霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二二章 優秀美(いうしうび)〔一七八九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第70巻 山河草木 酉の巻 篇:第3篇 理想新政 よみ(新仮名遣い):りそうしんせい
章:第22章 優秀美 よみ(新仮名遣い):ゆうしゅうび 通し章番号:1789
口述日:1925(大正14)年08月25日(旧07月6日) 口述場所:丹後由良 秋田別荘 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年10月16日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
教務総監ジャンクは、千草姫の行動や、太子、王女らが行方不明であることに心を悩めていた。そして、いつのまにかうつらうつらと眠りについてしまった。
すると、夢うつつの中、言霊別のエンゼルが現れて託宣を下す。
太子らは、ある場所に神の守護によりかくまわれており、いよいよ教政改革断行の時期がせまったので、すぐに会うことができる。
新しい左守・右守はすでに定めれており、ジャンクは教務総監として新体制を補佐するべし。また、王女の夫はすでに定められており、王女夫婦はハリマの森の神主として奉仕させるべし。
ガーデン王は八岐大蛇の悪霊の片割れに表意されているが、静かな地で静養すればよくなるであろう。
また、千草姫は実はすでにこの世を去っており、その遺骸に高姫の霊が憑依して、今の醜態・乱暴を立ち働いている。これは、金毛九尾の悪孤の霊の仕業であり、よくよく注意すべし。
そして、言霊別は去っていった。
ジャンクはこの託宣に勇気をつけられ、神恩を感謝する歌を歌っている。
そこへ、太子が改革派一行を引き連れて戻ってくる。太子とジャンクは新しい時代の到来を互いに喜び合う。
そして、照国別の案により、妖僧キューバーを解放し、また千草姫の審神をすべく、一同は姫の居間に向かう。
そこでは、今しも千草姫がテイラの母モクレンを、スコブツエン宗の残酷な掟にしたがって、神のいけにえにしようとしているところであった。
照国別は、外から力の限りドアを打ち破り、千草姫をウーンと一声、睨みつければ、金毛九尾の狐は慌てて天窓を伝い、どこともなく姿を隠してしまった。
ここにチウイン太子は新教王となり、トルマン国も小天国を現出するにいたった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:0000-00-00 00:00:00 文字数:2698 OBC :rm7022
愛善世界社版:276頁 八幡書店版:第12輯 492頁 修補版: 校定版:284頁 普及版:140頁 初版: ページ備考:
001 教務(けうむ)総監(そうかん)のジヤンクは一室(ひとま)に立(たて)籠(こも)り、002千草姫(ちぐさひめ)の行動(かうどう)の常(つね)ならぬのに心(こころ)を悩(なや)め、003且(かつ)チウイン太子(たいし)、004王女(わうぢよ)、005テイラ、006ハリスの行方(ゆくへ)不明(ふめい)となりしことも亦(また)ジヤンクが心配(しんぱい)の種(たね)となつた。007いつとはなく、008うつらうつらと眠(ねむり)につく。009時(とき)しもあれ、010容色(ようしよく)端麗(たんれい)なる異様(いやう)の神人(しんじん)、011何処(どこ)ともなく現(あら)はれ来(きた)り、
012『ジヤンク ジヤンク』
0121と肩(かた)をゆすり玉(たま)ふ。013ジヤンクはハツと驚(おどろ)き目(め)をさませば、014夢(ゆめ)にみしと同様(どうやう)の神人(しんじん)が厳然(げんぜん)として、015吾(わが)目(め)の前(まへ)の椅子(いす)に腰(こし)うちかけ、016ニコニコし乍(なが)ら、
017神人(しんじん)『我(われ)は第一(だいいち)霊国(れいごく)の天人(てんにん)言霊別(ことたまわけ)のエンゼルであるぞよ。018汝(なんぢ)はトルマン国(ごく)の現状(げんじやう)を憂慮(いうりよ)し、019心胆(しんたん)を悩(なや)ませ居(ゐ)る段(だん)、020実(じつ)に感服(かんぷく)の至(いた)りだ。021汝(なんぢ)の至誠(しせい)天(てん)に通(つう)じ、022今(いま)やエンゼルとして汝(なんぢ)の神業(しんげふ)を輔(たす)くべく降(くだ)り来(きた)れり、023ゆめゆめ疑(うたが)ふな』
024ジヤンク『ハイ、025何事(なにごと)も愚鈍(ぐどん)の私(わたくし)、026進退(しんたい)維(これ)谷(きは)まつて、027憂愁(いうしう)に沈(しづ)み居(を)ります際(さい)、028尊(たふと)き神(かみ)様(さま)の御(ご)降臨(かうりん)、029実(じつ)に有難(ありがた)う存(ぞん)じます。030何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)御(ご)守護(しゆご)あらむ事(こと)を偏(ひとへ)に希(ねが)ひ上(あ)げ奉(たてまつ)ります』
031エンゼル『汝(なんぢ)が心配(しんぱい)致(いた)して居(を)るチウイン太子(たいし)を始(はじ)め、032王女(わうぢよ)チンレイ、033テイラ、034ハリスの面々(めんめん)は神(かみ)の守護(しゆご)に仍(よ)り、035少時(しばし)或(ある)所(ところ)に囲(かく)まひおきしが、036いよいよ教政(けうせい)改革(かいかく)断行(だんかう)の時期(じき)到来(たうらい)したれば、037今(いま)に会(あ)はしてやらう。038汝(なんぢ)は飽(あ)く迄(まで)もトルマン国(ごく)の教務(けうむ)総監(そうかん)となり、039チウイン太子(たいし)を輔(たす)けて、040正(ただ)しき教化(けうくわ)を行(おこな)へ。041又(また)左守(さもり)、042右守(うもり)はチウイン太子(たいし)、043既(すで)に定(さだ)め居(を)れば、044太子(たいし)の意見(いけん)に従(したが)ふべし。045王女(わうぢよ)チンレイは照国別(てるくにわけ)の弟子(でし)春公(はるこう)なる者(もの)を夫(をつと)となし、046ハリマの森(もり)の神殿(かむどの)に三五(あななひ)の大神(おほかみ)とウラルの神(かみ)と併(あは)せ祭(まつ)り、047春公(はるこう)を神主(かんぬし)となし、048チンレイと共(とも)に永遠(えいゑん)に奉仕(ほうし)せしめよ』
049ジヤ『ハイ、050何(なに)から何(なに)迄(まで)、051御(ご)指導(しだう)下(くだ)さいまして有難(ありがた)う存(ぞん)じます。052神(かみ)様(さま)……エンゼル様(さま)に恐(おそ)れ乍(なが)ら御(お)伺(うかが)ひ致(いた)しまするが、053ガーデン教王(けうわう)様(さま)は精神(せいしん)に御(ご)異状(いじやう)ありとみえ、054言行(げんかう)頓(とみ)に一変(いつぺん)し、055此(この)老臣(らうしん)も実(じつ)に困難(こんなん)致(いた)して居(を)りまするが、056教王(けうわう)様(さま)は元(もと)の正気(しやうき)に御(お)返(かへ)り遊(あそ)ばすで御座(ござ)りませうか』
057エンゼル『彼(かれ)は八岐(やまた)大蛇(をろち)の片割(かたわれ)の悪霊(あくれい)に憑依(ひようい)され、058精神(せいしん)惑乱(わくらん)しをれば、059暫(しばら)く閑地(かんち)に静養(せいやう)せしめよ。060又(また)千草姫(ちぐさひめ)はすでにすでに此(この)世(よ)を去(さ)り、061其(その)遺骸(ゐがい)に高姫(たかひめ)の霊(れい)憑依(ひようい)し、062日(ひ)の出神(でのかみ)の生宮(いきみや)と称(しよう)し、063所在(あらゆる)醜態(しうたい)を演(えん)じ、064乱暴(らんばう)を働(はたら)き居(ゐ)るは、065全(まつた)く金毛(きんまう)九尾(きうび)の悪狐(あくこ)の霊(れい)の致(いた)す所(ところ)、066随分(ずいぶん)注意(ちうい)すべし』
067ジヤ『ハイ、068心得(こころえ)まして御座(ござ)います。069千草姫(ちぐさひめ)様(さま)でないとすれば、070此(この)老臣(らうしん)も大(おほい)に考(かんが)ふる所(ところ)が御座(ござ)います。071何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)過(あやま)ちなきやう、072御(ご)守護(しゆご)願(ねが)ひ奉(まつ)ります』
073エン『彼(か)れ高姫(たかひめ)の再来(さいらい)たる千草姫(ちぐさひめ)は常(つね)に特(とく)に気(き)を付(つ)けよ。074さらば』
075といふより早(はや)く、076忽(たちま)ち其(その)神姿(しんし)を消(け)させ玉(たま)ふた。077ジヤンクは神恩(しんおん)を感謝(かんしや)し、078讃美歌(さんびか)を歌(うた)ふ。
079『日(ひ)はくれはてて道(みち)もなし
080雪(ゆき)は野山(のやま)に堆(うづだか)く
081積(つも)りて歩(あゆ)まむ由(よし)もなし
082行手(ゆくて)に悩(なや)む旅人(たびびと)の
083頭上(づじやう)を照(てら)し日(ひ)の神(かみ)は
084暗(やみ)をば晴(は)らし積(つ)む雪(ゆき)を
085解(と)かせ玉(たま)ひて己(おの)が行(ゆ)く
086大道(おほぢ)を開(ひら)かせ玉(たま)ひけり
087あゝ有難(ありがた)や有難(ありがた)や
088御国(みくに)に尽(つく)す赤心(まごころ)を
089神(かみ)は諾(うべ)なひ玉(たま)ひけむ
090困(こま)り切(き)つたる今日(けふ)の宵(よひ)
091吾(わが)枕辺(まくらべ)におごそかに
092現(あら)はれ玉(たま)ひ宣(の)り玉(たま)ふ
093其(その)御言葉(みことば)は夢(ゆめ)ならず
094誠(まこと)の神(かみ)の御(ご)出現(しゆつげん)
095仰(あふ)ぐも高(たか)し須弥(しゆみ)の山(やま)
096守(まも)らせ玉(たま)ふ木(こ)の花(はな)の
097姫(ひめの)命(みこと)にましますか
098但(ただ)しは言霊別(ことたまわけ)神(かみ)か
099何(いづ)れにますかは知(し)らね共(ども)
100姿(すがた)雄々(をを)しき瑞御霊(みづみたま)
101乾(かわ)ききつたる吾(わが)霊(たま)を
102うるほし玉(たま)ひ清鮮(せいせん)の
103血汐(ちしほ)を吾(わが)身(み)に漲(みなぎ)らし
104救(すく)はせ玉(たま)ひし嬉(うれ)しさよ
105あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
106主(す)の大神(おほかみ)の御(おん)前(まへ)に
107謹(つつ)しみ感謝(かんしや)し奉(たてまつ)る
108喜(よろこ)び感謝(かんしや)し奉(たてまつ)る』
109 斯(か)く歌(うた)ひ居(を)る時(とき)しも、110チウイン太子(たいし)は照国別(てるくにわけ)、111照公(てるこう)、112レール、113マーク、114テイラ、115ハリス、116及(およ)び王女(わうぢよ)チンレイ、117テルマン、118春公(はるこう)の面々(めんめん)を引伴(ひきつ)れ、119意気(いき)揚々(やうやう)と帰(かへ)り来(く)る。120ジヤンクは太子(たいし)を見(み)るより抱(いだ)きつき、121涙(なみだ)の声(こゑ)を絞(しぼ)り乍(なが)ら、
122『あゝ太子(たいし)様(さま)、123能(よ)くマア御(お)帰(かへ)り下(くだ)さいました』
124といつたきり、125後(あと)は余(あま)りの感激(かんげき)に打(う)たれて、126一言(いちごん)も出(だ)し得(え)なかつた。127太子(たいし)も此(この)老臣(らうしん)が只(ただ)一人(ひとり)、128悪魔(あくま)の中(なか)に孤城(こじやう)を守(まも)つてゐたかと思(おも)へば、129そぞろ涙(なみだ)を催(もよほ)し、1291嬉(うれ)し涙(なみだ)にむせ返(かへ)り、130ハンカチにて両眼(りやうがん)を拭(ぬぐ)ひ乍(なが)ら、131少時(しばし)言葉(ことば)も得出(えいだ)さず俯(うつ)むいて了(しま)つた。
132照国別(てるくにわけ)『ジヤンク様(さま)お喜(よろこ)びなさりませ。133太子(たいし)様(さま)は此(この)通(とほ)り御(ご)壮健(さうけん)で居(ゐ)らせられます。134そして教政(けうせい)大改革(だいかいかく)の準備(じゆんび)として、135既(すで)に棟梁(とうりやう)の臣(しん)をお定(さだ)めになり、136御(お)帰(かへ)りになつたので御座(ござ)いますから、137どうか貴方(あなた)様(さま)は、138太子(たいし)様(さま)を新教王(しんけうわう)と仰(あふ)ぎ、139教王(けうわう)様(さま)に退隠(たいいん)を願(ねが)ひ、140千草姫(ちぐさひめ)の悪霊(あくれい)を追(お)ひ出(だ)し、141教政(けうせい)に御(ご)尽瘁(じんすい)あらむ事(こと)を希望(きばう)致(いた)します』
142ジヤンク『ハイ、143何(なに)から何(なに)迄(まで)有難(ありがた)う御座(ござ)います。144只今(ただいま)も尊(たふと)きエンゼルが吾(わが)枕辺(まくらべ)に出現(しゆつげん)遊(あそ)ばし、145いろいろさまざまと教化(けうくわ)の大本(たいほん)につき、146御(お)諭(さと)しを頂(いただ)きました。147何分(なにぶん)宜(よろ)しく御(お)願(ねが)ひ申(まを)します』
148照国(てるくに)『此(この)度(たび)、149大英断(だいえいだん)を以(もつ)て仁恵令(じんけいれい)を発布(はつぷ)されましたのは、150人心(じんしん)を新(あらた)にする上(うへ)から見(み)ても、151誠(まこと)に結構(けつこう)な事(こと)と存(ぞん)じます。152就(つい)ては荒井(あらゐ)ケ嶽(たけ)の岩窟(がんくつ)に、153チウイン教王(けうわう)様(さま)が押(おし)込(こ)めおかれたる妖僧(えうそう)キユーバーを、154速(すみやか)に解放(かいはう)されむ事(こと)を希望(きばう)します』
155ジヤ『成程(なるほど)、156実(じつ)の所(ところ)はキユーバーの所在(ありか)が分(わか)りませぬので、157何(なん)の処置(しよち)も取(と)つて居(を)りませぬが、158所在(ありか)が分(わか)りました以上(いじやう)は、159速(すみやか)に解放(かいはう)致(いた)しませう』
160照国(てるくに)『チウイン教王(けうわう)様(さま)の御(ご)継職(けいしよく)に就(つい)て、161目出度(めでた)くこれで、162国内(こくない)の風塵(ふうじん)は掃(はき)浄(きよ)められました。163サア之(これ)から千草姫(ちぐさひめ)の審神(さには)を致(いた)しませう。164ジヤンク殿(どの)、165御(ご)一同(いちどう)、166拙者(せつしや)と共(とも)に千草姫(ちぐさひめ)の居間(ゐま)迄(まで)御(お)越(こ)しを願(ねが)ひませう』
167 一同(いちどう)は頷(うなづ)き乍(なが)ら照国別(てるくにわけ)の後(うしろ)より、168足音(あしおと)を忍(しの)ばせ、169千草姫(ちぐさひめ)の居間(ゐま)にと進(すす)み寄(よ)つた。170室内(しつない)には女(をんな)の声(こゑ)、
171『王妃(わうひ)様(さま)、172どうか、173之(これ)許(ばか)りは御(お)助(たす)け下(くだ)さいませ』
174千草姫(ちぐさひめ)『何(なん)と云(い)つても、175其方(そなた)は絶対(ぜつたい)服従(ふくじう)を誓(ちか)ふたではないか。176お前(まへ)の乳房(ちぶさ)を此(この)焼金(やきがね)で切(き)り取(と)り、177大神(おほかみ)様(さま)に御(お)供(そな)へ致(いた)し、178キユーバーの所在(ありか)を知(し)らして頂(いただ)かねばならぬのだ。179モクレンともあらう者(もの)が、180今(いま)はの際(きは)に卑怯(ひけふ)未練(みれん)な181命(いのち)が惜(を)しいか、182テモ偖(さて)も悲(かな)し相(さう)な面(かほ)わいの。183何(なに)程(ほど)逃(に)げても、184走(はし)つても、185此(この)一室(ひとま)に閉(と)ぢ込(こ)めた上(うへ)は助(たす)かりは致(いた)さぬぞや。186サ、187観念(くわんねん)の眼(まなこ)を閉(と)ぢなさい。188神(かみ)の贄(いけにへ)になるのだつたら、189其方(そなた)も光栄(くわうえい)だらう』
190モク『如何(いか)なる御用(ごよう)も承(うけたま)はりまするが、191どうか娘(むすめ)のテイラに一目(ひとめ)会(あ)はして下(くだ)さいませ。192其(その)上(うへ)にて如何(いか)なる御用(ごよう)も勤(つと)めまする』
193千草(ちぐさ)『ホヽヽヽそんな事(こと)を云(い)つて、194此(この)場(ば)を逃(にげ)出(だ)し、195千草姫(ちぐさひめ)の悪口(わるぐち)をふれ歩(ある)き、196吾(わが)神徳(しんとく)をおとそうと致(いた)す考(かんが)へだらう。197さやうな計略(けいりやく)に乗(の)る千草姫(ちぐさひめ)では御座(ござ)らぬぞや』
198と優(やさ)しい面(おもて)に殺気(さつき)を帯(お)び、199金火箸(かなひばし)を白(しろ)くなる所(ところ)迄(まで)焼(や)き、200キヤアキヤアと泣(なき)叫(さけ)ぶモクレンの乳房(ちぶさ)に今(いま)やあてがはむとする時(とき)しも、201照国別(てるくにわけ)は力(ちから)限(かぎ)り、202外(そと)よりドアを打(うち)破(やぶ)り、203『ウーン』と一声(ひとこゑ)、204睨(にら)みつくれば、205千草姫(ちぐさひめ)は慌(あわ)てふためき、206尻(しり)のあたりより狐(きつね)の尻尾(しつぽ)の八岐(やまた)になつたのをブリンブリンと振(ふ)り乍(なが)ら、207天窓(てんまど)を伝(つた)ひ、208何処(どこ)ともなく姿(すがた)をかくしける。
209 因(ちなみ)にテルマンは新教王(しんけうわう)の見出(みいだ)しに仍(よ)つて、210番僧頭(ばんそうがしら)に任(にん)ぜられ、211新教王(しんけうわう)の神政(しんせい)を国民(こくみん)は謳歌(おうか)し、212今(いま)迄(まで)乱(みだ)れ切(き)つたるトルマン国(ごく)も、213小天国(せうてんごく)を現出(げんしゆつ)するに至(いた)つた。214あゝ惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐(ませ)。
215(大正一四・八・二五 旧七・六 於丹後由良秋田別荘 松村真澄録)
216(昭和一〇・六・二四 王仁校正)
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