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霊界物語
真善美愛(第49~60巻)
第59巻(戌の巻)
序
総説歌
第1篇 毀誉の雲翳
第1章 逆艪
第2章 歌垣
第3章 蜜議
第4章 陰使
第5章 有升
第2篇 厄気悋々
第6章 雲隠
第7章 焚付
第8章 暗傷
第9章 暗内
第10章 変金
第11章 黒白
第12章 狐穴
第3篇 地底の歓声
第13章 案知
第14章 舗照
第15章 和歌意
第16章 開窟
第17章 倉明
第4篇 六根猩々
第18章 手苦番
第19章 猩々舟
第20章 海竜王
第21章 客々舟
第22章 五葉松
第23章 鳩首
第24章 隆光
第25章 歓呼
余白歌
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霊界物語
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第59巻(戌の巻)
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<<< 陰使
(B)
(N)
雲隠 >>>
第五章
有升
(
あります
)
〔一五〇五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第59巻 真善美愛 戌の巻
篇:
第1篇 毀誉の雲翳
よみ(新仮名遣い):
きよのうんえい
章:
第5章 有升
よみ(新仮名遣い):
あります
通し章番号:
1505
口述日:
1923(大正12)年04月01日(旧02月16日)
口述場所:
皆生温泉 浜屋
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年7月8日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
テクは、チルテルが初稚姫の容色に惚れ込んでおり、出陣中のバーチルの館での酒宴に出席して欲しいと願っている旨を初稚姫に伝えた。初稚姫は、チルテルの申し出を迷惑に思っており、自ら進んで行くことはないとテクに答えた。
二人の問答を外で聞いていたチルナ姫は、夫がやはり初稚姫に恋慕していて別室に隠していることを知り、地団太を踏んだ。カンナとヘールはチルナ姫が来ていることに気が付いて声をかけた。
チルナ姫はカンナとヘールをけしかけて、強硬的に初稚姫を口説かせることにした。カンナとヘールは仕方なく、外から初稚姫に自分たちのどちらかと添うように口説く歌を歌いかけた。
テクは、初稚姫には頑として断られるなり、外からはカンナとヘールが邪魔をするなりで、チルテルの命を遂行することができなさそうな勢いに自棄になり、捨て台詞の歌を歌うと、腹立ちまぎれに四股を踏み鳴らし、帰って行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm5905
愛善世界社版:
67頁
八幡書店版:
第10輯 508頁
修補版:
校定版:
71頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
初稚
(
はつわか
)
『もしテクさまとやら、
002
キャプテン
様
(
さま
)
から
妾
(
わらは
)
に
御用
(
ごよう
)
とは
如何
(
いか
)
なる
事
(
こと
)
で
厶
(
ござ
)
いますか。
003
何卒
(
どうぞ
)
速
(
すみやか
)
にお
伝
(
つた
)
へを
願
(
ねが
)
ひます』
004
テク『
私
(
わたし
)
はチツと
酩酊
(
めいてい
)
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
りますから
脱線
(
だつせん
)
するかも
知
(
し
)
れませぬ。
005
前
(
まへ
)
以
(
もつ
)
てお
断
(
ことわ
)
りして
置
(
お
)
きます。
006
あの……
外
(
ほか
)
でも
厶
(
ござ
)
いませぬが……それそれ……さう
短兵
(
たんぺい
)
急
(
きふ
)
に
追撃
(
つゐげき
)
されては
応戦
(
おうせん
)
の……
余裕
(
よゆう
)
が
厶
(
ござ
)
いませぬ。
007
先
(
ま
)
づ
美人
(
びじん
)
砲台
(
はうだい
)
の……
沈黙
(
ちんもく
)
を
待
(
ま
)
つて
徐
(
おもむろ
)
に
攻勢
(
こうせい
)
に
向
(
むか
)
ひませう』
008
と
俄
(
にはか
)
に
騙
(
だま
)
されて
中尉
(
ちうゐ
)
の
称号
(
しやうがう
)
を
貰
(
もら
)
つた
嬉
(
うれ
)
しさに
009
何
(
なん
)
でもかでも
軍隊
(
ぐんたい
)
の
用語
(
ようご
)
を
使
(
つか
)
つて
談判
(
だんぱん
)
をやらうと
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
る
間抜
(
まぬ
)
け
野良
(
のら
)
だ。
010
初稚
(
はつわか
)
『
砲台
(
はうだい
)
だの、
011
攻撃
(
こうげき
)
だの、
012
応戦
(
おうせん
)
だのと、
0111
随分
(
ずいぶん
)
殺伐
(
さつばつ
)
なお
言葉
(
ことば
)
ですな。
013
どうか、
014
も
少
(
すこ
)
しハンナリと
仰有
(
おつしや
)
つて
頂
(
いただ
)
き
度
(
た
)
いもので
厶
(
ござ
)
います』
015
テクは『
気
(
き
)
を
付
(
つ
)
け』の
姿勢
(
しせい
)
をとり
016
一方
(
いつぱう
)
の
手
(
て
)
を
乳
(
ちち
)
の
辺
(
あた
)
りに
上向
(
うはむ
)
けに
拡
(
ひろ
)
げて
017
弥宜
(
ねぎ
)
が
笏板
(
しやくいた
)
を
持
(
も
)
つた
様
(
やう
)
なスタイルになつて、
018
稍
(
やや
)
反
(
そ
)
り
乍
(
なが
)
ら、
019
テク『
私
(
わたし
)
は
中尉
(
ちうゐ
)
であります。
020
今日
(
こんにち
)
大尉
(
たいゐ
)
殿
(
どの
)
の
命
(
めい
)
により
021
伝令
(
でんれい
)
兼
(
けん
)
斥候
(
せきこう
)
として
此
(
この
)
陣営
(
ぢんえい
)
へ
特派
(
とくは
)
せられた
者
(
もの
)
であります。
022
その
使命
(
しめい
)
と
申
(
まを
)
すのは
外
(
ほか
)
でもありませぬ。
023
アヅモス
山
(
さん
)
の
南麓
(
なんろく
)
バーチルの
陣営
(
ぢんえい
)
に
於
(
おい
)
て
024
兵士
(
へいし
)
の
凱旋
(
がいせん
)
祝賀会
(
しゆくがくわい
)
が
挙行
(
きよかう
)
されました。
025
それに
就
(
つ
)
いて
大隊長
(
だいたいちやう
)
殿
(
どの
)
が
私
(
わたし
)
を
特使
(
とくし
)
として
此
(
この
)
営所
(
えいしよ
)
へ
御
(
ご
)
派遣
(
はけん
)
になつたのであります。
026
酒宴
(
しゆえん
)
の
席
(
せき
)
には
男
(
をとこ
)
ばかりでは、
027
どうも
興味
(
きようみ
)
薄
(
うす
)
きを
以
(
もつ
)
て、
028
天下
(
てんか
)
無双
(
むさう
)
のナイス
初稚姫
(
はつわかひめ
)
殿
(
どの
)
を
召集
(
せうしふ
)
し
来
(
きた
)
れとの
命令
(
めいれい
)
であります。
029
言
(
い
)
はば
此
(
この
)
テクはキャプテンの
軍使
(
ぐんし
)
であります。
030
速
(
すみやか
)
に
軍律
(
ぐんりつ
)
に
従
(
したが
)
ひ、
031
否
(
いや
)
上官
(
じやうくわん
)
の
命
(
めい
)
に
従
(
したが
)
ひ、
0311
御
(
ご
)
出張
(
しゆつちやう
)
、
032
否
(
いや
)
御
(
ご
)
出陣
(
しゆつぢん
)
あり
度
(
た
)
きものであります』
033
初稚
(
はつわか
)
『オホヽヽヽ、
034
テクさま、
035
貴方
(
あなた
)
どうも
硬
(
かた
)
い
事
(
こと
)
を
仰有
(
おつしや
)
いますな。
036
妾
(
わらは
)
はお
酒
(
さけ
)
は
嫌
(
きら
)
ひで
厶
(
ござ
)
いますから
037
陣営
(
ぢんえい
)
等
(
など
)
には
到底
(
たうてい
)
参
(
まゐ
)
る
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ませぬ。
038
又
(
また
)
陣中
(
ぢんちう
)
に
女
(
をんな
)
が
参
(
まゐ
)
りますと
軍規
(
ぐんき
)
が
乱
(
みだ
)
れますから、
039
之
(
これ
)
ばかりはお
断
(
ことわ
)
り
申
(
まを
)
します』
040
テク『これは
怪
(
け
)
しからぬ。
041
拙者
(
せつしや
)
を
何
(
なん
)
と
心得
(
こころえ
)
て
厶
(
ござ
)
る。
042
拙者
(
せつしや
)
は
憲兵
(
けんぺい
)
中尉
(
ちうゐ
)
で
厶
(
ござ
)
るぞ。
043
チツと
注意
(
ちうい
)
をして
物
(
もの
)
を
云
(
い
)
つて
頂
(
いただ
)
かないと
実
(
じつ
)
に
困
(
こま
)
るのであります。
044
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
に
違背
(
ゐはい
)
なさると
軍律
(
ぐんりつ
)
に
照
(
てら
)
し、
045
銃殺
(
じうさつ
)
の
刑
(
けい
)
に
処
(
しよ
)
せらるるのであります。
046
ここは
篤
(
とつくり
)
と
御
(
ご
)
勘考
(
かんかう
)
なさらねばならぬ
所
(
ところ
)
であります。
047
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
はキャプテン
様
(
さま
)
は
貴女
(
あなた
)
の
容色
(
ようしよく
)
に
属魂
(
ぞつこん
)
打込
(
うちこ
)
み、
048
殆
(
ほとん
)
ど
魂
(
たま
)
を
抜
(
ぬ
)
かし、
049
矢
(
や
)
も
楯
(
たて
)
も
堪
(
たま
)
らないと
云
(
い
)
ふ
今日
(
こんにち
)
の
戦況
(
せんきやう
)
であります。
050
どうしても
落城
(
らくじやう
)
せなければ
051
臼砲
(
きうはう
)
なりと
野砲
(
やはう
)
なりと
発砲
(
はつぱう
)
して
占領
(
せんりやう
)
して
来
(
こ
)
いとの
厳命
(
げんめい
)
であります。
052
さア
早
(
はや
)
く
軍門
(
ぐんもん
)
に
御
(
ご
)
出頭
(
しゆつとう
)
あらむ
事
(
こと
)
を
願
(
ねが
)
ふあります』
053
初稚
(
はつわか
)
『これは
又
(
また
)
迷惑
(
めいわく
)
な
事
(
こと
)
で
厶
(
ござ
)
いますナ。
054
どうか
左様
(
さやう
)
な
事
(
こと
)
を
仰有
(
おつしや
)
らずにお
帰
(
かへ
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
055
貴方
(
あなた
)
はお
酒
(
さけ
)
を
召
(
め
)
して
居
(
ゐ
)
らつしやいますから、
056
左様
(
さやう
)
な
事
(
こと
)
を
申
(
まを
)
されるのです。
057
苟
(
いやし
)
くも
人
(
ひと
)
の
頭
(
かしら
)
とならるべきキャプテン
様
(
さま
)
が、
058
妾
(
わらは
)
の
如
(
ごと
)
き
女風情
(
をんなふぜい
)
を
陣中
(
ぢんちう
)
にお
招
(
まね
)
き
遊
(
あそ
)
ばす
道理
(
だうり
)
が
厶
(
ござ
)
いませうか』
059
テク『これはしたり、
060
女
(
をんな
)
が
陣中
(
ぢんちう
)
に
行
(
ゆ
)
けないと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
がありますか。
061
上野
(
かみづけ
)
の
形名
(
かたな
)
といふ
軍人
(
ぐんじん
)
の
女房
(
にようばう
)
は
062
陣中
(
ぢんちう
)
に
入
(
い
)
つて
夫
(
をつと
)
に
酒
(
さけ
)
を
勧
(
すす
)
め、
063
軍功
(
ぐんこう
)
を
立
(
た
)
てさせたぢやありませぬか。
064
貴女
(
あなた
)
は
第二
(
だいに
)
夫人
(
ふじん
)
様
(
さま
)
、
065
……
否
(
いや
)
第一
(
だいいち
)
夫人
(
ふじん
)
の
候補者
(
こうほしや
)
かも
知
(
し
)
れませぬ。
066
さア
何卒
(
どうぞ
)
早
(
はや
)
く
私
(
わたし
)
に
対
(
たい
)
し、
067
よき
報告
(
はうこく
)
を
願
(
ねが
)
ひます。
068
否
(
いや
)
私
(
わたし
)
と
共
(
とも
)
に
御
(
お
)
出陣
(
しゆつぢん
)
あらむ
事
(
こと
)
を
希望
(
きばう
)
する
次第
(
しだい
)
であります』
069
初稚
(
はつわか
)
『
妾
(
わらは
)
は
何
(
なん
)
と
仰
(
おほ
)
せられましても
陣中
(
ぢんちう
)
に
足
(
あし
)
を
入
(
い
)
れる
事
(
こと
)
は、
070
どうしても
心
(
こころ
)
が
進
(
すす
)
まぬのであります。
071
何
(
なん
)
と
仰
(
おほ
)
せられても
行
(
ゆ
)
かないと
云
(
い
)
つたら
行
(
ゆ
)
かない
覚悟
(
かくご
)
であります』
072
テク『もし、
073
お
姫
(
ひめ
)
さま、
074
私
(
わたし
)
のお
株
(
かぶ
)
をとつちやいけませぬよ。
075
「アリマス」は
軍人
(
ぐんじん
)
の
専用語
(
せんようご
)
ですからな』
076
チルナ
姫
(
ひめ
)
は
今迄
(
いままで
)
木蔭
(
こかげ
)
に
立
(
た
)
つて
二人
(
ふたり
)
の
問答
(
もんだふ
)
を
聞
(
き
)
き、
077
自分
(
じぶん
)
の
夫
(
をつと
)
が
初稚姫
(
はつわかひめ
)
に
恋慕
(
れんぼ
)
してると
云
(
い
)
ふテクの
報告
(
はうこく
)
を
聞
(
き
)
いて
殆
(
ほとん
)
ど
狂乱
(
きやうらん
)
の
如
(
ごと
)
くなり、
078
樹蔭
(
こかげ
)
に
地団太
(
ぢだんだ
)
を
踏
(
ふ
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
079
その
足音
(
あしおと
)
にカンナ、
080
ヘールの
両人
(
りやうにん
)
はハツと
気
(
き
)
がつき、
081
擦
(
す
)
り
寄
(
よ
)
つて
見
(
み
)
れば、
082
何
(
なん
)
だかチルナ
姫
(
ひめ
)
の
様
(
やう
)
である。
083
カンナは
小声
(
こごゑ
)
で、
084
カンナ『もし、
085
奥
(
おく
)
さまぢや
厶
(
ござ
)
いませぬか』
086
チルナ『お
前
(
まへ
)
、
087
今
(
いま
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いたか。
088
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
があの
女
(
をんな
)
に
属魂
(
ぞつこん
)
惚
(
ほ
)
れて
厶
(
ござ
)
ると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だから、
089
私
(
わたし
)
の
吩咐
(
いひつ
)
けたやうに
何故
(
なぜ
)
早
(
はや
)
く
要領
(
えうりやう
)
を
得
(
え
)
て
了
(
しま
)
はないのか』
090
カンナ『ヘー、
091
要領
(
えうりやう
)
を
得
(
え
)
たいのは
山々
(
やまやま
)
で
厶
(
ござ
)
いますが、
092
そうチヤク チヤクと
空腹
(
ひだるばら
)
にお
茶漬
(
ちやづけ
)
を
食
(
く
)
つた
様
(
やう
)
には
行
(
ゆ
)
きませぬからな』
093
チルナ『エー、
094
ぢれつたい。
095
グヅグヅして
居
(
を
)
るとどんな
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るか
知
(
し
)
れぬぢやないか。
096
荒男
(
あらをとこ
)
が
二人
(
ふたり
)
も
居
(
を
)
つて、
097
あんな
阿魔女
(
あまつちよ
)
を、
098
どうする
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ぬとは
腑甲斐
(
ふがひ
)
ないものだな。
099
さア
早
(
はや
)
く
肝玉
(
きもだま
)
を
出
(
だ
)
して
何
(
なん
)
とかなさらぬかいな』
100
ヘール『
奥様
(
おくさま
)
、
101
もしも、
102
やり
損
(
そこ
)
なつたら、
103
貴女
(
あなた
)
後
(
あと
)
引受
(
ひきう
)
けて
下
(
くだ
)
さるかな』
104
チルナ『そんな
心配
(
しんぱい
)
は
要
(
い
)
りませぬ。
105
何
(
なん
)
でもかでも
強
(
つよ
)
く
行
(
ゆ
)
きさへすれば
106
何
(
ど
)
んな
事
(
こと
)
でも
成功
(
せいこう
)
しますよ。
107
グヅグヅしてると
108
あの
女
(
をんな
)
を
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つて
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
につき
合
(
あは
)
すかも
知
(
し
)
れないわ。
109
エー、
110
悔
(
くや
)
しや、
111
残念
(
ざんねん
)
や、
112
口惜
(
くちを
)
しやな。
113
男
(
をとこ
)
が
二人
(
ふたり
)
も
居
(
を
)
つて
114
あれ
位
(
くらゐ
)
な
女
(
をんな
)
を
如何
(
どう
)
する
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ぬのかいな』
115
カンナ『
奥
(
おく
)
さま、
116
そこ
迄
(
まで
)
仰有
(
おつしや
)
るのなら
一
(
ひと
)
つやつて
見
(
み
)
ませう。
117
然
(
しか
)
し
一寸
(
ちよつと
)
手荒
(
てあら
)
い
事
(
こと
)
をして
同情心
(
どうじやうしん
)
を
失
(
うしな
)
つては
駄目
(
だめ
)
ですから、
118
ここで
一
(
ひと
)
つ
歌
(
うた
)
でも
歌
(
うた
)
つて
心
(
こころ
)
を
動
(
うご
)
かし
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たつ
)
して
見
(
み
)
ませう。
119
もし
奥
(
おく
)
さま、
120
貴女
(
あなた
)
も
一
(
ひと
)
つ
作
(
つく
)
り
声
(
ごゑ
)
をして
応援
(
おうゑん
)
して
下
(
くだ
)
さい』
121
チルナ『さア
早
(
はや
)
くやつて
御覧
(
ごらん
)
、
122
いかなかつたら
妾
(
わたし
)
が
応援
(
おうゑん
)
するから』
123
カンナ『バラモンの
軍
(
いくさ
)
の
司
(
つかさ
)
ここにあり
124
いざ
言問
(
ことと
)
はむ
初稚姫
(
はつわかひめ
)
に』
125
ヘール『
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
よ
汝
(
なれ
)
に
迷
(
まよ
)
ひて
忍
(
しの
)
び
来
(
く
)
る
126
男心
(
をとこごころ
)
を
見捨
(
みす
)
て
玉
(
たま
)
ふな』
127
チルナ『チルテルの
心
(
こころ
)
汚
(
きたな
)
き
武士
(
もののふ
)
に
128
身
(
み
)
を
任
(
まか
)
しなば
世
(
よ
)
に
笑
(
わら
)
はれむ。
129
チルテルの
軍
(
いくさ
)
の
君
(
きみ
)
は
世
(
よ
)
に
稀
(
まれ
)
な
130
チルナの
姫
(
ひめ
)
が
控
(
ひか
)
へますぞや。
131
吾
(
わが
)
恋
(
こひ
)
は
大海原
(
おほうなばら
)
を
渡
(
わた
)
る
舟
(
ふね
)
132
浪
(
なみ
)
を
凌
(
しの
)
ぎて
神島
(
かみじま
)
へ
行
(
ゆ
)
く。
133
初稚
(
はつわか
)
の
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
よ
逸早
(
いちはや
)
く
134
館
(
やかた
)
を
立
(
た
)
ちて
月
(
つき
)
へ
出
(
い
)
でませ』
135
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
中
(
なか
)
より、
136
初稚姫
(
はつわかひめ
)
『
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
ハルナの
都
(
みやこ
)
に
神
(
かみ
)
在
(
ま
)
すと
137
慕
(
した
)
ひて
進
(
すす
)
む
吾
(
われ
)
なりにけり。
138
さり
乍
(
なが
)
らイヅミの
国
(
くに
)
に
今
(
いま
)
暫
(
しば
)
し
139
足
(
あし
)
を
留
(
とど
)
めて
身
(
み
)
をや
休
(
やす
)
めむ』
140
チルナ『
此
(
この
)
里
(
さと
)
に
足
(
あし
)
を
留
(
とど
)
めて
居
(
ゐ
)
ますなら
141
カンナ、ヘールに
身
(
み
)
を
任
(
まか
)
しませ』
142
初稚姫
(
はつわかひめ
)
『
身
(
み
)
は
一
(
ひと
)
つ
如何
(
いか
)
で
二人
(
ふたり
)
に
仕
(
つか
)
ふべき
143
妾
(
わらは
)
は
神
(
かみ
)
にのみぞ
仕
(
つか
)
ふる
144
チルテルの
軍
(
いくさ
)
の
君
(
きみ
)
は
賢
(
かしこ
)
しと
145
聞
(
き
)
けども
如何
(
いか
)
で
身
(
み
)
を
任
(
まか
)
すべき。
146
若草
(
わかぐさ
)
の
妻
(
つま
)
を
持
(
も
)
たせるチルテルの
147
君
(
きみ
)
に
仕
(
つか
)
へて
堪
(
たま
)
るべきかは。
148
チルテルの
厚
(
あつ
)
き
情
(
なさけ
)
に
絆
(
ほだ
)
されて
149
暫
(
しば
)
し
息
(
いき
)
をば
休
(
やす
)
め
居
(
ゐ
)
るのみ』
150
テク『
初稚姫
(
はつわかひめ
)
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
はキャプテンの
151
第二
(
だいに
)
夫人
(
ふじん
)
と
定
(
きま
)
つてあります。
152
どうしても
嫌
(
いや
)
と
云
(
い
)
ふなら
引張
(
ひつぱ
)
つて
153
陣屋
(
ぢんや
)
に
進
(
すす
)
む
覚悟
(
かくご
)
あります。
154
さア
早
(
はや
)
う
行
(
ゆ
)
かねば
酒
(
さけ
)
が
冷
(
さ
)
めまする
155
酒
(
さけ
)
の
肴
(
さかな
)
に
使
(
つか
)
ふあります。
156
キャプテンの
清
(
きよ
)
き
男子
(
おのこ
)
を
振棄
(
ふりす
)
てて
157
カンナにつけば
身
(
み
)
を
削
(
けづ
)
られむ。
158
カンナてふ
奴
(
やつ
)
は
人
(
ひと
)
をば
削
(
けづ
)
り
喰
(
く
)
ふ
159
鬼
(
おに
)
の
様
(
やう
)
なる
男
(
をとこ
)
あります。
160
ヘールとはカンナをかけて
削
(
けづ
)
る
様
(
やう
)
に
161
一
(
いち
)
枚
(
まい
)
一
(
いち
)
枚
(
まい
)
ヘール
恋衣
(
こひぎぬ
)
』
162
カンナ『もう
自暴自棄
(
やけ
)
だ
勇猛心
(
ゆうまうしん
)
を
発揮
(
はつき
)
して
163
乗
(
の
)
るか
反
(
そ
)
るかをやつて
見
(
み
)
ませう。
164
おい、そこだ、テクの
奴
(
やつ
)
めがやつて
来
(
き
)
て
165
恋
(
こひ
)
の
邪魔
(
じやま
)
する
面
(
つら
)
の
憎
(
にく
)
さよ。
166
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
直接
(
ちよくせつ
)
行動
(
かうどう
)
腕
(
うで
)
づくだ
167
初稚姫
(
はつわかひめ
)
を
担
(
かた
)
げて
退
(
の
)
かむ。
168
肱鉄
(
ひぢてつ
)
をうまい
辞令
(
じれい
)
で
誤魔化
(
ごまくわ
)
され
169
男
(
をとこ
)
の
顔
(
かほ
)
が
何処
(
どこ
)
で
立
(
た
)
たうか』
170
初稚
(
はつわか
)
『テクさま、
171
何卒
(
どうぞ
)
あの
通
(
とほ
)
り
外
(
そと
)
に
皆様
(
みなさま
)
が
種々
(
いろいろ
)
と
仰有
(
おつしや
)
つて
居
(
ゐ
)
ますから
172
妾
(
わらは
)
は
大変
(
たいへん
)
迷惑
(
めいわく
)
致
(
いた
)
します。
173
何卒
(
どうぞ
)
帰
(
かへ
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
174
そしてキャプテン
様
(
さま
)
に
御用
(
ごよう
)
がおありなさるのなら
175
帰
(
かへ
)
つて
悠
(
ゆつく
)
りお
会
(
あ
)
ひしませう。
176
又
(
また
)
酒
(
さけ
)
の
相手
(
あひて
)
も
及
(
およ
)
ばず
乍
(
なが
)
ら
勤
(
つと
)
めさして
頂
(
いただ
)
きますと、
177
何卒
(
どうぞ
)
そこは
宜
(
よろ
)
しく
云
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さいませ』
178
テク『それでも
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
が
大変
(
たいへん
)
に
惚
(
ほ
)
れて
居
(
ゐ
)
らつしやるのだもの、
179
私
(
わたし
)
だつて
貴女
(
あなた
)
に
来
(
き
)
て
頂
(
いただ
)
かなくては
中尉
(
ちうゐ
)
もゼロになりますからな。
180
私
(
わたし
)
を
中尉
(
ちうゐ
)
にして
下
(
くだ
)
さるのなら
181
何卒
(
どうぞ
)
早
(
はや
)
く
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さい。
182
之
(
これ
)
が
私
(
わたし
)
の
一生
(
いつしやう
)
のお
願
(
ねが
)
ひであります』
183
テクは
自暴自棄
(
やけ
)
糞
(
くそ
)
になり
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
で
歌
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
した。
184
テク『
駄目
(
だめ
)
だ
駄目
(
だめ
)
だ
皆
(
みな
)
駄目
(
だめ
)
だ
185
こんな
綺麗
(
きれい
)
な
面
(
つら
)
をして
186
バラモン
軍
(
ぐん
)
のキャプテンが
187
お
言葉
(
ことば
)
さへも
刎
(
は
)
ねつける
188
容色
(
きりやう
)
がよいとて
自慢
(
じまん
)
すな
189
お
前
(
まへ
)
の
様
(
やう
)
な
阿魔女
(
あまつちよ
)
は
190
世界
(
せかい
)
にや
沢山
(
たくさん
)
ある
程
(
ほど
)
に
191
慢心
(
まんしん
)
するのも
程
(
ほど
)
がある
192
青瓢箪
(
あをべうたん
)
に
目
(
め
)
と
鼻
(
はな
)
を
193
つけたる
様
(
やう
)
なスタイルで
194
猪口才
(
ちよこざい
)
千万
(
せんばん
)
美人面
(
びじんづら
)
195
愛想
(
あいそ
)
も
欲得
(
こそ
)
もつき
果
(
は
)
てた
196
外
(
そと
)
に
厶
(
ござ
)
るはカンナさま
197
恋
(
こひ
)
に
狂
(
くる
)
ふたヘールさま
198
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つたが
宜
(
よろ
)
しかろ
199
こんな
分
(
わか
)
らぬスベタ
女郎
(
めろ
)
200
何程
(
なにほど
)
口説
(
くど
)
いて
見
(
み
)
た
所
(
とこ
)
で
201
テツキリ
駄目
(
だめ
)
で
厶
(
ござ
)
るぞや
202
俺
(
おれ
)
も
折角
(
せつかく
)
キャプテンに
203
憲兵
(
けんぺい
)
中尉
(
ちうゐ
)
の
職名
(
しよくめい
)
を
204
頂
(
いただ
)
き
乍
(
なが
)
らムザムザと
205
返
(
かへ
)
さにやならぬ
破目
(
はめ
)
となり
206
むかついてむかついて
堪
(
たま
)
らぬが
207
さうかと
云
(
い
)
つて
此
(
この
)
阿魔
(
あま
)
を
208
どうする
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
きはせぬ
209
あれ
程
(
ほど
)
チルテル・キャプテンが
210
現
(
うつつ
)
を
抜
(
ぬ
)
かし
目尻
(
めじり
)
下
(
さ
)
げ
211
寝
(
ね
)
ても
覚
(
さ
)
めても
姫々
(
ひめひめ
)
と
212
大切
(
だいじ
)
の
大切
(
だいじ
)
の
奥
(
おく
)
さまを
213
邪魔者
(
じやまもの
)
扱
(
あつかひ
)
になし
乍
(
なが
)
ら
214
酒
(
さけ
)
の
場席
(
ばせき
)
へ
引張
(
ひつぱ
)
つて
215
男前
(
をとこまへ
)
をば
誇
(
ほこ
)
らむと
216
なさつて
厶
(
ござ
)
るがお
憐
(
いと
)
しい
217
あんな
夫
(
をつと
)
を
持
(
も
)
つ
女房
(
にようばう
)
218
嘸
(
さぞ
)
や
心
(
こころ
)
が
揉
(
も
)
めるだろ
219
チルナの
姫
(
ひめ
)
のお
心
(
こころ
)
が
220
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
さまになつて
来
(
き
)
た
221
女
(
をんな
)
は
魔物
(
まもの
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
222
予
(
かね
)
て
人
(
ひと
)
から
聞
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
た
223
女
(
をんな
)
の
涼
(
すず
)
しい
円
(
まる
)
い
目
(
め
)
で
224
一目
(
ひとめ
)
睨
(
にら
)
めば
鉄城
(
てつじやう
)
も
225
ガタガタガタと
覆
(
くつが
)
へし
226
山
(
やま
)
も
田地
(
でんぢ
)
も
家倉
(
いへくら
)
も
227
メチヤ メチヤ メチヤにして
了
(
しま
)
ふ
228
こんな
女
(
をんな
)
が
出
(
で
)
て
来
(
き
)
たら
229
バラモン
教
(
けう
)
のキャプテンも
230
酒
(
さけ
)
で
殺
(
ころ
)
した
鰌
(
どぢやう
)
の
様
(
やう
)
に
231
グニヤ グニヤ グニヤと
相好
(
さうがう
)
を
232
崩
(
くづ
)
して
腰
(
こし
)
を
抜
(
ぬ
)
かしつつ
233
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
軍務
(
ぐんむ
)
をば
234
忘
(
わす
)
れて
遂
(
つひ
)
には
免職
(
めんしよく
)
の
235
悲運
(
ひうん
)
に
落
(
お
)
ちねばならうまい
236
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へばお
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
237
此
(
この
)
テクさまも
此
(
この
)
使命
(
しめい
)
238
スツカリ
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つたぞや
239
序
(
ついで
)
にスパイの
職掌
(
しよくしやう
)
も
240
返上
(
へんじやう
)
致
(
いた
)
してバーチルの
241
家
(
いへ
)
の
番頭
(
ばんとう
)
となり
済
(
す
)
まし
242
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
甘酒
(
うまざけ
)
を
243
思
(
おも
)
ふがままに
飲
(
の
)
み
倒
(
たふ
)
し
244
短
(
みじか
)
い
浮世
(
うきよ
)
を
面白
(
おもしろ
)
く
245
飲
(
の
)
めよ
騒
(
さわ
)
げよ
一寸先
(
いつすんさき
)
や
暗
(
やみ
)
と
246
踊
(
をど
)
り
狂
(
くる
)
ふて
暮
(
くら
)
しませう
247
何
(
なに
)
よりかより
酒
(
さけ
)
の
味
(
あぢ
)
248
美人
(
びじん
)
の
如
(
ごと
)
きは
吾々
(
われわれ
)
は
249
決
(
けつ
)
して
物
(
もの
)
の
数
(
かず
)
でない
250
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
251
燗
(
かん
)
して
飲
(
の
)
んだ
酒
(
さけ
)
の
味
(
あぢ
)
252
冷酒
(
れいしゆ
)
鯛汁
(
たいじう
)
の
吾
(
わが
)
身
(
み
)
には
253
これに
勝
(
まさ
)
つた
楽
(
たのし
)
みは
254
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
にありませぬ
255
初稚姫
(
はつわかひめ
)
の
阿魔女
(
あまつちよ
)
さま
256
左様
(
さやう
)
なら
御免
(
ごめん
)
を
蒙
(
かうむ
)
つて
257
キャプテン
様
(
さま
)
に
何事
(
なにごと
)
も
258
笠
(
かさ
)
に
笠
(
かさ
)
をばかけ
乍
(
なが
)
ら
259
悪
(
わる
)
く
注進
(
ちうしん
)
仕
(
つかまつ
)
る
260
カンナ、ヘールの
両人
(
りやうにん
)
に
261
現
(
うつつ
)
をぬかして
脂
(
やに
)
下
(
さが
)
り
262
どうしてもこしてもキャプテンの
263
側
(
そば
)
には
死
(
し
)
んでも
行
(
ゆ
)
かないと
264
駄々
(
だだ
)
をば
捏
(
こ
)
ねて
出
(
で
)
て
来
(
こ
)
ない
265
尻太
(
しぶと
)
い
女
(
をんな
)
と
詳細
(
まつぶさ
)
に
266
注進
(
ちうしん
)
するが
宜
(
よろ
)
しいか
267
よくよく
思案
(
しあん
)
するがよい
268
もうかうなれば
自暴自棄
(
やけ
)
酒
(
ざけ
)
だ
269
さア
燗酒
(
かんざけ
)
だ
燗酒
(
かんざけ
)
だ
270
そろそろ
酔
(
よひ
)
が
覚
(
さ
)
めかけた
271
一刻
(
いつこく
)
も
早
(
はや
)
く
帰
(
かへ
)
つて
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
もう
272
皆
(
みな
)
さまお
酒
(
さけ
)
へ
左様
(
さやう
)
なら』
273
と
畳
(
たたみ
)
障
(
ざは
)
りも
荒々
(
あらあら
)
しく
腹立
(
はらた
)
ち
紛
(
まぎ
)
れに
四股
(
しこ
)
を
踏
(
ふ
)
みならし、
274
暗
(
やみ
)
に
紛
(
まぎ
)
れて
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
275
(
大正一二・四・一
旧二・一六
於皆生温泉浜屋
北村隆光
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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