霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第八章 擬侠心(ぎけふしん)〔一八一四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第64巻下 山河草木 卯の巻下 篇:第2篇 鬼薊の花 よみ(新仮名遣い):おにあざみのはな
章:第8章 擬侠心 よみ(新仮名遣い):ぎきょうしん 通し章番号:1814
口述日:1925(大正14)年08月19日(旧06月30日) 口述場所:丹後由良 秋田別荘 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年11月7日
概要: 舞台:橄欖山麓 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-05-25 09:50:28 OBC :rm64b08
愛善世界社版:101頁 八幡書店版:第11輯 533頁 修補版: 校定版:101頁 普及版:63頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎著作集 > 第二巻「変革と平和」 > 第三部 『霊界物語』の思想 > 擬侠心
001四、五人の労働者(ぼく)人生(じんせい)はどこにある
002(あさ)から(ばん)までタラタラと
003汗水(あせみづ)しぼつて金儲(かねまう)
004しようと(おも)つて人並(ひとなみ)
005(くる)しみ(もだ)汗膏(あせあぶら)
006(ほとん)()きた(この)(からだ)
007(あぶら)のやうに(しぼ)られて
008身体(しんたい)(とみ)骨立(こつりつ)
009悲鳴(ひめい)をあぐるその(うち)
010(きみ)(ぼく)との人生(じんせい)
011(ふか)(ひそ)んでゐるのだらう
012(おも)へよ(おも)(とも)(きみ)
013資本(しほん)主義(しゆぎ)なる()(なか)
014キヤピタリズムを(とな)ふれば
015大罪悪(だいざいあく)酵母(かうぼ)だよ
016殺人(さつじん)強盗(がうたう)強姦(がうかん)
017詐偽(さぎ)窃盗(せつたう)脅喝(けふかつ)
018まだあるまだある沢山(たくさん)
019これもヤツパリ吾々(われわれ)
020人生(じんせい)(ところ)する余儀(よぎ)なき手段(しゆだん)であるだらう
021このやうな(こと)になつたのも
022キヤピタリズムの(たまもの)
023不労(ふらう)所得者(しよとくしや)(たまもの)
024ガンヂガラミに(しば)つてる
025その方法(はうはふ)警察(けいさつ)
026裁判所(さいばんしよ)刑務所(けいむしよ)
027(ひと)つひどいのは絞首台(かうしゆだい)
028おまけに憲兵(けんぺい)軍隊(ぐんたい)
029まだまだ無数(むすう)手段(しゆだん)ある
030蜘蛛(くも)()よりも巧妙(かうめう)
031鋼鉄(かうてつ)よりも頑強(ぐわんきやう)
032無数(むすう)吸盤(きふばん)吾々(われわれ)
033生血(いきち)()ふたり(あぶら)をば
034ねぶつて(くら)資本(しほん)主義(しゆぎ)
035制度(せいど)(この)()にある(かぎ)
036(きみ)()(われ)()(たす)からぬ
037(そも)人生(じんせい)のおき(どこ)
038(わる)かつた(ため)吾々(われわれ)
039(はだへ)(さむ)(はら)()
040(しまひ)にや(しば)られ(ころ)される
041(なん)とかせねばならうまい
042悪逆(あくぎやく)無道(ぶだう)(この)制度(せいど)
043()てや、こらせやブル階級(かいきふ)
044(ふる)へよ、()てやプロレタリヤ
045()つべき(とき)(いま)なるぞ
046政治(せいぢ)宗教(しうけう)法律(はふりつ)
047倫理(りんり)修身(しうしん)(なん)になる
048(われ)()(いのち)(まと)にかけ
049子孫(しそん)のために悪制度(あくせいど)
050破壊(はくわい)せなくちや人生(じんせい)
051大本分(だいほんぶん)(つく)せない
052()てや(こら)せやブルジョアを』
053四五(しご)(にん)労働者(らうどうしや)(あか)(はた)()てて橄欖山(かんらんさん)(ろく)(あゆ)んで()る。054()(かま)へて()数名(すうめい)警官(けいくわん)有無(うむ)()はせず一人(ひとり)(のこ)らずフン(じば)つて(しま)つた。
055警官(けいくわん)『コリヤ、056その(はう)(いま)(なに)(うた)つてゐた。057不穏(ふおん)(みと)めるから捕縛(ほばく)したのだ。058調(しら)べる(こと)があるからエルサレム(しよ)(まで)キリキリ(あゆ)め』
059 その(うち)一人(ひとり)(さかん)(くび)()(なが)ら、
060トロッキー『オイ、061ポリス、062馬鹿(ばか)にすな、063(おれ)(たち)はもとより主義(しゆぎ)()めに生命(いのち)()ててゐるものだから、064拘引(こういん)(ぐらゐ)()(ちや)とも(おも)つてゐないが、065(しか)(なが)ら、066人民(じんみん)(こゑ)()いて(かへりみ)たがよからうぞ。067貴様(きさま)(なん)だ、068(わづ)かな()くされ(がね)(もら)ひやがつて人民(じんみん)怨府(ゑんぷ)になり、069時代(じだい)錯誤(さくご)張本人(ちやうほんにん)部下(ぶか)となつて、070その()(くら)すとは(まこと)(あは)れつぽいものだのう。071(おれ)は、072かう()えても世界(せかい)有名(いうめい)なトロッキーだ。073どうだ、074(いま)(この)(さい)(おれ)()(こと)()いて一同(いちどう)(ばく)()くか、075それとも時代(じだい)目醒(めざ)めずして(おれ)(たち)拘引(こういん)するか。076(たちま)(なんぢ)頭上(づじやう)(わざはひ)(きた)るは電光(でんくわう)石火(せきくわ)よりも(すみや)かだぞ。077(この)聖地(せいち)には(おれ)部下(ぶか)(ほとん)七八分(しちはちぶ)ある(はず)だ。078それだから何程(なにほど)法律(はふりつ)(やかま)しく()つても、079宗教(しうけう)(さけ)んでも駄目(だめ)だ。080覚醒(かくせい)するなら(いま)だが、081どうだ、082返答(へんたふ)()かう。083それまでは一寸(いつすん)だつて吾々(われわれ)(うご)かないぞ』
084 警官(けいくわん)(たがひ)(かほ)見合(みあは)せ、085トロッキーと()いて、086(やや)恐怖心(きようふしん)()られてゐる。087警官(けいくわん)(おのおの)(みみ)(くち)()善後策(ぜんごさく)について協議(けふぎ)をやつてゐる。088そこへ守宮別(やもりわけ)089(はな)両人(りやうにん)がホロ(ゑひ)機嫌(きげん)(あら)はれ()たり、
090守宮(やもり)『オ、091これはこれは(たれ)かと(おも)へば警官(けいくわん)092こなたで(ござ)るか。093さてもさても沢山(たくさん)得物(えもの)(ござ)つたものだな。094エー、095(しか)(なが)ら、096()忠言(ちうげん)(おそ)()りますが、097一寸(ちよつと)098(わし)()(こと)()いて(くだ)さい。099(なが)くお(ひま)はとりません。100(なん)のために労働者(らうどうしや)をお(しば)りになつたのですか、101労働者(らうどうしや)(そもそ)国家(こくか)生産(せいさん)機関(きくわん)基礎(きそ)(ござ)いますよ』
102トロッキー『イヤ、103(まへ)さまが(うはさ)(たか)日出島(ひのでじま)守宮別(やもりわけ)さまだな、104そして、105そこにゐるのは有名(いうめい)なお(とら)さまかい』
106守宮(やもり)『イヤ、107(とら)さまは、108一寸(ちよつと)様子(やうす)があつて(この)(ごろ)霊城(れいじやう)神界(しんかい)のため立籠(たてこ)もつてゐられますよ。109(わたし)はお(とら)さまのお弟子(でし)と、110……エー……、111神界(しんかい)御用(ごよう)でお(やま)(まい)途中(とちう)ですが、112貴方(あなた)()(しば)られとるのを()て、113どうも、114黙過(もくくわ)する(わけ)にも()かず、115(いま)警官(けいくわん)とかけあつてゐる(ところ)ですよ。116(また)(なん)のために、117こんな()にお()ひになつたのですか』
118トロッキー『今日(けふ)全国(ぜんこく)農民(のうみん)労働(らうどう)祝福(しゆくふく)すると(とも)に、119暴逆(ばうぎやく)(きは)まる資本(しほん)主義(しゆぎ)搾取(さくしゆ)圧制(あつせい)(たい)し、120一斉(いつせい)抗議(かうぎ)()げつけるため、121世界(せかい)無産(むさん)階級(かいきふ)のために友情(いうじやう)(しめ)し、122(また)吾々(われわれ)団体(だんたい)決意(けつい)団結(だんけつ)一層(いつそう)強固(きやうこ)ならむ(こと)(ちか)ふために、123示威(じゐ)運動(うんどう)全国(ぜんこく)一斉(いつせい)(おこな)()です。124農民(のうみん)組合員(くみあひゐん)一人(ひとり)()()ちなく、125婦人(ふじん)少年(せうねん)も、126これに(くは)はつて吾々(われわれ)無産(むさん)階級(かいきふ)団体(だんたい)(つく)るための運動(うんどう)最中(さいちう)127わからずやのポリスに(ひつ)かかつたのですよ。128警官(けいくわん)(なん)()ふか()りませぬが一同(いちどう)農民歌(のうみんか)(うた)はせますから、129それを()いて農民(のうみん)苦境(くきやう)をお(さと)(くだ)さい』
130 『農民歌(のうみんか)(はじ)め』と号令(がうれい)するや(しば)られた(ろく)(にん)(はじ)め、131その附近(ふきん)()つて()人々(ひとびと)(くち)(そろ)へて(うた)()した。132警官(けいくわん)呆気(あつけ)にとられて(だま)つて()いてゐる。
133一同(のう)(うま)れて(のう)()
134(つち)(たがや)(つち)()
135(やせ)たる(つち)(かを)りにも
136(あせ)(なみだ)()きむとす
137(わが)生活(せいくわつ)悲愴(ひさう)さは
138ブルジョア階級(かいきふ)(ゆめ)にだに
139感知(かんち)()ざる悲惨(ひさん)さよ
140アヽ(わが)生命(せいめい)(ちから)あれ
141(わが)運動(うんどう)(ちから)あれ。
142
 
143(はる)幾度(いくたび)(めぐ)れども
144()みおごれるは農民(のうみん)
145吾々(われわれ)老若(らうにやく)男女(なんによ)()
146(あせ)(あぶら)賜物(たまもの)
147(あせ)とあぶらを(さかづき)
148()んでは(はな)にたわむれつ
149(あき)(つき)をば(なぐさ)めに
150(さけ)()(かは)すブル階級(かいきふ)
151(さむ)()ゑたる同胞(はらから)
152(さげす)(わら)(むちう)てり
153(おに)大蛇(をろち)(おほかみ)
154悪魔(あくま)のはばる(この)世界(せかい)
155立替(たてかへ)せずにおくべきか
156(われ)()生命(いのち)(ちから)あれ
157(われ)()運動(うんどう)(ちから)あれ。
158
 
159たぎるが(ごと)小山田(をやまだ)
160真夏(まなつ)真昼(まひる)孜々(しし)として
161(たき)なす(あせ)をしぼるのも
162(きた)らむ(あき)八百穂(やほかい)
163(いね)()のりの肥料(こやし)ぞと
164苦熱(くねつ)(しの)(くさ)とれば
165高楼(かうろう)絃歌(げんか)にさんざめく
166(われ)()(いのち)(まと)として
167(この)悪風(あくふう)根絶(こんぜつ)
168(われ)()未来(みらい)(すく)ふべし
169未来(みらい)(われ)()のものなるぞ
170(わが)活動(くわつどう)(ちから)あれ
171(わが)生命(せいめい)(ちから)あれ
172
 
173(あけぼの)(しろ)(ほし)(さむ)
174(やいば)(ごと)(あき)(かぜ)
175山野(さんや)(くさ)()(つく)
176地上(ちじやう)一面(いちめん)(しも)をおき
177(かま)(にぎ)れる(この)手先(てさき)
178(しも)ふみしめし(あし)(さき)
179(ひび)凍傷(しもやけ)血走(ちばし)れど
180(いこ)はむ(ひま)さへなかりしが
181その収穫(しうくわく)大部分(だいぶぶん)
182地主(ぢぬし)(くら)(をさ)まりて
183(さび)しく()ける寒狐(かんぎつね)
184()(いへ)さへも(かべ)()
185()るも悲惨(ひさん)光景(くわうけい)
186あゝ人生(じんせい)はかくの(ごと)
187悲惨(ひさん)一生(いつしやう)(とほ)すのか
188否々(いないな)(けつ)してさうでない
189(てん)(あた)へし田種物(たなつもの)
190(はたら)くものの所有(しよいう)ぞや
191不労(ふらう)所得者(しよとくしや)権力(けんりよく)
192どこに一点(いつてん)あるものか
193(われ)()運動(うんどう)(ちから)あれ
194未来(みらい)(われ)()のものなるぞ。
195
 
196(あせ)(なみだ)()(ささ)
197地上(ちじやう)()がく芸術(げいじゆつ)
198(ほこ)りも(むな)しく(ゆめ)()
199(あせ)(なみだ)(よご)れたる
200(われ)()辛苦(しんく)結晶(けつしやう)
201奢侈(しやし)逸楽(いつらく)犠牲(にへ)となり
202(うゑ)(さむ)さに()()()
203あゝこの惨状(さんじやう)をいかにして
204いつ(まで)看過(かんくわ)出来(でき)やうか
205(われ)()(いのち)(ちから)あれ
206未来(みらい)(われ)()のものなるぞ。
207
 
208(とつ)何者(なにもの)奸策(かんさく)
209正義(せいぎ)(やいば)()(けぶり)
210自由(じいう)(つるぎ)をとりて()
211雄々(をを)しき勇士(ゆうし)といたはしき
212妻子(つまこ)(うへ)迫害(はくがい)
213()()(くだ)れり爪先(つまさき)
214敏鎌(とかま)(ごと)(とぎ)すまし
215(われ)()大切(だいじ)(たま)()
216()らむと(たく)むブル階級(かいきふ)
217(たふ)さにやならぬ吾々(われわれ)
218この()この(まま)()いたなら
219(かれ)()(ため)(ほろ)ぼされ
220子孫(しそん)断絶(だんぜつ)するだらう
221(われ)()生命(いのち)(ちから)あれ
222(われ)()運動(うんどう)(ちから)あれ
223未来(みらい)(われ)()のものなるぞ。
224
 
225(かべ)()(のき)(かたむ)けど
226()(しやく)(からだ)休養(きうやう)する
227(ため)には自由(じいう)(ほこ)りあり
228(われ)()(まづ)しく(つか)れしも
229(いだ)真理(しんり)(ひかり)あり
230(なが)搾取(さくしゆ)圧制(あつせい)
231反逆(はんぎやく)すべく()てるなり
232未来(みらい)(われ)()のものなるぞ
233()てよ(こら)せよブル階級(かいきふ)
234
 
235(きみ)()ざるや農民(のうみん)
236全土(ぜんど)(おほ)ひし団結(だんけつ)
237(きみ)()かざるや農民(のうみん)
238(きた)れよ(とも)よと()(こゑ)
239あゝ(いま)(われ)()()たずんば
240混沌(こんとん)()如何(いか)にせむ
241()てよ(ふる)へよ(いか)れよ(くる)
242未来(みらい)(われ)()のものなるぞ』
243トロッキー『()吾々(われわれ)主義(しゆぎ)(この)(とほ)りで(ござ)います、244(なが)らくの(あひだ)245農民(のうみん)地主(ぢぬし)資本家(しほんか)のために生血(いきち)(しぼ)られ、246痩衰(やせおとろ)へて(まゐ)りました。247その(ため)国家(こくか)大本(たいほん)たるべき農民(のうみん)身体(しんたい)骨立(こつりつ)満足(まんぞく)(はたら)きも出来(でき)ないのです。248これに(はん)して不労(ふらう)所得者(しよとくしや)たるブル階級(かいきふ)(ぶた)(ごと)く、249(ざう)(ごと)肥太(こえふと)つて()ります。250これも(みな)貧民(ひんみん)生血(いきち)搾取(さくしゆ)した結果(けつくわ)です。251(かみ)()()まれたる吾々(われわれ)人間(にんげん)が、252どうして(この)惨状(さんじやう)真面目(まじめ)()てゐる(こと)出来(でき)ませうか。253如何(いか)宗教(しうけう)倫理(りんり)()くとも、254天国(てんごく)()くとも、255法律(はふりつ)八釜(やかま)しく取締(とりしま)つても、256パンなくして(ひと)()生活(せいくわつ)する(こと)出来(でき)ますまい。257そのパンの大部分(だいぶぶん)搾取(さくしゆ)する(おに)大蛇(をろち)階級(かいきふ)蕩滅(たうめつ)し、258平等愛(びやうどうあい)世界(せかい)(つく)()げるのは、259吾々(われわれ)志士(しし)たるものの天職(てんしよく)ではありませぬか。260無論(むろん)宗教(しうけう)精神(せいしん)(てき)人類(じんるゐ)(すく)ふでせうが、261焦眉(せうび)(きふ)なる衣食住(いしよくぢう)問題(もんだい)閑却(かんきやく)しては、262宗教(しうけう)権威(けんゐ)有難味(ありがたみ)(ござ)いますまい。263そんな()ぬるい手段(しゆだん)では、264今日(こんにち)()(すく)(こと)駄目(だめ)だと(おも)ひます』
265守宮(やもり)成程(なるほど)(もつと)千万(せんばん)だ、266(ぼく)大賛成(だいさんせい)(いた)します。267もし警官(けいくわん)どの、268どうか(この)(あは)れな労働者(らうどうしや)解放(かいはう)して(くだ)さい。269その(かは)拙者(せつしや)代人(だいにん)となり(くく)られませう』
270(はな)『これ、271守宮別(やもりわけ)さま、272(なん)()(こと)を、273(まへ)さまは仰有(おつしや)るのだい。274(ひと)(つみ)(まで)引受(ひきう)けると()(こと)が、275何処(どこ)にありますか。276(わたし)をどうして(くだ)さるおつもりですか』
277守宮(やもり)『ナザレのイエス・キリストでさへも世界(せかい)万民(ばんみん)のため十字架(じふじか)にかかられたぢやないか。278(おれ)がいつも(さけ)()んで浮世(うきよ)三分(さんぶ)五厘(ごりん)(くら)してゐるのも、279社会(しやくわい)人類(じんるゐ)のため(いのち)()()してゐるからだ。280ブラバーサやお(とら)さまの(やう)(くち)ばつかり()つて()つても(まこと)()けりや駄目(だめ)だ。281(おれ)(これ)から無産(むさん)階級者(かいきふしや)代表(だいへう)となつて処刑(しよけい)()けるつもりだ』
282(はな)『それも、283さうで(ござ)いませうが、284これ守宮別(やもりわけ)さま、285(まへ)さまが、286そんな(ところ)()つた(あと)は、287(わたし)はどうするのですか』
288守宮(やもり)『お(まへ)は、289(せい)()してお(さけ)差入(さしいれ)をするのだ』
290(はな)(さけ)なんか差入(さしいれ)出来(でき)ますまい』
291守宮(やもり)出来(でき)いでかい。292(いま)役人(やくにん)(みな)(ひだ)(はら)をかかへてブリキを()つて威張(ゐば)つてゐるから、293ソツと(かね)さへやれや(なん)でも、294()(こと)()くよ』
295 かかる(ところ)(には)かに四辺(あたり)騒々(さうざう)しく数百(すうひやく)(にん)の、296暴漢(ばうかん)(あら)はれて警官(けいくわん)十重(とへ)二十重(はたへ)にとりまき袋叩(ふくろだた)きにして(しま)つた。297トロッキーと名乗(なの)(をとこ)298(およ)(ばく)されて()連中(れんちう)は、299この(すき)(おのおの)縄目(なはめ)をとき凱歌(がいか)をあげ何処(どこ)ともなく()えて(しま)つた。300守宮別(やもりわけ)(はな)得意(とくい)になり、301鼻歌(はなうた)(うた)(なが)橄欖山(かんらんさん)(じやう)()がけて(のぼ)()くのであつた。
302大正一四・八・一九 旧六・三〇 於丹後由良 北村隆光録)

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