教務総監ジャンクは、千草姫の行動や、太子、王女らが行方不明であることに心を悩めていた。そして、いつのまにかうつらうつらと眠りについてしまった。
すると、夢うつつの中、言霊別のエンゼルが現れて託宣を下す。
太子らは、ある場所に神の守護によりかくまわれており、いよいよ教政改革断行の時期がせまったので、すぐに会うことができる。
新しい左守・右守はすでに定めれており、ジャンクは教務総監として新体制を補佐するべし。また、王女の夫はすでに定められており、王女夫婦はハリマの森の神主として奉仕させるべし。
ガーデン王は八岐大蛇の悪霊の片割れに表意されているが、静かな地で静養すればよくなるであろう。
また、千草姫は実はすでにこの世を去っており、その遺骸に高姫の霊が憑依して、今の醜態・乱暴を立ち働いている。これは、金毛九尾の悪孤の霊の仕業であり、よくよく注意すべし。
そして、言霊別は去っていった。
ジャンクはこの託宣に勇気をつけられ、神恩を感謝する歌を歌っている。
そこへ、太子が改革派一行を引き連れて戻ってくる。太子とジャンクは新しい時代の到来を互いに喜び合う。
そして、照国別の案により、妖僧キューバーを解放し、また千草姫の審神をすべく、一同は姫の居間に向かう。
そこでは、今しも千草姫がテイラの母モクレンを、スコブツエン宗の残酷な掟にしたがって、神のいけにえにしようとしているところであった。
照国別は、外から力の限りドアを打ち破り、千草姫をウーンと一声、睨みつければ、金毛九尾の狐は慌てて天窓を伝い、どこともなく姿を隠してしまった。
ここにチウイン太子は新教王となり、トルマン国も小天国を現出するにいたった。