霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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千引岩

インフォメーション
題名:千引岩 著者:出口王仁三郎
ページ:103 目次メモ:
概要:28歳の頃 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-05-08 00:00:00 OBC :B119800c033
二十八歳の頃
初夏を吹く松風の音にさそはれて(たま)のみくににふみ()りにけり
ふわりふわり風に吹かれて()(たま)千引(ちびき)(いは)()にたちとまりけり
わがたてる岩のみならず幾千の大小の岩四辺(あたり)にそばだつ
目路(めぢ)の限り断崖絶壁岩の山ただあきれ()るばかりなりけり
千丈(せんぢやう)の谷底見れば霧の中に何かは知らずうごめきて()
谷底の霧は次第にふくれ(あが)りわが身辺(しんぺん)を取りまきにけり
深霧(ふかぎり)の幕につつまれ目路(まぢ)せまくただ蕭然(せうぜん)岩頭(がんとう)にたつ
岩頭(がんとう)ゆつめたき風の吹きあがり()が足(こほり)のごとく冷えたり
孤立せる幾千丈の岩頭(がんとう)寒風(かんぷう)浴びてたてるさびしさ
煙突の上に立ちたる如くなるあやふき(わが)身はこごえんとせし
かむながら御霊(みたま)幸倍(さちはひ)坐世(ましませ)と声きれぎれに太祝詞(ふとのりと)宣る
神言(かみごと)功徳(いさを)たちまちあらはれて寒さやはらぎ霧うすらぎぬ
たちこめし霧は次第に薄らぎて吾が目路(めぢ)広くなりし嬉しさ
百花園
岩上(がんじやう)に立ちしわが身は何時(いつ)の間にか百花(ももばな)匂ふ花園(はなぞの)にたてり
(つるぎ)()のごとき幾多の岩ケ根はけむりのごとく消えてあとなし
そよそよと(おも)吹く風の(やはら)かさその楽しさはたとふ(すべ)なし
目路(めぢ)はるか(むか)ふの(かた)より紫の雲押し分けて神輿(こし)すすみ来る
ことほぎの声は天地をどよもして神輿(みこし)もろとも吾に近づく
黄金(わうごん)のひかり四辺(あたり)をてらしつつ近よる神輿(みこし)崇厳(さうごん)なるも
花匂ふ野辺に端坐し合掌し思はず知らず神輿(みこし)ををろがむ
幾百の旗指物(はたさしもの)をかざしつつ流るるごとくすすみ来る神輿(みこし)
黄金(わうごん)神輿(みこし)()がたつ目の前にいとも静かにおろされにけり
神人の影
黄金(わうごん)神輿(みこし)(とびら)押しあけておもてまばゆき神人(しんじん)()でたまふ
恐るおそる神人(しんじん)(おも)仰ぎ見れば国常立の神におはせり
神人(しんじん)は言葉静かに宣らすやうわれとともども天国(みくに)に来たれと
有難(ありがた)勿体(もつたい)なしとひれ伏せば軽くわが背を撫でたまひけり
大神(おほかみ)御手(みて)(わが)背にふるるや否や天地(てんち)ひらけし心地なしたり
感激の涙腮辺(しへん)をつたひつつただ俯向(うつむ)きて泣くばかりなる
神人(しんじん)のことほぎの声きこえつつ又もや朱塗(しゆぬり)神輿(みこし)()()
わが前に朱塗(しゆぬり)神輿(みこし)をおろされて万歳の声天地(てんち)をゆるがす
天国の夢ならむかとわれとわが頬つめれども痛さを覚えず
夢でなくうつつでもなしわれこそは国常立の神よと宣らす
くれなゐの神輿(みこし)(とびら)押し開けてほほゑみながら()でます女神
姫神(ひめがみ)はさきに来ませる大神(おほかみ)に黙礼しつつわれ見つめます
姫神(ひめがみ)は言葉しづかに宣らすやう稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)はわれよと
葦原(あしはら)中津(なかつ)神国(みくに)をすくふべく天国のさま(なれ)に見せたし
有難(ありがた)しもつたいなしと()(あは)す折しもまたもや万歳の声
万歳の声にあなたをみはるかせば銀色なせる神輿(みこし)馳せ来る
銀色の神輿(みこし)はしづしづ吾前(わがまへ)に来たりて輝きとどまりにけり
(ふた)はしら男神(をがみ)女神(めがみ)は左右よりわれを(いだ)きて神輿(みこし)()れます
風なきに自然に神輿(みこし)三台は浮けるが如く動き出したり
神輿昇空
いぶかしきことよと思ふ間もあらず三台の神輿(みこし)地を離れたり
数知れぬ旗指物(はたさしもの)に守られて三つの神輿(みこし)は動きそめたり
(ヤー)(トコ)(セー)()(イヤ)(ナー)祝言(ほぎごと)を宣るこゑ宇宙にひびきわたれり
()(いろ)の雲の階段(きざはし)つぎつぎにすすむもたのし最奥天国
三台の神輿(みこし)はやうやく黄金山(わうごんざん)の十字の宮にかき()れられぬ
幾万の祝言(ほぎごと)の声一斉に高鳴りにけり黄金(わうごん)の山
黄金山(わうごんざん)は最奥の天国神苑(かみぞの)(ふた)はしら(がみ)われに告げたまふ
長生殿
十字形(じふじけい)(うづ)の宮居は鶴山(つるやま)長生殿(ちやうせいでん)よと神は宣らせり
一つ一つわれいぶかりつ喜びつ(えり)をただして宣言(のりごと)を聞く
この宮をやがて地上にうつすべし(なれ)(さづ)くといかめしき御声(みこゑ)
豊葦原(とよあしはら)全地(ぜんち)の上に神の国(きづ)くべきとき(きた)りしと宣り給ふ
(なれ)こそは(みづ)御霊(みたま)神柱(かむばしら)地上の光よ花よと宣らせり
長生殿にかざせる真澄の神鏡(みかがみ)に写る姿にわれおどろきぬ
何時(いつ)の間にかわれは女体(によたい)となりて居り頭に輝く宝珠(ほつしゆ)の光
音楽のこゑ嚠喨(りうりやう)とひびかせつ神人(しんじん)たちて御庭(みには)にをどらす
(ふた)はしら神はしづしづ長生殿の御扉(みとびら)深くかくれたまへり
われひとり女神となりて(たたず)めば数多の神人(しんじん)四方(よも)をとりまく
神人(しんじん)の踊るすがたの面白さわれなかに立ち歌うたひけり
ときじくの祈り
天地(あめつち)にとどろき渡るわが声に思はず知らずまなこさめたり
眼ざむれば高熊山の岩ケ根にうつとりとして端坐なしをり
(ひんがし)の空あかあかと紫の雲たなびきて朝風(あさかぜ)すずし
天津空(あまつそら)封じてたてる常磐木(ときはぎ)のこずゑにうたふ百鳥(ももとり)の声
峰を吹く(あした)の風の(すが)しさにわれ地の上とも思はざりけり
(ひんがし)の山の()(あか)して昇ります朝陽(あさひ)のかげはあかかりにけり
朝露(あさつゆ)の玉を(てら)してかがやける天津陽光(ひかげ)をうるはしみ見つ
常磐木(ときはぎ)の松の木の()をすかし見れば朝陽(あさひ)()ゆる堂建(だうたて)の山
四十八宝座のまへに()をあはせ感謝の祝詞奏上なしけり
メツセージあまり多きをかしこみてときじく祈る感謝のことば
天国のありさま(つぶ)さに示されてわが(たましひ)は勇み立ちたり
(わが)頭上に落ち来る如き岩ケ根を見つつ安けき心いぶかし
堂建(だうたて)の山にかがやく朝日影(あさひかげ)を見つつ楽しも宝座の上に
大岩(おほいは)の頭上に落ち来る(あやふ)さも恐れぬまでに(たま)は鎮めり
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
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