霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
×
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
ルビの表示


アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注[※]用語解説 [?][※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]

脚注[*]編集用 [?][※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]

外字の外周色 [?]一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。[×閉じる]
現在のページには外字は使われていません

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】サブスク完了しました。どうもありがとうございます。サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は従来バージョンをお使い下さい

第一六章 (なみ)(ひびき)〔八三八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第29巻 海洋万里 辰の巻 篇:第3篇 神鬼一転 よみ(新仮名遣い):しんきいってん
章:第16章 波の響 よみ(新仮名遣い):なみのひびき 通し章番号:838
口述日:1922(大正11)年08月12日(旧06月20日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年9月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
引き続いてヨブは入信の喜びの歌を歌った。次に春彦が、これまでの行程で起こったことを読み込んだ歌を歌った。そして高姫が、自身の改心とヨブの入信を喜び祝う歌を歌った。
船は三日三夜海上を走り、ゼムの港に着いた。一行四人は上陸し、ゼムの町から二三里離れた天祥山の大瀑布に御禊をなすべく、宣伝歌を歌いながら進んで行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ:ハンドの滝(天祥山の大瀑布) データ凡例: データ最終更新日:2022-01-04 18:14:38 OBC :rm2916
愛善世界社版:230頁 八幡書店版:第5輯 550頁 修補版: 校定版:237頁 普及版:107頁 初版: ページ備考:
001 常彦(つねひこ)(いはひ)()ねたる(いつは)らざる告白歌(こくはくか)(はげ)まされ、002ヨブは立上(たちあ)がり、003入信(にふしん)祝歌(しゆくか)(うた)つた。
004ヨブ『高天原(たかあまはら)(さだ)まりし
005(うづ)聖地(せいち)のエルサレム
006国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)
007三千(さんぜん)世界(せかい)(すく)はむと
008(かみ)御言(みこと)(かしこ)みて
009(をしへ)(ひら)(たま)ひつつ
010天地(てんち)律法(りつぽふ)制定(せいてい)
011()平安(へいあん)(をさ)まりて
012神人(しんじん)和楽(わらく)瑞祥(ずゐしやう)
013(たのし)(たま)ふも(つか)()
014隙行(ひまゆ)(こま)曲神(まがかみ)
015(あめ)御柱(みはしら)国柱(くにはしら)
016転覆(てんぷく)されて葦原(あしはら)
017瑞穂(みづほ)(くに)守護権(しゆごけん)
018常世(とこよ)(くに)(うま)れたる
019(まが)(かしら)(わた)しつつ
020天教山(てんけうざん)火坑(くわこう)より
021根底(ねそこ)(くに)におりまして
022(しの)びて(この)()(まも)ります
023(その)功績(いさをし)(たふと)けれ
024()かる(たふと)皇神(すめかみ)
025いかで(この)(まま)()(くに)
026(そこ)御国(みくに)にましまさむ
027時節(じせつ)()つて天教(てんけう)
028(ふたた)(やま)(あら)はれて
029野立(のだち)(ひこ)()(へん)
030埴安彦(はにやすひこ)()れまして
031(まよ)へる四方(よも)人草(ひとぐさ)
032(やす)きに(すく)(たす)けむと
033仁慈(じんじ)無限(むげん)(こころ)より
034三五教(あななひけう)建設(けんせつ)
035(かみ)(つかさ)四方(よも)(くに)
036間配(まくば)(たま)ひて(かは)()
037(やま)()()(いた)(まで)
038(たふと)御教(みのり)()(たま)
039あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
040(かみ)(こころ)白波(しらなみ)
041天足彦(あだるのひこ)胞場姫(えばひめ)
042(つみ)より()れし醜神(しこがみ)
043(しこ)(さけ)びに(ばか)されて
044世人(よびと)(こころ)()(つき)
045(くも)()くこそ忌々(ゆゆ)しけれ
046(いづ)御霊(みたま)大神(おほかみ)
047国武彦(くにたけひこ)()れまして
048四尾(よつを)(やま)神峰(しんぽう)
049(この)()(しの)(たま)ひつつ
050五六七(みろく)御世(みよ)経綸(けいりん)
051(おこな)(たま)素盞嗚(すさのを)
052(かみの)(みこと)瑞御霊(みづみたま)
053コーカス(ざん)産土(うぶすな)
054斎苑(いそ)(やかた)()れまして
055八洲(やしま)(くに)にわだかまる
056八岐(やまた)大蛇(をろち)醜狐(しこぎつね)
057曲鬼(まがおに)(ども)言向(ことむ)けて
058天地(てんち)にさやる村雲(むらくも)
059(かみ)伊吹(いぶき)(はら)はむと
060(こころ)(くば)らせ(たま)ひつつ
061言依別(ことよりわけ)(あら)はして
062自転倒(おのころ)(じま)中心地(ちうしんち)
063(あや)高天(たかま)(きこ)えたる
064(にしき)(みや)神司(かむづかさ)
065(きよ)神務(しんむ)(めい)じつつ
066世人(よびと)(すく)(たま)ひけり。
067旭日(あさひ)()るとも(くも)るとも
068(つき)()つとも()くるとも
069仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
070高砂島(たかさごじま)(ほろ)(とも)
071(まこと)(かみ)御教(みをしへ)
072いかでか(そむ)きまつらむや
073大和田中(おほわだなか)(うか)びたる
074カーリン(たう)(かみ)御子(みこ)
075ヨブは(いま)より高姫(たかひめ)
076(きよ)(こころ)(うべ)なひて
077仮令(たとへ)()(すゑ)(やま)(おく)
078(とら)(おほかみ)獅子(しし)大蛇(をろち)
079如何(いか)なる曲津(まがつ)棲処(すみか)をも
080おめず(おく)せず(みち)(ため)
081(こころ)(つく)()(つく)
082(すめ)大神(おほかみ)()(なか)
083青人草(あをひとぐさ)(その)(ため)
084(つか)へまつらむ惟神(かむながら)
085(かみ)(めぐみ)(さち)はひて
086ヨブが身魂(みたま)(みが)()
087(たふと)(うづ)御柱(みはしら)
088()さし(たま)へよ天津(あまつ)(かみ)
089国津(くにつ)(かみ)(たち)八百万(やほよろづ)
090国魂神(くにたまがみ)(おん)(まへ)
091(つつし)(ゐやま)()ぎまつる
092あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
093御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
094(うた)(をは)つて()()いた。095春彦(はるひこ)(また)もや(うた)()したり。
096春彦(あや)聖地(せいち)(あと)にして
097変性(へんじやう)男子(なんし)()系統(ひつぽう)
098高姫(たかひめ)さまに(したが)ひて
099瀬戸(せと)内海(ないかい)打渡(うちわた)
100南洋(なんやう)諸島(しよたう)()けめぐり
101如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(たづ)ねつつ
102高砂島(たかさごじま)手前(てまへ)まで
103小舟(をぶね)(あやつ)(きた)(をり)
104(かく)れた(いは)突当(つきあた)
105当惑(たうわく)したるをりもあれ
106高島丸(たかしままる)(たす)けられ
107(やうや)くテルの(みなと)まで
108到着(たうちやく)するや高姫(たかひめ)
109数多(あまた)船客(せんきやく)かきわけて
110先頭一(せんとういち)上陸(じやうりく)
111(われ)()二人(ふたり)をふりまいて
112暗間(くらま)(やま)松林(まつばやし)
113姿(すがた)(かく)(たま)ひしが
114(あや)聖地(せいち)()れませる
115杢助(もくすけ)さまに高姫(たかひめ)
116監督役(かんとくやく)(めい)ぜられ
117居乍(ゐなが)ら のめのめ見失(みうしな)
118如何(どう)して言訳(いひわけ)()つものか
119(いそ)(いそ)げと一散(いつさん)
120(しり)ひつからげ大地(だいち)をば
121ドンドン威喝(ゐかつ)させ(なが)
122暗間(くらま)(やま)(ふもと)(まで)
123(きた)りて様子(やうす)(うかが)へば
124高姫(たかひめ)さまの独言(ひとりごと)
125常彦(つねひこ)春彦(はるひこ)両人(りやうにん)
126半鐘(はんしやう)泥棒(どろぼう)蜥蜴面(とかげづら)
127間抜(まぬけ)(をとこ)(ともな)うて
128高砂島(たかさごじま)人々(ひとびと)
129軽蔑(けいべつ)されてはたまらない
130(なん)とか立派(りつぱ)国人(くにびと)
131(うま)(あやつ)弟子(でし)となし
132千変(せんぺん)万化(ばんくわ)一芝居(ひとしばゐ)
133()つて()ようと水臭(みづくさ)
134(われ)()二人(ふたり)放棄(はうき)して
135(うま)(こと)のみ(かんが)へる
136(その)蔭言(かげごと)灌木(くわんぼく)
137(しげ)みに(かく)れて()(をは)
138(あま)りに(はら)()つままに
139ガサガサガサと飛出(とびだ)せば
140高姫(たかひめ)さまの(いは)くには
141油断(ゆだん)のならぬ()(なか)ぢや
142仮令(たとへ)(けもの)といひ(なが)
143(いま)秘密(ひみつ)()きよつた
144(かみ)(みたま)(さづ)かりし
145()(あし)なれば一言(ひとこと)
146()かれちや都合(つがふ)がチト(わる)
147(てん)(くち)あり(かべ)(みみ)
148(つつし)むべきは(くち)なりと
149後悔(こうくわい)(あそ)ばす可笑(をか)しさよ
150常彦(つねひこ)春彦(はるひこ)両人(りやうにん)
151足音(あしおと)(かく)して二三丁(にさんちやう)
152(やま)(ふもと)(しの)(あし)
153それから足音(あしおと)(たか)めつつ
154テル校定版・八幡版では「ヒル」。オニペディアの「霊界物語第29巻の諸本相違点」を見よ国王(こきし)のお側役(そばやく)
155(わたし)はカナン御校正本・愛世版では「アンナ」。オニペディアの「霊界物語第29巻の諸本相違点」を見よ(まを)(もの)
156暗間(くらま)(やま)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)
157(かく)してあると()いた(ゆゑ)
158(わたし)(さが)しに()きました
159されど(おく)れた(その)(ため)
160(あと)(まつ)りと春彦(はるひこ)御校正本・愛世版では「常彦」。オニペディアの「霊界物語第29巻の諸本相違点」を見よ
161(こゑ)高々(たかだか)(はなし)する
162そこで(わたし)はヒル校定版・八幡版では「テル」。オニペディアの「霊界物語第29巻の諸本相違点」を見よ(くに)
163国王(こくわう)(さま)のお側役(そばやく)
164アンナ御校正本・愛世版では「カナン」。オニペディアの「霊界物語第29巻の諸本相違点」を見よ(まを)(をとこ)ぞと
165八百長(やほちやう)(ばなし)(はじ)むれば
166(ねこ)松魚節(かつぶし)()()うに
167高姫(たかひめ)さまが()びついて
168もうしもうし(たび)(ひと)
169(しばら)くお()ちなされませ
170変性(へんじやう)男子(なんし)系統(ひつぽう)
171()出神(でのかみ)生宮(いきみや)
172()(うた)はれた高姫(たかひめ)ぢや
173(まへ)中々(なかなか)(えら)(ひと)
174(わたし)(はなし)()きなされ
175(むかし)(むかし)根本(こつぽん)
176(たふと)因縁(いんねん)()かさうと
177()アの(くせ)小娘(こむすめ)
178やうな(やさ)しい(つく)(ごゑ)
179吹出(ふきだ)すように(おも)へども
180ここで(わら)うては一大事(いちだいじ)
181大事(だいじ)(まへ)小事(せうじ)ぢやと
182(わき)のあたりでキユーキユーと
183(わら)ひの(かみ)をしめつけて
184足音(あしおと)(ひく)(たか)くして
185(はるか)(むか)うから後戻(あともど)
186して()たように(つく)りなし
187どこの何方(どなた)()らね(ども)
188(わたし)(むか)つて(なに)御用(ごよう)
189(はや)()かして(くだ)されと
190(われ)から可笑(をか)しい(つく)(ごゑ)
191流石(さすが)高姫(たかひめ)()ぎつけて
192(まへ)はアンナと()ふけれど
193半鐘(はんしよう)泥棒(どろぼう)常彦(つねひこ)
194カナンと名乗(なの)蜥蜴面(とかげづら)
195春彦(はるひこ)さまにきまつたり
196(あんま)(ひと)馬鹿(ばか)にすな
197(こゑ)(とが)らし(おこ)()
198暴風(ばうふう)襲来(しふらい)低気圧(ていきあつ)
199二百十(にひやくとを)()風害(ふうがい)
200(きた)らむとする(その)(とき)
201(わたし)がアンナと()うたのは
202筆先(ふでさき)にもある(とほ)
203(かみ)仕組(しぐみ)はアンナ(もの)
204こんな(もの)になつたかと
205世界(せかい)(ひと)がビツクリし
206アフンとさせるお仕組(しぐみ)ぢや
207カナンと()うて名乗(なの)つたは
208春彦(はるひこ)さまの平常(へいぜい)
209赤子(あかご)のやうな(ひと)なれど
210(かみ)(うつ)つた(その)(とき)
211(たれ)でもカナン身魂(みたま)ぢやと
212()はして(ひと)大道(たいだう)
213(みちび)くお(やく)逆理窟(さかりくつ)
214一本(いつぽん)かましてやつたれば
215高姫(たかひめ)さまは(はら)()
216(わたし)()二人(ふたり)(ふり)すてて
217(また)()げよとする(ゆゑ)
218高島丸(たかしままる)船中(せんちう)
219国依別(くによりわけ)面会(めんくわい)
220金剛(こんがう)不壊(ふゑ)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)
221(その)(ほか)(うづ)御宝(みたから)
222拝見(はいけん)さして(もら)うたと
223カマをかけたら高姫(たかひめ)
224(たま)にかけたら(ゆめ)うつつ
225(たちま)機嫌(きげん)(なほ)()
226ホンにお(まへ)(えら)(ひと)
227()()(をとこ)(おも)うてゐた
228さうして如意(によい)宝玉(ほうぎよく)
229国依別(くによりわけ)如何(どう)したか
230()らしてお()れと()(ゆゑ)
231(この)春彦(はるひこ)()らねども
232(きつね)のやうに常彦(つねひこ)
233眉毛(まゆげ)(つば)をつけ(なが)
234三千(さんぜん)世界(せかい)神宝(しんぱう)
235高砂島(たかさごじま)にコツソリと
236言依別(ことよりわけ)国依(くにより)
237(かみ)(つかさ)()(まゐ)
238何々々(なになになに)何々(なになに)
239絶対(ぜつたい)秘密(ひみつ)ぢや()はれない
240国依別(くによりわけ)のお言葉(ことば)
241(まへ)(をとこ)見込(みこ)んでの
242肝腎要(かんじんかなめ)秘密(ひみつ)をば
243()かした(うへ)高姫(たかひめ)
244(けつ)して()ふちやならないぞ
245(わたし)常彦(つねひこ)宣伝使(せんでんし)
246()はぬと()つたらどこ(まで)
247(くび)がとれても()はないと
248約束(やくそく)したから如何(どう)しても
249高姫(たかひめ)さまには()まないが
250これ(ばつか)りは御免(ごめん)だと
251常彦(つねひこ)(くち)から出任(でまか)せに
252からかひまはす可笑(をか)しさよ
253とうとう喧嘩(けんくわ)(はな)()
254常彦(つねひこ)(わたし)両人(りやうにん)
255高姫(たかひめ)さまを(ふり)すてて
256今度(こんど)二人(ふたり)()()した
257高姫(たかひめ)さまは(おどろ)いて
258(われ)()二人(ふたり)引捉(ひつとら)
259(たま)所在(ありか)白状(はくじやう)させ
260(あや)聖地(せいち)持帰(もちかへ)
261()出神(でのかみ)生宮(いきみや)
262天眼通(てんがんつう)(この)(とほ)
263(みな)さまこれから吾々(われわれ)
264言葉(ことば)(そむ)いちやならないと
265法螺(ほら)()()てる()算段(さんだん)
266そんな(こと)には()るものか
267三十六(さんじふろく)(けい)(おく)()
268最極端(さいきよくたん)発揮(はつき)して
269(くも)(かすみ)()()せば
270高姫(たかひめ)さまは(みち)()
271(たか)小石(こいし)(つまづ)いて
272大地(だいち)にバタリと打倒(うちたふ)
273(ひたい)打破(うちわ)(ひざ)(くじ)
274生血(なまち)(なが)してアイタタと
275(あたま)()でたり膝坊主(ひざぼうづ)
276(おさ)へて(かほ)をしかめゐる
277(この)(とき)四五(しご)若者(わかもの)
278どこともなしに()(きた)
279高姫(たかひめ)さまを介抱(かいほう)して
280(いだ)(おこ)して(たす)くれば
281いつも(かは)らぬ()らず(ぐち)
282結構(けつこう)なおかげをお(まへ)()
283(いただ)きなさつた(かみ)(さま)
284()(れい)なされよ(わたし)にも
285()(れい)仰有(おつしや)(かみ)(つな)
286(わたし)がかけて()げました
287などと(また)もや世迷言(よまいごと)
288(たま)所在(ありか)()ると()
289一人(ひとり)(をとこ)(だま)されて
290アと()つては(きん)(いち)(りやう)
291リと()いては(きん)(いち)(りやう)
292ナーと()つては(かね)()られ
293(たき)()つては()(りやう)()られ
294(かがみ)(いけ)()つの(くち)
295(また)もや(ろく)(りやう)はぎ()られ
296()()(がほ)高姫(たかひめ)
297吾々(われわれ)二人(ふたり)路端(みちばた)
298(いこ)(ところ)をドシドシと
299肩肱(かたひぢ)いからし高姫(たかひめ)
300()出神(でのかみ)()()げにて
301(たま)所在(ありか)()つた(ゆゑ)
302これから(ひと)()(ほど)
303間抜(まぬけ)(をとこ)()るでない
304(かみ)仕組(しぐみ)邪魔(じやま)になる
305(かなら)()いて()てくれな
306言葉(ことば)(のこ)してドンドンと
307テル(くに)街道(かいだう)()せて()
308(われ)()二人(ふたり)高姫(たかひめ)
309(あと)()ひつつ駆出(かけだ)して
310(うし)のお(えど)衝突(しようとつ)
311ヤツサモツサと(あらそ)ひつ
312牛童丸(うしどうまる)横笛(よこぶえ)
313(くび)()(ほど)(よこ)(つら)
314やられた(とき)(その)(いた)
315常彦(つねひこ)さまが()つた(こと)
316(わたし)傍杖(そばづゑ)くわされて
317あんなつまらぬ(こと)はない
318牛童丸(うしどうまる)(うし)(もら)うて
319常彦(つねひこ)さまは(うし)(せな)
320(わたし)(つな)()(なが)
321小川(をがは)(つた)うて杉林(すぎばやし)
322十間(じつけん)(ばか)(さかのぼ)
323高姫(たかひめ)さまが他愛(たあい)なく
324(やす)んで(ござ)(その)(まへ)
325(うし)(ひき)つれて()()れば
326モウモウモウと(うな)()
327(その)大声(おほごゑ)()()まし
328高姫(たかひめ)さまはうるさがり
329(また)二人(ふたり)振棄(ふりす)てて
330アリナの(たき)只一人(ただひとり)
331(たま)占領(せんりやう)せむものと
332()かうとしたので吾々(われわれ)
333(まへ)はアリナの(たき)(うへ)
334(かがみ)(いけ)()くのだろ
335(われ)()二人(ふたり)(うし)()
336(まへ)さまより二三(にさん)(にち)
337(さき)にアリナへ到着(たうちやく)
338(たま)()にして(かへ)ります
339左様(さやう)ならばと立出(たちい)づる
340高姫(たかひめ)さまは(また)しても
341猫撫声(ねこなでごゑ)早変(はやがは)
342コレコレ常公(つねこう)春公(はるこう)
343(わたし)(こころ)()らぬのか
344海山(うみやま)()えてはるばると
345こんな所迄(とこまで)やつて()
346(まへ)(わか)れて如何(どう)ならう
347一緒(いつしよ)()かうぢやないかいと
348相談(さうだん)かけて()れた(ゆゑ)
349モウモウモーさん()んでよと
350(うし)(むか)つて言霊(ことたま)
351発射(はつしや)(いた)せばアラ不思議(ふしぎ)
352(けぶり)となつて()えにける
353()れより(さん)(にん)()()いて
354テルの街道(かいだう)ドシドシと
355大西洋(たいせいやう)(なが)めつつ
356アリナの(たき)のほとりなる
357(かがみ)(いけ)()()れば
358数千(すうせん)(ねん)沈黙(ちんもく)
359(やぶ)りて(いけ)はブクブクと
360(あわ)()てたりウンウンと
361(いや)らし(こゑ)にて(うな)()
362高姫(たかひめ)さまは(たま)どこか
363肝腎要(かんじんかなめ)魂抜(たまぬ)かれ
364焼糞(やけくそ)気味(ぎみ)になりまして
365月照彦(つきてるひこの)(かみ)さまと
366いろはにほへとちりぬるの
367四十八(しじふや)文字(もじ)掛合(かけあひ)
368奴肝(どぎも)()かれて失心(しつしん)
369人事(じんじ)不覚(ふかく)となられける
370懸橋(かけはし)御殿(ごてん)神司(かむづかさ)
371(あら)はれまして高姫(たかひめ)
372(たす)(たま)へば高姫(たかひめ)
373(あひ)(かは)らぬ(にく)(こと)
374百万(ひやくまん)ダラリと(なら)()
375(そば)(ひか)えた吾々(われわれ)
376(あま)(にく)うて(よこ)(つら)
377(なぐ)つてやりたいよに(おも)うた
378夫程(それほど)(わか)らぬ()(ぶと)
379高姫(たかひめ)さまもどうしてか
380(くぬぎ)(はら)真中(まんなか)
381天教山(てんけうざん)()れませる
382()花姫(はなひめ)(おん)化身(けしん)
383()出姫(でのひめ)訓戒(くんかい)
384(こころ)(そこ)から改心(かいしん)
385(とら)(おも)うた高姫(たかひめ)
386サツパリ(ねこ)早変(はやがは)
387それから段々(だんだん)おとなしく
388もの()ひさへも(あらた)まり
389(まこと)可愛(かあい)うなつて()
390(たま)湖水(こすい)(ほとり)にて
391椰子樹(やしじゆ)(もり)()()かし
392鷹依姫(たかよりひめ)竜国別(たつくにわけ)
393(かみ)(つかさ)やテー、カーの
394姿(すがた)(きざ)んだ石地蔵(いしぢざう)
395(なが)めて高姫(たかひめ)()(あは)
396コレコレ()(にん)のお(かた)さま
397(この)高姫(たかひめ)(わる)かつた
398どうぞ勘忍(かんにん)しておくれ
399黒姫(くろひめ)さまの(あやま)ちを
400(まへ)さま()無理(むり)()うて
401(あや)聖地(せいち)()(いだ)
402苦労(くらう)をかけたは()みませぬ
403罪亡(つみほろぼ)しに今日(けふ)からは
404(まへ)()()(にん)姿(すがた)をば
405(きざ)んだ(おも)たい(この)(いし)
406背中(せなか)()うて自転倒(おのころ)
407(しま)(まで)大事(だいじ)()(かへ)
408(ほこら)()てて奉斎(ほうさい)
409朝晩(あさばん)給仕(きふじ)(いた)します
410どうぞ(ゆる)して(くだ)されと
411(こころ)(そこ)から善心(ぜんしん)
412立返(たちかへ)られた健気(けなげ)さよ
413(あんま)(はや)(かは)りよで
414(わたし)一寸(ちよつと)(うたが)うた
415アルの(みなと)(ふね)()
416高姫(たかひめ)さまが(いつは)らぬ
417(その)告白(こくはく)感歎(かんたん)
418ヨブさま(まで)(おどろ)いて
419高姫(たかひめ)さまの弟子(でし)となり
420入信(にふしん)されたお目出度(めでた)
421あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
422(かみ)(めぐみ)()のあたり
423こんな(うれ)しい(こと)はない
424高姫(たかひめ)(さま)()改心(かいしん)
425入信(にふしん)なされたヨブさまの
426前途(ぜんと)益々(ますます)健全(けんぜん)
427(わた)らせ(たま)ひて神徳(しんとく)
428世界(せかい)()らし(たま)()
429指折(ゆびをり)(かぞ)()ちまする
430あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
431御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
432 最後(さいご)高姫(たかひめ)改心(かいしん)入信(にふしん)(よろこ)びの(うた)(うた)ひけり。
433高姫『あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
434(たふと)(かみ)御恵(みめぐみ)
435常夜(とこよ)(やみ)()れわたり
436真如(しんによ)(つき)村肝(むらきも)
437(こころ)(そら)(かがや)きて
438金毛(きんまう)九尾(きうび)曲神(まがかみ)
439すぐはれ()たる(わが)身魂(みたま)
440(いま)(やうや)(ゆめ)()めて
441曲津(まがつ)(かみ)(かげ)もなく
442(かみ)(たま)ひし伊都能売(いづのめ)
443(みたま)(ひかり)(かがや)きて
444(こころ)(なや)みも()()せぬ
445(あさひ)()(とも)(くも)るとも
446(つき)()つとも()くるとも
447仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
448一旦(いつたん)改心(かいしん)した(うへ)
449身魂(みたま)(この)()にある(かぎ)
450天地(てんち)(ちか)うて(かは)らまじ
451(この)高姫(たかひめ)改心(かいしん)
452(いち)(にち)(おく)れて()つたなら
453(この)船中(せんちう)でヨブさまに
454(いのち)()らるるとこだつた
455変性(へんじやう)男子(なんし)筆先(ふでさき)
456(なに)よりかより改心(かいしん)
457一番(いちばん)結構(けつこう)()うてある
458改心(かいしん)すれば(その)()から
459(てき)もなければ苦労(くらう)もない
460(はや)改心(かいしん)なされよと
461幾度(いくたび)となく()いてある
462あゝ改心(かいしん)改心(かいしん)
463()花姫(はなひめ)()言葉(ことば)
464(はじ)めて(さと)つた改心(かいしん)
465(まこと)(あぢ)(この)(とほ)
466(わたし)(かたき)(ねら)うたる
467カーリン(たう)のヨブさまが
468()つて(かは)つて高姫(たかひめ)
469師匠(ししやう)(あふ)いで入信(にふしん)
470無事(ぶじ)(この)()(をさ)まりし
471(その)原因(げんいん)(たづ)ぬれば
472ヤツパリ(わたし)改心(かいしん)ぢや
473改心(かいしん)入信(にふしん)一時(ひととき)
474()(こと)(ばか)りが()つて()
475こんな(うれ)しい(こと)はない
476さはさり(なが)海中(かいちう)
477(おちい)(たま)ひし四人(よにん)(づれ)
478(おも)へば(おも)へばいぢらしい
479せめては(みたま)(なぐさ)めて
480(あさ)(ゆふ)なに奉斎(ほうさい)
481叮嚀(ていねい)にお給仕(きふじ)(いた)しませう
482鷹依姫(たかよりひめ)()一同(いちどう)
483(ひろ)(こころ)見直(みなほ)して
484(わたし)(つみ)(ゆる)しませ
485あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
486(かみ)御前(みまへ)(つつし)みて
487今日(けふ)(よろこ)永久(とこしへ)
488感謝(かんしや)しまつり鷹依姫(たかよりひめ)
489(のり)(つかさ)(さん)(にん)
490冥福(めいふく)(いの)(たてまつ)
491あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
492御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
493 ()(うた)(をは)りて、494莞爾(くわんじ)として()()いた。495(ふね)三日(みつか)三夜(みよ)海上(かいじやう)逸走(いつそう)し、496(やうや)くゼムの(みなと)安着(あんちやく)した。497高姫(たかひめ)一行(いつかう)()(にん)はここに上陸(じやうりく)し、498ゼムの(まち)二三(にさん)()(ばか)(へだ)てたる天祥山(てんしやうざん)大瀑布(だいばくふ)御禊(みそぎ)をなすべく、499意気(いき)揚々(やうやう)として、500宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)(やま)(ふか)(すす)()りにける。501あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
502大正一一・八・一二 旧六・二〇 松村真澄録)
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→