霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一四章 獣念気(じゆうねんき)〔一七一六〕

インフォメーション
著者: 巻: 篇: よみ(新仮名遣い):
章: よみ(新仮名遣い): 通し章番号:
口述日: 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]: 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: 文字数: OBC :rm6714
愛善世界社版: 八幡書店版: 修補版: 校定版: 普及版: 初版: ページ備考:
001 タラハン城市(じやうし)を去(さ)る正北(せいほく)十(じふ)里(り)の地点(ちてん)に、002タニグク山(やま)といふ高山(かうざん)が聳(そび)えてゐる。003南西北(なんせいほく)の三方(さんぱう)は嶮峻(けんしゆん)なる高山(かうざん)に包(つつ)まれ、004僅(わづか)に東(ひがし)の一方(いつぱう)に細(ほそ)い入口(いりぐち)があつて、005淙々(そうそう)たる谷水(たにみづ)は此(この)東口(ひがしぐち)より流出(りうしゆつ)するやうになつてゐる。006タニグク山(やま)の山麓(さんろく)には天然(てんねん)の大岩窟(だいがんくつ)が穿(うが)たれてゐる。007カラピン王(わう)を諫(いさ)めて吾(わが)妻(つま)を殺(ころ)され、008自分(じぶん)も亦(また)刃(やいば)の錆(さび)とならむとせし危機(きき)一髪(いつぱつ)の難(なん)を遁(のが)れ、009太子(たいし)スダルマンの妃(きさき)と迄(まで)内定(ないてい)してゐた当時(たうじ)六(ろく)才(さい)の娘(むすめ)スバール姫(ひめ)を背(せな)に負(お)ひ、010都(みやこ)を後(あと)に此(この)岩窟(がんくつ)に潜(ひそ)んで、011遠近(ゑんきん)の無頼漢(ぶらいかん)を集(あつ)め、012自(みづか)ら山賊(さんぞく)の張本(ちやうほん)となり、013右守(うもり)の司(かみ)たりしガンヂー並(ならび)に彼(かれ)が部下(ぶか)のサクレンスの奸者(かんじや)を払(はら)ひ、014君側(くんそく)を清(きよ)めむと、015日夜(にちや)肺肝(はいかん)を砕(くだ)いてゐた彼(かれ)は016カラピン王(わう)に仕(つか)へてゐた左守(さもり)のシャカンナであつた。017古(いにしへ)より獅子(しし)の棲処(すみか)と称(とな)へられ、018誰一人(たれひとり)此(この)山奥(やまおく)に足(あし)を入(い)るる者(もの)がなかつた。019シャカンナは年(とし)と共(とも)に沢山(たくさん)の部下(ぶか)が殖(ふ)えて来(き)た。020そして其(その)部下(ぶか)を夜(よる)私(ひそ)かにタラハンの城下(じやうか)を始(はじ)め各地(かくち)に派遣(はけん)し、021富者(ふうしや)の家(いへ)を狙(ねら)つて財物(ざいぶつ)を奪(うば)ひ、022ガンヂー討伐(たうばつ)の準備(じゆんび)を整(ととの)へてゐた。023六(ろく)才(さい)の時(とき)伴(ともな)ふて来(き)た娘(むすめ)のスバールは今年(ことし)漸(やうや)く十五(じふご)才(さい)の春(はる)を迎(むか)へた。024シャカンナは岩窟(がんくつ)の奥(おく)の間(ま)に大胡坐(おほあぐら)をかき脇息(けうそく)にもたれ乍(なが)ら、025数多(あまた)の乾児(こぶん)共(ども)の報告(はうこく)を聞(き)いてゐた。
026シャカンナ『オイ、027バルギー、028此(この)頃(ごろ)は根(ね)つからお前(まへ)の組(くみ)は働(はたら)きが足(た)らぬぢやないか。029チツと確(しつか)りしてくれないと、030折角(せつかく)蓄(たくは)へた軍需品(ぐんじゆひん)迄(まで)が無(な)くなつて了(しま)ひ、031何時(いつ)になつたら目的(もくてき)を達(たつ)するやら殆(ほと)んど見当(けんたう)がつかぬぢやないか』
032バルギー『ハイ、033仰(おほせ)では厶(ござ)いますが、034此(この)頃(ごろ)はバラモン軍(ぐん)が横行(わうかう)濶歩(くわつぽ)致(いた)しますので、035思(おも)はしい仕事(しごと)が出来(でき)ませず、036チツと物(もの)のあり相(さう)な家(いへ)は皆(みな)バラモン軍(ぐん)にしてやられ、037僅(わづか)に二十(にじふ)や三十(さんじふ)の手下(てした)を連(つ)れて、038あの大軍隊(だいぐんたい)を向(むか)ふにまはし戦(たたか)ふ訳(わけ)にも行(ゆ)きませず、039残念(ざんねん)乍(なが)ら軍隊(ぐんたい)の退却(たいきやく)する迄(まで)時機(じき)を考(かんが)へてゐるので厶(ござ)います。040少(すこ)し許(ばか)り、041此(この)頃(ごろ)は食(く)ひ込(こ)みになるやうで厶(ござ)いますが、042少(すこ)しお待(ま)ち下(くだ)さいますれば、043屹度(きつと)大(おほ)きな活動(はたらき)をしてお目(め)にかけます。044私(わたし)も精々(せいぜい)部下(ぶか)を督励(とくれい)して居(を)りますなれど、045何(なん)と云(い)つても夜(よる)許(ばか)りの仕事(しごと)で、046思(おも)ふ様(やう)に捗(はかど)りませぬ。047此(この)十(じふ)里(り)の山路(やまみち)を忍(しの)び変装(へんさう)して、048バルガン市(し)に出(い)で、0481又(また)夜(よる)の間(うち)に帰(かへ)つて来(こ)なくちやならないので厶(ござ)いますから、049肝腎(かんじん)の働(はたら)く間(あひだ)は、050ホンの半時(はんとき)か四半時(しはんとき)許(ばか)りで厶(ござ)いますから、051乾児(こぶん)共(ども)も大変(たいへん)に困(こま)つて居(を)ります』
052シャ『エー仕方(しかた)がないなア。053マア兎(と)も角(かく)、054精々(せいぜい)働(はたら)くやうにいつてくれ。055そしてガンヂーの屋敷(やしき)の様子(やうす)は何(ど)うぢや、056判然(はつきり)分(わか)つたか』
057バル『ハイ、058此(この)頃(ごろ)はバラモン軍(ぐん)が襲来(しふらい)するとか云(い)つて、059塀(へい)を高(たか)くし、060不寝番(ねずのばん)の兵士(へいし)が七八十(しちはちじふ)人(にん)許(ばか)り、061裏表(うらおもて)の門(もん)を警護(けいご)して居(を)りますので、062近(ちか)よる事(こと)は出来(でき)ませぬ』
063シャ『さうか、064それも仕方(しかた)がない。065もう暫(しばら)く計画(けいくわく)を延(の)ばさうかな』
066バル『どうか、067さう願(ねが)へますれば結構(けつこう)で厶(ござ)います』
068シャ『今日(けふ)は吾(わが)女房(にようばう)が城中(じやうちう)に於(おい)て、069大王(だいわう)の手(て)にかかり、070命(いのち)をすてた命日(めいにち)だから、071コルトンに言(い)ひ付(つ)け、072いい修験者(しゆげんじや)を、073どつかで求(もと)めて来(き)て、074回向(ゑかう)をして貰(もら)ひたいと思(おも)ひ、075二三(にさん)日前(にちまへ)から派遣(はけん)したのだが、076今日(けふ)帰(かへ)つて来(こ)ぬやうな事(こと)では、077到底(たうてい)間(ま)に合(あ)はない。078困(こま)つた事(こと)だワイ。079併(しか)し乍(なが)らコルトンは義(ぎ)の固(かた)い奴(やつ)だから、080屹度(きつと)どつかで修験者(しゆげんじや)を探(さが)して来(く)るだらう。081それについては、082馴走(ちそう)の用意(ようい)をしておけ。083それから今日(けふ)は二百(にひやく)の乾児(こぶん)に腹(はら)一杯(いつぱい)馳走(ちそう)を食(く)はせ084酒(さけ)を鱈腹(たらふく)振舞(ふるま)つてやるが可(よ)からうぞ』
085バル『ハイ、086今朝来(こんてうらい)部下(ぶか)を督励(とくれい)し、087馳走(ちそう)の準備(じゆんび)やお祭(まつり)の用意(ようい)はチヤンと整(ととの)つてをります。088どうぞ其(その)点(てん)丈(だけ)は御(ご)安心(あんしん)下(くだ)さいませ。089さり乍(なが)らコルトンが帰(かへ)つて来(こ)ないとすれば、090折角(せつかく)の馳走(ちそう)も無駄(むだ)になる道理(だうり)で厶(ござ)います。091若(も)し帰(かへ)つて来(こ)なかつたら、092どう致(いた)しませうか』
093シャ『そんな心配(しんぱい)は要(い)らぬ。094若(も)し彼(かれ)が帰(かへ)つて来(こ)なかつたならば、095止(や)むを得(え)ず俺(おれ)が霊前(れいぜん)に於(おい)て経文(きやうもん)を唱(とな)へ、096十年忌(じふねんき)を済(す)ます考(かんが)へだ。097売僧(まいす)坊主(ばうず)の読経(どくきやう)よりも、098夫(をつと)の俺(おれ)が直接(ちよくせつ)の読経(どくきやう)が却(かへつ)て故人(こじん)の為(ため)には可(い)いかも知(し)れぬ。099日(ひ)の内(うち)は彼(かれ)も帰(かへ)るのを憚(はばか)るだらう。100何(いづ)れ夜(よる)の事(こと)だらう』
101バル『今晩(こんばん)の四(よ)つ時(どき)迄(まで)待(ま)つ事(こと)に致(いた)しませう。102それで帰(かへ)らねば、103最早(もはや)断念(だんねん)遊(あそ)ばして、104御(おん)大(たい)自(みづか)ら比丘(びく)のお勤(つと)めをなさいませ。105及(およ)ばず乍(なが)ら此(この)バルギーも子供(こども)の時(とき)はウラル教(けう)の小僧(こぞう)を勤(つと)めて居(を)りました経験(けいけん)が厶(ござ)いますから、106経文(きやうもん)の素知(そし)り走(ばし)り位(ぐらゐ)は覚(おぼ)えてをりますから……』
107シャ『俺(おれ)は今日(けふ)は何(なん)だか体(からだ)が疲(つか)れたやうだ。108コルトンが帰(かへ)つて来(く)る迄(まで)、1081休息(きうそく)するから109お前(まへ)は部下(ぶか)の奴(やつ)によく気(き)をつけ、110監督(かんとく)を怠(おこた)らない様(やう)にしてくれ』
111と言(い)ひのこし、112吾(わが)寝室(しんしつ)なる岩窟(がんくつ)を指(さ)して身(み)を隠(かく)した。
113 黄昏(たそがれ)過(す)ぐる頃(ころ)コルトンは114威風(ゐふう)堂々(だうだう)たる一人(ひとり)の修験者(しゆげんじや)や彼(かれ)の妻(つま)か娘(むすめ)か知(し)らね共(ども)、115天女(てんによ)の如(や)うな十七八(じふしちはち)の美人(びじん)を伴(ともな)ひ、116二三(にさん)の部下(ぶか)と共(とも)に、117肩(かた)をそびやかし、1171凱旋(がいせん)将軍(しやうぐん)のやうな意気(いき)込(ご)みで、118悠々(いういう)と帰(かへ)つて来(き)た。119バルギーはコルトンの姿(すがた)を見(み)るより、120あわてて出迎(でむか)ひ、
121バル『ヤ、122兄弟(きやうだい)、123お手柄(てがら)お手柄(てがら)。124何(なん)とマア立派(りつぱ)な比丘(びく)をつれて来(き)たものだなア。125親分(おやぶん)さまが大変(たいへん)なお待兼(まちかね)だ。126用意(ようい)万端(ばんたん)チンと整(ととの)つてゐるのだ。127亡(な)き奥様(おくさま)も嘸(さぞ)お喜(よろこ)び遊(あそ)ばすだらう。128かういふ事(こと)はお前(まへ)に限(かぎ)る哩(わい)』
129コルトン『ヤア、130サウ褒(ほ)めて呉(く)れちや、131物(もの)が言(い)へなくなる。132併(しか)し乍(なが)ら彼方(あちら)此方(こちら)とかけまはり、133名僧(めいそう)知識(ちしき)を尋(たづ)ね廻(まは)つた所(ところ)、134此(この)頃(ごろ)はバラモン軍(ぐん)の襲来(しふらい)で、135比丘(びく)も修験者(しゆげんじや)もどつかへ影(かげ)をかくし、136容易(ようい)に見当(みあた)らなかつたのだ。137そして寺(てら)を有(も)つてゐる坊主(ばうず)を頼(たの)んぢや、138此(この)かくれ家(が)が世(よ)の中(なか)へ発覚(はつかく)する虞(おそれ)があるものだから、139風来者(ふうらいもの)の神力(しんりき)の強(つよ)い、140徳(とく)の高(たか)い比丘(びく)をと思(おも)つたものだから、141今日(けふ)で三日(みつか)捜索(そうさく)にかかり、142漸(やうや)く今朝(けさ)、143こんな立派(りつぱ)な修験者(しゆげんじや)否(いな)天帝(てんてい)の化身(けしん)様(さま)に出会(でつくは)し、144事情(じじやう)を申(まをし)上(あ)げた所(ところ)、145快(こころよ)く承諾(しようだく)して下(くだ)さつたものだから、146お伴(とも)して来(き)たのだよ』
147バルギー『あ、148それは好都合(かうつがふ)だつた。149マ、150奥(おく)へ行(い)つて休(やす)んでくれ。151……これはこれは天帝(てんてい)の化身(けしん)様(さま)、152始(はじ)めてお目(め)にかかります。153私(わたし)は当館(たうやかた)の番頭(ばんとう)を致(いた)す者(もの)でバルギーと申(まを)します。154何分(なにぶん)斯様(かやう)な山中(さんちう)で厶(ござ)いますから、155充分(じゆうぶん)の御(ご)待遇(たいぐう)も出来(でき)ませず、156不都合(ふつがふ)許(ばかり)で厶(ござ)いますけれど、157そこは何(なに)とぞ寛大(くわんだい)なるお心(こころ)に見直(みなほ)し、158聞直(ききなほ)し下(くだ)さいまして、159亡(な)き奥様(おくさま)の御(ご)回向(ゑかう)を願(ねが)ひたう厶(ござ)います。160失礼(しつれい)乍(なが)ら御(ご)姓名(せいめい)は何(なん)と申(まを)されますか。161主人(しゆじん)へ報告(ほうこく)の都合(つがふ)も厶(ござ)いますから承(うけたま)はりたいもので厶(ござ)います』
162 修験者(しゆげんじや)はさも鷹揚(おうやう)にそり身(み)になり、
163修験者(しゆげんじや)(玄真坊)『ヤ、164其方(そなた)は当家(たうけ)の番頭(ばんとう)バルギー殿(どの)で厶(ござ)つたかのう。165コルトン殿(どの)に其方(そなた)の才子(さいし)たる事(こと)は能(よ)く聞(き)いてゐる。166併(しか)し乍(なが)ら当家(たうけ)は普通(ふつう)の家(いへ)ではあるまい。167コルトン殿(どの)の巧(うま)き口(くち)に乗(の)せられ、168此(この)山奥(やまおく)へ連(つ)れ込(こ)まれ、169四辺(あたり)の様子(やうす)を見(み)れば、170どうやら山賊(さんぞく)の住家(すみか)と見(み)える。171其方(そなた)は親玉(おやだま)に仕(つか)へてゐる小頭(こがしら)であらうがな』
172バル『ハイ、173恐(おそ)れ入(い)ります。174いかにも貴方(あなた)の御(ご)明察(めいさつ)には感服(かんぷく)仕(つかまつ)りました。175最早(もはや)今(いま)となつては隠(かく)しても駄目(だめ)で厶(ござ)います。176吾々(われわれ)は山賊(さんぞく)の小頭(こがしら)を致(いた)して居(を)ります。177大親分(おほおやぶん)はシャカンナと申(まを)し、178大変(たいへん)な豪傑(がうけつ)で厶(ござ)います。179失礼(しつれい)乍(なが)ら、180重(かさ)ねて御(お)名(な)をお聞(きき)申(まを)したう厶(ござ)いますが……』
181修(しゆ)(玄真坊)『アハヽヽヽ、182吾(わが)名(な)を聞(き)いて何(なん)と致(いた)すか。183人間(にんげん)ならば名(な)もある、184苗字(めうじ)もある。185拙僧(せつそう)こそは天(てん)を父(ちち)となし地(ち)を母(はは)と致(いた)し、186天帝(てんてい)の精気(せいき)凝(こ)つて、187茲(ここ)に人体(じんたい)を現(あら)はし、188衆生(しゆじやう)済度(さいど)を致(いた)す者(もの)、189たつて吾(わが)名(な)を言(い)はば天帝(てんてい)の化身(けしん)とでも名(な)づけておかうかい、190アツハヽヽヽ』
191バル『いかにも、192縦(たて)から見(み)ても横(よこ)から見(み)ても、193威厳(ゐげん)の備(そな)はつた御(ご)神格(しんかく)、194天帝(てんてい)の御(ご)化身(けしん)様(さま)で厶(ござ)いませう。195あゝ、196奥様(おくさま)は何(なん)たる幸福(かうふく)な方(かた)だらう。197そして其処(そこ)にゐらつしやる御(ご)婦人(ふじん)は奥様(おくさま)で厶(ござ)いますか、198或(あるひ)はお娘子(むすめご)で厶(ござ)いますか』
199修(しゆ)(玄真坊)『アハヽヽヽ、200妻(つま)もなければ娘(むすめ)もない、201此(この)御(おん)方(かた)は天極(てんごく)紫微宮(しびきう)より、202万民(ばんみん)済度(さいど)の為(ため)、203此(この)度(たび)御(ご)降臨(かうりん)遊(あそ)ばした棚機姫(たなばたひめ)様(さま)で厶(ござ)るぞや』
204バルギー『いかにも、205さう承(うけたま)はりますれば、206地(ち)の上(うへ)に臍(へそ)の緒(を)切(き)つた御人(ごじん)とは見(み)えませぬ。207いふに云(い)はれぬ御(ご)気品(きひん)の高(たか)い、208御(お)綺麗(きれい)なお姿(すがた)、209私(わたし)は一目(ひとめ)拝(をが)んで目(め)がくらむやうで厶(ござ)います。210サア、211どうか、212主人(しゆじん)が待兼(まちか)ねて居(を)りますから、213奥(おく)へお通(とほ)り下(くだ)さいませ』
214修(しゆ)(玄真坊)『然(しか)らば案内(あんない)めされ。215主人(しゆじん)に会(あ)うて、216とくと天地(てんち)の道理(だうり)を聞(き)かしてやらう』
217 バルギーは……天地(てんち)の道理(だうり)を泥棒(どろばう)の親分(おやぶん)に聞(き)かされちや大変(たいへん)だ。218愛善(あいぜん)を以(もつ)て旨(むね)とする神(かみ)様(さま)の化身(けしん)と、219人(ひと)を脅(おど)かし、2191金銭(きんせん)物品(ぶつぴん)を捕(と)る大親分(おほおやぶん)とはそりが合(あ)ふまい。220コルトンも気(き)の利(き)かねい、221何故(なぜ)こんな神(かみ)様(さま)の化身(けしん)などを引(ひつ)ぱつて来(き)やがつたらう……と口(くち)の中(うち)で呟(つぶや)き乍(なが)ら、222シャカンナの巣(す)ごもつてゐる立派(りつぱ)な岩窟(がんくつ)の中(なか)へ案内(あんない)した。
223バル『旦那(だんな)様(さま)、224只今(ただいま)コルトンが修験者(しゆげんじや)否(いな)モツト モツト モツト、225尊(たふと)い尊(たふと)い偉(えら)い御(お)方(かた)様(さま)をお伴(とも)致(いた)して帰(かへ)つて参(まゐ)りました。226此(この)方(かた)は人間(にんげん)ぢやない相(さう)です。227天帝(てんてい)の御(ご)化身(けしん)、228又(また)モ一人(ひとり)の御(おん)方(かた)は棚機姫(たなばたひめ)様(さま)ぢやといふ事(こと)で厶(ござ)います。229どうぞ不都合(ふつがふ)のないやう、230御(ご)無礼(ぶれい)のない様(やう)、231御(ご)注意(ちうい)を下(くだ)さいませ』
232シャ『何(なに)、233コルトンが、234神(かみ)の化身(けしん)をつれて来(き)たといふのか、235ヤ、236それは重畳(ちようぢやう)々々(ちようぢやう)。237先(ま)づ其(その)神(かみ)の化身(けしん)とやらに会(あ)ふてみやう』
238バル『只今(ただいま)此処(ここ)へお伴(とも)して参(まゐ)りました。239どうか起(お)きて下(くだ)さい。240失礼(しつれい)で厶(ござ)いますぞ』
241 シャカンナはガハとはね起(お)き、242居(ゐ)ずまいを直(なほ)し天帝(てんてい)の化身(けしん)と称(しよう)する男(をとこ)の顔(かほ)を熟視(じゆくし)し乍(なが)ら、243ニヤリと打笑(うちわら)ひ、
244シャ『イヨー、245能(よ)く化(ば)けたものだなア。246売僧(まいす)もそれ丈(だけ)立派(りつぱ)な衣服(いふく)をつけ、247尊大(そんだい)ぶつて居(を)れば、248天帝(てんてい)の化身(けしん)とも、249素人(しろうと)の目(め)には見(み)えるだらう。250併(しか)し俺(おれ)の目(め)では山子(やまこ)坊主(ばうず)とより見(み)えないワ、251アハヽヽヽ。252オイ、253狸(たぬき)坊主(ばうず)、254汝(きさま)は一体(いつたい)何処(どこ)の者(もの)だい』
255修(しゆ)(玄真坊)『これは怪(け)しからぬ。256天来(てんらい)の救世主(きうせいしゆ)、257天帝(てんてい)の化身(けしん)たる拙僧(せつそう)に向(むか)つて、258狸(たぬき)坊主(ばうず)とは余(あま)りの暴言(ばうげん)ではないか。259左様(さやう)な挨拶(あいさつ)を承(うけたま)はるべく、260はるばるかやうな山奥(やまおく)へは参(まゐ)り申(まを)さぬ。261お気(き)に入(い)らぬとあれば、262拙僧(せつそう)は此(この)儘(まま)帰(かへ)るで厶(ござ)らう』
263シャ『アハヽヽヽ、264オイ坊主(ばうず)、265さう怒(おこ)るものぢやないよ。266糞尿(ふんねう)の身(み)を錦(にしき)に包(つつ)み、267夜叉(やしや)の心(こころ)を菩薩(ぼさつ)の仮衣(かりぎぬ)に装(よそほ)うて、268天下(てんか)万民(ばんみん)を困惑(こんわく)せしめむとする大野心(だいやしん)を有(いう)する者(もの)が、269此(この)方(はう)の一言(いちごん)に恐(おそ)れ、270早(はや)逃(にげ)仕度(じたく)を致(いた)すとは、2701何(なん)の事(こと)だ。271オイ坊主(ばうず)、272汝(なんぢ)は虚勢(きよせい)を張(は)つて強(つよ)相(さう)に偉(えら)相(さう)に構(かま)へてゐるが、273心(こころ)の中(うち)はビクビクものだらう。274甘(うま)い鳥(とり)が見(み)つかつたと思(おも)つて、275コルトンの野郎(やらう)にマンマと騙(だま)し込(こ)まれ、276来(き)てみれば意外(いぐわい)な硬骨(こうこつ)爺(おやぢ)、277さぞ驚(おどろ)いたであらう』
278修(しゆ)(玄真坊)『益々(ますます)以(もつ)て怪(け)しからぬお言葉(ことば)、279拙者(せつしや)は愛善(あいぜん)の徳(とく)に住(ぢう)し、280信真(しんしん)の光(ひかり)に充(み)ち、281智慧(ちゑ)証覚(しようかく)の輝(かがや)き亘(わた)る天帝(てんてい)の化身(けしん)に間違(まちがひ)厶(ござ)らぬぞや。282年(とし)をとられて、283其方(そなた)は眼力(がんりき)がうすくなり、284拙僧(せつそう)の神格(しんかく)容貌(ようばう)並(ならび)に威光(ゐくわう)が分(わか)らぬので厶(ござ)らう。285チツと許(ばか)り手洗(てうず)を使(つか)つて来(き)なさい。286寝(ね)とぼけ眼(まなこ)で神人(しんじん)を見(み)ようとは、287身分(みぶん)不相応(ふさうおう)で厶(ござ)らうぞ』
288シャ『アハヽヽヽ、289ても偖(さて)も面白(おもしろ)い狸(たぬき)坊主(ばうず)だ。290オイ売僧(まいす)、291其(その)格好(かくかう)は何(なん)だ、292肩(かた)を四角(しかく)にしよつて、293チツと削(けづ)りおとしてやらうか。294棚機姫(たなばたひめ)様(さま)の天降(あまくだ)りだとか何(なん)とか申(まを)して、295良家(りやうか)の娘(むすめ)をチヨロまかして来(き)たのだらう。296どうだ、297俺(おれ)の眼力(がんりき)が、298これでも衰(おとろ)へて居(を)ると申(まを)すか。299可(い)いかげんに我(が)を折(を)り、300正体(しやうたい)を現(あら)はせ』
301修(しゆ)(玄真坊)『アハヽヽヽ、302そこ迄(まで)看破(かんぱ)されちや、303モウ仕方(しかた)がない。304オイ爺(おやぢ)、305しつかり聞(き)け、306俺(おれ)こそはトルマン国(ごく)の有名(いうめい)なオーラ山(さん)に立(たて)こもり、307天帝(てんてい)の化身(けしん)、308天来(てんらい)の救世主(きうせいしゆ)と名乗(なの)つてゐた玄真坊(げんしんばう)の成(な)れの果(はて)だ。309悪(わる)い事(こと)にかけては、310決(けつ)して人後(じんご)に落(お)ちない積(つも)りだ。311悪鬼(あくき)も羅刹(らせつ)も、312大蛇(をろち)も狼(おほかみ)も313俺(おれ)の声(こゑ)を聞(き)いたら、3131跣(はだし)で逃(にげ)出(だ)すといふ、314天下(てんか)無双(むさう)の英雄(えいゆう)豪傑(がうけつ)だぞ。315オイ爺(おやぢ)、316汝(きさま)は山賊(さんぞく)の張本(ちやうほん)とはいひ乍(なが)ら、317何(なに)か善(よ)からぬ目的(もくてき)を抱(かか)へて此(こ)の山砦(さんさい)に立籠(たてこ)もり、318天下(てんか)を狙(ねら)つてゐる曲者(くせもの)であらうがな。319否(いな)国盗人(くにぬすびと)であらうがな。320爺(おやぢ)の計画(けいくわく)は実(じつ)に天下(てんか)の壮図(さうと)だ。321併(しか)し乍(なが)ら惜(を)しい事(こと)には、322爺(おやぢ)には棟梁(とうりやう)の真価(かち)がない。323否(いな)立派(りつぱ)な参謀(さんぼう)がない。324痩山(やせやま)の蕨(わらび)のやうな代物(しろもの)許(ばか)り、325幾(いく)ら集(あつ)めた所(ところ)で、326何(なん)の役(やく)にも立(た)つものか。327こんなヒヨロヒヨロ部下(ぶか)を集(あつ)めて、328そんな大望(たいまう)が成就(じやうじゆ)すると思(おも)うてゐるのか、329てもさても迂愚(うぐ)の骨頂(こつちやう)だな、330アハヽヽヽ。331爺(おやぢ)の心根(こころね)がおいとしいワイ、332イツヒヽヽヽ』
333シャ『ヤア、334此奴(こいつ)ア面白(おもしろ)い糞坊主(くそばうず)だ、335話(はな)せるワイ。336オイ狸(たぬき)、337腕(うで)まくりでもして、338胡坐(あぐら)をかけ。339そんな業々(げふげふ)しいコケおどしの法服(ほふふく)を纒(まと)うてゐると、340何(なん)だか俺(おれ)も心(こころ)から打(うち)とけられない気(き)がするワ。341鬼(おに)と蛇(じや)との会合(くわいがふ)だ。342今夜(こんや)はゆつくり語(かた)り明(あ)かし、343幸(さいは)ひに肝胆(かんたん)相(あひ)照(て)らすを得(え)ば、344どうだ一(ひと)つ、345天下(てんか)取(と)りの大(おほ)バクチを打(う)つてみようぢやないか』
346玄真(げんしん)『ヤア、347其奴(そいつ)アしやれてる。348ワリとは気(き)の利(き)いた爺(おやぢ)だ。349併(しか)し俺(おれ)を狸(たぬき)坊主(ばうず)といつたが、350狸(たぬき)の称号(しやうがう)丈(だけ)は正(まさ)に返上(へんじやう)する、351受取(うけと)つてくれ。352序(ついで)に売僧(まいす)坊主(ばうず)の尊称(そんしよう)も返上(へんじやう)しておかう、353糞坊主(くそばうず)など云(い)はれるのは沙汰(さた)の限(かぎ)りだ、354無礼(ぶれい)の極(きよく)だ。355コラ爺(おやぢ)、356之(これ)からきめておかないと本当(ほんたう)の話(はなし)が出来(でき)ないワ。357そして爺(おやぢ)の女房(にようばう)の十年忌(じふねんき)だと云(い)つて、358俺(おれ)をコルトンが引張(ひつぱ)つて来(き)よつたのだが、359お経(きやう)なんか邪魔(じやま)臭(くさ)いからやめたら何(ど)うだい。360心(こころ)に豺狼(さいらう)の欲(よく)を逞(たくま)しうし、361鬼(おに)の剣(けん)を含(ふく)んで毒気(どくき)を吐(は)いた所(ところ)で仏(ほとけ)は喜(よろこ)ぶまいぞ』
362シャ『ウン、363汝(きさま)の云(い)ふ通(とほり)だ。364女房(にようばう)の回向(ゑかう)をしてやつた所(ところ)で、365有難(ありがた)いとも嬉(うれ)しいともいふぢやないし、366又(また)汝(そなた)の様(やう)な売僧(まいす)坊主(ばうず)の読経(どくきやう)を聞(き)いた所(ところ)で何(なん)の役(やく)にも立(た)つまい。367英雄(えいゆう)と英雄(えいゆう)が、368女房(にようばう)の十年忌(じふねんき)の命日(めいにち)に会合(くわいがふ)したのは、369女房(にようばう)の霊(れい)が残(のこ)つて居(を)れば嘸(さぞ)喜(よろこ)ぶだらう。370これが何(なに)よりの回向(ゑかう)だ。371幸(さいは)ひ今日(けふ)は沢山(たくさん)の馳走(ちそう)が拵(こしら)へてある。372坊主(ばうず)鉢巻(はちまき)でもして、373大(おほい)に鯨飲(げいいん)馬食(ばしよく)でもやつたらどうだ』
374玄(げん)『そら面白(おもしろ)からう、375大(おほい)に吾(わが)意(い)を得(え)てゐる。376併(しか)し乍(なが)ら今(いま)俺(おれ)を売僧(まいす)坊主(ばうず)といつたね、377どうか其(そ)れ丈(だけ)は御免(ごめん)を蒙(かうむ)りたいものだよ』
378シャ『狸(たぬき)坊主(ばうず)379糞坊主(くそばうず)の称号(しやうがう)は返還(へんくわん)を受(う)けたが、380まだ売僧(まいす)坊主(ばうず)の返上(へんじやう)はなかつたやうだね。381売僧(まいす)坊主(ばうず)が厭(いや)なら山子(やまこ)坊主(ばうず)といはうか、382一層(いつそう)383蛸坊主(たこばうず)は何(ど)うだ、384アツハヽヽヽヽヽ』
385玄(げん)『エー、386どこ迄(まで)も俺(おれ)を馬鹿(ばか)にするのか、387天帝(てんてい)の化身(けしん)様(さま)を何(なん)と心得(こころえ)てゐるのだい』
388シャ『鼬(いたち)の化身(けしん)か貂(てん)の化身(けしん)か猿(さる)の化身(けしん)か知(し)らぬけれど、389随分(ずいぶん)偉(えら)い馬力(ばりき)だな。390メートルもそこ迄(まで)上(あ)げたら天下(てんか)無敵(むてき)だらうよ、391ウツフヽヽヽ』
392玄(げん)『オイ爺(おやぢ)、393お前(まへ)と俺(おれ)との仲(なか)だから、394狸(たぬき)といはうが、395汝(きさま)と言(い)はうが差支(さしつかへ)ないやうなものだが、396ここで一(ひと)つ大芝居(おほしばゐ)を打(う)たうと思(おも)へば、397俺(おれ)をヤツパリ天帝(てんてい)の化身(けしん)にしておかねば、398甘(うま)く大望(たいまう)が成功(せいこう)しないよ。399其(その)称号(しやうがう)から一(ひと)つ定(き)めておかうぢやないか』
400シャ『実(じつ)にシャカンナ勢(いきほひ)だのう。401よしよし、402それでは汝(きさま)は天帝(てんてい)の化身(けしん)、403玄真坊(げんしんばう)だから頭字(かしらじ)と尻(しり)の字(じ)を取(と)つて、404天真坊(てんしんばう)様(さま)と云(い)つたら何(ど)うだ、405余(あま)り天真(てんしん)爛漫(らんまん)な身魂(みたま)でもないけれどな。406世(よ)の中(なか)を欺(あざむ)くには格好(かくかう)の名称(めいしよう)だらう』
407玄(げん)『ヤ、408流石(さすが)は山賊(さんぞく)の親分(おやぶん)丈(だけ)あつて、409可(い)い所(ところ)へ気(き)がつくワイ。410天真(てんしん)なる哉(かな)天真(てんしん)なる哉(かな)、411只今(ただいま)から天真坊(てんしんぼう)さまだぞ、412可(い)いか』
413シャ『そんなら、4131天真坊(てんしんぼう)様(さま)、414何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)415天下(てんか)経綸(けいりん)の為(ため)にやつがれが謀師(ぼうし)となり、416機略(きりやく)縦横(じうわう)の神策(しんさく)を教(をし)へて下(くだ)さい。417そして現界(げんかい)は云(い)ふも更(さら)なり、418死後(しご)の世界(せかい)迄(まで)も吾(わが)身(み)の幸福(かうふく)ならむ事(こと)を御(ご)守護(しゆご)下(くだ)さいませ。419偏(ひとへ)に懇願(こんぐわん)し奉(たてまつ)ります。420帰命(きみやう)頂礼(ちやうらい)、421謹請(ごんじやう)再拝(さいはい)』
422玄(げん)『コリヤコリヤ爺(おやぢ)、423さう俄(にはか)に改(あらた)まつちや、424俺(おれ)も何(なん)だか、425ウーン……馬鹿(ばか)にされてるやうな気(き)がしてならないワ。426併(しか)し丁寧(ていねい)な言葉(ことば)を使(つか)はれると、427からかはれてるとは知(し)り乍(なが)ら、428余(あま)り気分(きぶん)の悪(わる)くないものだ。429言霊(ことたま)は神(かみ)也(なり)430とは実(じつ)に能(よ)く云(い)つたものだな、431アハヽヽヽ』
432シャ『天真坊(てんしんぼう)様(さま)、433御意(ぎよい)に召(め)しましたかな。434ヤ、435やつがれも無上(むじやう)の光栄(くわうえい)で厶(ござ)います。436壮健(さうけん)なる御(ご)尊顔(そんがん)を拝(はい)し、437やつがれ身(み)にとり欣喜(きんき)雀躍(じやくやく)の至(いた)りに堪(た)へませぬ、438アツハヽヽヽ』
439玄(げん)『オイ、440其(その)アツハヽヽヽ丈(だけ)をのけてくれないか』
441シャ『ハイ承知(しようち)致(いた)しました。442アツハヽヽヽ、443ヤ、444此(この)アツハヽヽヽは撤回(てつくわい)致(いた)します、445アツハヽヽ。446エー、447どこ迄(まで)もアツハヽヽの奴(やつ)448追撃(つゐげき)しやがる。449コリヤ決(けつ)して、450此(この)シャカンナが云(い)つたのぢやない。451悪(あし)からず御(ご)勘弁(かんべん)を願(ねが)ひたい。452イツヒヽヽ、453エー、454又(また)イツヒヽヽヽの奴(やつ)455尾行(びかう)し出(だ)したな、456イツヒヽヽヽ』
457(大正一三・一二・三 新一二・二八 於祥雲閣 松村真澄録)
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