霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一六章 (かへ)(ざき)〔五六六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第14巻 如意宝珠 丑の巻 篇:第3篇 高加索詣 よみ(新仮名遣い):こーかすまいり
章:第16章 返り咲 よみ(新仮名遣い):かえりざき 通し章番号:566
口述日:1922(大正11)年03月25日(旧02月27日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年11月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
四人はコーカス山に詣でて、小山村に帰ってきた。そして、六公とお竹の婚礼を挙げることになった。勝公が祝いの歌を歌った。
六公とお竹は、いままでの経緯を歌に歌いこんで祝宴の歌を歌った。婚礼に参列した一同みな、祝いの歌を歌って、無事に式は終わった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-12-19 02:02:23 OBC :rm1416
愛善世界社版:263頁 八幡書店版:第3輯 256頁 修補版: 校定版:273頁 普及版:126頁 初版: ページ備考:
001三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
002(すべ)ての(まが)勝彦(かつひこ)
003(さん)(まい)羽織(ばおり)()をかため
004異様(いやう)姿(すがた)トボトボと
005十八坂(じふはちさか)()()えて
006十九(つづ)二十(はたち)山坂(やまさか)
007()若々(わかわか)(のぼ)()
008弥次彦(やじひこ)与太彦(よたひこ)両人(りやうにん)
009(つか)まへ(どころ)()(やう)
010屁理屈(へりくつ)()りつつ痩馬(やせうま)
011(あし)もワナワナ ブウブウブウ
012屁放(へつぴ)(ごし)(あや)しくも
013(くち)法螺(ほら)()(しり)からは
014(ふと)喇叭(らつぱ)()きつづけ
015(かみなり)サンも(おどろ)いて
016跣足(はだし)()げる二十山(はたちやま)
017(たうげ)(のぼ)つて一休息(ひとやすみ)
018(また)も、のり()膝栗毛(ひざくりげ)
019(こゑ)(からす)勘三郎(かんざぶらう)
020数多(あまた)手下(てした)()()れて
021三五教(あななひけう)勝公(かつこう)
022四人(よつたり)()れの()(さき)
023(あや)しき姿(すがた)大声(おほごゑ)
024ドツコイやらじと()(ひろ)
025得物(えもの)()つて()(むか)
026こちらは(かはづ)(むか)()
027(みづ)御霊(みたま)(さち)はひに
028稜威(いづ)言霊(ことたま)さやさやと
029天地(てんち)(むか)つて()りつれば
030流石(さすが)(たけ)(すさ)()
031(きも)(つぶ)して降参(かうさん)
032これや(たま)らぬと大道(だいだう)
033(いぬ)つく()ひの可笑(をか)しさよ
034()けても()だけは勝彦(かつひこ)
035()けて(たま)ろか(かち)つづけ
036一同(いちどう)(つづ)けと(さき)()
037(たうげ)(かず)(いつ)()
038しこけき小家(こや)立寄(たちよ)つて
039盲目(めくら)()アサンに邂逅(めぐりあ)
040(のき)(こし)かけ一休息(ひとやすみ)
041()サン()サンの悲劇(ひげき)(まく)
042()いて(さと)りし六公(ろくこう)
043(むかし)()ふた古傷(ふるきず)
044(さら)()されて(ろく)サンは
045碌々(ろくろく)答辞(いらへ)()(なみだ)
046()木杭(ぼつくひ)(また)しても
047()()(やう)縁談(えんだん)
048(ぢい)サン(ばば)サンは(さて)()いて
049六公(ろくこう)サンの(よろこ)びは
050(あま)岩戸(いはと)(ひら)けたる
051(おも)ひに一同(いちどう)(いさ)()
052コーカス(ざん)参拝(さんぱい)
053(をは)つて(ふたた)(もと)(さや)
054をさまる(えにし)目出度(めでた)やと
055ここに(いとま)()(なが)
056(のぼ)つて()たのが()にし()
057眺望(てうばう)絶佳(ぜつか)二十三番(にじふさんばん)(たうげ)(うへ)
058()()(かぜ)(あふ)られて
059(いき)もせきせき(すす)みゆく
060二五番(にごばん)(たうげ)(いただき)
061(たたず)(をり)しも(たちま)ちに
062ヘボ鎮魂(ちんこん)神憑(かむがか)
063乱痴気(らんちき)(さわ)ぎの(まく)()
064谷間(たにま)(おちい)四人(よつたり)
065暫時(しばし)気絶(きぜつ)幽界(かくりよ)
066一途(いちづ)(かは)(わたし)まで
067(いそ)いで()()れやこは如何(いか)
068(まつ)並樹(なみき)蒼々(あをあを)
069(しげ)根下(ねもと)一軒家(ひとつや)
070(あや)しき(まど)(のぞ)()
071(うま)れついたる与太助(よたすけ)
072与太公(よたこう)(ばば)押問答(おしもんだふ)
073ブリンと()して(なか)()
074すつたモンダの(いさかひ)
075大口(おほぐち)あけて出刄(でば)出歯(でば))を()
076三五教(あななひけう)身魂(みたま)をば
077()いてやらうと(りき)()
078可笑(をか)しい(つら)二人(ふたり)(ばば)
079三途(せうづ)川原(かはら)鬼婆(おにばば)
080(おれ)(いもうと)木常姫(こつねひめ)
081サア()勝負(しようぶ)常世姫(とこよひめ)
082此奴(こいつ)出刄(でば)()()げて
083()(にん)(むか)つて()りかかる
084(ここ)()(にん)宣伝使(せんでんし)
085飛鳥(ひてう)(ごと)()(まは)
086丁々(ちやうちやう)発止(はつし)丁発止(ちやうはつし)
087(てふ)春野(はるの)(くる)(ごと)
088(あせ)(なが)して(たたか)へば
089流石(さすが)(ばば)()(おく)
090アフンとしたと(おも)ひきや
091(ゆめ)か、(うつつ)か、(まぼろし)
092サツと(きこ)ゆる水音(みなおと)
093(まなこ)(さま)せば(かは)(そこ)
094(そこ)(わか)らぬ(この)不思議(ふしぎ)
095(およ)自慢(じまん)六公(ろくこう)
096如何(いかが)はしけむブルブルと
097(おぼ)れて(たちま)土左衛門(どざゑもん)
098(あと)(のこ)つた(さん)(にん)
099()やせむ()くや線香(せんかう)
100(けむり)手向(たむ)ける(すべ)もなく
101(よる)(とばり)()ろされて
102黒白(あやめ)()かぬ(しん)(やみ)
103是非(ぜひ)なく此処(ここ)()()かし
104(なみだ)(おさ)へシホシホと
105大野(おほの)(はら)打渡(うちわた)
106水音(みなおと)(たか)(かは)()
107辿(たど)()くなり与太彦(よたひこ)
108鼻息(はないき)(あら)身慄(みぶる)ひし
109ロヽヽクヽヽと(くち)をきり
110(ろく)生霊(いきりやう)()()たと
111(ほざ)いて一同(いちどう)(きも)をとり
112寝言(ねごと)(ほざ)折柄(をりから)
113(あら)はれ()でたる大男(おほをとこ)
114()()()ればこは如何(いか)
115(こゑ)(からす)勘三郎(かんざぶらう)
116(ろく)死骸(しがい)()()うて
117(おく)つて()たのは不思議(ふしぎ)なる
118(えにし)(いと)次々(つぎつぎ)
119()れぬ(しるし)言霊(ことたま)
120(ちから)(たちま)(いき)()
121四辺(あたり)キヨロキヨロ見渡(みわた)して
122勝彦(かつひこ)サンか与太(よた)サンか
123(まへ)弥次彦(やじひこ)屁放(へこ)(むし)
124此処(ここ)冥土(めいど)現界(うつしよ)
125合点(がてん)()かぬと思案顔(しあんがほ)
126(はじ)めて()がつきまだ(おれ)
127()きて()たかと(いさ)()
128勝彦(かつひこ)サンに(したが)うて
129(ここ)()(にん)急坂(きふはん)
130辿(たど)辿(たど)りてフサの(くに)
131(みやこ)無事(ぶじ)()()ぎて
132()さへ目出度(めでた)きコーカスの
133(かみ)のお(みや)参拝(さんぱい)
134(よろこ)(いさ)小山村(こやまむら)
135(たけ)(うち)()(かへ)
136勝彦(かつひこ)サンの媒酌(なかうど)
137比翼(ひよく)連理(れんり)()(かへ)
138老爺(おやぢ)(ばば)(ろく)サンも
139(あに)松公(まつこう)夫婦(ふうふ)(もの)
140(たけ)(とも)(いさ)()
141ここに(いよいよ)合衾(がふきん)
142(しき)(おこな)物語(ものがたり)
143()くも目出度(めでた)次第(しだい)なり。
144 小山村(こやまむら)のお(たけ)生家(せいか)(はる)()()ふ。145(おやぢ)サンの()鶴助(つるすけ)146(ばば)サンはお(かめ)147息子(むすこ)()松公(まつこう)148女房(にようばう)はお(うめ)()ふ。149(つる)(かめ)(まつ)(たけ)(うめ)一家族(いちかぞく)婿(むこ)(くは)へて(ろく)(にん)(ぐら)し、150()(ろく)サンの婿入(むこい)(いは)ひ、151媒酌(なかうど)(やく)勝彦(かつひこ)宣伝使(せんでんし)152弥次彦(やじひこ)153与太彦(よたひこ)二人(ふたり)(ろく)サンの友人(いうじん)としてこの目出度(めでた)結婚(けつこん)(せき)(くは)はつた。154三五教(あななひけう)(まこと)(ひと)つの(をしへ)(くは)へて此処(ここ)十曜(とえう)(うづ)身魂(みたま)155目出度(めでた)酒宴(さかもり)一度(いちど)(ひら)白梅(しらうめ)の、156(かほ)(ゆか)しきお(たけ)姿(すがた)157常磐(ときは)(まつ)何処(どこ)やらに、158気品(きひん)(たか)(まつ)サン夫婦(ふうふ)159(つる)千歳(ちとせ)末永(すえなが)く、160(かめ)(よはひ)万代(よろづよ)も、161五六七(みろく)()までも(かは)らじと、162(むす)びの(かみ)(おん)(まへ)に、163天津(あまつ)祝詞(のりと)太祝詞(ふとのりと)164言挙(ことあ)(をは)つて酒杯(さかづき)の、165(かず)芽出度(めでた)三々(さんさん)九度(くど)166此処(ここ)()(にん)(いさ)()ち、167千代(ちよ)寿(ことほ)酒宴(さかもり)の、168真最中(まつさいちう)勝彦(かつひこ)は、169千代(ちよ)(しゆく)する結婚(けつこん)の、170(うた)(すず)しく(うた)ひける。
171勝彦()久方(ひさかた)末長(すゑなが)
172常磐(ときは)(まつ)千代(ちよ)八千代(やちよ)
173(をさ)まる御代(みよ)(つる)(くび)
174まつの神代(かみよ)(めぐ)()
175()さへ目出度(めでた)きお(かめ)サン
176九十九(つくも)(さか)幾度(いくたび)
177(のぼ)りつ(くだ)りつ安々(やすやす)
178(いま)より()えむ(おい)(さか)
179(はる)()(ごと)(わか)やいで
180二組(ふたくみ)(そろ)ふた若夫婦(わかめうと)
181常磐(ときは)(まつ)(いろ)(ふか)
182いつも(かは)らぬ(まつ)サンや
183花咲(はなさ)(にほ)ふお(うめ)サン
184(その)のなよ(だけ)末長(すゑなが)
185(むつ)みて(くら)(ろく)()
186ついた(をとこ)(ろく)サンを
187()()()()(いつ)(まで)
188(むつ)(した)しみ(なな)(くさ)
189千代(ちよ)()千代(ちよ)(ここの)()
190御空(みそら)(いろ)(まが)(ごと)
191(きよ)(すず)しく青々(あをあを)
192()つぎ(みち)何時迄(いつまで)
193(もも)(とせ)()(とせ)(よろづ)(とせ)
194(いく)(おく)(まん)(ねん)(すゑ)までも
195(たがひ)(かは)るな(かは)らじと
196(した)しみ(くら)(かみ)(みち)
197(なほ)(ただ)しくふみしめて
198天津(あまつ)御空(みそら)(ほし)(ごと)
199(はま)真砂(まさご)(かず)(ごと)
200御子(みこ)()()(もち)()
201()(もち)をタント()(なら)
202夫婦(ふうふ)仲良(なかよ)世帯(しよたい)もち
203(きよ)きその()大名(おほな)(もち)
204疳癪(かんしやく)()()めにして
205婿(むこ)()(よめ)()(かね)()
206(たから)()(もち)()
207(つき)(かがみ)()()らと
208(かがや)(わた)若夫婦(わかふうふ)
209(せん)(ねん)(まん)(ねん)()れるとも
210(いま)姿(すがた)若々(わかわか)
211(かみ)(めぐみ)(あぢは)へよ
212(めぐみ)(つゆ)(うるほ)へよ
213アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
214(みたま)幸倍(さちはへ)()しませよ
215アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
216(みたま)幸倍(さちはへ)()しませよ』
217(うた)つて酒杯(さかづき)六公(ろくこう)にさした。218六公(ろくこう)(うやうや)しく()(いただ)いてお(たけ)(わた)した。219(ここ)親子(おやこ)夫婦(ふうふ)(さかづき)無事(ぶじ)()みける。
220()『ヤアお目出度(めでた)いお目出度(めでた)い、221サア(これ)から(ろく)サンの(ばん)だ、222(ひと)(うた)つて(くだ)さい』
223六公(ろくこう)(おも)(まは)せば三年(みとせ)(むかし)
224(こひ)(こが)れたお(たけ)サン
225(あめ)(つち)とのその(なか)
226コンナ綺麗(きれい)娘子(むすめご)
227(また)とあるまいあるまいと
228(した)うて(かよ)坂道(さかみち)
229(かず)(かさ)なりて(やうや)うに
230ヤツと(ねがひ)掛巻(かけま)くも
231(かしこ)(かみ)引合(ひきあは)
232比翼(ひよく)連理(れんり)(たのし)みを
233寝物語(ねものがたり)(よろこ)びし
234日数(ひかず)もあらしの(かぜ)(つよ)
235(こころ)(こま)(くる)()
236(たま)(すさ)びてウラル(ひこ)
237(かみ)(をしへ)(みち)()
238()めよ(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)
239(やみ)世界(せかい)ぢやクヨクヨするな
240(ふと)(みじか)(くら)してやろと
241悪胴(わるどう)()ゑて夜昼(よるひる)
242区別(くべつ)()らず深酒(ふかざけ)
243()うて可愛(かあ)いい女房(にようばう)
244()つやら()るやら(なぐ)るやら
245夜昼(よるひる)喧嘩(けんくわ)()()なく
246(たけ)(かほ)生疵(まなきず)
247()えた()もなき(あは)れさを
248()とも(おも)はず(くら)して()たが
249(たけ)(おこ)つて()らぬ()
250吾家(わがや)()でて親里(おやざと)
251()げて(かへ)つて()らぬ(かほ)
252ここに(わたし)()()めて
253一度(いちど)(たけ)()()いと
254(こころ)(あせ)れど()(くち)
255かかる(よし)なく(ひや)やかな
256肱鉄砲(ひぢでつぱう)(つづ)()
257(をとこ)(うま)れた六公(ろくこう)
258女房(にようばう)(はう)から見捨(みす)てられ
259(なん)(かんばせ)あら(をとこ)
260仕様事(しやうこと)なさにウラル(けう)
261捕手(とりて)(むれ)(くは)はつて
262三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
263信者(しんじや)()れば容赦(ようしや)なく
264(かた)(ぱし)から引捉(ひつとら)
265ウラルの(かみ)()(こも)
266ウラルの(やま)()()きて
267褒美(ほうび)(かね)(はらわた)
268(くさ)(ばか)りに(さけ)()
269調子(てうし)にのつて此処(ここ)彼処(かしこ)
270(たづ)ねて(まは)目付役(めつけやく)
271小鹿峠(こしかたうげ)()()れば
272三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
273(ゆめ)牡丹餅(ぼたもち)()(やう)
274(こころ)(うち)雀躍(こおどり)
275(あた)つて()ればこは如何(いか)
276神徳(しんとく)(つよ)三五(あななひ)
277(かみ)(つかさ)言霊(ことたま)
278ガラリと(こころ)立直(たてなほ)
279前非(ぜんぴ)()いて(かみ)(みち)
280教司(をしへつかさ)(ともな)はれ
281此処(ここ)(まこと)(のり)()
282二十峠(はたちたうげ)()()えて
283山田(やまだ)(むら)(まつ)()
284牡丹餅(ぼたもち)()はうと立寄(たちよ)れば
285(おも)()けなきお(たけ)()
286パツと出会(でつく)はす(かほ)(かほ)
287(まへ)はお(たけ)一言葉(ひとことば)
288()くより(はや)(おどろ)いて
289(たけ)(たちま)雲霞(くもかすみ)
290裏口(うらぐち)さして()げて()
291アヽ残念(ざんねん)残念(ざんねん)
292(また)もお(たけ)(きら)はれて
293如何(どう)して(をとこ)(かほ)()
294勝彦(かつひこ)サンや弥次(やじ)与太(よた)
295二人(ふたり)手前(てまへ)(はづか)しく
296一目散(いちもくさん)にトントンと
297(たうげ)()して()(むか)
298(はやし)(なか)()(ひそ)
299(いき)をこらして()(ほど)
300()()問答(もんだふ)(くさ)(なか)
301また(さん)(にん)(めぐ)()
302鎮魂(ちんこん)帰神(きしん)神術(かむわざ)
303(たま)洗濯(せんたく)サラサラと
304地獄(ぢごく)(かは)まで(すす)()
305九死(きうし)一生(いつしやう)()()うて
306(ひと)(なさけ)(たす)けられ
307フサの(みやこ)()()えて
308コーカス(ざん)参詣(まゐまう)
309両手(りやうて)(あは)せて神前(しんぜん)
310(ぬかづ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)
311何卒(どうぞ)(たけ)末永(すえなが)
312親子(おやこ)夫婦(ふうふ)(むつま)じう
313(くら)させ(たま)へと(ぐわん)をかけ
314目出度(めでたく)此処(ここ)立帰(たちかへ)
315千代(ちよ)(ちぎり)(むす)昆布(こぶ)
316苦労(くらう)するめや酒杯(さかづき)
317(かず)(かさ)ねて(いさ)()
318(じやう)(うば)との(ちぎり)をば
319(むす)今宵(こよひ)(たの)しけれ
320アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
321(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ
322朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
323(つき)()つとも()くるとも
324仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
325親子(おやこ)夫婦(ふうふ)のこの(ちぎり)
326千代(ちよ)八千代(やちよ)(かは)らざれ
327この()(すく)三五(あななひ)
328(かみ)(をしへ)(かしこ)みて
329家門(かもん)長久(ちやうきう)子孫(しそん)繁栄(はんゑい)
330(たま)生命(いのち)末永(すえなが)
331(つる)(かめ)との(いさ)ましく
332(まつ)(たけ)(うめ)何処迄(どこまで)
333(さか)えに(さか)えよ(かみ)(くに)
334千秋(せんしう)万歳(ばんざい)万々歳(ばんばんざい)
335千秋(せんしう)万歳(ばんざい)万々歳(ばんばんざい)
336(うた)(をは)つて酒杯(さかづき)をとり勝彦(かつひこ)(うやうや)しく()した。337(たけ)()つて(うた)(はじ)めた。
338お竹三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
339(しこ)魔神(まがみ)言向(ことむ)けて
340(まこと)(みち)勝彦(かつひこ)
341(かみ)(めぐみ)()(ぐり)
342(なか)とり(やく)(すく)はれて
343今日(けふ)芽出度(めでた)望月(もちづき)
344()けては()つる(わが)(おも)
345(おも)ひきつたる夫婦仲(めうとなか)
346枯木(かれき)(はな)()()でて
347(また)もや(かは)夢枕(ゆめまくら)
348(ゆめ)ではないか(うつつ)では
349あるまいかなと(おも)(ほど)
350(よろこ)(むね)(せま)()
351常世(とこよ)(やみ)()(わた)
352(あま)岩戸(いはと)(たちま)ちに
353(ひら)けし(ごと)今日(けふ)首尾(しゆび)
354アヽ(うれ)しやな(うれ)しやな
355()垂乳根(たらちね)父母(ちちはは)
356()さへ目出度(めでた)(つる)(かめ)
357(まつ)(うめ)との(あに)夫婦(ふうふ)
358千代(ちよ)(むつ)びの(ろく)サンと
359(こころ)()けを(かた)りつつ
360(つよ)悪魔(あくま)勝彦(かつひこ)
361(かみ)(めぐみ)(たす)けられ
362()うて(うれ)しき相生(あひおひ)
363(まつ)木蔭(こかげ)(じやう)(うば)
364幾久(いくひさ)しくも末長(すゑなが)
365(いと)しき(つま)(をつと)よと
366(いさ)(こころ)玉椿(たまつばき)
367八千代(やちよ)(はる)()心地(ここち)
368(はな)(にほ)へよ永久(とこしへ)
369(いろ)()せざれ何時迄(いつまで)
370(こころ)(いろ)(くれなゐ)
371(つゆ)(くちびる)(つき)(まゆ)
372(はな)()(にほ)(はな)(やま)
373月日(つきひ)(まが)(ふた)つの()
374手足(てあし)もまめに(すこや)かに
375日々(ひび)生業(なりはひ)(いそ)しみて
376(いへ)()(さか)三五(あななひ)
377(かみ)(をしへ)四方(よも)(くに)
378(うみ)内外(うちと)(かがや)かし
379(あま)岩戸(いはと)神業(しんげふ)
380(つか)へまつらむ夫婦(ふうふ)()
381(かみ)(おもて)()れまして
382(ぜん)(あく)とを立別(たてわ)ける
383この()(つく)りし神直日(かむなほひ)
384(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
385(ただ)何事(なにごと)今迄(いままで)
386悪戯事(いたづらごと)()(なほ)
387()きに見直(みなほ)聞直(ききなほ)
388(かみ)(をしへ)服従(まつろ)ひて
389幾千代(いくちよ)までも真心(まごころ)
390(かみ)御前(みまへ)(ささ)ぐべし
391朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
392(つき)()つとも()くるとも
393仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
394千代(ちよ)(うご)かぬ夫婦仲(ふうふなか)
395何時(いつ)(かは)らぬ常磐木(ときはぎ)
396(まつ)(みさを)青々(あをあを)
397五六七(みろく)御代(みよ)(きた)(まで)
398(ちち)(はは)との(おん)生命(いのち)
399男子(をのこ)女子(をみな)(むつ)()
400(まも)らせ(たま)三五(あななひ)
401(をしへ)()つる大御神(おほみかみ)
402百千万(ももちよろづ)神々(かみがみ)
403御前(みまへ)頸根(うなね)突抜(つきぬ)きて
404(をろが)(つか)(たてまつ)
405アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
406(みたま)幸倍(さちはへ)()しませよ
407アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
408(みたま)幸倍(さちはへ)()しませよ』
409(うた)(をは)つた。410ここに鶴亀(つるかめ)両親(りやうしん)(はじ)め、411(まつ)412(うめ)(あに)夫婦(ふうふ)および弥次彦(やじひこ)413与太彦(よたひこ)(いはひ)(うた)(ふし)面白(おもしろ)(うた)(をは)つて目出度(めでた)合衾(がふきん)(しき)相済(あひす)み、414千代(ちよ)八千代(やちよ)(かは)らじと(かみ)御前(みまへ)にことほぎまつりぬ。
415大正一一・三・二五 旧二・二七 北村隆光録)
416(昭和一〇・三・一七 於嘉義ホテル 王仁校正)
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