霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 大魅勒(おほみろく)〔一七七九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第70巻 山河草木 酉の巻 篇:第2篇 千種蛮態 よみ(新仮名遣い):せんしゅばんたい
章:第12章 大魅勒 よみ(新仮名遣い):おおみろく 通し章番号:1779
口述日:1925(大正14)年08月24日(旧07月5日) 口述場所:丹後由良 秋田別荘 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年10月16日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
一方、ハリマの森には、覆面頭巾の大男が二人、ひそひそと何かを話し合ってる。これは、向上主義運動家のレールとマークであった。
レールとマークは、自分たちを迫害していたキューバーが太子の命によって獄につながれたことを喜ぶ。
一方でこのままにしておけば、再び釈放となったときにまた悪事を画策するだろうと考え、今のうちにキューバーを獄から奪い取り、拘束してしまおうと、牢獄の裏門にやってくる。
そこへ、同じくキューバー出獄後の成り行きを案じていた太子がやってくる。太子は物陰よりレールとマークの会話を聞き、二人の志に賛成し、今後の援助を誓う。
レール・マークはまんまと牢番の目を盗んでキューバーをかどわかし、荒井ケ嶽の岩窟にキューバーを放り込んでしまった。
夜が明けて、ジャンクは昨日の取り決めどおりキューバーを釈放しようと牢獄にやってきたが、破獄騒動ですでに大騒ぎとなっていた。
ジャンクはあわてて王に注進にくるが、王と太子は平然としていた。千草姫は太子の態度があやしいとにらんで詰問するが、太子は知らぬ振りをして答えない。
千草姫はその尋問の間に、自分は大みろくの生宮であると口走り始める。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ:ラスプーチン(ラスプチン) データ凡例: データ最終更新日:2018-12-12 15:28:03 文字数:5745 OBC :rm7012
愛善世界社版:148頁 八幡書店版:第12輯 443頁 修補版: 校定版:151頁 普及版:74頁 初版: ページ備考:
001 ハリマの森(もり)の木蔭(こかげ)に覆面(ふくめん)頭巾(づきん)の大男(おほをとこ)が二人(ふたり)、002ロハ台(だい)に腰(こし)をかけ、003ヒソビソと何事(なにごと)か諜(しめ)し合(あ)はしてゐる。
004レール『オイ、005マーク、006スコブツエン宗(しう)のキユーバーの奴(やつ)、007チウイン太子(たいし)さまの英断(えいだん)に仍(よ)つて、008小気味(こぎみ)よくも、009あゝして牢獄(らうごく)へ投(なげ)込(こ)まれよつたが、010併(しか)し吾々(われわれ)は之(これ)を聞(き)いて安心(あんしん)するこた出来(でき)ぬぢやないか。011噂(うはさ)に聞(き)けば、012彼奴(あいつ)はラスプチンの如(や)うな代物(しろもの)で、013千草姫(ちぐさひめ)の歓心(くわんしん)を買(か)ひ、014何(なん)でも怪(け)しからぬ事(こと)をやつてゐやがるといふ事(こと)だ。015何(ど)うしても斯(か)うしても牡鶏(めんどり)のコケコーを唄(うた)ふ時節(じせつ)だから、016刹帝利(せつていり)の権威(けんゐ)も、017賢明(けんめい)なる太子(たいし)の権威(けんゐ)も蹂躙(じうりん)して、018屹度(きつと)千草姫(ちぐさひめ)が彼奴(あいつ)を救(すく)ひ出(だ)すに違(ちが)ひない。019さうなつたが最後(さいご)、020益々(ますます)資本(しほん)主義(しゆぎ)の制度(せいど)を布(し)き、021吾々(われわれ)下層(かそう)階級(かいきふ)に対(たい)し、022圧迫(あつぱく)と搾取(さくしゆ)を以(もつ)て臨(のぞ)み、023世(よ)に立(た)てない様(やう)な悪政(あくせい)を布(し)くに違(ちが)ひない。024さうだから吾々(われわれ)は向上(かうじやう)運動(うんどう)の代表者(だいへうしや)たる立場(たちば)から、025一(いち)時(じ)も早(はや)く彼奴(あいつ)を何(なん)とかしなくちや、026枕(まくら)を高(たか)くして寝(ね)ることが出来(でき)ぬぢやないか。027かうして覆面(ふくめん)頭巾(づきん)の扮装(いでたち)でお前(まへ)をすすめて出(で)て来(き)たが、028決(けつ)して強盗(がうたう)をやる考(かんが)へぢやない。029彼(か)れラスプチンを今(いま)の内(うち)に屠(ほふ)つておかうとの考(かんが)へから、030お前(まへ)をボロイ銭儲(ぜにもうけ)があると云(い)つて、031甘(うま)くここ迄(まで)おびき出(だ)したのだ』
032マーク『なアんだい、033俺(おれ)ヤ又(また)二進(につち)も三進(さつち)も生活難(せいくわつなん)に追(お)はれて立行(たちゆ)かないものだから、034たうとう汝(なんぢ)が生地(きぢ)を現(あら)はし、035今晩(こんばん)泥棒(どろばう)の初旅(はつたび)に出(で)ようと思(おも)ひ、036俺(おれ)に応援(おうゑん)を頼(たの)みに来(き)よつたのだと早合点(はやがつてん)してゐたのだ。037俺(おれ)だつて怖(こは)い目(め)をして、038人家(じんか)に忍(しの)び入(い)り、039或(あるひ)は行人(かうじん)を掠(かす)めて、040思(おも)つた丈(だけ)の金(かね)が取(と)レールか、041取(と)れぬか分(わか)らないが、042生死(せいし)を共(とも)にしようと約(やく)した友人(いうじん)の言葉(ことば)でもあり、043断(ことわ)る訳(わけ)にも行(ゆ)かず、044今日(けふ)からいよいよ太(ふと)う短(みじか)う此(この)世(よ)を暮(くら)す泥棒(どろばう)様(さま)になるのかなア……と因果腰(いんぐわごし)を定(き)めてやつて来(き)たのだ。045併(しか)しお前(まへ)の肚(はら)を聞(き)いて俺(おれ)も安心(あんしん)した。046国家(こくか)の毒虫(どくむし)を駆除(くぢよ)するは正(まさ)に国士(こくし)たる者(もの)の任務(にんむ)だ。047ベツトの行(おこな)はれない世(よ)の中(なか)は改革(かいかく)も善政(ぜんせい)もあつたものぢやない。048どうか一(ひと)つラスプチンを血祭(ちまつり)にしてブル宗教(しうけう)の心胆(しんたん)を寒(さむ)からしめ、049偽(にせ)宗教家(しうけうか)の腸綿(はらわた)をデングリ返(がへ)してやらなけりや駄目(だめ)だよ。050俺(おれ)達(たち)や別(べつ)に乱暴(らんばう)な事(こと)をせなくても、051ラマ階級(かいきふ)の奴(やつ)等(ら)に乱暴者(らんばうもの)として、052怖(こわ)がられてゐるのだから、053何時(いつ)どんな計画(けいくわく)を以(もつ)て其(その)穴(あな)へ陥(おとしい)れられ、054宰相(さいしやう)ベツト未遂(みすゐ)の嫌疑者(けんぎしや)として○○本山(ほんざん)へ拘引(こういん)されるか知(し)れたものぢやない。055同(おな)じ事(こと)なら今(いま)の内(うち)に彼奴(あいつ)を屠(ほふ)つておかねば、056彼奴(あいつ)が擡頭(たいとう)した時(とき)や、057俺(おれ)達(たち)を向上会(かうじやうくわい)撲滅令(ぼくめつれい)とか、058暴力団(ばうりよくだん)取締令(とりしまりれい)とか、059何(なん)とか彼(かん)とか下(くだ)らぬ法律(はふりつ)を発布(はつぷ)して、060益々(ますます)俺(おれ)達(たち)仲間(なかま)を苦(くる)しめ殺(ころ)さうとするに違(ちが)ひない。061本当(ほんたう)に彼奴(あいつ)が投獄(とうごく)されてゐるのを幸(さいは)ひ、062今晩(こんばん)は何(なん)とかして彼奴(あいつ)を奪(うば)ひ取(と)り、063暗(くら)がりでシヤモを絞(し)める様(やう)にやつつけ様(やう)ぢやないか』
064レ『ヤ、065面白(おもしろ)い面白(おもしろ)い、066サアもう牢番(らうばん)の寝静(ねしづ)まる時分(じぶん)だ。067サア、068行(ゆ)かう』
069と二人(ふたり)は木蔭(こかげ)の暗(やみ)を伝(つた)ふて、070トルマン城外(じやうぐわい)の牢獄(らうごく)の裏門(うらもん)へと進(すす)んだ。
071レ『オイ、072仲々(なかなか)此奴(こいつ)ア、073ちよつと、074壁(かべ)が高(たか)うて飛越(とびこ)える訳(わけ)にも行(ゆ)かず、075困(こま)つたなア』
076マ『どつかの軒下(のきした)で梯子(はしご)でも探(さが)して来(き)て、077入(はい)らうでないか。078そして中(なか)へ入(はい)つたら最後(さいご)、079先(ま)づ第一(だいいち)に門(もん)の閂(かんぬき)を外(はづ)し、080何時(いつ)でも逃出(にげだ)せるようにしとくのだぞ。081之(これ)から俺(おれ)がそこらの町家(ちやうか)の軒(のき)を捜(さが)して梯子(はしご)を盗(ぬす)んで来(く)るから、082お前(まへ)はキユーバーの在所(ありか)を考(かんが)へといて呉(く)れ。083彼奴(あいつ)は魔法使(まはふづか)ひだから、084何時(いつ)も青(あを)い火(ひ)を空中(くうちう)に燃(も)やす事(こと)を得意(とくい)としてる奴(やつ)だ。085其(その)魔術(まじゆつ)を以(もつ)て布教(ふけう)の手段(しゆだん)としてゐるのだ。086又(また)彼奴(あいつ)ア、087屹度(きつと)其(その)魔法(まはふ)を使(つか)ひ、088牢番(らうばん)共(ども)を驚(おどろ)かし、089……此奴(こいつ)ア矢張(やつぱ)り生神(いきがみ)さまだ……といふ評判(へうばん)を立(た)てさして、090一(いち)日(にち)も早(はや)く出獄(しゆつごく)の手段(しゆだん)を廻(めぐ)らしてゐるのに違(ちが)ひないからのう』
091レ『ウンそらさうだ。092能(よ)く考(かんが)へて置(お)かう』
093 斯(か)くしてマークは暗(やみ)をぬふて暫(しばら)く姿(すがた)を隠(かく)した。094レールは後(あと)に独言(ひとりごと)、
095『あーあ、096本当(ほんたう)に約(つま)らないワ。097俺(おれ)達(たち)は向上会(かうじやうくわい)の代表者(だいへうしや)となつてラマ階級(かいきふ)を打(うち)亡(ほろ)ぼし、098本当(ほんたう)に平和(へいわ)な世界(せかい)を造(つく)らうと、099今年(ことし)で十(じふ)年(ねん)の間(あひだ)、100一(いち)日(にち)の如(ごと)く寝食(しんしよく)を忘(わす)れ、101妻子(さいし)は寒(さむ)さと飢(うゑ)とに泣(な)いてるに拘(かかは)らず、102昼夜(ちうや)孜々(しし)として活動(くわつどう)して来(き)たが、103何(なん)と云(い)つても強(つよ)い者(もの)の強(つよ)い、104弱(よわ)い者(もの)の弱(よわ)い世(よ)の中(なか)だ。105三(さん)人(にん)寄(よ)つて話(はなし)をしても直様(すぐさま)番僧(ばんそう)に取捉(とつつか)まれ、106牢獄(らうごく)に打込(ぶちこ)まれるやうな険難(けんのん)な世(よ)の中(なか)だから、107手(て)も足(あし)も出(だ)せないワ。108それにも拘(かかは)らず、109大黒主(おほくろぬし)の廻(まは)し者(もの)たるキユーバーの奴(やつ)、110此(この)トルマン国(ごく)へ出(で)てうしやがつて、111トルマン王家(わうけ)も国民(こくみん)も土芥(どかい)の如(ごと)くこき卸(おろ)し、112大黒主(おほくろぬし)の神徳(しんとく)を賞揚(しやうやう)し、113邪教(じやけう)を開(ひら)いて益々(ますます)吾々(われわれ)を苦(くる)しめようとしてゐやがつたが、114賢明(けんめい)なるチウイン太子(たいし)の英断(えいだん)によつて、115国民(こくみん)環視(くわんし)の前(まへ)でふん縛(じば)られやがつた時(とき)の愉快(ゆくわい)さ116痛快(つうくわい)さ。117彼奴(あいつ)を縛(しば)つた時(とき)や、118決(けつ)して彼奴(きやつ)一人(ひとり)ぢやない。119彼奴(きやつ)に買収(ばいしう)されてる番僧(ばんそう)、120ラマ僧(そう)などは頭上(づじやう)に鉄槌(てつつい)を下(おろ)されたやうなものだ。121それにも拘(かかは)らず、122彼(か)れ妖僧(えうそう)を大奥(おほおく)方(がた)が寵愛(ちようあい)してると聞(き)いちや、123吾々(われわれ)は最早(もはや)黙過(もくくわ)する訳(わけ)には行(ゆ)かぬ。124国家(こくか)の為(ため)に此(この)逆賊(ぎやくぞく)を今夜(こんや)の中(うち)に誅伐(ちうばつ)しなくちや取返(とりかへ)しがつかぬ。125又(また)国難(こくなん)勃発(ぼつぱつ)し、126吾々(われわれ)国民(こくみん)を苦(くる)しめるに違(ちが)ひない。127あーあマークの奴(やつ)、128どうしたのだらう。129早(はや)く来(こ)ないかな。130何(なん)となく、131気(き)がせいて仕方(しかた)ない。132愚図(ぐづ)々々(ぐづ)してると牢番(らうばん)が目(め)を覚(さ)まし、133あべこべに自分(じぶん)達(たち)が牢獄(らうごく)に打(うち)込(こ)まれるやうな事(こと)になつちや大変(たいへん)だがな』
134と呟(つぶや)いてゐる。135チウイン太子(たいし)はジヤンクの進言(しんげん)に仍(よ)つて、136明早朝(みやうそうてう)キユーバーは放免(はうめん)されば再(ふたた)び城内(じやうない)へ帰(かへ)り来(きた)り、137又(また)もや母(はは)の心胆(しんたん)をとろかし、138城内(じやうない)を攪乱(かくらん)するに相違(さうゐ)ない。139彼奴(あいつ)を今夜(こんや)の中(うち)に引張(ひつぱ)り出(だ)し、140荒井(あらゐ)ケ嶽(だけ)の岩窟(がんくつ)に牢番(らうばん)をつけて閉(と)ぢ込(こ)め置(お)かむものと微行(びかう)し来(きた)り、141沙羅(さら)双樹(さうじゆ)の木蔭(こかげ)に身(み)を潜(ひそ)めて考(かんが)へてゐたが、142覆面(ふくめん)頭巾(づきん)の曲者(くせもの)が二人(ふたり)居(を)るので、143千草姫(ちぐさひめ)の廻(まは)し者(もの)ではないかと耳(みみ)を欹(そばた)て、144いよいよさうでない事(こと)が分(わか)つたので、145稍(やや)安心(あんしん)の胸(むね)を撫(な)で木蔭(こかげ)をツと立出(たちい)で、146言葉(ことば)静(しづか)に、
147チウイン『お前(まへ)は何人(なにびと)ぢや。148最前(さいぜん)からの話(はなし)を聞(き)けば実(じつ)に可(い)い志(こころざし)、149余(よ)も大賛成(だいさんせい)だ。150お前(まへ)は向上会(かうじやうくわい)員(ゐん)と見(み)えるが、151到底(たうてい)一人(ひとり)や二人(ふたり)で彼(かれ)キユーバーを奪(うば)ひ出(だ)す訳(わけ)にはゆくまい。152余(よ)はチウイン太子(たいし)だが、153之(これ)から門番(もんばん)を叩(たた)き起(おこ)し、154余(よ)の権威(けんゐ)を以(もつ)て門(もん)を開(ひら)かせ、155キユーバーを引(ひき)ずり出(だ)す考(かんが)へだからお前(まへ)も手伝(てつだ)つてくれ』
156レ『ハイ、157私(わたし)はレールと申(まを)しまして、158向上(かうじやう)運動(うんどう)の代表者(だいへうしや)で御座(ござ)いますが、159今(いま)太子(たいし)様(さま)のお言葉(ことば)を聞(き)いて、160実(じつ)に万民(ばんみん)の為(ため)欣喜(きんき)に堪(た)へませぬ。161如何(いか)なる御用(ごよう)なり共(とも)御(おん)申(まを)し付(つ)け下(くだ)さいませ』
162 斯(か)く話(はな)す所(ところ)へ、163マークは長(なが)い梯子(はしご)を担(かた)げて、164ハアハアと息(いき)はづませ乍(なが)らやつて来(き)た。
165マ『オイ、166レール、167到頭(たうとう)梯子(はしご)一本(いつぽん)盗(ぬす)んで来(き)た、168サ、169早(はや)く早(はや)く』
170レ『ヤ、171そりや御(ご)苦労(くらう)だつた。172併(しか)しな、173ここにチウイン太子(たいし)様(さま)が御(お)みえになつてゐるのだ』
174マ『エ、175エー』
176と云(い)つた切(き)り、177吃驚(びつくり)して地上(ちじやう)に尻餅(しりもち)をつく。
178チウ『ハヽヽヽヽ、179ヤ、180お前(まへ)も向上会(かうじやうくわい)員(ゐん)か、181決(けつ)して心配(しんぱい)要(い)らぬ。182今(いま)此(この)男(をとこ)と相談(さうだん)の上(うへ)、183キユーバーを奪(うば)ひ取(と)るべく考(かんが)へてゐる所(ところ)だ、184安心(あんしん)せ』
185マ『ヤ、186賢明(けんめい)なる太子(たいし)様(さま)、187有難(ありがた)う御座(ござ)います』
188レ『もし太子(たいし)様(さま)、189斯様(かやう)に梯子(はしご)が参(まゐ)りました以上(いじやう)は門番(もんばん)を叩(たた)き起(おこ)すにも及(およ)びますまい。190左様(さやう)な事(こと)をなさいますと、191貴方(あなた)がキユーバーを取(とり)逃(に)がし遊(あそ)ばした事(こと)が、192千草姫(ちぐさひめ)様(さま)の耳(みみ)に入(はい)るは当然(たうぜん)、193後(あと)の御(ご)迷惑(めいわく)が思(おも)ひ遣(や)られますから、194どうぞ太子(たいし)様(さま)は此処(ここ)に待(ま)つてゐて下(くだ)さりませ。195吾々(われわれ)両人(りやうにん)、196牢番(らうばん)が万一(まんいち)抵抗(ていかう)すれば擲(なぐ)り倒(たふ)しておいてでも、197彼(か)れ悪魔(あくま)を引(ひき)ずり出(だ)して参(まゐ)ります』
198太子(たいし)『成程(なるほど)199それも一策(いつさく)だ、200一(ひと)つ骨(ほね)を折(を)つて見(み)てくれ。201其(その)代(かは)りに此(この)事(こと)が成功(せいこう)したら、202屹度(きつと)お前(まへ)に褒美(ほうび)をやる』
203レ『イヤ、204滅相(めつさう)な、205万民(ばんみん)の為(ため)に命(いのち)を捨(す)ててる私(わたし)、206褒美(ほうび)が欲(ほ)しさにこんな危(あぶな)い事(こと)が出来(でき)ませうか。207それよりも万民(ばんみん)の叫(さけび)声(ごゑ)を、208心(こころ)をとめてお聞(き)き下(くだ)さいませ』
209太(たい)『イヤ、210余(よ)も平素(へいそ)から民(たみ)の声(こゑ)を聞(き)かむとし、211いろいろと変装(へんさう)して市井(しせい)の巷(ちまた)に出入(しゆつにふ)し、212お前(まへ)等(ら)の活動振(くわつどうぶり)もよく知(し)つてゐるのだ。213精々(せいぜい)活動(くわつどう)してくれ。214今(いま)は非常(ひじやう)に妨害(ばうがい)が強(つよ)うて困(こま)るであらうが、215軈(やが)て勝利(しようり)の都(みやこ)も近(ちか)づくだらう』
216 二人(ふたり)は梯子(はしご)を伝(つた)うて猿(ましら)の如(ごと)く塀(へい)を乗(のり)越(こ)え、217中(なか)より門(もん)の戸(と)をソツと開(あ)けおき、218どの牢獄(らうごく)にキユーバーがゐるかとよくよく伺(うかが)へば、219パツパツと青(あを)い火(ひ)の玉(たま)の如(ごと)きものが窓口(まどぐち)から、220消(き)えたりとぼつたりしてゐる……ヤ、221的切(てつき)りここ……と近(ちか)より見(み)れば、222二人(ふたり)の牢番(らうばん)が高鼾(たかいびき)をかいて椅子(いす)にもたれてゐる。223二人(ふたり)は牢番(らうばん)の腰(こし)に下(さ)げてゐる鍵(かぎ)をソツと取(と)り、224錠(ぢやう)を外(はづ)し、225一人(ひとり)は中(なか)に入(い)り、226一人(ひとり)は牢番(らうばん)を監視(かんし)し乍(なが)ら、227キユーバーを引出(ひきだ)し来(きた)り、228ソツと門外(もんぐわい)に首尾(しゆび)よく伴(つ)れ出(だ)した。229牢番(らうばん)はフツと目(め)を覚(さま)せば、230牢(らう)の戸(と)は開(あ)いてゐる。231自分(じぶん)の腰(こし)の鍵(かぎ)は盗(ぬす)まれて跡(あと)かたもない。232俄(にはか)に『牢破(らうやぶ)り牢破(らうやぶ)り』と呶鳴(どな)り出(だ)した。233此(この)声(こゑ)を聞付(ききつ)けて、234牢屋(らうや)の番人(ばんにん)は一斉(いつせい)に目(め)を覚(さ)まし、235提灯(ちやうちん)や松火(たいまつ)をさげて前後(ぜんご)左右(さいう)にかけ廻(まは)る。236チウイン太子(たいし)は二人(ふたり)に篤(とく)と言(い)ひ聞(き)かせ、237荒井(あらゐ)ケ嶽(だけ)の岩窟(がんくつ)にキユーバーを放(ほ)り込(こ)み、238レール、239マークの両人(りやうにん)に沢山(たくさん)の金(かね)を与(あた)へて、240或(ある)時機(じき)まで之(これ)を警護(けいご)せしむる事(こと)とした。241二人(ふたり)は太子(たいし)の旨(むね)を奉(ほう)じ、242秘密(ひみつ)を守(まも)り、243吾(わが)妻子(さいし)にも之(これ)を打明(うちあ)けなかつた。
244 夜中(やちう)を過(す)ぐれば翌日(よくじつ)である……と云(い)ふので、245ジヤンクは四五(しご)の役人(やくにん)に命(めい)じキユーバーを放免(はうめん)すべく遣(つか)はし見(み)れば、246破獄(はごく)の大騒動(おほさうどう)、247是非(ぜひ)共(とも)王(わう)及(および)千草姫(ちぐさひめ)に報告(はうこく)せねばなるまいと、248王(わう)の居間(ゐま)を訪(おとづ)れ見(み)れば、249既(すで)にチウイン太子(たいし)は王(わう)と共(とも)に何事(なにごと)か首(くび)を鳩(あつ)めて囁(ささや)いてゐる。
250ジヤンク『申(まを)し上(あ)げます。251昨日(さくじつ)御(お)許(ゆるし)を被(かうむ)りまして、252彼(か)のキユーバーを放免(はうめん)せむと、253小役人(こやくにん)を遣(つか)はし調(しら)べ見(み)れば、254何人(なにびと)かに盗(ぬす)み去(さ)られ、255牢屋(らうや)の番人(ばんにん)共(ども)は周章(しうしやう)狼狽(らうばい)致(いた)して居(を)りまする。256万一(まんいち)彼(か)れ、257ハルナの都(みやこ)へ逃(にげ)帰(かへ)り、258大黒主(おほくろぬし)の前(まへ)に出(い)で、259数万(すうまん)の兵士(へいし)を拝借(はいしやく)し、260再(ふたた)び捲土(けんど)重来(ぢうらい)致(いた)せば忌々(ゆゆ)しき大事(だいじ)で御座(ござ)いますれば、261人(ひと)を今(いま)の中(うち)八方(はつぱう)に派(は)し、262彼(かれ)の在所(ありか)を捜索(さうさく)致(いた)し度(た)く存(ぞん)じます』
263 王(わう)及(およ)び太子(たいし)は平然(へいぜん)として別(べつ)に驚(おどろ)きもせず、
264王(わう)『ナニ、265キユーバーが破獄(はごく)逃走(たうそう)したと云(い)ふのか。266捨(す)てとけ捨(す)てとけ、267別(べつ)に心配(しんぱい)するには及(およ)ぶまい』
268ジヤ『仰(おほ)せでは御座(ござ)いまするが、269今(いま)の中(うち)彼(かれ)の在処(ありか)を突(つき)止(と)め、270ハルナの都(みやこ)へ逃(に)げ帰(かへ)らないやうの手段(しゆだん)を廻(めぐ)らさねばなりますまい。271どうか此(この)儀(ぎ)を老臣(らうしん)にお命(めい)じ下(くだ)さいます様(やう)……』
272太(たい)『ヤ、273ジヤンク殿(どの)、274必(かなら)ず御(ご)心配(しんぱい)なさるな。275余(よ)に心当(こころあた)りがある。276決(けつ)して決(けつ)してハルナの都(みやこ)へ逃(に)げ帰(かへ)るやうな事(こと)はさせぬ。277兎(と)も角(かく)余(よ)を信(しん)じてくれ』
278ジヤ『外(ほか)ならぬ太子(たいし)様(さま)のお言葉(ことば)、279万々(ばんばん)抜目(ぬけめ)は御座(ござ)いますまい。280然(しか)らば老臣(らうしん)は之(これ)にて下(さが)りませう』
281 千草姫(ちぐさひめ)は気(き)が立(た)つて一目(ひとめ)も眠(ねむ)られず、282且(かつ)又(また)聴覚(ちやうかく)が非常(ひじやう)に鋭敏(えいびん)と為(な)り、283蚊(か)の囁(ささや)きでさへも、284耳(みみ)に入(い)るやうになつてゐた。285ドアを排(はい)して王(わう)の室(しつ)に入(い)り来(きた)り、
286『コレ悴(せがれ)チウイン、287今(いま)其方(そなた)の言葉(ことば)を聞(き)けば、288キユーバーの身(み)の上(うへ)につき、289何(なに)か確信(かくしん)あるものの如(ごと)く云(い)つて居(を)つたぢやないか。290サ、291母(はは)の権威(けんゐ)を以(もつ)て飽(あ)く迄(まで)も詮索(せんさく)する。292何処(どこ)へ隠(かく)したのだ。293有体(ありてい)に白状(はくじやう)しなさい』
294太(たい)『母上(ははうへ)様(さま)、295私(わたし)がそんな事(こと)を知(し)らう道理(だうり)が御座(ござ)いますか。296今(いま)ジヤンクの注進(ちうしん)に仍(よ)つてキユーバーの姿(すがた)が見(み)えなくなつた事(こと)を知(し)り、297大変(たいへん)に心配(しんぱい)をしてゐた所(ところ)で御座(ござ)いますよ』
298千草(ちぐさ)『いやいやさうは云(い)はせませぬぞや。299お前(まへ)の言葉(ことば)の端(はし)にチヤンと現(あら)はれてゐる。300キユーバーを隠(かく)した張本人(ちやうほんにん)はお前(まへ)だらうがな』
301太(たい)『此(これ)は怪(け)しからぬ。302苟(いやし)くも太子(たいし)の身(み)を以(もつ)て夜夜中(よるよなか)、303牢獄(らうごく)などへ参(まゐ)れますか』
304千草(ちぐさ)『ホヽヽヽヽヽ参(まゐ)れないお方(かた)がお出(い)で遊(あそ)ばすのだから妙(めう)だよ。305其方(そなた)は太子(たいし)の身(み)を有(も)ち乍(なが)ら、306何時(いつ)も王(わう)様(さま)の目(め)を忍(しの)び、307市井(しせい)の巷(ちまた)に出没(しゆつぼつ)し、308下層(かそう)階級(かいきふ)と交際(かうさい)をしたり、309賤(いや)しい女(をんな)に戯(たはむ)れてると云(い)ふ噂(うはさ)だから、310牢獄(らうごく)などへ行(ゆ)くのは朝飯前(あさめしまへ)だよ。311そんな事(こと)を云(い)つて、312此(この)千草姫(ちぐさひめ)、313大(おほ)みろくの生宮(いきみや)を胡麻化(ごまくわ)さうとしても駄目(だめ)で御座(ござ)んすぞえ』
314太(たい)『母上(ははうへ)様(さま)、315貴女(あなた)妙(めう)な事(こと)を仰(おほ)せられますな。316今(いま)迄(まで)一度(いちど)も聞(き)いた事(こと)のない、317大(おほ)みろくの生宮(いきみや)とは、318誰(たれ)に左様(さやう)な事(こと)をお聞(き)きなさいました』
319千草(ちぐさ)『ヘン、320お前(まへ)等(ら)の青二才(あをにさい)が分(わか)つて堪(たま)りますかい。321此(この)母(はは)はな、322神(かみ)様(さま)から聞(き)いたのだよ。323此(この)肉体(にくたい)は今日(けふ)より改(あらた)めて、324下津(したつ)岩根(いはね)の大(おほ)みろく様(さま)、325三千(さんぜん)世界(せかい)の救世主(きうせいしゆ)、326日(ひ)の出神(でのかみ)の生宮(いきみや)で御座(ござ)んすぞや。327チツポけなトルマン国(ごく)の王妃(わうひ)だなんて思(おも)つて貰(もら)つちや、328此(この)神柱(かむばしら)もチツと許(ばか)り困(こま)りますよ。329ホヽヽヽヽヽあのマア、330王(わう)様(さま)と云(い)ひ、331ジヤンクと云(い)ひ、332太子(たいし)と云(い)ひ、333約(つま)らなさ相(さう)なお面(かほ)わいの。334それ程(ほど)此(この)千草姫(ちぐさひめ)が、335俄(にはか)に神柱(かむばしら)になつたのが不思議(ふしぎ)で御座(ござ)いますか。336三千(さんぜん)世界(せかい)一度(いちど)に見(み)えすく日(ひ)の出神(でのかみ)の生宮(いきみや)で御座(ござ)いますぞや』
337太(たい)『あ、338左様(さやう)で御座(ござ)いますか。339ソラ誠(まこと)に結構(けつこう)、340照国別(てるくにわけ)様(さま)が当城(たうじやう)へ御(お)越(こし)下(くだ)さいました其(その)神徳(しんとく)に仍(よ)つて、341母上(ははうへ)様(さま)も俄(にはか)に御(お)神懸(かむがかり)におなり遊(あそ)ばし、342日(ひ)の出神(でのかみ)様(さま)と云(い)ふやうな、343立派(りつぱ)なエンゼルの肉宮(にくみや)に御(ご)出世(しゆつせ)遊(あそ)ばしたので御座(ござ)いませう。344就(つ)いては屹度(きつと)キユーバーの在処(ありか)位(ぐらゐ)はお分(わか)りになるで御座(ござ)いませうな』
345千草(ちぐさ)『きまつた事(こと)だよ。346第一(だいいち)霊国(れいごく)の天人(てんにん)、347底津(そこつ)岩根(いはね)の大(おほ)みろくの太柱(ふとばしら)、348三千(さんぜん)世界(せかい)の救世主(きうせいしゆ)、349日(ひ)の出神(でのかみ)の肉宮(にくみや)だもの』
350太(たい)『成程(なるほど)、351それは結構(けつこう)な神(かみ)様(さま)で御座(ござ)います。352然(しか)らばどうかキユーバーの在所(ありか)をお知(し)らせ下(くだ)さいませ。353それさへお分(わか)りになりますれば、354母上(ははうへ)を日(ひ)の出神(でのかみ)の生宮(いきみや)と奉(たてまつ)り、355父上(ちちうへ)様(さま)も喜(よろこ)んで、356政治(せいぢ)万端(ばんたん)をお任(まか)せになるで御座(ござ)いませう』
357千草(ちぐさ)『ホヽヽヽヽヽ、358小賢(こざか)しい、359コレ悴(せがれ)、360お前(まへ)は母(はは)をやり込(こ)める積(つもり)だな。361未(ま)だ此(この)母(はは)を疑(うたが)つてゐらつしやるのか、362日(ひ)の出神(でのかみ)に間違(まちが)ひは御座(ござ)らぬぞや。363神(かみ)は決(けつ)して嘘(うそ)は申(まを)さぬぞや。364底津(そこつ)岩根(いはね)の大(おほ)みろく様(さま)の太柱(ふとばしら)に対(たい)し、365易見(えきみ)か何(なん)ぞのやうにキユーバーの在所(ありか)が分(わか)つたら、366日(ひ)の出神(でのかみ)の生宮(いきみや)と信(しん)じます……などと、367ヘン馬鹿(ばか)にして下(くだ)さるな。368相応(さうおう)の理(り)によつて、369此(この)千草姫(ちぐさひめ)は第一(だいいち)霊国(れいごく)に感応(かんおう)し、370根(ね)の国(くに)底(そこ)の国(くに)に比(ひ)すべき牢獄(らうごく)などは決(けつ)して覗(のぞ)きませぬぞや。371左様(さやう)な所(ところ)へ天眼通(てんがんつう)を使(つか)はふものなら、372折角(せつかく)の智慧(ちゑ)証覚(しようかく)は鈍(にぶ)り、373悪魔(あくま)の巣窟(さうくつ)とならねばなりませぬ。374大(だい)それた第一(だいいち)霊国(れいごく)の天人(てんにん)の霊(みたま)に、375牢獄(らうごく)に投(とう)じてあつた者(もの)の在所(ありか)を知(し)らせ……などとは、376物(もの)の道理(だうり)を知(し)らぬのにも程(ほど)があるぢやないか、377ホヽヽヽヽヽ。378何(なに)程(ほど)賢(かしこ)いと云(い)つても、379現界(げんかい)の事(こと)は兎(と)も角(かく)、380霊界(れいかい)の消息(せうそく)は到底(たうてい)分(わか)りますまいがな。381サア之(これ)から此(この)トルマン国(ごく)は底津(そこつ)岩根(いはね)の大(おほ)みろくの太柱(ふとばしら)が現(あら)はれ、382国政(こくせい)を握(にぎ)り、383三千(さんぜん)世界(せかい)を五六七(みろく)の世(よ)に致(いた)す根源地(こんげんち)と定(さだ)めるから、384左様(さやう)お心得(こころえ)なされ。385肉体(にくたい)の上(うへ)からは、386王(わう)様(さま)は千草姫(ちぐさひめ)の夫(をつと)なれど、387神(かみ)から云(い)へば奴(やつこ)も同然(どうぜん)、388天地(てんち)霄壤(せうじやう)の差異(さい)が御座(ござ)いますぞや。389之(これ)からの政治(せいぢ)は神(かみ)が致(いた)します。390善悪(ぜんあく)邪正(じやせい)は此(この)生宮(いきみや)が審(さば)かねば駄目(だめ)ですよ。391昨日(きのふ)も照国別(てるくにわけ)の宣伝使(せんでんし)が謡(うた)つてゐたぢやありませぬか。392神(かみ)が表(おもて)に現(あら)はれて善悪(ぜんあく)邪正(じやせい)を立分(たてわ)ける……と。393いよいよ千草姫(ちぐさひめ)の肉体(にくたい)を機関(きくわん)とし、394第一(だいいち)霊国(れいごく)の天人(てんにん)の霊(みたま)に大(おほ)みろく様(さま)の精霊(せいれい)を宿(やど)し、395日(ひ)の出神(でのかみ)となつて現(あら)はれ給(たま)うた、396三千(さんぜん)世界(せかい)の救世主(きうせいしゆ)だぞえ。397ホツホヽヽヽヽあのマア刹帝利(せつていり)殿(どの)の六(むつ)かしい面(つら)わいの、398チウインの情(なさけ)なさ相(さう)な面付(つらつき)、399ウツフヽヽヽヽヽ』
400と笑(わら)ひこけて了(しま)つた。
401(大正一四・八・二四 旧七・五 於丹後由良秋田別荘 松村真澄録)
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