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霊界物語
真善美愛(第49~60巻)
第51巻(寅の巻)
序文
総説
第1篇 霊光照魔
第1章 春の菊
第2章 怪獣策
第3章 犬馬の労
第4章 乞食劇
第5章 教唆
第6章 舞踏怪
第2篇 夢幻楼閣
第7章 曲輪玉
第8章 曲輪城
第9章 鷹宮殿
第10章 女異呆醜
第3篇 鷹魅艶態
第11章 乙女の遊
第12章 初花姫
第13章 槍襖
第14章 自惚鏡
第15章 餅の皮
第4篇 夢狸野狸
第16章 暗闘
第17章 狸相撲
第18章 糞奴使
第19章 偽強心
第20章 狸姫
第21章 夢物語
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(B)
(N)
余白歌 >>>
第二一章
夢物語
(
ゆめものがたり
)
〔一三三六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第51巻 真善美愛 寅の巻
篇:
第4篇 夢狸野狸
よみ(新仮名遣い):
むりやり
章:
第21章 夢物語
よみ(新仮名遣い):
ゆめものがたり
通し章番号:
1336
口述日:
1923(大正12)年01月27日(旧12月11日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年12月29日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
四人が座っていた椅子は、いつの間にか膨張して角を生やし、毛が生え、牛のような動物になってしまった。怪獣は声をそろえて笑い出した。そして四人を背中に乗せ、廊下をドスドスと駆け出し、広場に出た。
初稚姫も同じ怪獣にまたがり、四人を呼ばわりながら追いかけてくる。怪獣は空の上高く上ったり下りたりするようになり、四人は振り落とされないよう背中にくらいついていた。
ケースは、飛び下りなければどこまで連れて行かれるかわからないと、他の三人に思い切って飛び下りようと呼び掛けた。四人がいっせいに飛び降りたとみるや、元のところにテーブルの脚をつかまえて汗をかいて気張っているだけであった。
初稚姫は以前のまま椅子に腰かけてニタニタと笑っている。四人が奇怪な夢について話し合っていると、丸いテーブルが狸のような顔をだし、毛を生やしてドアの外へ這って行った。
初稚姫はみるみるうちにいやらしい鬼女となって、耳まで裂けた口を開き、牛のような舌を出して四人に向かって噛みつきにきた。四人は肝をつぶして駆けだした。
向こうから初花姫が七人の美女を連れてやってきた。四人はあせってそこまで逃げようとしたが、同じところに足をバタバタとやっている。後ろから初稚姫の妖怪が暑い火のような息を吹きかける。初花姫たちも怪しい化け物に変わって噛みつきに来た。
たちまち家は前後左右に回転した。見れば傍に泉水がある。四人は勾玉型の泉水に身をおどらせて飛び込んだ。四人の体は沈んで行き、水のない岩窟についた。四人は悲鳴を上げて助けを呼んだ。どこともなしに桃の花びらが四人の顔に落ちかかった。
よくよく見れば、四人は浮木の森の火の見やぐらの傍にある勾玉型の泉水のかたわらで、桃の木の根元に阿呆のような顔をして眠っていたのである。東の空は茜さしはじめ、古狸が一匹、頭に桃の花びらを付着させながら這っている。
ガリヤは神に油断の慢心の罪の赦しを乞うた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-09-20 18:39:55
OBC :
rm5121
愛善世界社版:
293頁
八幡書店版:
第9輯 372頁
修補版:
校定版:
300頁
普及版:
136頁
初版:
ページ備考:
001
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
坐
(
すわ
)
つて
居
(
を
)
つた
椅子
(
いす
)
は、
002
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にやら
膨張
(
ばうちやう
)
して
角
(
つの
)
を
生
(
は
)
やし、
003
次
(
つい
)
で
毛
(
け
)
が
生
(
は
)
え、
004
牛
(
うし
)
の
如
(
ごと
)
き
動物
(
どうぶつ
)
と
化
(
くわ
)
し、
005
四
(
よ
)
人
(
にん
)
共
(
とも
)
其
(
その
)
背
(
せな
)
に
跨
(
またが
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
006
ガリヤ『ヤア
此
(
この
)
椅子
(
いす
)
、
007
化
(
ば
)
けやがつたな。
008
ヤ
此奴
(
こいつ
)
は
牛
(
うし
)
とも
馬
(
うま
)
とも
分
(
わか
)
らぬ
奴
(
やつ
)
だ。
009
オイ
三
(
さん
)
人
(
にん
)
、
010
確
(
しつか
)
りせないと
揺
(
ゆす
)
り
落
(
おと
)
されるぞ。
011
カアアアンナナガラララアアアさつぱり
駄目
(
だめ
)
だ。
012
こりや
怪物
(
くわいぶつ
)
、
013
ぢつと
致
(
いた
)
さぬか』
014
怪獣
(
くわいじう
)
は
四匹
(
しひき
)
とも
声
(
こゑ
)
をそろへて、
015
空砲
(
くうはう
)
のやうな
調子
(
てうし
)
で、
016
怪獣
『ホホホホホ、
017
ホホホホホ』
018
と
笑
(
わら
)
ひ
出
(
だ
)
した。
019
それから
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
を
背中
(
せなか
)
に
乗
(
の
)
せ、
020
廊下
(
らうか
)
をドスドスドスと
威喝
(
ゐかつ
)
させ
広場
(
ひろば
)
に
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
した。
021
初稚姫
(
はつわかひめ
)
も
同
(
おな
)
じく
怪獣
(
くわいじう
)
に
跨
(
またが
)
り、
022
初稚姫
『オーイ オーイ』
023
と
呼
(
よ
)
ばはりながら
追
(
お
)
つかけ
来
(
きた
)
る。
024
怪獣
(
くわいじう
)
は
益々
(
ますます
)
狂
(
くる
)
ひ
出
(
だ
)
し、
025
初
(
はじ
)
めは
一二間
(
いちにけん
)
の
所
(
ところ
)
を
上下
(
じやうげ
)
してゐたが、
026
終
(
しま
)
ひには
人間
(
にんげん
)
が
燕
(
つばめ
)
のやうに
見
(
み
)
える
所
(
ところ
)
まで
上
(
のぼ
)
り、
027
空
(
そら
)
の
上
(
うへ
)
で
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
荒
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
ふ。
028
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
背中
(
せなか
)
にくらひつき、
029
ガリヤ
『エエ
怪物
(
くわいぶつ
)
奴
(
め
)
、
030
落
(
おと
)
すなら
落
(
おと
)
して
見
(
み
)
よ。
031
貴様
(
きさま
)
に
噛
(
か
)
ぶりついて
離
(
はな
)
れはせぬぞ。
032
オイ、
033
徳
(
とく
)
、
034
初
(
はつ
)
、
035
ケース、
036
確
(
しつか
)
り
掴
(
つか
)
まへて
居
(
ゐ
)
よ。
037
落
(
お
)
ちるのなら
此奴
(
こいつ
)
と
一緒
(
いつしよ
)
だ。
038
あれ
見
(
み
)
よ、
039
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
も
空中
(
くうちう
)
に
跳
(
は
)
ね
上
(
あが
)
つて
居
(
ゐ
)
られるではないか。
040
天馬
(
てんば
)
空
(
くう
)
を
行
(
ゆ
)
くと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があるが、
041
これは
馬
(
うま
)
でなくて
牛
(
うし
)
だ、
042
これ
畜生
(
ちくしやう
)
、
043
もうよい
加減
(
かげん
)
に
往生
(
わうじやう
)
致
(
いた
)
さぬか』
044
怪獣
『こりや、
045
唐変木
(
とうへんぼく
)
、
046
俺
(
おれ
)
は
天
(
てん
)
の
魔
(
ま
)
だ。
047
椅子
(
いす
)
になつて
化
(
ば
)
けて
居
(
を
)
れば、
048
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けやがつて、
049
もう
了簡
(
れうけん
)
せぬのだ。
050
マダマダマダ
空
(
そら
)
に
上
(
あが
)
つて、
051
そこで
貴様
(
きさま
)
を
揺
(
ゆす
)
り
落
(
おと
)
してやるのだ。
052
楽
(
たの
)
しんで
居
(
を
)
れ。
053
ウホホホホ、
054
ウフフフフ』
055
と
五匹
(
ごひき
)
の
牛
(
うし
)
は
一斉
(
いつせい
)
に
笑
(
わら
)
ふ。
056
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
怪獣
(
くわいじう
)
の
尻
(
しり
)
を
鞭
(
むち
)
をもつて
打
(
う
)
ち
叩
(
たた
)
き、
057
空中
(
くうちう
)
を
滑走
(
くわつそう
)
するやうに
浮木
(
うきき
)
の
森
(
もり
)
をさして
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
058
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
益々
(
ますます
)
高
(
たか
)
く、
059
雲
(
くも
)
を
押
(
お
)
し
分
(
わ
)
けて
怪獣
(
くわいじう
)
に
跨
(
またが
)
り
上
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
060
ケース『オイ、
061
ガリヤ、
062
初公
(
はつこう
)
、
063
徳公
(
とくこう
)
、
064
もう
やけ
だ、
065
飛
(
と
)
び
下
(
お
)
りようぢやないか。
066
何処
(
どこ
)
まで
行
(
ゆ
)
くか
分
(
わか
)
りやしないぞ。
067
サア
一
(
ひ
)
イ
二
(
ふ
)
ウ
三
(
み
)
ツだ』
068
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
069
三人
『ようし、
070
一
(
ひ
)
イ
二
(
ふ
)
ウ
三
(
み
)
ツ』
071
ぽいと
飛
(
と
)
んだ……と
思
(
おも
)
へば
元
(
もと
)
の
所
(
ところ
)
にテーブルの
脚
(
あし
)
をつかまいて、
072
汗
(
あせ
)
をズクズクにかいて
気張
(
きば
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
073
初稚姫
『ホホホ
皆
(
みな
)
さま、
074
机
(
つくゑ
)
の
脚
(
あし
)
を
握
(
にぎ
)
つて
何
(
なに
)
をしていらつしやいますの』
075
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
初
(
はじ
)
めて
気
(
き
)
がつき、
076
ポカンとして
恨
(
うら
)
めし
気
(
げ
)
にテーブルを
眺
(
なが
)
めて
居
(
ゐ
)
る。
077
さうして
椅子
(
いす
)
は
依然
(
いぜん
)
として
四脚
(
しきやく
)
あいてゐる。
078
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
以前
(
いぜん
)
の
儘
(
まま
)
椅子
(
いす
)
に
腰
(
こし
)
打
(
う
)
ちかけニタニタ
笑
(
わら
)
つてゐる。
079
ガリヤ『イヤどうも
怖
(
おそ
)
ろしい
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
たものだ、
080
殆
(
ほとん
)
ど
天上
(
てんじやう
)
する
所
(
ところ
)
だつた。
081
やつぱり
此処
(
ここ
)
は
化物
(
ばけもの
)
屋敷
(
やしき
)
だな』
082
ケース『
如何
(
いか
)
にも
合点
(
がてん
)
の
往
(
ゆ
)
かぬ
魔窟
(
まくつ
)
だ。
083
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
、
084
貴女
(
あなた
)
は
如何
(
いかが
)
で
厶
(
ござ
)
いましたか、
085
私
(
わたし
)
達
(
たち
)
は
天上
(
てんじやう
)
まで
上
(
あ
)
げられ、
086
地上
(
ちじやう
)
に
顛落
(
てんらく
)
したと
思
(
おも
)
へば、
087
幻覚
(
げんかく
)
を
感
(
かん
)
じて
居
(
ゐ
)
ました』
088
初
(
はつ
)
『イヤもう
話
(
はなし
)
にならぬわい、
089
徳
(
とく
)
、
090
貴様
(
きさま
)
は
随分
(
ずいぶん
)
怖
(
こは
)
さうな
顔
(
かほ
)
をして
居
(
を
)
つたな』
091
徳
(
とく
)
『
生
(
うま
)
れてからこれだけ
肝
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
した
事
(
こと
)
はないわ。
092
ヤツパリ
狸
(
たぬき
)
の
奴
(
やつ
)
、
093
魅
(
つま
)
みやがつたと
見
(
み
)
えるな。
094
こりやうつかりしては
居
(
を
)
られないぞ。
095
もし
初稚姫
(
はつわかひめ
)
さま、
096
こんな
怖
(
おそ
)
ろしい
所
(
ところ
)
によう
貴女
(
あなた
)
は
居
(
ゐ
)
ますな』
097
初稚姫
『ホホホ、
098
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
さまが
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
ますから、
099
魔法
(
まはふ
)
を
使
(
つか
)
ひ
遊
(
あそ
)
ばして
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
を
天上
(
てんじやう
)
にお
上
(
あ
)
げ
遊
(
あそ
)
ばしたのでせうよ。
100
時々
(
ときどき
)
怪物
(
くわいぶつ
)
が
出
(
で
)
ますので、
101
妾
(
わらは
)
も
些
(
ちつ
)
とも
安心
(
あんしん
)
がなりませぬの』
102
徳
(
とく
)
『さうですな、
103
実
(
じつ
)
に
奇怪
(
きつくわい
)
千万
(
せんばん
)
な
事
(
こと
)
です』
104
斯
(
か
)
く
話
(
はな
)
して
居
(
ゐ
)
ると、
105
円
(
まる
)
いテーブルがヌツと
狸
(
たぬき
)
のやうな
顔
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
し、
106
みるみる
中
(
うち
)
に
荒
(
あら
)
い
毛
(
け
)
を
生
(
は
)
やし、
107
長
(
なが
)
い
足
(
あし
)
をノタノタとドアの
外
(
そと
)
へ
這
(
は
)
うて
行
(
ゆ
)
く。
108
初
(
はつ
)
『ヤア
益々
(
ますます
)
もつて
奇怪
(
きつくわい
)
千万
(
せんばん
)
、
109
はて、
110
訝
(
いぶ
)
かしやなア』
111
と
芝居
(
しばゐ
)
がかりになる。
112
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は、
113
みるみる
中
(
うち
)
に
厭
(
いや
)
らしき
鬼女
(
きぢよ
)
と
変
(
へん
)
じ、
114
耳
(
みみ
)
まで
裂
(
さ
)
けた
口
(
くち
)
を
無雑作
(
むざふさ
)
に
開
(
ひら
)
き、
115
牛
(
うし
)
のやうな
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
し
四
(
よ
)
人
(
にん
)
に
向
(
むか
)
つて
噛
(
か
)
みつきに
来
(
く
)
る。
116
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
肝
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
し、
117
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
すと、
118
向
(
むか
)
ふより
初花姫
(
はつはなひめ
)
が
七
(
しち
)
人
(
にん
)
の
美女
(
びぢよ
)
を
連
(
つ
)
れてやつて
来
(
く
)
る。
119
何
(
なん
)
でも
彼処
(
あすこ
)
まで
行
(
ゆ
)
かねばならぬと
焦慮
(
あせ
)
れど
藻掻
(
もが
)
けど
追付
(
おつつ
)
かず、
120
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
同
(
おな
)
じ
処
(
ところ
)
に
足
(
あし
)
をバタバタとやつて
居
(
ゐ
)
る。
121
初稚姫
(
はつわかひめ
)
の
妖怪
(
えうくわい
)
は
後
(
うしろ
)
より
熱
(
あつ
)
い
火
(
ひ
)
のやうな
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
きかくる。
122
四人
『アアアアツアツアツ』
123
と
云
(
い
)
ひながら、
124
一足
(
ひとあし
)
にても
逃
(
のが
)
れむと
藻掻
(
もが
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
125
初花姫
(
はつはなひめ
)
他
(
ほか
)
七
(
しち
)
人
(
にん
)
の
美女
(
びぢよ
)
は
又
(
また
)
もや
怪
(
あや
)
しき
化物
(
ばけもの
)
と
変
(
へん
)
じ
噛
(
か
)
みつきに
来
(
きた
)
る。
126
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
声
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りに
呼
(
よ
)
べど
叫
(
さけ
)
べど、
127
少
(
すこ
)
しも
声
(
こゑ
)
は
人
(
ひと
)
の
耳
(
みみ
)
に
達
(
たつ
)
しなかつた。
128
忽
(
たちま
)
ち
家
(
いへ
)
は
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
廻転
(
くわいてん
)
し、
129
上
(
うへ
)
になつたり
下
(
した
)
になつたり、
130
自分
(
じぶん
)
の
身体
(
からだ
)
が
転回
(
てんくわい
)
したり、
131
苦
(
くる
)
しくて
息
(
いき
)
もつげなかつた。
132
見
(
み
)
れば
傍
(
そば
)
に
蒼味
(
あをみ
)
だつた
泉水
(
せんすい
)
がある。
133
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
一
(
ひ
)
イ
二
(
ふ
)
ウ
三
(
み
)
ツで
曲玉型
(
まがたまがた
)
の
泉水
(
せんすい
)
に
身
(
み
)
を
躍
(
をど
)
らせて
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
んだ。
134
石
(
いし
)
をなげ
込
(
こ
)
んだ
如
(
ごと
)
く、
135
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
身体
(
からだ
)
はズボ ズボ ズボと
幾百間
(
いくひやくけん
)
ともなき
深
(
ふか
)
き
底
(
そこ
)
に
陥
(
おちい
)
り、
136
漸
(
やうや
)
くにして
岩窟
(
がんくつ
)
についた。
137
此処
(
ここ
)
へ
来
(
く
)
ると
蒼味立
(
あをみだ
)
つた
水
(
みづ
)
はもはやなくなつてゐた。
138
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
悲鳴
(
ひめい
)
を
上
(
あ
)
げて、
139
四人
『オーイ
助
(
たす
)
けて
呉
(
く
)
れい
助
(
たす
)
けて
呉
(
く
)
れい』
140
と
喚
(
わめ
)
き
立
(
た
)
てて
居
(
ゐ
)
る。
141
どこともなしに
桃
(
もも
)
の
花
(
はな
)
の
二片
(
ふたひら
)
三片
(
みひら
)
、
142
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
顔
(
かほ
)
に
落
(
お
)
ちかかるのであつた。
143
よくよく
見
(
み
)
れば、
144
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
浮木
(
うきき
)
の
森
(
もり
)
の
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
櫓
(
やぐら
)
の
傍
(
そば
)
にある
曲玉型
(
まがたまがた
)
の
泉水
(
せんすい
)
の
傍
(
そば
)
に
咲満
(
さきみ
)
ちて
居
(
ゐ
)
る
桃
(
もも
)
の
木
(
き
)
の
根下
(
ねもと
)
に、
145
阿呆
(
あはう
)
のやうな
顔
(
かほ
)
をして
眠
(
ねむ
)
つて
居
(
ゐ
)
たのである。
146
東
(
ひがし
)
の
空
(
そら
)
は
漸
(
やうや
)
く
茜
(
あかね
)
さし、
147
古狸
(
ふるだぬき
)
が
茶色
(
ちやいろ
)
の
尾
(
を
)
を
垂
(
た
)
らして
唯
(
ただ
)
一匹
(
いつぴき
)
、
148
頭
(
あたま
)
に
桃
(
もも
)
の
花片
(
はなびら
)
を
附着
(
ふちやく
)
させながら、
149
ノソリ ノソリと
這
(
は
)
うてゐる。
150
四
(
よ
)
人
(
にん
)
一度
(
いちど
)
に、
151
四人
『アア
畜生
(
ちくしやう
)
、
152
誑
(
だま
)
しやがつたな』
153
浮木
(
うきき
)
の
森
(
もり
)
の
烏
(
からす
)
が、
154
阿呆
(
あはう
)
々々
(
あはう
)
と
四
(
よ
)
人
(
にん
)
を
見下
(
みおろ
)
して
鳴
(
な
)
いて
居
(
ゐ
)
る
声
(
こゑ
)
が、
155
呆
(
とぼ
)
け
顔
(
がほ
)
を
嘲
(
あざけ
)
つて
居
(
ゐ
)
るやうに
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
156
ガリヤ『アア
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
、
157
油断
(
ゆだん
)
と
慢心
(
まんしん
)
の
罪
(
つみ
)
、
158
何卒
(
なにとぞ
)
許
(
ゆる
)
させたまへ』
159
ケース、
160
初
(
はつ
)
、
161
徳
(
とく
)
、
162
ケース、初、徳
『アアしようもない、
163
第
(
だい
)
五十一
(
ごじふいつ
)
巻
(
くわん
)
の
瑞月
(
ずいげつ
)
霊界
(
れいかい
)
物語
(
ものがたり
)
、
164
狸
(
たぬき
)
に
誑
(
だま
)
された
奇妙
(
きめう
)
奇天烈
(
きてれつ
)
な
八畳敷
(
はちでふじき
)
の
大風呂敷
(
おほぶろしき
)
に
読者
(
どくしや
)
を
包
(
つつ
)
んだ
夢物語
(
ゆめものがたり
)
は、
165
安閑坊
(
あんかんばう
)
喜楽
(
きらく
)
の
嘘
(
うそ
)
八百万
(
はつぴやくまん
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
神示
(
しんじ
)
』
166
(
大正一二・一・二七
旧一一・一二・一一
加藤明子
録)
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(B)
(N)
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