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霊界物語
真善美愛(第49~60巻)
第59巻(戌の巻)
序
総説歌
第1篇 毀誉の雲翳
第1章 逆艪
第2章 歌垣
第3章 蜜議
第4章 陰使
第5章 有升
第2篇 厄気悋々
第6章 雲隠
第7章 焚付
第8章 暗傷
第9章 暗内
第10章 変金
第11章 黒白
第12章 狐穴
第3篇 地底の歓声
第13章 案知
第14章 舗照
第15章 和歌意
第16章 開窟
第17章 倉明
第4篇 六根猩々
第18章 手苦番
第19章 猩々舟
第20章 海竜王
第21章 客々舟
第22章 五葉松
第23章 鳩首
第24章 隆光
第25章 歓呼
余白歌
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第59巻(戌の巻)
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<<< 狐穴
(B)
(N)
舗照 >>>
第一三章
案知
(
あんち
)
〔一五一三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第59巻 真善美愛 戌の巻
篇:
第3篇 地底の歓声
よみ(新仮名遣い):
ちていのかんせい
章:
第13章 案知
よみ(新仮名遣い):
あんち
通し章番号:
1513
口述日:
1923(大正12)年04月02日(旧02月17日)
口述場所:
皆生温泉 浜屋
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年7月8日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
初稚姫が大きな白狐に変化したことで驚いたワックス一行四人は、逃げようとして落とし穴に落ち込んでしまった。一方テクは門を飛び出し、玉国別たちが待機している森に一目散に逃げて行った。
テクは真純彦にぶつかって倒れてしまった。真純彦はテクを解放して気付かせた。テクは白狐の一件を一生懸命語るが要領を得ず、しばらく休息してようやくいきさつを順々に語った。
三千彦の行方は結局わからなかったので、今度はアンチーが案内役となって玉国別、真純彦をチルテルの館に案内することになった。テクは自分も付いていくと申し出て、四人は進んで行く。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-05-22 18:02:51
OBC :
rm5913
愛善世界社版:
173頁
八幡書店版:
第10輯 547頁
修補版:
校定版:
183頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
キヨの
関所
(
せきしよ
)
の
館
(
やかた
)
をば
002
探
(
さぐ
)
らむ
為
(
ため
)
にテクテクと
003
玉国別
(
たまくにわけ
)
に
暇
(
いとま
)
告
(
つ
)
げ
004
斥候隊
(
せきこうたい
)
の
心地
(
ここち
)
して
005
チルテル
館
(
やかた
)
に
行
(
い
)
てみれば
006
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
事務室
(
じむしつ
)
は
007
猫
(
ねこ
)
の
子
(
こ
)
一匹
(
いつぴき
)
居
(
を
)
らばこそ
008
天井
(
てんじやう
)
の
鼠
(
ねずみ
)
がチウチウと
009
ちちくり
合
(
あ
)
うてゐる
声
(
こゑ
)
の
010
いと
騒
(
さわ
)
がしく
聞
(
きこ
)
ゆのみ
011
遠慮
(
ゑんりよ
)
会釈
(
ゑしやく
)
も
荒男
(
あらをとこ
)
012
裏庭
(
うらには
)
潜
(
くぐ
)
り
初稚姫
(
はつわかひめ
)
が
013
居間
(
ゐま
)
を
目当
(
めあて
)
に
出
(
い
)
で
行
(
ゆ
)
けば
014
チルテル、ヘールの
両人
(
りやうにん
)
が
015
衣
(
ころも
)
脱
(
ぬ
)
ぎすて
赤裸体
(
まつぱだか
)
016
節
(
ふし
)
くれだつたり
気張
(
きば
)
つたり
017
山門
(
さんもん
)
守
(
まも
)
る
仁王
(
にわう
)
さま
018
虎搏
(
こはく
)
撃攘
(
げきじやう
)
の
真最中
(
まつさいちう
)
019
コラ
面白
(
おもしろ
)
い
面白
(
おもしろ
)
い
020
団扇
(
うちわ
)
はなけれど
俺
(
おれ
)
が
今
(
いま
)
021
行司
(
ぎやうじ
)
をやつてつかはそと
022
勇
(
いさ
)
み
進
(
すす
)
むで
近
(
ちか
)
よれば
023
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
声
(
こゑ
)
をかけ
024
お
前
(
まへ
)
はテクさまリュウチナント
025
行司
(
ぎやうじ
)
は
妾
(
わらは
)
が
致
(
いた
)
します
026
貴方
(
あなた
)
も
此処
(
ここ
)
で
衣
(
きぬ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ
027
力比
(
ちからくら
)
べの
消
(
け
)
しがかり
028
最後
(
さいご
)
の
勝利
(
しようり
)
を
得
(
え
)
た
方
(
かた
)
に
029
妾
(
わたし
)
はラブを
注
(
そそ
)
ぎます
030
力
(
ちから
)
の
強
(
つよ
)
い
男
(
をとこ
)
をば
031
妾
(
わたし
)
は
夫
(
をつと
)
に
持
(
も
)
つのだと
032
梅花
(
ばいくわ
)
のやうな
唇
(
くちびる
)
を
033
いと
愛
(
あい
)
らしく
動
(
うご
)
かせて
034
詞
(
ことば
)
涼
(
すず
)
しく
宣
(
の
)
り
渡
(
わた
)
す
035
聞
(
き
)
くよりテクは
雀躍
(
こをど
)
りし
036
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
斥候
(
せきこう
)
と
037
なりて
来
(
きた
)
りし
身
(
み
)
を
忘
(
わす
)
れ
038
うつつになつて
衣
(
きぬ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ
039
いざ
来
(
こ
)
い
勝負
(
しようぶ
)
と
待
(
ま
)
ちゐたる
040
時
(
とき
)
しもあれやチルテルは
041
美事
(
みごと
)
にヘールを
投
(
な
)
げつけて
042
見
(
み
)
るも
恐
(
おそ
)
ろし
陥穽
(
かんせい
)
に
043
放
(
ほり
)
込
(
こ
)
み
了
(
をは
)
るをみるや
否
(
いな
)
044
よし
来
(
き
)
た
勝負
(
しようぶ
)
と
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて
045
獅子
(
しし
)
奮迅
(
ふんじん
)
の
猪突
(
ちよとつ
)
主義
(
しゆぎ
)
046
発揮
(
はつき
)
し
乍
(
なが
)
らくらひつく
047
体
(
からだ
)
の
汗
(
あせ
)
はぬらぬらと
048
鰻
(
うなぎ
)
と
鯰
(
なまづ
)
が
組
(
く
)
みついて
049
争
(
あらそ
)
ふごとき
為体
(
ていたらく
)
050
合
(
あ
)
うては
離
(
はな
)
れ
離
(
はな
)
れては
051
又
(
また
)
取組
(
とりく
)
むでドスドスと
052
庭
(
には
)
の
小砂
(
こずな
)
をへこませつ
053
茲
(
ここ
)
を
先途
(
せんど
)
と
戦
(
たたか
)
へば
054
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
手
(
て
)
をあげて
055
オホヽヽヽヽと
笑
(
わら
)
ひつつ
056
愛嬌
(
あいけう
)
籠
(
こ
)
もる
視線
(
しせん
)
をば
057
二人
(
ふたり
)
の
頭上
(
づじやう
)
に
浴
(
あび
)
せかけ
058
勝負
(
しようぶ
)
如何
(
いかに
)
と
待
(
ま
)
ちゐたる
059
チルテル、テクの
両人
(
りやうにん
)
は
060
女帝
(
によてい
)
の
前
(
まへ
)
の
晴勝負
(
はれしようぶ
)
061
世界
(
せかい
)
で
一
(
いち
)
の
色男
(
いろをとこ
)
062
世界
(
せかい
)
で
一
(
いち
)
のナイスをば
063
女房
(
にようばう
)
になして
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
064
有情
(
うじやう
)
男子
(
だんし
)
の
肝
(
きも
)
ひしぎ
065
其
(
その
)
成功
(
せいこう
)
を
誇
(
ほこ
)
らむと
066
命
(
いのち
)
を
的
(
まと
)
に
挑
(
いど
)
み
合
(
あ
)
ふ
067
新手
(
あらて
)
のテクは
漸
(
やうや
)
くに
068
相手
(
あひて
)
の
褌
(
まはし
)
をひき
握
(
にぎ
)
り
069
ヅドンと
許
(
ばか
)
り
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
070
岩石
(
がんせき
)
落
(
おと
)
しに
投
(
なげ
)
付
(
つ
)
くる
071
勢
(
いきおひ
)
余
(
あま
)
つてコロコロと
072
再度
(
ふたたび
)
三度
(
みたび
)
廻転
(
くわいてん
)
し
073
汗
(
あせ
)
のにじゆんだ
肉体
(
にくたい
)
は
074
忽
(
たちま
)
ち
砂
(
すな
)
の
祇園棒
(
ぎをんぼう
)
075
砂巻酢
(
すなまきずし
)
となり
了
(
を
)
へて
076
千尋
(
ちひろ
)
の
深
(
ふか
)
き
陥穽
(
かんせい
)
へ
077
またたく
内
(
うち
)
に
落
(
お
)
ちにけり
078
遉
(
さすが
)
のテクも
気
(
き
)
をゆるし
079
月桂冠
(
げつけいくわん
)
を
得
(
え
)
たりとて
080
心
(
こころ
)
ホクホク
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
081
黒
(
くろ
)
いお
尻
(
しり
)
をドカとすゑ
082
ハートに
波
(
なみ
)
を
打
(
う
)
たせつつ
083
四辺
(
あたり
)
を
見
(
み
)
ればこはいかに
084
バラモン
教
(
けう
)
のワックスや
085
エキス、ヘルマン、エル
[
※
御校正本・校定版・愛世版いずれもここは「エル」ではなく「ヘル」と書いてある。しかし第12章に「ワックス、ヘルマン、エキス、エルの四人は関所の門を潜り」と書いてあり、この4人組なので、「ヘル」は「エル」の誤字だと考え、霊界物語ネットでは「エル」に直した。
]
四
(
よ
)
人
(
にん
)
086
莞爾
(
にこにこ
)
し
乍
(
なが
)
ら
立
(
た
)
つてゐる
087
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
嬉
(
うれ
)
しげに
088
テクに
向
(
むか
)
つて
声
(
こゑ
)
をかけ
089
リュウチナントのテクさまえ
090
お
前
(
まへ
)
は
本当
(
ほんたう
)
に
強
(
つよ
)
い
人
(
ひと
)
091
サアサアこれから
約束
(
やくそく
)
の
092
私
(
わたし
)
は
女房
(
にようばう
)
になりまする
093
握手
(
あくしゆ
)
を
一
(
ひと
)
つと
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
094
優
(
やさ
)
しき
白
(
しろ
)
き
手
(
て
)
を
出
(
だ
)
せば
095
握手
(
あくしゆ
)
所
(
どころ
)
かキッスでも
096
何
(
なん
)
でも
構
(
かま
)
はぬ
致
(
いた
)
します
097
エヘヽヽヽヽエヘヽヽヽ
098
涎
(
よだれ
)
をタラタラ
流
(
なが
)
しつつ
099
猿臂
(
ゑんぴ
)
を
伸
(
の
)
ばして
目
(
め
)
を
細
(
ほそ
)
め
100
白
(
しろ
)
き
腕
(
かひな
)
を
握
(
にぎ
)
らむと
101
なしたる
刹那
(
せつな
)
初稚姫
(
はつわかひめ
)
の
102
無比
(
むひ
)
のナイスはテクの
手
(
て
)
を
103
取
(
と
)
るより
早
(
はや
)
く
白
(
しろ
)
い
毛
(
け
)
を
104
現
(
あら
)
はし
玉
(
たま
)
へばテクの
奴
(
やつ
)
105
ハツと
呆
(
あき
)
れて
其
(
その
)
面
(
つら
)
を
106
見上
(
みあ
)
ぐる
途端
(
とたん
)
にあら
不思議
(
ふしぎ
)
107
目
(
め
)
は
釣上
(
つりあが
)
り
口元
(
くちもと
)
は
108
耳
(
みみ
)
迄
(
まで
)
さけし
其
(
その
)
姿
(
すがた
)
109
驚
(
おどろ
)
き
後辺
(
しりへ
)
にドツと
伏
(
ふ
)
し
110
眼
(
まなこ
)
キヨロキヨロ
光
(
ひか
)
らせば
111
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
忽
(
たちま
)
ちに
112
白狐
(
びやつこ
)
の
姿
(
すがた
)
と
還元
(
くわんげん
)
し
113
箒
(
はうき
)
のやうな
尾
(
を
)
をふつて
114
のそりのそりと
歩
(
あゆ
)
み
出
(
だ
)
す
115
ワックス
始
(
はじ
)
め
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
116
驚
(
おどろ
)
き
狼狽
(
あはて
)
逃迷
(
にげまよ
)
ひ
117
四
(
よ
)
人
(
にん
)
一度
(
いちど
)
に
陥穽
(
かんせい
)
に
118
バサリと
墜
(
お
)
ちて
其
(
その
)
姿
(
すがた
)
119
地上
(
ちじやう
)
に
見
(
み
)
えずなりにける
120
テクは
再
(
ふたたび
)
仰天
(
ぎやうてん
)
し
121
漸
(
やうや
)
く
腰
(
こし
)
を
立
(
た
)
て
乍
(
なが
)
ら
122
足
(
あし
)
もヒヨロ ヒヨロ バタバタと
123
勝手門
(
かつてもん
)
をば
潜
(
くぐ
)
り
脱
(
ぬ
)
け
124
尻
(
しり
)
はし
折
(
を
)
つて
一散
(
いつさん
)
に
125
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
隠
(
かく
)
れたる
126
タダスの
森
(
もり
)
に
走
(
はし
)
り
行
(
ゆ
)
く
127
日
(
ひ
)
は
漸
(
やうや
)
くに
黄昏
(
たそがれ
)
て
128
月
(
つき
)
は
御空
(
みそら
)
に
輝
(
かがや
)
けど
129
梢
(
こずゑ
)
の
茂
(
しげ
)
みに
遮
(
さへぎ
)
られ
130
一寸先
(
いつすんさき
)
も
見
(
み
)
え
分
(
わ
)
かぬ
131
暗
(
やみ
)
の
帳
(
とばり
)
は
下
(
お
)
りにけり
132
真純
(
ますみ
)
の
彦
(
ひこ
)
は
闇
(
やみ
)
の
森
(
もり
)
を
133
ブラリブラリと
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
る
134
此
(
この
)
時
(
とき
)
先方
(
むかふ
)
より
駆
(
か
)
け
来
(
きた
)
る
135
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
は
忽
(
たちま
)
ちに
136
真純
(
ますみ
)
の
彦
(
ひこ
)
の
胸板
(
むないた
)
に
137
ドンと
頭
(
あたま
)
を
打
(
う
)
ちつけて
138
アツと
許
(
ばか
)
りに
打倒
(
うちたふ
)
れ
139
ウンウン キヤアキヤア
唸
(
うな
)
りゐる
140
真純
(
ますみ
)
の
彦
(
ひこ
)
は
怪
(
あやし
)
みて
141
玉国別
(
たまくにわけ
)
をソツと
招
(
よ
)
び
142
火打
(
ひうち
)
を
取
(
とり
)
出
(
だ
)
し
火
(
ひ
)
を
点
(
てん
)
じ
143
よくよく
見
(
み
)
ればこは
如何
(
いか
)
に
144
斥候
(
せきこう
)
主任
(
しゆにん
)
のテクの
奴
(
やつ
)
145
ポカンと
口
(
くち
)
をあけ
乍
(
なが
)
ら
146
空
(
そら
)
を
仰
(
あふ
)
いで
倒
(
たふ
)
れゐる
147
其
(
その
)
スタイルは
池鮒
(
いけふな
)
の
148
泥
(
どろ
)
に
酔
(
よ
)
ひたる
如
(
ごと
)
くなり
149
アツパ アツパと
口
(
くち
)
あけて
150
目
(
め
)
をキヨロつかせ
眺
(
なが
)
めゐる。
151
真純彦
(
ますみひこ
)
はいろいろ
介抱
(
かいはう
)
をし、
152
テクを
抱
(
だ
)
き
起
(
おこ
)
し、
153
背中
(
せなか
)
を
打
(
う
)
つたり
撫
(
な
)
でたりし
乍
(
なが
)
ら、
154
真純
(
ますみ
)
『オイ、
155
テク、
156
確
(
しつか
)
りせむかい。
157
敵
(
てき
)
の
様子
(
やうす
)
は
何
(
ど
)
うだ。
158
三千彦
(
みちひこ
)
の
所在
(
ありか
)
は
分
(
わか
)
つたか。
159
サア
早
(
はや
)
く
報告
(
はうこく
)
せよ』
160
テクは
息
(
いき
)
苦
(
くる
)
しげに
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
り、
161
土
(
つち
)
の
上
(
うへ
)
に
両手
(
りやうて
)
を
付
(
つ
)
いて、
162
テク『ヘー、
163
どうも
大変
(
たいへん
)
で
厶
(
ござ
)
います。
164
夫
(
そ
)
れは
夫
(
そ
)
れは
日
(
ひ
)
の
下
(
した
)
開山
(
かいさん
)
世界一
(
せかいいち
)
の
大角力
(
おほすまふ
)
が
初
(
はじ
)
まつてをりました。
165
私
(
わたし
)
も
其
(
その
)
角力
(
すまふ
)
に
参加
(
さんか
)
して
大勝利
(
だいしようり
)
を
得
(
え
)
ました。
166
そして、
167
キヽキツネのニヨニヨ
女
(
によ
)
ン
房
(
ばう
)
を
褒美
(
はうび
)
に
貰
(
もら
)
いました』
168
真純
(
ますみ
)
『オイ、
169
テク、
170
確
(
しつか
)
りせぬかい。
171
偵察
(
ていさつ
)
は
何
(
ど
)
うだつたい。
172
此
(
この
)
永
(
なが
)
の
日
(
ひ
)
を
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
、
173
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
は
待
(
ま
)
つてゐたのぢやないか、
174
何
(
なに
)
をして
居
(
を
)
つたのだ。
175
サア
詳細
(
つぶさ
)
に
注進
(
ちうしん
)
せい』
176
テク『イヤもう、
177
化物
(
ばけもの
)
屋敷
(
やしき
)
の
探険
(
たんけん
)
には、
178
流石
(
さすが
)
のテクもテクずりました。
179
角力取
(
すまふとり
)
が
穴
(
あな
)
へおちたり、
180
狐
(
きつね
)
が
現
(
あら
)
はれたり、
181
バラモンのワックスが
見物
(
けんぶつ
)
に
出
(
で
)
て
来
(
き
)
たり、
182
それはそれは
大
(
たい
)
した
人気
(
にんき
)
で
厶
(
ござ
)
いましたよ。
183
折角
(
せつかく
)
、
184
命
(
いのち
)
カラガラ
大勝利
(
だいしようり
)
を
得
(
え
)
て、
185
初稚姫
(
はつわかひめ
)
といふ
古今
(
ここん
)
無双
(
むさう
)
のナイスを
女房
(
にようばう
)
に
持
(
も
)
つたと
思
(
おも
)
へば、
186
キヽ
狐
(
きつね
)
になつて、
187
のそりのそりと
這
(
は
)
ひ
出
(
だ
)
しました。
188
イヤもう、
189
怖
(
こは
)
いの
怖
(
こは
)
くないのつて、
190
口
(
くち
)
でいふやうな
事
(
こと
)
ぢやありませぬワ。
191
酒
(
さけ
)
の
酔
(
よひ
)
も
何
(
なに
)
も、
192
一度
(
いちど
)
に
何処
(
どつか
)
へか
逐転
(
ちくてん
)
して
了
(
しま
)
ひました。
193
あゝあ、
194
あゝ
苦
(
くる
)
しい。
195
こんな
怖
(
おそ
)
ろしい
苦
(
くる
)
しい
事
(
こと
)
は、
196
生
(
うま
)
れてからまだありませぬワ。
197
モシ
玉国別
(
たまくにわけ
)
先生
(
せんせい
)
、
198
あんな
所
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
くが
最後
(
さいご
)
、
199
陥穽
(
おとしあな
)
へ
堕
(
おと
)
されますよ。
200
そして
彼処
(
あこ
)
の
奴
(
やつ
)
ア、
201
人間
(
にんげん
)
と
思
(
おも
)
うてたら
騙
(
だま
)
されますよ。
202
皆
(
みな
)
狐
(
きつね
)
になりますよ。
203
あんな
危険
(
きけん
)
な
所
(
ところ
)
へは
行
(
い
)
て
下
(
くだ
)
さりますな。
204
御
(
おん
)
身
(
み
)
が
大切
(
たいせつ
)
で
厶
(
ござ
)
いますから……』
205
真純
(
ますみ
)
『オイテク、
206
一向
(
いつかう
)
要領
(
えうりやう
)
を
得
(
え
)
ぬぢやないか、
207
モツと
明瞭
(
はつきり
)
報告
(
はうこく
)
せないか』
208
テク『ヘーヘー、
209
要領
(
えうりやう
)
を
得
(
え
)
ないのは
当然
(
たうぜん
)
ですよ。
210
私
(
わたし
)
も
要領
(
えうりやう
)
を
得損
(
えそこな
)
つたのですからなア。
211
……
本当
(
ほんたう
)
に
本当
(
ほんたう
)
に、
212
古今
(
ここん
)
独歩
(
どつぽ
)
、
213
珍無類
(
ちんむるゐ
)
の
奇妙
(
きめう
)
奇天烈
(
きてれつ
)
な、
2131
目
(
め
)
に
会
(
あ
)
つて
来
(
き
)
ましたワイ』
214
真純
(
ますみ
)
『
三千彦
(
みちひこ
)
の
消息
(
せうそく
)
は
分
(
わか
)
つたか』
215
テク『
余
(
あま
)
り
怖
(
こは
)
くつて、
216
目
(
め
)
が
眩
(
くら
)
み、
217
みち
彦
(
ひこ
)
も
川彦
(
かはひこ
)
も
何
(
なに
)
も
分
(
わか
)
りませぬ。
218
これ
丈
(
だけ
)
暗
(
くら
)
いと、
219
人
(
ひと
)
に
行
(
ゆき
)
当
(
あた
)
つても、
220
知
(
し
)
れないのですから、
221
どして
みち
彦
(
ひこ
)
が
分
(
わか
)
りませうかい。
222
あゝあ ホンニホンニうすい
目
(
め
)
に
会
(
あ
)
うたものだ』
223
真純
(
ますみ
)
『
困
(
こま
)
つた
奴
(
やつ
)
だなア。
224
何
(
なん
)
の
為
(
ため
)
の
使
(
つかひ
)
だ。
225
チツと
確
(
しつか
)
りせぬかい』
226
玉国
(
たまくに
)
『オイ、
227
テク、
228
少
(
すこ
)
し
気
(
き
)
を
落付
(
おちつ
)
けて
悠
(
ゆつく
)
りと
話
(
はな
)
してくれ。
229
お
前
(
まへ
)
の
言葉
(
ことば
)
ではチツとも
要領
(
えうりやう
)
が
分
(
わか
)
らぬからのう』
230
テクは
暫
(
しばら
)
く
休息
(
きうそく
)
した
上
(
うへ
)
、
231
館
(
やかた
)
の
表
(
おもて
)
より
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
つて、
232
裏庭
(
うらには
)
を
見
(
み
)
れば
角力
(
すまふ
)
が
始
(
はじ
)
まりかけてゐた
事
(
こと
)
や、
233
自分
(
じぶん
)
が
角力
(
すまふ
)
を
取
(
と
)
つて
勝
(
か
)
つた
事
(
こと
)
、
234
初稚姫
(
はつわかひめ
)
と
思
(
おも
)
つた
女
(
をんな
)
は
大
(
おほ
)
きな
白狐
(
びやつこ
)
であつた
事
(
こと
)
などを
細々
(
こまごま
)
と
復命
(
ふくめい
)
した。
235
そして
三千彦
(
みちひこ
)
外
(
ほか
)
二人
(
ふたり
)
の
行衛
(
ゆくゑ
)
は
分
(
わか
)
らなかつたが、
236
大方
(
おほかた
)
陥穽
(
おとしあな
)
へ
落
(
お
)
ちてゐるだらう……と
心配
(
しんぱい
)
相
(
さう
)
に
答
(
こた
)
へた。
237
玉国別
(
たまくにわけ
)
は
暫
(
しばら
)
く
首
(
くび
)
を
傾
(
かたむ
)
け
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れてゐた。
238
真純
(
ますみ
)
『モシ
先生
(
せんせい
)
、
239
どう
致
(
いた
)
しませうか、
240
三千彦
(
みちひこ
)
以下
(
いか
)
二人
(
ふたり
)
を、
241
此
(
この
)
儘
(
まま
)
放任
(
はうにん
)
する
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
かず、
242
ぢやと
云
(
い
)
つて、
243
此
(
この
)
暗
(
くら
)
いのにうつかり
行
(
ゆ
)
かうものなら、
244
又
(
また
)
もや
陥穽
(
おとしあな
)
へ
突込
(
つつこ
)
まれちや
大変
(
たいへん
)
ですからなア』
245
アンチー『モシ、
246
先生
(
せんせい
)
様
(
さま
)
、
247
そんな
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
は
要
(
い
)
りませぬ。
248
私
(
わたし
)
が
御
(
ご
)
恩報
(
おんはう
)
じに
瀬
(
せ
)
ぶみを
致
(
いた
)
しますから、
249
何卒
(
どうぞ
)
後
(
あと
)
から
足跡
(
あしあと
)
を
踏
(
ふ
)
んで
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さい。
250
若
(
も
)
し
私
(
わたし
)
が
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
むだら、
251
そこを
通
(
とほ
)
らない
様
(
やう
)
にして
下
(
くだ
)
されば、
252
それで
安心
(
あんしん
)
でせう。
253
サア
参
(
まゐ
)
りませう。
254
グヅグヅして
居
(
を
)
つては
255
三千彦
(
みちひこ
)
様
(
さま
)
御
(
ご
)
夫婦
(
ふうふ
)
を
始
(
はじ
)
め
伊太彦
(
いたひこ
)
さまが
何
(
ど
)
うなるか
知
(
し
)
れませぬ。
256
あの
館
(
やかた
)
には
沢山
(
たくさん
)
の
兵士
(
へいし
)
が
居
(
を
)
るといふ
事
(
こと
)
ですからなア』
257
玉国
(
たまくに
)
『
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
充分
(
じうぶん
)
注意
(
ちうい
)
をして
進
(
すす
)
む
事
(
こと
)
にせう。
258
オイ、
259
テク、
260
お
前
(
まへ
)
はモウ、
261
バーチルさまの
館
(
やかた
)
へ
帰
(
かへ
)
り、
262
番頭
(
ばんとう
)
さまの
役
(
やく
)
を
忠実
(
ちうじつ
)
に
勤
(
つと
)
めたがよからう。
263
狼狽者
(
あわてもの
)
を
伴
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
くと、
264
却
(
かへつ
)
て
作戦
(
さくせん
)
計画
(
けいくわく
)
の
齟齬
(
そご
)
を
来
(
きた
)
すからなア』
265
テク『
滅相
(
めつさう
)
もない、
266
どこ
迄
(
まで
)
もお
伴
(
とも
)
を
致
(
いた
)
します、
267
大抵
(
たいてい
)
の
所
(
ところ
)
は
勝手
(
かつて
)
を
知
(
し
)
つてゐます。
268
滅多
(
めつた
)
に
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
む
様
(
やう
)
なこた
致
(
いた
)
しませぬ。
269
何程
(
なにほど
)
暗
(
くら
)
くても、
270
空
(
そら
)
さへ
見
(
み
)
れば
梢
(
こずゑ
)
の
調子
(
てうし
)
で、
271
此処
(
ここ
)
は
何処
(
どこ
)
だ
位
(
ぐらい
)
の
事
(
こと
)
は
分
(
わか
)
つてゐますからなア』
272
アンチー『
然
(
しか
)
らば
私
(
わたし
)
が
先頭
(
せんとう
)
を
仕
(
つかまつ
)
りませう。
273
あの
屋敷
(
やしき
)
は
私
(
わたし
)
も、
274
三
(
さん
)
年
(
ねん
)
以前
(
いぜん
)
にチヨコ チヨコいつた
事
(
こと
)
があります。
275
……オイ、
276
テクさま、
277
お
前
(
まへ
)
は
一番
(
いちばん
)
後
(
あと
)
から
先生
(
せんせい
)
を
守
(
まも
)
つてついて
来
(
こ
)
い、
278
……
279
暗
(
やみ
)
の
帳
(
とばり
)
は
下
(
おろ
)
されて
280
一寸先
(
いつすんさき
)
は
見
(
み
)
えず
共
(
とも
)
281
心
(
こころ
)
の
空
(
そら
)
の
日月
(
じつげつ
)
は
282
鏡
(
かがみ
)
の
如
(
ごと
)
く
輝
(
かがや
)
けり
283
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
や
284
真純
(
ますみ
)
の
彦
(
ひこ
)
に
従
(
したが
)
ひて
285
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
二人
(
ふたり
)
は
勇
(
いさ
)
ましく
286
バラモン
教
(
けう
)
の
悪神
(
あくがみ
)
の
287
醜
(
しこ
)
の
館
(
やかた
)
を
指
(
さ
)
して
行
(
ゆ
)
く
288
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
暗
(
くら
)
いと
云
(
い
)
つたとて
289
元
(
もと
)
より
盲
(
めくら
)
でないものは
290
暗
(
やみ
)
になれたら
明
(
あか
)
くなる
291
只
(
ただ
)
恐
(
おそ
)
るるは
足許
(
あしもと
)
の
292
百足
(
むかで
)
や
蝮
(
まむし
)
の
類
(
やから
)
のみ
293
それの
危難
(
きなん
)
を
遁
(
のが
)
れるは
294
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
295
教
(
をし
)
へ
玉
(
たま
)
ひし
数歌
(
かずうた
)
を
296
一
(
ひと
)
二
(
ふた
)
三
(
み
)
四
(
よ
)
五
(
いつ
)
つ
六
(
む
)
つ
297
七
(
なな
)
八
(
や
)
九
(
ここの
)
つ
十
(
たり
)
百
(
もも
)
千
(
ち
)
298
万
(
よろづ
)
と
称
(
とな
)
へ
進
(
すす
)
むなら
299
如何
(
いか
)
なる
曲
(
まが
)
も
恐
(
おそ
)
るべき
300
却
(
かへつ
)
て
先方
(
むかふ
)
が
戦
(
をのの
)
きて
301
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
逃
(
に
)
げるだらう
302
三千彦
(
みちひこ
)
さまのお
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
303
デビスの
姫
(
ひめ
)
や
伊太彦
(
いたひこ
)
の
304
悩
(
なや
)
みを
案
(
あん
)
じ
煩
(
わづら
)
ひつ
305
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
のはやるまに
306
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
を
身
(
み
)
に
浴
(
あ
)
びて
307
敵
(
てき
)
の
館
(
やかた
)
へ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
308
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
309
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
310
玉国別
(
たまくにわけ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
311
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
一行
(
いつかう
)
恙
(
つつが
)
なく
312
三千彦
(
みちひこ
)
様
(
さま
)
の
一行
(
いつかう
)
を
313
救
(
すく
)
はせ
玉
(
たま
)
へと
願
(
ね
)
ぎまつる
314
俄
(
にはか
)
番頭
(
ばんとう
)
のテクさまが
315
真昼
(
まひる
)
の
内
(
うち
)
に
偵察
(
ていさつ
)
と
316
お
出
(
で
)
かけなされて
泡
(
あわ
)
をふき
317
大化物
(
おほばけもの
)
や
昼狐
(
ひるぎつね
)
318
得体
(
えたい
)
の
知
(
し
)
れぬ
怪物
(
くわいぶつ
)
に
319
肝
(
きも
)
を
奪
(
と
)
られて
帰
(
かへ
)
り
来
(
く
)
る
320
其
(
その
)
光景
(
くわうけい
)
の
可笑
(
をか
)
しさよ
321
此
(
この
)
アンチーはどこ
迄
(
まで
)
も
322
狐
(
きつね
)
や
狸
(
たぬき
)
にや
恐
(
おそ
)
れない
323
無人
(
むじん
)
の
島
(
しま
)
に
三歳
(
みとせ
)
ぶり
324
大蛇
(
をろち
)
や
鷹
(
たか
)
と
相棲居
(
あひずまゐ
)
325
一旦
(
いつたん
)
鬼
(
おに
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
に
326
成
(
なり
)
さがりたる
経験
(
けいけん
)
上
(
じやう
)
327
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
悪魔
(
あくま
)
が
攻
(
せ
)
め
来
(
く
)
共
(
とも
)
328
決
(
けつ
)
して
恐
(
おそ
)
るるものでない
329
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
よ
330
真純
(
ますみ
)
の
彦
(
ひこ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
331
心
(
こころ
)
平
(
たひら
)
に
安
(
やす
)
らかに
332
アンチーの
後
(
あと
)
を
目当
(
めあて
)
とし
333
進
(
すす
)
ませ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
334
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りで
安全
(
あんぜん
)
な
335
場所
(
ばしよ
)
へ
案内
(
あんない
)
致
(
いた
)
します』
336
かく
小声
(
こごゑ
)
で
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
337
チルテル
館
(
やかた
)
の
裏門
(
うらもん
)
から
足元
(
あしもと
)
に
気
(
き
)
を
付
(
つ
)
け
乍
(
なが
)
ら、
338
アンチー、
339
テクは
後先
(
あとさき
)
に
立
(
た
)
つて
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
340
(
大正一二・四・二
旧二・一七
於皆生温泉浜屋
松村真澄
録)
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