霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第六章 楽隠居(らくいんきよ)〔五五六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第14巻 如意宝珠 丑の巻 篇:第2篇 幽山霊水 よみ(新仮名遣い):ゆうざんれいすい
章:第6章 楽隠居 よみ(新仮名遣い):らくいんきょ 通し章番号:556
口述日:1922(大正11)年03月23日(旧02月25日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年11月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
弥次彦、与太彦、六の三人が小鹿峠を上がっていくと、路傍に大きな岩窟があった。岩窟の中には、三五教の勝公が捉えられていた。
勝公はウラル教の目付けの中に潜入していたが、音彦、弥次彦、与太彦が猿山峠に逃げる際に関所で目配せをして逃げ道を示してあげた。それが疑われて、岩窟に閉じ込められていたのであった。
三人は勝公を岩窟から出し、コーカス山に向かって祝詞を奏上した。弥次彦はこれまでの顛末を読み込んだ滑稽な宣伝歌を歌いながら、一行は小鹿峠を進んで行く。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-12-19 01:43:57 OBC :rm1406
愛善世界社版:99頁 八幡書店版:第3輯 193頁 修補版: 校定版:103頁 普及版:46頁 初版: ページ備考:
001 弥次(やじ)002与太(よた)003六公(ろくこう)(さん)(にん)は、004怪訝(けげん)(かほ)して小鹿峠(こしかたうげ)(のぼ)つて()く。005十七八(じふしちはつ)(ちやう)()たと(おも)(ころ)006路傍(ろばう)()なり(おほ)きな巌窟(がんくつ)のあるのに()がついた。
007(ろく)弥次(やじ)サン、008与太(よた)サン、009非常(ひじやう)(せま)(みち)になつたものだナア、010一方(いつぱう)断巌(だんがん)絶壁(ぜつぺき)011眼下(がんか)谷川(たにがは)激流(げきりう)飛沫(ひまつ)()ばし(じつ)物凄(ものすご)光景(くわうけい)012一瞥(いちべつ)するも(はだ)(あは)(しやう)ずるやうだ。013そのまた(せま)(みち)大変(たいへん)巌窟(がんくつ)()()つてゐるぢやないか。014彼奴(あいつ)はナンデも可笑(をか)しい(やつ)だ。015ウラル(けう)(やつ)がこの難所(なんしよ)に、016吾々(われわれ)()()けして()るのぢやあるまいか』
017()『ヤーホントに(うま)背中(せなか)のやうな(ほそ)(みち)に、018巌窟(がんくつ)がヌツト()()てゐよるワイ。019此奴(こいつ)()とをかしいぞ。020(ひと)ここらから(いし)でも()つて瀬踏(せぶみ)して()やうかい』
021()『よかろう、022(ひと)測量(そくりやう)だ』
023()(なが)ら、024手頃(てごろ)(いし)(つか)んで(さん)(にん)一度(いちど)速射砲(そくしやはう)(てき)に、025巌窟(がんくつ)目蒐(めが)けてパチパチパチと()ちつける。026巌窟(がんくつ)(なか)より、
027(岩窟の中より)『ヤーイ(あぶ)ないわい。028(なん)テンゴするのだい』
029()『これほど(いは)(もつ)(かた)めた洞穴(ほらあな)(いし)(あた)つたつて(こた)へるものか。030一寸(ちよつと)(ねむ)りを(さま)してやつたのだよ。031一体(いつたい)そこに()(やつ)何者(なにもの)だ』
032巌窟(がんくつ)(なか)より『(おれ)(おれ)だ。033貴様(きさま)(たれ)だい』
034()(おれ)(おれ)だ。035()()人間(にんげん)だ』
036巌窟(がんくつ)(なか)より『貴様(きさま)はウラル(けう)か、037三五教(あななひけう)か』
038()三五教(あななひけう)のお(かた)だよ』
039巌窟(がんくつ)(なか)より『オーさうか。040間違(まちが)ひはないか。041(おれ)三五教(あななひけう)だ、042ウラル(けう)(やつ)(つかま)へられて、043コンナ(ところ)()()められたのだ。044(たす)けて()れないか』
045()『オイオイ弥次公(やじこう)046()()けないといかないぞ。047悪神(あくがみ)(やつ)048ドンナ計略(けいりやく)をやつてゐよるか(わか)つたものぢやないワ。049オイ巌窟(がんくつ)(なか)代物(しろもの)050貴様(きさま)本当(ほんたう)三五教(あななひけう)ならば(なん)といふ()だ、051言挙(ことあ)げせぬかい』
052巌窟(がんくつ)(なか)より『貴様(きさま)から()()かして()れ。053(もし)もウラル(けう)だと駄目(だめ)だからのう』
054()『ハー()()此奴(こいつ)三五教(あななひけう)らしいぞ。055中々(なかなか)語気(ごき)(しつ)かりしてゐる(わい)056コンナ(あな)()()められて()れだけの元気(げんき)のある(やつ)三五教(あななひけう)(しき)だ。057ウラル(けう)(やつ)ならきつと泣声(なきごゑ)()しよつて、058「モーシモーシ、059(のぼ)(くだ)りのお(きやく)サン、060何卒(どうぞ)(あは)れと思召(おぼしめ)し、061難儀(なんぎ)難儀(なんぎ)(わたくし)境遇(きやうぐう)(あは)れみ(くだ)さいませ。062モーシモーシ、063(とほ)(がか)りのお旦那(だんな)(さま)064難儀(なんぎ)盲目(めくら)でございます」と機械(きかい)(てき)乞食(こじき)もどき()かすのだけれど、065何処(どこ)となく言霊(ことたま)強味(つよみ)があるやうだ。066不自由(ふじゆう)巌窟(がんくつ)(なか)()()められて()つてさへ、067あれ()けの元気(げんき)だから、068仮令(たとへ)ウラル(けう)にしても(すこ)しは気骨(きこつ)のある(やつ)だ。069(ひと)(そと)から揶揄(からかつ)()やうかい』
070()『それも面白(おもしろ)からう。071オイオイ巌窟(いはや)(なか)のご隠居(いんきよ)サン、072(さぞ)()退屈(たいくつ)でございませうナ』
073巌窟(がんくつ)(なか)より『エー滅相(めつさう)な、074(ちい)さい(あな)(まへ)(はう)()いて()りますから、075時々(ときどき)外部(そと)(のぞ)きますと、076小鹿川(こしかがは)(みどり)(くれなゐ)こき()ぜて、077春色(しゆんしよく)(ゆたか)飛沫(ひまつ)()ばす(かは)(なが)れ、078(じつ)天下(てんか)絶景(ぜつけい)ですよ。079(まへ)サンも(とし)()つて隠居(いんきよ)をするのならコンナ(ところ)(えら)んで、080常磐(ときは)堅磐(かきは)鎮座(ちんざ)するのだな』
081()此奴(こいつ)面白(おもしろ)(やつ)だ。082オイオイご隠居(いんきよ)サン、083(まへ)年齢(とし)(いく)つだ』
084巌窟(がんくつ)(をとこ)(わし)かい、085どうやら()うやら(かぞ)(どし)三十(さんじふ)だよ』
086()『それはあまり若隠居(わかいんきよ)ぢやないか。087人間(にんげん)三十(さんじふ)といへば元気(げんき)(ざか)りだ。088これから五十万(ごじふまん)(ねん)未来(みらい)(おい)て、089支那(しな)(きう)とか(まう)とか()(やつ)(あら)はれて、090三十(さんじふ)にして()つとか(ほざ)くぢやないか。091(いま)から隠居(いんきよ)するのはチト勿体(もつたい)ないぞ。092一体(いつたい)(まへ)(なん)()(をとこ)だい』
093巌窟(がんくつ)(なか)より『(おれ)(もと)はウラル(けう)信者(しんじや)であつたが石凝姥(いしこりどめ)宣伝使(せんでんし)がコーカス(ざん)()(とき)に、094孔雀姫(くじやくひめ)(やかた)(めぐ)()ふて、095それから改心(かいしん)(いた)三五教(あななひけう)になつたのだが、096(かみ)(さま)(たい)して(ひと)つの(こう)もよう()てないので、097ナントカ御用(ごよう)()たねばならぬと、098また(もと)のウラル(けう)表面(へうめん)復帰(ふくき)して捕手(とりて)(やく)(くは)はつて()つたのだ。099さうした(ところ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)二人(ふたり)(とも)()れて関所(せきしよ)(まよ)()んで()た。100(おれ)たちの同僚(どうれう)()のついた出刃(でば)(もつ)(しし)料理(れうり)して()つた(ところ)101三五教(あななひけう)(やつ)()たので、102いつそのこと荒料理(あられうり)をしてやらうかと、103(はた)(やつ)(ぬか)すので(おれ)(たま)らぬやうになり、104三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)一寸(ちよつと)目配(めくば)せしたら、105押戸(おしど)()けて一目散(いちもくさん)()げて(しま)つた。106サア、107さうすると同僚(どうれう)(やつ)108貴様(きさま)(へん)(やつ)だ。109やつぱり三五教(あななひけう)臭味(しうみ)()けぬと()えて、110(なん)だか(めう)合図(あひづ)をしよつた。111懲戒(こらしめ)のために無期限(むきげん)此処(ここ)蟄居(ちつきよ)せよと(ぬか)しよつて、112昨日(きのふ)から()()められたのだ。113(おれ)三五教(あななひけう)勝公(かつこう)といふ(をとこ)だよ。114(はや)(あま)岩戸(いはと)()けて(おれ)(すく)()して()れないか』
115()()()て、116(いま)(あま)岩戸(いはと)(びら)きをやつてやらう。117オイ与太彦(よたひこ)118貴様(きさま)大麻(おほぬさ)(もつ)(はら)(やく)だ。119(おれ)天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)する、120六公(ろくこう)(なに)供物(くもつ)()いから()()でもむしつて()供物(そなへもの)にするのだよ』
121(かつ)『エー洒落(しやれ)どころちやないワ。122(はや)()けて()れないか』
123()(きま)つたことよ。124あけたらくれるのは毎日(まいにち)(きま)つてゐる。125あけてはくれあけてはくれ、126その()その()()れるのだ。127アハヽヽヽ』
128(かつ)『エー辛気(しんき)くさい。129()加減(かげん)じらして()け』
130()じらすとも、131貴様(きさま)はコンナ(ところ)窮窟(きうくつ)()をして、132可憐(いじ)らしい(やつ)だから此方(こちら)意地(いぢ)じらしてやるのだ。133アハヽヽヽ』
134()『オイオイ弥次彦(やじひこ)135ソンナ与太(よた)()ふな。136(はや)()けてやらぬかい』
137()()けて(くや)しい玉手箱(たまてばこ)138(あと)でコンナことだと()つたなら()けぬが(まし)であつたものを、139()ひたい()たいと明暮(あけくれ)に、140ナンテ芝居(しばゐ)もどきに、141愁歎場(しうたんば)()せつけられては(こま)るからなア』
142(ろく)『エー(ろく)でもないことを()(ひと)だナア。143綺麗(きれい)さつぱりと開放(かいはう)して()げなさい』
144()『アヽさうださうだ、145()けて()げませう。146ヤー(えら)(ぢやう)(おろ)してゐやがる(わい)147折悪(をりあし)合鍵(あひかぎ)持合(もちあは)せがないから、148オイ(かつ)サンとやら、149仕方(しかた)がないワ。150まあ(ゆつ)くりと時節(じせつ)()るまで()逗留(とうりう)(あそ)ばせ』
151(かつ)そこら()手頃(てごろ)(いし)(もつ)錠前(ぢやうまへ)(くだ)いて()して()れ』
152()『コンナ立派(りつぱ)錠前(ぢやうまへ)むざむざと(つぶ)すのは勿体(もつたい)ないぢやないか』
153(かつ)勿体(もつたい)ないも(くそ)もあつたものか。154ウラル(けう)錠前(ぢやうまへ)だ、155木葉(こつぱ)微塵(みぢん)(くだ)いて()して()れ』
156()()()て、157折角(せつかく)出来(でき)たものを破壊(はくわい)するといふことは、158一寸(ちよつと)(かんが)(もの)だ。159過激(くわげき)主義(しゆぎ)のやうになつては、160天道(てんだう)(さま)申訳(まをしわけ)がない。161(なん)とか完全(くわんぜん)原形(げんけい)(そん)して、162()ける工夫(くふう)があるまいかな』
163(ろく)『もし此処(ここ)にコンナものがある。164これは屹度(きつと)(なに)かの合図(あひづ)でせうで』
165()(なが)小指(こゆび)のやうな(かたち)をした巌壁(がんぺき)細長(ほそなが)巌片(がんぺん)をグツと()した途端(とたん)に、166(いは)()()もなくパツと(ひら)いた。
167()168()『アハヽヽヽ、169ナアンダ、170鼻糞(はなくそ)(まと)()つたやうなことしよつて、171何処(どこ)までもウラル(けう)(しき)だワイ。172オイ(かつ)サン、173(はや)()ないか』
174(かつ)『この()(なが)いのに、175さう狼狽(あはて)るものぢやない。176まア、177(ゆつ)くりと(みな)サンも此処(ここ)這入(はい)りなさい。178持寄(もちよ)(ばなし)でもして(はる)日長(ひなが)(くら)しませうかい』
179()『ヨー此奴(こやつ)はまた(はふ)(はづ)れの呑気者(のんきもの)だ。180(るゐ)(もつ)(あつ)まるとは、181よく()つたものだナア。182(うま)(うま)()れ、183(うし)(うし)()れだ。184いよいよ此処(ここ)四魂(しこん)(そろ)つたりだ。185オー(かつ)サン、186どうぞ()昵懇(じつこん)(ねが)ひますよ。187(わたくし)弥次彦(やじひこ)()剽軽(へうきん)(うま)()き、188此奴(こいつ)天下(てんか)一品(いつぴん)与太(よた)だから与太彦(よたひこ)()()がついてゐます。189モー一匹(いつぴき)(やつ)あまり(ろく)(やつ)ぢやないから(ろく)()ひますよ。190アハヽヽヽ』
191(かつ)『アヽよい(ところ)()(くだ)さつた。192()かげで密室(みつしつ)監禁(かんきん)憂目(うきめ)(のが)れました。193(まへ)サンは何処(どこ)かで()たことのあるやうな(かほ)だな』
194()195()()るとも()るとも、196()出刃(でば)災難(さいなん)()はうとした(とき)197()()らして()れたのはお(まへ)だつたよ。198(てき)(なか)にも味方(みかた)があると()つて非常(ひじやう)感謝(かんしや)して()つたのだ。199その(とき)恩人(おんじん)はお(まへ)だつたか、200(めう)なものだな。201(まへ)(たす)けられて(また)此処(ここ)(たす)けられた(わし)(たち)が、202(まへ)(たす)けるとは不思議(ふしぎ)なことだ。203これだから人間(にんげん)()いことをして(ひと)(たす)けねばならない。204(かみ)(さま)実地(じつち)教育(けういく)()けたのだ。205あゝ有難(ありがた)有難(ありがた)い、206()(にん)一同(いちどう)(そろ)つて神言(かみごと)奏上(そうじやう)しませうか』
207巌窟前(がんくつぜん)細道(ほそみち)向方(むかふ)(わた)りやや(ひろ)(みち)()で、208()(にん)はコーカス(ざん)(はう)(むか)つて、209(うやうや)しく祝詞(のりと)奏上(そうじやう)した。
210()此処(ここ)はウラル(けう)(やつ)()勢力(せいりよく)範囲(はんゐ)ともいふべき区域(くゐき)だから、211(ひと)元気(げんき)()宣伝歌(せんでんか)でも(うた)つて()きませうかい。212音頭(おんど)()りは(わたくし)(いた)しませう』
213一同(いちどう)(かみ)(おもて)(あら)はれて
214(ぜん)(あく)とを立別(たてわ)ける
215この()(つく)りし神直日(かむなほひ)
216(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
217(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
218直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
219()(あやま)ちは()(なほ)
220三五教(あななひけう)(かみ)(みち)
221(おと)名高(なだか)音彦(おとひこ)
222(かみ)(つかさ)諸共(もろとも)
223猿山峠(さるやまたうげ)(みぎ)()
224荒野(あれの)(はら)(かけ)めぐり
225()ても(あやふ)丸木橋(まるきばし)
226やつと(わた)つて川岸(かはぎし)
227(やす)(をり)しも(かたはら)
228(くさ)しげみ()()けて
229(あら)はれ()でし黒頭巾(くろづきん)
230三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
231その()奴輩(やつばら)一々(いちいち)
232(なん)容赦(ようしや)荒縄(あらなは)
233(しば)つてくれむと雄健(をたけ)びの
234その見幕(けんまく)(おぢ)()
235力限(ちからかぎ)りに()()せば
236(あに)(はか)らむや()(あた)
237(みち)真中(まなか)(しこ)()
238関所(せきしよ)(なか)(まよ)()
239如何(いかが)はせむと(おも)(をり)
240(はな)()()勝彦(かつひこ)
241(ふか)(なさけ)(すく)はれて
242虎口(ここう)をのがれ息急(いきせ)きと
243駆出(かけだ)途端(とたん)(みち)()
244泥田(どろた)(なか)(すべ)()
245二人(ふたり)諸共(もろとも)(どろ)まぶれ
246(あと)より(てき)(おそ)()
247(なん)容赦(ようしや)荒肝(あらぎも)
248()られて泥田(どろた)()(あが)
249一行(いつかう)(さん)(にん)一筋(ひとすぢ)
250田圃(たんぼ)(みち)()()せば
251(あや)しき(やつ)唯一人(ただひとり)
252()をばぎよろぎよろ(にら)()
253此奴(こいつ)的切(てつき)りウラル(けう)
254目付(めつけ)(やつ)全身(ぜんしん)
255(ちから)をこめて(かたはら)
256泥田(どろた)(なか)()(おと)
257(あと)をも()ずにトントンと
258小鹿峠(こしかたうげ)()()れば
259(おも)ひもかけぬ(さん)(にん)
260(おに)をも(あざむ)荒男(あらをとこ)
261(まへ)(うしろ)数百(すうひやく)
262ウラルの(ひこ)捕手(とりて)(ども)
263雲霞(うんか)(ごと)()(きた)
264進退(しんたい)(ここ)(きは)まりて
265(たちま)谷間(たにま)(さん)(にん)
266空中(くうちう)滑走(くわつそう)曲芸(きよくげい)
267(えん)じて河中(かちう)着陸(ちやくりく)
268ウンと一声(いつせい)気絶(きぜつ)して
269十万(じふまん)億土(おくど)幽界(いうかい)
270三途(せうづ)(かは)渡場(わたしば)
271怪体(けたい)(ばば)アに出会(でくは)して
272(なん)ぢや(かん)ぢやとかけ()ひの
273()最中(さいちう)(めづ)らしや
274ウラルの(ひこ)目付役(めつけやく)
275源五郎(げんごらう)()がやつて()
276()らざる繰言(くりごと)(ほざ)きつつ
277ここにいよいよ真裸(まつぱだか)
278(かは)()えたる荒野原(あれのはら)
279トントントンと(すす)()
280()けば(ほど)なく禿山(はげやま)
281(ふもと)ぴたり()(あた)
282行手(ゆくて)(ふさ)がれ是非(ぜひ)()
283天津(あまつ)祝詞(のりと)(こゑ)(きよ)
284奏上(そうじやう)するや(たちま)ちに
285()から()()銅木像(どうもくざう)
286からくり人形(にんぎやう)曲芸(きよくげい)
287一寸(ちよつと)(えん)じたご愛嬌(あいけう)
288(すす)()くやらミヅバナを
289(しき)りに()びせかけるやら
290茶色(ちやいろ)のやうな小便(せうべん)
291(にじ)(あめ)やら(はり)(あめ)
292こりや(たま)らぬと(おも)(をり)
293()()(わけ)宣伝使(せんでんし)
294数多(あまた)弟子(でし)をば引連(ひきつ)れて
295やつて()たかと(おも)ひきや
296冥土(めいど)(たび)(うそ)(かは)
297(なが)れも(きよ)小鹿川(こしかがは)
298(かは)真砂(まさご)横臥(わうぐわ)して
299(ゆめ)(なか)にも(ゆめ)()
300怪体(けたい)(まく)()()げて
301木株(こかぶ)(ちから)(もと)(みち)
302(のぼ)つて()れば数百(すうひやく)
303(うま)()()(うし)()
304(うま)(うし)との(ゆめ)()
305やつと此処(ここ)まで()()れば
306(おも)ひも()らぬ巌窟(がんくつ)
307三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
308(まけ)ても()だけは(かつ)サンが
309三十(さんじふ)(をとこ)楽隠居(らくいんきよ)
310(かみ)(めぐ)みに(めぐ)()
311(たがひ)見合(みあ)はす(かほ)(かほ)
312(ぜん)(ぜん)との引合(ひきあは)
313コンナ(うれ)しいことあろか
314(ぜん)(あく)とを立別(たてわ)ける
315(かみ)(をしへ)のわれわれは
316前途(ぜんと)益々(ますます)有望(いうばう)
317(すす)めよ(すす)めいざ(すす)
318四魂(しこん)(そろ)つて堂々(だうだう)
319(まが)(とりで)立向(たちむか)
320ウラルの(ひこ)目付(めつけ)()
321(かた)(ぱし)から()ちのめし
322勝鬨(かちどき)()げて高架索(コーカサス)(ざん)
323(かみ)御前(みまへ)(かへ)(ごと)
324(まを)すも()まで(とほ)からじ
325朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
326(つき)()つとも()くるとも
327たとへ大地(だいち)(しづ)むとも
328三五教(あななひけう)には(はな)れなよ
329ウラルの(をしへ)(まよ)ふなよ
330(すす)めよ(すす)めいざ(すす)
331悪魔(あくま)軍勢(ぐんぜい)(ほろ)ぶまで
332曲津(まがつ)(かみ)()するまで』
333()徳利(どつくり)(やう)(くち)から出放題(ではうだい)宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)ら、334小鹿峠(こしかたうげ)(いきほ)ひよく(あし)()()らして(すす)()く。
335大正一一・三・二三 旧二・二五 外山豊二録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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