霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四章 千条(ちすぢ)の滝(たき)〔一八九八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第75巻 天祥地瑞 寅の巻 篇:第1篇 玉野神業 よみ(新仮名遣い):たまのしんぎょう
章:第4章 千条の滝 よみ(新仮名遣い):ちすじのたき 通し章番号:1898
口述日:1933(昭和8)年11月03日(旧09月16日) 口述場所:水明閣 筆録者:林弥生 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年2月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
顕津男の神と真言厳の神の生言霊により、国土は震動し暴風雨吹き来たり、ついに玉野丘一帯は次々に広がり膨れ上がって、驚天動地の光景を現した。
神々は感嘆し、それぞれ国土造りの神業を祝う歌を歌った。
玉野比女は神業の結果に驚嘆し、生代比女は玉藻山で御子生みをする決意を詠んだ。
美波志比古は、新しい国原を雨風が洗い清める様を詠み、玉藻山をたたえた。
産玉の神は、顕津男の神・真言厳の神の生言霊をたたえ、真言厳の神が天之道立の神の御樋代であると悟った。そして、生代比女の御子生みを守る自分の役割を明らかにした。
魂機張の神は、御子の生命、また新しい国土のすべての生命を守る自分の役割を歌った。
宇礼志穂の神は、国土造りのすばらしさをうれしみたたえる歌を歌った。
美味素の神は、味わいがあってこそ、すべてのものが生きることができる、と自分の役割を歌った。
結比合の神は、厳と瑞の言霊(顕津男の神=瑞と、真言厳の神=厳)の結び合わせ、また玉野比女と生代比女の結び合わせによって、この国土生み神生みができた、と祝い歌を歌った。
待合比古の神は、最後に、長らく待った後ついにこの日を迎えることができた喜びを歌った。
再度に一同は、遠く広がった真鶴国を喜び祝い、頂上の玉野大宮に感謝の神言をのり上げた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:0000-00-00 00:00:00 文字数:3764 OBC :rm7504
愛善世界社版: 八幡書店版:第13輯 305頁 修補版: 校定版:60頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 瑞(みづ)の御霊(みたま)顕津男(あきつを)の神(かみ)並(ならび)に真言厳(まこといづ)の神(かみ)の生言霊(いくことたま)に、002真鶴(まなづる)の広(ひろ)き国原(くにはら)は天地(てんち)震動(しんどう)して前後(ぜんご)左右(さいう)に揺(ゆ)り動(うご)き、003暴風雨(ぼうふうう)頻(しきり)に臻(いた)り、004遂(つひ)に玉野丘(たまのをか)を中心(ちうしん)とする一帯(いつたい)の地(ち)は、005いや次々(つぎつぎ)にふくれ上(あが)り拡(ひろ)ごりて、006驚天(きやうてん)動地(どうち)の光景(くわうけい)を現(げん)じたれば、007神々(かみがみ)は言霊(ことたま)の威力(ゐりよく)に感歎(かんたん)措(お)く能(あた)はず、008各自(おのもおのも)生言霊(いくことたま)の御歌(みうた)を詠(よ)みて、009国土造(くにつく)りの神業(みわざ)を寿(ことほ)ぎ給(たま)ひぬ。
010 玉野(たまの)比女(ひめ)の神(かみ)は御歌(みうた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
011『主(ス)の神(かみ)の神言(みこと)畏(かしこ)み此処(ここ)に来(き)て
012この神業(かむわざ)を初(はじ)めて見(み)るも
013ときじくの香具(かぐ)の木(こ)の実(み)に生(な)り出(い)でし
014吾(われ)は主(ス)の神(かみ)の分霊(わけみたま)なるかも
015二柱(ふたはしら)天津(あまつ)高宮(たかみや)ゆ降(くだ)りまし
016この神業(かむわざ)を助(たす)け給(たま)ふか
017久方(ひさかた)の天(あめ)は轟(とどろ)きあらがねの
018地(つち)は揺(ゆす)りて国土(くに)固(かた)まりぬ
019久方(ひさかた)の空(そら)に閃(きら)めく稲妻(いなづま)の
020はやきは神(かみ)の神業(みわざ)なるらむ
021雷(いかづち)のとどろき強(つよ)し曲神(まがかみ)は
022恐(おそ)れ戦(をのの)き消(き)え失(う)せにけむ
023罪穢(つみけが)れ過(あやま)ち洗(あら)ふと玉泉(たまいづみ)
024滝(たき)と流(なが)れて世(よ)を生(い)かすなり
025神生(かみう)みの業(わざ)に後(おく)れし吾(われ)にして
026国土生(くにう)みの場(には)に立(た)つぞ嬉(うれ)しき
027月読(つきよみ)の御霊(みたま)と現(あ)れし顕津男(あきつを)の
028神(かみ)の功(いさを)のたふときろかも
029玉泉(たまいづみ)清(きよ)くあふれて玉藻山(たまもやま)の
030尾(を)の上(へ)ゆ高(たか)く落(お)ちたぎちつつ
031落(お)ちたぎつ滝(たき)の響(ひびき)に言霊(ことたま)の
032水火(いき)籠(こも)らひて世(よ)を生(い)かすなり
033年月(としつき)を玉野(たまの)宮居(みやゐ)に仕(つか)へつつ
034かかる目出度(めでた)き神業(みわざ)を拝(をろが)むも
035真鶴(まなづる)の国(くに)の栄(さか)えを目(ま)のあたり
036吾(われ)は玉藻(たまも)の山(やま)に見(み)るかな
037久方(ひさかた)の天(あめ)に伸(の)びたつ玉藻山(たまもやま)の
038生(い)ける姿(すがた)は神(かみ)にぞありける
039天地(あめつち)の総(すべ)てのものは主(ス)の神(かみ)の
040清(きよ)けき水火(いき)の固(かた)まりなるかも
041万世(よろづよ)の礎(いしずゑ)固(かた)め給(たま)はむと
042現(あ)れ出(い)でますか瑞(みづ)の御霊(みたま)は
043厳御霊(いづみたま)宣(の)らせ給(たま)へるまさごとを
044普(あまね)く神(かみ)に宣(の)りて生(い)かさむ
045いきいきて生(い)きの果(はて)なき天界(かみくに)に
046生(い)きて栄(さか)えむ身(み)の楽(たの)しさよ
047真言厳(まこといづ)の神(かみ)の尊(たふと)き言霊(ことたま)に
048玉野(たまの)の湖水(うみ)も乾(かわ)きたるかな
049もうもうと湯気(ゆげ)立(た)ち昇(のぼ)り玉野湖(たまのうみ)は
050底(そこ)ひの水(みづ)も次(つぎ)にかわける
051真鶴(まなづる)の国(くに)の柱(はしら)となりませる
052顕津男(あきつを)神(がみ)の姿(すがた)いさましも』
053 生代(いくよ)比女(ひめ)の神(かみ)は寿(ほ)ぎ歌(うた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
054『真鶴(まなづる)の山(やま)の御魂(みたま)と生(うま)れたる
055わが神生(かみう)みの神業(わざ)を畏(かしこ)む
056天(あめ)も地(つち)も澄(す)みきらふ中(なか)にそそりたつ
057玉藻(たまも)の山(やま)に御子(みこ)を生(う)まむか
058厳御霊(いづみたま)瑞(みづ)の御霊(みたま)の水火(いき)凝(こ)りて
059御子(みこ)わが腹(はら)に宿(やど)らせ給(たま)ふか
060真言厳(まこといづ)の神(かみ)の言霊(ことたま)幸(さちは)ひて
061四方(よも)の国原(くにはら)いや拡(ひろ)ごりぬ
062言霊(ことたま)の水火(いき)の力(ちから)を目(ま)のあたり
063見(み)つつ尊(たふと)き神世(かみよ)をおもふ
064天界(かみくに)に気体(きたい)のかろき身(み)をもちて
065御子生(みこう)む神業(わざ)の難(かた)きをおもへり
066さりながら主(ス)の大神(おほかみ)の言霊(ことたま)の
067功(いさを)を見(み)つつわが胸(むね)やすけし
068安々(やすやす)と御子(みこ)の生(あ)れます日(ひ)を待(ま)ちて
069この神国(かみくに)につくさむと思(おも)ふ
070目路(めぢ)の限(かぎ)り湯気(ゆげ)むらむらと立(た)ち昇(のぼ)るは
071水火(すゐくわ)のいきの燃(も)ゆるなるらむ
072見渡(みわた)せば四方(よも)の国原(くにはら)に湯気(ゆげ)立(た)ちぬ
073国土生(くにう)みの神業(わざ)あざやかにして
074立昇(たちのぼ)る湯気(ゆげ)に御空(みそら)の月(つき)も日(ひ)も
075うすら霞(かす)めり真鶴(まなづる)の国(くに)は
076玉野森(たまのもり)の聖所(すがど)は膨(ふく)れ拡(ひろ)ごりて
077御空(みそら)に高(たか)く聳(そび)えたるかも
078玉藻山(たまもやま)の名(な)を負(お)ひまししこの峰(みね)に
079われ謹(つつし)みて玉(たま)の御子生(みこう)まむ
080玉(たま)の御子(みこ)の生(あ)れますよき日(ひ)を楽(たの)しみて
081朝夕(あさゆふ)宣(の)らむ生言霊(いくことたま)を
082朝夕(あさゆふ)を玉藻(たまも)の滝(たき)に禊(みそぎ)して
083国魂神(くにたまがみ)を育(はぐく)みまつらむ
084時(とき)を追(お)ひてわが腹(はら)膨(ふく)れ拡(ひろ)ごりぬ
085真鶴(まなづる)の国(くに)の生(うま)れしに似(に)て
086玉野(たまの)比女(ひめ)の清(きよ)き心(こころ)にほだされて
087われ怯気(おぢけ)なく聖所(すがど)に立(た)つも』
088 美波志(みはし)比古(ひこ)の神(かみ)は寿(ほ)ぎ歌(うた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
089『ときじくに科戸(しなど)の風(かぜ)は天地(あめつち)の
090塵(ちり)を払(はら)ひて清(すが)しき国原(くにはら)よ
091地(ち)の上(うへ)の百(もも)の汚(けが)れを悉(ことごと)く
092水分(みくまり)の神(かみ)は洗(あら)ひ給(たま)ふも
093科戸辺(しなどべ)の神(かみ)と水分(みくまり)の神(かみ)まして
094真鶴(まなづる)の国(くに)は罪穢(つみけが)れなし
095雷鳴(なる)神(かみ)は天(あめ)に轟(とどろ)き天地(あめつち)の
096曲(まが)を払(はら)ひて新(あたら)しき国原(くにはら)
097永久(とこしへ)の闇(やみ)と曇(くもり)を照(てら)すべく
098かがやき走(はし)る稲妻(いなづま)あはれ
099瑞御霊(みづみたま)国土生(くにう)み神生(かみう)みの神業(わざ)終(を)へて
100鎮(しづ)まりゐませこの神国(かみくに)に
101永遠(とことは)にこの神国(かみくに)に鎮(しづ)まりて
102𪫧怜(うまら)に委曲(つばら)にひらかせ給(たま)へ
103主(ス)の神(かみ)の聖所(すがど)と現(あ)れし玉藻山(たまもやま)は
104幾千代(いくちよ)までも動(うご)かざるべし』
105 産玉(うぶだま)の神(かみ)は寿(ほ)ぎ歌(うた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
106『玉泉(たまいづみ)に瑞(みづ)の御霊(みたま)は禊(みそぎ)して
107今日(けふ)の神業(みわざ)を興(おこ)させ給(たま)ひぬ
108玉泉(たまいづみ)の面(おも)にうつりし月(つき)かげを
109見(み)る心地(ここち)すも岐美(きみ)の面(おもて)は
110雄々(をを)しくてやさしくいます瑞御霊(みづみたま)の
111生言霊(いくことたま)はわれを泣(な)かしむ
112味(あぢは)ひの良(よ)き言霊(ことたま)を宣(の)らす岐美(きみ)の
113功(いさを)は遂(つひ)に国土生(くにう)ましける
114真言厳(まこといづ)の神(かみ)の御霊(みたま)は久方(ひさかた)の
115天之(あめの)道立(みちたつ)神(かみ)の御樋代(みひしろ)よ
116道立(みちたつ)の神(かみ)の御樋代(みひしろ)と悟(さと)りけり
117宣(の)り給(たま)ひたる言霊(ことたま)の光(ひかり)に
118主(ス)の神(かみ)のよさし給(たま)ひし玉藻山(たまもやま)に
119厳(いづ)と瑞(みづ)との霊(たま)生(あ)れましぬ
120道立(みちたつ)の神(かみ)の御樋代(みひしろ)と吾(われ)知(し)らず
121居(ゐ)たりし事(こと)を恥(は)づかしみ思(おも)ふ
122生代(いくよ)比女(ひめ)の御腹(みはら)の御子(みこ)を安(やす)らかに
123生(う)ませまつらむ産玉(うぶだま)われは
124生代(いくよ)比女神(ひめがみ)よ安(やす)けくおはしませ
125産玉神(うぶだまがみ)は御子(みこ)をまもらむ
126大(おほい)なる神業(みわざ)に仕(つか)ふる吾(われ)ならず
127貴御子(うづみこ)守(も)ると生(あ)れし神(かみ)はや
128玉泉(たまいづみ)の汀(みぎは)に立(た)たせる生代(いくよ)比女(ひめ)の
129神(かみ)のすがたは光(ひかり)なりける
130真鶴(まなづる)の山(やま)より生(あ)れし神(かみ)なれば
131生(い)きの生命(いのち)の永(なが)かれと祈(いの)る
132生(あ)れまさむ御子(みこ)の生命(いのち)を永久(とこしへ)に
133われは守(まも)らむ真言(まこと)をこめて
134此処(ここ)に来(き)てわが神業(かむわざ)の一端(ひとはし)を
135仕(つか)へむことの嬉(うれ)しかりけり』
136 魂機張(たまきはる)の神(かみ)は寿(ほ)ぎ歌(うた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
137『天(あめ)清(きよ)く地(つち)明(あき)らけくなり出(い)づる
138この目出度(めでた)さを如何(いか)に称(たた)へむ
139真鶴(まなづる)の国土生(くにう)みはなり生代(いくよ)比女(ひめ)の
140神(かみ)は国魂神(くにたまがみ)を孕(はら)ます
141真鶴(まなづる)の国土(くに)は𪫧怜(うまら)に生(う)みをへて
142国魂神(くにたまがみ)を生(う)ますたふとさ
143たまきはる御子(みこ)の生命(いのち)を永久(とこしへ)に
144守(まも)ると吾(われ)は現(あらは)れにけり
145見(み)るからに気高(けだか)くなりし玉藻山(たまもやま)の
146常磐(ときは)の松(まつ)は色(いろ)まさりつつ
147玉野森(たまのもり)のあなたこなたに湧(わ)き出(い)でし
148泉(いづみ)は残(のこ)らず滝(たき)となりける
149万丈(ばんぢやう)の高(たか)きゆ落(お)つる玉藻滝(たまもだき)の
150外(ほか)に千条(ちすぢ)の滝(たき)現(あ)れにけり
151神々(かみがみ)は朝(あさ)な夕(ゆふ)なに謹(つつし)みて
152禊(みそぎ)なすらむ千条(ちすぢ)の滝(たき)に
153言霊(ことたま)の幸(さちは)ひ助(たす)くる神世(かみよ)なり
154如何(いか)で禊(みそぎ)を怠(おこた)るべきかは
155朝夕(あさゆふ)に心(こころ)清(きよ)めて禊(みそぎ)する
156神(かみ)の常磐(ときは)の生命(いのち)守(まも)らむ
157主(ス)の神(かみ)のよさしに吾(われ)は魂機張(たまきはる)
158生命(いのち)の神(かみ)となり出(い)でしはや
159久方(ひさかた)の天(あめ)にも地(つち)にも神々(かみがみ)にも
160木草(きぐさ)にも皆(みな)生命(いのち)あれかし
161わが魂線(たま)を総(すべ)てのものに分配(まくば)りて
162永久(とは)の生命(いのち)を守(まも)らむと思(おも)ふ
163八十日(やそか)日(ひ)はあれども今日(けふ)のいく日(ひ)こそ
164真鶴国(まなづるくに)の創始(はじめ)なりけり
165玉藻山(たまもやま)尾(を)の上(へ)に立(た)ちてをちこちの
166国形見(くにがたみ)れば湯気(ゆげ)立(た)ちのぼるも
167むらむらと湯気(ゆげ)立(た)ち昇(のぼ)る国原(くにはら)を
168はらし固(かた)めむ水火(いき)の生命(いのち)に』
169 宇礼志穂(うれしほ)の神(かみ)は寿(ほ)ぎ歌(うた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
170『嬉(うれ)しさの限(かぎ)りなるかも玉藻山(たまもやま)
171天津(あまつ)御空(みそら)にそそり立(た)ちぬる
172そそり立(た)つ玉藻(たまも)の山(やま)にひかされて
173玉野(たまの)湖水(こすゐ)は山(やま)となりけり
174天地(あめつち)に例(ためし)も知(し)らぬ目出度(めでた)さを
175眺(なが)めて嬉(うれ)し涙(なみだ)にくるるも
176喜(よろこ)びの満(み)ち足(た)らひたる神国(かみくに)に
177何(なに)を歎(なげ)かむ宇礼志穂(うれしほ)の神(かみ)
178空(そら)見(み)れば嬉(うれ)したのもし地(つち)見(み)れば
179わが魂線(たましひ)はよみがへるなり
180愛善(あいぜん)のこの神国(かみくに)に喜(よろこ)びの
181魂線(みたま)配(くば)りて総(すべ)てを生(い)かさむ
182天(あめ)も地(つち)も嬉(うれ)し嬉(うれ)しの神(かみ)の国(くに)に
183生(うま)れし神(かみ)の幸(さち)をおもふも
184歎(なげ)かひの心(こころ)起(おこ)れば主(ス)の神(かみ)の
185生言霊(いくことたま)によりてはらはせよ
186歎(なげ)くべき何物(なにもの)もなき神国(かみくに)は
187嬉(うれ)し嬉(うれ)しの花(はな)ぞ匂(にほ)へる
188白梅(しらうめ)の花(はな)の薫(かを)りにあこがれて
189神世(かみよ)をうたふも迦陵(かりよう)頻伽(びんが)は
190鳳凰(ほうわう)も玉藻(たまも)の山(やま)に下(くだ)り来(き)て
191世(よ)を祝(しゆく)すべく翼(つばさ)うつなり
192真鶴(まなづる)はこれの神山(みやま)により集(つど)ひ
193神世(みよ)をうたへる声(こゑ)の清(すが)しも
194神世(かみよ)よりかかる目出度(めでた)きためしあるを
195吾(われ)は嬉(うれ)しみ待(ま)ちゐたりける
196喜(よろこ)びの極(きは)みなるかな真鶴(まなづる)の
197国(くに)の栄(さか)えと御子(みこ)孕(はら)ませり
198何事(なにごと)も喜(よろこ)び勇(いさ)め喜(よろこ)びの
199満(み)ち足(た)らひたる神国(みくに)なりせば
200天地(あめつち)の真言(まこと)の水火(いき)に育(そだ)てられて
201われは生命(いのち)の嬉(うれ)しさをおもふ
202顕津男(あきつを)の神(かみ)の尊(たふと)き瑞御霊(みづみたま)
203潤(うるほ)ひに生(い)くる真鶴(まなづる)の国(くに)よ
204月読(つきよみ)の露(つゆ)の雫(しづく)のしたたりて
205玉(たま)の泉(いづみ)は湧(わ)き出(い)でにけむ
206玉泉(たまいづみ)溢(あふ)れ溢(あふ)れて滝(たき)となり
207この国原(くにはら)を清(きよ)めたまはむ
208天(あめ)も地(つち)も喜(よろこ)びに満(み)つる神(かみ)の国(くに)
209常世(とこよ)にませとわが祈(いの)るなり』
210 美味素(うましもと)の神(かみ)は寿(ほ)ぎ歌(うた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
211『言霊(ことたま)の水火(いき)幸(さちは)ひて真鶴(まなづる)の
212国(くに)は𪫧怜(うまら)に生(うま)れましける
213国原(くにはら)に味(あぢは)ひなくば如何(いか)にせむ
214百(もも)の木草(きぐさ)も生(お)ひたつ術(すべ)なし
215神々(かみがみ)の心(こころ)に味(あぢ)はひなかりせば
216貴(うづ)の神業(かむわざ)如何(いか)でなるべき
217美味素(うましもと)の神(かみ)と現(あらは)れ天地(あめつち)の
218総(すべ)てのものの味(あぢ)を守(まも)らむ
219玉泉(たまいづみ)湧(わ)きたつ水(みづ)も味(あぢ)なくば
220すべての生命(いのち)を守(まも)る術(すべ)なし
221主(ス)の神(かみ)のよさしのままに美味素(うましもと)
222神(かみ)は永遠(ときは)にあぢはひ守(まも)らむ
223言霊(ことたま)の水火(いき)の濁(にご)れば天地(あめつち)の
224味(あぢ)はひ消(き)ゆるも是非(ぜひ)なかるらむ
225言霊(ことたま)の味(あぢ)はひありて天地(あめつち)の
226すべてのものは生(い)き栄(さか)ゆなり』
227 結比合(むすびあはせ)の神(かみ)は寿(ほ)ぎ歌(うた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
228『厳(いづ)と瑞(みづ)の生言霊(いくことたま)を結(むす)び合(あは)せ
229玉藻(たまも)の山(やま)は固(かた)まりにけり
230厳(いづ)と瑞(みづ)と結(むす)び合(あは)せの水火(いき)をもて
231笑(ゑ)み栄(さか)えゆかむ真鶴(まなづる)の国(くに)は
232山(やま)と河(かは)を結(むす)び合(あは)せて真清水(ましみづ)を
233いや永久(とこしへ)にわかせ生(い)かさむ
234真清水(ましみづ)の露(つゆ)の味(あぢ)はひなかりせば
235百(もも)の木(こ)の実(み)もみのらざるべし
236吾(われ)は今(いま)この神国(かみくに)に天降(あも)りして
237岐美(きみ)の神業(みわざ)をたすけむと思(おも)ふ
238玉野(たまの)比女(ひめ)生代(いくよ)の比女(ひめ)の御心(みこころ)の
239味(あぢ)幸(さちは)ひて国土(くに)は栄(さか)ゆも
240なりなりてなりの果(は)てなき言霊(ことたま)に
241この天地(あめつち)はめぐり栄(さか)ゆく
242大空(おほぞら)に轟(とどろ)き渡(わた)りし雷(いかづち)も
243音(おと)やはらぎて御空(みそら)はれたり
244見渡(みわた)せば目路(めぢ)の限(かぎ)りは真鶴(まなづる)の
245つばさかがよふ神(かみ)の国(くに)はも
246白梅(しらうめ)は玉藻(たまも)の山(やま)の尾(を)の上(へ)まで
247咲(さ)き満(み)ちにつつ辺(あた)りに匂(にほ)へり
248白梅(しらうめ)の清(きよ)き薫(かを)りに包(つつ)まれて
249国形(くにがた)を見(み)る今日(けふ)の楽(たの)しさ』
250 待合(まちあはせ)比古(ひこ)の神(かみ)は寿(ほ)ぎ歌(うた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
251『瑞御霊(みづみたま)来(き)まさむよき日(ひ)待合(まちあは)せ
252今日(けふ)の目出度(めでた)きよき日(ひ)にあふも
253玉野丘(たまのをか)の聖所(すがど)は厳(いづ)の言霊(ことたま)に
254雲井(くもゐ)の空(そら)まで飛(と)び上(あが)りつる
255鳳凰(ほうわう)は翼(つばさ)を並(なら)べ真鶴(まなづる)は
256この国土生(くにう)みを寿(ことほ)ぎてなくも
257幾年(いくとせ)を待合(まちあは)せたる吾(われ)にして
258清(きよ)く生(な)り出(で)し国形(くにがた)見(み)るも
259月(つき)も日(ひ)も御空(みそら)に高(たか)く輝(かがや)きて
260玉藻(たまも)の山(やま)をてらし給(たま)へり
261今日(けふ)よりは玉藻(たまも)の滝(たき)に禊(みそぎ)して
262瑞(みづ)の御霊(みたま)の神業(みわざ)を守(まも)らむ』
263 かく神々(かみがみ)は真鶴(まなづる)の国(くに)のいやひろに、264いや遠(とほ)に膨(ふく)れ上(あが)り拡(ひろ)ごりしを喜(よろこ)び寿(ことほ)ぎ、265歌(うた)をうたひをへて、266頂上(ちやうじやう)なる玉野(たまの)大宮(おほみや)に感謝(ゐやひ)の神言(かみごと)を宣(の)らせ給(たま)ひしぞ目出度(めでた)けれ。
267(昭和八・一一・三 旧九・一六 於水明閣 林弥生謹録)
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