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第二四章 空縛(くうばく)〔一四七四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第57巻 真善美愛 申の巻 篇:第3篇 天上天下 よみ(新仮名遣い):てんじょうてんか
章:第24章 空縛 よみ(新仮名遣い):くうばく 通し章番号:1474
口述日:1923(大正12)年03月26日(旧02月10日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年5月24日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
小国別の神館は、家令オールスチンの帰幽の知らせを聞いて、三千彦を祭主として一同大神殿に集まり、盛大な帰幽奉告祭を執り行っていた。
そこへハルナの都の大黒主の使者として、ニコラス宣伝使が従者たちと数十人の兵卒を引き連れてやってきた。祭典が終わって戻ってきた一同の前に、ニコラスは長剣を佩いたまま現れ、テルモン山神館に三五教の宣伝使を引き入れた罪を問うた。
小国姫は事情を説明したが、ニコラスは三五教の宣伝使は直ちに召し捕らなければならないと言い渡した。三千彦と求道居士は自ら名乗りを上げて現れた。デビス姫とケリナ姫は、それぞれ三五教宣伝使の妻だとして名乗りを上げた。
ニコラスは従者に目配せして四人を縛りあげ、門前の広場に杭を打って繋げ、数十人の兵卒に見張らせておいた。小国姫悲観して自害しようとしたが、スマートが駆けてきて阻止した。
すると隣室より、神の恵みに抱かれた自分の身体を縛る方法はない、という三千彦の歌が聞こえてきた。ニコラスは不審の念を抱き、小国姫が三五教の魔法を使ったと思い、従者に下知して小国姫を縛らせようとした。
隣室から涼しい声で天の数歌が聞こえてくる。小国姫の肉体からたちまち金色の光が放射し、ニコラスをはじめ六人の従者たちは目がくらんで座敷の真中に倒れてしまった。三千彦、求道居士、デビス姫、ケリナ姫の四人はにこにこしながら、ゆうゆうとして隣室から現れてきた。
驚く小国姫に、三千彦は誠ひとつの肉体には刃は立たず、縛っても縛ることはできないと安堵させた。ニコラスは起き上がり、四人を今度は針金で縛って再び広場に繋いだ。ニコラスは戻ってくると、今度は小国姫とヘルも縛って広場に連れて行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5724
愛善世界社版:281頁 八幡書店版:第10輯 361頁 修補版: 校定版:292頁 普及版:132頁 初版: ページ備考:
001 小国別(をくにわけ)神館(かむやかた)には家令(かれい)のオールスチンが帰幽(きいう)せし(こと)を、002トンクの報告(はうこく)によりて()り、003(ただち)大神殿(だいしんでん)(すす)んで山野(さんや)河海(かかい)供物(くもつ)(けん)じ、004三千彦(みちひこ)祭主(さいしゆ)となし求道(きうだう)居士(こじ)005小国姫(をくにひめ)006デビス(ひめ)007ケリナ(ひめ)008ヘルその()下男(げなん)009下女(げぢよ)010参列(さんれつ)して、011オールスチンの帰幽(きいう)報告祭(はうこくさい)(おこな)ひ、012()(その)冥福(めいふく)(いの)るべく、013盛大(せいだい)なる祭典(さいてん)(おこな)うて()た。014()かる(ところ)へハルナの(みやこ)大黒主(おほくろぬし)使者(ししや)として、015ニコラス宣伝使(せんでんし)はポリト、016バット、017リーベナ、018ハンナ、019マリス、020ルイキンの(ろく)(にん)従者(じうしや)数十(すうじふ)(にん)兵卒(へいそつ)()()れ、021()(やかた)(あわただ)しく()(きた)り、022応接室(おうせつしつ)陣取(ぢんど)つて祭典(さいてん)()むのを()つて()た。023三千彦(みちひこ)その()一同(いちどう)は、024ニコラスが数十(すうじふ)(にん)(へい)()()(この)(やかた)(きた)りし(こと)(ゆめ)にも()らず、025一心(いつしん)不乱(ふらん)祈願(きぐわん)()らし悠々(いういう)として(おく)()()(かへ)休息(きうそく)せむとする(とき)しも、026ニコラスは長剣(ちやうけん)(こし)()つたまま()(きた)り、
027ニコラス『拙者(せつしや)はハルナの(みやこ)大黒主(おほくろぬし)(かみ)(さま)より、028重大(ぢゆうだい)なる使命(しめい)()びて出張(しゆつちやう)(いた)した(もの)(ござ)る。029長途(ちやうと)(たび)にて引率(いんそつ)せる兵卒(へいそつ)(つか)()りますれば相当(さうたう)休養所(きうやうじよ)をお(あた)(くだ)さい。030して、031小国別(をくにわけ)殿(どの)如何(いかが)(いた)されたか、032(すみやか)此処(ここ)にお()ましを(ねが)()い』
033小国姫(をくにひめ)『これはこれは遥々(はるばる)()上使(じやうし)のお(いで)034(をつと)小国別(をくにわけ)出迎(でむか)(つかまつ)るが本意(ほんい)(ござ)いますれど、035生命(せいめい)(かかは)(くらゐ)大病(たいびやう)(わづら)ひ、036(いま)(やうや)(いのち)()()めたる(ところ)(ござ)いますれば、037不本意(ふほんい)ながら失礼(しつれい)(いた)して()ります。038何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)(ゆる)(くだ)さいませ』
039ニコラス『小国姫(をくにひめ)殿(どの)040それは(さぞ)()心配(しんぱい)(ござ)らう。041()病気(びやうき)とあればたつてお()にかからうとは(まを)さぬ。042(しか)(なが)ら、043当館(たうやかた)には外道(げだう)宣伝使(せんでんし)三千彦(みちひこ)とやら(まを)魔法使(まはふづかひ)(かくま)ひあるよし()(およ)ぶが、044如何(いかが)(ござ)るか。045其方(そなた)大切(たいせつ)なるバラモン(けう)霊場(れいぢやう)046(こと)大黒主(おほくろぬし)(さま)発祥(はつしやう)(やかた)(あづか)らるる()(うへ)なれば、047よもや左様(さやう)取違(とりちが)ひはあるまいな。048(すみやか)()返答(へんたふ)(うけたま)はりませう』
049小国姫(をくにひめ)『ハイ、050(この)()(およ)んで(なに)(かく)しませう。051(さつ)しの(とほ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)三千彦(みちひこ)(さま)(はじ)求道(きうだう)(さま)()真人(しんじん)(まゐ)つて()られます』
052ニコラス『かかる(たふと)聖場(せいぢやう)へ、053誰人(たれ)(ゆる)しを()けてお(いれ)なされたか、054(その)理由(りいう)(うけたま)はらう』
055 小国姫(をくにひめ)はハツと(むね)をつきながら、056(かな)はぬ(ところ)覚悟(かくご)(さだ)め、057(なみだ)片手(かたて)(ぬぐ)ひ、
058(まこと)申訳(まをしわけ)のない次第(しだい)(ござ)いますが、059(これ)には(ふか)仔細(しさい)(ござ)います。060何卒(どうぞ)一応(いちおう)()(とり)(ねが)ひます。061(この)(やかた)には悪人(あくにん)(はびこ)り、062大黒主(おほくろぬし)(さま)より吾々(われわれ)(あづか)りし()神宝(しんぱう)(ぬす)()られ途方(とはう)()れ、063吾々(われわれ)二人(ふたり)(はら)かつさばいて申訳(まをしわけ)をせむかと(おも)(ところ)へ、064飄然(へうぜん)として三五教(あななひけう)三千彦(みちひこ)宣伝使(せんでんし)がお()しになり、065(たま)所在(ありか)(をし)へて(くだ)さいました。066(また)(わらは)(むすめ)二人(ふたり)(まで)悪漢(わるもの)誘拐(かどはか)され、067憂愁(いうしう)(なみだ)(くれ)()(ところ)をお(すく)(くだ)さつて(やうや)親子(おやこ)対面(たいめん)(いた)した(ところ)(ござ)います。068それ(ゆゑ)この二人(ふたり)のお(かた)(この)(やかた)(すく)(ぬし)(おも)ひまして、069(はや)(かへ)()いと仰有(おつしや)るのを無理(むり)()()めて()ります。070(けつ)して三千彦(みちひこ)(さま)求道(きうだう)(さま)(つみ)(ござ)いませぬ。071(みんな)(わたし)()()れたのですから、072如何(いか)やうとも()成敗(せいばい)(ねが)ひます』
073ニコラス『其方(そなた)成敗(せいばい)一先(ひとま)大黒主(おほくろぬし)(さま)()意見(いけん)()かねば処置(しよち)する(こと)出来(でき)ぬ。074(それ)(まで)神妙(しんめう)(ひか)へて()られたがよからう。075(しか)(なが)ら、076外道(げだう)宣伝使(せんでんし)一刻(いつこく)猶予(いうよ)はならぬ、077一刻(いつこく)(はや)(この)(はう)(まへ)()()しめされ』
078小国姫(をくにひめ)『ハイ』
079()(なが)顔色(かほいろ)()へてモジモジして()る。
080三千彦(みちひこ)拙者(せつしや)がお(たづ)ねの三千彦(みちひこ)(ござ)る。081今日(こんにち)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)とは()(なが)(この)(やかた)養子(やうし)デビス(ひめ)(をつと)(ござ)れば貴方(あなた)自由(じいう)にはなりますまい。082()意見(いけん)あらば(うけたま)はりませう』
083求道(きうだう)居士(こじ)拙者(せつしや)三五教(あななひけう)修験者(しゆげんじや)求道(きうだう)居士(こじ)(まを)すもの、084当家(たうけ)(むすめ)ケリナ(ひめ)(をつと)(ござ)る。085不都合(ふつがふ)(ござ)れば如何(いか)やうともなさつたがよからう』
086デビス(ひめ)『お上使(じやうし)(さま)087(わらは)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(つま)(ござ)います。088どうか(をつと)(かは)りに(わらは)()処刑(しよけい)(くだ)さるやうにお(ねが)(いた)します』
089ケリナ(ひめ)(わらは)(をつと)身替(みがは)りに()処刑(しよけい)()けまする』
090三千彦(みちひこ)『アハハハハ、091ニコラス殿(どの)092サア(はや)吾々(われわれ)をお(しば)りなされ』
093 ニコラスは(あやま)るかと(おも)ひの(ほか)094度胸(どきよう)(すわ)つた()(にん)(いきほひ)辟易(へきえき)しながらも、095(ろく)(にん)従者(じうしや)()くばせした。096(ろく)(にん)(ふところ)より捕縄(ほじよう)()()し、097()(にん)(なは)をかけた。098()(にん)従容(しやうよう)として(ばく)されたまま表門(おもてもん)()かれ()く。099ニコラスは天下(てんか)懲戒(みせしめ)門前(もんぜん)広場(ひろば)(くひ)()ち、100()(にん)雁字搦(がんじがら)みに(つな)()き、101数十(すうじふ)(にん)兵卒(へいそつ)(かた)(まも)らせ()き、102(ろく)(にん)(したが)へ、103(ひぢ)()(ふたた)(おく)()(かへ)(きた)る。
104 小国姫(をくにひめ)(ただ)一人(ひとり)脇息(けふそく)(もた)(うれ)ひに(しづ)んで()る。
105ニコラス『アイヤ、106小国姫(をくにひめ)殿(どの)107(かく)(ごと)弱虫(よわむし)(なん)(おも)つて()(やかた)へお()れなさつたか、108貴女(あなた)にも似合(にあは)ぬやり(かた)109二人(ふたり)(むすめ)(まで)咎人(とがにん)となさるとは(はや)まつたやり(かた)だ。110()(どく)ながらもはや(たす)ける(わけ)にはゆきませぬ。111覚悟(かくご)をなされたがよろしからう』
112小国姫(をくにひめ)何処(どこ)(まで)()(ねら)(わざわひ)(かみ)113もはや覚悟(かくご)(いた)して()ります。114皆様(みなさま)115オサラバ』
116()ふより(はや)(ふところ)懐剣(くわいけん)()()()()てんとする一刹那(いちせつな)117スマートは(ちう)()んで()(きた)り、118ワンと一声(ひとこゑ)懐剣(くわいけん)(かじ)()き、119もぎ()(おもて)をさして韋駄天(ゐだてん)(ばし)りに(はし)()く。120隣室(りんしつ)より三千彦(みちひこ)(こゑ)として、
121千早(ちはや)ふる(かみ)(めぐみ)(いだ)かれし
122(わが)(からたま)(しば)るよしなし。
123三五(あななひ)(かみ)(をしへ)宣伝使(せんでんし)
124(いま)此処(ここ)にありニコラスの(きみ)
125 ニコラスは、126(この)(こゑ)()いて不審(ふしん)()れやらず、
127『イヤ小国姫(をくにひめ)殿(どの)128其方(そなた)三五教(あななひけう)魔法(まはふ)(なら)つたと()える。129ますますもつて()しからぬ代物(しろもの)だ。130もうかうなる(うへ)大黒主(おほくろぬし)(さま)()命令(めいれい)()(まで)もなく、131ふん(じば)つて成敗(せいばい)(いた)すで(ござ)らう。132ハンナ、133マリス、134(その)(ほか)()(にん)(すみやか)(この)(をんな)(ばく)せ』
135 『ハイ』と(こた)へて(ろく)(にん)小国姫(をくにひめ)無雑作(むざふさ)(しば)()げむとす。136(この)(とき)(となり)()より(すず)しき(こゑ)にて、
137(ひと)138(ふた)139()140()141(いつ)142(むゆ)143(なな)144()145(ここの)146(たり)147(もも)148()149(よろづ)
150(あま)数歌(かずうた)(きこ)えて()た。151小国姫(をくにひめ)肉体(にくたい)より、152(たちま)金色(こんじき)(ひかり)放射(はうしや)し、153ニコラス(はじ)(ろく)(にん)(もの)(たちま)(まなこ)(くら)み、154タヂタヂと(あと)しざりしながらバタリと座敷(ざしき)真中(まんなか)(たふ)れける。
155 三千彦(みちひこ)156求道(きうだう)157デビス、158ケリナの()(にん)莞爾(にこにこ)しながら、159(つぎ)()から悠々(いういう)として(あら)はれ(きた)り、160小国姫(をくにひめ)(まへ)()()めた。161小国姫(をくにひめ)()るより二度(にど)吃驚(びつくり)
162『ア、163貴方(あなた)宣伝使(せんでんし)(さま)164ヤ、165(むすめ)166どうしてあの(いましめ)()いて(かへ)られたか』
167三千彦(みちひこ)(まこと)(ひと)つの肉体(にくたい)には、168(やいば)()ちませぬ。169(しば)つても(しば)(こと)出来(でき)ませぬ。170()安心(あんしん)なさいませ』
171小国姫(をくにひめ)有難(ありがた)(ござ)います。172三五教(あななひけう)大神(おほかみ)(さま)173ようお(たす)(くだ)さいました。174只今(ただいま)(かぎ)りバラモンは(おも)()神殿(しんでん)()()けますれば、175何卒(どうぞ)(ゆる)(くだ)さいませ。176アア惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
177合掌(がつしやう)して()る。
178 ニコラス以下(いか)(ろく)(にん)(また)もやムクムクと()(あが)り、
179ニコラス『ヤア其方(そなた)はどうして(いましめ)()(かへ)つてうせたか、180不届者(ふとどきもの)()181サア(はや)()(まは)せ』
182 ()(にん)一度(いちど)に、
183『アハハハハ、184ホホホホホ』
185哄笑(こうせう)(なが)()(まは)した。186(ろく)(にん)念入(ねんい)りに()(にん)(しば)()げ、187今度(こんど)最早(もはや)大丈夫(だいぢやうぶ)と、188(ほそ)針金(はりがね)をもつて(その)(うへ)(しば)(なが)ら、189(また)もや門前(もんぜん)()いて()く。190数十(すうじふ)(にん)兵士(へいし)(いづ)れも長途(ちやうと)(たび)(つか)グタリとなつて他愛(たあい)もなく(ねむ)つて()る。191ニコラスは大音声(だいおんじやう)にて、
192ニコラス『(なんぢ)()兵士(へいし)奴輩(やつばら)193大切(たいせつ)なる咎人(とがにん)()(にが)(ねむ)つて()ると()(こと)があるか。194左様(さやう)(こと)大切(たいせつ)御用(ごよう)(つと)まるか』
195呶鳴(どな)りつけた。196(この)(こゑ)兵士(へいし)一同(いちどう)(おどろ)()(あが)り、197()をつけ」の姿勢(しせい)直立(ちよくりつ)し、198行儀(ぎやうぎ)よく(なら)んだ。199ニコラスは(また)もや()(にん)(おな)じく(しば)りつけて()き、200兵士(へいし)厳重(げんぢゆう)監督(かんとく)警護(けいご)すべく(めい)じ、201オホンと呟払(せきばら)ひしながら大手(おほで)()つて(ろく)(にん)(したが)へ、202(おく)()(すす)()る。203(おく)()には小国姫(をくにひめ)204ヘルが心配(しんぱい)さうに火鉢(ひばち)(なか)()いて何事(なにごと)(ささや)いて()る。205ニコラスは威猛高(ゐたけだか)になり、
206ニコラス『如何(いか)小国姫(をくにひめ)207千変(せんぺん)万化(ばんくわ)妖術(えうじゆつ)使(つか)ふとも、208(かく)(ごと)針金(はりがね)をもつて(しば)りつけ数多(あまた)兵士(へいし)(まも)らせたれば最早(もはや)(のが)れる(みち)はない。209サア(これ)から(その)(はう)(ばん)だ。210(すみやか)()(まは)せ』
211小国姫(をくにひめ)『ホホホホホ、212どうせ(いのち)()てようと決心(けつしん)した(わらは)(ござ)います。213そんな(むつかし)(かほ)をせずに(しば)()げて、214()きなと、215()るなと()勝手(かつて)になさいませ』
216ヘル『オイ、217ニコラス、218貴様(きさま)(おれ)(かほ)()つて()るか、219(おれ)軍曹(ぐんさう)のヘルさまだぞ。220今日(こんにち)()しも()されもせぬ天下(てんか)泥坊(どろばう)(さま)だ。221サア(しば)つて()け。222貴様(きさま)(いま)(しば)つて()つた求道(きうだう)居士(こじ)は、223鬼春別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)秘書官(ひしよくわん)エミシのカーネルさまだ。224下級(かきふ)(もの)上官(じやうくわん)(しば)()げると()(こと)があるか、225反対(あべこべ)(おれ)(はう)からハルナの(みやこ)注進(ちゆうしん)しようか』
226ニコラス『エエ、227カーネルでもヘルでも容赦(ようしや)があらうか。228大黒主(おほくろぬし)(さま)反抗(はんかう)(いた)した大罪人(だいざいにん)229サア(はや)くハンナ、230マリス、231容赦(ようしや)()らぬ、232(ただ)ちに(しば)()げよ』
233 『ハイ』と(こた)へて(ろく)(にん)(また)もや二人(ふたり)(きび)しく(しば)()げ、234門前(もんぜん)広場(ひろば)()きつれ()く。
235大正一二・三・二六 旧二・一〇 於皆生温泉浜屋 加藤明子録)

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