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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第29巻(辰の巻)
序
総説
端書
第1篇 玉石混来
第1章 アリナの滝
第2章 懸橋御殿
第3章 白楊樹
第4章 野辺の訓戒
第2篇 石心放告
第5章 引懸戻し
第6章 玉の行衛
第7章 牛童丸
第8章 高姫慴伏
第9章 俄狂言
第10章 国治の国
第3篇 神鬼一転
第11章 日出姫
第12章 悔悟の幕
第13章 愛流川
第14章 カーリン丸
第15章 ヨブの入信
第16章 波の響
第4篇 海から山へ
第17章 途上の邂逅
第18章 天祥山
第19章 生霊の頼
第20章 道すがら
余白歌
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霊界物語
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海洋万里(第25~36巻)
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第29巻(辰の巻)
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<<< 総説
(B)
(N)
アリナの滝 >>>
端書
(
はしがき
)
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第29巻 海洋万里 辰の巻
篇:
前付
よみ(新仮名遣い):
章:
端書
よみ(新仮名遣い):
はしがき
通し章番号:
口述日:
1922(大正11)年08月13日(旧06月21日)
口述場所:
筆録者:
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年9月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
『海洋万里』辰の巻から羊の巻に至り、南米太古の物語を口述しました。今日は人文大いに開け、十数カ国の国が建っています。この文章では現今の南米諸国について状況を記したもので、太古のことではありませんが、物語の参考として引用します。
ペルーは物語ではヒルの国と称してます。この国には無尽蔵の富源を抱いています。昔、インカ帝国の時代にはその文明は、かつてのギリシャ・ローマに比すべきものでしたが、四百年前にスペインが国を奪い、三百年の暴政を行ったので、国土は荒廃し文化が退歩してしまいました。
地理的には南北に縦走するアンデス山脈によって、海岸、山岳、森林地帯に区別されます。海岸は無雨地帯と称せられていますが、アンデス山(高照山)より発する五十余の河川があり、耕作が行われています。
海岸地帯は一見不毛の土地ですが、水さえ引けば地味は非常に肥沃です。気候は一年中日本内地の五、六月の気候で理想的です。山岳地帯は鉱山地帯とも呼ばれ、無類無量の鉱産を誇ります。
森林地帯は国土の三分の二を占め、アマゾン河の本流・支流の上流をなす数千の河川は、みなこの地から発しているため、将来において河川を利用する交通を起こすには地勢上便利があります。
また国境地帯は熱帯の暑熱であるが、アンデス山系の斜面および海抜二千尺以上の地域は亜熱帯や温帯の気候で、イタリア南部に似た過ごしやすい気候となっています。雨量は豊かで、雨季と乾季に分かれている。
この地に足を踏み入れた人は、植物の発育の旺盛なことに驚かされ、その種類も多く有用植物も多数生育する。また動物も多様で、河川の魚貝も地中海に匹敵する。
森林地帯も鉱物の埋蔵量は多量だが、交通が不便のために今まで発掘されていない。また貴金属よりも石油が有望視されている。
ヒル(ペルー)とカル(コロンビア)の間にある日暮山(アンデス山)は海抜二万五六千尺ほどもあり、その頂上には一大湖水がある。山の中腹には今なお邪気がこもれる死線が横たわる危険な箇所があるという。この地方は薬草が多く雨が少ない。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm290003
愛善世界社版:
4頁
八幡書店版:
第5輯 465頁
修補版:
校定版:
4頁
普及版:
2頁
初版:
ページ備考:
001
霊界
(
れいかい
)
物語
(
ものがたり
)
『
海洋
(
かいやう
)
万里
(
ばんり
)
』(
辰
(
たつ
)
の
巻
(
まき
)
)より
未
(
ひつじ
)
の
巻
(
まき
)
に
至
(
いた
)
り、
002
南米
(
なんべい
)
太古
(
たいこ
)
の
物語
(
ものがたり
)
を
口述
(
こうじゆつ
)
しておきました。
003
今日
(
こんにち
)
は
人文
(
じんぶん
)
大
(
おほ
)
いに
開
(
ひら
)
けたる
結果
(
けつくわ
)
、
004
国
(
くに
)
を
建
(
た
)
つるもの
十数
(
じふすう
)
ケ
国
(
こく
)
になつて
居
(
を
)
ります。
005
中
(
なか
)
にも
南米
(
なんべい
)
第一
(
だいいち
)
の
富源
(
ふうげん
)
を
擁
(
よう
)
して
居
(
ゐ
)
るにも
拘
(
かか
)
はらず、
006
国民
(
こくみん
)
は
遊惰
(
いうだ
)
にして
何時
(
いつ
)
も
外国
(
ぐわいこく
)
の
厄介
(
やくかい
)
にばかりなつてゐるのは
秘露
(
ペルウ
)
の
国
(
くに
)
であります。
007
故
(
ゆゑ
)
に
英米人
(
えいべいじん
)
は
此
(
この
)
国
(
くに
)
を
評
(
へう
)
して『
黄金
(
わうごん
)
の
床
(
とこ
)
に
寝
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
る
乞食
(
こじき
)
の
国
(
くに
)
』と
謂
(
い
)
つて
居
(
を
)
ります。
008
この
文章
(
ぶんしやう
)
は
現今
(
げんこん
)
南米
(
なんべい
)
諸国
(
しよこく
)
の
状況
(
じやうきやう
)
を
示
(
しめ
)
したもので、
009
決
(
けつ
)
して
三十余万
(
さんじふよまん
)
年前
(
ねんぜん
)
の
太古
(
たいこ
)
の
事
(
こと
)
では
有
(
あ
)
りませぬ。
010
只
(
ただ
)
物語
(
ものがたり
)
の
参考
(
さんかう
)
として
茲
(
ここ
)
に
引用
(
いんよう
)
した
迄
(
まで
)
であります。
011
秘露
(
ペルウ
)
はこの
物語
(
ものがたり
)
にはヒルの
国
(
くに
)
と
称
(
しよう
)
してあります。
012
此
(
この
)
国
(
くに
)
に
無尽蔵
(
むじんざう
)
の
富源
(
ふうげん
)
を
抱
(
いだ
)
いて
居
(
ゐ
)
ること、
013
其
(
そ
)
の
北隣
(
ほくりん
)
なるコロンビヤ(
物語
(
ものがたり
)
にはカル)と
共
(
とも
)
に
第一
(
だいいち
)
に
置
(
お
)
かれて
居
(
を
)
ります。
014
このヒルの
国
(
くに
)
は
現今
(
げんこん
)
でこそ
南米中
(
なんべいちう
)
の
二等国
(
にとうこく
)
に
沈淪
(
ちんりん
)
したものの、
015
昔
(
むかし
)
インカ
帝国
(
ていこく
)
としての
全盛
(
ぜんせい
)
時代
(
じだい
)
は、
016
その
文明
(
ぶんめい
)
の
程度
(
ていど
)
は
上代
(
じやうだい
)
の
希臘
(
ギリシヤ
)
、
017
羅馬
(
ローマ
)
の
隆盛
(
さかん
)
なりし
折
(
をり
)
に
比
(
ひ
)
すべきもので、
018
現今
(
げんこん
)
の
智利
(
チリー
)
(
物語
(
ものがたり
)
にはテル)エクアドル、
019
ボリビヤ
等
(
とう
)
の
諸国
(
しよこく
)
は
皆
(
みな
)
『
太陽
(
たいやう
)
の
子
(
こ
)
』インカ
王
(
わう
)
の
配下
(
はいか
)
にあつたもので、
020
今
(
いま
)
を
距
(
さ
)
る
四百
(
よんひやく
)
年前
(
ねんぜん
)
、
021
彼
(
か
)
の
西班牙
(
スペイン
)
の
奸雄
(
かんゆう
)
ビサロが、
022
アタワルバを
殺害
(
さつがい
)
して
国
(
くに
)
を
奪
(
うば
)
ひ、
023
西班牙
(
スペイン
)
の
植民地
(
しよくみんち
)
と
為
(
な
)
してから
三百
(
さんびやく
)
年間
(
ねんかん
)
は、
024
西班牙
(
スペイン
)
は
戦慄
(
せんりつ
)
すべき
暴政
(
ばうせい
)
を
行
(
おこな
)
つたので、
025
国土
(
こくど
)
が
荒廃
(
くわうはい
)
し
文化
(
ぶんくわ
)
は
退歩
(
たいほ
)
したのであります。
026
ビサロがアタワルバ
王家
(
わうけ
)
から
奪
(
うば
)
つた
金塊
(
きんくわい
)
でも、
027
現今
(
げんこん
)
の
価格
(
かかく
)
で
十億
(
じふおく
)
円
(
ゑん
)
のものであると
言
(
い
)
はれた
程
(
ほど
)
に、
028
此
(
この
)
国
(
くに
)
は
貴重
(
きちよう
)
な
礦物
(
くわうぶつ
)
を
沢山
(
たくさん
)
に
包蔵
(
はうざう
)
して
居
(
を
)
ります。
029
この
国
(
くに
)
を
地理
(
ちり
)
的
(
てき
)
に
区別
(
くべつ
)
すると、
030
南北
(
なんぽく
)
に
縦走
(
じうそう
)
するアンデス
大山脈
(
だいさんみやく
)
にて
海岸
(
かいがん
)
、
031
山嶽
(
さんがく
)
、
032
森林
(
しんりん
)
の
三地帯
(
さんちたい
)
に
区分
(
くぶん
)
されますが、
033
海岸
(
かいがん
)
地帯
(
ちたい
)
は
無雨
(
むう
)
地帯
(
ちたい
)
と
称
(
しよう
)
せられ(
物語
(
ものがたり
)
参照
(
さんせう
)
)、
034
時々
(
ときどき
)
霏雨
(
ひう
)
は
降
(
ふ
)
りますが、
035
雨
(
あめ
)
らしい
雨
(
あめ
)
は
無
(
な
)
いから
土地
(
とち
)
が
砂漠
(
さばく
)
的
(
てき
)
に
見
(
み
)
えますが、
036
其
(
その
)
間
(
あひだ
)
にはアンデス
山
(
さん
)
(
高照山
(
たかてるやま
)
)より
発
(
はつ
)
する
五十余
(
ごじふよ
)
の
河川
(
かせん
)
があり、
037
その
流域
(
りうゐき
)
には
数十
(
すうじふ
)
の
沃野
(
よくや
)
があつて、
038
良質
(
りやうしつ
)
の
綿
(
わた
)
や、
039
甘蔗
(
かんしよ
)
の
耕作
(
かうさく
)
が
盛
(
さかん
)
に
行
(
おこな
)
はれて
居
(
を
)
ります。
040
此
(
この
)
地域
(
ちゐき
)
は
昔
(
むかし
)
インカ
帝国
(
ていこく
)
時代
(
じだい
)
には
現在
(
げんざい
)
の
数倍
(
すうばい
)
も
耕作
(
かうさく
)
されて
居
(
ゐ
)
たもので、
041
今日
(
こんにち
)
も
猶
(
なほ
)
壮大
(
さうだい
)
なる
昔時
(
せきじ
)
の
灌漑
(
くわんがい
)
工事
(
こうじ
)
の
跡
(
あと
)
が
方々
(
はうばう
)
に
残
(
のこ
)
つて
居
(
を
)
るのです。
042
此
(
この
)
地帯
(
ちたい
)
は
一見
(
いつけん
)
した
所
(
ところ
)
不毛
(
ふまう
)
の
土地
(
とち
)
でありますが、
043
水
(
みづ
)
さへ
引
(
ひ
)
けば
忽
(
たちま
)
ち
青々
(
あをあを
)
たる
草野
(
さうや
)
に
変
(
かは
)
り、
044
地味
(
ちみ
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
肥沃
(
ひよく
)
であります。
045
また
此
(
この
)
地帯
(
ちたい
)
に
於
(
お
)
ける
農業
(
のうげふ
)
の
特色
(
とくしよく
)
は、
046
異常
(
いじやう
)
な
確実性
(
かくじつせい
)
を
有
(
いう
)
し、
047
害虫
(
がいちう
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
無
(
な
)
く、
048
又
(
また
)
風水
(
ふうすゐ
)
の
害
(
がい
)
も
絶無
(
ぜつむ
)
でありますから、
049
その
収穫
(
しうくわく
)
も
安全
(
あんぜん
)
を
期待
(
きたい
)
されて
居
(
ゐ
)
ます。
050
一万人
(
いちまんにん
)
余
(
よ
)
を
計上
(
けいじやう
)
されて
居
(
ゐ
)
る
日本
(
にほん
)
移民
(
いみん
)
の
大部分
(
だいぶぶん
)
は
皆
(
みな
)
この
地帯
(
ちたい
)
の
耕耘
(
かううん
)
に
従事
(
じゆうじ
)
して
居
(
ゐ
)
るのです。
051
気候
(
きこう
)
は
又
(
また
)
一年中
(
いちねんぢう
)
、
052
日本
(
にほん
)
内地
(
ないち
)
の
五六
(
ごろく
)
月
(
ぐわつ
)
の
気候
(
きこう
)
で
実
(
じつ
)
に
理想
(
りさう
)
的
(
てき
)
であります。
053
目下
(
もくか
)
白人
(
はくじん
)
は
約
(
やく
)
十万
(
じふまん
)
町歩
(
ちやうぶ
)
を
耕
(
たがや
)
して
居
(
を
)
りますが、
054
灌漑
(
くわんがい
)
に
堪
(
た
)
ゆる
土地
(
とち
)
が
尚
(
なほ
)
二十万
(
にじふまん
)
町歩
(
ちやうぶ
)
は
残存
(
ざんぞん
)
して
居
(
を
)
ります。
055
山嶽
(
さんがく
)
地帯
(
ちたい
)
は
一名
(
いちめい
)
礦山
(
くわうざん
)
地帯
(
ちたい
)
とも
云
(
い
)
はれ、
056
礦産
(
くわうさん
)
は
無類
(
むるゐ
)
無量
(
むりやう
)
であります。
057
バナデユームは
世界
(
せかい
)
第一位
(
だいいちゐ
)
、
058
金
(
きん
)
と
銀
(
ぎん
)
とは
同
(
どう
)
第四位
(
だいよんゐ
)
、
059
銅
(
どう
)
と
鉛
(
なまり
)
とは
同
(
どう
)
第六位
(
だいろくゐ
)
で、
060
石炭
(
せきたん
)
も
到
(
いた
)
る
処
(
ところ
)
に
埋蔵
(
まいざう
)
されて
居
(
を
)
りますが、
061
何分
(
なにぶん
)
不便
(
ふべん
)
の
為
(
ため
)
に
発掘量
(
はつくつりやう
)
が
少
(
すくな
)
いのです。
062
次
(
つぎ
)
に
特記
(
とくき
)
すべき
事
(
こと
)
は
森林
(
しんりん
)
地帯
(
ちたい
)
で
是
(
これ
)
が
所謂
(
いはゆる
)
極楽郷
(
ごくらくきやう
)
であります。
063
この
地帯
(
ちたい
)
はアンデス
山脈
(
さんみやく
)
の
東方
(
とうはう
)
で
長
(
なが
)
さ
南北
(
なんぽく
)
約
(
やく
)
一千
(
いつせん
)
哩
(
マイル
)
、
064
幅
(
はば
)
は
二百
(
にひやく
)
哩
(
マイル
)
乃至
(
ないし
)
七百
(
しちひやく
)
哩
(
マイル
)
を
出入
(
しゆつにふ
)
する
広
(
ひろ
)
い
地面
(
ちめん
)
で、
065
海抜
(
かいばつ
)
は
二三千
(
にさんせん
)
尺
(
しやく
)
から
一百
(
いつぴやく
)
尺
(
しやく
)
の
低地
(
ていち
)
に
及
(
およ
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
066
秘露
(
ペルウ
)
の
行政
(
げうせい
)
区劃
(
くくわく
)
上
(
じやう
)
、
067
この
地帯
(
ちたい
)
は
八県
(
はちけん
)
に
分
(
わか
)
たれて
居
(
ゐ
)
ますが、
068
実
(
じつ
)
に
全国
(
ぜんこく
)
の
三分
(
さんぶ
)
の
二
(
に
)
の
地積
(
ちせき
)
を
占
(
し
)
め、
069
アマゾン
河
(
がは
)
本流
(
ほんりう
)
及
(
およ
)
び
其
(
その
)
支流
(
しりう
)
の
上流
(
じやうりう
)
を
為
(
な
)
す
大小
(
だいせう
)
数千
(
すうせん
)
の
河川
(
かせん
)
は、
070
皆
(
みな
)
この
地帯
(
ちたい
)
に
発
(
はつ
)
して
東走
(
とうそう
)
するのでありますから、
071
将来
(
しやうらい
)
に
於
(
おい
)
て
河川
(
かせん
)
を
利用
(
りよう
)
する
交通
(
かうつう
)
機関
(
きくわん
)
を
起
(
おこ
)
すには
地勢
(
ちせい
)
上
(
じやう
)
甚
(
はなは
)
だ
便利
(
べんり
)
があるのです。
072
この
地帯
(
ちたい
)
の
気候
(
きこう
)
はコロンビヤ、
073
ボリビヤ、
074
ブラジル(
物語
(
ものがたり
)
にはハルの
国
(
くに
)
)
国境
(
こくきやう
)
近
(
ちか
)
くは
熱帯
(
ねつたい
)
の
暑熱
(
しよねつ
)
で
年中
(
ねんぢう
)
華氏
(
くわし
)
九十度
(
くじふど
)
位
(
くらゐ
)
の
平均
(
へいきん
)
であるが、
075
アンデス
山系
(
さんけい
)
の
斜面地
(
しやめんち
)
及
(
およ
)
び
海抜
(
かいばつ
)
二千
(
にせん
)
尺
(
しやく
)
以上
(
いじやう
)
の
地域
(
ちゐき
)
は
亜熱帯
(
あねつたい
)
や
温帯
(
おんたい
)
の
気候
(
きこう
)
で、
076
伊太利
(
イタリー
)
の
南部
(
なんぶ
)
に
似
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
るのです。
077
旅行
(
りよかう
)
するものは
実
(
じつ
)
に
良好
(
りやうかう
)
な
気持
(
きもち
)
を
感
(
かん
)
ずるものです。
078
其
(
その
)
フツクリとして
柔
(
やはら
)
かな
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
へない
身
(
み
)
は、
079
まつたく
植物
(
しよくぶつ
)
の
吐
(
は
)
く
香気
(
かうき
)
に
埋
(
うも
)
れた
温室
(
おんしつ
)
の
中
(
なか
)
でソヨソヨと
微涼
(
びりやう
)
に
吹
(
ふ
)
かれる
様
(
やう
)
な
具合
(
ぐあひ
)
で、
080
古来
(
こらい
)
この
地帯
(
ちたい
)
を
通過
(
つうくわ
)
した
人
(
ひと
)
は
凡
(
すべ
)
て
極楽
(
ごくらく
)
の
気候
(
きこう
)
だと
感
(
かん
)
ずるものであります。
081
雨量
(
うりやう
)
は
豊
(
ゆたか
)
で
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
を
二期
(
にき
)
に
区別
(
くべつ
)
し、
082
十一
(
じふいち
)
月
(
ぐわつ
)
から
翌年
(
よくねん
)
四
(
し
)
月
(
ぐわつ
)
が
最
(
もつと
)
も
多
(
おほ
)
く(
冬季
(
とうき
)
)、
083
五
(
ご
)
月
(
ぐわつ
)
より
次第
(
しだい
)
に
少
(
すくな
)
くなり、
084
十
(
じふ
)
月
(
ぐわつ
)
には
最
(
もつと
)
も
少
(
すく
)
ない(
夏季
(
かき
)
)。
085
而
(
しか
)
して、
086
地味
(
ちみ
)
の
肥沃
(
ひよく
)
なることは
無比
(
むひ
)
である。
087
この
地帯
(
ちたい
)
に
足
(
あし
)
を
入
(
い
)
れた
人
(
ひと
)
の
先
(
ま
)
づ
驚嘆
(
きやうたん
)
するのは、
088
植物
(
しよくぶつ
)
の
発育
(
はついく
)
の
旺盛
(
わうせい
)
な
情態
(
じやうたい
)
であります。
089
天
(
てん
)
を
摩
(
ま
)
する
巨木
(
きよぼく
)
は
到
(
いた
)
る
所
(
ところ
)
に
見出
(
みいだ
)
され、
090
香
(
にほひ
)
高
(
たか
)
き
蘭科
(
らんくわ
)
植物
(
しよくぶつ
)
の
多種
(
たしゆ
)
なること、
091
人間
(
にんげん
)
が
乗
(
の
)
れさうな
巨大
(
きよだい
)
なる
花
(
はな
)
、
092
大蛇
(
だいじや
)
の
如
(
ごと
)
き
大蔓草
(
おほつるくさ
)
、
093
人間
(
にんげん
)
の
頭
(
あたま
)
ほどある
種々
(
いろいろ
)
の
美味
(
びみ
)
なる
果物
(
くだもの
)
、
094
日本
(
にほん
)
の
如
(
や
)
うな
貧弱
(
ひんじやく
)
な
植物界
(
しよくぶつかい
)
を
見馴
(
みな
)
れた
眼
(
め
)
には
胆
(
きも
)
を
奪
(
うば
)
はれる
位
(
くらゐ
)
であります。
095
又
(
また
)
エボニー、
096
マホガニー
等
(
とう
)
の
貴重
(
きちよう
)
なる
材
(
ざい
)
は
到
(
いた
)
る
所
(
ところ
)
に
見出
(
みいだ
)
され、
097
薬草
(
やくさう
)
の
豊富
(
ほうふ
)
なることも、
098
世界一
(
せかいいち
)
と
言
(
い
)
はれて
居
(
を
)
ります。
099
其
(
そ
)
の
他
(
た
)
染料
(
せんれう
)
、
100
繊維
(
せんゐ
)
、
101
香料
(
かうれう
)
、
102
ゴム
樹
(
じゆ
)
等
(
とう
)
も
頗
(
すこぶ
)
る
多
(
おほ
)
く、
103
一
(
いち
)
哩
(
マイル
)
平方
(
へいはう
)
の
地面
(
ちめん
)
に、
104
植物
(
しよくぶつ
)
の
種類
(
しゆるゐ
)
、
105
凡
(
およ
)
そ
一百万
(
いつぴやくまん
)
種
(
しゆ
)
に
近
(
ちか
)
い
位
(
くらゐ
)
で、
106
実
(
じつ
)
に
植物
(
しよくぶつ
)
の
豊富
(
ほうふ
)
なるには
驚
(
おどろ
)
くの
外
(
ほか
)
は
無
(
な
)
いのであります。
107
次
(
つぎ
)
に
此
(
この
)
地帯
(
ちたい
)
に
棲
(
す
)
む
動物
(
どうぶつ
)
も
頗
(
すこぶ
)
る
多種類
(
たしゆるゐ
)
で、
108
アマゾン
河
(
がは
)
中
(
ちう
)
に
在
(
あ
)
る
魚貝
(
ぎよかひ
)
のみでも
地中海
(
ちちうかい
)
に
棲
(
す
)
むものの
種類
(
しゆるゐ
)
に
匹敵
(
ひつてき
)
するのであります。
109
最近
(
さいきん
)
この
地帯
(
ちたい
)
の
河川
(
かせん
)
、
110
湖沼
(
こせう
)
で
蒐集
(
しうしふ
)
された
珍奇
(
ちんき
)
なる
魚介
(
ぎよかい
)
の
種類
(
しゆるゐ
)
は、
111
一万
(
いちまん
)
五千
(
ごせん
)
余
(
よ
)
種
(
しゆ
)
に
及
(
およ
)
び、
112
その
中
(
うち
)
八百余
(
はつぴやくよ
)
種
(
しゆ
)
は
全
(
まつた
)
く
新
(
あたら
)
しい
発見
(
はつけん
)
に
係
(
かか
)
るものである。
113
又
(
また
)
アマゾン
河
(
がは
)
の
上流
(
じやうりう
)
ワヤガ
河
(
がは
)
附近
(
ふきん
)
には、
114
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
ほどの
大蝸牛
(
おほかたつむり
)
や
団扇
(
うちわ
)
程
(
ほど
)
の
蝶
(
てふ
)
が
居
(
ゐ
)
る。
115
現今
(
げんこん
)
では
猛獣
(
まうじう
)
毒蛇
(
どくじや
)
は
少
(
すくな
)
く
虎
(
とら
)
と
豹
(
へう
)
などが
棲
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
るが、
116
姿
(
かたち
)
は
却
(
かへつ
)
て
小
(
ちい
)
さく、
117
左程
(
さほど
)
怖
(
おそ
)
るるに
足
(
た
)
らない。
118
この
森林
(
しんりん
)
地帯
(
ちたい
)
にも
埋蔵
(
まいざう
)
の
礦物
(
くわうぶつ
)
は
極
(
きは
)
めて
多量
(
たりやう
)
であれども、
119
交通
(
かうつう
)
不便
(
ふべん
)
の
為
(
ため
)
に
発掘
(
はつくつ
)
されて
居
(
ゐ
)
ないのです。
120
元来
(
ぐわんらい
)
この
地帯
(
ちたい
)
は
地質
(
ちしつ
)
上
(
じやう
)
カルの
国
(
くに
)
からボリビヤに
至
(
いた
)
る
石油
(
せきゆ
)
及
(
およ
)
び
黄金
(
わうごん
)
の
大地脈
(
だいちみやく
)
であつて、
121
英米
(
えいべい
)
の
専門家
(
せんもんか
)
は
近年来
(
きんねんらい
)
熱心
(
ねつしん
)
に
調査
(
てうさ
)
を
進
(
すす
)
めて
居
(
ゐ
)
るのである。
122
既
(
すで
)
に
英国
(
えいこく
)
の
石油
(
せきゆ
)
業者
(
げふしや
)
はこの
地帯
(
ちたい
)
のバチラヤ、
123
ワヤガ
河
(
かは
)
、
124
サクラメントバンバ
附近
(
ふきん
)
まで
五百万
(
ごひやくまん
)
町歩
(
ちやうぶ
)
、
125
マドレヂオス
河
(
がは
)
附近
(
ふきん
)
で
一千万
(
いつせんまん
)
町歩
(
ちやうぶ
)
、
126
マラニヨン
河
(
がは
)
附近
(
ふきん
)
で
五百
(
ごひやく
)
町歩
(
ちやうぶ
)
に
亘
(
わた
)
る
石油
(
せきゆ
)
コンゼツシヨンを
獲得
(
くわくとく
)
せむと、
127
秘露
(
ペルウ
)
政府
(
せいふ
)
に
交渉
(
かうせふ
)
して
居
(
ゐ
)
るのであります。
128
現
(
げん
)
に
加奈陀
(
カナダ
)
人
(
じん
)
のロバートダンスミールと
云
(
い
)
ふのが、
129
秘露
(
ペルウ
)
政府
(
せいふ
)
との
間
(
あひだ
)
に、
130
同国
(
どうこく
)
の
森林
(
しんりん
)
地帯
(
ちたい
)
を
貫通
(
くわんつう
)
さす
二千
(
にせん
)
四百
(
よんひやく
)
哩
(
マイル
)
の
一大
(
いちだい
)
鉄道
(
てつだう
)
建設
(
けんせつ
)
の
契約
(
けいやく
)
を
結
(
むす
)
び、
131
四十五
(
しじふご
)
ケ
年間
(
ねんかん
)
の
経営権
(
けいえいけん
)
を
握
(
にぎ
)
つたのも、
132
実
(
じつ
)
に
此
(
この
)
地帯
(
ちたい
)
の
礦物
(
くわうぶつ
)
運搬
(
うんぱん
)
が
主
(
おも
)
なる
目的
(
もくてき
)
であるとさへ
見
(
み
)
られて
居
(
ゐ
)
る
位
(
くらゐ
)
であります。
133
そして
其
(
その
)
目的
(
もくてき
)
は
貴金属
(
ききんぞく
)
よりも
発掘
(
はつくつ
)
の
容易
(
ようい
)
なる
石油
(
せきゆ
)
にあるのは
当然
(
たうぜん
)
でせう。
134
此
(
この
)
国
(
くに
)
の
石油
(
せきゆ
)
は
七八百
(
しちはつぴやく
)
年前
(
ねんぜん
)
インカ
帝国
(
ていこく
)
時代
(
じだい
)
に
発見
(
はつけん
)
されて
採取
(
さいしゆ
)
利用
(
りよう
)
されたが、
135
欧洲人
(
おうしうじん
)
の
来
(
きた
)
るに
及
(
およ
)
び、
136
小規模
(
せうきぼ
)
乍
(
なが
)
らも
各所
(
かくしよ
)
で
採掘
(
さいくつ
)
事業
(
じげふ
)
が
営
(
いとな
)
まれた。
137
将来
(
しやうらい
)
は
世界一
(
せかいいち
)
の
石油
(
せきゆ
)
産地
(
さんち
)
として
著明
(
ちよめい
)
になるでありませう。
138
又
(
また
)
ヒル(
秘露
(
ペルウ
)
)、
139
カル(
古倫比亜
(
コロムビア
)
)との
間
(
あひだ
)
に
聳立
(
しようりつ
)
せる
日暮山
(
ひぐらしやま
)
(アンデス
山
(
さん
)
)
山脈
(
さんみやく
)
は
海抜
(
かいばつ
)
二万
(
にまん
)
五六千
(
ごろくせん
)
尺
(
しやく
)
もあり、
140
其
(
その
)
頂上
(
ちやうじやう
)
には
一大
(
いちだい
)
湖水
(
こすゐ
)
があり、
141
山
(
やま
)
の
中腹
(
ちうふく
)
には
今
(
いま
)
も
猶
(
なほ
)
邪気
(
じやき
)
の
籠
(
こ
)
もれる
死線
(
しせん
)
と
云
(
い
)
ふものが
横
(
よこ
)
たはり、
142
知
(
し
)
らずに
登
(
のぼ
)
るものは
水腫病
(
すいしゆびやう
)
を
起
(
おこ
)
し、
143
直
(
ただち
)
に
死亡
(
しぼう
)
するといふ
危険
(
きけん
)
な
箇所
(
かしよ
)
があります。
144
概
(
がい
)
して
此
(
この
)
地方
(
ちはう
)
は
薬草
(
やくさう
)
の
多
(
おほ
)
い
所
(
ところ
)
で
又
(
また
)
年中
(
ねんぢう
)
降雨
(
かうう
)
の
無
(
な
)
いのが
特徴
(
とくちよう
)
となつてをります。
145
大正十一年八月十三日
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