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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第64巻(卯の巻)下
序文
総説
第1篇 復活転活
第1章 復活祭
第2章 逆襲
第3章 草居谷底
第4章 誤霊城
第5章 横恋慕
第2篇 鬼薊の花
第6章 金酒結婚
第7章 虎角
第8章 擬侠心
第9章 狂怪戦
第10章 拘淫
第3篇 開花落花
第11章 狂擬怪
第12章 開狂式
第13章 漆別
第14章 花曇
第15章 騒淫ホテル
第4篇 清風一過
第16章 誤辛折
第17章 茶粕
第18章 誠と偽
第19章 笑拙種
第20章 猫鞍干
第21章 不意の官命
第22章 帰国と鬼哭
余白歌
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霊界物語
>
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
>
第64巻(卯の巻)下
> 第4篇 清風一過 > 第20章 猫鞍干
<<< 笑拙種
(B)
(N)
不意の官命 >>>
第二〇章
猫鞍干
(
ねこぐらぼし
)
〔一八二六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第64巻下 山河草木 卯の巻下
篇:
第4篇 清風一過
よみ(新仮名遣い):
せいふういっか
章:
第20章 猫鞍干
よみ(新仮名遣い):
ねこぐらぼし
通し章番号:
1826
口述日:
1925(大正14)年08月21日(旧07月2日)
口述場所:
丹後由良 秋田別荘
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年11月7日
概要:
舞台:
エルサレム市街の路上
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2017-11-26 20:20:32
OBC :
rm64b20
愛善世界社版:
269頁
八幡書店版:
第11輯 597頁
修補版:
校定版:
273頁
普及版:
63頁
初版:
ページ備考:
001
お
寅
(
とら
)
は
守宮別
(
やもりわけ
)
、
002
トンク、
003
テク、
004
ツーロと
共
(
とも
)
に
自動車
(
じどうしや
)
に
乗
(
の
)
り、
005
市中
(
しちう
)
の
大宣伝
(
だいせんでん
)
を
始
(
はじ
)
め
出
(
だ
)
した。
006
そして
妙
(
めう
)
な
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
刷
(
す
)
つたビラをバラまき
乍
(
なが
)
ら、
007
自分
(
じぶん
)
等
(
ら
)
も
自動車
(
じどうしや
)
の
上
(
うへ
)
から
声
(
こゑ
)
を
揃
(
そろ
)
へて
唄
(
うた
)
つてゐる。
008
お寅
『
澆季
(
げうき
)
末法
(
まつぽふ
)
の
此
(
この
)
世
(
よ
)
には
009
諸善
(
しよぜん
)
竜宮
(
りうぐう
)
に
入
(
い
)
り
玉
(
たま
)
ふ
010
あちら
此方
(
こちら
)
に
神柱
(
かむばしら
)
011
沢山
(
たくさん
)
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
る
共
(
とも
)
012
何奴
(
どいつ
)
も
此奴
(
こいつ
)
も
偽神
(
にせがみ
)
だ
013
特
(
とく
)
に
烈
(
はげ
)
しき
偽神
(
にせがみ
)
は
014
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
島
(
しま
)
に
現
(
あら
)
はれた
015
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
の
瑞御霊
(
みづみたま
)
016
ウズンバラチヤンダといふ
奴
(
やつ
)
だ
017
其奴
(
そいつ
)
の
教
(
をし
)
へを
受
(
うけ
)
ついで
018
海洋
(
かいやう
)
万里
(
ばんり
)
を
打渡
(
うちわた
)
り
019
神
(
かみ
)
の
集
(
あつ
)
まる
聖場
(
せいじやう
)
に
020
恥
(
はぢ
)
も
外分
(
ぐわいぶん
)
も
知
(
し
)
らばこそ
021
ヌツケリコーと
現
(
あら
)
はれて
022
国
(
くに
)
には
妻
(
つま
)
や
子
(
こ
)
もあるに
023
道義
(
だうぎ
)
を
知
(
し
)
らぬブラバーサ
024
アメリカンコロニーで
名
(
な
)
も
高
(
たか
)
き
025
阿婆擦
(
あばずれ
)
女
(
をんな
)
のマリヤをば
026
女房
(
にようばう
)
気取
(
きどり
)
で
手
(
て
)
を
曳
(
ひ
)
いて
027
宣伝
(
せんでん
)
なぞとはおぞましや
028
さめよ
悟
(
さと
)
れよエルサレム
029
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
の
人々
(
ひとびと
)
よ
030
アンナ ガラクタ
宣伝使
(
せんでんし
)
031
何
(
なに
)
をいふやらミカンやら
032
坊主頭
(
ばうずあたま
)
にキンカンのせて
033
走
(
はし
)
つてゐるより
危
(
あや
)
ふい
教
(
をしへ
)
034
ソンナ
事
(
こと
)
聞
(
き
)
いたとて
何
(
なん
)
になる
035
正真
(
しやうしん
)
正銘
(
しやうめい
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
036
底津
(
そこつ
)
岩根
(
いはね
)
の
大弥勒
(
おほみろく
)
037
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
が
038
下
(
くだ
)
つて
厶
(
ござ
)
るのを
知
(
し
)
らないか
039
天地
(
てんち
)
開
(
ひら
)
けた
始
(
はじ
)
めより
040
澆季
(
げうき
)
末法
(
まつぽふ
)
の
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
に
041
かけて
誠
(
まこと
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
042
一人
(
ひとり
)
も
出
(
で
)
て
来
(
き
)
たことは
無
(
な
)
い
043
ナザレのイエス・キリストも
044
僅
(
わづか
)
三
(
さん
)
年
(
ねん
)
布教
(
ふけう
)
して
045
学者
(
がくしや
)
とパリサイ
人
(
びと
)
の
為
(
ため
)
046
無惨
(
むざん
)
の
最後
(
さいご
)
をとげたぢやないか
047
ソンナ
神柱
(
かむばしら
)
が
何
(
なん
)
になる
048
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
はうと
思
(
おも
)
ふたら
049
水
(
みづ
)
に
溺
(
おぼ
)
れず
火
(
ひ
)
に
焼
(
や
)
けず
050
弓
(
ゆみ
)
も
鉄砲
(
てつぱう
)
も
大砲
(
たいはう
)
も
051
たてつかないやうな
神力
(
しんりき
)
が
052
なければ
誠
(
まこと
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
053
神
(
かみ
)
の
柱
(
はしら
)
とはいはれない
054
眠
(
ねむ
)
りをさませよエルサレム
055
必
(
かなら
)
ず
迷
(
まよ
)
ふなとぼけるな
056
いよいよ
時節
(
じせつ
)
が
到来
(
たうらい
)
し
057
アフンと
致
(
いた
)
さなならぬぞや
058
皆
(
みな
)
の
足元
(
あしもと
)
から
鳥
(
とり
)
が
立
(
た
)
つ
059
此
(
この
)
世
(
よ
)
は
上
(
うへ
)
が
下
(
した
)
になり
060
下
(
した
)
が
却
(
かへつ
)
て
上
(
うへ
)
となる
061
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つのウラナイの
062
神
(
かみ
)
によらねば
助
(
たす
)
からぬ
063
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
立替
(
たてかへ
)
ぢや
064
政治
(
せいぢ
)
宗教
(
しうけう
)
の
立直
(
たてなほ
)
し
065
此
(
この
)
大任
(
たいにん
)
を
双肩
(
そうけん
)
に
066
担
(
にな
)
うて
現
(
あら
)
はれ
来
(
き
)
た
者
(
もの
)
は
067
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
と
068
守宮別
(
やもりわけ
)
より
外
(
ほか
)
にない
069
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
070
御霊
(
みたま
)
の
恩頼
(
ふゆ
)
を
蒙
(
かうむ
)
れよ
071
旭
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
る
共
(
とも
)
曇
(
くも
)
る
共
(
とも
)
072
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つ
共
(
とも
)
虧
(
か
)
くる
共
(
とも
)
073
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
む
共
(
とも
)
074
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
此
(
この
)
柱
(
はしら
)
075
此
(
この
)
世
(
よ
)
にあれます
其
(
その
)
間
(
うち
)
は
076
助
(
たす
)
けにやおかぬ
神
(
かみ
)
の
教
(
のり
)
077
来
(
きた
)
れよ
来
(
きた
)
れ
皆
(
みな
)
来
(
きた
)
れ
078
みたまの
清水
(
しみづ
)
にかわく
人
(
ひと
)
079
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
の
080
尊
(
たふと
)
い
教
(
をしへ
)
に
蘇返
(
よみがへ
)
り
081
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
太柱
(
ふとばしら
)
082
人
(
ひと
)
の
神
(
かみ
)
ぢやと
仰
(
あふ
)
がれて
083
万古
(
まんご
)
末代
(
まつだい
)
名
(
な
)
を
残
(
のこ
)
せ
084
橄欖山
(
かんらんさん
)
は
高
(
たか
)
くとも
085
シオンの
山
(
やま
)
はさかし
共
(
とも
)
086
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
神力
(
しんりき
)
に
087
比
(
くら
)
べて
見
(
み
)
れば
屁
(
へ
)
でもない
088
来
(
きた
)
れよ
来
(
きた
)
れ
皆
(
みな
)
来
(
きた
)
れ
089
北
(
きた
)
も
南
(
みなみ
)
も
東
(
ひがし
)
も
西
(
にし
)
も
090
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
声
(
こゑ
)
聞
(
き
)
いて
091
吾
(
わが
)
霊城
(
れいじやう
)
にあつまれよ
092
春
(
はる
)
は
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
き
夏
(
なつ
)
茂
(
しげ
)
り
093
秋
(
あき
)
の
稔
(
みのり
)
も
豊
(
ゆたか
)
なる
094
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
に
生
(
い
)
き
返
(
かへ
)
り
095
万古
(
まんご
)
末代
(
まつだい
)
生
(
い
)
き
通
(
どほ
)
し
096
栄
(
さかえ
)
を
見
(
み
)
むと
思
(
おも
)
ふなら
097
凡
(
すべ
)
ての
教
(
をしへ
)
をふりすてて
098
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
大和魂
(
やまとだま
)
099
ビク
共
(
とも
)
動
(
うご
)
かぬ
此
(
この
)
道
(
みち
)
に
100
皆
(
みな
)
さまさつさと
入
(
い
)
るが
可
(
よ
)
い』
101
と
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
を
駆巡
(
かけめぐ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
102
そこへ、
103
夜叉
(
やしや
)
の
如
(
ごと
)
き
勢
(
いきほひ
)
で、
104
あやめのお
花
(
はな
)
が
走
(
はし
)
つて
来
(
く
)
る。
105
守宮別
(
やもりわけ
)
は
自動車
(
じどうしや
)
をヒラリと
飛
(
と
)
びおり、
106
お
花
(
はな
)
の
後
(
あと
)
を
逐
(
お
)
ふて、
107
一万
(
いちまん
)
円
(
ゑん
)
せしめむものと
車
(
くるま
)
をお
寅
(
とら
)
にあづけおき、
108
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
追
(
お
)
つかけて
行
(
ゆ
)
く。
109
お
寅
(
とら
)
は
気
(
き
)
が
気
(
き
)
でならず、
110
うつかりと、
111
ハンドルを
握
(
にぎ
)
るや
否
(
いな
)
や
自動車
(
じどうしや
)
はまつしぐらに
駆出
(
かけだ
)
し、
112
瀬戸物
(
せともの
)
屋
(
や
)
の
店先
(
みせさき
)
さして、
113
ドンと
許
(
ばか
)
りに
衝突
(
しようとつ
)
した
途端
(
とたん
)
に、
114
自動車
(
じどうしや
)
は
逆立
(
さかだ
)
ちとなり、
115
大道
(
だいだう
)
の
真中
(
まんなか
)
へ
転覆
(
てんぷく
)
し、
116
トンク、
117
テク、
118
ツーロの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
三間
(
さんげん
)
許
(
ばか
)
り、
119
はね
飛
(
と
)
ばされ、
120
ウーンと
許
(
ばか
)
り、
121
或
(
あるひ
)
は
気絶
(
きぜつ
)
し、
122
或
(
あるひ
)
は
悲鳴
(
ひめい
)
をあげて
苦
(
くる
)
しみてゐる。
123
お
寅
(
とら
)
も
大道
(
だいだう
)
の
正中
(
まんなか
)
へはね
飛
(
と
)
ばされ、
124
大
(
おほ
)
きなポホラやウットコを
牛
(
うし
)
の
猫鞍
(
ねこくら
)
を
日向
(
ひなた
)
に
乾
(
ほ
)
したやうな
塩梅
(
あんばい
)
式
(
しき
)
で、
125
のけぞつて
了
(
しま
)
つた。
126
あまたの
群集
(
ぐんしふ
)
は、
127
『
自動車
(
じどうしや
)
だ、
128
転覆
(
てんぷく
)
だ、
129
気違
(
きちがひ
)
婆
(
ばば
)
アの
遭難
(
さうなん
)
だ……』と
瞬
(
またた
)
く
間
(
ま
)
に
交通
(
かうつう
)
止
(
ど
)
めになる
所
(
ところ
)
まで
人垣
(
ひとがき
)
を
築
(
きづ
)
いて
了
(
しま
)
つた。
130
急報
(
きふはう
)
に
仍
(
よ
)
つて
警官
(
けいくわん
)
は
警察医
(
けいさつい
)
を
伴
(
とも
)
なひ、
131
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
走
(
は
)
せ
来
(
きた
)
り、
132
一先
(
ひとま
)
づ
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
負傷者
(
ふしやうしや
)
を
警察用
(
けいさつよう
)
の
自動車
(
じどうしや
)
にのせ、
133
博愛
(
はくあい
)
病院
(
びやうゐん
)
さして、
134
砂煙
(
すなけぶり
)
を
立
(
た
)
て
乍
(
なが
)
らブウブウブウと
走
(
はし
)
り
行
(
ゆ
)
く。
135
(
大正一四・八・二一
旧七・二
於由良海岸秋田別荘
松村真澄
録)
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