだちて
174(はつ)(とく)二人(ふたり)命令(めいれい)
175曲輪(まがわ)(たから)取返(とりかへ)
176(きた)れと(きび)しく下知(げち)すれば
177主命(しゆめい)(こば)むに(よし)もなく
178(ふたた)小北(こぎた)聖場(せいぢやう)
179(しの)(かへ)りて受付(うけつけ)
180様子(やうす)いかにと(なが)むれば
181盲爺(めくらぢ)さまの文助(ぶんすけ)
182()をかきながら物語(ものがた)
183ブンブン(だま)因縁(いんねん)
184()くより二人(ふたり)はいろいろと
185言葉(ことば)(たくみ)()ひなして
186取返(とりかへ)さむと(おも)へども
187流石(さすが)文助(ぶんすけ)頑張(ぐわんば)りて
188容易(ようい)(わた)さぬもどかしさ
189二人(ふたり)(ここ)()(けつ)
190(たちま)()さまを突倒(つきたふ)
191(その)()(たま)をふんだくり
192(くも)(かすみ)(いた)(あし)
193無理(むり)(ひき)ずりドスドスと
194怪志(あやし)(もり)到着(たうちやく)
195妖幻坊(えうげんばう)高姫(たかひめ)
196()めの言葉(ことば)(いただ)いて
197笑壺(ゑつぼ)()りし(とき)もあれ
198(にはか)(きず)(いた)()
199モウ一歩(ひとあし)(すす)まねば
200ここに一夜(いちや)()かさむと
201()(にん)評議(ひやうぎ)一決(いつけつ)
202(はつ)(とく)二人(ふたり)(たちま)ちに
203白河(しらかは)夜船(よぶね)(ゆめ)うつつ
204四辺(あたり)(きこ)ゆる(たか)いびき
205()きすましたる高姫(たかひめ)
206妖幻坊(えうげんばう)(うなが)して
207(やみ)(さいは)ひドシドシと
208浮木(うきき)(さと)()して()
209浮木(うきき)(さと)入口(いりぐち)
210水音(みなおと)(たか)玉滝(たまたき)
211()つるを目当(めあて)立寄(たちよ)つて
212曲輪(まがわ)(たま)洗滌(せんでき)
213()れば曲輪(まがわ)皎々(かうかう)
214(かがや)()めて高姫(たかひめ)
215(まなこ)()られ眩暈(げんうん)
216(その)()にドツと(たふ)れける
217妖幻坊(えうげんばう)逸早(いちはや)
218失心(しつしん)したる高姫(たかひめ)
219(すき)(うかが)妖術(えうじゆつ)
220使(つか)つて此処(ここ)楼閣(ろうかく)
221(たちま)(あら)はす蜃気楼(しんきろう)
222(うづ)(みやこ)のエルサレム
223(その)壮観(さうくわん)(くら)ぶれば
224幾十倍(いくじふばい)とも()れぬよな
225(おどろ)(ばか)りの建築(けんちく)
226数多(あまた)魔神(まがみ)使役(しえき)して
227現出(げんしゆつ)せしぞ不思議(ふしぎ)なれ
228妖幻坊(えうげんばう)打笑(うちわら)
229これにて(われ)計画(けいくわく)
230いよいよ(その)(ちよ)につきにけり
231いかに魔法(まはふ)使(つか)ふとも
232(かみ)(かたち)(つく)られし
233(こころ)(つよ)人間(にんげん)
234使(つか)はにや出来(でき)(しこ)(わざ)
235ここにウマウマ高姫(たかひめ)
236(とりこ)にしたる曲神(まがかみ)
237得意(とくい)(おも)()らるべし
238妖幻坊(えうげんばう)高姫(たかひめ)
239(たき)清水(しみづ)(すく)()
240(くち)にふくませオイオイと
241(こゑ)(かぎ)りに()ばはれば
242(いき)吹返(ふきかへ)正気(しやうき)づき
243四辺(あたり)キヨロキヨロ打眺(うちなが)
244(ひる)より()かき怪光(くわいくわう)
245()()はりつつ(した)をまき
246あああ不思議(ふしぎ)、ああ不思議(ふしぎ)
247最早(もはや)(にはか)天津(あまつ)()
248()出神(でのかみ)のお()ましか
249合点(がてん)いかぬと(うつむ)いて
250思案(しあん)にくれる可笑(をか)しさよ
251妖幻坊(えうげんばう)打笑(うちわら)
252アハハハハツハ高姫(たかひめ)
253われは杢助(もくすけ)神司(かむつかさ)
254(みづ)御霊(みたま)(おん)(たから)
255()()(うへ)(この)(とほ)
256(やみ)(へん)じて(ひる)となし
257(かみ)(ちから)(あら)はして
258春風(はるかぜ)(わた)(この)野辺(のべ)
259(たちま)(へん)じて城廓(じやうくわく)
260ゑがき()したる(いさ)ましさ
261(よろこ)(いは)高姫(たかひめ)
262(せな)なでさすり()ばはれば
263高姫(たかひめ)(とみ)感激(かんげき)
264仮令(たとへ)杢助(もくすけ)神司(かむつかさ)
265(ぜん)であらうが(あく)だろが
266モウ(この)(うへ)(かま)はない
267細工(さいく)流々(りうりう)仕上(しあげ)をば
268みて(くだ)されよ天地(あめつち)
269(すめ)大神(おほかみ)(はじ)めとし
270(その)(ほか)(もも)(かみ)(さま)
271()出神(でのかみ)義理(ぎり)天上(てんじやう)
272いよいよ(これ)から杢助(もくすけ)
273(ちから)(あは)(かみ)(ため)
274世人(よびと)(ため)活動(くわつどう)
275五六七(みろく)御代(みよ)()のあたり
276(きづ)きまつりて(あめ)(した)
277四方(よも)民草(たみぐさ)(よろこ)ばせ
278三五教(あななひけう)神司(かむつかさ)
279(みづ)御霊(みたま)(はじめ)とし
280東野別(あづまのわけ)(その)(ほか)
281(もも)(つかさ)(おどろ)かせ
282アフンとさしてやらむずと
283(にはか)元気(げんき)盛返(もりかへ)
284妖幻坊(えうげんばう)()をひいて
285(いま)(あら)はれし楼閣(ろうかく)
286表門(おもてもん)をばくぐりつつ
287奥殿(おくでん)()して(すす)()
288曲津(まがつ)身魂(みたま)忌々(ゆゆ)しけれ。
289大正一二・一・二六 旧一一・一二・一〇 松村真澄録)
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