霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一章 (うめ)花香(はなか)〔一七〇三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第67巻 山河草木 午の巻 篇:第1篇 美山梅光 よみ(新仮名遣い):びざんばいこう
章:第1章 梅の花香 よみ(新仮名遣い):うめのはなか 通し章番号:1703
口述日:1924(大正13)年12月19日(旧11月23日) 口述場所:教主殿 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1926(大正15)年8月19日
概要: 舞台:オーラ山、タライの村 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm6701
愛善世界社版:7頁 八幡書店版:第12輯 31頁 修補版: 校定版:7頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 オーラ(さん)(まが)(たく)みも大杉(おほすぎ)(あや)しき夜這星(よばひぼし)(かみ)伊吹(いぶき)(ふき)()され、002一旦(いつたん)(つつ)みし木下暗(こしたやみ)003()れては(きよ)三千(さんぜん)世界(せかい)(うめ)花香(はなか)004(みね)尾上(をのへ)(つつ)みし黒雲(くろくも)もサラリと()りて、005宇宙晴(うちうばれ)大広原(だいくわうげん)006真夜中(まよなか)(そら)には、007宝石(はうせき)(ちりば)めた(やう)一面(いちめん)星光(せいくわう)(またた)き、008(おに)(ささや)き、009猛獣(まうじう)(たけ)び、010狐狸(こり)()(ごゑ)(むし)()も、011ピタリと()まつて天地(てんち)静寂(せいじやく)012(あたか)もふくらむだ(には)(すな)に、013程々(ほどほど)(みづ)()つたるが(ごと)く、014一点(いつてん)風塵(ふうぢん)もなく、015雲霧(うんむ)もなし。016微風(びふう)(おもむろ)(ひと)(おもて)()き、017五臓(ござう)六腑(ろくぷ)静涼(せいりやう)()()(わた)る。018諸行(しよぎやう)無常(むじやう)(かね)(こゑ)019是生(ぜしやう)滅法(めつぽふ)杜鵑(とけん)()()020生滅(しやうめつ)々已(めつち)(ふくろ)(さけ)び、021(いづ)れも寂滅(じやくめつ)為楽(ゐらく)清浄界(しやうじやうかい)となり()てぬ。022丹花(たんくわ)(くちびる)023木蓮(もくれん)(つぼみ)(ごと)(はな)格好(かくかう)024黒豆(くろまめ)(つゆ)()びたやうな(やさ)しく(ゆか)しく(ひか)(ふた)つの(まなこ)025地蔵(ぢざう)(まゆ)026所在(あらゆる)()(きよく)027(ぜん)(きよく)028愛嬌(あいけう)満面(まんめん)にしたたらして、029(こころ)豺狼(さいらう)爪牙(さうが)(ざう)し、030天下(てんか)掌握(しやうあく)せむと、031昼夜(ちうや)肝胆(かんたん)(くだ)いて、032外面(げめん)(によ)菩薩(ぼさつ)内心(ないしん)(によ)夜叉(やしや)033羅刹(らせつ)悪鬼(あくき)権化(ごんげ)とも(たと)ふべき山賊(さんぞく)大頭目(だいとうもく)034ヨリコ(ひめ)女帝(によてい)は、035梅公(うめこう)(くち)より(ほとばし)天性(てんせい)神気(しんき)()たれて、036(たちま)心内(しんない)天変(てんぺん)地妖(ちえう)(おこ)し、037(むね)には革新軍(かくしんぐん)喇叭(らつぱ)()(ひび)き、038五臓(ござう)六腑(ろつぷ)一度(いちど)更生(かうせい)(てき)活動(くわつどう)(おこ)して、039専制(せんせい)強圧(きやうあつ)尊貴(そんき)(ねが)欲念(よくねん)と、040自己愛(じこあい)兇党(きようたう)(れん)(にはか)(かげ)(ひそ)め、041惟神(かむながら)本性(ほんせい)042(うま)赤児(あかご)真心(まごころ)(たち)(かへ)り、043一身(いつしん)利欲(りよく)(わす)れ、044(かみ)(したが)(かみ)(あい)し、045(ひと)(あい)万有(ばんいう)一切(いつさい)(あい)するの宇宙(うちう)(てき)(だい)恋愛心(れんあいしん)往生(わうじやう)したのである。
046 ()くヨリコ(ひめ)(こころ)悔悟(くわいご)(はな)(ひら)き、047愛善(あいぜん)果実(くわじつ)みのり、048信真(しんしん)光輝(くわうき)と、049慈味(じみ)(よく)したる刹那(せつな)(おい)て、050(その)真心(まごころ)天地(てんち)感応(かんおう)し、051(てん)(たか)(きよ)()(わた)り、052一点(いつてん)(くも)もなく、053七宝(しちほう)(ちりば)めたるが(ごと)(ほし)大空(おほぞら)をボカして、054見渡(みわた)(あづま)原野(げんや)より千草(ちぐさ)()けて(のぼ)(きた)上弦(じやうげん)月光(げつくわう)055(あたか)()(あぢ)のよい庖丁(はうちやう)(もつ)て、056円満(ゑんまん)具足(ぐそく)せる西瓜(すいくわ)真中(まんなか)より(ふた)つに手際(てぎは)()()りわけし(ごと)き、057輪廓(りんくわく)判然(はつきり)とした白銀(はくぎん)半玉(はんぎよく)058(たちま)天地(てんち)()(かがや)かし、059地上(ちじやう)往来(わうらい)する(あり)姿(すがた)さへも明瞭(めいれう)()えて()た。
060 白髪(はくはつ)童顔(どうがん)山賊(さんぞく)巨頭(きよとう)061修験者(しゆげんじや)()けすまし、062三千(さんぜん)部下(ぶか)使役(しえき)し、063豺狼(さいらう)(よく)(たくま)しうし、064ヨリコ(ひめ)謀師(ぼうし)(あふ)ぎ、065大親分(おほおやぶん)(あが)め、066大胆(だいたん)不敵(ふてき)にもハルナの(みやこ)大黒主(おほくろぬし)征伐(せいばつ)し、067印度(いんど)七千(しちせん)余国(よこく)覇権(はけん)(にぎ)らむと、068(しも)(あした)(あめ)(ゆふべ)069夢寐(むび)にも(わす)れぬ胸裡(きようり)秘密(ひみつ)(ふか)(つつ)んで、070(くも)(そび)えたオーラ(さん)立籠(たてこも)り、071(きり)(おび)にし、072(もや)被衣(かづき)となし、073()()のそよぎを(あふぎ)(かぜ)見做(みな)し、074青空(あをぞら)天井(てんじやう)(さだ)め、075(くさ)(しとね)となし、076髑髏(どくろ)仮睡(うたたね)(まくら)となし、077(とら)(おほかみ)獅子(しし)(くま)(にく)(たしな)み、078阿修羅(あしゆら)(わう)(ごと)魔王(まわう)(ごと)く、079(とき)あつては彗星(すゐせい)(ごと)く、080妖邪(えうじや)()四方(しはう)(はき)()らし、081一本(いつぽん)錫杖(しやくぢやう)四海(しかい)征服(せいふく)し、082(こころ)()めた魔法(まはふ)(つるぎ)に、083諸天(しよてん)諸善(しよぜん)(なや)ませ(くる)しめ、084(わが)(まま)振舞(ふるま)ひ、085天地(てんち)自由(じいう)攪乱(かくらん)せむものと、086(ゆめ)(ごと)き、087(にじ)(ごと)蜃気楼(しんきろう)(ごと)空中(くうちう)楼閣(ろうかく)(てき)妄念(まうねん)(いだ)いて、088得々(とくとく)として、089(その)無謀(むぼう)なる目的(もくてき)心身(しんしん)傾注(けいちう)したる、0891()れシーゴーは、090三五教(あななひけう)神司(かむつかさ)梅公(うめこう)言霊(ことたま)(その)心胆(しんたん)(うば)はれ、091五臓(ござう)六腑(ろつぷ)汚濁(をじよく)払拭(ふつしき)され、092(かれ)神気(しんき)()たれ、093心気(しんき)(たちま)一転(いつてん)して、094夜嵐(よあらし)にそよぐ枯尾花(かれをばな)手振(てぶり)にも(おどろ)(ふる)ふ、095いとも(よわ)落武者(おちむしや)とならむとする一刹那(いつせつな)096(ちから)(たの)みしヨリコ(ひめ)()つて(かは)つた言行(げんかう)に、097(いま)(なほ)(さら)反抗(はんかう)勇気(ゆうき)もなく、098(いま)(まで)(つつ)みし心天(しんてん)黒雲(こくうん)はオーラ(さん)荒風(あらかぜ)(ふき)()らされて、099(こころ)(きよ)上弦(じやうげん)(つき)100(たちま)大地(だいち)(ひれ)()して、101(その)慈愛(じあい)温雅(をんが)清楚(せいそ)なる月神(げつしん)美影(みかげ)渇仰(かつかう)憧憬(どうけい)し、102本然(ほんぜん)(せい)(たち)(かへ)り、103悪魔(あくま)(たちま)(けぶり)()え、104(むね)(おく)(ふか)(ところ)(かみ)(ささや)きを()き、105(その)霊光(れいくわう)()れ、106信真(しんしん)なる(あい)情味(じやうみ)(せつ)し、107(まつた)別人(べつじん)(ごと)()り、108(しろ)(なが)()れの(かみ)白金(はくきん)(いろ)109益々(ますます)(あで)やかに、110(その)顔色(かんばせ)天上(てんじやう)女神(めがみ)かと(うたが)はるる(ばか)り、1101純化(じゆんくわ)遷善(せんぜん)し、111(つみ)もなく(けがれ)もなく、112一点(いつてん)憎悪心(ぞうをしん)もなく、113欲望(よくばう)雲霧(うんむ)もなし。114(ただ)(この)(うへ)天地(てんち)神明(しんめい)加護(かご)()り、115(まこと)(みち)()み、116(まこと)(げふ)(おこな)ひ、117戦々(せんせん)恟々(きようきよう)として(かみ)(おそ)(かみ)(あい)し、118日夜(にちや)心力(しんりよく)(かみ)(ささ)げむ(こと)希求(ききう)するに(いた)つた。
119 (つぎ)天来(てんらい)救世主(きうせいしゆ)120天帝(てんてい)化身(けしん)121オーラ(さん)活神(いきがみ)揚言(やうげん)し、122毒舌(どくぜつ)(ふる)つて天下(てんか)万民(ばんみん)誑惑(けうわく)し、123悪事(あくじ)(かぎり)(つく)さむとしたる、124奸侫(かんねい)邪智(じやち)曲者(くせもの)125玄真坊(げんしんばう)126天下(てんか)唯一(ゆゐいつ)色餓鬼(いろがき)127情欲(じやうよく)(ほのほ)(くるし)められ、128煩悶(はんもん)苦悩(くなう)結果(けつくわ)129(はぢ)(わす)れて獣畜(じうちく)行為(かうゐ)(およ)ばむとせし、130(にせ)救世主(きうせいしゆ)131(にせ)予言者(よげんしや)なる、132()売僧(まいす)は、133三五教(あななひけう)神光(しんくわう)()たれ、134正義心(せいぎしん)神卒(しんそつ)()()てられ、135(つひ)悔悟(くわいご)して、136大頭目(だいとうもく)のヨリコ(ひめ)(および)シーゴーと行動(かうどう)(とも)にせむ(こと)(ちか)ふに(いた)つた。137オーラ(がは)(みづ)(ゆるやか)(なが)れ、138(ふか)(あを)くして(そこ)さへ()えぬ(かは)(おも)にきらめく(ほし)大空(おほぞら)(うつ)し、139そよと()小波(さざなみ)月光(げつくわう)如来(によらい)千々(ちぢ)(くだ)くる慈愛(じあい)御影(みかげ)宿(やど)して、140天地(てんち)燦爛(さんらん)光明界(くわうみやうかい)現象(げんしやう)(うか)ばせたり。141(あづま)大空(おほぞら)(くれなゐ)(くも)142(むらさき)(かすみ)棚引(たなび)()め、143木々(きぎ)百鳥(ももどり)千代(ちよ)々々(ちよ)永遠(ゑいゑん)無窮(むきう)前途(ぜんと)寿(ことほ)ぎ、144せせらぎの()何事(なにごと)宇宙(うちう)神秘(しんぴ)(かた)るが(ごと)く、145(かぜ)(ひびき)にさへも(かみ)御声(みこゑ)宿(やど)るかと(うたが)はる。146ヨリコ(ひめ)(はじ)め、147(その)()兇党(きようたう)(こころ)天地(てんち)忽然(こつぜん)として(はちす)(はな)(ひら)くが(ごと)く、148(かを)()めたる一刹那(いつせつな)149五色(ごしき)(くも)()()けて、150(たちま)(のぼ)らせ(たま)黄金鴉(こがねからす)151旗雲(はたぐも)(なか)にまん(まる)()(まる)(いん)し、152(いよいよ)()()神代(かみよ)祥兆(しやうてう)天地(てんち)万有(ばんいう)(しめ)(たま)ふ。153瑞祥(ずゐしやう)(ひら)(ひじり)御代(みよ)(さきがけ)とぞ、154(かみ)(ひと)も、155(この)(やま)(あつ)まれる曲人(まがびと)禽獣(きんじう)虫魚(ちうぎよ)も、156一斉(いつせい)五六七(みろく)御世(みよ)寿(ことほ)ぎまつる(おも)ひあり。157あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
158
159 現幽神(げんいうしん)三界(さんがい)(きよ)め、160天地(てんち)開闢(かいびやく)(むかし)祥代(しやうだい)立替(たてかへ)立直(たてなほ)し、161神人(しんじん)万有(ばんいう)黄金(わうごん)世界(せかい)恩恵(おんけい)(よく)せしめ、162宇宙(うちう)最初(さいしよ)大意志(だいいし)実行(じつかう)せむと(てん)より(くだ)りて(いづ)御霊(みたま)(げん)じ、163大国常立(おほくにとこたちの)(みこと)(あら)はれて神業(しんげふ)開始(かいし)(たま)ひし、164宇宙(うちう)唯一(ゆゐいつ)生神(いきがみ)165(あさ)(ゆふ)なに諄々(じゆんじゆん)として神人(しんじん)万有(ばんいう)(みちび)(たま)ふ。166愛善(あいぜん)信真(しんしん)大神教(だいしんけう)天下(てんか)布衍(ふえん)し、167五六七(みろく)神政(しんせい)出現(しゆつげん)実行(じつかう)着手(ちやくしゆ)せむと、168ウブスナ(やま)聖蹟(せいせき)()れ、169(みづ)御霊(みたま)(げん)じて三界(さんがい)不浄(ふじやう)払拭(ふつしき)し、170清浄(しやうじやう)無垢(むく)新天地(しんてんち)樹立(じゆりつ)せむと、171(かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)は、172世界(せかい)各山(かくざん)各地(かくち)霊場(れいぢやう)御霊(みたま)(とど)め、173数多(あまた)宣伝使(せんでんし)教養(けうやう)し、174(これ)天下(てんか)四方(しはう)派遣(はけん)(たま)ひぬ。175派遣(はけん)されたる神柱(かむばしら)(いち)(にん)176照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)従者(じゆうしや)となり、177ハルナの(みやこ)魔神(まがみ)言向戦(ことむけせん)従軍(じゆうぐん)したる梅公司(うめこうつかさ)は、178勇気(ゆうき)凛々(りんりん)たる壮者(さうしや)にして、179(その)心鏡(しんきやう)惶々(くわうくわう)として()(わた)り、180()(かみ)(つう)じ、181万民(ばんみん)(こころ)奥底(おくそこ)(まで)182玻璃(はり)(とほ)して(うかが)ふが(ごと)く、183通観(つうくわん)して(あやま)らず、184(かつ)(こころ)清浄(しやうじやう)潔白(けつぱく)にして神律(しんりつ)(わきま)へ、185道理(だうり)(つう)じ、186挙措(きよそ)(つね)軽快(けいくわい)にして()(かる)からず(おも)からず、187中庸(ちうよう)()たる好漢(かうかん)なり。188()れの()(ところ)189百花(ひやくくわ)爛漫(らんまん)として()()ち、190地獄(ぢごく)(たちま)天国(てんごく)(くわ)し、191猛獣(まうじう)(たけ)原野(げんや)(とり)(うた)(てふ)()百花(ひやくくわ)爛漫(らんまん)天国(てんごく)(くわ)するの(がい)あり。192精神(せいしん)剛直(がうちよく)にして富貴(ふうき)(おもね)らず威武(ゐぶ)(くつ)せず、193(つね)(その)(しよく)(あま)んじ、194何事(なにごと)神意(しんい)(かい)して、195如何(いか)なる境遇(きやうぐう)()るも不平(ふへい)()らさず、196(かな)しまず、197如何(いか)なる悲境(ひきやう)沈淪(ちんりん)するも悲観(ひくわん)せず、198悠々(いういう)閑々(かんかん)として(みづか)(たのし)み、199(みづか)(よろこ)び、200(わざはひ)(きた)(とき)は、201()(てん)恩恵(おんけい)(むち)となし、202(よろこ)びの(きた)(とき)(てん)(いましめ)警戒(けいかい)し、203寸毫(すんがう)油断(ゆだん)なく、204()楽天(らくてん)主義(しゆぎ)(もつ)()(しよ)す。205(じつ)神人(しんじん)典型(てんけい)206宣伝使(せんでんし)模範(もはん)207言心行(げんしんかう)(いづ)れの方面(はうめん)より()るも、208一点(いつてん)批評(ひひやう)をさしはさむの間隙(かんげき)だになし。209()れは照国別(てるくにわけ)(したが)つて、210()師弟(してい)情誼(じやうぎ)(まも)り、211自分(じぶん)()(すぐ)れる数多(あまた)美点(びてん)(かく)して、212(その)(とく)長上(ちやうじやう)(ゆづ)り、213同情(どうじやう)()み、214僚友(れういう)()(あい)し、215()にふるる(もの)216(みみ)()(もの)217(いづ)れも(かれ)感化(かんくわ)(とく)(よく)せざるはなし。218元来(ぐわんらい)梅公(うめこう)大神(おほかみ)より(とく)(えら)まれたる神柱(かむばしら)にして、219無限(むげん)秘密(ひみつ)(ざう)し、220神妙(しんめう)秘門(ひもん)(かぎ)(さづ)かり、221宇宙間(うちうかん)(いつ)(おそ)るる(もの)なき大神人(だいしんじん)なり。222()(ゆゑ)(かれ)平然(へいぜん)として悪魔(あくま)巣窟(さうくつ)単騎(たんき)出入(しゆつにふ)し、223豺狼(さいらう)(むれ)()つて、224()(のぞ)(へん)(しよ)し、225一男(いちなん)二女(にぢよ)危難(きなん)(すく)ひ、226()()宣伝使(せんでんし)(ごと)く、227千言(せんげん)万語(ばんご)(つひや)すの(えう)なく、228さしも兇悪(きようあく)なる悪神(あくがみ)巨頭(きよとう)229ヨリコ(ひめ)()一派(いつぱ)翻然(ほんぜん)として悔悟(くわいご)せしめたる英雄(えいゆう)なり。230(かれ)()照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)231(かれ)神格(しんかく)一部分(いちぶぶん)窺知(きち)する(こと)さへ出来(でき)なかつた。232(しか)(なが)(かれ)和光(わくわう)同塵(どうぢん)(てき)態度(たいど)(もつ)て、233愛善(あいぜん)(とく)信真(しんしん)(ひかり)(おと)れる照国別(てるくにわけ)(かみ)経綸(けいりん)として、234(わが)()(きみ)尊敬(そんけい)し、235照公(てるこう)(その)()同僚(どうれう)(たい)しても、236(つね)後輩者(こうはいしや)として行動(かうどう)せむ(こと)(のぞ)んでゐた。237(はた)して梅公司(うめこうつかさ)()(かみ)真人(しんじん)か、238(ただ)しは大神(おほかみ)化身(けしん)か、239今後(こんご)物語(ものがたり)()つて読者(どくしや)(みづか)判知(はんち)されむ(こと)(のぞ)む。
240 (これ)よりヨリコ(ひめ)梅公(うめこう)241花香(はなか)(すす)めにより、242タライの(むら)(たち)(かへ)り、243(はは)のサンヨに面会(めんくわい)し、244(いま)(まで)不孝(ふかう)不始末(ふしまつ)(つみ)(しや)し、245今後(こんご)()(あらた)めて、246老後(らうご)(はは)(こころ)(やす)んじ、247()(かみ)(おん)(ため)()(ため)に、248愛善(あいぜん)(みち)生涯(しやうがい)(とう)ぜむ(こと)(ちか)つた。249(はは)のサンヨは二人(ふたり)姉妹(しまい)梅公司(うめこうつかさ)艱難(かんなん)辛苦(しんく)結果(けつくわ)慈愛心(じあいしん)発露(はつろ)()つて、250無事(ぶじ)母子(おやこ)対面(たいめん)出来(でき)(こと)(なみだ)片手(かたて)感謝(かんしや)し、251梅公(うめこう)(まこと)生神(いきがみ)として尊敬(そんけい)して()まなかつた。252(つぎ)にシーゴー(ばう)玄真坊(げんしんばう)両人(りやうにん)はサンダーの(いへ)(いた)り、253(かれ)両親(りやうしん)(むか)つて、254今日(こんにち)(まで)悪業(あくごふ)(しや)し、255(かつ)(くひ)(あらた)めて天下(てんか)万民(ばんみん)(ため)神業(しんげふ)一部(いちぶ)奉仕(ほうし)せむ(こと)(ちか)つた。256サンダーの両親(りやうしん)(ゆめ)かと(ばか)(よろこ)んで、257梅公(うめこう)(その)()(たい)し、258百味(ひやくみ)飲食(おんじき)調理(てうり)して(これ)饗応(きやうおう)し、259()つシーゴーには数多(あまた)所有地(しよいうち)(あた)260開拓(かいたく)事業(じげふ)従事(じうじ)せしむる(こと)となつた。261()れシーゴーはサンダー、262スガコ(ひめ)(したが)ひ、263両人(りやうにん)主人(しゆじん)(あふ)ぎ、264スガコ(ひめ)(ちち)のジャンクが所有(しよいう)せる無限(むげん)山林(さんりん)田畑(でんばた)開墾(かいこん)し、265三千(さんぜん)部下(ぶか)をして(これ)従事(じうじ)せしめ、266大都会(だいとくわい)(つく)つて………………(あたら)しき(むら)経営(けいえい)し、267タライの(むら)真人(しんじん)(うた)はれて生涯(しやうがい)(おく)つた。268(ちち)のジャンクは(はるか)にサンダー、269スガコの無事(ぶじ)帰宅(きたく)せし(こと)270梅公司(うめこうつかさ)(すく)はれし(こと)271(および)シーゴーを(いち)番頭(ばんとう)となし、272数千(すうせん)部下(ぶか)使役(しえき)して開墾(かいこん)(げふ)従事(じゆうじ)せしめ、273日々(にちにち)事業(じげふ)発展(はつてん)しつつある(こと)聞知(ぶんち)し、274(おほい)(よろこ)んで、275(まつた)(かみ)恩恵(おんけい)となし、276一生(いつしやう)(かみ)(ささ)げ、277神業(しんげふ)参加(さんか)し、278(かばね)をさらす(まで)279(わが)郷里(きやうり)(かへ)らなかつた。280そしてジャンクは義勇軍(ぎゆうぐん)勇士(ゆうし)としてバルガン城下(じやうか)驍名(げうめい)()せた。
281 一旦(いつたん)()(あらた)めたる玄真坊(げんしんばう)(ふたた)悪化(あくくわ)して、282シーゴーと論争(ろんそう)し、283三千(さんぜん)部下(ぶか)(うち)284不平組(ふへいぐみ)三百(さんびやく)()(めい)引率(いんそつ)し、285オーラの(みね)(わた)つて民家(みんか)掠奪(りやくだつ)(なが)ら、286地教山(ちけうざん)方面(はうめん)()して姿(すがた)(かく)したのである。
287惟神(かむながら)(かみ)(こころ)白梅(しらうめ)
288(あさひ)(にほ)姿(すがた)なりけり。
289(うめ)(はな)(にほ)()めたる如月(きさらぎ)
290(そら)(またた)(うづ)星影(ほしかげ)
291何事(なにごと)(かみ)(をしへ)にヨリコ(ひめ)
292()神柱(みはしら)となりし雄々(をを)しさ。
293現世(うつしよ)(つみ)をば(おそ)れシーゴー(死後(しご))を
294(おも)ひて(かみ)(かへ)るつはもの。
295サンダーやスガコは(うま)れし()のが(むら)
296(かへ)りて新村(にひむら)永久(とは)(ひら)きぬ。
297(ひかり)(やみ)()きかふ(まが)玄真(げんしん)
298(こころ)(かは)りて(おに)となりぬる。
299村肝(むらきも)(こころ)(くも)りし曲人(まがびと)
300山野(やまの)(まよ)玄真(げんしん)(はて)
301大正一三・一一・二三 新一二・一九 於教主殿 松村真澄録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
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