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霊界物語
真善美愛(第49~60巻)
第51巻(寅の巻)
序文
総説
第1篇 霊光照魔
第1章 春の菊
第2章 怪獣策
第3章 犬馬の労
第4章 乞食劇
第5章 教唆
第6章 舞踏怪
第2篇 夢幻楼閣
第7章 曲輪玉
第8章 曲輪城
第9章 鷹宮殿
第10章 女異呆醜
第3篇 鷹魅艶態
第11章 乙女の遊
第12章 初花姫
第13章 槍襖
第14章 自惚鏡
第15章 餅の皮
第4篇 夢狸野狸
第16章 暗闘
第17章 狸相撲
第18章 糞奴使
第19章 偽強心
第20章 狸姫
第21章 夢物語
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第51巻(寅の巻)
> 第2篇 夢幻楼閣 > 第10章 女異呆醜
<<< 鷹宮殿
(B)
(N)
乙女の遊 >>>
第一〇章
女異
(
によい
)
呆醜
(
ほつしゆ
)
〔一三二五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第51巻 真善美愛 寅の巻
篇:
第2篇 夢幻楼閣
よみ(新仮名遣い):
むげんろうかく
章:
第10章 女異呆醜
よみ(新仮名遣い):
にょいほっしゅ
通し章番号:
1325
口述日:
1923(大正12)年01月26日(旧12月10日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年12月29日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
妖幻坊は萱草の茂る森林に高姫をいざない、妖術を使って豪華な宮殿や宝物を見せてたぶらかした。高姫は、侍女の高子と宮子の寒熱に当てられて失神したが、目を覚ますと高子と宮子がいそいそと自分を介抱していた。
高姫は二人を玉の精だと信じ、それが自分の侍女として仕えて居ることに図に乗って、自分の身魂がどれほど尊いものかをとうとうと説いている。
高子と宮子は高姫の歌に答えて、妖幻坊と高姫を賛美する歌を歌った。高姫は笑壺に入り、うれしくなって自分の腹中の眷属たちとこの境遇を祝い合った。
高姫は高子と宮子と打ち解けて、立派な今の中で歌ったり舞ったり、美しい果実を味わい一日を過ごしていた。その実は萱野原の狸穴で夢を見ているのみであった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-09-03 19:07:46
OBC :
rm5110
愛善世界社版:
147頁
八幡書店版:
第9輯 319頁
修補版:
校定版:
150頁
普及版:
69頁
初版:
ページ備考:
001
妖幻坊
(
えうげんばう
)
の
曲神
(
まがかみ
)
が
002
曲輪
(
まがわ
)
の
玉
(
たま
)
を
使用
(
しよう
)
して
003
夢幻
(
むげん
)
の
楼閣
(
ろうかく
)
映出
(
えいしゆつ
)
し
004
名利
(
めいり
)
と
恋
(
こひ
)
に
心魂
(
しんこん
)
を
005
蘯
(
とろ
)
かし
狂
(
くる
)
ふ
高姫
(
たかひめ
)
を
006
うまく
誤魔化
(
ごまくわ
)
し
萱草
(
かやくさ
)
の
007
茫々
(
ばうばう
)
茂
(
しげ
)
る
森林
(
しんりん
)
に
008
誘
(
いざな
)
ひ
来
(
きた
)
りいろいろと
009
塵
(
ちり
)
や
芥
(
あくた
)
や
糞尿
(
ふんねう
)
を
010
至善
(
しぜん
)
至美
(
しび
)
なる
宮殿
(
きうでん
)
や
011
其
(
その
)
他
(
ほか
)
百
(
もも
)
の
珍品
(
ちんぴん
)
と
012
眼
(
まなこ
)
くらませ
狸穴
(
まみあな
)
に
013
引
(
ひ
)
き
入
(
い
)
れ
茲
(
ここ
)
に
曲神
(
まがかみ
)
は
014
天地
(
てんち
)
を
救
(
すく
)
ふ
生神
(
いきがみ
)
の
015
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
攪乱
(
かくらん
)
し
016
天
(
あめ
)
の
下
(
した
)
をば
悉
(
ことごと
)
く
017
暗
(
やみ
)
と
泥
(
どろ
)
との
魔界
(
まかい
)
とし
018
暴威
(
ばうゐ
)
を
振
(
ふる
)
ひ
永久
(
とこしへ
)
に
019
楽
(
たの
)
しまむとて
心力
(
しんりき
)
の
020
あらむ
限
(
かぎ
)
りを
尽
(
つく
)
すこそ
021
実
(
げ
)
にも
忌々
(
ゆゆ
)
しき
次第
(
しだい
)
なり
022
高宮姫
(
たかみやひめ
)
に
仕
(
つか
)
へたる
023
高子
(
たかこ
)
の
素性
(
すじやう
)
は
幻相坊
(
げんさうばう
)
024
宮子
(
みやこ
)
の
素性
(
すじやう
)
は
幻魔坊
(
げんまばう
)
025
妖幻坊
(
えうげんばう
)
の
両腕
(
りやううで
)
と
026
頼
(
たの
)
みきつたる
妖怪
(
えうくわい
)
ぞ
027
高姫
(
たかひめ
)
心
(
こころ
)
の
誇
(
ほこ
)
りより
028
曲
(
まが
)
の
手管
(
てくだ
)
に
乗
(
の
)
せられて
029
浮
(
うか
)
び
方
(
がた
)
なき
魔
(
ま
)
の
中
(
なか
)
に
030
陥
(
おちい
)
りながら
欣然
(
きんぜん
)
と
031
天下
(
てんか
)
に
無比
(
むひ
)
の
出世
(
しゆつせ
)
を
032
なせしものぞと
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
033
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
034
金毛
(
きんまう
)
九尾
(
きうび
)
醜神
(
しこがみ
)
も
035
亦
(
また
)
高姫
(
たかひめ
)
と
同様
(
どうやう
)
に
036
妖幻坊
(
えうげんばう
)
に
欺
(
あざむ
)
かれ
037
悪魔
(
あくま
)
の
機関
(
きくわん
)
と
使
(
つか
)
はれて
038
喜
(
よろこ
)
び
居
(
ゐ
)
るこそ
憐
(
あは
)
れなれ
039
寒
(
かん
)
と
熱
(
ねつ
)
とに
冒
(
をか
)
されて
040
一度
(
いちど
)
は
失神
(
しつしん
)
したれども
041
暫
(
しばら
)
くありて
甦
(
よみがへ
)
り
042
四辺
(
あたり
)
を
見
(
み
)
れば
高
(
たか
)
、
宮
(
みや
)
の
043
二人
(
ふたり
)
の
侍女
(
じぢよ
)
はイソイソと
044
高姫司
(
たかひめつかさ
)
の
介抱
(
かいほう
)
して
045
薬
(
くすり
)
を
煎
(
せん
)
じ
湯
(
ゆ
)
を
沸
(
わか
)
し
046
一心
(
いつしん
)
不乱
(
ふらん
)
に
真心
(
まごころ
)
を
047
尽
(
つく
)
して
仕
(
つか
)
へ
居
(
ゐ
)
たりけり
048
之
(
これ
)
を
眺
(
なが
)
めて
高姫
(
たかひめ
)
は
049
怒
(
おこ
)
りもならず
顔色
(
がんしよく
)
を
050
和
(
やは
)
らげ
二人
(
ふたり
)
に
打向
(
うちむか
)
ひ
051
高姫
『ほんにお
前
(
まへ
)
は
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
052
潮満玉
(
しほみつだま
)
や
潮干
(
しほひる
)
の
053
尊
(
たふと
)
き
玉
(
たま
)
の
御
(
ご
)
化身
(
けしん
)
か
054
真
(
まこと
)
に
畏
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
りました
055
貴女
(
あなた
)
の
様
(
やう
)
なお
身魂
(
みたま
)
を
056
何程
(
なにほど
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
ぢやとて
057
お
使
(
つか
)
ひ
申
(
まを
)
すは
何
(
なん
)
となく
058
勿体
(
もつたい
)
ない
様
(
やう
)
な
気
(
き
)
が
致
(
いた
)
す
059
何卒
(
なにとぞ
)
貴女
(
あなた
)
は
高姫
(
たかひめ
)
に
060
構
(
かま
)
はず
宝座
(
はうざ
)
に
現
(
あら
)
はれて
061
金剛
(
こんがう
)
不壊
(
ふゑ
)
の
神力
(
しんりき
)
を
062
完全
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
現
(
あら
)
はして
063
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
064
世
(
よ
)
に
輝
(
かがや
)
かしウラナイの
065
道
(
みち
)
を
照
(
て
)
らさせ
給
(
たま
)
へかし
066
お
願
(
ねが
)
ひ
申
(
まを
)
す』と
手
(
て
)
を
合
(
あは
)
し
067
頼
(
たの
)
めば
二人
(
ふたり
)
は
首
(
くび
)
を
振
(
ふ
)
り
068
(高子、宮子)
『いえいえ
私
(
わたし
)
は
本城
(
ほんじやう
)
の
069
高宮彦
(
たかみやひこ
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
070
天
(
てん
)
にも
地
(
ち
)
にも
代
(
か
)
へ
難
(
がた
)
き
071
高宮姫
(
たかみやひめ
)
の
側
(
そば
)
近
(
ちか
)
く
072
仕
(
つか
)
へ
侍
(
はべ
)
れと
厳
(
おごそ
)
かな
073
命令
(
めいれい
)
受
(
う
)
けて
居
(
を
)
りまする
074
不束
(
ふつつか
)
なれど
吾々
(
われわれ
)
を
075
何卒
(
なにとぞ
)
お
使
(
つか
)
ひ
下
(
くだ
)
されて
076
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
神業
(
しんげふ
)
の
077
万分一
(
まんぶんいち
)
に
御
(
おん
)
使
(
つか
)
ひ
078
遊
(
あそ
)
ばし
給
(
たま
)
へ』と
手
(
て
)
を
合
(
あは
)
し
079
願
(
ねが
)
ふ
姿
(
すがた
)
ぞ
殊勝
(
しゆしよう
)
なれ
080
高姫
(
たかひめ
)
ますます
図
(
づ
)
に
乗
(
の
)
つて
081
高姫
『
高子
(
たかこ
)
よ、
宮子
(
みやこ
)
よ、
汝
(
なれ
)
は
又
(
また
)
082
如何
(
どう
)
した
身魂
(
みたま
)
の
因縁
(
いんねん
)
か
083
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
の
御
(
ご
)
系統
(
ひつぽう
)
084
常世
(
とこよ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
御
(
ご
)
再来
(
さいらい
)
085
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
086
かからせ
給
(
たま
)
ふ
生宮
(
いきみや
)
の
087
高宮姫
(
たかみやひめ
)
の
側
(
そば
)
近
(
ちか
)
く
088
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
ると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
089
之
(
これ
)
に
越
(
こ
)
したる
幸福
(
しあはせ
)
は
090
又
(
また
)
と
世界
(
せかい
)
にあるまいぞ
091
之
(
これ
)
から
先
(
さき
)
は
神妙
(
しんめう
)
に
092
高宮姫
(
たかみやひめ
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
093
一
(
ひと
)
つも
背
(
そむ
)
かず
聞
(
き
)
くがよい
094
高宮彦
(
たかみやひこ
)
は
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
095
持
(
も
)
たせ
給
(
たま
)
へば
神力
(
しんりき
)
が
096
斯
(
か
)
くも
立派
(
りつぱ
)
に
現
(
あら
)
はれて
097
清
(
きよ
)
く
輝
(
かがや
)
きましませど
098
あの
宝玉
(
はうぎよく
)
を
手放
(
てばな
)
せば
099
人民界
(
じんみんかい
)
に
籍
(
せき
)
を
置
(
お
)
き
100
普通
(
ふつう
)
の
人
(
ひと
)
より
勝
(
すぐ
)
れたる
101
智勇
(
ちゆう
)
兼備
(
けんび
)
の
勇将
(
ゆうしやう
)
だ
102
さはさりながら
人間
(
にんげん
)
は
103
到底
(
たうてい
)
神
(
かみ
)
には
叶
(
かな
)
ふまい
104
此
(
この
)
高姫
(
たかひめ
)
は
人間
(
にんげん
)
と
105
姿
(
すがた
)
を
現
(
げん
)
じ
居
(
を
)
るなれど
106
高天原
(
たかあまはら
)
の
最奥
(
さいあう
)
の
107
も
一
(
ひと
)
つ
奥
(
おく
)
のまだ
奥
(
おく
)
の
108
天極
(
てんごく
)
紫微宮
(
しびきう
)
の
其
(
その
)
奥
(
おく
)
の
109
御殿
(
ごてん
)
にまします
月
(
つき
)
の
神
(
かみ
)
110
日
(
ひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
御子
(
みこ
)
とます
111
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
112
もう
此
(
この
)
上
(
うへ
)
はないと
云
(
い
)
ふ
113
尊
(
たふと
)
き
身魂
(
みたま
)
の
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
114
神人
(
しんじん
)
感合
(
かんがふ
)
した
上
(
うへ
)
は
115
高宮姫
(
たかみやひめ
)
は
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
116
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
私
(
わし
)
ぢやぞえ
117
曇
(
くも
)
り
果
(
は
)
てたる
暗
(
やみ
)
の
世
(
よ
)
を
118
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
守護
(
しゆご
)
にしよと
思
(
おも
)
や
119
ヤツパリ
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
様
(
さま
)
が
120
御用
(
ごよう
)
を
致
(
いた
)
さにやなるまいぞ
121
五六七
(
みろく
)
の
神世
(
かみよ
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
122
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
御代
(
みよ
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ
123
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
や
瑞御霊
(
みづみたま
)
124
ミロクの
神
(
かみ
)
と
云
(
い
)
つたとて
125
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
又
(
また
)
の
名
(
な
)
だ
126
お
前
(
まへ
)
は
年
(
とし
)
が
若
(
わか
)
い
故
(
ゆゑ
)
127
こんな
事
(
こと
)
をば
云
(
い
)
つたとて
128
分
(
わか
)
らないのは
無理
(
むり
)
はない
129
さはさりながら
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
130
金剛
(
こんがう
)
不壊
(
ふゑ
)
の
身魂
(
みたま
)
なら
131
一旦
(
いつたん
)
私
(
わし
)
の
腹中
(
ふくちう
)
に
132
這入
(
はい
)
つて
生
(
うま
)
れた
生魂
(
いくたま
)
よ
133
さすればお
前
(
まへ
)
は
吾
(
わが
)
娘
(
むすめ
)
134
変化
(
へんげ
)
の
法
(
はふ
)
で
世
(
よ
)
に
出
(
い
)
でて
135
ここに
母子
(
おやこ
)
の
廻
(
めぐ
)
り
会
(
あ
)
ひ
136
ほんに
嬉
(
うれ
)
しい
事
(
こと
)
だなア
137
ほんにお
前
(
まへ
)
も
嬉
(
うれ
)
しかろ
138
之
(
これ
)
から
三人
(
みたり
)
村肝
(
むらきも
)
の
139
心
(
こころ
)
を
協
(
あは
)
せ
手
(
て
)
を
曳
(
ひ
)
いて
140
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
三女神
(
さんによしん
)
141
高宮彦
(
たかみやひこ
)
の
神業
(
しんげふ
)
を
142
助
(
たす
)
けまつりて
芳名
(
はうめい
)
を
143
幾万劫
(
いくまんごふ
)
の
末
(
すゑ
)
までも
144
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
す
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
145
諾
(
うべな
)
ひませよ
高
(
たか
)
、
宮
(
みや
)
の
146
二人
(
ふたり
)
の
御子
(
みこ
)
よ
惟神
(
かむながら
)
147
神
(
かみ
)
に
誓
(
ちか
)
ひて
常世姫
(
とこよひめ
)
148
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
が
149
完全
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
教
(
をし
)
へおく
150
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
151
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ
152
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
153
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
154
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
155
高宮彦
(
たかみやひこ
)
や
高宮
(
たかみや
)
の
156
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
のある
限
(
かぎ
)
り
157
金剛
(
こんがう
)
不壊
(
ふゑ
)
の
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
158
握
(
にぎ
)
つた
上
(
うへ
)
は
天地
(
あめつち
)
を
159
一
(
ひと
)
つに
丸
(
まる
)
めて
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
160
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
御代
(
みよ
)
と
立直
(
たてなほ
)
し
161
五六七
(
みろく
)
神政
(
しんせい
)
の
太柱
(
ふとばしら
)
162
常磐
(
ときは
)
堅磐
(
かきは
)
に
立並
(
たてなら
)
べ
163
世
(
よ
)
の
大本
(
おほもと
)
の
生神
(
いきがみ
)
と
164
称
(
たた
)
へらるるは
目
(
ま
)
のあたり
165
ああ
有難
(
ありがた
)
し
有難
(
ありがた
)
し
166
この
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
り
給
(
たま
)
ひたる
167
厳
(
いづ
)
の
霊
(
みたま
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
168
梵天
(
ぼんてん
)
帝釈
(
たいしやく
)
自在天
(
じざいてん
)
169
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
170
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんわう
)
塩長
(
しほなが
)
の
171
彦
(
ひこ
)
の
命
(
みこと
)
や
常世彦
(
とこよひこ
)
172
ウラルの
彦
(
ひこ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
173
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
174
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
175
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
176
と
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
狸穴
(
まみあな
)
の
中
(
なか
)
に
寝言
(
ねごと
)
の
様
(
やう
)
に
歌
(
うた
)
つてゐる。
177
高子
(
たかこ
)
は
高宮姫
(
たかみやひめ
)
の
歌
(
うた
)
に
答
(
こた
)
へて、
178
綾
(
あや
)
の
袖
(
そで
)
を
胡蝶
(
こてふ
)
の
如
(
ごと
)
く、
179
しなやかに
振
(
ふ
)
りながら、
180
自
(
みづか
)
ら
歌
(
うた
)
ひ
自
(
みづか
)
ら
舞
(
ま
)
うて
高姫
(
たかひめ
)
の
心
(
こころ
)
を
慰
(
なぐさ
)
めた。
181
高子
『
金剛
(
こんがう
)
不壊
(
ふゑ
)
の
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
182
其
(
その
)
半分
(
はんぶん
)
の
分霊
(
わけみたま
)
183
世界
(
せかい
)
の
火熱
(
くわねつ
)
を
守護
(
しゆご
)
する
184
高皇
(
たかみ
)
産霊
(
むすび
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
185
其
(
その
)
分身
(
ぶんしん
)
が
現
(
あら
)
はれて
186
ここに
高子
(
たかこ
)
の
姫
(
ひめ
)
となり
187
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
を
救
(
すく
)
う
為
(
ため
)
188
心
(
こころ
)
を
尽
(
つく
)
し
身
(
み
)
を
尽
(
つく
)
し
189
獅子
(
しし
)
奮迅
(
ふんじん
)
の
活動
(
くわつどう
)
を
190
遊
(
あそ
)
ばし
給
(
たま
)
ふ
常世姫
(
とこよひめ
)
191
其
(
その
)
肉宮
(
にくみや
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
に
192
近
(
ちか
)
く
仕
(
つか
)
へて
神業
(
しんげふ
)
を
193
完成
(
くわんせい
)
せむと
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
194
高宮彦
(
たかみやひこ
)
の
父神
(
ちちがみ
)
と
195
御
(
おん
)
身
(
み
)
を
守護
(
しゆご
)
し
奉
(
たてまつ
)
る
196
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
197
かからせ
給
(
たま
)
ふ
生宮
(
いきみや
)
よ
198
何卒
(
なにとぞ
)
々々
(
なにとぞ
)
吾々
(
われわれ
)
を
199
生
(
う
)
みの
御
(
おん
)
子
(
こ
)
とみそなはし
200
弥
(
いや
)
永久
(
とこしへ
)
に
何時
(
いつ
)
までも
201
御
(
おん
)
目
(
め
)
をかけさせ
給
(
たま
)
へかし
202
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
203
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
204
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
205
三五教
(
あななひけう
)
の
神司
(
かむづかさ
)
206
勢
(
いきほひ
)
猛
(
たけ
)
く
攻
(
せ
)
め
来
(
く
)
とも
207
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
汝
(
なれ
)
に
従
(
したが
)
ひて
208
守
(
まも
)
らむ
限
(
かぎ
)
り
百千
(
ひやくせん
)
の
209
猛
(
たけ
)
き
獣
(
けもの
)
も
曲津見
(
まがつみ
)
も
210
又
(
また
)
三五
(
あななひ
)
の
強敵
(
きやうてき
)
も
211
何
(
なに
)
か
恐
(
おそ
)
れむ
敷島
(
しきしま
)
の
212
大和魂
(
やまとみたま
)
の
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
213
心
(
こころ
)
平
(
たひら
)
に
安
(
やす
)
らかに
214
思召
(
おぼしめ
)
されよ
母
(
はは
)
の
君
(
きみ
)
215
勇
(
いさ
)
み
喜
(
よろこ
)
び
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
216
真心
(
まごころ
)
こめて
永久
(
とこしへ
)
の
217
誓
(
ちか
)
ひを
結
(
むす
)
び
奉
(
たてまつ
)
る
218
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
219
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
220
と
歌
(
うた
)
ひ
舞
(
ま
)
ひ
終
(
をは
)
る。
221
高姫
(
たかひめ
)
は
笑壺
(
ゑつぼ
)
に
入
(
い
)
り、
222
顔
(
かほ
)
の
紐
(
ひも
)
をほどいて
前途
(
ぜんと
)
の
光明
(
くわうみやう
)
を
夢
(
ゆめ
)
みつつあつた。
223
宮子
(
みやこ
)
は
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ふ。
224
宮子
『
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
と
225
現
(
あら
)
はれませる
神司
(
かむつかさ
)
226
愈
(
いよいよ
)
一陽
(
いちやう
)
来復
(
らいふく
)
の
227
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
春
(
はる
)
の
廻
(
めぐ
)
り
来
(
き
)
て
228
高宮城
(
たかみやじやう
)
の
司神
(
つかさがみ
)
229
高宮彦
(
たかみやひこ
)
の
妃
(
ひ
)
となりて
230
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
万霊
(
ばんれい
)
を
231
救
(
すく
)
はせ
給
(
たま
)
ふ
母
(
はは
)
となり
232
現
(
あら
)
はれますぞ
尊
(
たふと
)
けれ
233
吾
(
われ
)
は
水
(
みづ
)
をば
守護
(
しゆご
)
する
234
如意
(
によい
)
の
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
片割
(
かたわ
)
れぞ
235
宮子
(
みやこ
)
の
姫
(
ひめ
)
と
現
(
あら
)
はれて
236
高宮姫
(
たかみやひめ
)
の
側
(
そば
)
近
(
ちか
)
く
237
仕
(
つか
)
へまつりし
嬉
(
うれ
)
しさよ
238
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
元
(
もと
)
の
霊
(
たま
)
239
神皇
(
かむみ
)
産霊
(
むすび
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
240
玉
(
たま
)
の
雫
(
しづく
)
になり
出
(
い
)
でし
241
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
洗
(
あら
)
ふ
瑞霊
(
みづみたま
)
242
厳
(
いづ
)
と
瑞
(
みづ
)
とが
相並
(
あひなら
)
び
243
高宮城
(
たかみやじやう
)
に
現
(
あら
)
はれて
244
二人
(
ふたり
)
の
御
(
おん
)
身
(
み
)
を
守護
(
しゆご
)
せば
245
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
は
永久
(
とこしへ
)
に
246
無事
(
ぶじ
)
泰平
(
たいへい
)
に
治
(
をさ
)
まりて
247
枝
(
えだ
)
もならさぬ
神
(
かみ
)
の
御代
(
みよ
)
248
五六七
(
みろく
)
の
神世
(
みよ
)
は
忽
(
たちま
)
ちに
249
此
(
この
)
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
顕現
(
けんげん
)
し
250
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
神徳
(
しんとく
)
が
251
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
るは
目
(
ま
)
のあたり
252
喜
(
よろこ
)
び
仰
(
あふ
)
ぎ
奉
(
たてまつ
)
る
253
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
254
水
(
みづ
)
の
霊
(
みたま
)
の
宮子姫
(
みやこひめ
)
255
真心
(
まごころ
)
こめて
母君
(
ははぎみ
)
の
256
御前
(
みまへ
)
に
誓
(
ちか
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る』
257
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
258
淑
(
しとや
)
かに
座
(
ざ
)
に
着
(
つ
)
いた。
259
高姫
(
たかひめ
)
は、
260
高姫
『
何
(
なん
)
とまア
結構
(
けつこう
)
な
事
(
こと
)
が
重
(
かさ
)
なれば
重
(
かさ
)
なるものだな。
261
もしや
夢
(
ゆめ
)
ではあるまいか』
262
と
頬
(
ほほ
)
を
抓
(
つめ
)
つて
見
(
み
)
たり、
263
眉毛
(
まゆげ
)
に
唾
(
つばき
)
をつけて
見
(
み
)
たり、
264
臍
(
へそ
)
の
辺
(
あた
)
りを
突
(
つ
)
いたり
押
(
お
)
したりしながら、
265
腹中
(
ふくちう
)
のお
客
(
きやく
)
さまに
向
(
むか
)
ひ、
266
高姫
『おい、
267
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
殿
(
どの
)
、
268
金毛
(
きんまう
)
九尾
(
きうび
)
殿
(
どの
)
、
269
其
(
その
)
他
(
ほか
)
の
眷属
(
けんぞく
)
共
(
ども
)
、
270
此
(
この
)
高姫
(
たかひめ
)
の
出世
(
しゆつせ
)
を
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
るか。
271
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
は
如何
(
どう
)
考
(
かんが
)
へる。
272
もしも
高姫
(
たかひめ
)
が
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
てゐるのなら、
273
夢
(
ゆめ
)
とハツキリと
云
(
い
)
うて
呉
(
く
)
れ。
274
あまり
結構
(
けつこう
)
過
(
す
)
ぎて
本当
(
ほんたう
)
にならないから』
275
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
から
大声
(
おほごゑ
)
で、
276
(義理天上と称する霊)
『
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
、
277
今日
(
けふ
)
のお
喜
(
よろこ
)
び
謹
(
つつし
)
んでお
祝
(
いは
)
ひ
申
(
まを
)
す。
278
高宮姫
(
たかみやひめ
)
の
肉体
(
にくたい
)
、
279
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
で
厶
(
ござ
)
る。
280
オツホホホホ、
281
先
(
ま
)
づは
目出度
(
めでた
)
い、
282
お
目出度
(
めでた
)
い。
283
のう
金毛
(
きんまう
)
九尾
(
きうび
)
、
284
結構
(
けつこう
)
ではないか』
285
(金毛九尾と称する霊)
『
成程
(
なるほど
)
々々
(
なるほど
)
、
286
之
(
これ
)
にて
願望
(
ぐわんまう
)
成就
(
じやうじゆ
)
致
(
いた
)
すであらう。
287
いや
大蛇殿
(
をろちどの
)
、
288
蟇殿
(
がまどの
)
、
289
其
(
その
)
他
(
ほか
)
の
連中
(
れんちう
)
、
290
お
喜
(
よろこ
)
び
召
(
め
)
され、
291
アツハハハハ』
292
腹中
(
ふくちう
)
より、
293
(その他の霊)
『アツハハハハ、
294
イツヒヒヒヒ、
295
クツハハハハ、
296
クツハハハハ、
297
チツヒヒヒヒ』
298
とガラクタ
霊
(
れい
)
が
勝手
(
かつて
)
に
喜
(
よろこ
)
び
笑
(
わら
)
ふ
声
(
こゑ
)
が
一
(
ひと
)
つになつて
井堰
(
ゐせき
)
を
切
(
き
)
つた
様
(
やう
)
な
勢
(
いきほひ
)
で
高姫
(
たかひめ
)
の
口
(
くち
)
へ
流
(
なが
)
れ
出
(
い
)
づるのであつた。
299
高子
(
たかこ
)
『お
母
(
かあ
)
さま、
300
何
(
なに
)
、
301
心配
(
しんぱい
)
してゐられますの。
302
何
(
なん
)
だか、
303
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
らつしやつたぢやありませぬか』
304
高姫
『あ、
305
お
前
(
まへ
)
は
子供
(
こども
)
だからまだ
分
(
わか
)
るまいが、
306
私
(
わたし
)
は
今
(
いま
)
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
さまや
上義姫
(
じやうぎひめ
)
様
(
さま
)
、
307
旭
(
あさひ
)
の
豊栄昇
(
とよさかのぼり
)
姫
(
ひめ
)
さま、
308
リントウビテン
大臣
(
だいじん
)
さま
等
(
など
)
と
御
(
ご
)
相談
(
さうだん
)
を
申
(
まを
)
して
居
(
ゐ
)
たのだよ』
309
高子
『
何
(
なん
)
とまア、
310
お
母
(
かあ
)
さまは
八人芸
(
はちにんげい
)
の
様
(
やう
)
な
重宝
(
ちようはう
)
なお
方
(
かた
)
ですね。
311
なア
宮子
(
みやこ
)
さま、
312
私
(
わたし
)
も
貴女
(
あなた
)
も、
313
こんなお
母
(
かあ
)
さまを
持
(
も
)
ち、
314
高宮彦
(
たかみやひこ
)
のお
父
(
とう
)
さまを
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
るのだから、
315
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
に
恐
(
こは
)
いものはありませぬわネ』
316
宮子
(
みやこ
)
『さうですとも、
317
それに
違
(
ちが
)
ひありませぬわ』
318
高姫
『オツホホホホ、
319
何
(
なん
)
とまア
優
(
やさ
)
しい
子
(
こ
)
だな、
320
肉体
(
にくたい
)
の
人間
(
にんげん
)
から
生
(
うま
)
れた
子
(
こ
)
だと、
321
私
(
わたし
)
もチツとばかり
悋気
(
りんき
)
が
起
(
おこ
)
ろまいものでもないが、
322
何
(
なん
)
といつても、
323
私
(
わたし
)
の
腹
(
はら
)
にあつた
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
から
化
(
ば
)
けて
出
(
で
)
た
子
(
こ
)
だから
安心
(
あんしん
)
なものだ。
324
なア
高
(
たか
)
さま、
325
宮
(
みや
)
さま、
326
お
前
(
まへ
)
二人
(
ふたり
)
の
名
(
な
)
をよせるとお
父
(
とう
)
さまの
名
(
な
)
にもなり、
327
お
母
(
かあ
)
さまの
名
(
な
)
にもなるね』
328
高子
(
たかこ
)
『ホホホホホ、
329
嬉
(
うれ
)
しいわ』
330
宮子
(
みやこ
)
『エヘヘヘヘヘ、
331
本当
(
ほんたう
)
に
有難
(
ありがた
)
いね』
332
斯
(
か
)
く
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
打解
(
うちと
)
けて
立派
(
りつぱ
)
な
居間
(
ゐま
)
の
中
(
なか
)
で、
333
歌
(
うた
)
つたり
舞
(
ま
)
うたり、
334
美
(
うる
)
はしき
果実
(
このみ
)
を
味
(
あぢ
)
はひながら
一
(
いち
)
日
(
にち
)
を
暮
(
くら
)
した。
335
其
(
その
)
実
(
じつ
)
、
336
萱野原
(
かやのはら
)
の
狸穴
(
まみあな
)
である
事
(
こと
)
は
前述
(
ぜんじゆつ
)
の
通
(
とほ
)
りである。
337
(
大正一二・一・二六
旧一一・一二・一〇
北村隆光
録)
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