霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第五章 愁雲(しううん)退散(たいさん)〔一六八七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第66巻 山河草木 巳の巻 篇:第1篇 月の高原 よみ(新仮名遣い):つきのこうげん
章:第5章 愁雲退散 よみ(新仮名遣い):しゅううんたいさん 通し章番号:1687
口述日:1924(大正13)年12月15日(旧11月19日) 口述場所:祥雲閣 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1926(大正15)年6月29日
概要: 舞台:タライの村の里庄ジャンクの家 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm6605
愛善世界社版:65頁 八幡書店版:第11輯 753頁 修補版: 校定版:65頁 普及版:67頁 初版: ページ備考:
001 トルマン(ごく)バルガン(じやう)国王(こくわう)トルカ(わう)より勅使(ちよくし)として、002ジャンクの(いへ)()(きた)りし二人(ふたり)(をとこ)はオール、003コースと()ふ。004オールは厳然(げんぜん)として正座(しやうざ)(なほ)り、005里庄(りしやう)のジャンクに国王(こくわう)(れい)(つた)へた。
006(わが)トルマン(ごく)建国(けんこく)以来(いらい)007上下(じやうげ)一致(いつち)008(わう)(たみ)との(あひだ)親子(しんし)(ごと)兄弟(きやうだい)(ごと)夫婦(ふうふ)(ごと)し。009天恵(てんけい)(ゆたか)にして地味(ちみ)()え、010印度(いんど)全国(ぜんこく)宝庫(はうこ)楽園(らくゑん)(しよう)せられ、011国民(こくみん)和楽(わらく)し、012太平(たいへい)(ゆめ)(むす)びたること(ここ)三千(さんぜん)(ねん)なり。013(しか)るに(はか)らざりき、014今回(こんくわい)ハルナの(みやこ)君臨(くんりん)(たま)大黒主(おほくろぬし)(みこと)軍勢(ぐんぜい)015ウラル(けう)征伐(せいばつ)(ため)016遙々(はるばる)軍卒(ぐんそつ)派遣(はけん)(たま)ふ。017(しか)るに全軍(ぜんぐん)(しやう)たる大足別(おほだるわけ)性質(せいしつ)暴戻(ばうれい)にして虎狼(こらう)(ごと)く、018(わが)国内(こくない)(たみ)(くる)しめ、019婦女(ふぢよ)(かん)財物(ざいぶつ)掠奪(りやくだつ)し、020(はなはだ)しきは民家(みんか)()き、021暴状(ばうじやう)(いた)らざるなく、022(いきほひ)(じやう)じてトルマン(ごく)首府(しゆふ)バルガン(じやう)攻略(こうりやく)せむとす。023(なんぢ)()忠良(ちうりやう)(たみ)024忠勇(ちうゆう)義烈(ぎれつ)赤心(せきしん)発揮(はつき)し、025前古(ぜんこ)未曽有(みぞう)大国難(だいこくなん)(すく)ふべく、026(すべ)ての男子(だんし)十八(じふはつ)(さい)以上(いじやう)六十(ろくじつ)(さい)以下(いか)(おのおの)武器(ぶき)携帯(けいたい)王城(わうじやう)救援(きうゑん)(むか)ふべし。027(なんぢ)()祖先(そせん)(ひら)きし国土(こくど)(まも)るは(この)(とき)なるべし。028(なんぢ)里庄(りしやう)029村民(そんみん)(わが)()のある(ところ)伝達(でんたつ)し、030(とき)(うつ)さず(いくさ)(したが)ふべし。031トルマン(ごく)032バルガン(じやう)トルカ(わう)使者(ししや)オール、033コース、034国王(こくわう)殿下(でんか)聖旨(せいし)伝達(でんたつ)するもの(なり)
035()()かすや、036里庄(りしやう)ジャンクは(つつし)んで(せき)(くだ)り、
037ジャンク『(ちから)なき吾々(われわれ)には(さふら)へど、038()勅命(ちよくめい)(したが)(すみやか)義勇軍(ぎゆうぐん)召集(せうしふ)し、039王城(わうじやう)(ならび)国家(こくか)危難(きなん)(じゆん)(たてまつ)りませう』
040 勅使(ちよくし)オール、041コースの両人(りやうにん)は「満足(まんぞく)々々(まんぞく)」と(ゑみ)()らし挨拶(あいさつ)(なが)ら、042ジャンクが(すす)むる(ちや)()まず、043(いそ)いで玄関口(げんくわんぐち)()(いで)て、044()たせおいたる十数(じふすう)(めい)士卒(しそつ)(とも)にヒラリと(こま)(またが)り、045(くれなゐ)手綱(たづな)ゆたかに、046(ひづめ)(おと)もカツカツカツと隣村(りんそん)さして(すす)()く。
047 ジャンクは照国別(てるくにわけ)一行(いつかう)居間(ゐま)(かへ)(きた)り、048(やや)緊張(きんちやう)したる面色(おももち)にて、
049ジャンク『()一同(いちどう)(さま)050えらい失礼(しつれい)(いた)しました』
051照国(てるくに)『いや、052どう(いた)しまして、053勅使(ちよくし)(おもむき)054如何(いかが)(ござ)いましたか。055(じつ)()心配(しんぱい)(まをし)()げて()りました』
056ジャンク『ハイ、057有難(ありがた)(ござ)います。058(わたし)も、059もはや国家(こくか)(ため)一家(いつか)一命(いちめい)()てねばならぬ(とき)(まゐ)りました』
060憂愁(いうしう)(しづ)み、061意気(いき)銷沈(せうちん)しきつたる老人(らうじん)にも似合(にあ)はず、062どこともなく決心(けつしん)(いろ)(あら)はれて()る。
063照国(てるくに)一身(いつしん)一家(いつか)()てねばならぬとは何事(なにごと)(ござ)いますか』
064ジャンク『只今(ただいま)バルガン(じやう)のトルカ(わう)(さま)よりの()勅使(ちよくし)によれば、065印度(いんど)(くに)(まも)るべき大黒主(おほくろぬし)(さま)軍隊(ぐんたい)大足別(おほだるわけ)将軍(しやうぐん)なるもの、066トルマン(ごく)城下(じやうか)(たみ)(おびや)かし、067民家(みんか)()婦女子(ふぢよし)(うば)人種(ひとだね)()やし、068(なほ)()()らず王城(わうじやう)()(おと)し、069国王(こくわう)放逐(はうちく)せむとする(いきほひ)(ござ)いますれば、070(この)(さい)国民(こくみん)男子(だんし)十八(じふはつ)(さい)より六十(ろくじつ)(さい)以下(いか)のもの、071一人(ひとり)(のこ)らず国難(こくなん)(じゆん)ずべし」との()厳命(げんめい)(ござ)いますれば、072(わたし)本年(ほんねん)五十八(ごじふはち)(さい)073老耄(おいぼれ)たりとは()へ、074まだ適齢(てきれい)がかかつてゐます。075もはや(むすめ)(こと)断念(だんねん)(いた)しました。076華々(はなばな)しく(いくさ)(したが)ひ、077国家(こくか)のために(かばね)山野(さんや)(さら)覚悟(かくご)(ござ)います』
078照国(てるくに)成程(なるほど)079(うけたまは)れば(うけたまは)(ほど)080()(どく)(ござ)います。081国王(こくわう)()命令(めいれい)とあらば国民(こくみん)として、082(この)(さい)()ちなさるのが義務(ぎむ)(ござ)いませう。083(わたし)宣伝使(せんでんし)として天下(てんか)(がい)(のぞ)くべく084遙々(はるばる)(つき)(くに)神命(しんめい)()けて(まゐ)つたので(ござ)いますから、085どうか参加(さんか)させて(いただ)()いもので(ござ)いますな』
086ジャンク『ハイ、087有難(ありがた)(ござ)います。088何分(なにぶん)よろしく』
089梅公(うめこう)『ア、090先生(せんせい)091よくお(かんが)へなさいませ。092善言(ぜんげん)美詞(びし)言霊(ことたま)(もつ)て、093あらゆる万民(ばんみん)言向(ことむけ)(やは)無抵抗(むていかう)主義(しゆぎ)三五教(あななひけう)では(ござ)いませぬか。094殺伐(さつばつ)なる軍隊(ぐんたい)参加(さんか)し、095砲煙(はうえん)弾雨(だんう)(うち)馳駆(ちく)するのは(けつ)して宣伝使(せんでんし)本分(ほんぶん)ぢや(ござ)いますまい。096三五教(あななひけう)(けつ)して軍国(ぐんこく)主義(しゆぎ)では(ござ)いませぬよ』
097照国(てるくに)『ハヽヽヽヽ、098吾々(われわれ)はお(まへ)()(とほ)り、099(けつ)して(てき)(にく)まない。100(また)殺伐(さつばつ)人為(じんゐ)(てき)戦争(せんそう)はやり()くない。101義勇軍(ぎゆうぐん)参加(さんか)しようと()ふのは傷病者(しやうびやうしや)(すく)ひ、102敵味方(てきみかた)区別(くべつ)なく(まこと)(みち)()(さと)し、103平和(へいわ)解決(かいけつ)し、104このトルマン(ごく)(まを)すに(およ)ばず、105印度(いんど)七千(しちせん)余国(よこく)国民(こくみん)(かみ)慈恩(じおん)(よく)せしむる(ため)だ。106(その)第一歩(だいいつぽ)として従軍(じゆうぐん)(ねが)つて()るのだ』
107梅公(うめこう)『ヤア、108それなら(わか)りました。109(べつ)文句(もんく)もありませぬが、110(しか)しながら当家(たうけ)(むすめ)スガコ(ぢやう)やサンダーさまはどうなさる(かんが)へですか。111(この)方々(かたがた)見捨(みす)てる(わけ)には(まゐ)りますまい』
112照国(てるくに)『ア、113それも()にかかるが、114それはインカ親分(おやぶん)にお(ねが)ひしたらどうだ』
115梅公(うめこう)『それもさうですな。116もしジャンク(さま)117先生(せんせい)は、118あゝ仰有(おつしや)いますから貴方(あなた)一緒(いつしよ)従軍(じゆうぐん)(あそ)ばすなり、119(わたし)(ども)はサンヨの妹娘(いもうとむすめ)花香(はなか)さまも(すく)はねばならず、120当家(たうけ)のスガコさまもサンダーさまも見殺(みごろし)にする(わけ)にも()かないから、121(この)捜策(さうさく)拙者(せつしや)にお(まか)(くだ)さいませぬか』
122ジャンク『()親切(しんせつ)有難(ありがた)(ござ)いますが、123もはや今日(こんにち)となつては、124(むすめ)(こと)(など)()つてる場合(ばあひ)ぢやありませぬ。125国王(こくわう)(さま)のため国家(こくか)のために全身(ぜんしん)(ちから)(つく)さねばなりませぬ。126どうか貴方(あなた)照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)行動(かうどう)を一にして(くだ)さいませ。127自分(じぶん)(むすめ)のために宣伝使(せんでんし)(さま)(たの)んだ128()はれては末代(まつだい)(はぢ)(ござ)います。129ついてはインカの親分(おやぶん)さま、130貴方(あなた)国民(こくみん)一部(いちぶ)131義勇軍(ぎゆうぐん)(しやう)となり、132(わたし)一緒(いつしよ)出陣(しゆつぢん)(くだ)さいませ。133(むすめ)(こと)やサンダーの(こと)(つぎ)(つぎ)(ござ)いますから』
134インカ『成程(なるほど)135天晴(あつぱれ)見上(みあ)げたお(こころざし)136それでなくては里庄(りしやう)(さま)とは(まを)されますまい。137(わたし)だつて(よわ)きを(たす)け、138(つよ)きを(くじ)侠客(けふかく)渡世(とせい)139国王(こくわう)(さま)のお達示(たつし)()いて、140(これ)安閑(あんかん)として()られませうか。141言葉(ことば)(したが)従軍(じゆうぐん)(いた)しませう』
142タクソン『もし、143ジャンク(さま)144イヤ()主人(しゆじん)(さま)145(わたし)もお(とも)(いた)しませうか』
146ジャンク『イヤ、147其方(そなた)は、148もはや(うけたまは)れば三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)のお(とも)になると()約束(やくそく)をしたさうだ。149トルマン(ごく)男子(だんし)一言(いちごん)金鉄(きんてつ)同様(どうやう)だ。150照国別(てるくにわけ)(さま)のお弟子(でし)として参加(さんか)して(くだ)さい』
151エルソン『もし里庄(りしやう)(さま)152(わたし)照国別(てるくにわけ)のお弟子(でし)となりましたが、153国民(こくみん)一部(いちぶ)として里庄(りしやう)(さま)(とも)(いくさ)(したが)ひませうか』
154ジャンク『イヤイヤ貴方(そなた)も、155もはや三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)部下(ぶか)だ。156タクソンと行動(かうどう)を一にするが()からう』
157エルソン『ハイ有難(ありがた)(ござ)います。158(しか)らば(たふと)宣伝使(せんでんし)のお(とも)(いた)し、159(つるぎ)()たず(ただ)コーランを()にして、160天下(てんか)万民(ばんみん)(ため)最善(さいぜん)努力(どりよく)(つく)さして(いただ)きませう』
161ジャンク『ア、162よしよし、163それで(わたし)安心(あんしん)した。164もし照国別(てるくにわけ)(さま)165どうか両人(りやうにん)()(うへ)(よろ)しくお(ねが)(まを)します』
166照国(てるくに)『ヤ、167(かん)()つたる皆様(みなさま)のお(こころざし)168委細(ゐさい)承知(しようち)(いた)しました』
169 門番(もんばん)のバンコや受付(うけつけ)のセールに(めい)じ、170村内(そんない)一同(いちどう)国王(こくわう)(れい)(つた)へ、171明朝(みやうてう)()して出陣(しゆつぢん)すべく伝達(でんたつ)せしめた。172村内(そんない)(にはか)騒然(さうぜん)として火事場(くわじば)(ごと)殺気(さつき)(みなぎ)つて()た。173ジャンクは(むら)男子(だんし)軍隊(ぐんたい)仕立(した)て、174(みづか)(しやう)として出陣(しゆつぢん)する(こと)となつた。
175インカ『(わが)(むら)にも(かなら)ずや同様(どうやう)命令(めいれい)(くだ)りしならむ。176(さき)御免(ごめん)
177()(なが)一同(いちどう)挨拶(あいさつ)をなし、178(しり)(ひき)まくり大地(だいち)をドンドン(ひび)かせ(なが)ら、179()ぶが(ごと)くに(かへ)()く。
180 ここに一同(いちどう)三五(あななひ)大神(おほかみ)181バラモンの大神(おほかみ)前途(ぜんと)勝利(しようり)()(ため)とて一大(いちだい)祈願(きぐわん)()らし、182首途(かどで)(いはひ)として()()くる(まで)183直会(なほらひ)(えん)(もよほ)した。184(いづ)れも勇気(ゆうき)(とみ)(くは)はり185山河(さんか)()むの(いきほひ)である。186祭典(さいてん)(をは)り、187(いよいよ)直会(なほらひ)(えん)(うつ)り、188(さけ)()(かは)して室内(しつない)和気(わき)靄々(あいあい)(あたか)(はる)(ごと)空気(くうき)(ただよ)うた。
189 ジャンクは、1891ホロ()機嫌(きげん)になつて(こゑ)(すず)しく二絃琴(にげんきん)(だん)じつつ(うた)(はじ)めた。
190ジャンク『千早(ちはや)()(すめ)大神(おほかみ)(つく)らしし
191トルマン(ごく)目出度(めでた)さは
192(とき)じく(はな)()(にほ)
193果物(くだもの)(ゆたか)(みの)りつつ
194五穀(ごこく)(さか)(たみ)()
195(うし)(うま)駱駝(らくだ)(ひつじ)(ぶた)
196(にはとり)までもよく(ふと)
197(あめ)(した)四方(よも)国々(くにぐに)(やす)らけく
198いと(たひら)けく(をさ)まりて
199神代(かみよ)(まま)人心(ひとごころ)
200(いづ)れの(いへ)(おし)()べて
201(いか)(ねた)(かな)しみの
202(こゑ)さへもなく()(よる)
203(えら)(たの)しむ天津国(あまつくに)
204常世(とこよ)(はる)(よろこ)びしが
205天津(あまつ)御空(みそら)()(かげ)
206(やうや)(ひかり)()(たま)
207(つき)(おもて)薄曇(うすぐも)
208(ほし)のみ(ひと)りキラキラと
209(またた)()めて(なん)となく
210(この)()(うへ)(さわ)がしく
211(とり)(こゑ)さへ(かな)しげに
212(うた)御代(みよ)とはなりにける
213月日(つきひ)(すす)(ほし)(うつ)
214(あめ)(した)なる民草(たみぐさ)
215(こころ)(やうや)(くも)()
216(つよ)きは(つよ)(よわ)きもの
217(しひた)げられて(あき)()
218(しも)(なや)める(むし)(ごと)
219怨嗟(ゑんさ)(こゑ)()()ちぬ
220(ひと)(こころ)()(つき)
221益々(ますます)(あし)(くも)()
222(やま)()()(かは)()
223(あら)ぶる(かみ)(たむろ)して
224(また)もや民家(みんか)(くる)しめつ
225(ひと)妻女(さいぢよ)(うば)()
226(あし)(わざはひ)()(つき)
227相重(あひかさ)なりて国人(くにびと)
228(うす)(こほり)()(ごと)
229(なみだ)(むせ)(をり)もあれ
230大足別(おほだるわけ)(ひき)ゐたる
231(しこ)曲霊(まがひ)軍人(いくさびと)
232(いや)益々(ますます)醜業(しこわざ)
233(つの)(きた)りてトルマンの
234(くに)をば()らし国主(こきし)まで
235(うち)(ほろぼ)して欲望(よくばう)
236()げむとするぞ忌々(ゆゆ)しけれ
237あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
238(かみ)(この)()()すならば
239(わが)国民(くにたみ)(わざはひ)
240一日(ひとひ)(はや)(のぞ)きませよ
241バルガン(じやう)永久(とこしへ)
242トルカの国主(こきし)幾千代(いくちよ)
243寿(ことぶき)(なが)(さか)えまし
244トルマン(ごく)(つつ)みたる
245(しこ)雲霧(くもきり)()(はら)
246(ふたた)天土(あめつち)晴明(せいめい)
247(うづ)世界(せかい)(かへ)しませ
248(われ)老木(おいき)行末(ゆくすゑ)
249いとも(みじか)()なれども
250(ひと)つの生命(いのち)(くに)()
251(きみ)(おん)(ため)(たてまつ)
252万民(ばんみん)安堵(あんど)(みち)のため
253(ささ)(まつ)らむ()生命(いのち)
254(うべ)なひ(たま)三五(あななひ)
255(かむ)素盞嗚(すさのを)大御神(おほみかみ)
256梵天(ぼんてん)帝釈(たいしやく)自在天(じざいてん)
257大国彦(おほくにひこ)大御神(おほみかみ)
258(ひとへ)(ねが)(たてまつ)
259あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
260御霊(みたま)(さち)はひましませよ
261御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
262 照国別(てるくにわけ)(また)(うた)ふ。
263照国別(てるくにわけ)蒼空(さうくう)一点(いつてん)(くも)もなく
264日月(じつげつ)星辰(せいしん)(あきら)かに
265(かがや)(わた)()(なか)
266(てん)風雨(ふうう)のなやみあり
267()には地震(ないふる)洪水(こうずい)
268(もも)(わざはひ)()(きた)
269(なみ)(しづ)かなる大海(おほうみ)
270(ただ)一塊(いつくわい)雨雲(あまぐも)
271(なか)より()()荒風(あらかぜ)
272(なみ)()(さわ)島々(しまじま)
273()まむ(ためし)もあるものを
274(この)()(うへ)()(ひと)
275如何(いか)(なや)みのなかるべき
276天変(てんぺん)地妖(ちえう)ある(ごと)
277()晦冥(くわいめい)(すす)()
278かかる(けが)れし()(なか)
279一度(ひとたび)天地(てんち)大神(おほかみ)
280大活動(だいくわつどう)(えう)すべし
281バラモン(ぐん)醜神(しこがみ)
282(しこ)(たけ)びは(つよ)くとも
283(まこと)(ひと)つの三五(あななひ)
284(かみ)(ひかり)(てき)すべき
285(こころ)(やす)けくましませよ
286大日(おほひ)()るとも(くも)るとも
287(つき)()つとも()くるとも
288(てん)()となり()(てん)
289(のぼ)激変(げきへん)あるとても
290(ただ)惟神(かむながら)々々(かむながら)
291(かみ)(まか)せし()にしあれば
292いかなる(こと)(おそ)れむや
293(あふ)(うやま)(かみ)(とく)
294(いは)へよ(いは)(かみ)(おん)
295(かみ)(われ)()(とも)にあり
296(かみ)(なれ)()(とも)()
297(ひと)(かみ)()(かみ)(みや)
298(まこと)(かみ)(てき)すべき
299曲霊(まがひ)如何(いか)(きた)るべき
300あゝ(いさ)ましし(いさ)ましし
301(いま)神軍(しんぐん)首途(かどいで)
302ジャンクの(きみ)(はじ)めとし
303梅公(うめこう)照公(てるこう)、タクソンや
304エルソン(つかさ)諸共(もろとも)
305(かみ)御前(みまへ)慴伏(ひれふ)して
306前途(ぜんと)(さち)(いの)るこそ
307()壮快(さうくわい)(いた)りなり
308あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
309御霊(みたま)(さち)はひましませよ
310御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
311梅公(うめこう)(おも)ひきや(いくさ)(には)()たむとは
312(いま)(いま)(まで)さとらざりけり。
313さり(なが)(われ)神軍(しんぐん)言霊(ことたま)
314武器(ぶき)より(ほか)()つものはなし』
315照公(てるこう)大空(おほぞら)()照公(てるこう)(われ)なれば
316あわてる(こと)(ひと)つも()らず。
317照国(てるくに)(わけ)(みこと)(したが)ひて
318道照公(みちてるこう)(われ)(すす)まむ』
319タクソン『照国別(てるくにわけ)(かみ)(みこと)()威勢(ゐせい)
320(われ)(まつ)たくそん(けい)をぞする。
321おめでたくそん(げん)無比(むひ)大神(おほかみ)
322御前(みまへ)(さち)(いの)(うれ)しさ』
323エルソン『常暗(とこやみ)()立替(たてか)へて(かみ)()
324(ひら)かむ(ひと)(ひと)(ひと)なる。
325()きかえるそん(ない)一同(いちどう)(さわ)ぎをば
326いかに(しづ)めむ(よし)もなきかな』
327ジャンク『天津(あまつ)()(かく)さむとする村雲(むらくも)
328(はら)はむ(ため)今日(けふ)神軍(みいくさ)
329()いぬれど(わが)(たましひ)若々(わかわか)
330(よみがへ)りつつ出陣(しゆつぢん)やせむ。
331白髪(しらがみ)()めて(いくさ)(むか)ひたる
332武士(もののふ)もあり(われ)(なら)はむ。
333国難(こくなん)(じゆん)ずる(われ)白髪(しらがみ)
334(かがや)きを()(おどろ)くならむ』
335照国別(てるくにわけ)面白(おもしろ)(かみ)()さしの神業(かむわざ)
336一歩(いつぽ)(すす)むる(とき)()にけり。
337オーラ(さん)(あらし)はいかに(つよ)くとも
338(かみ)御息(みいき)()(はら)ふべし。
339小夜(さよ)(ふけ)武士(つはもの)(ども)(かた)()
340(いくさ)(には)心地(ここち)するかな。
341()けぬれば(もも)軍人(いくさ)率連(ひきつ)れて
342バルガン(じやう)(こま)(すす)めむ』
343梅公(うめこう)(こま)()めて大野(おほの)(はら)(すす)()
344勇士(ゆうし)姿(すがた)(わが)()(をど)るも』
345照公(てるこう)(はや)(すで)にバルガン(じやう)敵軍(てきぐん)
346()(はら)ひたる心地(ここち)しにけり』
347タクソン『面白(おもしろ)(わが)()(きみ)(したが)ひて
348(かみ)(いくさ)功績(いさをし)()てむ』
349エルソン『恋雲(こひぐも)もいつしか()れて(くに)(ため)
350世人(よびと)のために(つく)さむとぞ(おも)ふ』
351 (やうや)くにしてコケコツコーとテイハ((にはとり))の(こゑ)352四隣(あたり)より(きこ)()る。353ジャンクは()(たち)(あが)り、
354『もはや鷄鳴(けいめい)355皆様(みなさま)356()用意(ようい)なされませ。357いよいよ出陣(しゆつぢん)(とき)(ちか)づきました』
358勇気(ゆうき)凛々(りんりん)雄健(をたけ)びし(なが)ら、359マサカの(とき)用意(ようい)(たくは)へおきたる具足(ぐそく)をとり()武装(ぶさう)着手(ちやくしゆ)した。
360 かかる(ところ)白髪(はくはつ)異様(いやう)老翁(らうをう)(あら)はれ()たり361(たの)まう(たの)まう』と玄関口(げんくわんぐち)より呶鳴(どな)つてゐる。362(はた)して(この)老翁(らうをう)何者(なにもの)だらうか。
363大正一三・一二・一五 旧一一・一九 於祥雲閣 北村隆光録)

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5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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