お松十六 赤い帯して 飛び歩行き
夏の炎天に 蜻蛉採る
お松十七 いそいそと 赤いたすきで御飯たく
人の顔見りや 赤い顔
お松十八 真赤な心 胸を躍らす
鏡見る 庭の落葉に涙する〈序(初版)〉
駒止めて暫し眺めむ丸山の尾の上に清き望月の影〈端書(初版)〉
鷹依姫が詐術をもつて得し玉を科戸の風の神に奪られし〈第2章(三版)〉
村肝の心いらちて千万里の国の果まで迷ふ玉探し〈第2章(三版)〉
国人をうまく詐り黄金の玉を出させて逃げ去りしかな〈第3章(三版)〉
踏み迷ふ人を照らして秋月は雲に乗りつつ西にかたぶく〈第4章(初版)〉
嗚呼神と称ふる声に夢醒めて立出でて見れば月はかたむく〈第4章(初版)〉
西へ行く思ひは誰もあるものを見捨てて入るな大空の月〈第4章(初版)〉
鼻高き高姫司も池の神の雄猛びに会ひて慄ひ戦けり〈第8章(三版)〉
何処までも自我のみを高潮し神の怒りに会ひて慄へり〈第8章(三版)〉
咲くとても手折る人なし松の花葉末の露の恵みしらずに〈第10章(三版)〉
池水にうつりて咲ける梅の花手折るは瑞の御魂のみなり〈第10章(三版)〉
高姫は懸橋御殿に侵入し支離滅裂の狂偽を説くなり〈第10章(三版)〉
日の出姫の神現れまして狂盲なる鼻高姫をいましめ給ひし〈第11章(三版)〉
高姫の改心なるもの中々にあてにならねど可愛くもあり〈第12章(三版)〉
荒野原さかしき山を打ちこえて神の御為と巡ぐる高姫〈第12章(三版)〉
鷹依姫竜国別が遭難の話に高姫至誠を現はす〈第14章(三版)〉
吾は深山のほととぎす
姿かくして朝夕に
山より高く海よりも
深き御教の蘊奥を
人に知らさず宣り叫ぶ
八千八度の迫害も
かくれて忍ぶ血の涙
されども吾は神に在り〈第16章(再版)〉
改心の記念のためと高姫は天祥山の滝に打たれし〈第16章(三版)〉
改心しまた慢神を繰りかへす鼻高姫の面白きかな〈第16章(三版)〉
名に高き地名人名読み込みてこの巻末を飾る旅かな〈第20章(三版)〉
(一)
筑紫のはてや みちのおく
海山河野 へだつとも
神国御魂は 変はりなく
尽くせやつくせ 道のため
(二)
螢の光り 窓の雪
ふみ読む月日 重ねつつ
いつしか年も すぎの戸を
あけてぞ今朝は 別れゆく
(三)
とまるも行くも 君のため
つくせよつくせ 道のため
道のためなら 君のため
きみのためなら 人のため〈巻末(初版)〉
[この余白歌は八幡書店版霊界物語収録の余白歌を参考に他の資料と付き合わせて作成しました]