霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一三章 案知(あんち)〔一五一三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第59巻 真善美愛 戌の巻 篇:第3篇 地底の歓声 よみ(新仮名遣い):ちていのかんせい
章:第13章 案知 よみ(新仮名遣い):あんち 通し章番号:1513
口述日:1923(大正12)年04月02日(旧02月17日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年7月8日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
初稚姫が大きな白狐に変化したことで驚いたワックス一行四人は、逃げようとして落とし穴に落ち込んでしまった。一方テクは門を飛び出し、玉国別たちが待機している森に一目散に逃げて行った。
テクは真純彦にぶつかって倒れてしまった。真純彦はテクを解放して気付かせた。テクは白狐の一件を一生懸命語るが要領を得ず、しばらく休息してようやくいきさつを順々に語った。
三千彦の行方は結局わからなかったので、今度はアンチーが案内役となって玉国別、真純彦をチルテルの館に案内することになった。テクは自分も付いていくと申し出て、四人は進んで行く。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-05-22 18:02:51 OBC :rm5913
愛善世界社版:173頁 八幡書店版:第10輯 547頁 修補版: 校定版:183頁 普及版: 初版: ページ備考:
001キヨの関所(せきしよ)(やかた)をば
002(さぐ)らむ(ため)にテクテクと
003玉国別(たまくにわけ)(いとま)()
004斥候隊(せきこうたい)心地(ここち)して
005チルテル(やかた)()てみれば
006肝腎要(かんじんかなめ)事務室(じむしつ)
007(ねこ)()一匹(いつぴき)()らばこそ
008天井(てんじやう)(ねずみ)がチウチウと
009ちちくり()うてゐる(こゑ)
010いと(さわ)がしく(きこ)ゆのみ
011遠慮(ゑんりよ)会釈(ゑしやく)荒男(あらをとこ)
012裏庭(うらには)(くぐ)初稚姫(はつわかひめ)
013居間(ゐま)目当(めあて)()()けば
014チルテル、ヘールの両人(りやうにん)
015(ころも)()ぎすて赤裸体(まつぱだか)
016(ふし)くれだつたり気張(きば)つたり
017山門(さんもん)(まも)仁王(にわう)さま
018虎搏(こはく)撃攘(げきじやう)真最中(まつさいちう)
019コラ面白(おもしろ)面白(おもしろ)
020団扇(うちわ)はなけれど(おれ)(いま)
021行司(ぎやうじ)をやつてつかはそと
022(いさ)(すす)むで(ちか)よれば
023初稚姫(はつわかひめ)(こゑ)をかけ
024(まへ)はテクさまリュウチナント
025行司(ぎやうじ)(わらは)(いた)します
026貴方(あなた)此処(ここ)(きぬ)()
027力比(ちからくら)べの()しがかり
028最後(さいご)勝利(しようり)()(かた)
029(わたし)はラブを(そそ)ぎます
030(ちから)(つよ)(をとこ)をば
031(わたし)(をつと)()つのだと
032梅花(ばいくわ)のやうな(くちびる)
033いと(あい)らしく(うご)かせて
034(ことば)(すず)しく()(わた)
035()くよりテクは雀躍(こをど)りし
036玉国別(たまくにわけ)斥候(せきこう)
037なりて(きた)りし()(わす)
038うつつになつて(きぬ)()
039いざ()勝負(しようぶ)()ちゐたる
040(とき)しもあれやチルテルは
041美事(みごと)にヘールを()げつけて
042()るも(おそ)ろし陥穽(かんせい)
043(ほり)()(をは)るをみるや(いな)
044よし()勝負(しようぶ)()()つて
045獅子(しし)奮迅(ふんじん)猪突(ちよとつ)主義(しゆぎ)
046発揮(はつき)(なが)らくらひつく
047(からだ)(あせ)はぬらぬらと
048(うなぎ)(なまづ)()みついて
049(あらそ)ふごとき為体(ていたらく)
050()うては(はな)(はな)れては
051(また)取組(とりく)むでドスドスと
052(には)小砂(こずな)をへこませつ
053(ここ)先途(せんど)(たたか)へば
054初稚姫(はつわかひめ)()をあげて
055オホヽヽヽヽと(わら)ひつつ
056愛嬌(あいけう)()もる視線(しせん)をば
057二人(ふたり)頭上(づじやう)(あび)せかけ
058勝負(しようぶ)如何(いかに)()ちゐたる
059チルテル、テクの両人(りやうにん)
060女帝(によてい)(まへ)晴勝負(はれしようぶ)
061世界(せかい)(いち)色男(いろをとこ)
062世界(せかい)(いち)のナイスをば
063女房(にようばう)になして()(なか)
064有情(うじやう)男子(だんし)(きも)ひしぎ
065(その)成功(せいこう)(ほこ)らむと
066(いのち)(まと)(いど)()
067新手(あらて)のテクは(やうや)くに
068相手(あひて)(まはし)をひき(にぎ)
069ヅドンと(ばか)()(うへ)
070岩石(がんせき)(おと)しに(なげ)()くる
071(いきおひ)(あま)つてコロコロと
072再度(ふたたび)三度(みたび)廻転(くわいてん)
073(あせ)のにじゆんだ肉体(にくたい)
074(たちま)(すな)祇園棒(ぎをんぼう)
075砂巻酢(すなまきずし)となり()へて
076千尋(ちひろ)(ふか)陥穽(かんせい)
077またたく(うち)()ちにけり
078(さすが)のテクも()をゆるし
079月桂冠(げつけいくわん)()たりとて
080(こころ)ホクホク()(うへ)
081(くろ)いお(しり)をドカとすゑ
082ハートに(なみ)()たせつつ
083四辺(あたり)()ればこはいかに
084バラモン(けう)のワックスや
085エキス、ヘルマン、エル御校正本・校定版・愛世版いずれもここは「エル」ではなく「ヘル」と書いてある。しかし第12章に「ワックス、ヘルマン、エキス、エルの四人は関所の門を潜り」と書いてあり、この4人組なので、「ヘル」は「エル」の誤字だと考え、霊界物語ネットでは「エル」に直した。()(にん)
086莞爾(にこにこ)(なが)()つてゐる
087初稚姫(はつわかひめ)(うれ)しげに
088テクに(むか)つて(こゑ)をかけ
089リュウチナントのテクさまえ
090(まへ)本当(ほんたう)(つよ)(ひと)
091サアサアこれから約束(やくそく)
092(わたし)女房(にようばう)になりまする
093握手(あくしゆ)(ひと)つと()(なが)
094(やさ)しき(しろ)()()せば
095握手(あくしゆ)(どころ)かキッスでも
096(なん)でも(かま)はぬ(いた)します
097エヘヽヽヽヽエヘヽヽヽ
098(よだれ)をタラタラ(なが)しつつ
099猿臂(ゑんぴ)()ばして()(ほそ)
100(しろ)(かひな)(にぎ)らむと
101なしたる刹那(せつな)初稚姫(はつわかひめ)
102無比(むひ)のナイスはテクの()
103()るより(はや)(しろ)()
104(あら)はし(たま)へばテクの(やつ)
105ハツと(あき)れて(その)(つら)
106見上(みあ)ぐる途端(とたん)にあら不思議(ふしぎ)
107()釣上(つりあが)口元(くちもと)
108(みみ)(まで)さけし(その)姿(すがた)
109(おどろ)後辺(しりへ)にドツと()
110(まなこ)キヨロキヨロ(ひか)らせば
111初稚姫(はつわかひめ)(たちま)ちに
112白狐(びやつこ)姿(すがた)還元(くわんげん)
113(はうき)のやうな()をふつて
114のそりのそりと(あゆ)()
115ワックス(はじ)(さん)(にん)
116(おどろ)狼狽(あはて)逃迷(にげまよ)
117()(にん)一度(いちど)陥穽(かんせい)
118バサリと()ちて(その)姿(すがた)
119地上(ちじやう)()えずなりにける
120テクは(ふたたび)仰天(ぎやうてん)
121(やうや)(こし)()(なが)
122(あし)もヒヨロ ヒヨロ バタバタと
123勝手門(かつてもん)をば(くぐ)()
124(しり)はし()つて一散(いつさん)
125玉国別(たまくにわけ)(かく)れたる
126タダスの(もり)(はし)()
127()(やうや)くに黄昏(たそがれ)
128(つき)御空(みそら)(かがや)けど
129(こずゑ)(しげ)みに(さへぎ)られ
130一寸先(いつすんさき)()()かぬ
131(やみ)(とばり)()りにけり
132真純(ますみ)(ひこ)(やみ)(もり)
133ブラリブラリと(すす)()
134(この)(とき)先方(むかふ)より()(きた)
135一人(ひとり)(をとこ)(たちま)ちに
136真純(ますみ)(ひこ)胸板(むないた)
137ドンと(あたま)()ちつけて
138アツと(ばか)りに打倒(うちたふ)
139ウンウン キヤアキヤア(うな)りゐる
140真純(ますみ)(ひこ)(あやし)みて
141玉国別(たまくにわけ)をソツと()
142火打(ひうち)(とり)()()(てん)
143よくよく()ればこは如何(いか)
144斥候(せきこう)主任(しゆにん)のテクの(やつ)
145ポカンと(くち)をあけ(なが)
146(そら)(あふ)いで(たふ)れゐる
147(その)スタイルは池鮒(いけふな)
148(どろ)()ひたる(ごと)くなり
149アツパ アツパと(くち)あけて
150()をキヨロつかせ(なが)めゐる。
151 真純彦(ますみひこ)はいろいろ介抱(かいはう)をし、152テクを()(おこ)し、153背中(せなか)()つたり()でたりし(なが)ら、
154真純(ますみ)『オイ、155テク、156(しつか)りせむかい。157(てき)様子(やうす)()うだ。158三千彦(みちひこ)所在(ありか)(わか)つたか。159サア(はや)報告(はうこく)せよ』
160 テクは(いき)(くる)しげに()(あが)り、161(つち)(うへ)両手(りやうて)()いて、
162テク『ヘー、163どうも大変(たいへん)(ござ)います。164()れは()れは()(した)開山(かいさん)世界一(せかいいち)大角力(おほすまふ)(はじ)まつてをりました。165(わたし)(その)角力(すまふ)参加(さんか)して大勝利(だいしようり)()ました。166そして、167キヽキツネのニヨニヨ(によ)(ばう)褒美(はうび)(もら)いました』
168真純(ますみ)『オイ、169テク、170(しつか)りせぬかい。171偵察(ていさつ)()うだつたい。172(この)(なが)()(いま)(まで)173(おれ)(たち)()つてゐたのぢやないか、174(なに)をして()つたのだ。175サア詳細(つぶさ)注進(ちうしん)せい』
176テク『イヤもう、177化物(ばけもの)屋敷(やしき)探険(たんけん)には、178流石(さすが)のテクもテクずりました。179角力取(すまふとり)(あな)へおちたり、180(きつね)(あら)はれたり、181バラモンのワックスが見物(けんぶつ)()()たり、182それはそれは(たい)した人気(にんき)(ござ)いましたよ。183折角(せつかく)184(いのち)カラガラ大勝利(だいしようり)()て、185初稚姫(はつわかひめ)といふ古今(ここん)無双(むさう)のナイスを女房(にようばう)()つたと(おも)へば、186キヽ(きつね)になつて、187のそりのそりと()()しました。188イヤもう、189(こは)いの(こは)くないのつて、190(くち)でいふやうな(こと)ぢやありませぬワ。191(さけ)(よひ)(なに)も、192一度(いちど)何処(どつか)へか逐転(ちくてん)して(しま)ひました。193あゝあ、194あゝ(くる)しい。195こんな(おそ)ろしい(くる)しい(こと)は、196(うま)れてからまだありませぬワ。197モシ玉国別(たまくにわけ)先生(せんせい)198あんな(ところ)()くが最後(さいご)199陥穽(おとしあな)(おと)されますよ。200そして彼処(あこ)(やつ)ア、201人間(にんげん)(おも)うてたら(だま)されますよ。202(みな)(きつね)になりますよ。203あんな危険(きけん)(ところ)へは()(くだ)さりますな。204(おん)()大切(たいせつ)(ござ)いますから……』
205真純(ますみ)『オイテク、206一向(いつかう)要領(えうりやう)()ぬぢやないか、207モツと明瞭(はつきり)報告(はうこく)せないか』
208テク『ヘーヘー、209要領(えうりやう)()ないのは当然(たうぜん)ですよ。210(わたし)要領(えうりやう)得損(えそこな)つたのですからなア。211……本当(ほんたう)本当(ほんたう)に、212古今(ここん)独歩(どつぽ)213珍無類(ちんむるゐ)奇妙(きめう)奇天烈(きてれつ)な、2131()()つて()ましたワイ』
214真純(ますみ)三千彦(みちひこ)消息(せうそく)(わか)つたか』
215テク『(あま)(こは)くつて、216()(くら)み、217みち(ひこ)川彦(かはひこ)(なに)(わか)りませぬ。218これ(だけ)(くら)いと、219(ひと)(ゆき)(あた)つても、220()れないのですから、221どしてみち(ひこ)(わか)りませうかい。222あゝあ ホンニホンニうすい()()うたものだ』
223真純(ますみ)(こま)つた(やつ)だなア。224(なん)(ため)使(つかひ)だ。225チツと(しつか)りせぬかい』
226玉国(たまくに)『オイ、227テク、228(すこ)()落付(おちつ)けて(ゆつく)りと(はな)してくれ。229(まへ)言葉(ことば)ではチツとも要領(えうりやう)(わか)らぬからのう』
230 テクは(しばら)休息(きうそく)した(うへ)231(やかた)(おもて)より(すす)()つて、232裏庭(うらには)()れば角力(すまふ)(はじ)まりかけてゐた(こと)や、233自分(じぶん)角力(すまふ)()つて()つた(こと)234初稚姫(はつわかひめ)(おも)つた(をんな)(おほ)きな白狐(びやつこ)であつた(こと)などを細々(こまごま)復命(ふくめい)した。235そして三千彦(みちひこ)(ほか)二人(ふたり)行衛(ゆくゑ)(わか)らなかつたが、236大方(おほかた)陥穽(おとしあな)()ちてゐるだらう……と心配(しんぱい)(さう)(こた)へた。237玉国別(たまくにわけ)(しばら)(くび)(かたむ)思案(しあん)()れてゐた。
238真純(ますみ)『モシ先生(せんせい)239どう(いた)しませうか、240三千彦(みちひこ)以下(いか)二人(ふたり)を、241(この)(まま)放任(はうにん)する(わけ)にも()かず、242ぢやと()つて、243(この)(くら)いのにうつかり()かうものなら、244(また)もや陥穽(おとしあな)突込(つつこ)まれちや大変(たいへん)ですからなア』
245アンチー『モシ、246先生(せんせい)(さま)247そんな()心配(しんぱい)()りませぬ。248(わたし)()恩報(おんはう)じに()ぶみを(いた)しますから、249何卒(どうぞ)(あと)から足跡(あしあと)()んで()(くだ)さい。250()(わたし)()()むだら、251そこを(とほ)らない(やう)にして(くだ)されば、252それで安心(あんしん)でせう。253サア(まゐ)りませう。254グヅグヅして()つては255三千彦(みちひこ)(さま)()夫婦(ふうふ)(はじ)伊太彦(いたひこ)さまが()うなるか()れませぬ。256あの(やかた)には沢山(たくさん)兵士(へいし)()るといふ(こと)ですからなア』
257玉国(たまくに)()(かく)充分(じうぶん)注意(ちうい)をして(すす)(こと)にせう。258オイ、259テク、260(まへ)はモウ、261バーチルさまの(やかた)(かへ)り、262番頭(ばんとう)さまの(やく)忠実(ちうじつ)(つと)めたがよからう。263狼狽者(あわてもの)()れて()くと、264(かへつ)作戦(さくせん)計画(けいくわく)齟齬(そご)(きた)すからなア』
265テク『滅相(めつさう)もない、266どこ(まで)もお(とも)(いた)します、267大抵(たいてい)(ところ)勝手(かつて)()つてゐます。268滅多(めつた)()()(やう)なこた(いた)しませぬ。269何程(なにほど)(くら)くても、270(そら)さへ()れば(こずゑ)調子(てうし)で、271此処(ここ)何処(どこ)(ぐらい)(こと)(わか)つてゐますからなア』
272アンチー『(しか)らば(わたし)先頭(せんとう)(つかまつ)りませう。273あの屋敷(やしき)(わたし)も、274(さん)(ねん)以前(いぜん)にチヨコ チヨコいつた(こと)があります。275……オイ、276テクさま、277(まへ)一番(いちばん)(あと)から先生(せんせい)(まも)つてついて()い、278……
279(やみ)(とばり)(おろ)されて
280一寸先(いつすんさき)()えず(とも)
281(こころ)(そら)日月(じつげつ)
282(かがみ)(ごと)(かがや)けり
283玉国別(たまくにわけ)神司(かむづかさ)
284真純(ますみ)(ひこ)(したが)ひて
285(われ)()二人(ふたり)(いさ)ましく
286バラモン(けう)悪神(あくがみ)
287(しこ)(やかた)()して()
288(なに)(ほど)(くら)いと()つたとて
289(もと)より(めくら)でないものは
290(やみ)になれたら(あか)くなる
291(ただ)(おそ)るるは足許(あしもと)
292百足(むかで)(まむし)(やから)のみ
293それの危難(きなん)(のが)れるは
294三五教(あななひけう)(かみ)(さま)
295(をし)(たま)ひし数歌(かずうた)
296(ひと)(ふた)()()(いつ)()
297(なな)()(ここの)(たり)(もも)()
298(よろづ)(とな)(すす)むなら
299如何(いか)なる(まが)(おそ)るべき
300(かへつ)先方(むかふ)(をのの)きて
301(くも)(かすみ)()げるだらう
302三千彦(みちひこ)さまのお()(うへ)
303デビスの(ひめ)伊太彦(いたひこ)
304(なや)みを(あん)(わづら)ひつ
305(こころ)(こま)のはやるまに
306(かみ)(ひかり)()()びて
307(てき)(やかた)(すす)()
308あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
309御霊(みたま)(さち)はひましまして
310玉国別(たまくにわけ)(はじ)めとし
311(われ)()一行(いつかう)(つつが)なく
312三千彦(みちひこ)(さま)一行(いつかう)
313(すく)はせ(たま)へと()ぎまつる
314(にはか)番頭(ばんとう)のテクさまが
315真昼(まひる)(うち)偵察(ていさつ)
316()かけなされて(あわ)をふき
317大化物(おほばけもの)昼狐(ひるぎつね)
318得体(えたい)()れぬ怪物(くわいぶつ)
319(きも)()られて(かへ)()
320(その)光景(くわうけい)可笑(をか)しさよ
321(この)アンチーはどこ(まで)
322(きつね)(たぬき)にや(おそ)れない
323無人(むじん)(しま)三歳(みとせ)ぶり
324大蛇(をろち)(たか)相棲居(あひずまゐ)
325一旦(いつたん)(おに)境遇(きやうぐう)
326(なり)さがりたる経験(けいけん)(じやう)
327(なに)(ほど)悪魔(あくま)()()(とも)
328(けつ)して(おそ)るるものでない
329玉国別(たまくにわけ)()(きみ)
330真純(ますみ)(ひこ)神司(かむづかさ)
331(こころ)(たひら)(やす)らかに
332アンチーの(あと)目当(めあて)とし
333(すす)ませ(たま)惟神(かむながら)
334(かみ)(まも)りで安全(あんぜん)
335場所(ばしよ)案内(あんない)(いた)します』
336 かく小声(こごゑ)(うた)(なが)ら、337チルテル(やかた)裏門(うらもん)から足元(あしもと)()()(なが)ら、338アンチー、339テクは後先(あとさき)()つて(すす)()る。
340大正一二・四・二 旧二・一七 於皆生温泉浜屋 松村真澄録)

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