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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第70巻(酉の巻)
序文
総説
第1篇 花鳥山月
第1章 信人権
第2章 折衝戦
第3章 恋戦連笑
第4章 共倒れ
第5章 花鳥山
第6章 鬼遊婆
第7章 妻生
第8章 大勝
第2篇 千種蛮態
第9章 針魔の森
第10章 二教聯合
第11章 血臭姫
第12章 大魅勒
第13章 喃悶題
第14章 賓民窟
第15章 地位転変
第3篇 理想新政
第16章 天降里
第17章 春の光
第18章 鳳恋
第19章 梅花団
第20章 千代の声
第21章 三婚
第22章 優秀美
附 記念撮影
余白歌
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霊界物語
>
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
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第70巻(酉の巻)
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<<< 千代の声
(B)
(N)
優秀美 >>>
第二一章
三婚
(
みこん
)
〔一七八八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第70巻 山河草木 酉の巻
篇:
第3篇 理想新政
よみ(新仮名遣い):
りそうしんせい
章:
第21章 三婚
よみ(新仮名遣い):
みこん
通し章番号:
1788
口述日:
1925(大正14)年08月25日(旧07月6日)
口述場所:
丹後由良 秋田別荘
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年10月16日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
その協議会の中で、レールが新しい左守となり、テイラと夫婦になる、マークが新右守となってハリスと夫婦となることが定められた。また、王女は照国別の弟子・春公と夫婦となることとなった。
また太子は、タラハン国スダルマン太子の妹バンナ姫が許婚であった。
照国別と照公は婚礼の祝歌を歌う。そこへ番僧テルマンもやってきて、改革派の一同全員がそろう。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7021
愛善世界社版:
263頁
八幡書店版:
第12輯 487頁
修補版:
校定版:
270頁
普及版:
134頁
初版:
ページ備考:
001
シグレ
町
(
ちやう
)
の
九
(
く
)
尺
(
しやく
)
二間
(
にけん
)
の
臨時
(
りんじ
)
御殿
(
ごてん
)
には、
002
主客
(
しゆきやく
)
八
(
はち
)
人
(
にん
)
膝
(
ひざ
)
をすり
合
(
あは
)
して
月
(
つき
)
の
輪
(
わ
)
となり、
003
面白
(
おもしろ
)
さうに
笑
(
わら
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
内局
(
ないきよく
)
組織
(
そしき
)
の
大会議
(
だいくわいぎ
)
が
開
(
ひら
)
かれて
居
(
ゐ
)
る。
004
チウイン『
宣伝使
(
せんでんし
)
の
云
(
い
)
はれた
通
(
とほ
)
り、
005
もはや
教政
(
けうせい
)
改革
(
かいかく
)
の
時期
(
じき
)
が
迫
(
せま
)
つて
来
(
き
)
た
様
(
やう
)
だ。
006
しかし
此
(
この
)
際
(
さい
)
教政
(
けうせい
)
改革
(
かいかく
)
に
最
(
もつと
)
もよき
人物
(
じんぶつ
)
を
採用
(
さいよう
)
せなくてはなるまい。
007
どうぢやレール
君
(
くん
)
は
左守司
(
さもりのかみ
)
となつて
教政
(
けうせい
)
の
重任
(
ぢうにん
)
に
当
(
あた
)
つて
呉
(
く
)
れまいか』
008
レール『
仰
(
おほせ
)
とあらば
喜
(
よろこ
)
んでお
受
(
う
)
け
致
(
いた
)
しませう。
009
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
左守
(
さもり
)
、
010
右守家
(
うもりけ
)
は
今日
(
こんにち
)
迄
(
まで
)
世襲
(
せしふ
)
となつて
居
(
を
)
りますが、
011
もし
私
(
わたし
)
が
左守
(
さもり
)
とならばテイラさまのお
家
(
いへ
)
はどうなるのですか』
012
チウ『
左守家
(
さもりけ
)
、
013
右守家
(
うもりけ
)
世襲
(
せしふ
)
制度
(
せいど
)
は
此
(
この
)
際
(
さい
)
全廃
(
ぜんぱい
)
せなくてはなるまい。
014
何事
(
なにごと
)
も
根本
(
こんぽん
)
的
(
てき
)
の
大改革
(
だいかいかく
)
だからな。
015
ついてはテイラさまを
君
(
きみ
)
の
妻君
(
さいくん
)
に
余
(
よ
)
が
仲人
(
なかうど
)
しよう』
016
レ『
太子
(
たいし
)
様
(
さま
)
、
017
一寸
(
ちよつと
)
お
待
(
まち
)
下
(
くだ
)
さい。
018
拙者
(
せつしや
)
にはマサ
子
(
こ
)
と
云
(
い
)
ふ
妻
(
つま
)
もあり
子
(
こ
)
も
御座
(
ござ
)
います。
019
左様
(
さやう
)
な
事
(
こと
)
は
到底
(
たうてい
)
出来
(
でき
)
ますまい』
020
チウインはニコニコ
笑
(
わら
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
021
『ア、
022
そんな
心配
(
しんぱい
)
は
要
(
い
)
らないよ。
023
これが
証拠
(
しようこ
)
だ』
024
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
025
マサ
子
(
こ
)
から
預
(
あづ
)
かつた
離縁状
(
りえんじやう
)
を
投
(
な
)
げ
出
(
だ
)
した。
026
レールはつくづく
封筒
(
ふうとう
)
の
表
(
おもて
)
を
見
(
み
)
、
027
又
(
また
)
裏
(
うら
)
をかへして
見
(
み
)
、
028
レ『チエ、
029
山
(
やま
)
の
神
(
かみ
)
の
奴
(
やつ
)
、
030
洒落
(
しやれ
)
た
事
(
こと
)
をしをるな』
031
と
封
(
ふう
)
をおしきり
見
(
み
)
れば、
032
水茎
(
みづくき
)
の
跡
(
あと
)
鮮
(
あざや
)
かに
細々
(
こまごま
)
と
長
(
なが
)
い
手紙
(
てがみ
)
が
記
(
しる
)
してある。
033
チウ『ハヽヽヽヽヽ、
034
どうだレール、
035
一寸
(
ちよつと
)
其
(
その
)
文句
(
もんく
)
を
読
(
よ
)
んで
聞
(
き
)
かして
呉
(
く
)
れたまへ』
036
レ『ハイ、
037
しかたがありませぬ。
038
女房
(
にようばう
)
から
離縁状
(
りえんじやう
)
を
貰
(
もら
)
ふなんて、
039
男
(
をとこ
)
としては
余
(
あま
)
り
褒
(
ほ
)
めた
話
(
はなし
)
ぢやありませぬ。
040
併
(
しか
)
しもうかうなつちや
破
(
やぶ
)
れかぶれです。
041
サア
聞
(
き
)
いて
下
(
くだ
)
さい、
042
読
(
よ
)
み
上
(
あ
)
げますから』
043
前文
(
ぜんぶん
)
御免
(
ごめん
)
……『
何
(
なん
)
ぢや
失敬
(
しつけい
)
な、
044
挨拶
(
あいさつ
)
もせずに
前文
(
ぜんぶん
)
御免
(
ごめん
)
とけつかるわい。
045
夫
(
をつと
)
を
馬鹿
(
ばか
)
にしてけつかる』……エー、
046
妾
(
わらは
)
事
(
こと
)
不思議
(
ふしぎ
)
の
御縁
(
ごえん
)
によりまして、
047
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
の
妻
(
つま
)
となり
子
(
こ
)
迄
(
まで
)
なしたる
間柄
(
あひだがら
)
で
御座
(
ござ
)
いますれども、
048
貴方
(
あなた
)
は
万民
(
ばんみん
)
の
忌
(
い
)
み
嫌
(
きら
)
ふ
向上
(
かうじやう
)
運動
(
うんどう
)
だとか、
049
免囚
(
めんしう
)
運動
(
うんどう
)
だとか
反逆人
(
はんぎやくにん
)
のやうな
行
(
おこな
)
ひを
遊
(
あそ
)
ばすので、
050
兄弟
(
きやうだい
)
親類
(
しんるゐ
)
近所
(
きんじよ
)
合壁
(
がつぺき
)
より
排斥
(
はいせき
)
し、
051
妻
(
つま
)
たる
私
(
わたし
)
迄
(
まで
)
が
非常
(
ひじやう
)
な
圧迫
(
あつぱく
)
を
受
(
う
)
けますのみならず、
052
日夜
(
にちや
)
番僧
(
ばんそう
)
共
(
ども
)
の
凄
(
すご
)
い
目
(
め
)
で
睨
(
ね
)
めつけられ、
053
かよわき
女
(
をんな
)
の
身
(
み
)
として
到底
(
たうてい
)
耐
(
た
)
へ
切
(
き
)
れませぬ。
054
しかるに
貴方
(
あなた
)
は
今度
(
こんど
)
、
055
畏
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
くも
王妃
(
わうひ
)
の
御輿
(
みこし
)
に
対
(
たい
)
し
不隠
(
ふおん
)
の
御
(
ご
)
行動
(
かうどう
)
を
遊
(
あそ
)
ばし、
056
重大
(
ぢうだい
)
事件
(
じけん
)
を
引
(
ひ
)
き
起
(
おこ
)
し、
057
囚
(
とら
)
はれ
人
(
びと
)
とおなり
遊
(
あそ
)
ばしたのも、
058
全
(
まつた
)
く
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
に
見離
(
みはな
)
され
給
(
たま
)
ひし
事
(
こと
)
と
推察
(
すいさつ
)
致
(
いた
)
します。
059
かかる
重大
(
ぢうだい
)
事件
(
じけん
)
を
犯
(
をか
)
せし
上
(
うへ
)
は、
060
もはや
貴方
(
あなた
)
は
死刑
(
しけい
)
は
免
(
まぬが
)
れますまい。
061
それ
故
(
ゆゑ
)
今
(
いま
)
の
中
(
うち
)
にどうか
妻子
(
さいし
)
が
可愛
(
かあい
)
いと
思召
(
おぼしめ
)
さるるなら、
062
私
(
わたし
)
を
離縁
(
りえん
)
して
下
(
くだ
)
さるであらうと、
063
堅
(
かた
)
く
堅
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じます。
064
何事
(
なにごと
)
も
因縁
(
いんねん
)
因果
(
いんぐわ
)
の
廻
(
めぐ
)
り
合
(
あ
)
ひと
御
(
お
)
諦
(
あきら
)
め
下
(
くだ
)
さいませ。
065
そして
此
(
この
)
子
(
こ
)
は
幸
(
さいは
)
ひに
貴方
(
あなた
)
が
出獄
(
しゆつごく
)
されるやうな
事
(
こと
)
が
有
(
あ
)
りましたらお
返
(
かへ
)
し
致
(
いた
)
します。
066
又
(
また
)
御
(
ご
)
不幸
(
ふかう
)
にして
極刑
(
きよくけい
)
におなり
遊
(
あそ
)
ばすやうな
事
(
こと
)
があれば、
067
是非
(
ぜひ
)
なく
貴方
(
あなた
)
の
忘
(
わす
)
れ
形見
(
がたみ
)
として
育
(
そだ
)
てますから、
068
御
(
ご
)
安心
(
あんしん
)
下
(
くだ
)
さいませ。
069
仮令
(
たとへ
)
無罪
(
むざい
)
になつてお
帰
(
かへ
)
り
遊
(
あそ
)
ばすとも、
070
私
(
わたし
)
は
断
(
だん
)
じて
貴方
(
あなた
)
と
夫婦
(
ふうふ
)
となる
事
(
こと
)
は
致
(
いた
)
しませぬ。
071
よつて
兄弟
(
きやうだい
)
親族
(
しんぞく
)
と
相談
(
さうだん
)
の
上
(
うへ
)
離縁状
(
りえんじやう
)
を
差上
(
さしあげ
)
ますから、
072
宿世
(
すぐせ
)
の
因縁
(
いんねん
)
と
御
(
お
)
諦
(
あきら
)
め
下
(
くだ
)
さいませ。
073
妻
(
つま
)
マサ
子
(
こ
)
より
074
レール
殿
(
どの
)
075
レール『ハヽヽヽヽヽ。
076
このレールも
最早
(
もはや
)
駄目
(
だめ
)
だ。
077
マサ
子
(
こ
)
列車
(
れつしや
)
がたうとうレールを
脱線
(
だつせん
)
しよつたわい。
078
太子
(
たいし
)
様
(
さま
)
、
079
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
に
従
(
したが
)
ひ、
080
左守司
(
さもりのかみ
)
を
奉職
(
ほうしよく
)
さして
頂
(
いただ
)
きませう。
081
テイラ
様
(
さま
)
の
縁談
(
えんだん
)
は
別
(
べつ
)
として、
082
……
到底
(
たうてい
)
私
(
わたし
)
のやうな
083
女房
(
にようばう
)
に
尻
(
しり
)
を
振
(
ふ
)
られる
様
(
やう
)
な
者
(
もの
)
に、
084
テイラさまがどうして
婚姻
(
こんいん
)
して
下
(
くだ
)
さいませうや、
085
覚束
(
おぼつか
)
なう
御座
(
ござ
)
いますからなあ』
086
太子
(
たいし
)
『
何
(
なに
)
、
087
そんな
心配
(
しんぱい
)
は
要
(
い
)
らないよ。
088
俺
(
おれ
)
の
天眼通
(
てんがんつう
)
でテイラさまの
心中
(
しんちう
)
を
鏡
(
かがみ
)
にテーラして
見
(
み
)
ておいたのだ。
089
なあテイラさま、
090
異存
(
いぞん
)
はありますまい』
091
テイラは『ハイ』と
云
(
い
)
つたきり、
092
顔
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
らめ
袖
(
そで
)
を
掩
(
おほ
)
うて
俯向
(
うつむ
)
く。
093
太
(
たい
)
『ハヽヽヽヽヽ、
094
これで
一夫婦
(
ひとふうふ
)
落着
(
らくちやく
)
だ。
095
サア
之
(
これ
)
からはマークさまだ。
096
マークさま、
097
君
(
きみ
)
は
右守司
(
うもりのかみ
)
になるのだよ』
098
マ『
思
(
おも
)
ひもよらぬ
御
(
ご
)
恩命
(
おんめい
)
、
099
実
(
じつ
)
に
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います。
100
到底
(
たうてい
)
私
(
わたし
)
如
(
ごと
)
き
不徳者
(
ふとくもの
)
の
身
(
み
)
をもつて、
101
右守司
(
うもりのかみ
)
などといふ
重職
(
ぢうしよく
)
には
耐
(
た
)
へ
得
(
え
)
られますまい。
102
どうかもう
少
(
すこ
)
し
軽
(
かる
)
い
御用
(
ごよう
)
にお
使
(
つか
)
ひ
下
(
くだ
)
さいますまいか。
103
沐猴
(
もくこう
)
にして
冠
(
くわん
)
するものと
世
(
よ
)
の
笑
(
わら
)
ひを
受
(
う
)
けますから』
104
レ『オイ、
105
マークそれや
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
ふのだ。
106
太子
(
たいし
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
ぢやないか。
107
そんな
遠慮
(
ゑんりよ
)
はするに
当
(
あた
)
らないよ。
108
俺
(
おれ
)
だつて
二
(
ふた
)
つ
返事
(
へんじ
)
で
左守司
(
さもりのかみ
)
を
頂
(
いただ
)
いたぢやないか』
109
マ『サア
暫
(
しばら
)
く
考
(
かんが
)
へさして
貰
(
もら
)
ひたいなあ』
110
レ『それや
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
ふのだ。
111
考
(
かんが
)
へも
糞
(
くそ
)
もあつたものかい。
112
いつも
云
(
い
)
つて
居
(
を
)
つたぢやないか。
113
「
此
(
この
)
運動
(
うんどう
)
が
成功
(
せいこう
)
したら、
114
君
(
きみ
)
は
左守
(
さもり
)
になれ、
115
僕
(
ぼく
)
は
右守
(
うもり
)
になる」と
気焔
(
きえん
)
をあげて
居
(
ゐ
)
た
癖
(
くせ
)
に、
116
なんだ、
117
卑怯
(
ひけふ
)
に、
118
今
(
いま
)
になつて
尻込
(
しりごみ
)
すると
云
(
い
)
ふ
腰抜
(
こしぬけ
)
があるか』
119
マ『……………』
120
太
(
たい
)
『オイ、
121
マーク
確
(
しつか
)
りせないか、
122
何
(
なん
)
だその
面
(
つら
)
は』
123
マ『ハイ、
124
謹
(
つつし
)
んでお
受
(
う
)
け
致
(
いた
)
します。
125
至
(
いた
)
らぬ
吾々
(
われわれ
)
どうか
宜敷
(
よろし
)
くお
引立
(
ひきたて
)
を………』
126
太
(
たい
)
『アハヽヽヽヽヽ、
127
たうとう
落城
(
らくじやう
)
しよつたな。
128
よしよし、
129
それについては、
130
ハリス
女将軍
(
ぢよしやうぐん
)
を
君
(
きみ
)
の
奥様
(
おくさま
)
にお
世話
(
せわ
)
しよう。
131
随分
(
ずいぶん
)
美人
(
びじん
)
だらうがな』
132
マ『
私
(
わたし
)
には
妻
(
つま
)
が
御座
(
ござ
)
います。
133
これ
許
(
ばか
)
りは
御
(
ご
)
容赦
(
ようしや
)
を……』
134
太
(
たい
)
『それ、
135
これを
見
(
み
)
ろ。
136
これが
証拠
(
しようこ
)
だ』
137
と
一通
(
いつつう
)
の
封書
(
ふうしよ
)
をマークの
前
(
まへ
)
に
投
(
な
)
げ
出
(
だ
)
した。
138
マークは
不思議
(
ふしぎ
)
さうに
其
(
その
)
書面
(
しよめん
)
を
手
(
て
)
に
取
(
とり
)
あげ、
139
よくよく
見
(
み
)
れば
妻
(
つま
)
の
筆跡
(
ひつせき
)
である。
140
直
(
ただ
)
ちに
封
(
ふう
)
押
(
お
)
し
切
(
き
)
り
見
(
み
)
れば、
141
カル
子
(
こ
)
より、
142
マーク
様
(
さま
)
に
離縁状
(
りえんじやう
)
を
差上
(
さしあげ
)
ます。
143
人間
(
にんげん
)
は
諦
(
あきら
)
めが
肝腎
(
かんじん
)
ですよ。
144
貴方
(
あなた
)
も
男
(
をとこ
)
でせう
145
滅多
(
めつた
)
に
女々
(
めめ
)
しい、
146
未練
(
みれん
)
たらしい
事
(
こと
)
は
決
(
けつ
)
して
云
(
い
)
はない
方
(
かた
)
と
信
(
しん
)
じて
居
(
ゐ
)
ます………
147
マ『ヤこいつは
手厳
(
てきび
)
しい。
148
嬶
(
かかあ
)
の
奴
(
やつ
)
149
大変
(
たいへん
)
なメートルを
挙
(
あげ
)
て
居
(
ゐ
)
やがるな』
150
レ『アハヽヽヽヽヽ。
151
態
(
ざま
)
を
見
(
み
)
い、
152
オイ、
153
マーク
其
(
その
)
次
(
つぎ
)
を
読
(
よ
)
まないか』
154
マ『いやもう
耐
(
こら
)
へてくれ。
155
余
(
あま
)
りひどい
事
(
こと
)
が
書
(
か
)
いてあるので、
156
読
(
よ
)
むに
忍
(
しの
)
びないわ』
157
とパリパリパリと
引
(
ひ
)
き
破
(
やぶ
)
り、
158
矢庭
(
やには
)
に
頬張
(
ほほばり
)
、
159
クシヤクシヤクシヤと
かみたれこ
にし、
160
灰
(
はひ
)
の
中
(
なか
)
に
鉄
(
てつ
)
の
火箸
(
ひばし
)
で
埋
(
い
)
け
込
(
こ
)
んでしまつた。
161
マ『エー、
162
もう
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
りました。
163
併
(
しか
)
し
嬶
(
かかあ
)
が
離縁状
(
りえんじやう
)
を
呉
(
く
)
れるのも
無理
(
むり
)
は
御座
(
ござ
)
いますまい。
164
第一
(
だいいち
)
彼奴
(
あいつ
)
の
兄弟
(
きやうだい
)
や
親
(
おや
)
が
没分暁漢
(
わからずや
)
ですから、
165
カル
子
(
こ
)
の
奴
(
やつ
)
、
166
一刀
(
いつたう
)
両断
(
りやうだん
)
的
(
てき
)
の
態度
(
たいど
)
に
出
(
で
)
よつたのですわい』
167
太
(
たい
)
『かうなる
上
(
うへ
)
はハリスさまを
新夫人
(
しんふじん
)
としても
差支
(
さしつかへ
)
ないぢやないか』
168
マ『
何事
(
なにごと
)
も
太子
(
たいし
)
様
(
さま
)
にお
任
(
まか
)
せ
致
(
いた
)
します。
169
どうか
宜敷
(
よろし
)
く
おとりなし
を………』
170
太
(
たい
)
『ヤアこれで
二夫婦
(
ふたふうふ
)
揃
(
そろ
)
うた。
171
ハリスさま
172
満足
(
まんぞく
)
だらうな』
173
ハリ『ホヽヽヽヽヽ。
174
仰有
(
おつしや
)
る
迄
(
まで
)
もなく
満足
(
まんぞく
)
ですわ。
175
私
(
わたし
)
が
始終
(
しじう
)
求
(
もと
)
めて
居
(
ゐ
)
た
理想
(
りさう
)
の
夫
(
をつと
)
に
出会
(
であ
)
つたのですもの』
176
レールは
頭
(
あたま
)
を
叩
(
たた
)
き
乍
(
なが
)
ら、
177
『ヤーこいつは
猛烈
(
まうれつ
)
だ。
178
耐
(
たま
)
らぬ
耐
(
たま
)
らぬ
耐
(
たま
)
らぬ、
179
アハヽヽヽヽヽ』
180
ハリ『ホヽヽヽヽヽ』
181
マ『エヘヽヽヽヽヽ』
182
チンレイ『もし
兄
(
にい
)
さま
183
甚
(
ひど
)
いわ、
184
私
(
わたし
)
だつて
女
(
をんな
)
ですよ。
185
どうして
下
(
くだ
)
さるのですか』
186
太
(
たい
)
『ほんにお
前
(
まへ
)
の
事
(
こと
)
は
忘
(
わす
)
れて
居
(
を
)
つた。
187
まさか
俺
(
おれ
)
の
女房
(
にようばう
)
にする
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
かず、
188
困
(
こま
)
つたなあ。
189
まあ
待
(
ま
)
つとつて
呉
(
く
)
れ。
190
何
(
なん
)
とか
適当
(
てきたう
)
な
夫
(
をつと
)
を
探
(
さが
)
してやるから』
191
チン『
兄
(
にい
)
さま、
192
そんな
事
(
こと
)
云
(
い
)
つて
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
も
引張
(
ひつぱ
)
るのは
否
(
い
)
やですよ。
193
妾
(
わたし
)
だつて、
194
性
(
せい
)
の
欲
(
よく
)
に
囚
(
とら
)
はれ、
195
日夜
(
にちや
)
悩
(
なや
)
んで
居
(
ゐ
)
るのですもの』
196
太
(
たい
)
『アハヽヽヽヽヽ。
197
こいつは
猛烈
(
まうれつ
)
だ。
198
今時
(
いまどき
)
の
女性
(
ぢよせい
)
は
総
(
すべ
)
てかふいふ
式
(
しき
)
だから
困
(
こま
)
つて
了
(
しま
)
ふわ』
199
照国
(
てるくに
)
『
王女
(
わうぢよ
)
様
(
さま
)
に
適当
(
てきたう
)
な
夫
(
をつと
)
をお
世話
(
せわ
)
致
(
いた
)
しませうか、
200
仲々
(
なかなか
)
気
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
好人物
(
かうじんぶつ
)
ですよ。
201
決
(
けつ
)
してレールさま、
202
マークさまに
優
(
まさ
)
つても
劣
(
おと
)
らない
人物
(
じんぶつ
)
です』
203
太
(
たい
)
『どうか
世話
(
せわ
)
をしてやつて
下
(
くだ
)
さい』
204
照国
(
てるくに
)
『
実
(
じつ
)
は
私
(
わたし
)
の
弟子
(
でし
)
に
春公
(
はるこう
)
と
云
(
い
)
ふ
立派
(
りつぱ
)
な
男
(
をとこ
)
が
居
(
を
)
ります。
205
今
(
いま
)
は
城外
(
じやうぐわい
)
の
牢獄
(
らうごく
)
の
看守
(
かんしゆ
)
を
勤
(
つと
)
めて
居
(
を
)
りますが、
206
どうでせうかなあ』
207
太
(
たい
)
『どうか
宜敷
(
よろし
)
う
願
(
ねが
)
ひませう。
208
サア、
209
チンレイ、
210
これでお
前
(
まへ
)
も
安心
(
あんしん
)
だらう』
211
チンレイ『
兄
(
にい
)
さま
212
否
(
いや
)
ですよ、
213
なんぼなんでも
牢獄
(
らうごく
)
の
番人
(
ばんにん
)
なんて
殺生
(
せつしやう
)
だわ』
214
照国
(
てるくに
)
『
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
は
春公
(
はるこう
)
と
云
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
、
215
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
命令
(
めいれい
)
により
吾々
(
われわれ
)
の
入牢
(
にふらう
)
を
前知
(
ぜんち
)
し、
216
臨時
(
りんじ
)
牢番
(
らうばん
)
となつて、
217
いろいろと
便宜
(
べんぎ
)
を
与
(
あた
)
へて
呉
(
く
)
れた
義理堅
(
ぎりがた
)
い
情深
(
なさけぶか
)
い
神司
(
かむづかさ
)
です。
218
きつと
人物
(
じんぶつ
)
は
保証
(
ほしよう
)
致
(
いた
)
します。
219
男前
(
をとこまへ
)
も
仲々
(
なかなか
)
捨
(
す
)
てたものぢやありませぬ。
220
王女
(
わうぢよ
)
様
(
さま
)
に
配
(
めあ
)
はすには
負
(
まけ
)
ず
劣
(
おと
)
らずの
器量
(
きりやう
)
をして
居
(
を
)
ります』
221
チン『そんなら
兄
(
にい
)
さま
222
お
世話
(
せわ
)
になりませうかねえ、
223
ホヽヽヽヽヽ』
224
太
(
たい
)
『お
気
(
き
)
に
入
(
い
)
りましたかなあ、
225
やお
目出
(
めで
)
たう。
226
サアこれで
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に
三夫婦
(
みめをと
)
結婚
(
けつこん
)
の
約
(
やく
)
が
結
(
むす
)
ばれた。
227
一
(
ひと
)
つ
祝盃
(
しゆくはい
)
を
挙
(
あ
)
げて
歌
(
うた
)
はふぢやないか』
228
チン『
兄
(
にい
)
さま
229
貴方
(
あなた
)
の
奥
(
おく
)
さまはどうなさいますか』
230
太
(
たい
)
『そんな
事
(
こと
)
は
云
(
い
)
はなくてもお
前
(
まへ
)
も
予
(
かね
)
てより
聞
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
るぢやないか。
231
タラハン
城
(
じやう
)
のスダルマン
太子
(
たいし
)
の
妹
(
いもうと
)
バンナ
姫
(
ひめ
)
に
定
(
きま
)
つて
居
(
ゐ
)
るぢやないか。
232
親
(
おや
)
と
親
(
おや
)
との
許婚
(
いひなづけ
)
だもの』
233
チン『オホヽヽヽヽヽ、
234
えらい
失礼
(
しつれい
)
な
事
(
こと
)
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げました。
235
随分
(
ずいぶん
)
兄
(
にい
)
さまも
執念深
(
しふねんぶか
)
い
方
(
かた
)
ですね』
236
太
(
たい
)
『
馬鹿
(
ばか
)
云
(
い
)
ふな、
237
俺
(
おれ
)
の
事
(
こと
)
は
構
(
かま
)
はいでもよいわ。
238
千早
(
ちはや
)
振
(
ふ
)
る
神代
(
かみよ
)
のままに
女
(
め
)
と
夫
(
を
)
とが
239
嫁
(
とつ
)
ぎの
道
(
みち
)
を
開
(
ひら
)
く
今日
(
けふ
)
かな。
240
三組
(
みくみ
)
迄
(
まで
)
夫婦
(
ふうふ
)
揃
(
そろ
)
うて
盃
(
さかづき
)
を
241
挙
(
あ
)
ぐるは
御代
(
みよ
)
の
瑞祥
(
ずゐしやう
)
なるらむ』
242
レール『
吾
(
わが
)
君
(
きみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
を
盃
(
さかづき
)
に
243
汲
(
く
)
みて
嫁
(
とつ
)
ぎをなすぞ
嬉
(
うれ
)
しき』
244
テイラ『
世
(
よ
)
に
稀
(
まれ
)
な
男子
(
をのこ
)
を
夫
(
つま
)
にもちながら
245
君
(
きみ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
吾
(
われ
)
ぞ
楽
(
たの
)
しき』
246
マーク『
有難
(
ありがた
)
し
世嗣
(
よつぎ
)
の
君
(
きみ
)
の
媒介
(
とりもち
)
に
247
今日
(
けふ
)
新
(
あたら
)
しき
妻
(
つま
)
を
持
(
も
)
ちぬる』
248
ハリス『
求
(
もと
)
めてし
理想
(
りさう
)
の
夫
(
をつと
)
に
添
(
そ
)
ひながら
249
世
(
よ
)
を
開
(
ひら
)
きゆく
事
(
こと
)
の
嬉
(
うれ
)
しさ』
250
チンレイ『
如何
(
いか
)
にせむ
未
(
ま
)
だ
見
(
み
)
ぬ
夫
(
つま
)
に
身
(
み
)
を
任
(
まか
)
せ
251
神
(
かみ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
吾
(
わが
)
身
(
み
)
を』
252
太子
(
たいし
)
『ヤ、
253
目出度
(
めでた
)
い
目出度
(
めでた
)
い、
254
これで
余
(
よ
)
も
安心
(
あんしん
)
した。
255
モーシ
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
256
どうか
祝歌
(
しゆくか
)
を
歌
(
うた
)
つて
下
(
くだ
)
さいませ』
257
照国別
(
てるくにわけ
)
『
億万
(
おくまん
)
年
(
ねん
)
の
昔
(
むかし
)
より
258
億万
(
おくまん
)
年
(
ねん
)
の
末
(
すゑ
)
迄
(
まで
)
も
259
人
(
ひと
)
の
情
(
なさけ
)
は
皆
(
みな
)
一
(
ひと
)
つ
260
男子
(
をとこ
)
と
女
(
をみな
)
と
相睦
(
あひむつ
)
び
261
嫁
(
とつ
)
ぎの
道
(
みち
)
を
開
(
ひら
)
きつつ
262
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしの
神業
(
かむわざ
)
に
263
仕
(
つか
)
へたまはむ
人々
(
ひとびと
)
の
264
今日
(
けふ
)
の
心
(
こころ
)
の
勇
(
いさ
)
ましさ
265
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
るさへ
楽
(
たの
)
しけれ
266
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
引
(
ひ
)
き
合
(
あは
)
せ
267
清
(
きよ
)
き
奇
(
く
)
はしき
女子
(
をみなご
)
と
268
男子
(
をのこ
)
が
茲
(
ここ
)
に
寄
(
よ
)
り
集
(
つど
)
ひ
269
嫁
(
とつ
)
ぎの
道
(
みち
)
を
初
(
はじ
)
めつつ
270
トルマン
国
(
ごく
)
の
政事
(
まつりごと
)
271
常磐
(
ときは
)
堅磐
(
かきは
)
に
末永
(
すえなが
)
く
272
固
(
かた
)
めたまひし
今日
(
けふ
)
こそは
273
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
のそれならで
274
十方
(
じつぱう
)
世界
(
せかい
)
も
皎々
(
かうかう
)
と
275
輝
(
かがや
)
く
許
(
ばか
)
りの
思
(
おも
)
ひなり
276
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
277
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
弥深
(
いやふか
)
く
278
これの
縁
(
えにし
)
をどこ
迄
(
まで
)
も
279
互
(
たがひ
)
に
睦
(
むつ
)
び
親
(
した
)
しみて
280
大神業
(
だいしんげふ
)
に
仕
(
つか
)
ふべし
281
守
(
まも
)
らせたまへと
主
(
す
)
の
神
(
かみ
)
の
282
御前
(
みまへ
)
に
祈
(
いの
)
り
奉
(
たてまつ
)
る
283
鶴
(
つる
)
は
千年
(
ちとせ
)
の
松ケ枝
(
まつがえ
)
に
284
御子
(
みこ
)
を
生
(
う
)
みつつ
君
(
きみ
)
が
代
(
よ
)
を
285
祝
(
ことほ
)
ぎまつりて
緑毛
(
りよくまう
)
の
286
亀
(
かめ
)
は
海
(
うみ
)
より
這
(
はひ
)
出
(
い
)
でて
287
底津
(
そこつ
)
岩根
(
いはね
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
に
288
万世
(
よろづよ
)
祝
(
いは
)
ひ
舞
(
ま
)
ひ
遊
(
あそ
)
ぶ
289
実
(
げ
)
にもミロクの
新政
(
しんせい
)
か
290
神政
(
しんせい
)
成就
(
じやうじゆ
)
の
暁
(
あかつき
)
か
291
実
(
げ
)
にも
目出度
(
めでた
)
き
次第
(
しだい
)
なり
292
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
293
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましませよ
294
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
295
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
296
たとへ
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
297
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
結
(
むす
)
びたる
298
六人
(
むたり
)
の
縁
(
えん
)
はどこ
迄
(
まで
)
も
299
解
(
ほど
)
けざらまし
惟神
(
かむながら
)
300
神
(
かみ
)
に
誓
(
ちか
)
ひて
三五
(
あななひ
)
の
301
照国別
(
てるくにわけ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
302
喜
(
よろこ
)
び
祝
(
ことほ
)
ぎ
奉
(
たてまつ
)
る』
303
照公
(
てるこう
)
『
目出度
(
めでた
)
し
目出度
(
めでた
)
しお
目出
(
めで
)
たし
304
茲
(
ここ
)
に
三夫婦
(
みふうふ
)
相並
(
あひなら
)
び
305
嫁
(
とつ
)
ぎの
道
(
みち
)
を
初
(
はじ
)
めまし
306
トルマン
国
(
ごく
)
の
柱石
(
ちうせき
)
を
307
固
(
かた
)
めたまひし
尊
(
たふと
)
さよ
308
この
喜
(
よろこ
)
びを
吾々
(
われわれ
)
は
309
言葉
(
ことば
)
にかくる
術
(
すべ
)
もなし
310
唯
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
目出
(
めで
)
たしと
311
祝
(
ことほ
)
ぎまつる
外
(
ほか
)
はなし
312
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
313
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましませよ』
314
かく
互
(
たがひ
)
に
謡
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り
盃
(
さかづき
)
を
汲
(
く
)
みかはして
居
(
ゐ
)
る
所
(
ところ
)
へ、
315
如意棒
(
によいぼう
)
をぶら
下
(
さ
)
げてやつて
来
(
き
)
たのは、
316
ラムのテルマンであつた。
317
テルマンはニコニコし
乍
(
なが
)
ら
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
318
『ヤア、
319
レールさま、
320
マークさまお
目出
(
めで
)
たう。
321
仁恵令
(
じんけいれい
)
が
行
(
おこな
)
はれ
無事
(
ぶじ
)
出獄
(
しゆつごく
)
せられたと
聞
(
き
)
き、
322
取
(
と
)
るものも
取
(
と
)
り
敢
(
あへ
)
ずお
喜
(
よろこ
)
びに
参
(
まゐ
)
りました。
323
やチウイン
太子
(
たいし
)
様
(
さま
)
、
324
お
目出
(
めで
)
たう
御座
(
ござ
)
います。
325
どうか
宜敷
(
よろし
)
くおとりなしを
願
(
ねが
)
ひ
上
(
あげ
)
ます』
326
(
大正一四・八・二五
旧七・六
於由良海岸秋田別荘
加藤明子
録)
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(B)
(N)
優秀美 >>>
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山河草木(第61~72巻、入蒙記)
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【第21章 三婚|第70巻|山河草木|霊界物語|/rm7021】
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