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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第66巻(巳の巻)
序文
総説
第1篇 月の高原
第1章 暁の空
第2章 祖先の恵
第3章 酒浮気
第4章 里庄の悩
第5章 愁雲退散
第6章 神軍義兵
第2篇 容怪変化
第7章 女白浪
第8章 神乎魔乎
第9章 谷底の宴
第10章 八百長劇
第11章 亞魔の河
第3篇 異燭獣虚
第12章 恋の暗路
第13章 恋の懸嘴
第14章 相生松風
第15章 喰ひ違ひ
第4篇 恋連愛曖
第16章 恋の夢路
第17章 縁馬の別
第18章 魔神の囁
第19章 女の度胸
第20章 真鬼姉妹
余白歌
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霊界物語
>
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
>
第66巻(巳の巻)
> 第1篇 月の高原 > 第6章 神軍義兵
<<< 愁雲退散
(B)
(N)
女白浪 >>>
第六章
神軍
(
しんぐん
)
義兵
(
ぎへい
)
〔一六八八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第66巻 山河草木 巳の巻
篇:
第1篇 月の高原
よみ(新仮名遣い):
つきのこうげん
章:
第6章 神軍義兵
よみ(新仮名遣い):
しんぐんぎへい
通し章番号:
1688
口述日:
1924(大正13)年12月15日(旧11月19日)
口述場所:
祥雲閣
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1926(大正15)年6月29日
概要:
舞台:
タライの村の里庄ジャンクの家
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm6606
愛善世界社版:
81頁
八幡書店版:
第11輯 758頁
修補版:
校定版:
81頁
普及版:
67頁
初版:
ページ備考:
001
玄関口
(
げんくわんぐち
)
に
立
(
た
)
ちはだかり『
頼
(
たの
)
まう、
002
頼
(
たの
)
まう』と
呼
(
よ
)
ばはつて
居
(
ゐ
)
る
白髪
(
はくはつ
)
異様
(
いやう
)
の
老人
(
らうじん
)
は、
003
さも
横柄
(
わうへい
)
に、
0031
此
(
この
)
家
(
や
)
の
下女
(
げぢよ
)
に
向
(
むか
)
ひ、
004
老人
(
らうじん
)
『オイ、
005
お
下女
(
さん
)
どの、
006
当家
(
たうけ
)
の
主人
(
しゆじん
)
はどう
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
るか。
007
吾
(
われ
)
はオーラ
山
(
さん
)
の
修験者
(
しゆげんじや
)
、
008
シーゴーと
申
(
まを
)
す
者
(
もの
)
だ。
009
当家
(
たうけ
)
の
主人
(
しゆじん
)
に
申
(
まをし
)
上
(
あ
)
げたい
事
(
こと
)
あれば、
010
面倒
(
めんだう
)
乍
(
なが
)
ら
案内
(
あんない
)
をして
呉
(
く
)
れやれ』
011
下女
(
げぢよ
)
『ハイ、
012
何方
(
どなた
)
か
知
(
し
)
りませぬが、
013
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
は
俄
(
にはか
)
の
御
(
ご
)
出陣
(
しゆつぢん
)
で
上
(
うへ
)
を
下
(
した
)
への
大騒動
(
おほさうどう
)
、
014
どうか
又
(
また
)
出直
(
でなほ
)
して
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さい。
015
何分
(
なにぶん
)
御
(
ご
)
多忙
(
たばう
)
でいらつしやいますから』
016
老人
(
らうじん
)
『アハヽヽヽヽ
当家
(
たうけ
)
に
係
(
かか
)
はる
大難
(
だいなん
)
を
救
(
すく
)
はむが
為
(
ため
)
、
017
遙々
(
はるばる
)
オーラ
山
(
さん
)
より
救世主
(
きうせいしゆ
)
の
使
(
つかひ
)
として
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
りし
修験者
(
しゆげんじや
)
だ。
018
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
もあれ、
019
主人
(
しゆじん
)
に
面会
(
めんくわい
)
致
(
いた
)
したい』
020
斯
(
か
)
くいふ
所
(
ところ
)
へ、
021
武装
(
ぶさう
)
をつけた
主人
(
しゆじん
)
のジャンクは
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
022
老翁
(
らうをう
)
に
向
(
むか
)
ひ、
023
ジャンク『いづれの
方
(
かた
)
かは
知
(
し
)
りませぬが、
024
今
(
いま
)
は
国家
(
こくか
)
の
一大事
(
いちだいじ
)
、
025
館
(
やかた
)
は
番頭
(
ばんとう
)
共
(
ども
)
に
任
(
まか
)
せおき、
026
今早朝
(
こんそうてう
)
より
出陣
(
しゆつぢん
)
せなくてはなりませぬ。
027
何
(
なに
)
御用
(
ごよう
)
か
存
(
ぞん
)
じませぬが、
028
もはや
一身
(
いつしん
)
一家
(
いつか
)
の
事
(
こと
)
にかかはる
場合
(
ばあひ
)
ではありませぬ。
029
どうかお
帰
(
かへ
)
り
下
(
くだ
)
さいませ』
030
シーゴー『アハヽヽヽヽ。
031
拙僧
(
せつそう
)
がオーラ
山
(
さん
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
で、
032
草
(
くさ
)
茫々
(
ばうばう
)
たる
夜途
(
よみち
)
を
露
(
つゆ
)
に
濡
(
ぬ
)
れ
乍
(
なが
)
ら
夜
(
よ
)
も
明
(
あ
)
けぬ
中
(
うち
)
尋
(
たづ
)
ねて
来
(
き
)
たのは、
033
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
、
034
国家
(
こくか
)
を
救
(
すく
)
ふも
一家
(
いつか
)
を
救
(
すく
)
ふも、
035
神
(
かみ
)
ならでは
叶
(
かな
)
はぬ
事
(
こと
)
、
036
其
(
その
)
方
(
はう
)
も
国家
(
こくか
)
を
救
(
すく
)
はむとして、
037
義勇
(
ぎゆう
)
の
軍
(
ぐん
)
に
出陣
(
しゆつぢん
)
なさるならば、
038
拙者
(
せつしや
)
の
一言
(
いちごん
)
をお
聞
(
き
)
きなされ。
039
唯
(
ただ
)
一回
(
いつくわい
)
位
(
ぐらゐ
)
耳
(
みみ
)
を
借
(
か
)
した
所
(
ところ
)
で、
040
余
(
あま
)
り
損
(
そん
)
にはなりますまい』
041
ジャンク『
国家
(
こくか
)
を
救
(
すく
)
ふ
方法
(
はうはふ
)
がありとすれば
何
(
なに
)
より
結構
(
けつこう
)
、
042
既
(
すで
)
に
出陣
(
しゆつぢん
)
の
間際
(
まぎは
)
なれども、
043
聞
(
き
)
き
逃
(
のが
)
す
訳
(
わけ
)
にはゆきますまい。
044
此処
(
ここ
)
は
玄関口
(
げんくわんぐち
)
、
045
サアサア
奥
(
おく
)
へお
進
(
すす
)
み
下
(
くだ
)
さい。
046
篤
(
とく
)
とお
話
(
はなし
)
を
承
(
うけたま
)
はりませう』
047
シーゴー『
然
(
しか
)
らば
御免
(
ごめん
)
、
048
まかり
通
(
とほ
)
るであらう』
049
と
錫杖
(
しやくぢやう
)
をつき
乍
(
なが
)
ら、
050
横柄
(
わうへい
)
な
面
(
つら
)
をして
離
(
はな
)
れの
別殿
(
べつでん
)
に
伴
(
ともな
)
はれ
往
(
ゆ
)
き、
051
丸
(
まる
)
き
机
(
つくゑ
)
を
中
(
なか
)
に
置
(
お
)
き、
052
主客
(
しゆきやく
)
向
(
むか
)
ひ
合
(
あは
)
せとなつて
談話
(
だんわ
)
が
初
(
はじ
)
まつた。
053
ジャンク『
貴方
(
あなた
)
は
神
(
かみ
)
のお
使
(
つかひ
)
、
054
修験者
(
しゆげんじや
)
と
承
(
うけたま
)
はりましたが、
055
国家
(
こくか
)
を
救
(
すく
)
ふ
要道
(
えうだう
)
をお
示
(
しめ
)
し
下
(
くだ
)
さるとの
事
(
こと
)
、
056
実
(
じつ
)
に
感謝
(
かんしや
)
に
堪
(
た
)
へませぬ。
057
何卒
(
なにとぞ
)
御
(
ご
)
指導
(
しだう
)
を
願
(
ねが
)
ひます』
058
シーゴー『
拙僧
(
せつそう
)
はオーラ
山
(
ざん
)
の
生神
(
いきがみ
)
、
059
玄真坊
(
げんしんばう
)
の
高弟
(
かうてい
)
シーゴー
坊
(
ばう
)
と
申
(
まを
)
すもの、
060
此
(
この
)
度
(
たび
)
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
玄真坊
(
げんしんばう
)
におかせられては、
061
トルマン
国
(
ごく
)
の
危急
(
ききふ
)
を
救
(
すく
)
ひ、
062
民
(
たみ
)
の
苦
(
く
)
を
免
(
まぬが
)
れしめ、
063
且
(
かつ
)
小
(
せう
)
にしては
一家
(
いつか
)
一
(
いち
)
人
(
にん
)
の
危難
(
きなん
)
を
免
(
まぬが
)
れしめむと、
064
連日
(
れんじつ
)
連夜
(
れんや
)
の
修業
(
しうげふ
)
を
遊
(
あそ
)
ばし、
065
一切
(
いつさい
)
の
苦難
(
くなん
)
を
救
(
すく
)
ひたまふ、
066
其
(
その
)
霊験
(
れいけん
)
の
著
(
いちじる
)
しき
事
(
こと
)
、
067
古今
(
ここん
)
絶無
(
ぜつむ
)
で
厶
(
ござ
)
る。
068
天地
(
てんち
)
の
神明
(
しんめい
)
も
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
高徳
(
かうとく
)
を
慕
(
した
)
ひ、
069
教
(
をしへ
)
を
受
(
う
)
けむとし、
070
毎夜
(
まいよ
)
オーラ
山
(
ざん
)
の
大杉
(
おほすぎ
)
の
樹
(
き
)
に、
071
天
(
てん
)
より
棚機姫
(
たなばたひめ
)
の
星体
(
せいたい
)
下
(
くだ
)
らせたまひ、
072
深遠
(
しんゑん
)
微妙
(
びめう
)
なる
教理
(
けうり
)
を
聞
(
き
)
かせたまふと
云
(
い
)
ふ
御
(
ご
)
威勢
(
ゐせい
)
、
073
如何
(
いか
)
にバラモン
軍
(
ぐん
)
が
跋扈
(
ばつこ
)
跳梁
(
てうりやう
)
するとも、
074
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
の
祈祷
(
きたう
)
によりて、
075
煙散
(
えんさん
)
霧消
(
むせう
)
するは
火
(
ひ
)
を
睹
(
み
)
るよりも
明
(
あきら
)
かである。
076
就
(
つ
)
いては
当家
(
たうけ
)
の
娘御
(
むすめご
)
は
行衛
(
ゆくゑ
)
不明
(
ふめい
)
との
事
(
こと
)
、
077
必
(
かなら
)
ずやバラモン
軍
(
ぐん
)
の
間諜者
(
まわしもの
)
に
捉
(
とら
)
へられ
給
(
たま
)
ひしに
相違
(
さうゐ
)
なし、
078
貴方
(
あなた
)
は
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
に
依頼
(
いらい
)
して、
079
最愛
(
さいあい
)
の
娘御
(
むすめご
)
を、
080
救
(
すく
)
つて
貰
(
もら
)
ふ
御
(
ご
)
精神
(
せいしん
)
は
厶
(
ござ
)
らぬか』
081
ジャンクは
怪
(
あや
)
しみ
乍
(
なが
)
ら、
082
頭
(
かうべ
)
を
垂
(
た
)
れ、
083
稍
(
やや
)
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
084
ジャンク『シーゴー
様
(
さま
)
とやら、
085
遠路
(
ゑんろ
)
の
所
(
ところ
)
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
に
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
います。
086
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
今日
(
こんにち
)
の
場合
(
ばあひ
)
、
087
娘
(
むすめ
)
の
事
(
こと
)
などに
心
(
こころ
)
を
悩
(
なや
)
ます
場合
(
ばあひ
)
では
厶
(
ござ
)
いませぬ。
088
国家
(
こくか
)
の
一大事
(
いちだいじ
)
を
救
(
すく
)
ふ
御
(
おん
)
道
(
みち
)
あらばお
示
(
しめ
)
しに
預
(
あづ
)
かりたい』
089
シーゴー『アハヽヽヽ、
090
貴方
(
あなた
)
も
偽善者
(
きぜんしや
)
の
一
(
いち
)
人
(
にん
)
で
厶
(
ござ
)
るな。
091
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
国家
(
こくか
)
の
為
(
ため
)
だと
云
(
い
)
つても、
092
天
(
てん
)
にも
地
(
ち
)
にも
掛
(
か
)
け
替
(
がへ
)
のない
娘
(
むすめ
)
が
危難
(
きなん
)
を
救
(
すく
)
はれたいと
云
(
い
)
ふ
精神
(
せいしん
)
は、
093
十分
(
じふぶん
)
にお
持
(
も
)
ちでせう。
094
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
を
愛
(
あい
)
せない
親
(
おや
)
は、
095
人君
(
じんくん
)
として、
096
或
(
あるひ
)
は
里庄
(
りしやう
)
としての
資格
(
しかく
)
は
厶
(
ござ
)
いますまい』
097
ジャンク『いや、
098
貴方
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
明察
(
めいさつ
)
、
099
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
りました。
100
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
に
子
(
こ
)
を
思
(
おも
)
はぬ
親
(
おや
)
が
何処
(
どこ
)
に
厶
(
ござ
)
いませう。
101
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
今日
(
こんにち
)
の
場合
(
ばあひ
)
は、
102
小
(
せう
)
なる
愛
(
あい
)
を
捨
(
す
)
て、
103
国家
(
こくか
)
国王
(
こくわう
)
と
云
(
い
)
ふものに
向
(
むか
)
つて、
104
大
(
だい
)
なる
愛
(
あい
)
を
注
(
そそ
)
ぐべきで
厶
(
ござ
)
います。
105
国家
(
こくか
)
も
国王
(
こくわう
)
様
(
さま
)
のお
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
も、
106
既
(
すで
)
に
焦頭
(
せうとう
)
爛額
(
らんがく
)
の
危機
(
きき
)
に
瀕
(
ひん
)
して
居
(
を
)
りますれば、
107
仮令
(
たとへ
)
最愛
(
さいあい
)
の
娘
(
むすめ
)
を
犠牲
(
ぎせい
)
と
致
(
いた
)
しても、
108
大
(
だい
)
なる
愛
(
あい
)
の
為
(
ため
)
に
心力
(
しんりよく
)
を
傾注
(
けいちう
)
したい
考
(
かんが
)
へで
厶
(
ござ
)
います』
109
シーゴー『
貴方
(
あなた
)
は
大切
(
たいせつ
)
な
娘御
(
むすめご
)
を
犠牲
(
ぎせい
)
としてでも、
110
国家
(
こくか
)
を
助
(
たす
)
けたいと
云
(
い
)
ふ
思召
(
おぼしめし
)
、
111
実
(
じつ
)
に
感心
(
かんしん
)
致
(
いた
)
しました。
112
もし
国家
(
こくか
)
、
113
国王
(
こくわう
)
、
114
並
(
ならび
)
に
貴方
(
あなた
)
の
愛児
(
あいじ
)
がお
助
(
たす
)
かりになるのなら、
115
当家
(
たうけ
)
の
財産
(
ざいさん
)
に
執着
(
しふちやく
)
は
厶
(
ござ
)
いますまいなア』
116
ジャンク『
勿論
(
もちろん
)
の
事
(
こと
)
です。
117
吾
(
わが
)
娘
(
むすめ
)
は
行方
(
ゆくへ
)
知
(
し
)
れず、
118
生死
(
せいし
)
もさだかならず、
119
加
(
くは
)
ふるに
老躯
(
らうく
)
を
引提
(
ひつさ
)
げて、
120
剣光
(
けんくわう
)
閃
(
ひらめ
)
く
戦場
(
せんぢやう
)
に
進
(
すす
)
む
此
(
この
)
身
(
み
)
、
121
元
(
もと
)
より
死
(
し
)
は
覚悟
(
かくご
)
して
居
(
ゐ
)
ます。
122
吾
(
わが
)
死
(
し
)
したる
後
(
のち
)
は、
123
巨万
(
きよまん
)
の
財産
(
ざいさん
)
も
何
(
なん
)
の
必要
(
ひつえう
)
が
厶
(
ござ
)
いませう』
124
シーゴー『
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
立派
(
りつぱ
)
なお
志
(
こころざし
)
感
(
かん
)
じ
入
(
い
)
りました。
125
然
(
しか
)
らば
一
(
ひと
)
つ
御
(
ご
)
相談
(
さうだん
)
を
申
(
まをし
)
上
(
あげ
)
たいが、
126
国王
(
こくわう
)
、
127
国家
(
こくか
)
、
128
及
(
およ
)
びお
娘御
(
むすめご
)
を
救
(
すく
)
ふ
為
(
た
)
め、
129
此
(
この
)
財産
(
ざいさん
)
をオーラ
山
(
ざん
)
の
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
玄真坊
(
げんしんばう
)
に
奉
(
たてまつ
)
るお
気
(
き
)
は
厶
(
ござ
)
いませぬか。
130
山
(
やま
)
も
川
(
かは
)
も、
131
草木
(
くさき
)
も
天
(
てん
)
の
星
(
ほし
)
迄
(
まで
)
其
(
その
)
徳
(
とく
)
を
慕
(
した
)
ひ
寄
(
よ
)
り
来
(
きた
)
ると
言
(
い
)
ふ
古今
(
ここん
)
無双
(
むそう
)
の
生神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
に、
132
お
上
(
あ
)
げなさつたならば、
133
第一
(
だいいち
)
は
祖先
(
そせん
)
の
為
(
た
)
め、
134
国家
(
こくか
)
の
為
(
ため
)
最善
(
さいぜん
)
の
功徳
(
くどく
)
と
考
(
かんが
)
へますがな』
135
斯
(
か
)
かる
所
(
ところ
)
へ
受付
(
うけつけ
)
のセールは
慌
(
あわ
)
ただしく
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
136
セール『
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
、
137
村中
(
むらぢう
)
の
用意
(
ようい
)
が
調
(
ととの
)
ひました。
138
早
(
はや
)
く
御
(
ご
)
出陣
(
しゆつぢん
)
をと、
139
村人
(
むらびと
)
が
武装
(
ぶさう
)
の
儘
(
まま
)
お
願
(
ねがひ
)
に
参
(
まゐ
)
りました。
140
お
馬
(
うま
)
の
用意
(
ようい
)
も
出来
(
でき
)
ましたから……』
141
ジャンク『アヽさうか、
142
直
(
すぐ
)
に
往
(
ゆ
)
くからと
申
(
まをし
)
て
呉
(
く
)
れ』
143
セール『ハイ
144
畏
(
かしこ
)
まりました』
145
と、
146
慌
(
あわ
)
ただしく
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
つた。
147
シーゴー『
如何
(
いかが
)
で
厶
(
ござ
)
いますか、
148
御
(
ご
)
決心
(
けつしん
)
は……』
149
ジャンク『
国家
(
こくか
)
の
為
(
た
)
め、
150
国王
(
こくわう
)
様
(
さま
)
の
為
(
た
)
めならば、
151
吾
(
わが
)
財産
(
ざいさん
)
を
全部
(
ぜんぶ
)
玄真坊
(
げんしんばう
)
様
(
さま
)
に
差
(
さし
)
上
(
あ
)
げませう』
152
シーゴー『いや
流石
(
さすが
)
は
明察
(
めいさつ
)
の
里庄殿
(
りしやうどの
)
、
153
天晴
(
あつぱれ
)
天晴
(
あつぱれ
)
、
154
然
(
しか
)
らば
後日
(
ごじつ
)
の
為
(
た
)
め、
155
貴方
(
あなた
)
のお
手
(
て
)
より、
156
一切
(
いつさい
)
の
財産
(
ざいさん
)
を
差上
(
さしあげ
)
るとの
証文
(
しようもん
)
を
認
(
したた
)
めて
下
(
くだ
)
さい』
157
ジャンク『
男子
(
だんし
)
の
一言
(
いちごん
)
は
鉄石
(
てつせき
)
の
如
(
ごと
)
し、
158
面倒
(
めんだう
)
臭
(
くさ
)
い
証文
(
しようもん
)
などは
要
(
い
)
りますまい。
159
これが
人
(
ひと
)
と
人
(
ひと
)
との
交渉
(
かうせふ
)
なら
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も、
160
善知識
(
ぜんちしき
)
の
活神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
に
差上
(
さしあげ
)
るのだから、
161
却
(
かへ
)
つて
証文
(
しようもん
)
など
差上
(
さしあげ
)
るのは
失礼
(
しつれい
)
で
厶
(
ござ
)
いませう』
162
シーゴー『
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
、
163
御尤
(
ごもつと
)
もの
話
(
はなし
)
だ。
164
現
(
げん
)
に
拙者
(
せつしや
)
が
生証文
(
いきじようもん
)
で
厶
(
ござ
)
る。
165
梵天
(
ぼんてん
)
帝釈
(
たいしやく
)
自在天
(
じざいてん
)
様
(
さま
)
も
御
(
ご
)
照覧
(
せうらん
)
あれ、
166
決
(
けつ
)
して
二言
(
にごん
)
は
厶
(
ござ
)
いますまいなア』
167
ジャンク『エ、
168
執拗
(
しつこう
)
厶
(
ござ
)
る。
169
苟
(
いやし
)
くも
義勇軍
(
ぎゆうぐん
)
の
総司令
(
そうしれい
)
、
170
武士
(
ぶし
)
の
言葉
(
ことば
)
に
二言
(
にごん
)
は
厶
(
ござ
)
らぬ』
171
シーゴー『
然
(
しか
)
らば
今日
(
こんにち
)
只今
(
ただいま
)
より、
172
此
(
この
)
財産
(
ざいさん
)
は
吾
(
わが
)
師
(
し
)
玄真坊
(
げんしんばう
)
の
所有
(
しよいう
)
に
帰
(
き
)
しました。
173
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
であらうなア』
174
ジャンク『
吾
(
わが
)
財産
(
ざいさん
)
を
善用
(
ぜんよう
)
し、
175
国家
(
こくか
)
の
為
(
た
)
め、
176
国王
(
こくわう
)
様
(
さま
)
の
為
(
た
)
め、
177
娘
(
むすめ
)
の
為
(
た
)
め、
178
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
鄭重
(
ていちよう
)
に
祭
(
まつ
)
り、
1781
祈願
(
きぐわん
)
を
籠
(
こ
)
めて
下
(
くだ
)
さい。
179
時刻
(
じこく
)
も
切迫
(
せつぱく
)
致
(
いた
)
しますれば
180
拙者
(
せつしや
)
はこれよりお
別
(
わか
)
れ
申
(
まを
)
す』
181
シーゴー『ヤ
拙僧
(
せつそう
)
も
此
(
この
)
吉報
(
きつぱう
)
を
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
に
申
(
まをし
)
上
(
あ
)
げ、
182
早速
(
さつそく
)
祈願
(
きぐわん
)
に
取
(
と
)
りかかりませう』
183
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
184
揚々
(
やうやう
)
として
帰
(
かへ
)
り
往
(
ゆ
)
く。
185
梅公
(
うめこう
)
は
二人
(
ふたり
)
の
問答
(
もんだふ
)
を
訝
(
いぶ
)
かり
乍
(
なが
)
ら、
186
密
(
ひそか
)
に
立聞
(
たちぎき
)
して
居
(
ゐ
)
た。
187
ジャンクは
照国別
(
てるくにわけ
)
の
居間
(
ゐま
)
に
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
188
ジャンク『いやどうもお
待
(
ま
)
たせ
致
(
いた
)
しました、
189
サア
是
(
これ
)
から
出陣
(
しゆつぢん
)
を
致
(
いた
)
しませう』
190
梅公
(
うめこう
)
は
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
より
慌
(
あわ
)
ただしく
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
191
梅公
(
うめこう
)
『もしもしジャンク
様
(
さま
)
、
192
御
(
ご
)
用心
(
ようじん
)
なさいませ、
193
彼
(
あ
)
の
修験者
(
しゆげんじや
)
と
云
(
い
)
ふ
老人
(
らうじん
)
は
曲者
(
くせもの
)
で
厶
(
ござ
)
います。
194
彼
(
あ
)
の
人相
(
にんさう
)
には
剣難
(
けんなん
)
の
相
(
さう
)
が
漂
(
ただよ
)
ひ、
195
悪相
(
あくさう
)
が
顔面
(
がんめん
)
に
満
(
み
)
ちて
居
(
ゐ
)
ます。
196
貴方
(
あなた
)
は
此
(
この
)
財産
(
ざいさん
)
を
玄真坊
(
げんしんばう
)
とやらに
全部
(
ぜんぶ
)
提供
(
ていきよう
)
なさつたやうですが、
197
今
(
いま
)
の
中
(
うち
)
にお
取消
(
とりけ
)
しなさつたがよからう、
198
一寸
(
ちよつと
)
御
(
ご
)
忠告
(
ちうこく
)
申上
(
まをしあげ
)
ます』
199
ジャンク『イヤ、
200
有難
(
ありがた
)
う。
201
私
(
わたし
)
も
怪
(
あや
)
しい
事
(
こと
)
だとは
思
(
おも
)
つたが、
202
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
うても
国王
(
こくわう
)
様
(
さま
)
や
国家
(
こくか
)
を
助
(
たす
)
けると
云
(
い
)
ふのだから、
203
此
(
この
)
言葉
(
ことば
)
に
免
(
めん
)
じ
怪
(
あや
)
しいとは
思
(
おも
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
財産
(
ざいさん
)
全部
(
ぜんぶ
)
を
提供
(
ていきよう
)
しました。
204
最早
(
もはや
)
男子
(
だんし
)
の
口
(
くち
)
に
出
(
だ
)
した
以上
(
いじやう
)
は
撤回
(
てつくわい
)
は
出来
(
でき
)
ませぬ。
205
是
(
これ
)
が
撤回
(
てつくわい
)
出来
(
でき
)
るやうなら
地上
(
ちじやう
)
に
吐
(
は
)
いた
痰唾
(
たんつば
)
を
再
(
ふたた
)
び
呑
(
の
)
むやうなものです。
206
もう
私
(
わたし
)
も
覚悟
(
かくご
)
を
定
(
き
)
めました。
207
サアサア
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
乍
(
なが
)
ら
出陣
(
しゆつぢん
)
致
(
いた
)
しませう』
208
梅公
(
うめこう
)
『チヨツ、
209
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
の
奴
(
やつ
)
、
210
偉
(
えら
)
い
事
(
こと
)
をしやがつたな。
211
こいつは
屹度
(
きつと
)
何
(
なに
)
かの
秘密
(
ひみつ
)
があるに
相違
(
さうゐ
)
ない。
212
あんな
事
(
こと
)
を
吐
(
ぬか
)
して、
213
自分
(
じぶん
)
が
当家
(
たうけ
)
の
娘
(
むすめ
)
を
何処
(
どこ
)
かに
隠
(
かく
)
して
居
(
を
)
るのだらう。
214
こんな
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
いては
見逃
(
みのが
)
す
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ない。
215
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
が
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
はれても、
216
オーラ
山
(
ざん
)
とやらに
踏
(
ふ
)
み
込
(
こ
)
んで
正体
(
しやうたい
)
を
調
(
しら
)
べてやらう、
217
オウ、
218
さうぢや さうぢや』
219
と
独語
(
どくご
)
し
乍
(
なが
)
ら、
220
照国別
(
てるくにわけ
)
に
従
(
したが
)
ひジャンクと
共
(
とも
)
に
三角旗
(
さんかくき
)
を
風
(
かぜ
)
に
翻
(
ひるがへ
)
し、
221
数百
(
すうひやく
)
の
義勇軍
(
ぎゆうぐん
)
と
共
(
とも
)
に
旗鼓
(
きこ
)
堂々
(
だうだう
)
とバルガン
城
(
じやう
)
を
指
(
さ
)
して、
222
法螺
(
ほら
)
の
声
(
こゑ
)
も
勇
(
いさ
)
ましく『ブウブウ』と
四辺
(
あたり
)
の
邪気
(
じやき
)
を
清
(
きよ
)
めながら
隊伍
(
たいご
)
を
調
(
ととの
)
へ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
223
数百
(
すうひやく
)
人
(
にん
)
の
騎兵隊
(
きへいたい
)
は、
224
手
(
て
)
に
手
(
て
)
に
槍
(
やり
)
長刀
(
なぎなた
)
などを
携
(
たづさ
)
へ、
225
果
(
はて
)
しもなき
広原
(
くわうげん
)
を
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
226
風
(
かぜ
)
は
幸
(
さいは
)
ひ
追風
(
おひて
)
にて
進軍
(
しんぐん
)
に
最
(
もつと
)
も
便利
(
べんり
)
であつた。
227
ジャンクは
馬上
(
ばじやう
)
乍
(
なが
)
ら
進軍歌
(
しんぐんか
)
を
謡
(
うた
)
ふ。
228
ジャンク『
神代
(
かみよ
)
の
昔
(
むかし
)
皇神
(
すめかみ
)
の
229
開
(
ひら
)
きたまひし
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
230
トルマン
国
(
ごく
)
の
若者
(
わかもの
)
よ
231
国
(
くに
)
と
君
(
きみ
)
とに
尽
(
つく
)
すべき
232
よき
日
(
ひ
)
は
今
(
いま
)
や
来
(
きた
)
りけり
233
勇
(
いさ
)
めよ
勇
(
いさ
)
めよ
神軍
(
みいくさ
)
よ
234
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
め
百軍
(
ももいくさ
)
235
敵
(
てき
)
は
幾万
(
いくまん
)
ありとても
236
如何
(
いか
)
でか
恐
(
おそ
)
れむ
敷島
(
しきしま
)
の
237
トルマン
男子
(
だんし
)
の
魂
(
たましひ
)
は
238
金鉄
(
きんてつ
)
よりも
猶
(
なほ
)
堅
(
かた
)
し
239
国
(
くに
)
に
仇
(
あだ
)
なす
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
240
払
(
はら
)
へよ
払
(
はら
)
へよおつ
払
(
ぱら
)
へ
241
骨身
(
ほねみ
)
は
積
(
つ
)
みて
山
(
やま
)
をなし
242
血潮
(
ちしほ
)
は
流
(
なが
)
れて
河
(
かは
)
となり
243
屍
(
かばね
)
を
野辺
(
のべ
)
に
曝
(
さら
)
すとも
244
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
た
)
め
君
(
きみ
)
の
為
(
た
)
め
245
御国
(
みくに
)
の
為
(
ため
)
に
進
(
すす
)
むなる
246
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
貴
(
うづ
)
の
神軍
(
みいくさ
)
ぞ
247
撓
(
たゆ
)
まず
屈
(
くつ
)
せず
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
け
248
ジャンクの
率
(
ひき
)
ゆる
義勇軍
(
ぎゆうぐん
)
249
後
(
おく
)
れを
取
(
と
)
るなひるむなよ
250
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りのある
上
(
うへ
)
は
251
汝
(
なんぢ
)
の
前途
(
ぜんと
)
は
坦々
(
たんたん
)
と
252
蓮華
(
はちす
)
の
華
(
はな
)
の
開
(
ひら
)
くごと
253
真楽園
(
しんらくゑん
)
が
開
(
ひら
)
かれむ
254
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
めよ
快男子
(
くわいだんじ
)
255
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
めよ
神軍
(
みいくさ
)
よ
256
神
(
かみ
)
は
汝
(
なんぢ
)
と
倶
(
とも
)
にあり
257
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
神
(
かみ
)
の
選
(
えら
)
みたる
258
御国
(
みくに
)
を
守
(
まも
)
る
神軍
(
しんぐん
)
ぞ
259
吾
(
わが
)
神軍
(
しんぐん
)
の
往
(
ゆ
)
く
道
(
みち
)
に
260
塞
(
さや
)
らむ
曲
(
まが
)
のあるべきぞ
261
あゝ
勇
(
いさ
)
ましし
勇
(
いさ
)
ましし
262
国
(
くに
)
を
救
(
すく
)
ひの
此
(
この
)
軍
(
いくさ
)
263
民
(
たみ
)
の
守
(
まも
)
りの
神軍
(
みいくさ
)
ぞ
264
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
265
梵天
(
ぼんてん
)
帝釈
(
たいしやく
)
自在天
(
じざいてん
)
266
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
大稜威
(
おほみいづ
)
267
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
に
輝
(
かがや
)
きて
268
忠義
(
ちうぎ
)
一途
(
いちづ
)
に
固
(
かた
)
まりし
269
軍
(
いくさ
)
を
守
(
まも
)
りたまへかし
270
勝利
(
しようり
)
の
都
(
みやこ
)
は
近
(
ちか
)
づきぬ
271
勇
(
いさ
)
めよ
勇
(
いさ
)
めよ
快男子
(
くわいだんじ
)
272
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
めよ
神軍
(
みいくさ
)
よ』
273
照国別
(
てるくにわけ
)
は
又
(
また
)
謡
(
うた
)
ふ。
274
照国別
(
てるくにわけ
)
『
吾
(
われ
)
は
神軍
(
しんぐん
)
照国
(
てるくに
)
の
275
別
(
わけ
)
の
命
(
みこと
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
276
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
277
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
伝
(
つた
)
へむと
278
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
れる
折
(
をり
)
もあれ
279
タライの
村
(
むら
)
のジャンクさまが
280
館
(
やかた
)
に
立
(
た
)
ち
入
(
い
)
り
此
(
この
)
度
(
たび
)
の
281
軍
(
いくさ
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
きしより
282
吾
(
われ
)
も
義軍
(
ぎぐん
)
に
加
(
くは
)
はりて
283
厳
(
いづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
尽
(
つ
)
くる
迄
(
まで
)
284
或
(
あるひ
)
は
防
(
ふせ
)
ぎ
戦
(
たたか
)
ひつ
285
神
(
かみ
)
の
建
(
た
)
てたる
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
286
御空
(
みそら
)
に
塞
(
さや
)
る
黒雲
(
くろくも
)
を
287
伊吹
(
いぶき
)
払
(
はら
)
ひに
払
(
はら
)
ふべし
288
勇
(
いさ
)
めよ
勇
(
いさ
)
めよ
神軍
(
みいくさ
)
よ
289
神
(
かみ
)
は
汝
(
なんぢ
)
と
倶
(
とも
)
にあり
290
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
291
神
(
かみ
)
に
敵
(
てき
)
する
曲
(
まが
)
はなし
292
梵天
(
ぼんてん
)
帝釈
(
たいしやく
)
自在天
(
じざいてん
)
293
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
294
敬
(
うやま
)
ひまつり
三五
(
あななひ
)
の
295
教
(
をしへ
)
を
守
(
まも
)
りたまふなる
296
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
297
御稜威
(
みいづ
)
を
力
(
ちから
)
と
頼
(
たの
)
みつつ
298
生死
(
せいし
)
の
境
(
さかひ
)
に
超越
(
てうゑつ
)
し
299
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
国
(
くに
)
の
為
(
ため
)
300
国王
(
こきし
)
と
民
(
たみ
)
を
救
(
すく
)
ふため
301
身
(
み
)
もたなしらに
進
(
すす
)
むべし
302
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
303
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
の
尊
(
たふと
)
さよ
304
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
めよ
神軍士
(
しんぐんし
)
305
勇
(
いさ
)
めよ
勇
(
いさ
)
めよ
軍人
(
いくさびと
)
306
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
307
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ
308
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
309
梅公
(
うめこう
)
は
又
(
また
)
謡
(
うた
)
ふ。
310
梅公
(
うめこう
)
『
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
に
従
(
したが
)
ひて
311
風
(
かぜ
)
吹
(
ふ
)
き
荒
(
すさ
)
ぶ
河鹿山
(
かじかやま
)
312
やうやく
越
(
こ
)
えて
千万
(
ちよろづ
)
の
313
曲
(
まが
)
の
難
(
なやみ
)
を
払
(
はら
)
ひつつ
314
葵
(
あふひ
)
の
沼
(
ぬま
)
に
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
315
月
(
つき
)
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
る
水
(
みづ
)
の
面
(
おも
)
316
空
(
そら
)
に
輝
(
かがや
)
く
清照
(
きよてる
)
の
317
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
や
黄金
(
わうごん
)
の
318
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
319
右
(
みぎ
)
と
左
(
ひだり
)
に
袂
(
たもと
)
をば
320
別
(
わか
)
ちてタライの
村
(
むら
)
の
口
(
くち
)
321
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
れる
折
(
をり
)
もあれ
322
バラモン
軍
(
ぐん
)
の
暴状
(
ばうじやう
)
を
323
耳
(
みみ
)
にせしより
腕
(
うで
)
は
鳴
(
な
)
り
324
血
(
ち
)
は
躍
(
をど
)
りつつどこ
迄
(
まで
)
も
325
世人
(
よびと
)
の
難
(
なやみ
)
を
救
(
すく
)
はむと
326
思
(
おも
)
ひきはめし
雄心
(
をごころ
)
の
327
大和心
(
やまとごころ
)
のやりばなく
328
如何
(
いかが
)
はせむと
思
(
おも
)
ふ
折
(
をり
)
329
ジャンクの
率
(
ひき
)
ゆる
義勇軍
(
ぎゆうぐん
)
330
従軍
(
じゆうぐん
)
せよとの
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
の
331
言葉
(
ことば
)
に
否
(
いな
)
み
兼
(
か
)
ねつつも
332
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御心
(
みこころ
)
と
333
仰
(
あふ
)
ぎまつりて
進
(
すす
)
み
往
(
ゆ
)
く
334
さはさりながらスガコ
姫
(
ひめ
)
335
難
(
なやみ
)
に
遇
(
あ
)
ひしと
聞
(
き
)
くよりも
336
是
(
これ
)
が
見捨
(
みす
)
てて
置
(
お
)
かれようか
337
戦
(
いくさ
)
の
場
(
には
)
に
立
(
た
)
ちながら
338
心
(
こころ
)
にかかるは
姫
(
ひめ
)
の
事
(
こと
)
339
一旦
(
いつたん
)
救
(
すく
)
ひ
助
(
たす
)
けむと
340
思
(
おも
)
ひ
定
(
さだ
)
めし
吾
(
わが
)
胸
(
むね
)
は
341
いつか
晴
(
は
)
れなむ
大空
(
おほぞら
)
を
342
包
(
つつ
)
みし
雲
(
くも
)
の
如
(
ごと
)
くなり
343
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
344
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
倍
(
はへ
)
ましませよ
345
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
風
(
かぜ
)
は
強
(
つよ
)
くとも
346
敵
(
てき
)
の
勢
(
いきほひ
)
猛
(
たけ
)
くとも
347
神
(
かみ
)
にある
身
(
み
)
はどこ
迄
(
まで
)
も
348
如何
(
いか
)
でか
恐
(
おそ
)
れためらはむ
349
あゝ
面白
(
おもしろ
)
し
面白
(
おもしろ
)
し
350
敵
(
てき
)
を
千
(
せん
)
里
(
り
)
に
退
(
しりぞ
)
けて
351
トルマン
国
(
ごく
)
を
永久
(
とこしへ
)
に
352
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
守
(
まも
)
るべく
353
進
(
すす
)
まむ
身
(
み
)
こそ
楽
(
たの
)
しけれ
354
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
めよ
神軍
(
みいくさ
)
よ
355
勇
(
いさ
)
めよ
勇
(
いさ
)
めよ
諸人
(
もろびと
)
よ
356
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
357
御霊
(
みたま
)
の
恩頼
(
ふゆ
)
を
願
(
ね
)
ぎまつる
358
御霊
(
みたま
)
の
恩頼
(
ふゆ
)
を
願
(
ね
)
ぎまつる』
359
照公
(
てるこう
)
は
又
(
また
)
謡
(
うた
)
ふ。
360
照公
(
てるこう
)
『
風
(
かぜ
)
よ
吹
(
ふ
)
け
吹
(
ふ
)
け
科戸
(
しなど
)
の
風
(
かぜ
)
よ
361
砂
(
すな
)
よ
立
(
た
)
て
立
(
た
)
て
天
(
てん
)
迄
(
まで
)
立
(
た
)
てよ
362
吾
(
われ
)
は
神軍
(
しんぐん
)
照公
(
てるこう
)
の
363
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
よ
乗
(
の
)
る
駒
(
こま
)
の
364
蹄
(
ひづめ
)
の
音
(
おと
)
も
戛々
(
かつかつ
)
と
365
如何
(
いか
)
なる
山路
(
やまぢ
)
も
恐
(
おそ
)
れなく
366
神
(
かみ
)
のまにまに
進
(
すす
)
むべし
367
デカタン
国
(
ごく
)
の
高原
(
かうげん
)
に
368
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むちう
)
つ
吾々
(
われわれ
)
は
369
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
370
鳥
(
とり
)
獣
(
けだもの
)
や
草木
(
くさき
)
迄
(
まで
)
371
救
(
すく
)
ひ
助
(
たす
)
けむ
職掌
(
しよくしやう
)
ぞ
372
大足別
(
おほだるわけ
)
の
曲軍
(
まがいくさ
)
373
バルガン
城
(
じやう
)
を
十重
(
とへ
)
廿重
(
はたへ
)
374
取
(
と
)
り
囲
(
かこ
)
むとも
何
(
なに
)
かあらむ
375
神
(
かみ
)
のよさしの
言霊
(
ことたま
)
を
376
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
射放
(
いはな
)
ちて
377
敵
(
てき
)
と
味方
(
みかた
)
の
隔
(
へだ
)
てなく
378
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
すは
案
(
あん
)
の
中
(
うち
)
379
刃
(
やいば
)
に
血
(
ち
)
をば
塗
(
ぬ
)
らずして
380
軍
(
いくさ
)
をおさむる
神
(
かみ
)
の
徳
(
とく
)
381
あゝ
勇
(
いさ
)
ましし
勇
(
いさ
)
ましし
382
前途
(
ぜんと
)
に
光明
(
くわうみやう
)
輝
(
かがや
)
きぬ
383
恐
(
おそ
)
るる
勿
(
なか
)
れ
神軍士
(
しんぐんし
)
384
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
めよ
皆
(
みな
)
共
(
とも
)
に
385
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
を
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
386
完全
(
くわんぜん
)
無欠
(
むけつ
)
に
開
(
ひら
)
く
迄
(
まで
)
387
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
388
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
倍
(
はへ
)
ましませよ』
389
と
声
(
こゑ
)
勇
(
いさ
)
ましく
謡
(
うた
)
ひながら、
390
千
(
せん
)
里
(
り
)
の
広野
(
くわうや
)
を
駒
(
こま
)
の
蹄
(
ひづめ
)
に
砂塵
(
しやぢん
)
を
捲
(
ま
)
き
上
(
あ
)
げながら、
391
途々
(
みちみち
)
参加
(
さんか
)
する
兵士
(
へいし
)
を
合
(
がつ
)
し、
392
数千
(
すうせん
)
人
(
にん
)
の
団隊
(
だんたい
)
となつてバルガン
城
(
じやう
)
を
目
(
め
)
がけ、
393
勢
(
いきほひ
)
猛
(
たけ
)
く
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
394
(
大正一三・一二・一五
旧一一・一九
於祥雲閣
加藤明子
録)
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