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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第67巻(午の巻)
序文
総説
第1篇 美山梅光
第1章 梅の花香
第2章 思想の波
第3章 美人の腕
第4章 笑の座
第5章 浪の皷
第2篇 春湖波紋
第6章 浮島の怪猫
第7章 武力鞘
第8章 糸の縺れ
第9章 ダリヤの香
第10章 スガの長者
第3篇 多羅煩獄
第11章 暗狐苦
第12章 太子微行
第13章 山中の火光
第14章 獣念気
第15章 貂心暴
第16章 酒艶の月
第17章 晨の驚愕
第4篇 山色連天
第18章 月下の露
第19章 絵姿
第20章 曲津の陋呵
第21章 針灸思想
第22章 憧憬の美
余白歌
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第67巻(午の巻)
> 第1篇 美山梅光 > 第2章 思想の波
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(B)
(N)
美人の腕 >>>
第二章
思想
(
しさう
)
の
波
(
なみ
)
〔一七〇四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第67巻 山河草木 午の巻
篇:
第1篇 美山梅光
よみ(新仮名遣い):
びざんばいこう
章:
第2章 思想の波
よみ(新仮名遣い):
しそうのなみ
通し章番号:
1704
口述日:
1924(大正13)年12月19日(旧11月23日)
口述場所:
教主殿
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1926(大正15)年8月19日
概要:
舞台:
ハルの湖を進む波切丸
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm6702
愛善世界社版:
17頁
八幡書店版:
第12輯 35頁
修補版:
校定版:
17頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
梅公
(
うめこう
)
はヨリコ
姫
(
ひめ
)
、
002
花香姫
(
はなかひめ
)
を
伴
(
ともな
)
ひ
駒
(
こま
)
に
跨
(
またが
)
り
轡
(
くつわ
)
を
並
(
なら
)
べて
照国別
(
てるくにわけ
)
の
隊
(
たい
)
に
合
(
がつ
)
すべく、
003
間道
(
かんだう
)
を
選
(
えら
)
んでオーラ
山
(
さん
)
の
谷間
(
たにあひ
)
を
川
(
かは
)
に
添
(
そ
)
ひ
004
昼夜
(
ちうや
)
の
区別
(
くべつ
)
なく
猛獣
(
まうじう
)
の
声
(
こゑ
)
や
猿
(
ましら
)
の
健
(
たけ
)
びに
驚
(
おどろ
)
かされつつ、
005
草
(
くさ
)
を
褥
(
しとね
)
とし、
006
立木
(
たちき
)
を
屋根
(
やね
)
となして
幾夜
(
いくや
)
を
重
(
かさ
)
ね
007
オーラ
山脈
(
さんみやく
)
の
東南麓
(
とうなんろく
)
に
無遠慮
(
ぶゑんりよ
)
に
展開
(
てんかい
)
せるハルの
湖
(
みづうみ
)
の
岸辺
(
きしべ
)
に
着
(
つ
)
いた。
008
此
(
この
)
湖水
(
こすい
)
は
高原
(
かうげん
)
地帯
(
ちたい
)
の
有名
(
いうめい
)
なる
大湖水
(
だいこすい
)
にして
東西
(
とうざい
)
二百
(
にひやく
)
里
(
り
)
、
009
南北
(
なんぽく
)
三百
(
さんびやく
)
里
(
り
)
と
称
(
とな
)
へられて
居
(
ゐ
)
る。
010
湖中
(
こちう
)
には
無数
(
むすう
)
の
大小島
(
だいせうたう
)
が
星
(
ほし
)
の
如
(
ごと
)
くに
配置
(
はいち
)
され、
011
各島嶼
(
かくたうしよ
)
何
(
いづ
)
れもパインの
木
(
き
)
が
密生
(
みつせい
)
して
世界一
(
せかいいち
)
の
風景
(
ふうけい
)
と
称
(
とな
)
へられて
居
(
ゐ
)
る。
012
梅公
(
うめこう
)
は
数日間
(
すうじつかん
)
オーラ
山
(
さん
)
の
事件
(
じけん
)
や、
013
その
他
(
た
)
について
日
(
ひ
)
を
費
(
つひや
)
したので、
014
此
(
この
)
湖水
(
こすい
)
を
渡
(
わた
)
り
近道
(
ちかみち
)
を
選
(
えら
)
んで
師
(
し
)
の
軍
(
いくさ
)
に
追付
(
おひつ
)
かむが
為
(
ため
)
であつた。
015
岸辺
(
きしべ
)
には
七八艘
(
しちはつさう
)
の
渡湖船
(
とこせん
)
が
浮
(
うか
)
んでゐる。
016
一行
(
いつかう
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
最
(
もつと
)
も
新
(
あたら
)
しき『
波切丸
(
なみきりまる
)
』と
云
(
い
)
ふ
巨船
(
きよせん
)
に
乗
(
のり
)
移
(
うつ
)
つた。
017
波切丸
(
なみきりまる
)
には
数百
(
すうひやく
)
人
(
にん
)
の
乗客
(
じやうきやく
)
があつた。
018
折
(
をり
)
から
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
北風
(
きたかぜ
)
に
真帆
(
まほ
)
を
孕
(
はら
)
ませ
乍
(
なが
)
ら、
019
男波
(
をなみ
)
女波
(
めなみ
)
をかき
別
(
わ
)
けて
船足
(
ふなあし
)
静
(
しづ
)
かに
音
(
おと
)
もなく、
0192
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
020
漸
(
やうや
)
くにして
船
(
ふね
)
は
岸
(
きし
)
の
見
(
み
)
えぬ
地点
(
ちてん
)
まで
滑
(
すべ
)
つて
来
(
き
)
た。
021
印象
(
いんしやう
)
深
(
ふか
)
きオーラの
山脈
(
さんみやく
)
は
此
(
この
)
湖水
(
こすい
)
を
境界
(
きやうかい
)
として
東西
(
とうざい
)
に
長
(
なが
)
く
延長
(
えんちやう
)
し、
022
中腹
(
ちうふく
)
に
霞
(
かすみ
)
の
帯
(
おび
)
を
〆
(
し
)
め、
023
その
頂
(
いただき
)
は
雲
(
くも
)
の
帽子
(
ばうし
)
を
被
(
かぶ
)
つて、
024
梅公
(
うめこう
)
一行
(
いつかう
)
の
勇者
(
ゆうしや
)
を
見送
(
みおく
)
るの
慨
(
がい
)
があつた。
025
船中
(
せんちう
)
の
無聊
(
むれう
)
を
慰
(
なぐさ
)
むるために、
026
数多
(
あまた
)
の
乗客
(
じやうきやく
)
は
大部分
(
だいぶぶん
)
甲板
(
かんばん
)
に
出
(
い
)
で、
027
四方
(
よも
)
の
風光
(
ふうくわう
)
を
打
(
うち
)
眺
(
なが
)
めて、
028
歌
(
うた
)
を
詠
(
よ
)
んだり、
029
詩
(
し
)
を
吟
(
ぎん
)
じたり、
030
三々
(
さんさん
)
伍々
(
ごご
)
首
(
かうべ
)
を
鳩
(
あつ
)
めて
時事談
(
じじだん
)
に
他愛
(
たあい
)
もなく
耽
(
ふけ
)
つてゐる。
031
梅公
(
うめこう
)
外
(
ほか
)
二人
(
ふたり
)
は
興味
(
きようみ
)
を
以
(
もつ
)
て、
0311
素知
(
そし
)
らぬ
顔
(
かほ
)
して
032
乗客
(
じやうきやく
)
各自
(
かくじ
)
が
思
(
おも
)
ひ
思
(
おも
)
ひの
出鱈目
(
でたらめ
)
話
(
ばなし
)
や
脱線
(
だつせん
)
だらけの
噂
(
うはさ
)
等
(
など
)
をニコニコし
乍
(
なが
)
ら
聞
(
き
)
いてゐた。
033
乗客
(
じやうきやく
)
の
一
(
いち
)
人
(
にん
)
は、
034
甲
(
かふ
)
『もしもしお
前
(
まへ
)
さまは
大変
(
たいへん
)
に
元気
(
げんき
)
さうな
人
(
ひと
)
だが、
035
今度
(
こんど
)
の
戦
(
いくさ
)
には
召集
(
せうしふ
)
されなかつたのですかい』
036
乙
(
おつ
)
『エー、
037
私
(
わたし
)
は
二十五
(
にじふご
)
才
(
さい
)
の
男盛
(
をとこざか
)
りですが、
038
悲
(
かな
)
しいことにや
不具者
(
かたわもの
)
だから
徴兵
(
ちようへい
)
を
免除
(
めんぢよ
)
され、
039
宅
(
うち
)
に
燻
(
くすぶ
)
つてゐましたが、
040
どうも
大抵
(
たいてい
)
のものは
皆
(
みな
)
従軍
(
じゆうぐん
)
し、
041
あとに
残
(
のこ
)
つてゐるものは
子供
(
こども
)
や
爺嬶
(
ぢぢかか
)
、
042
それも
綺麗
(
きれい
)
な
女房
(
にようばう
)
や
娘
(
むすめ
)
はバラモン
軍
(
ぐん
)
が
掻
(
か
)
ツさらへて
行
(
い
)
つた
後
(
あと
)
だから、
043
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
された
人間
(
にんげん
)
は
婆
(
ばば
)
か、
044
お
多福
(
たふく
)
か、
045
不具
(
かたわ
)
の
男子
(
だんし
)
、
046
独眼
(
めかんち
)
に
跛
(
びつこ
)
、
047
腰抜
(
こしぬけ
)
、
048
睾丸
(
きんたま
)
潰
(
つぶ
)
し、
049
いやもう
埒
(
らつち
)
もない
屑物
(
くづもの
)
許
(
ばか
)
りで
糞面白
(
くそおもしろ
)
くもないので、
050
バルガンの
都
(
みやこ
)
へ
行
(
ゆ
)
けば、
051
私
(
わたし
)
の
姉
(
あね
)
の
家
(
うち
)
があつて
立派
(
りつぱ
)
な
商売
(
しやうばい
)
して
暮
(
くら
)
してゐるとの
事
(
こと
)
、
052
一遍
(
いつぺん
)
遊
(
あそ
)
びに
来
(
こ
)
い
遊
(
あそ
)
びに
来
(
こ
)
いと
云
(
い
)
つて
来
(
き
)
たが
行
(
ゆ
)
く
暇
(
ひま
)
がなかつたが、
053
聞
(
き
)
けば
大足別
(
おほだるわけ
)
の
軍隊
(
ぐんたい
)
が
都
(
みやこ
)
に
攻
(
せめ
)
入
(
い
)
つたとか
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
、
054
何
(
いづ
)
れ
戦場
(
せんぢやう
)
となれば
住民
(
ぢうみん
)
の
困難
(
こんなん
)
狼狽
(
らうばい
)
、
055
名状
(
めいじやう
)
すべからざるものが
厶
(
ござ
)
いませう。
056
ついては
姉
(
あね
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
も
案
(
あん
)
じられますし、
057
見舞
(
みまひ
)
がてら、
058
避難
(
ひなん
)
がてら、
059
遊
(
あそ
)
びがてら、
060
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ようと
思
(
おも
)
つて、
061
痩馬
(
やせうま
)
に
跨
(
またが
)
り、
062
オーラ
山
(
さん
)
の
間道
(
かんだう
)
を
通
(
とほ
)
つて、
063
ヤツトの
事
(
こと
)
で
此
(
この
)
船
(
ふね
)
に
間
(
ま
)
にあつたのです』
064
甲
(
かふ
)
『ア、
065
さうですか、
066
そりや
大変
(
たいへん
)
な
事
(
こと
)
ですな。
067
見舞
(
みまひ
)
がてら
遊
(
あそ
)
びに
行
(
ゆ
)
くと
仰有
(
おつしや
)
つたが、
068
さうすると、
069
お
前
(
まへ
)
さまの
考
(
かんが
)
へでは、
070
姉
(
ねえ
)
さまは
先
(
ま
)
づ
無事
(
ぶじ
)
だと
云
(
い
)
ふ
予想
(
よさう
)
がついてると
見
(
み
)
えますな』
071
乙
(
おつ
)
『
何
(
なに
)
、
072
他家
(
よそ
)
(
予想
(
よさう
)
)も
宅
(
うち
)
もありませぬが、
073
私
(
わたし
)
の
姉
(
あね
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
ア、
0731
仲々
(
なかなか
)
こすい
奴
(
やつ
)
で
074
此
(
この
)
十年前
(
じふねんまへ
)
に
大戦
(
おほいくさ
)
のあつた
時
(
とき
)
もチヤンと
一日前
(
いちにちまへ
)
に
嗅
(
かぎ
)
知
(
し
)
り、
075
オーラ
山
(
さん
)
へ
逃
(
に
)
げて
難
(
なん
)
を
免
(
まぬか
)
れた
事
(
こと
)
も
厶
(
ござ
)
います。
076
それはそれは
抜目
(
ぬけめ
)
のない
姉
(
あね
)
ですよ。
077
私
(
わたし
)
の
兄弟
(
きやうだい
)
は
五
(
ご
)
人
(
にん
)
ありましたが
一人
(
ひとり
)
は
早
(
はや
)
く
死
(
し
)
に、
078
二人
(
ふたり
)
の
妹
(
いもうと
)
は
今度
(
こんど
)
のバラモン
軍
(
ぐん
)
に
掻
(
か
)
ツさらはれて
了
(
しま
)
つたのです。
079
何
(
なん
)
とかして
大足別
(
おほだるわけ
)
の
陣中
(
ぢんちう
)
を
窺
(
うかが
)
ひ、
080
妹
(
いもうと
)
の
所在
(
ありか
)
も
一
(
ひと
)
つは
探
(
さが
)
し
度
(
た
)
いと
思
(
おも
)
つて
跛
(
びつこ
)
乍
(
なが
)
らも
痩馬
(
やせうま
)
に
跨
(
また
)
がり、
081
ヤツトここ
迄
(
まで
)
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た
次第
(
しだい
)
です。
082
本当
(
ほんたう
)
に
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は、
083
こんな
事
(
こと
)
思
(
おも
)
ふと、
084
厭
(
いや
)
になつて
了
(
しま
)
ひますよ』
085
甲
(
かふ
)
『かう
云
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
に
天地
(
てんち
)
の
間
(
あひだ
)
に
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
があつたなら
救世主
(
きうせいしゆ
)
を
世
(
よ
)
に
降
(
くだ
)
し、
086
人民
(
じんみん
)
塗炭
(
とたん
)
の
苦
(
く
)
を
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さるだらうに、
087
救世主
(
きうせいしゆ
)
の
再臨
(
さいりん
)
を
旱天
(
かんてん
)
の
雲霓
(
うんげい
)
を
望
(
のぞ
)
む
如
(
ごと
)
く、
088
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
つても、
089
こんな
大国難
(
だいこくなん
)
の
場合
(
ばあひ
)
に
現
(
あら
)
はれ
給
(
たま
)
はぬ
以上
(
いじやう
)
は、
090
神
(
かみ
)
はないものだと
認
(
みと
)
めるより
仕方
(
しかた
)
はありませぬな』
091
乙
(
おつ
)
『
世
(
よ
)
は
末法
(
まつぱふ
)
に
近
(
ちか
)
づき、
092
悪魔
(
あくま
)
は
益々
(
ますます
)
横行
(
わうかう
)
濶歩
(
くわつぽ
)
し、
093
良民
(
りやうみん
)
は
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
に
虐
(
しひた
)
げられ、
094
まるつきり
阿鼻
(
あび
)
叫喚
(
けふくわん
)
095
地獄
(
ぢごく
)
のやうなものです。
096
偽
(
にせ
)
救
(
すく
)
ひ
主
(
ぬし
)
、
097
偽
(
にせ
)
弥勒
(
みろく
)
、
098
偽
(
にせ
)
キリスト
等
(
など
)
は
所々
(
ところどころ
)
に
現
(
あら
)
はれますが、
099
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
は
要
(
えう
)
するに
善
(
ぜん
)
の
仮面
(
かめん
)
を
被
(
かぶ
)
つた
悪魔
(
あくま
)
ですからな。
100
バラモン
軍
(
ぐん
)
よりも
山賊
(
さんぞく
)
よりも
一層
(
いつそう
)
恐
(
おそ
)
ろしい
代物
(
しろもの
)
だから、
101
うつかり
相手
(
あひて
)
になれませぬ』
102
丙
(
へい
)
『
然
(
しか
)
し、
1021
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
、
103
私
(
わたし
)
はヒルナの
都
(
みやこ
)
の
傍
(
ほとり
)
に
住
(
す
)
むものですが、
104
途々
(
みちみち
)
承
(
うけたま
)
はれば、
105
あのオーラ
山
(
さん
)
には
天来
(
てんらい
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
、
106
天帝
(
てんてい
)
の
御
(
ご
)
化身
(
けしん
)
、
107
玄真坊
(
げんしんばう
)
とか
云
(
い
)
ふ
活神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
が
出現
(
しゆつげん
)
遊
(
あそ
)
ばし、
108
お
星
(
ほし
)
様
(
さま
)
までが、
109
有
(
あり
)
がたい
御
(
お
)
説教
(
せつけう
)
を
毎晩
(
まいばん
)
聴聞
(
ちやうもん
)
のため、
110
有名
(
いうめい
)
な
大杉
(
おほすぎ
)
にお
降
(
くだ
)
り
遊
(
あそ
)
ばし、
111
燦爛
(
さんらん
)
たる
光明
(
くわうみやう
)
を
放
(
はな
)
つてゐると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
ぢやありませぬか。
112
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
はオーラのお
方
(
かた
)
と
聞
(
き
)
きましたが、
113
御
(
ご
)
参詣
(
さんけい
)
なさつたのぢやありませぬか。
114
随分
(
ずいぶん
)
ヒルナの
辺
(
へん
)
まで
偉
(
えら
)
い
評判
(
ひやうばん
)
ですよ』
115
乙
(
おつ
)
『
何
(
なに
)
、
116
あいつは
偽
(
にせ
)
救主
(
すくひぬし
)
で、
117
売僧
(
まいす
)
坊主
(
ばうず
)
が
山子
(
やまこ
)
をやつてるに
違
(
ちが
)
ひないです。
118
大方
(
おほかた
)
バラモン
軍
(
ぐん
)
の
間諜
(
まわしもの
)
かも
知
(
し
)
れないと
云
(
い
)
ふ
噂
(
うはさ
)
です。
119
私
(
わたし
)
の
村
(
むら
)
の
者
(
もの
)
は
一
(
いち
)
時
(
じ
)
は
誰
(
たれ
)
も
彼
(
かれ
)
も
信
(
しん
)
じて
詣
(
まゐ
)
りましたが、
120
あまり
御
(
ご
)
利益
(
りやく
)
がないので
誰
(
たれ
)
も
詣
(
まゐ
)
らなくなりました。
121
却
(
かへつ
)
て
遠国
(
ゑんごく
)
の
方
(
はう
)
が
信仰心
(
しんかうしん
)
が
強
(
つよ
)
く、
122
何十
(
なんじふ
)
里
(
り
)
、
123
何百
(
なんびやく
)
里
(
り
)
と
云
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
から、
124
馬
(
うま
)
や
牛
(
うし
)
に
沢山
(
たくさん
)
の
穀物
(
こくもつ
)
を
積
(
つ
)
んでゾロゾロやつて
参
(
まゐ
)
りますが、
125
妙
(
めう
)
なものですわ。
126
皆
(
みな
)
遠
(
とほ
)
くから
詣
(
まゐ
)
つて
来
(
く
)
るものはお
神徳
(
かげ
)
を
頂
(
いただ
)
くと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
です』
127
丙
(
へい
)
『「
燈台
(
とうだい
)
下
(
もと
)
暗
(
くら
)
し」と
云
(
い
)
つて、
128
どうも
近
(
ちか
)
くの
人
(
ひと
)
は
本当
(
ほんたう
)
の
信仰
(
しんかう
)
に
入
(
い
)
らないものです。
129
大体
(
だいたい
)
人間
(
にんげん
)
が
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
をする
人
(
ひと
)
に
偽
(
にせ
)
救
(
すく
)
ひ
主
(
ぬし
)
とか
売主
(
まいす
)
だとか、
130
廃品
(
ばち
)
ものだとか
云
(
い
)
つて
批評
(
ひひやう
)
するのは、
131
信仰
(
しんかう
)
そのものの
生命
(
せいめい
)
が
已
(
すで
)
に
已
(
すで
)
に
失
(
うしな
)
はれてゐるのですから
御
(
お
)
神徳
(
かげ
)
のありさうな
事
(
こと
)
はありませぬよ。
132
鰯
(
いわし
)
の
頭
(
あたま
)
も
信心
(
しんじん
)
からと
云
(
い
)
ふ
譬
(
たとへ
)
の
通
(
とほ
)
り、
133
仮令
(
たとへ
)
オーラ
山
(
さん
)
の
救
(
すく
)
ひ
主
(
ぬし
)
が
偽
(
にせ
)
であらうが、
134
泥棒
(
どろばう
)
の
化
(
ば
)
けたものであらうが、
135
信仰
(
しんかう
)
するものは、
136
つまり、
137
その
神柱
(
かむばしら
)
を
通
(
つう
)
じて
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
に
縋
(
すが
)
つてゐるのですから、
138
仮令
(
たとへ
)
取次
(
とりつぎ
)
は
曲神
(
まがかみ
)
であらうと
139
信仰
(
しんかう
)
そのものが
生
(
い
)
きて
居
(
ゐ
)
る
限
(
かぎ
)
り、
140
キツト
其
(
その
)
誠
(
まこと
)
は
天
(
てん
)
に
通
(
つう
)
じ
御
(
ご
)
利益
(
りやく
)
のあるものと
存
(
ぞん
)
じます。
141
取次
(
とりつぎ
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
正邪
(
せいじや
)
を
批評
(
ひひやう
)
してる
間
(
あひだ
)
は、
142
まだ
研究
(
けんきう
)
的
(
てき
)
態度
(
たいど
)
、
143
批判
(
ひはん
)
的
(
てき
)
、
144
調査
(
てうさ
)
的
(
てき
)
態度
(
たいど
)
ですから、
145
信仰
(
しんかう
)
の
規範
(
きはん
)
に
一歩
(
いつぽ
)
も
入
(
い
)
つてゐないのです。
146
それで
私
(
わたし
)
は
売主
(
まいす
)
が
現
(
あら
)
はれて
天帝
(
てんてい
)
の
化身
(
けしん
)
と
名
(
な
)
のらうとも、
147
「
天帝
(
てんてい
)
の
化身
(
けしん
)
」と
云
(
い
)
ふ、
148
その
名
(
な
)
を
信
(
しん
)
じさへすれば
良
(
い
)
いのです。
149
さうでなくちや、
150
絶対
(
ぜつたい
)
的
(
てき
)
帰依心
(
きえしん
)
は
起
(
おこ
)
らないものです。
151
何程
(
なにほど
)
偉
(
えら
)
い
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
でも、
152
不完全
(
ふくわんぜん
)
な
人間
(
にんげん
)
を
使
(
つか
)
つて
宇宙
(
うちう
)
全体
(
ぜんたい
)
の
意志
(
いし
)
を
伝達
(
でんたつ
)
遊
(
あそ
)
ばし、
153
又
(
また
)
神徳
(
しんとく
)
の
幾部分
(
いくぶぶん
)
を
仲介者
(
ちうかいしや
)
を
通
(
つう
)
じて
下
(
くだ
)
さるのです。
154
吾々
(
われわれ
)
は
橋
(
はし
)
なき
川
(
かは
)
は
渡
(
わた
)
れぬ
道理
(
だうり
)
、
155
どこ
迄
(
まで
)
も
信仰
(
しんかう
)
は
信仰
(
しんかう
)
ですから
信
(
しん
)
じなくては
駄目
(
だめ
)
です。
156
絶対
(
ぜつたい
)
服従
(
ふくじゆう
)
と
云
(
い
)
ふ
名
(
な
)
に
於
(
おい
)
て
初
(
はじ
)
めて
神
(
かみ
)
の
神徳
(
しんとく
)
を
授
(
さづ
)
かり、
157
暖
(
あたた
)
かき
神
(
かみ
)
の
懐
(
ふところ
)
に
抱
(
いだ
)
かれ
得
(
う
)
るのだと
考
(
かんが
)
へます』
158
甲
(
かふ
)
『
成程
(
なるほど
)
、
159
さう
承
(
うけたま
)
はれば、
160
いかにもと
合点
(
がつてん
)
が
参
(
まゐ
)
りました。
161
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
物質
(
ぶつしつ
)
主義
(
しゆぎ
)
の
学説
(
がくせつ
)
や
主義
(
しゆぎ
)
が
盛
(
さかん
)
に
流行
(
りうかう
)
しますので、
162
仮令
(
たとへ
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
だつて
現
(
げん
)
に
吾々
(
われわれ
)
凡夫
(
ぼんぷ
)
の
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
姿
(
すがた
)
を
現
(
あら
)
はし、
163
或
(
あるひ
)
は
奇蹟
(
きせき
)
を
現
(
げん
)
じ、
164
即座
(
そくざ
)
に
霊験
(
れいけん
)
を
見
(
み
)
せて
下
(
くだ
)
さらねば
信
(
しん
)
じないと
云
(
い
)
ふ
極悪
(
ごくあく
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
になつてゐるのですからな。
165
然
(
しか
)
しながら
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
は
学者
(
がくしや
)
の
鼻高
(
はなだか
)
連
(
れん
)
も、
166
少
(
すこ
)
し
眼
(
まなこ
)
が
醒
(
さ
)
めかけたと
見
(
み
)
えて、
167
太霊道
(
たいれいだう
)
とか
霊学
(
れいがく
)
研究会
(
けんきうくわい
)
だとか、
168
或
(
あるひ
)
は
神霊
(
しんれい
)
科学
(
くわがく
)
研究会
(
けんきうくわい
)
だとか、
169
いろいろの
幽霊
(
いうれい
)
研究
(
けんきう
)
が
起
(
おこ
)
りかけましたが、
170
之
(
これ
)
も
時勢
(
じせい
)
の
力
(
ちから
)
でせう。
171
ここ
十年前
(
じふねんぜん
)
迄
(
まで
)
は
如何
(
いか
)
なる
大新聞
(
だいしんぶん
)
にも
大雑誌
(
だいざつし
)
にも
単行本
(
たんかうぼん
)
にも
172
霊
(
れい
)
とか、
173
神
(
かみ
)
とか
云
(
い
)
ふ
字
(
じ
)
は
一字
(
いちじ
)
も
現
(
あら
)
はれてゐなかつたのですが、
174
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
とかの
生神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
が
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
現
(
あら
)
はれ、
175
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
が
世間
(
せけん
)
に
輝
(
かがや
)
き
亘
(
わた
)
るにつれ、
176
霊
(
れい
)
とか
神
(
かみ
)
とか
云
(
い
)
ふ
文字
(
もじ
)
がチヨコチヨコ
現
(
あら
)
はれて
来
(
き
)
ました。
177
それがダンダンと
日
(
ひ
)
を
追
(
お
)
ふて
濃厚
(
のうこう
)
の
度
(
ど
)
を
増
(
まし
)
、
178
流石
(
さすが
)
の
物質
(
ぶつしつ
)
学者
(
がくしや
)
もソロソロ
我
(
が
)
を
折
(
を
)
つて
179
神霊
(
しんれい
)
科学
(
くわがく
)
研究会
(
けんきうくわい
)
と
云
(
い
)
ふやうになつたのでせう。
180
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
科学
(
くわがく
)
と
神霊学
(
しんれいがく
)
とは
出発点
(
しゆつぱつてん
)
が
違
(
ちが
)
ひ、
181
且
(
か
)
つ
畑
(
はたけ
)
が
違
(
ちが
)
ふのですから、
182
茄子畑
(
なすばたけ
)
で
南瓜
(
かぼちや
)
や
西瓜
(
すいくわ
)
を
得
(
え
)
ようとしても
駄目
(
だめ
)
ですわ。
183
ダンダン
人間
(
にんげん
)
や
学者
(
がくしや
)
の
目
(
め
)
が
醒
(
さ
)
めて、
184
霊
(
れい
)
とか
神
(
かみ
)
とかを
云々
(
うんぬん
)
するやうになりましたが、
185
要
(
えう
)
するに
学問
(
がくもん
)
の
行
(
ゆ
)
き
詰
(
つま
)
り
飯
(
めし
)
の
食
(
く
)
ひ
詰
(
づめ
)
となつて、
186
しやう
事
(
こと
)
なしに
有名
(
いうめい
)
の
学者
(
がくしや
)
の
一二
(
いちに
)
人
(
にん
)
が
187
霊学
(
れいがく
)
とか
神霊
(
しんれい
)
とかを
唱道
(
しやうだう
)
し
出
(
だ
)
すと、
188
訳
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬくせに
先
(
さき
)
を
争
(
あらさ
)
ふて、
189
自分
(
じぶん
)
も
霊
(
れい
)
を
説
(
と
)
き
神
(
かみ
)
を
語
(
かた
)
らねば
世
(
よ
)
に
遅
(
おく
)
れた
古
(
ふる
)
い
頭
(
あたま
)
と
云
(
い
)
はれるだらう、
190
社会
(
しやくわい
)
の
嗜好
(
しこう
)
に
投
(
とう
)
じないだらうと
曲学
(
きよくがく
)
阿世
(
あせい
)
の
徒
(
と
)
が、
191
極力
(
きよくりよく
)
アセ
ツた
結果
(
けつくわ
)
だらうと
思
(
おも
)
ひますわ』
192
丙
(
へい
)
『
御
(
お
)
説
(
せつ
)
の
通
(
とほ
)
りです。
193
本当
(
ほんたう
)
に
現代
(
げんだい
)
の
学者
(
がくしや
)
位
(
ぐらゐ
)
、
194
没分暁漢
(
わからずや
)
はありませぬな。
195
三百
(
さんびやく
)
年前
(
ねんぜん
)
に
外国
(
ぐわいこく
)
で
流行
(
りうかう
)
した
学説
(
がくせつ
)
を
翻訳
(
ほんやく
)
して、
196
それを
新
(
あたら
)
しい
学者
(
がくしや
)
のやうに
思
(
おも
)
つて
憶面
(
おくめん
)
もなく
堂々
(
だうだう
)
と
発表
(
はつぺう
)
するのですから
堪
(
たま
)
りませぬわ』
197
乙
(
おつ
)
『そら、
198
貴方
(
あなた
)
等
(
たち
)
のお
説
(
せつ
)
も
尤
(
もつと
)
もだが、
199
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても、
200
今
(
いま
)
は
証拠
(
しようこ
)
がなければ
一切
(
いつさい
)
人民
(
じんみん
)
が
承知
(
しようち
)
せない
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
です。
201
さうして、
202
証拠
(
しようこ
)
や
物体
(
ぶつたい
)
を
無視
(
むし
)
して、
203
無声
(
むせい
)
無形
(
むけい
)
の
霊
(
れい
)
とか
神
(
かみ
)
とかに
精神
(
せいしん
)
を
集中
(
しふちう
)
する
位
(
くらゐ
)
、
204
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
危険
(
きけん
)
の
大
(
だい
)
なるものはなからうかと
思
(
おも
)
ひます。
205
現
(
げん
)
に、
206
オーラ
山
(
さん
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
と
云
(
い
)
つて
居
(
を
)
つた
玄真坊
(
げんしんばう
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
ア、
207
私
(
わたし
)
の
村
(
むら
)
の
後家
(
ごけ
)
婆
(
ば
)
アさまの
娘
(
むすめ
)
、
208
ヨリコ
姫
(
ひめ
)
を
拐
(
かど
)
はかし、
209
それを
女帝
(
によてい
)
として、
210
自分
(
じぶん
)
は
生神
(
いきがみ
)
さまと
成
(
な
)
りすまし、
211
沢山
(
たくさん
)
な
山賊
(
さんぞく
)
を
連
(
つ
)
れて、
212
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
ばかり
仕出
(
しで
)
かし、
213
一方
(
いつぱう
)
は
神
(
かみ
)
さまとなつて
人
(
ひと
)
の
懐
(
ふところ
)
を
睨
(
ねら
)
つて
居
(
ゐ
)
た
所
(
ところ
)
、
214
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
とかに
看破
(
かんぱ
)
され、
215
手品
(
てじな
)
をあばかれ、
216
到頭
(
たうとう
)
何処
(
どこ
)
かへ
逃
(
に
)
げ
散
(
ち
)
つたと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
です。
217
こんな
代物
(
しろもの
)
が
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
沢山
(
たくさん
)
現
(
あら
)
はれて、
218
神仏
(
しんぶつ
)
の
名
(
な
)
をかり、
219
人民
(
じんみん
)
をごまかすのだから、
220
神
(
かみ
)
ならぬ
身
(
み
)
の
吾々
(
われわれ
)
人間
(
にんげん
)
は
221
確
(
たしか
)
なる
証拠
(
しようこ
)
を
掴
(
つか
)
まぬ
事
(
こと
)
にや
安心
(
あんしん
)
して
信仰
(
しんかう
)
が
出来
(
でき
)
ませぬからな。
222
それで
稍
(
やや
)
常識
(
じやうしき
)
に
富
(
と
)
んだ
人間
(
にんげん
)
共
(
ども
)
が、
223
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
宗教
(
しうけう
)
では
慊
(
あきた
)
らず、
224
それだと
云
(
い
)
つて
新
(
あたら
)
しい
信憑
(
しんぴよう
)
すべき
宗教
(
しうけう
)
も
現
(
あら
)
はれず、
225
やむを
得
(
え
)
ずして、
226
どこかに
慰安
(
ゐあん
)
の
道
(
みち
)
を
求
(
もと
)
めむとし、
227
科学
(
くわがく
)
に
立脚
(
りつきやく
)
したる
神霊
(
しんれい
)
の
研究
(
けんきう
)
をなさむと
焦慮
(
あせ
)
るのも、
228
強
(
あなが
)
ち
無理
(
むり
)
ではありませぬよ』
229
丙
(
へい
)
『
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
人間
(
にんげん
)
は
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
とは
違
(
ちが
)
つて、
230
外面
(
ぐわいめん
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
開
(
ひら
)
けてゐるやうですが、
231
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
霊界
(
れいかい
)
の
知識
(
ちしき
)
と
云
(
い
)
ふものは、
232
からつきし
駄目
(
だめ
)
ですから、
233
真
(
しん
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
が
現
(
あら
)
はれてゐるのですけど
234
自分
(
じぶん
)
の
暗愚
(
あんぐ
)
の
心
(
こころ
)
や
邪曲
(
じやきよく
)
なる
思
(
おも
)
ひに
比
(
くら
)
べて
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
を
誠
(
まこと
)
とせないですからな。
235
それ
故
(
ゆゑ
)
、
236
チヨコチヨコと
偽神
(
にせがみ
)
に
欺
(
あざむ
)
かれ、
237
大変
(
たいへん
)
な
災
(
わざはひ
)
に
会
(
あ
)
ひ
238
終
(
しま
)
ひの
果
(
はて
)
にや
神
(
かみ
)
の
カ
の
字
(
じ
)
を
聞
(
き
)
いても
恐怖
(
きようふ
)
戦慄
(
せんりつ
)
するやうに、
239
いぢけて
了
(
しま
)
ふのです。
240
「
羮
(
あつもの
)
にこりて
膾
(
なます
)
を
吹
(
ふ
)
く」の
譬
(
たとへ
)
、
241
真
(
しん
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
が
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
出現
(
しゆつげん
)
して
厶
(
ござ
)
つても、
242
「
又
(
また
)
偽神
(
にせがみ
)
ではなからうか、
243
騙
(
だま
)
すのではあるまいか、
244
触
(
さは
)
らぬ
神
(
かみ
)
に
祟
(
たた
)
りなし、
245
近寄
(
ちかよ
)
つては
大変
(
たいへん
)
だ」と
云
(
い
)
つて
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
悪魔
(
あくま
)
扱
(
あつか
)
ひになし、
246
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
反抗
(
はんかう
)
を
試
(
こころ
)
みるやうになるものです。
247
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
私
(
わたし
)
は
真
(
まこと
)
の
生神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
のもはや
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
降臨
(
かうりん
)
された
事
(
こと
)
を
認
(
みと
)
めてゐます。
248
今度
(
こんど
)
の
戦
(
たたか
)
ひ
等
(
など
)
も
十
(
じふ
)
年
(
ねん
)
も
前
(
まへ
)
から
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
から
覚
(
さと
)
らして
貰
(
もら
)
つて
居
(
ゐ
)
ましたよ。
249
「
国
(
くに
)
乱
(
みだ
)
れて
忠臣
(
ちうしん
)
現
(
あら
)
はれ、
250
家
(
いへ
)
貧
(
まづ
)
しうして
孝子
(
かうし
)
出
(
い
)
で、
251
天下
(
てんか
)
道
(
みち
)
なくして
真人
(
しんじん
)
現
(
あら
)
はる」と
申
(
まを
)
しますが、
252
暗黒
(
あんこく
)
無道
(
ぶだう
)
の
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
を
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
決
(
けつ
)
してお
見捨
(
みす
)
て
遊
(
あそ
)
ばす
筈
(
はず
)
はありませぬ。
253
今日
(
こんにち
)
の
学者
(
がくしや
)
共
(
ども
)
は
誠
(
まこと
)
の
三五
(
あななひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
に
対
(
たい
)
し、
254
邪神
(
じやしん
)
だとか、
255
大国賊
(
だいこくぞく
)
だとか、
256
大色魔
(
だいしきま
)
だとか、
257
詐偽師
(
さぎし
)
だとか、
258
いろいろの
悪罵
(
あくば
)
嘲笑
(
てうせう
)
を
逞
(
たくま
)
しふし、
259
訳
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬ
凡夫
(
ぼんぷ
)
共
(
ども
)
は
学者
(
がくしや
)
の
説
(
せつ
)
や
大新聞
(
だいしんぶん
)
の
説
(
せつ
)
に
誑惑
(
きやうわく
)
され、
260
附和
(
ふわ
)
雷同
(
らいどう
)
して
誠
(
まこと
)
の
真人
(
しんじん
)
を
圧迫
(
あつぱく
)
し
恐怖
(
きようふ
)
し、
261
悪魔
(
あくま
)
の
如
(
ごと
)
く
嫌
(
きら
)
つて
近寄
(
ちかよ
)
らないのです。
262
実
(
じつ
)
に
憐
(
あは
)
れむべき
世態
(
せたい
)
ぢやありませぬか。
263
その
癖
(
くせ
)
、
264
大真人
(
だいしんじん
)
の
首唱
(
しゆしやう
)
された
世
(
よ
)
の
立替
(
たてかへ
)
立直
(
たてなほ
)
し、
265
改造
(
かいざう
)
、
266
霊主
(
れいしゆ
)
体従
(
たいじゆう
)
、
267
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじゆう
)
、
268
建主
(
けんしゆ
)
造従
(
ざうじゆう
)
、
269
陽主
(
やうしゆ
)
陰従
(
いんじゆう
)
等
(
とう
)
の
熟語
(
じゆくご
)
を
使
(
つか
)
ひ、
270
得々
(
とくとく
)
として
自分
(
じぶん
)
が
発明
(
はつめい
)
したやうに
云
(
い
)
つてるのです。
271
つまり
大真人
(
だいしんじん
)
を
誹謗
(
ひばう
)
し
乍
(
なが
)
ら、
272
大真人
(
だいしんじん
)
の
説
(
せつ
)
を
応用
(
おうよう
)
してゐるのだから、
273
ツマリ
渇仰
(
かつかう
)
憧憬
(
どうけい
)
してゐるのぢやありませぬか。
274
本当
(
ほんたう
)
に、
275
これ
程
(
ほど
)
な
矛盾
(
むじゆん
)
が
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
にありませうかな』
276
甲
(
かふ
)
『
貴方
(
あなた
)
のお
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
ると、
277
どうやら
三五教
(
あななひけう
)
の
信者
(
しんじや
)
のやうですが、
278
違
(
ちが
)
ひますかな』
279
丙
(
へい
)
『お
察
(
さつ
)
しの
通
(
とほ
)
り、
280
私
(
わたし
)
は
三五教
(
あななひけう
)
信者
(
しんじや
)
のチヤキチヤキです。
281
燈火
(
とうくわ
)
を
点
(
てん
)
じて
床下
(
ゆかした
)
に
隠
(
かく
)
すものはありませぬ。
282
卑怯
(
ひけふ
)
な
三五
(
あななひ
)
の
信者
(
しんじや
)
は
世間
(
せけん
)
の
圧迫
(
あつぱく
)
や
非難
(
ひなん
)
や
軽侮
(
けいぶ
)
を
苦
(
く
)
にして、
283
人
(
ひと
)
に
尋
(
たづ
)
ねられると
自分
(
じぶん
)
は
三五教
(
あななひけう
)
ぢやないと
云
(
い
)
ふものが
九分
(
くぶ
)
九厘
(
くりん
)
です。
284
心
(
こころ
)
で
神
(
かみ
)
を
信
(
しん
)
じ
口
(
くち
)
に
詐
(
いつは
)
るものは
所謂
(
いはゆる
)
神
(
かみ
)
を
殺
(
ころ
)
すものです。
285
こんな
信仰
(
しんかう
)
は
到底
(
たうてい
)
実
(
み
)
を
結
(
むす
)
びませぬ。
286
又
(
また
)
自分
(
じぶん
)
の
位置
(
ゐち
)
や
名誉
(
めいよ
)
を
毀損
(
きそん
)
されるかと
思
(
おも
)
つて
287
信者
(
しんじや
)
たる
事
(
こと
)
を
隠
(
かく
)
す
卑怯者
(
ひけふもの
)
が
多
(
おほ
)
いのです。
288
私
(
わたし
)
は、
289
そんな
曖昧
(
あいまい
)
な
信仰
(
しんかう
)
は
致
(
いた
)
しませぬ。
290
天下
(
てんか
)
に
誤解
(
ごかい
)
される
程
(
ほど
)
の
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
ならばキツト
好
(
い
)
いに
違
(
ちが
)
ひありませぬ。
291
盲
(
めくら
)
千
(
せん
)
人
(
にん
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
、
292
盲
(
めくら
)
が
象
(
ざう
)
を
評
(
ひやう
)
する
如
(
ごと
)
き
人々
(
ひとびと
)
の
噂
(
うはさ
)
や、
293
誹
(
そしり
)
や
批評
(
ひひやう
)
なんかに
躊躇
(
ちうちよ
)
してるやうな
事
(
こと
)
では、
294
いつ
迄
(
まで
)
経
(
た
)
つても
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
世
(
よ
)
に
現
(
あら
)
はす
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ませぬ。
295
又
(
また
)
天下
(
てんか
)
を
救
(
すく
)
ふ
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ないでせう。
296
私
(
わたし
)
は、
297
さう
云
(
い
)
ふ
信仰
(
しんかう
)
のもとに
三五教
(
あななひけう
)
の
神柱
(
かむばしら
)
、
2971
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
は
298
天地
(
てんち
)
の
大先祖
(
おほせんぞ
)
たる
国常立
(
くにとこたちの
)
尊
(
みこと
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
神教
(
しんけう
)
を
伝達
(
でんたつ
)
遊
(
あそ
)
ばす
世界
(
せかい
)
唯一
(
ゆゐいつ
)
の
神柱
(
かむばしら
)
と
堅
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じてゐるのです』
299
乙
(
おつ
)
『お
前
(
まへ
)
さまの
信仰
(
しんかう
)
も、
300
そこ
迄
(
まで
)
行
(
ゆ
)
けば
徹底
(
てつてい
)
してるやうだが、
301
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
用心
(
ようじん
)
しなさいや、
302
あの
蛙
(
かはづ
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
、
303
背中
(
せなか
)
に
目
(
め
)
がついてるから
現在
(
げんざい
)
自分
(
じぶん
)
を
呑
(
の
)
まむとする
蛇
(
へび
)
の
背
(
せな
)
に、
304
安然
(
あんぜん
)
として
鼾
(
いびき
)
をかいて
居
(
ゐ
)
る。
305
さうして、
306
終
(
しま
)
ひの
果
(
は
)
てにや、
307
その
蛇
(
へび
)
に
尻尾
(
しりつぽ
)
でまかれ、
308
ガブリと
呑
(
の
)
まれて
命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
てるのです。
309
鮟鱇
(
あんかう
)
主義
(
しゆぎ
)
、
310
海月
(
くらげ
)
主義
(
しゆぎ
)
の
偽
(
にせ
)
救
(
すく
)
ひ
主
(
ぬし
)
が
311
彼方
(
あちら
)
、
3111
此方
(
こちら
)
に
現
(
あら
)
はれる
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
ですから、
312
信仰
(
しんかう
)
も
結構
(
けつこう
)
ではありますが、
313
そこは
十分
(
じふぶん
)
気
(
き
)
をつけて、
314
あんまり
固
(
かた
)
くならぬやうに、
315
片寄
(
かたよ
)
らないやう、
316
迷信
(
めいしん
)
に
陥
(
おちい
)
らぬやう
御
(
ご
)
注意
(
ちうい
)
なさるが
結構
(
けつこう
)
でせう』
317
丙
(
へい
)
『
御
(
ご
)
注意
(
ちうい
)
は
有
(
あり
)
がとう
厶
(
ござ
)
います。
318
迷信
(
めいしん
)
に
陥
(
おちい
)
らないやうにと
仰有
(
おつしや
)
いましたが、
319
今日
(
こんにち
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
迷信
(
めいしん
)
に
陥
(
おちい
)
らないものが
一人
(
ひとり
)
も
厶
(
ござ
)
いませうか。
320
政治
(
せいぢ
)
万能
(
ばんのう
)
主義
(
しゆぎ
)
に
迷信
(
めいしん
)
し、
321
黄金
(
わうごん
)
万能
(
ばんのう
)
主義
(
しゆぎ
)
に
迷信
(
めいしん
)
し、
322
共産
(
きやうさん
)
主義
(
しゆぎ
)
に
迷信
(
めいしん
)
し、
323
社会
(
しやくわい
)
主義
(
しゆぎ
)
に
迷信
(
めいしん
)
し、
324
過激
(
くわげき
)
主義
(
しゆぎ
)
に
迷信
(
めいしん
)
し、
325
医者
(
いしや
)
に
迷信
(
めいしん
)
し、
326
弁護士
(
べんごし
)
に
迷信
(
めいしん
)
し、
327
哲学
(
てつがく
)
に
迷信
(
めいしん
)
し、
328
一切
(
いつさい
)
の
科学
(
くわがく
)
に
迷信
(
めいしん
)
し、
329
宇宙学
(
うちうがく
)
に
迷信
(
めいしん
)
してゐるもの
許
(
ばか
)
りです。
330
各自
(
めいめい
)
に
猿
(
さる
)
の
尻笑
(
しりわら
)
ひで、
331
自分
(
じぶん
)
の
思
(
おも
)
つてる
事
(
こと
)
は
正信
(
せいしん
)
だ、
332
他人
(
ひと
)
のやつてる
事
(
こと
)
は
迷信
(
めいしん
)
だと
考
(
かんが
)
へるは、
333
ヤツパリ
迷信
(
めいしん
)
です。
334
私
(
わたし
)
が
三五教
(
あななひけう
)
を
信仰
(
しんかう
)
してるのも、
335
ヤツパリ
迷信
(
めいしん
)
かも
知
(
し
)
れませぬ。
336
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
の
地位
(
ちゐ
)
に
立
(
た
)
つてこそ、
337
初
(
はじ
)
めて
真信
(
しんしん
)
とか
正信
(
せいしん
)
とか
云
(
い
)
へるでせうが、
338
紙
(
かみ
)
一
(
いち
)
枚
(
まい
)
隔
(
へだ
)
てて
向
(
むか
)
ふの
見
(
み
)
えない
人間
(
にんげん
)
の
智力
(
ちりよく
)
や
眼力
(
がんりよく
)
で、
3381
どうして
正信者
(
せいしんじや
)
となる
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ませう。
339
それだから、
340
吾々
(
われわれ
)
は
飽迄
(
あくまで
)
も
迷信
(
めいしん
)
して
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
と
云
(
い
)
ふその
名
(
な
)
に
絶対
(
ぜつたい
)
服従
(
ふくじゆう
)
するのみです。
341
之
(
これ
)
が
吾々
(
われわれ
)
にとつて
唯一
(
ゆゐいつ
)
の
慰安者
(
ゐあんじや
)
となり、
342
天国
(
てんごく
)
開設
(
かいせつ
)
の
基礎
(
きそ
)
となり、
343
生命
(
せいめい
)
の
源泉
(
げんせん
)
となり、
344
無事
(
ぶじ
)
長久
(
ちやうきう
)
の
基
(
もとい
)
となり、
345
天下
(
てんか
)
太平
(
たいへい
)
の
大本
(
たいほん
)
となり、
346
家内
(
かない
)
和合
(
わがふ
)
産業
(
さんげふ
)
発達
(
はつたつ
)
の
大根源
(
だいこんげん
)
となるものだと
迷信
(
めいしん
)
するより
仕方
(
しかた
)
ありませぬわ、
347
ハヽヽヽヽ』
348
梅公
(
うめこう
)
はヨリコ
姫
(
ひめ
)
に
向
(
むか
)
ひ
小声
(
こごゑ
)
にて、
349
『
人々
(
ひとびと
)
の
言葉
(
ことば
)
の
端
(
はし
)
に
知
(
し
)
られけり
350
常暗
(
とこやみ
)
の
世
(
よ
)
の
枉
(
まが
)
の
心
(
こころ
)
を』
351
ヨリコ『
光
(
ひか
)
り
暗
(
やみ
)
行
(
ゆ
)
き
交
(
か
)
ふ
現世
(
うつしよ
)
の
中
(
なか
)
に
352
裏
(
うら
)
と
表
(
おもて
)
の
規
(
のり
)
を
聞
(
き
)
くかな』
353
花香
(
はなか
)
『
花
(
はな
)
薫
(
かを
)
る
人
(
ひと
)
の
心
(
こころ
)
に
三五
(
あななひ
)
の
354
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みの
露
(
つゆ
)
は
宿
(
やど
)
れり』
355
(
大正一三・一一・二三
新一二・一九
於教主殿
北村隆光
録)
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