霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
×
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
ルビの表示


アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注[※]用語解説 [?][※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]

脚注[*]編集用 [?][※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]

外字の外周色 [?]一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。[×閉じる]
現在のページには外字は使われていません

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】サブスク完了しました。どうもありがとうございます。サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は従来バージョンをお使い下さい

第一章 (みそぎ)神事(しんじ)〔一八九五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第75巻 天祥地瑞 寅の巻 篇:第1篇 玉野神業 よみ(新仮名遣い):たまのしんぎょう
章:第1章 禊の神事 よみ(新仮名遣い):みそぎのしんじ 通し章番号:1895
口述日:1933(昭和8)年11月02日(旧09月15日) 口述場所:水明閣 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年2月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
「禊の神事」は、天之峯火夫の神の聖代から伝わるものであり、紫微天界の神々でも、一日も怠らずに今日まで及んでいる。
禊は、国を治め、世界を平和にするものであり、また自分の身を正し、家庭をととのえるものである。
禊は、さまざまな方式が伝わっているので、ここで簡単に説明する。
振魂の行事:最も重要な神事
この中にもいろいろなやり方があるが、普通は両手を臍の前で十字形に組み合わせ、渾身の力をこめて神名を称えながら、自分の根本の精神を自覚し、盛んに猛烈に、数十分から数時間、連続して全身を振るい動かす行司である。
昔は、天之峯火夫の神の御名が称えられたが、現代の禊では、天之御中主之大神の御名を称える。
妄念・邪想を鎮める。身体内の相反し孤立している活動を制御し、自分の根本精神を中心とした全身の統一を成し遂げることができる。
禊の間は、食事を減らす。朝夕に一合の粥と三粒の梅干、少量のごま塩以外は食べない。しかし、内部の根本精神が興奮緊張するために、疲れたりやつれたりすることはない。
天の鳥船:衆心一和の禊
渾身に力をこめる。特に臍のあたりに力をこめ、気合とともに、櫓を漕ぐ動作を百千回反復する。
運動それ自体が修練となる。また、気合術の練習にもなる。
雄健の禊:神我一体連想の姿勢
生魂、足魂、玉留魂、大国常立之尊の神名を唱えつつ、天之沼矛を振りかざして、直立不動の姿勢を構える。
一、直立し、左右の両手で帯を硬く握り締め、親指を帯に指し、「生魂(いくむすび)」と唱えながら、力を全身に充足して腹を前に突き出し、体を後ろにそらせる。
二、「足魂(たるむすび)」と唱えつつ、力を全身に充足して両肩を挙げ、その後腰、腹、両足に十分に力をこめて両肩を下ろす。
三、「玉留魂(たまつめむすび)」と唱えながら、さらに両足に力を充足し、両足のつま先で直立し、その後強く全身に力をこめて、両方のかかとを下ろす。
四、左足を一歩斜め前に踏み出す。左手はそのまま帯を握り締める。右手は人差し指と中指をともにまっすぐに立て、外の指は握る(これを天之沼矛にかたどる)。この右手を脳天に構え、真剣以上の勇気と覚悟を持する。
雄詰(おころび)の禊:神我一体で禍津見を征服・善導する
「イエーッ」と声を発するとともに、右足と左足を踏みつけ、同時に脳天に振りかざした天之沼矛を、斜めに空を斬って、一直線に左の腰元に打ち下ろす。
さらに「エーイッ」と発生し、右ひじを脇につけたまま、ひじから前をまっすぐに立て、さらに天之沼矛を脳天に構える。
これを続けざまに三回反復する。
「イエーッ」の打ち込みは、悪魔を威圧懲戒する作法、「エーイッ」の打ち上げは、悪魔を悔悟させるための作法。
伊吹の神事:雄詰に引き続いて行う
両手を臍の位に置き、勢いよく十字型に組み合わせ、後に複式深呼吸を三回行う。最後の吸気は全部呑んで吐き出さないままにする。
現代では、これら禊の行事の根源は失われ、本当のところは伝わっていないが、大体はこのような形式で、一部の神道家の間には残っている。
紫微天界でも、禊の神事を万事の根源と定めたので、太元顕津男の神たちは、玉野丘の玉泉でおのおの禊を修するために集まって、禊祓いに奉仕した。
一同は、玉野丘の霊泉の汀に座を定め、禊の神事を修しようと、おのおの禊の歌を歌った。
全員が歌い終わると、真鶴山はわずかに震動し始め、アオウエイの音響がいずこともなく高らかに聞こえてきた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2019-03-23 10:51:30 OBC :rm7501
愛善世界社版: 八幡書店版:第13輯 291頁 修補版: 校定版:11頁 普及版: 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第一巻 皇道編 > 第八篇 瑞祥 > 第七章 禊の神事
001 ()神国(しんこく)には、002大虚中(たいきよちう)⦿()言霊(ことたま)より()()(たま)ひし天之(あまの)峯火夫(みねひを)(かみ)の、003聖代(せいだい)より今日(こんにち)(いた)るまで伝来(でんらい)せる(みそぎ)神事(しんじ)あり。004()神事(しんじ)紫微(しび)天界(てんかい)神々(かみがみ)(いへど)(いち)(にち)(おこた)(たま)(こと)なく、005今日(こんにち)(およ)べる主要(しゆえう)事柄(ことがら)なり。006(そもそも)(みそぎ)(だい)にしては治国(ちこく)(へい)天下(てんか)となり、007(せう)にしては修身(しうしん)斉家(せいか)基本(きほん)たり。008(しか)して(みそぎ)にも種々(しゆじゆ)方式(はうしき)(つた)はれり。009吾人(ごじん)(これ)より諸種(しよしゆ)みそぎ(つい)略述(りやくじゆつ)せむとす。
010 (みそぎ)(くわん)する行事(ぎやうじ)(うち)にて(もつと)至要(しえう)なる神事(しんじ)振魂(ふるたま)行事(ぎやうじ)なり。011(これ)には種々(しゆじゆ)方式(はうしき)あれども、012普通(ふつう)場合(ばあひ)には、013両掌(りやうて)(ほぞ)あたりの前方(ぜんぱう)(おい)十字形(じふじけい)()(あは)せ、014渾身(こんしん)(ちから)()めて神名(しんめい)(とな)へながら、015自己(じこ)根本(こんぽん)精神(せいしん)自覚(じかく)して、016(さか)んに猛烈(まうれつ)数十分(すうじつぷん)乃至(ないし)数時間(すうじかん)連続(れんぞく)して全身(ぜんしん)(ふる)(うご)かす行事(ぎやうじ)なり。017神代(かみよ)(みそぎ)には神々(かみがみ)(いづ)れも天之(あまの)峯火夫(みねひを)(かみ)御名(みな)(とな)(まつ)られたるが、018現代(げんだい)にては吾人(ごじん)(みそぎ)には天之(あめの)御中主(みなかぬし)()大神(おほかみ)御名(みな)(とな)(まつ)るなり。
019 ()振魂(ふるたま)行事(ぎやうじ)()りて、020精神(せいしん)内包(ないはう)妄念(まうねん)邪想(じやさう)鎖鎮(さちん)すると(とも)に、021身体(しんたい)各部(かくぶ)反対(はんたい)(てき)孤立(こりつ)(てき)活動(くわつどう)制御(せいぎよ)し、022自己(じこ)根本(こんぽん)精神(せいしん)中心(ちうしん)としたる全身(ぜんしん)統一(とういつ)(てき)活動(くわつどう)()すなり。023(みそぎ)(あひだ)日々(ひび)食事(しよくじ)(げん)じて、024朝夕(あさゆふ)一合(いちがふ)(かゆ)三粒(みつぶ)梅干(うめぼし)025小量(せうりやう)胡麻塩(ごましほ)以外(いぐわい)一切(いつさい)(しよく)せざるも、026(まつた)自己(じこ)根本(こんぽん)精神(せいしん)(ほん)守護神(しゆごじん))に(たい)する全身(ぜんしん)抵抗力(ていかうりよく)減殺(げんさい)し、027(ひとへ)心身(しんしん)統一(とういつ)(はか)るに便(べん)ずる用意(ようい)なり。028(しか)るに身体(しんたい)(その)減食(げんしよく)のために、029(つか)(また)()困難(こんなん)(おちい)るといふ心配(しんぱい)はなし。030内部(ないぶ)根本(こんぽん)精神(せいしん)興奮(こうふん)緊張(きんちやう)()()(きた)(ゆゑ)に、031(かへつ)元気(げんき)全身(ぜんしん)充足(じうそく)し、032頭脳(づなう)冷静(れいせい)明快(めいくわい)となり、033全身(ぜんしん)爽快(さうくわい)にして(かみ)気分(きぶん)(ただよ)ふ。034内省(ないせい)して(やま)しき罪穢(ざいゑ)もなければ、035仮令(たとへ)百千万(ひやくせんまん)強敵(きやうてき)(あら)はれ(きた)るとも(おそ)れず、036大海(たいかい)高山(かうざん)突破(とつぱ)し、037宇宙(うちう)呑吐(どんと)する気概(きがい)勃発(ぼつぱつ)して、038一合(いちがふ)(かゆ)以外(いぐわい)何物(なにもの)をも(しよく)せずと(いへど)も、039(さら)飢餓(きが)(おぼ)ゆる(こと)なし。040(あたか)自己(じこ)神代(かみよ)(むかし)(よみがへ)りたる心地(ここち)となり、041日本(やまと)民族(みんぞく)自性(じせい)明瞭(めいれう)感得(かんとく)するに(いた)るなり。
042 (つぎ)(あま)鳥船(とりぶね)(しよう)する(みそぎ)神事(しんじ)あり。043(これ)神代(かみよ)神々(かみがみ)(あま)鳥船(とりぶね)()(たま)ひて大海原(おほうなばら)(よこ)ぎり(たま)ひし大雄図(だいゆうと)(しの)びつつ、044渾身(こんしん)(とく)(ほぞ)(あた)りに(ちから)()め、045気合(きあひ)(とも)()()ぐままの動作(どうさ)百千回(ひやくせんくわい)反復(はんぷく)する行事(ぎやうじ)にして、046運動(うんどう)()自身(じしん)価値(かち)あるのみならず、047(これ)()りて気合術(きあひじゆつ)練習(れんしふ)出来(でき)048不知(しらず)不識(しらず)(あひだ)衆心(しうしん)一和(いちわ)する(みそぎ)なり。
049 (つぎ)雄健(をたけび)(みそぎ)あり、050生魂(いくむすび)051足魂(たるむすび)052玉留魂(たまつめむすび)053大国常立(おほくにとこたち)()(みこと)神名(みな)(とな)へつつ、054天之(あまの)沼矛(ぬぼこ)()りかざして直立(ちよくりつ)不動(ふどう)姿勢(しせい)(かま)ふる行事(ぎやうじ)なり。055(すなは)ち、
056(いち)直立(ちよくりつ)して左右(さいう)両手(りやうて)(もつ)(おび)(かた)(にぎ)()め、057拇指(ぼし)(おび)()し『生魂(いくむすび)』と(とな)へつつ、058(ちから)全身(ぜんしん)充足(じうそく)して(はら)前方(ぜんぱう)()()し、059体躯(たいく)後方(こうはう)()らせ、
060()に『足魂(たるむすび)』と(とな)へつつ、061(ちから)全身(ぜんしん)充足(じうそく)して両肩(りやうかた)()げ、062(しか)(のち)063(こし)064(はら)065両足(りやうあし)とに充分(じうぶん)(ちから)()めて両肩(りやうかた)(おろ)し、
066(さん)に『玉留魂(たまつめむすび)』と(とな)へつつ、067(さら)(ちから)両足(りやうあし)充足(じうそく)して(りやう)爪先(つまさき)にて直立(ちよくりつ)し、068(しか)(のち)(つよ)全身(ぜんしん)(ちから)()めて(りやう)(かがと)(おろ)すなり。
069()左足(さそく)一歩(いつぽ)(ななめ)前方(ぜんぱう)()()し、070左手(ひだりて)はそのまま(おび)(にぎ)()め、071右手(みぎて)第二(だいに)第三指(だいさんし)並立(へいりつ)直指(ちよくし)し、072()三指(さんし)(これ)(くつ)し((これ)(もつ)天之(あまの)沼矛(ぬぼこ)(かたど)る)(これ)脳天(なうてん)(かま)へ、073真剣(しんけん)以上(いじやう)勇気(ゆうき)覚悟(かくご)とを()する行事(ぎやうじ)なり。074(えう)するに雄健(をたけび)(みそぎ)は、075神我(しんが)一体(いつたい)聯想(れんさう)姿勢(しせい)なり。
076 (つぎ)雄詰(をころび)(みそぎ)あり。077雄詰(をころび)といふは神我(しんが)一体(いつたい)として、078禍津見(まがつみ)征服(せいふく)し、079(これ)善導(ぜんだう)神化(しんくわ)する発声(はつせい)なり。080雄詰(をころび)は「イーエツ」といふ(こゑ)(はつ)すると(とも)に、081右足(うそく)左足(さそく)()()け、082同時(どうじ)脳天(なうてん)()りかざしたる天之(あまの)沼矛(ぬぼこ)(ななめ)(くう)()つて、083一直線(いつちよくせん)(ひだり)腰元(こしもと)()(おろ)すや(いな)や、084(さら)に「エーイツ」と発声(はつせい)すると(とも)に、085右肘(みぎひぢ)胸側(きようそく)()けたる(まま)前臂(ぜんぴ)直立(ちよくりつ)し、086(しか)(のち)(さら)天之(あまの)沼矛(ぬぼこ)脳天(なうてん)(かま)へ、087前後(ぜんご)(つう)じて(つづ)けさまに三回(さんくわい)反復(はんぷく)して(おこな)ふなり。088神我(しんが)一体(いつたい)として「イーエツ」と()()むは、089四囲(しゐ)悪魔(あくま)威圧(ゐあつ)懲戒(ちようかい)するの作法(さはふ)にして、090(これ)反対(はんたい)に「エーイツ」と()()ぐるは、091悪魔(あくま)悔悟(くわいご)復活(ふくくわつ)せしむるが(ため)なり。092(すなは)(おに)(かみ)(くわ)し、093(わざはひ)(ふく)(くわ)し、094(これ)吸収(きふしう)同化(どうくわ)して(とも)神我(しんが)一体(いつたい)たらしめむとするが、095大祖神(たいそしん)垂示(すゐじ)にして、096神人(しんじん)膨脹(ばうちやう)(てき)大理想(だいりさう)なり。
097 (つぎ)雄詰(をころび)(をは)りて、098(ただ)ちに両掌(りやうて)(ほぞ)(くらゐ)()き、099(いきほひ)よく十字形(じうじけい)()(あは)せ、100(しか)(のち)腹式(ふくしき)深呼吸(しんこきふ)三回(さんくわい)(おこな)ふ。101(しか)して最後(さいご)吸気(きふき)全部(ぜんぶ)()みて呼出(こしゆつ)せず、102(これ)伊吹(いぶき)神事(しんじ)()ふなり。
103 現今(げんこん)にては(みそぎ)行事(ぎやうじ)(その)根元(こんげん)(うしな)真相(しんさう)(つた)はらざれ(ども)104大要(たいえう)(みぎ)(ごと)形式(けいしき)にて一部(いちぶ)神道家(しんだうか)(かん)(のこ)()るなり。105紫微(しび)天界(てんかい)にても(みそぎ)神事(しんじ)(もつ)万事(ばんじ)根元(こんげん)(さだ)められたれば、106太元(おほもと)顕津男(あきつを)(かみ)(はじ)百神(ももがみ)(たち)は、107玉野丘(たまのをか)玉泉(たまいづみ)各自(おのもおのも)(みそぎ)(しう)すべく(あつま)(たま)ひて、108修祓(しうばつ)(わざ)奉仕(ほうし)(たま)ひぬ。
109 顕津男(あきつを)(かみ)(はじ)(その)()諸神(しよしん)は、110玉野丘(たまのをか)霊泉(れいせん)(みぎは)に、111各自(おのもおのも)()(さだ)め、112(みそぎ)神事(わざ)(しう)せむとして、113御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
114 顕津男(あきつを)(かみ)御歌(みうた)
115(あま)(わた)月日(つきひ)もうつる玉泉(たまいづみ)
116(きよ)きは(かみ)(こころ)なるかも
117水底(みなそこ)真砂(まさご)(ひか)玉泉(たまいづみ)
118わが(つみ)(けが)れくまなく(あら)はむ
119国土造(くにつく)御子生(みこう)神業(みわざ)(たふと)さを
120(さと)りて(われ)(みそぎ)(つか)へむ
121振魂(ふるたま)(みそぎ)水底(みそこ)真砂(まさご)まで
122(ゆる)()だせり(かみ)のまに
123神々(かみがみ)振魂(ふるたま)(みそぎ)つばらかに
124この水底(みなそこ)(うつ)りけるはや
125真鶴(まなづる)(わか)国原(くにはら)(かた)めむと
126(たま)(いづみ)にまづ(みそぎ)せむ
127常磐樹(ときはぎ)(まつ)(こずゑ)水底(みなそこ)
128みどりに()えて(なみ)(しづか)なり
129(なみ)()波紋(はもん)(ゑが)きて泡立(あわだ)つは
130水底(みなそこ)にすむ小魚(さな)呼吸(こきふ)
131この(きよ)(たま)(いづみ)永久(とこしへ)
132()魚族(うろくづ)はすがしかるらむ
133西南(せいなん)(そら)より(くだ)りし(われ)にして
134この清泉(きよいづみ)()みたくぞ(おも)
135その(むかし)(うなぎ)となりて(つか)へてし
136(われ)はなつかし(いづみ)水底(みなそこ)
137この(みづ)(うなぎ)とかへりて永久(とこしへ)
138(われ)()みたくなりにけらしな
139(およ)ばざること()(かへ)()(かみ)
140()さしに(そむ)かむ(こと)のおそろし
141種々(くさぐさ)(くる)しみなやみを(しの)びつつ
142(いま)この(いづみ)にみそぎするかも
143わが御霊(みたま)くもりにくもり(にご)らへり
144この清泉(きよいづみ)(よみがへ)らむかな
145神生(かみう)みの(わざ)初々(はつはつ)()へぬれど
146(こころ)にかかる(なに)ものかある』
147 玉野(たまの)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)
148非時(ときじく)香具(かぐ)()()(あらは)れし
149われは水際(みぎは)にたちばなの(かみ)
150瑞御霊(みづみたま)やすくましませ岐美(きみ)(たま)
151(たま)(いづみ)のごとく(きよ)けし
152(みそぎ)して(この)国原(くにはら)(かた)めむと
153(おも)ほす岐美(きみ)(たふと)くぞ(おも)
154()(かみ)御水火(みいき)かかりし香具(かぐ)()
155八十(やそ)(はしら)比女(ひめ)(かみ)となりぬる
156八十柱(やそはしら)(かみ)(ひと)つに(くは)へられ
157われは神業(みわざ)(おく)れしを()
158(ひと)(くに)(ひと)つの国魂(くにたま)()ませつつ
159神代(かみよ)永久(とは)(ひら)かす()(かみ)
160(ひと)(くに)(ひと)つの御樋代(みひしろ)(さだ)めましし
161()大神(おほかみ)のこころ(たふと)
162(この)(くに)御樋代(みひしろ)となりし(われ)にして
163神業(みわざ)(おく)れしを今更(いまさら)()ゆるも
164神生(かみう)みの神業(みわざ)(おく)れし(あやま)ちは
165わが魂線(たましひ)(くも)りなりけり
166(くも)りたるわが魂線(たましひ)御樋代(みひしろ)
167如何(いか)国魂神(くにたまがみ)(うま)れむ
168生代(いくよ)比女(ひめ)(かみ)神言(みこと)御子生(みこう)みは
169()大神(おほかみ)経綸(しぐみ)なるらむ
170生代(いくよ)比女(ひめ)(かみ)いまさずば真鶴(まなづる)
171国魂神(くにたまがみ)()れざらましを
172瑞御霊(みづみたま)(われ)(うら)まじ生代(いくよ)比女(ひめ)
173(かみ)(うら)まじ惟神(かむながら)なれば
174()(かみ)()さしたまひし神業(かむわざ)
175(かろ)んじ()たる(つみ)なりにけり
176御樋代(みひしろ)(こころ)おごりしたまゆらに
177わが生魂(いくたま)はくもりたりけむ』
178 生代(いくよ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)
179真鶴(まなづる)(やま)のみたまと(あらは)れて
180(われ)()らずに神業(みわざ)(つか)へし
181瑞御霊(みづみたま)水火(いき)(うま)れし(われ)なれば
182わが魂線(たましひ)岐美(きみ)にいつきぬ
183(みち)ならぬ(こひ)ゆゑ(われ)(あきら)めむと
184幾度(いくたび)こころを(かへり)みしはや
185魂線(たましひ)(えにし)(いと)(しば)られて
186岐美(きみ)御水火(みいき)御子(みこ)(はら)みぬ
187一度(ひとたび)御手(みて)御肌(みはだ)にふれずして
188岐美(きみ)真言(まこと)想像(おもひ)妊娠(はらみ)
189玉野(たまの)比女(ひめ)(ゆる)させたまへわが(こころ)
190(あさ)(ゆふ)なに(きみ)をおそれつ
191わが(おも)()えあがりつつ黒雲(くろくも)
192なりて御空(みそら)(とざ)せしを()
193(いま)よりは(これ)(いづみ)(みそぎ)して
194許々(ここ)多久(たく)(つみ)(けが)れを(はら)はむ
195()(かみ)御子(みこ)()れませばわが気体(きたい)
196(けむり)となりて(あめ)にのぼらむ
197玉野(たまの)比女(ひめ)(かみ)()れます(かみ)()
198()御子(みこ)として(はぐ)くみたまはれ
199村肝(むらきも)(こころ)にかかる(くも)もなし
200わが(もつ)れたるおもひも()けつつ』
201 遠見男(とほみを)(かみ)御歌(みうた)
202百神(ももがみ)姿(すがた)すがしく水底(みなそこ)
203月日(つきひ)とともに()(わた)るかな
204(つき)()水面(みのも)(うつ)玉泉(たまいづみ)
205(おもて)(かがみ)のごとく(ひか)れり
206天地(あめつち)(あは)(かがみ)真清水(ましみづ)
207(あら)はむ(たま)(けが)れあるべき
208水底(みなそこ)白梅(しらうめ)(かを)常磐樹(ときはぎ)
209(まつ)(みどり)(しづか)にそよげり
210神々(かみがみ)姿(すがた)水底(みそこ)にさかしまに
211うつりて(きよ)(おも)かがやけり
212(われ)(いま)(あめ)(つち)とに頭辺(かしらべ)
213むかはせて()ちぬ(きよ)(みぎは)
214(あめ)(つち)中心(なかご)になるかわが(あし)
215(うへ)(した)とにふまへ()るなり
216天地(あめつち)中心(なかご)()ちて国土(くに)(つく)ると
217(みそぎ)(みぎは)にかがやき()るも
218(あめ)(つち)(ひと)つになりし瑞御霊(みづみたま)
219この玉水(たまみづ)にすみきらひますも
220瑞御霊(みづみたま)(かみ)(いさを)(いま)()
221御空(みそら)月日(つきひ)()りて(うか)べば
222この(みづ)生命(いのち)清水(しみづ)真清水(ましみづ)
223この稚国(わかぐに)生命(いのち)(もと)
224玉野森(たまのもり)とこれの(いづみ)のなかりせば
225この国原(くにはら)をいかに()かさむや
226二柱(ふたはしら)比女神(ひめがみ)姿(すがた)水底(みなそこ)
227すがしく()えて四柱(よはしら)となれり
228二柱(ふたはしら)比女神(ひめがみ)(ちから)(ひと)つにし
229これの世柱(よはしら)とならさせ(たま)はれ
230国土生(くにう)みと御子生(みこう)みの神業(わざ)(つか)へます
231世柱(よはしら)比女(ひめ)(かみ)ぞかしこき
232水底(みなそこ)真鶴(まなづる)(つばさ)()ちながら
233()へる姿(すがた)(いさ)ましきかな
234伽陵(から)頻迦(びんが)(こゑ)水底(みそこ)(きこ)ゆなり
235(いづみ)(かを)白梅(しらうめ)(はな)
236()(かみ)(くだ)らせたまふも(うべ)なれや
237この玉泉(たまいづみ)(みづ)御霊(みたま)
238かくのごと(きよ)きみたまの岐美(きみ)なれば
239御子生(みこう)みの神業(わざ)やすくますらむ
240永久(とことは)(にご)りを()らぬ玉泉(たまいづみ)
241(ふか)きは岐美(きみ)(こころ)ともがな』
242 圓屋(まるや)比古(ひこ)(かみ)御歌(みうた)
243『まるまると(つき)(かたち)玉泉(たまいづみ)
244(うつ)して(きよ)瑞御霊(みづみたま)かも
245(つき)()(うか)べて(まろ)(いづみ)なれば
246(たま)(いづみ)とたたへけるにや
247(われ)(いま)この玉水(たまみづ)(みそぎ)して
248岐美(きみ)神業(みわざ)(たす)けむと(おも)
249そよと()(かぜ)にも(ちぢ)(みづ)()
250すなほに(われ)(こころ)(あら)
251()くとしもなき(かぜ)ながら玉泉(たまいづみ)
252水面(みのも)小波(さざなみ)うてる素直(すなほ)
253素直(すなほ)なる(いづみ)(おも)小波(さざなみ)
254(みづ)御霊(みたま)真心(まごころ)なるべし
255(おほい)なる(こと)にも(うご)きささやけき
256(こと)にも(うご)かす瑞御霊(みづみたま)かも
257(つき)()(うか)べて(きよ)玉泉(たまいづみ)
258そよ()(かぜ)(うご)かす素直(すなほ)さよ
259この(きよ)(なほ)御霊(みたま)(てら)しまして
260国土造(くにつく)りませ(みづ)御霊(みたま)
261圓屋(まるや)比古(ひこ)(かみ)御供(みとも)(つか)へつつ
262岐美(きみ)(ただ)しき(こころ)(さと)りぬ
263生代(いくよ)比女(ひめ)真言(まこと)のらせどあやしかる
264(こころ)もたさぬ岐美(きみ)ぞかしこき
265玉野(たまの)比女(ひめ)(きよ)(こころ)玉泉(たまいづみ)
266(おも)()まして(ふか)くすませり
267(たま)(をか)にかくも(すが)しき神々(かみがみ)
268国土造(くにつく)りせむと(みそぎ)ますはや
269(あめ)(つち)一度(いちど)(ひら)くこの(みそぎ)
270(かみ)(こころ)とかしこみ(つか)へむ
271(にご)りなき(たま)(いづみ)村肝(むらきも)
272(こころ)(あら)ひて御前(みまへ)(つか)へむ』
273 宇礼志穂(うれしほ)(かみ)御歌(みうた)
274天界(かみくに)()()でし(とき)ゆためしなき
275今日(けふ)(うれ)しさ(すが)しさに()るも
276神生(かみう)みの神業(みわざ)(やうや)くなりなりて
277(たま)(いづみ)()たす(うれ)しさ
278生代(いくよ)比女神(ひめがみ)(みそぎ)真鶴(まなづる)
279国土(くに)(かた)めの(もとゐ)なるらむ
280玉野(たまの)比女(ひめ)(きよ)(こころ)玉泉(たまいづみ)
281(おも)月日(つきひ)(うか)べるがごとし
282鳳凰(ほうわう)(つばさ)(あめ)()()ちて
283今日(けふ)(みそぎ)をことほぎにつつ
284幾度(いくたび)(みそぎ)はすれど今日(けふ)のごと
285すがしき(いづみ)にあはざりにけり
286玉野森(たまのもり)数多(あまた)(いづみ)()きながら
287この(すが)しさはあらざりにけり
288八千尋(やちひろ)(そこ)まで(きよ)()みきらふ
289(たま)(いづみ)(めづら)しきかも』
290 美波志(みはし)比古(ひこ)(かみ)御歌(みうた)
291玉野丘(たまのをか)(ふもと)(つつし)みて(とき)()ちし
292(われ)(たふと)くもゆるされにけり
293みはし比古(ひこ)(かみ)にしあれど玉野丘(たまのをか)
294のぼらむ御橋(みはし)かけ()ざりけり
295わが(たま)をこれの(いづみ)(みそぎ)して
296みはしの(わざ)(きよ)(つか)へむ
297真鶴(まなづる)(わか)国原(くにはら)今日(けふ)よりは
298(よみがへ)るべし目路(めぢ)(かぎ)りを』
299 産玉(うぶだま)(かみ)御歌(みうた)
300神々(かみがみ)(みそぎ)神業(みわざ)すがしくも
301水底(みそこ)にうつらふ今日(けふ)(たふと)
302()みきらふ(たま)(いづみ)にわが(たま)
303(あら)ひて()れます御子(みこ)(まも)らむ
304この(みづ)()れます御子(みこ)産盥(うぶだらひ)
305産釜(うぶがま)なれや()みにすみきらふ
306()みきらふ(たま)(いづみ)産盥(うぶだらひ)
307つつしみ(われ)御子(みこ)(はぐ)くまむ』
308 魂機張(たまきはる)(かみ)御歌(みうた)
309魂機張(たまきはる)(いのち)清水(しみづ)真清水(ましみづ)
310()大神(おほかみ)御姿(みすがた)なるも
311この清水(しみづ)(むす)べば千歳(ちとせ)万歳(よろづよ)
312(たま)生命(いのち)()(さか)ゆべし
313(かみ)()(ひら)けし(とほ)(むかし)より
314まだ()(きよ)(たま)(いづみ)
315常磐樹(ときはぎ)(まつ)()ぐひし真鶴(まなづる)
316御子(みこ)千歳(ちとせ)をことほぎまつらむ』
317 美味素(うましもと)(かみ)御歌(みうた)
318(あま)(みづ)(やはら)かき(みづ)(きよ)(みづ)
319万食物(よろづをしもの)美味素(うましもと)(みづ)よ』
320 結比合(むすびあはせ)(かみ)御歌(みうた)
321(あめ)(つち)(むす)(あは)せてすみきらふ
322この玉泉(たまいづみ)(かみ)姿(すがた)
323この(をか)にかかるすがしき玉泉(たまいづみ)
324()れるは(かみ)御心(みこころ)なるらむ
325天地(あめつち)(むす)(あは)せてすみきらふ
326(たま)(いづみ)にみそぎせむかも
327真鶴(まなづる)(くに)(かがみ)(かがや)けり
328(たま)(いづみ)(ふか)(すが)しさ
329ためしなきこの玉水(たまみづ)にわが(たま)
330(あら)ふもうれし岐美(きみ)(つか)へて』
331 真言厳(まこといづ)(かみ)御歌(みうた)
332言霊(ことたま)(さち)はふこれの天界(てんかい)
333(われ)はみそぎて真言(まこと)()かさむ
334()(かみ)感応(うつろひ)ありしか(みづ)()
335みるみる(なみ)(たか)まりにけり
336真鶴(まなづる)国土(くに)(かた)めむと(みそぎ)()へて
337いづの言霊(ことたま)われ()らむかな
338瑞御霊(みづみたま)(かみ)(たす)けて(われ)(いま)
339(いづ)言霊(ことたま)()らむと(おも)ふ』
340 かく(うた)(たま)ふや、341真鶴山(まなづるやま)(すこ)しく震動(しんどう)(はじ)め、342アオウエイの音響(おんきやう)いづくともなく(たか)らかに(きこ)(きた)る。
343昭和八・一一・二 旧九・一五 於水明閣 加藤明子謹録)
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→