霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第九章 婆娑(ばしや)〔一四五九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第57巻 真善美愛 申の巻 篇:第2篇 顕幽両通 よみ(新仮名遣い):けんゆうりょうつう
章:第9章 婆娑 よみ(新仮名遣い):ばしゃ 通し章番号:1459
口述日:1923(大正12)年03月25日(旧02月9日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年5月24日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫はシャルと共にあばら家でさ湯を飲みながら、ブツブツ不機嫌な顔で小言をつぶやいている。日の出神なら陽気を温かくしてほしいとシャルが口答えすると、高姫はいつもの屁理屈で説教しにかかった。
口答えするのも面倒になったシャルは、高姫の言うとおりに四つ辻に新しい見込み信者を引っ張り込みに文句をブツブツ言いながら出かけて行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5709
愛善世界社版:119頁 八幡書店版:第10輯 302頁 修補版: 校定版:125頁 普及版:55頁 初版: ページ備考:
001 (しも)()たれて茶滓(ちやかす)のやうになつた(むく)()は、002(こがらし)()かれてハラハラと小鳥(ことり)(むれ)()つやうに四辺(あたり)()()つて()る。003()()羽衣(はごろも)()いだ(くり)(こずゑ)には成育(せいいく)()しき(むし)(つづ)つた毬栗(いがぐり)(ふた)()蜘蛛(くも)()(とも)中空(ちうくう)(ふる)つて()る。004(からす)皺嗄声(しわがれごゑ)()して岩窟(いはや)(ふもと)屑屋葺(くづやぶき)屋根(やね)にとまつて(かな)しげに()()てる。005どこともなしにボーンボーンと諸行(しよぎやう)無常(むじやう)()ぐる梵鐘(ぼんしよう)(きこ)えて()る。006鬼哭(きこく)耿々(しうしう)として寂寥(せきれう)()(せま)り、007()()()はぬガタガタ(ぶる)ひ、008(やぶ)障子(しやうじ)隙間(すきま)から(みみ)()すやうな(こがらし)がピウピウと()のやうに這入(はい)つて()る。009(くろ)ずんだ(やぶ)(だたみ)(ある)(たび)(ごと)(あし)にもつれつき、010幾度(いくたび)となく(ひと)(ころ)ばして(わら)つて()る。011霜柱(しもばしら)覚束(おぼつか)なげに一本橋(いつぽんばし)真白(まつしろ)けに()め、012川水(かはみづ)直濁(ひたにごり)(にご)り、013(いは)()んでは吠猛(ほえたけ)つて()る。014高姫(たかひめ)はシャルと(とも)(うら)岩山(いはやま)から小柴(こしば)()ちた、015(なかば)(みづ)(ふく)んだ枯枝(かれえだ)(ひろ)(きた)り、016(ふち)()けた囲爐裏(ゐろり)(くす)べ、017(みみ)()けた四角(しかく)湯釜(ゆがま)天釣(てんどり)()()げ、018真黒(まつくろ)けの(たけ)柄杓(ひしやく)()んでは()み、019()んでは()み、020(くすぶ)つた(かほ)をつき(あは)(なが)目玉(めだま)(ばか)りをキヨロづかせ、021(また)(あふ)(なが)ら、022(なに)かブツブツ不機嫌(ふきげん)(かほ)をして(ささや)いて()る。
023高姫(たかひめ)『これシャル、024(まへ)此処(ここ)()てから大分(だいぶ)日日(ひにち)()つたやうだが、025もう(ちつ)(この)生宮(いきみや)精神(せいしん)(わか)りさうなものぢやないか。026(あさ)から(ばん)(まで)灰猫(はひねこ)のやうに囲炉裏(ゐろり)(そば)にヘバリついて、027()ばかり餓鬼(がき)(やう)にガブガブ()んで()ないで、028(ちつ)(そと)()活動(くわつどう)しては如何(どう)だい。029第一(だいいち)霊国(れいごく)天人(てんにん)身魂(みたま)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)亡者引(もさひき)をさして、030(まへ)灰猫爺(はひねこおやぢ)(やう)(くすぶ)つて()ても、031社会(しやくわい)(ため)貢献(こうけん)する(こと)出来(でき)ないぢやないか。032(ちつ)活動(くわつどう)して(もら)はなくては、033どうしてウラナイ(けう)のお(みち)(ひら)けますかい。034(まへ)サンも見掛(みかけ)によらぬどたふしものだなア』
035シャル『そりや(なに)をおつシャールのだ、036よう(かんが)へて御覧(ごらん)なさい。037()(にはか)陽気(やうき)(わる)くなり(よる)とも(ひる)とも(わか)らぬやうな()(なか)にどうして活動(くわつどう)出来(でき)ますか。038(そと)はビユウビユウと(こがらし)()き、039霜柱(しもばしら)()つて(からす)さへも(こは)さうに()いて()るぢやありませぬか。040()出神(でのかみ)生宮(いきみや)なら(ちつ)日輪(にちりん)(さま)でも(のぼ)つて(もら)つて陽気(やうき)(あたた)かくなるやうにして(くだ)さい。041どれ(ほど)活動(くわつどう)しようと(おも)うても(からだ)(ちぢ)こまつて、042(さむ)うて(さび)しうて(なん)だか(おそ)ろしうて()(あし)()せないぢやありませぬか。043()出神(でのかみ)(さま)()加減(かげん)なものですよ。044これ(ほど)毎日(まいにち)日日(ひにち)(たの)むのに日一日(ひいちにち)(さむ)くなる(ばか)り、045こんな薄着(うすぎ)でどうして()()せませうか』
046高姫(たかひめ)『エエ(わけ)(わか)らぬトマ(すけ)だなア。047いつも()(とほ)苦労(くらう)(かたまり)(はな)()御教(みをしへ)だ。048(さむ)()をするのも(ひだる)()をするのも(くるし)()をするのも(みな)(かみ)(さま)のお(めぐみ)だよ。049現世(げんせ)(かり)()()うて、050(かぎ)りがある。051どうせ一度(いちど)()なねばなりませぬよ。052()んでから、053エターナルに無上(むじやう)歓喜(くわんき)摂受(せつじゆ)し、054天国(てんごく)住民(ぢゆうみん)として(くら)さうと(おも)へば、055五十(ごじふ)(ねん)(ひやく)(ねん)(さむ)()をしたつて(ひだる)()をしたつて(やす)いものだ。056肉体(にくたい)(くる)しめて、057(みたま)(きた)()げ、058立派(りつぱ)立派(りつぱ)(かみ)生宮(いきみや)となるのだよ。059(この)高姫(たかひめ)(こと)(かんが)へて御覧(ごらん)なさい。060何程(なにほど)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)()うたつて、061肉体(にくたい)()(かぎ)矢張(やつぱ)りお(まへ)サンと(おな)じやうに(さむ)(とき)には(さむ)い、062(ひだる)(とき)には(ひだる)いのだ。063結構(けつこう)()(みづ)とを(いただ)いて(のど)(かわ)けば(みづ)(いただ)(さむ)ければ()(いただ)いて(あたた)まる、064(なん)()勿体(もつたい)ない(こと)()ふのだえ。065()(みづ)とお(つち)との御恩(ごおん)(わす)れては人間(にんげん)(この)()()つてゆけないと何時(いつ)()ふぢやありませぬか。066(さて)(さて)(おぼ)えの(わる)健忘症(けんばうしやう)だなア、067(くる)しいのが結構(けつこう)だよ。068(くる)しみの(あと)には屹度(きつと)(たの)しみが()る、069(さむ)(ふゆ)(あと)には(はる)()る、070何程(なにほど)(ふゆ)(はる)にしようとしても、071それは天地(てんち)のお規則(きそく)だから、072人間(にんげん)左右(さいう)する(こと)出来(でき)ませぬぞや』
073シャル『(なに)(ほど)074()御恩(ごおん)仰有(おつしや)つても、075こう日月(じつげつ)(ひかり)もなく、076四面(しめん)暗澹(あんたん)として(やみ)(くだ)けたやうに、077(そら)から()ちて()ては()つから()(あたた)かうないぢやありませぬか。078此処(ここ)()は、079(なん)だか(みづ)(なか)()()つたやうに(ちから)がありませぬわ。080何程(なんぼ)()いても()いても(からだ)(あたた)まる(とこ)へはゆかず、081(けむ)たい(ばか)りで、082焚物(たきもの)(まで)(はら)()てて、083ブツブツ小言(こごと)()ひ、084シユンシユンと(なみだ)(まで)(こぼ)して()るぢありませぬか。085こんな()にあたつたところで燈明(とうみやう)()(しり)(あぶ)つて()るやうなものです。086(この)(ごろ)()老耄(おいぼれ)たのでせうか、087テント勢力(せいりよく)がありませぬわ』
088高姫(たかひめ)『コレ、089(なん)()勿体(もつたい)ない(こと)()ふのだい。090燈明(とうみやう)(しり)(あぶ)つたやうだなどとは怪体(けたい)(こと)()ふぢやないか。091(まへ)さまは(みたま)(わる)いから、092精霊(せいれい)(せき)八寒(はつかん)地獄(ぢごく)()いて()るから、093それで(さむ)いのだよ。094(わたし)のやうに()神徳(しんとく)(いただ)きなさい。095精霊(せいれい)地獄(ぢごく)096肉体(にくたい)八衢(やちまた)彷徨(さまよ)うて()るやうな(こと)で、097どうして(かみ)生宮(いきみや)()へますか』
098シャル『(なん)だか()りませぬが、099高姫(たかひめ)さまの仰有(おつしや)(こと)(ちつ)とも(はら)這入(はい)りませぬがなア』
100高姫(たかひめ)(きま)つた(こと)だよ、101そこら(ぢう)泥坊(どろばう)(ある)いて()たやうな悪党者(あくたうもの)だから、102一旦(いつたん)()()んだ灰汁(あく)容易(ようい)()ちはせぬワイ。103誠水晶(まことすゐしやう)(かたまり)日本(やまと)(だましひ)結構(けつこう)結構(けつこう)生宮(いきみや)さまの身魂(みたま)と、104蛆虫(うじ)()いた(くそ)まぶれの身魂(みたま)とはどうしてもバツが()はないのは当然(たうぜん)だ。105(なに)()うても最奥(さいあう)第一(だいいち)霊国(れいごく)最下層(さいかそう)地獄(ぢごく)(みたま)()いて()(もの)との応対(おうたい)だから、106(わし)()(こと)(わか)らぬのも無理(むり)はないが、107(しか)しこう(なが)らく(わし)(そば)()るのだから、108(すこ)しは身魂(みたま)(みが)けさうなものだが矢張(やつぱり)身魂(みたま)我羅苦多(がらくた)だから(ほね)()れる(こと)だよ。109毎日(まいにち)日日(ひにち)(まへ)一人(ひとり)にかかつて言霊(ことたま)原料(げんれう)()くなるほど()(さと)して()るのに、110()()(つゆ)(ほど)改心(かいしん)出来(でき)てゐないぢやないか、111(めくら)(つんぼ)()ふものは、112どうにもかうにも料理(れうり)仕様(しやう)()いものぢやなア。113天人(てんにん)(みたま)にこの高姫(たかひめ)一言(ひとこと)()うて(わか)(こと)を、114地獄霊(ぢごくみたま)のお(まへ)には数百万(すうひやくまん)(げん)(つひや)さねばならぬのだから、115本当(ほんたう)厄介者(やつかいもの)引張(ひつぱり)()んだものだ。116(これ)でも(かみ)(さま)至仁(しじん)至愛(しあい)だからトコトン改心(かいしん)させねばならぬ。117(まへ)さへ改心(かいしん)して()れたなら、118世界中(せかいぢう)一遍(いつぺん)改心(かいしん)すると底津(そこつ)岩根(いはね)大神(おほかみ)(さま)仰有(おつしや)るのだから何卒(どうぞ)()出神(でのかみ)()(あは)して(たの)むから、119()いて(くだ)さい。120(かみ)(ひと)一人(ひとり)改心(かいしん)させようと(おも)へば(ほね)()れるぞよ。121チト(かみ)(こころ)(さつ)して(くだ)されよ。122()出神(でのかみ)生宮(いきみや)(まを)した(こと)一分(いちぶ)一厘(いちりん)毛筋(けすぢ)横巾(よこはば)(ほど)間違(まちが)ひは(ござ)らぬぞよ』
123シャル『高姫(たかひめ)さま貴女(あなた)仰有(おつしや)(こと)は、124(いち)から(じふ)(まで)間違(まちが)ひだらけぢやありませぬか。125(ひと)つだつて貴女(あなた)仰有(おつしや)つた(こと)的中(てきちう)した(こと)()いぢやありませぬか。126よう()(ほど)間違(まちが)つた(こと)()うて()いて、127自分(じぶん)から愛想(あいそ)()きない(こと)ですな。128……明日(あす)日輪(にちりん)さまを()してやらう、129()しこれが間違(まちが)つたら()出神(でのかみ)(この)()()らぬぞよ……と啖呵(たんか)()つて()きながら、130(その)()になるとザアザアと(あめ)()り、131そこらが真黒(まつくろ)けになつたぢやありませぬか。132(その)(とき)になつてお(まへ)さまは()んな(かほ)をなさるかと(かんが)へて()れば……アア()出神(でのかみ)(さま)()苦労(くらう)(さま)(ござ)います。133日輪(にちりん)(さま)がお(あが)りなさらないのも()無理(むり)(ござ)いませぬ。134(この)高姫(たかひめ)(そば)には身魂(みたま)(くも)つたものがシヤツついて()るから、135仕様(しやう)(ござ)いませぬ……とか(なん)とか(うま)理窟(りくつ)をつけて()まし()んで(ござ)るのだから、136(わたし)愛想(あいそ)()きました。137よう(かんが)へて御覧(ごらん)なさい、138仮令(たとへ)(わたし)極悪人(ごくあくにん)であらうとも一人(ひとり)(ため)にお日様(ひいさま)()なかつたり、139(そら)(くも)つたりするやうな道理(だうり)がありますか、140万一(まんいち)(わたし)(くも)りがある(ため)天地(てんち)(くも)るのなら(わたし)一挙(いつきよ)一動(いちどう)天地(てんち)感動(かんどう)して()るやうなもの、141そんな(えら)(もの)ぢやありますまい。142(まへ)さまは(わたし)悪口(わるくち)()(なが)(わたし)天地(てんち)(まれ)なる比類(たぐひ)()英雄(えいゆう)豪傑(がうけつ)にして(くだ)さつたやうなものだ。143其処辺(そこら)(てん)がどうしても(わたし)には合点(がつてん)がゆかないのですよ』
144高姫(たかひめ)『エエ(なに)をつべこべと(くだ)らぬ理窟(りくつ)()ふのだえ。145(まへ)因縁(いんねん)(わる)身魂(みたま)だからバラモン(けう)からは追出(おひだ)され小盗人(こぬすと)からは()()され、146しよう(こと)なしにこの高姫(たかひめ)(しり)(くら)ひついて()るのぢやないか。147(まへ)のやうな我羅苦多(がらくた)天地(てんち)(うご)かすやうな(ちから)はありさうな(こと)はない。148(しか)(なが)(かみ)(さま)がお(まへ)世界悪(せかいあく)映象(えいぞう)として三五教(あななひけう)変性(へんじやう)女子(によし)のやうに(かた)()して(ござ)るのだから、149世界(せかい)悪身魂(あくみたま)がお(まへ)(うつ)り、150(まへ)悪身魂(あくみたま)世界(せかい)(うつ)るのだ。151それだからお(まへ)さへ改心(かいしん)して()れたら世界中(せかいぢう)改心(かいしん)(いた)すと()ふのだよ。152この()出神(でのかみ)(てん)(かま)へば()(かま)ふ、153(また)八衢(やちまた)(かま)(おほ)ミロク(さま)太柱(ふとばしら)だから、154零落(おちぶ)れて()ると(おも)うて(あなど)りて()ると、155スコタンを()(こと)出来(でき)ますぞや。156(さき)()()(くだ)され、157(さき)になりてから、158……アア高姫(たかひめ)さまは立派(りつぱ)なお(かた)だつた、159こんな(こと)なら、160口答(くちごたへ)(いた)さず、161(ちつ)(ばか)大事(だいじ)(うやま)うて()たらよかつた……と地団駄(ぢだんだ)()んでも(あと)(まつ)り、162何程(なにほど)其処(そこ)になりて……改心(かいしん)(いた)しますから(たす)けて(くだ)され……と()つても()出神(でのかみ)()りませぬぞや。163さうだから(いま)(うち)柔順(おとな)しう(いた)して素直(すなほ)になさるがお(ぬし)のお(とく)だ。164(この)()でさへも切替(きりかへ)があるのに(なに)をグヅグヅして(ござ)るのだ。165(はや)(こころ)切替(きりかへ)をなさらぬかいナ』
166シャル『高姫(たかひめ)さま本当(ほんたう)ですかいな。167そんな(こと)()つて大法螺(おほぼら)()くのぢやありませぬか、168(くち)から法螺(ほら)()き、169(しり)から喇叭(ラツパ)()くのは当世(たうせい)流行(りうかう)ものですからなア』
170高姫(たかひめ)『それはお(まへ)(あく)水晶(すいしやう)(かがみ)(この)生宮(いきみや)(うつ)つて()るのだよ。171……(ひと)(こと)だと(おも)うて()ると(みな)(わが)(こと)だぞよ……と変性(へんじやう)男子(なんし)のお(ふで)()()るぢやありませぬか、172(いぬ)(さかな)(くわ)へて一本橋(いつぽんばし)(うへ)(わた)ると、173(みづ)(そこ)にも(また)一匹(いつぴき)(いぬ)()(さかな)(くわ)(さかさ)()てつて(ある)いて()るのを()て……此奴(こいつ)()しからぬ(やつ)だ、174(あし)(てん)にし背中(せなか)()にして(ある)いて()る。175(ひと)(しか)つてやれ……と、176ワンと()うた途端(とたん)(くち)(くわ)へて()(さかな)がバツサリと(みづ)(なか)()ちたと()(はなし)があるだらう。177恰度(ちやうど)(まへ)さまは(はし)(うへ)(いぬ)だ。178水晶(すいしやう)水鏡(みづかがみ)179(すなは)高姫(たかひめ)(みたま)にお(まへ)(みにく)(みたま)(うつ)つて何事(なにごと)逆様(さかさま)()られるのだぞよ。180蟇蛙(ひきがへる)(あぶら)()(とき)には四方(しはう)八方(はつぱう)ガラスを()てた(はこ)()れて()くと、181四方(しはう)八方(はつぱう)自分(じぶん)(みにく)姿(すがた)(うつ)るので、182自分(じぶん)(かたき)(おも)ひ、183彼方(あつち)()(あた)り、184此方(こつち)()びつき、185(しまひ)(はて)にはすつかり(つか)れて(あぶら)()してカンピンタンになつて()ぬものだ。186この高姫(たかひめ)(わる)()えるのは(つま)りお(まへ)さまの(みたま)(わる)いのだ。
187()(むか)(ひと)姿(すがた)(かがみ)なり
188(おの)(こころ)(うつ)してや()む。
189()道歌(だうか)(かんが)へて御覧(ごらん)なさい、190(みな)(ひと)(わる)()えるのは自分(じぶん)(わる)いからぢやぞえ。191ても()ても犬蛙人種(いぬかわづ)()ふものは仕方(しかた)のないものだなア』
192シャル『高姫(たかひめ)さま、193善言(ぜんげん)美辞(びじ)(をしへ)だと何時(いつ)仰有(おつしや)るが、194随分(ずゐぶん)悪言(あくげん)暴語(ばうご)放出(はうしゆつ)なさるぢやありませぬか。195それでは(かみ)資格(しかく)はゼロですよ』
196高姫(たかひめ)『それは(また)(なん)()(わか)らぬ(こと)()ふのだえ、197最前(さいぜん)からあれ(ほど)(かがみ)(たとへ)()いて説明(せつめい)してやつたぢやないか。198エエ(どん)身魂(みたま)(こま)つたものだなア。199高姫(たかひめ)悪言(あくげん)暴語(ばうご)するのはお(まへ)さまの(みたま)(うつ)つて()るのだ。200いやお(まへ)さまのためだ。201(この)高姫(たかひめ)半鐘(はんしよう)のやうなものだ。202(やはら)かく()てば(やはら)かく(ひび)く、203(つよ)()てば(つよ)(ひび)く、204(たか)()てば(たか)(ひび)く、205(ひく)()てば(ひく)()()るのだ。206(まへ)さまが(くだ)らぬ(くち)(たた)くからこんな言葉(ことば)()るのだよ。207(まへ)さまがモ(ちつ)素直(すなほ)になり、208長上(ちやうじやう)(うやま)ひ、209もつと(やさ)しき言葉(ことば)使(つか)へば(やさ)しくなるのだ、210……(この)(かみ)(したが)つて()れば(まこと)(やさ)しき(かみ)であるなれど、211敵対心(てきたいごころ)(かみ)(まへ)()()よれ、212(おに)(じや)相好(さうがう)になるぞや……』
213シャル『モシ高姫(たかひめ)さま、214それや現界(げんかい)理窟(りくつ)ぢやありませぬか、215至仁(しじん)至愛(しあい)(おほ)ミロク(さま)なら、216悪人(あくにん)()れば(なほ)可愛(かあい)がり、217善人(ぜんにん)()れば(また)可愛(かあい)がり、218(けつ)して憎悪(ぞうを)(ねん)をお()ちなさらないのが(かみ)(さま)でせう。219(おのれ)(てき)する(もの)(たい)して鬼畜(きちく)(さう)(あら)はし、220(おのれ)(したが)(もの)には柔和(にうわ)(さう)(あら)はすと()ふのなら、221(まへ)さまを尊敬(そんけい)することが出来(でき)ませぬわ。222()んな(わる)(もの)でも此方(こつち)親切(しんせつ)にしてやれば(よろこ)んで(したが)ひ、223キツト恩返(おんがへ)しをするものです。224(おのれ)(したが)ふものを(あい)し、225(てき)するものを(にく)むのなら、226それは自愛(じあい)であつて、227八衢(やちまた)人足(にんそく)や、228地獄界(ぢごくかい)邪気(じやき)のする(わざ)でせう。229(かみ)(さま)(けつ)して憤慨(ふんがい)したり憎悪(ぞうを)したりなさるものぢやありませぬぞ。230(かみ)(さま)がもし憎悪(ぞうを)(ねん)(おこ)したりなさるとすれば、231(かみ)自体(じたい)(すで)(ほろ)ぶぢやありませぬか』
232高姫(たかひめ)『エエ、233第一(だいいち)霊国(れいごく)天人(てんにん)(まを)(こと)がお(まへ)()(わか)るものか、234(ちつ)修業(しうげふ)なされ。235(うつは)(おほ)きくなつたら(この)高姫(たかひめ)(まを)(こと)明白(はつきり)(わか)るだらう。236(それ)よりも(はや)四辻(よつつじ)()旅人(たびびと)引張(ひつぱ)つて()なさい。237こう毎日(まいにち)日日(ひにち)結構(けつこう)光陰(くわういん)空費(くうひ)して()ては、238天地(てんち)(かみ)(さま)勿体(もつたい)ない、239一人(ひとり)でも改心(かいしん)さしてウラナイ(けう)信者(しんじや)(こしら)へねば、240天地(てんち)(かみ)(さま)()まない。241(まへ)(この)()(うま)れて()甲斐(かひ)があるまい。242サア、243トツトと四辻(よつつじ)(まで)()つて()なさい』
244シャル『高姫(たかひめ)さま貴女(あなた)一緒(いつしよ)()(くだ)さらぬか。245(また)文治別(あやはるわけ)とか()ふエンゼルがやつて()たら(こま)りますからなア』
246高姫(たかひめ)『エエ(なん)()()(よわ)(こと)()ふのだい。247文治別(あやはるわけ)なんて、248あんな(もの)(せん)(にん)(まん)(にん)(たば)()うて()(とこ)が、249こたへるやうな生宮(いきみや)ぢやありませぬぞや』
250シャル『ハハハハハ、251どこ(まで)我執(がしふ)(ねん)(つよ)(ひと)ですなア。252(やま)()え、253(たに)()荊棘掻(いばらがき)をしながら、254のたくつて()げたぢやありませぬか。255なぜ(それ)(ほど)(えら)いお(かた)なら、256あのエンゼルを此処(ここ)にじつとして()(へこ)ませてやらぬのですか』
257高姫(たかひめ)『エエ(わか)らぬ(をとこ)だなア。258国治立(くにはるたちの)(みこと)(さま)さへも謙譲(けんじやう)(とく)(まも)悪神(あくがみ)()(ゆづ)つて(うしとら)退却(たいきやく)なさつたぢやないか、259そこが(かみ)(さま)(たふと)(とこ)だよ。260(この)生宮(いきみや)変性(へんじやう)男子(なんし)系統(ひつぽう)ぢやから、261謙譲(けんじやう)(とく)(まも)つてエンゼルに(はな)()たせて()げてやつたのだよ。262救世主(きうせいしゆ)仁慈(じんじ)無限(むげん)精神(せいしん)小盗人(こぬすと)(あが)りのお(まへ)(わか)らうか。263(もの)()へば(くちびる)(さむ)(あき)(かぜ)」と、264可惜(あたら)(くち)(かぜ)()かすより、265ここは(ひと)沈黙(ちんもく)(まも)らう。266サア(はや)四辻(よつつじ)()つて()なさい』
267シャル『エ仕方(しかた)がありませぬ、268そんなら(しばら)()つて(まゐ)ります。269アア(さむ)(こと)だなア。270こんな(こと)なら高姫(たかひめ)さまの(そば)()るのぢやなかつたに。271今更(いまさら)ベル、272ヘルの仲間(なかま)逆転(ぎやくてん)すると()うても()せても()れまい。273毎日(まいにち)日日(ひにち)亡者引(もさひき)をやつては()()ばされ、274()(まか)されて(たま)つたものぢやないわ』
275とブツブツ小言(こごと)()(なが)ら、276霜柱(しもばしら)()いた一本橋(いつぽんばし)(こは)さうに(また)げながら()でて()く。
277大正一二・三・二五 旧二・九 於皆生温泉浜屋 加藤明子録)

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