霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第五章 引懸(ひつかけ)(もど)し〔八二七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第29巻 海洋万里 辰の巻 篇:第2篇 石心放告 よみ(新仮名遣い):せきしんほうこく
章:第5章 引懸戻し よみ(新仮名遣い):ひっかけもどし 通し章番号:827
口述日:1922(大正11)年08月11日(旧06月19日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年9月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
船から飛び出して高砂島に上陸した高姫は、暗間山の山口まで走ってきて横になった。そして常彦や春彦の悪口を独り言し、知らずに声が大きくなっている。常彦や春彦は後から追って来て、茂みからそれを聞いている。
高姫はずうずうしくも、常彦や春彦のような下っ端の人間ではなくテルの国で一、二を争う立派な人間を弟子に授けてくれと神様に祈っている。
常彦と春彦は、旅人を装って高姫の傍らの道に現れ、お互いにテルの国とヒルの国の国王近侍の振りをして、わざと声高に会話しながら高姫の側を通った。高姫は高貴な人間を弟子にしたいと焦り、二人を呼び止めて、日の出神の説教を聞かせようとする。
常彦と春彦はすぐに馬脚を表した。二人は今度は、自分たちは高島丸の船中で言依別命と国依別に会って玉のありかを知らせてもらったが、高姫の先ほどの独り言を聞いてしまったので、高姫にそれを知らせる気は無くなった、と言って逃げるふりをする。
高姫は二人が玉について何か情報を知っているものと思い、手のひらを返して二人を引き止めた。三人はその場に一夜を明かすことになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-12-22 18:04:44 OBC :rm2905
愛善世界社版:69頁 八幡書店版:第5輯 490頁 修補版: 校定版:69頁 普及版:32頁 初版: ページ備考:
001三五教(あななひけう)大教主(だいけうしゆ)
002言依別(ことよりわけ)国依別(くによりわけ)
003(かみ)(つかさ)(あと)()
004(こころ)(おご)高姫(たかひめ)
005如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(むらさき)
006(うづ)(たから)(はじ)めとし
007黄金(こがね)(たま)麻邇(まに)(たま)
008言依別(ことよりわけ)(たづさ)へて
009高砂島(たかさごじま)(わた)りしと
010()ても()めても(おも)()
011常彦(つねひこ)春彦(はるひこ)両人(りやうにん)
012(うま)くたらして(とも)となし
013(しほ)八百路(やほぢ)打渡(うちわた)
014高島丸(たかしままる)(すく)はれて
015朝日(あさひ)もテルの(みなと)まで
016(やうや)無事(ぶじ)安着(あんちやく)
017数多(あまた)船客(せんきやく)押分(おしわ)けて
018先頭一(せんとういち)高姫(たかひめ)
019(くも)(かすみ)(ほそ)くなり
020(からだ)(ななめ)山路(やまみち)
021(いきほひ)()んで(すす)()く。
022常彦(つねひこ)春彦(はるひこ)両人(りやうにん)
023高姫司(たかひめつかさ)(あと)()
024グヅグヅして()高姫(たかひめ)
025見失(みうしな)うなと()(なが)
026老木(らうぼく)(しげ)山路(やまみち)
027()ひつ(くぐ)りつ谷川(たにがは)
028数多(あまた)(わた)りて暗間山(くらまやま)
029(その)山口(やまぐち)()()きぬ。
030 高姫(たかひめ)暗間山(くらまやま)山口(やまぐち)雑草(ざつさう)(しげ)松原(まつばら)(よこ)たはり、
031高姫『サア、032モウ此処(ここ)まで()れば大丈夫(だいぢやうぶ)だ。033よもや常彦(つねひこ)034春彦(はるひこ)()ひかけては()()まい。035何程(なにほど)(さが)すと()つても、036(この)(ひろ)高砂島(たかさごじま)037滅多(めつた)出会(でくわ)気遣(きづか)ひはない。038あゝモウ()れで安心(あんしん)だ。039海上(かいじやう)(ふね)(あやつ)らせねばならぬから、040どうしても二人(ふたり)連中(れんぢう)必要(ひつえう)だつたが、041あんな頓馬(とんま)(をとこ)二人(ふたり)()いて()ると、042国人(くにびと)(たい)し、043(あま)りお(さと)()()いて肝腎(かんじん)御用(ごよう)完全(くわんぜん)(つと)めあがらぬ。044サア()れから()出神(でのかみ)神力(しんりき)(あら)はし、045神変(しんぺん)不思議(ふしぎ)神術(かむわざ)(もつ)て、046仮令(たとへ)曲津(まがつ)でも(かま)はぬから、047金毛(きんまう)九尾(きうび)さまに()厄介(やくかい)になつて、048(ひと)不思議(ふしぎ)(あら)はし、049(あたら)しい弟子(でし)沢山(たくさん)(こしら)へ、050そして、051勝手(かつて)()つた国人(くにびと)に、052遠近(ゑんきん)(くま)なく、053(よろこ)んで(たま)(さが)しを(いた)(やう)仕向(しむ)けさへすれば、054(あま)苦労(くらう)せず(とも)055キツと(たま)(あつ)まつて()るに(ちがひ)ない。056(また)言依別(ことよりわけ)所在(ありか)()つけて、057直様(すぐさま)報告(はうこく)(いた)した(もの)は、058褒美(ほうび)(のぞ)次第(しだい)と、059(ひと)つ、060大芝居(おほしばゐ)(はじ)めるのだなア。061それに()いては、062あの(やう)間抜(まぬ)けた(つら)した()()かぬ、063半鐘(はんしよう)泥棒(どろぼう)常彦(つねひこ)や、064蜥蜴面(とかげづら)貧相(ひんさう)春彦(はるひこ)()れて()ると都合(つがふ)(わる)い、065(うま)くまいたものだ。066あゝ()出神(でのかみ)生宮(いきみや)は、067ヤツパリ(かは)つた智慧(ちゑ)()つて御座(ござ)るワイ。068(あま)りに智慧(ちゑ)()るので、069(この)高姫(たかひめ)(われ)()()感心(かんしん)(いた)しますワイ。070それだから願望(ぐわんもう)成就(じやうじゆ)する(まで)は、071黒姫(くろひめ)さまの(やう)周章(あわて)てハズバンドを()ちませぬのだ。072わしの(をつと)にならうと()人物(じんぶつ)は、073三千(さんぜん)世界(せかい)悧巧者(りかうもの)でないと、074一寸(ちよつと)はお()()りませぬからなア』
075得意(とくい)になつて独言(ひとりごと)(しやべ)くり、076(おも)はず調子(てうし)()つて、077段々(だんだん)(こゑ)(おほ)きくなつて()た。078常彦(つねひこ)079春彦(はるひこ)二人(ふたり)はソツと(うしろ)から(はし)つて()て、080灌木(くわんぼく)(しげ)みに姿(すがた)(かく)し、081高姫(たかひめ)独言(ひとりごと)一口(ひとくち)(のこ)らず聞取(ききと)つて(しま)ひ、082(たがひ)(かほ)見合(みあは)して()をまるくし、083(した)()し、084ニヤリと(わら)つて()る。085高姫(たかひめ)(すこ)しも()()かず、
086高姫『サア()れからが性念場(しやうねんば)だ。087(しか)(この)テルの(くに)()て、088只一人(ただひとり)顔馴染(かほなじみ)もなし、089如何(どう)して国人(くにびと)(うま)くひつかかつて()ようかなア。090(はじ)めに()つかかる人間(にんげん)一番(いちばん)大切(たいせつ)だ。091国中(くにぢう)でもあの(ひと)なら……と持囃(もてはや)されてゐる立派(りつぱ)人間(にんげん)弟子(でし)にするのと、092(つね)(はる)(やう)なヘボ人間(にんげん)弟子(でし)にするのとは、093国人(くにびと)信仰(しんかう)(じやう)非常(ひじやう)影響(えいきやう)がある。094どうぞ(かみ)(さま)095(ひと)つ、096立派(りつぱ)なテルの(くに)でも(いち)()()人間(にんげん)(わたし)弟子(でし)(さづ)けて(くだ)さいませ。097(ねが)(いた)します』
098拍手(かしはで)()ち、099天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)(はじ)めた。100()(やうや)暗間山(くらまやま)(いただ)きに(ぼつ)し、101あたりは追々(おひおひ)(くら)くなり()たる。
102高姫(たかひめ)『あゝモウ()()れた。103仕方(しかた)がない。104ここで(ひと)つ、105一夜(いちや)()かし、106(また)明日(あす)思案(しあん)にせうかなア。107アヽそれも()からう』
108自問(じもん)自答(じたふ)(なが)ら、109ゴロリと(よこ)になつた。110されど(なん)とはなしに(こころ)()ちつかず、111(うま)(ねむ)られないので、112いろいろの瞑想(めいさう)(ふけ)つて()る。
113 (つね)114(はる)両人(りやうにん)(にはか)にウーツと(うな)(なが)ら、115ガサガサ ガサガサと(おと)()て、116(あわた)だしく(もり)彼方(かなた)(むか)つて姿(すがた)(かく)した。
117高姫『なんだ、118()(あし)かなア。119油断(ゆだん)のならぬものだ、120最前(さいぜん)から高姫(たかひめ)独言(ひとりごと)()いてゐやがつたかも()れぬ。121仮令(たとへ)()(あし)にしても(れい)はヤツパリ(かみ)(さま)分霊(ぶんれい)だから、122あんな(こと)()かれると(あま)気分(きぶん)のよいものだない。123あゝ(つつし)むべきは(くち)なりだ。124ドレこれから(くち)をつまへて無言(むごん)(ぎやう)でも(いた)しませうかい』
125(また)ゴロンと(よこ)になる。126少時(しばらく)あつて、127(たか)らかに(はなし)(なが)ら、128ここを(とほ)()ぎむとする二人(ふたり)旅人(たびびと)があつた。
129甲『あなたは()れから何処(どこ)までお(いで)になりますか』
130乙『ハイ(わたし)はテルの(みやこ)のカナンと(まを)(をとこ)御座(ござ)います。131一寸(ちよつと)暗間山(くらまやま)(たま)()るとか()きまして、132()つて()ましたが、133モウ(すで)(たれ)かが掘出(ほりだ)した(あと)でしたよ』
134甲『テルの(みやこ)のカナンさまと()へば、135国王(こくわう)(さま)のお側付(そばつき)のカナンさまと(ちが)ひますか』
136乙『ハイ左様(さやう)御座(ござ)います』
137甲『これはこれは、138一度(いちど)()(かか)りたい(かか)りたいと憧憬(あこがれ)()りましたが、139()れは(また)()(ところ)でお()にかかりました。140これと()ふも(まつた)三五(あななひ)(かみ)()引合(ひきあは)せで御座(ござ)いませう。141(わたし)はヒルの(みやこ)のヤツパリ国王(こくわう)近侍(きんじ)(いた)して()ります、142アンナと()(をとこ)御座(ござ)います』
143乙『アヽあなたがあの有名(いうめい)なアンナさまで御座(ござ)いますか。144(なん)とマア奇遇(きぐう)御座(ござ)いますなア』
145立話(たちばな)しをして()る。146高姫(たかひめ)(この)(はなし)()き、
147高姫『ヤレ()(やつ)()つて()よつた。148アンナにカナンと()有名(いうめい)(をとこ)149(おな)(とも)()れるのでも、150(えら)(ちがひ)だ。151一人(ひとり)(まん)(にん)とに(かか)はる(ひろ)(もん)だ。152万卒(ばんそつ)得易(えやす)一将(いつしやう)得難(えがた)し、153(なん)(かみ)(さま)(うま)くお繰合(くりあは)せをして(くだ)さる(こと)だ。154有難(ありがた)御座(ござ)います』
155(くち)(おく)感謝(かんしや)(なが)ら、156(やみ)(なか)より(すず)しき(わか)(こゑ)()して、
157高姫(たかひめ)『ヤアヤア、158アンナ、159カナンの両人(りやうにん)160(しばら)()ちやれよ。161天教山(てんけうざん)(あら)はれたる日出(ひのでの)(かみ)生宮(いきみや)162変性(へんじやう)男子(なんし)系統(ひつぽう)163高姫(たかひめ)神司(かむづかさ)164国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)神勅(しんちよく)により、165(なんぢ)()両人(りやうにん)此処(ここ)(とほ)(こと)前知(ぜんち)し、166(この)神柱(かむばしら)(ただ)一柱(ひとはしら)167此処(ここ)海山(うみやま)()えて高砂島(たかさごじま)(わた)り、168暗間山(くらまやま)(ぐち)()つて()たぞよ。169()れより両人(りやうにん)高姫(たかひめ)部下(ぶか)となし、170宣伝使(せんでんし)(しよく)(さづ)ける。171有難(ありがた)(おも)へ』
172甲『ハイ(まこと)(もつ)有難(ありがた)(ぞん)じませぬ』
173乙『(あま)有難(ありがた)うてお(へそ)(ちや)(わか)します』
174高姫(たかひめ)『コレコレ、175アンナ、176カナンとやら、177()出神(でのかみ)生宮(いきみや)(まを)(こと)178(なん)心得(こころえ)なさる』
179甲『()出神(でのかみ)生宮(いきみや)もモウ()()きました』
180高姫(たかひめ)『アヽさうだろう。181(まへ)さまが聞飽(ききあ)(ほど)182生宮(いきみや)()(この)高砂島(たかさごじま)(ひび)(わた)つて()るだらう』
183乙『()出神(でのかみ)(さま)()仕組(しぐみ)は、184何時(いつ)()失敗(しつぱい)だらけで()()んだ(たま)(まで)紛失(ふんしつ)をなされ、185常彦(つねひこ)186春彦(はるひこ)家来(けらい)(まで)最前(さいぜん)途中(とちう)(わたくし)出会(であ)ひ、187アンナ阿呆(あはう)らしい(こと)はカナンと(まを)してゐましたよ。188ウフヽヽヽ』
189高姫『コレコレ段々(だんだん)(こゑ)地金(ぢがね)(あら)はれて()た。190(まへ)(つね)191(はる)両人(りやうにん)ぢやないか。192(この)()出神(でのかみ)(くら)がりで(だま)さうと(おも)つたつて、193……ヘンだまされますかい。194(ひと)がワザとに(はう)けて()れば()()になつて、195アンナぢやの、196カナンぢやの、197(なに)()うのだい。198本当(ほんたう)()かぬたらしい。199どこどこ(まで)悪性(あくしやう)(をとこ)女子(をなご)(しり)()ひまはす(やう)に、200よい加減(かげん)(はじ)()りなさらぬか』
201常彦(つねひこ)(じつ)(ところ)常彦(つねひこ)202春彦(はるひこ)御座(ござ)います。203(まへ)さまが最前(さいぜん)から水臭(みづくさ)独言(ひとりごと)()つてゐましたから、204(わたし)返報返(へんぽうがへ)しに一寸(ちよつと)()をもませました。205(まこと)()みませぬ。206(まへ)さまが(あま)水臭(みづくさ)いから、207(わたし)には(ひと)つの面白(おもしろ)秘密(ひみつ)があるのだけれど、208魚心(うをごころ)あれば水心(みづごころ)ありだ。209モウ()ひませぬワ。210なア春彦(はるひこ)211ソレ、212高島丸(たかしままる)船中(せんちう)で、213言依別(ことよりわけ)さまと国依別(くによりわけ)さまに出会(であ)つて、214(たま)所在(ありか)をソツと()つて(もら)つたから、215(この)(しま)にキツト(かく)してある。216何々(なになに)()つて(いち)(にち)(はや)掘出(ほりだ)し、217何々(なになに)()つて()つて手柄(てがら)をせうかい。218高姫(たかひめ)さまは随分(ずゐぶん)水臭(みづくさ)いことを仰有(おつしや)つて、219(おれ)(たち)邪魔者(じやまもの)(あつか)ひなさるから、220(おれ)(たち)(はう)(かへつ)結構(けつこう)だ。221(その)言葉(ことば)()かうと(おも)つてワザワザ(かく)れて()いて()たのだ。222二人(ふたり)()いた以上(いじやう)は、223なんぼ言訳(いひわけ)なさつたつて駄目(だめ)ですよ。224左様(さやう)なら……』
225春彦(はるひこ)常彦(つねひこ)226(はや)()げろ()げろ、227(また)高姫(たかひめ)()ひつかれては険呑(けんのん)だぞ。228(はや)(はや)く』
229(おな)(ところ)足踏(あしふ)みならして、230()げる真似(まね)してゐる。
231高姫(たかひめ)『コレコレ二人(ふたり)()(かた)232一寸(ちよつと)()つて(くだ)され。233(いま)のは(うそ)だよ。234こんな(とほ)(ところ)()一人(ひとり)になつてたまりませうか。235一寸(ちよつと)()つてお()れいなアー』
236春彦(はるひこ)『オイ常公(つねこう)237高姫(たかひめ)さまが半泣(はんな)きになつて(たの)まつしやるから、238(たび)道連(みちづ)()(なさけ)だ。239(たま)所在(ありか)さへ()らさにや()いのだから、240()つて()げて()れ』
241 常彦(つねひこ)(そば)居乍(ゐなが)ら、242(とほ)(ところ)()るやうな(こゑ)()して、
243常彦『オイ、244そんなら仕方(しかた)がないなア。245()つて()げやうかい』
246足音(あしおと)段々(だんだん)(たか)くし、
247常彦(つねひこ)『アヽ此処(ここ)だつたか、248そんならマア此処(ここ)でゆつくりと夜明(よあ)かしをせうかい。249(また)明日(あす)250高姫(たかひめ)さま、251面白(おもしろ)(はなし)()かして()げますワ』
252高姫(たかひめ)『アヽそれで安心(あんしん)しました。253(あま)(なか)がよすぎると、254心易(こころやす)すぎて、255(たがひ)(つみ)のない喧嘩(けんくわ)をするものだ。256オホヽヽヽ』
257(わら)ひに(まぎ)らす。258常彦(つねひこ)(くら)がり(まぎ)れに、259()るにも()られず、260平坦(へいたん)芝生(しばふ)(さいは)ひ、261盆踊(ぼんをどり)りの(やう)恰好(かつかう)で、262(くち)から出放題(ではうだい)(しやべ)(なが)(をど)(はじ)めたり。
263常彦(つねひこ)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)
264いつも仰有(おつしや)るエライ(ひと)
265変性(へんじやう)男子(なんし)()系統(ひつぽう)
266高姫(たかひめ)さまに(あざむ)かれ
267自転倒(おのころ)(じま)をあとにして
268琉球(りうきう)(しま)(まで)()(わた)
269(つき)大木(たいぼく)洞穴(どうけつ)
270這入(はい)つて散々(さんざん)からかはれ
271言依別(ことよりわけ)大教主(だいけうしゆ)
272国依別(くによりわけ)一所(ひととこ)
273万里(ばんり)波濤(はたう)をうち(わた)
274高砂島(たかさごじま)七種(なないろ)
275(たま)(かく)しに()かしやつた
276高姫(たかひめ)さまは如何(どう)しても
277言依別(ことよりわけ)引捉(ひつとら)
278取返(とりかへ)さねばおかないと
279()をつり(ほほ)をふくらして
280ブウブウ(あわ)()(なが)
281フーリン(たう)台湾島(たいわんたう)
282左手(ゆんで)(なが)めて海原(うなばら)
283(なみ)押切(おしき)つて(わた)(をり)
284(おも)はぬ暗礁(あんせう)乗上(のりあ)げて
285(ふね)(たちま)ちメキメキと
286木端(こつぱ)微塵(みぢん)粉砕(ふんさい)
287()()(しま)(おき)(なか)
288(しり)ひつからげ(なみ)(うへ)
289コブラを(ぼつ)する潮水(しほみづ)
290(はるか)にかすむテルの(くに)
291(やま)合図(あひづ)(ある)()
292(たちま)吹来(ふきく)荒風(あらかぜ)
293山岳(さんがく)(なみ)()(きた)
294アワヤ三人(みたり)生命(せいめい)
295水泡(みなわ)()えむとする(ところ)
296(かみ)(めぐみ)(さち)はひか
297高島丸(たかしままる)がやつて()
298(われ)()三人(みたり)(すく)()
299船長室(せんちやうしつ)(みちび)かれ
300タルチルさまに国所(くにところ)
301いろいろ雑多(ざつた)(たづ)ねられ
302高姫(たかひめ)さまが頑張(ぐわんば)つて
303()出神(でのかみ)(たて)()
304屁理窟(へりくつ)()うたを船長(せんちやう)
305逆上(ぎやくじやう)してると(おも)()
306矢庭(やには)手足(てあし)(しば)()
307クルリクルリと帆柱(ほばしら)
308()()げられて高姫(たかひめ)
309()()()した可笑(をか)しさよ
310そこへ国依別(くによりわけの)(かみ)
311言依別(ことよりわけ)()れまして
312高島丸(たかしままる)船長(せんちやう)
313一言(ひとこと)いへば船長(せんちやう)
314(ふた)返事(へんじ)高姫(たかひめ)
315マストの(うへ)から吊下(つりおろ)
316(その)(まま)姿(すがた)(かく)しける
317それから種々(いろいろ)面白(おもしろ)
318高姫(たかひめ)さまの()説教(せつけう)
319辻褄(つじつま)()はぬ()(しめ)しも
320(かへつ)(みな)のお(なぐさ)
321国依別(くによりわけ)(あら)はれて
322コレコレ常彦(つねひこ)高姫(たかひめ)
323デツキの(うへ)()(ゆゑ)
324言依別(ことよりわけ)国依別(くによりわけ)(この)(ふね)
325()つて()るとは()うてくれな
326(かは)りにお(まへ)肝腎(かんじん)
327(たま)所在(ありか)()らしてやらう
328コレ(この)(とほ)(うつく)しい
329(なな)つの(たま)()(まへ)
330差出(さしだ)(たま)うた(その)(とき)
331如何(いか)(おれ)でもギヨツとした
332高姫(たかひめ)さまが(しやち)になり
333玉々(たまたま)()つて(さわ)ぐのも
334(けつ)して無理(むり)はあるまいと
335(わたし)本当(ほんたう)()()いた
336オツトドツコイ高姫(たかひめ)さまの
337御座(ござ)(まへ)とは()(なが)
338ウツカリ(くち)(すべ)りました
339ヤツパリこれは(ゆめ)ぢやつた
340(うそ)でも本真(ほんま)でもかまやせぬ
341(ゆめ)にしておきや別状(べつじやう)ない
342アヽ(ゆめ)ぢやつた(ゆめ)ぢやつた
343高姫(たかひめ)さまよ春彦(はるひこ)
344(かなら)(おれ)麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)
345(その)()(たま)所在(ありか)をば
346()つて()るとは(おも)ふなよ
347国依別(くによりわけ)(たの)まれた
348オツトドツコイ(また)(ちが)うた
349国依別(くによりわけ)()つたなら
350言依別(ことよりわけ)一所(ひととこ)
351(なな)つの(たま)(うれ)しそに
352(かか)えてニコニコしとるだろ
353それに相違(さうゐ)はあろまいと
354(おも)うて()たらこんな(ゆめ)
355毎晩(まいばん)(つづ)けて()たのだよ
356(ゆめ)浮世(うきよ)()(なが)
357不思議(ふしぎ)(ゆめ)もあるものぢや
358高姫(たかひめ)さまよ春彦(はるひこ)
359(この)常彦(つねひこ)(まを)すこと
360ゆめゆめ(うたが)ふこと(なか)
361あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
362(わたし)毎晩(まいばん)()(ゆめ)
363(うそ)ではあるまい(まこと)ぢやなかろ
364ホンに(わか)らぬ物語(ものがたり)
365ドツコイシヨノドツコイシヨ
366ウントコドツコイ高姫(たかひめ)さま
367ヤツトコドツコイ春彦(はるひこ)さま
368ドツコイドツコイ常彦(つねひこ)さま
369ウントコセーのヤツトコセー』
370(くち)から出放題(ではうだい)371真偽(しんぎ)不判明(ふはんめい)(うた)(うた)つて、372高姫(たかひめ)にからかつて()た。373高姫(たかひめ)(たま)(くわん)する(はなし)ときたら、374どんな(うそ)でも聞耳(ききみみ)()て、375()()()げ、376一言(ひとこと)()らさじと(からだ)(ななめ)(かま)へ、377(この)(うた)もヤツパリ大部分(だいぶぶん)(まこと)(もの)(しん)()()たり。
378大正一一・八・一一 旧六・一九 松村真澄録)
379(昭和一〇・六・七 王仁校正)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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